特許第6282259号(P6282259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6282259大型タイル固定材および大型タイル乾式構造の構築方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282259
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】大型タイル固定材および大型タイル乾式構造の構築方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20180208BHJP
   E04F 13/14 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   E04F13/08 101U
   E04F13/14 103F
   E04F13/08 101G
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-253277(P2015-253277)
(22)【出願日】2015年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-156263(P2016-156263A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2016年10月6日
(31)【優先権主張番号】特願2015-31821(P2015-31821)
(32)【優先日】2015年2月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591051209
【氏名又は名称】株式会社日本陶業
(73)【特許権者】
【識別番号】716001474
【氏名又は名称】株式会社長谷川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 正徳
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雄大
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−097209(JP,A)
【文献】 特開2001−303747(JP,A)
【文献】 実開平01−142731(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
E04F 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の躯体壁面に大型タイルを固定するための大型タイル固定材であって、
前記躯体壁面に水平に配置するレール材と、前記レール材に水平方向に前記大型タイルの幅に合わせて複数取り付ける係合片と、からなり、
前記レール材は、前記壁面に固定する固定部と、前記固定部の一方の側縁から垂直に立設する鉤状のタイル係止部と、前記固定部の他方の側縁に設ける係合片連結部と、からなり、
前記係合片連結部は、前記固定部から立設する立ち上げ部と、前記立ち上げ部の端部から、前記固定部と逆方向かつ前記固定部と平行するように立設する係合片接合部と、からなり、
前記係合片は、前記躯体壁面に固定する固定部と、前記固定部の一方の側縁に設けるレール材連結部と、前記固定部の他方の側縁から垂直に立設する鉤状のタイル係合部と、からなり、
前記レール材の前記係合片接合部または前記係合片の前記レール材連結部のいずれかに、前記レール材の幅方向に形成した長孔を有し、
前記長孔を挿通する連結ピンによって、前記係合片を前記レール材に摺動可能に接合することを特徴とする、大型タイル固定材。
【請求項2】
請求項1に記載の大型タイル固定材を用いた、大型タイル乾式構造の構築方法であって、
前記躯体壁面に前記大型タイル固定材を前記係合片が上方に位置するように水平に複数段並列し、前記レール材を前記躯体壁面に固定し、
前記大型タイルの裏面には、水平に連続する上溝部および下溝部を設け、
前記大型タイルを、下に位置する前記大型タイルの前記上溝部を前記レール材の前記タイル係止に係止し、上に位置する前記大型タイルの前記下溝部に前記係合片の前記タイル係合部を落とし込んで係合して、上下方向に並列し、
前記係合片の前記固定部を前記躯体壁面に固定することを特徴とする、大型タイル乾式構造の構築方法。
【請求項3】
建物の躯体壁面に大型タイルを固定するための大型タイル固定材であって、
前記躯体壁面に水平に配置するレール材と、前記レール材に水平方向に前記大型タイルの幅に合わせて複数取り付ける係合片と、からなり、
前記レール材は、前記壁面に固定する固定部と、前記固定部の一方の側縁から垂直に立設する鉤状のタイル係止部と、前記固定部の他方の側縁に設ける係合片連結部と、からなり、
前記係合片連結部は、前記固定部から立設する立ち上げ部と、前記立ち上げ部の端部から、前記固定部と逆方向かつ前記固定部と平行するように立設する係合片接合部と、からなり、
前記係合片は、前記躯体壁面に固定する固定部と、前記固定部の一方の側縁に設けるレール材連結部と、前記固定部の他方の側縁から垂直に立設する鉤状のタイル係合部と、からなり、
前記係合片は、前記レール材連結部と前記レール材の前記係合片接合部とを挿通する連結ピンにより、前記連結ピンを支点にして回動可能な状態で支持することを特徴とする、大型タイル固定材。
【請求項4】
請求項3に記載の大型タイル固定材を用いた、大型タイル乾式構造の構築方法であって、
前記躯体壁面に前記大型タイル固定材を前記係合片を回動して上方に位置した状態で水平に複数段並列して前記レール材を前記躯体壁面に固定し、
前記大型タイルの裏面には、水平に連続する上溝部および下溝部を設け、
前記大型タイルは、下に位置する前記大型タイルの前記上溝部を前記レール材の前記タイル係止に係止し、前記係合片を回動して上に位置する前記大型タイルの前記下溝部に前記係合片の前記タイル係合部を落とし込んで係合することにより、上下方向に並列し、
前記係合片の前記固定部を前記躯体壁面に固定することを特徴とする、大型タイル乾式構造の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の外装材として大型タイルを用いるための、大型タイル固定材および大型タイル乾式構造の構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、建築物のデザイン化が進み、大型タイルによって外装仕上げを行うことが多くなっている。また、外断熱対応等、高機能壁に対する要望も多く、躯体と外装材との間に空間が必要となることも多い。
建築業界においては、外装材の剥落防止、落下防止の必要性が増大してきている。特に都心部では建築物の高層化が進み、湿式工法により施工された外装材の落下による第三者災害が懸念され、それに伴い、長期的に剥落、落下しない乾式工法の必要性が生じている。
特に、建築基準法の改正により、外装材の劣化、損傷の定期調査を行い、検査結果を報告することが義務づけられ、建築物所有者の安全性に対する責任が一層大きくなった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の大型タイルの乾式工法としては、OTセラミックス工法やデュベルファスナー工法などが知られている。
これらの従来工法には、以下のような問題点がある。
(1)焼成後のタイルを加工してファスナーを取り付けるため、タイルの強度が低下する。
(2)焼成後のタイルを加工してファスナーを取り付けるため、タイルに内部応力が残存する。
(3)ファスナー部分で結合する形態のため、結合部分の面積が小さい。
(4)ファスナー部分に応力が集中するため、タイルが破損する恐れがある。
(5)工場にてタイルにファスナーを取り付けるため、運搬時にタイルを重ね合わせることができず、運搬コストが上昇する。
(6)ファスナーを養生する養生材が必要となる。養生材は大型タイル施工後は廃棄物となり、環境に悪影響となる。
【0004】
本発明は、ファスナーなどの治具を使用することなく、大型タイルを固定することができる大型タイル固定材および大型タイル乾式構造の構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本願の第1発明は、建物の躯体壁面に大型タイルを固定するための大型タイル固定材であって、前記躯体壁面に水平に配置するレール材と、前記レール材に水平方向に前記大型タイルの幅に合わせて複数取り付ける係合片と、からなり、前記レール材は、前記壁面に固定する固定部と、前記固定部の一方の側縁から垂直に立設する鉤状のタイル係止部と、前記固定部の他方の側縁に設ける係合片連結部と、からなり、前記係合片連結部は、前記固定部から立設する立ち上げ部と、前記立ち上げ部の端部から、前記固定部と逆方向かつ前記固定部と平行するように立設する係合片接合部と、からなり、前記係合片は、前記躯体壁面に固定する固定部と、前記固定部の一方の側縁に設けるレール材連結部と、前記固定部の他方の側縁から垂直に立設する鉤状のタイル係合部と、からなり、前記レール材の前記係合片接合部または前記係合片の前記レール材連結部のいずれかに、前記レール材の幅方向の長孔を設け、前記長孔を挿通する連結ピンによって、前記係合片を前記レール材に摺動可能に接合することを特徴とする、大型タイル固定材を提供する。
本願の第2発明は、第1発明の大型タイル固定材を用いた、大型タイル乾式構造の構築方法であって、前記躯体壁面に前記大型タイル固定材を前記係合片が上方に位置するように水平に複数段並列し、前記レール材を前記躯体壁面に固定し、前記大型タイルの裏面には、水平に連続する上溝部および下溝部を設け、前記大型タイルは、下に位置する前記大型タイルの前記上溝部を前記レール材の前記タイル係止に係止し、上に位置する前記大型タイルの前記下溝部に前記係合片の前記タイル係合部を落とし込んで係合することにより、上下方向に並列し、前記係合片の前記固定部を前記躯体壁面に固定することを特徴とする、大型タイル乾式構造の構築方法を提供する。
本願の第3発明は、建物の躯体壁面に大型タイルを固定するための大型タイル固定材であって、前記躯体壁面に水平に配置するレール材と、前記レール材に水平方向に前記大型タイルの幅に合わせて複数取り付ける係合片と、からなり、前記レール材は、前記壁面に固定する固定部と、前記固定部の一方の側縁から垂直に立設する鉤状のタイル係止部と、前記固定部の他方の側縁に設ける係合片連結部と、からなり、前記係合片連結部は、前記固定部から立設する立ち上げ部と、前記立ち上げ部の端部から、前記固定部と逆方向かつ前記固定部と平行するように立設する係合片接合部と、からなり、前記係合片は、前記躯体壁面に固定する固定部と、前記固定部の一方の側縁に設けるレール材連結部と、前記固定部の他方の側縁から垂直に立設する鉤状のタイル係合部と、からなり、前記係合片は、前記レール材連結部と前記レール材の前記係合片接合部とを挿通する連結ピンにより、前記連結ピンを支点にして回動可能な状態で支持することを特徴とする、大型タイル固定材を提供する。
本願の第4発明は、第3発明の大型タイル固定材を用いた、大型タイル乾式構造の構築方法であって、前記躯体壁面に前記大型タイル固定材を前記係合片を回動して上方に位置した状態で水平に複数段並列して前記レール材を前記躯体壁面に固定し、前記大型タイルの裏面には、水平に連続する上溝部および下溝部を設け、前記大型タイルは、下に位置する前記大型タイルの前記上溝部を前記レール材の前記タイル係止に係止し、前記係合片を回動して上に位置する前記大型タイルの前記下溝部に前記係合片の前記タイル係合部を落とし込んで係合することにより、上下方向に並列し、前記係合片の前記固定部を前記躯体壁面に固定することを特徴とする、大型タイル乾式構造の構築方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、上記した課題を解決するための手段により、次のような効果の少なくとも一つを得ることができる。
(1)焼成後の大型タイルを加工することがないため、大型タイルの強度低下や内部応力の残存がない。
(2)大型タイルは、裏側に設けた連続する上溝部全体をレール材に係止するため、レール材との結合部分の面積が大きくなる。
(3)結合部分の面積が大きくなるため、応力が分散し、大型タイルが破損することがない。
(4)大型タイルにはファスナーなどの治具がないため、運搬時に重ね合わせることができ、運搬コストを下げることができる。
(5)ファスナーなどの治具がないため、養生材が不要であり、廃棄物が削減され、環境に悪影響を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】大型タイル固定材の説明図
図2】大型タイル固定材の部分拡大図(1)
図3】大型タイル固定材の部分拡大図(2)
図4】大型タイル乾式構造の説明図
図5】大型タイル固定材の係合片の動作説明図
図6】大型タイルの説明図
図7】大型タイル固定材による大型タイル乾式構造の構築方法の説明図
図8】その他の実施例にかかる大型タイル乾式構造の構築方法の説明図(1)
図9】その他の実施例にかかる大型タイル固定材の部分拡大図
図10】その他の実施例にかかる大型タイル固定材の係合片の動作説明図
図11】その他の実施例にかかる大型タイル固定材による大型タイル乾式構造の構築方法の説明図(2)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【実施例】
【0009】
[実施例1]
<1>大型タイル固定材の構成。
本発明の大型タイル固定材1は、レール材2と、レール材2に取り付ける複数の係合片3と、レール材2と係合片3を連結する連結ピン4と、からなる(図1、2、3)。
本発明の大型タイル固定材1は建物の躯体壁面P(外壁、内壁)に水平に並列し、大型タイル5をレール材2に係止した状態で、係合片3を係合することで、大型タイル5を躯体壁面Pに固定する(図4)。
大型タイル固定材1はステンレス鋼からなる。
【0010】
<2>レール材。
レール材2は、躯体壁面Pに固定する固定部21、固定部21の一方の側縁に設けるタイル係止部22、および、固定部21の他方の側縁に設ける係合片連結部23と、からなる。
【0011】
<2.1>固定部。
固定部21は、長尺の平板状の部材である。
固定部21には、所定の間隔を隔ててビス孔211を設ける。
【0012】
<2.2>タイル係止部。
タイル係止部22は、固定部21の一方の側縁から垂直に立設する部材である。
タイル係止部22は、先端を固定部21の方向に折曲して固定部21と平行な係止爪221を形成し、鉤状とする。
【0013】
<2.3>係合片連結部。
係合片連結部23は、固定部21の他方の側縁に設ける部材である。
係合片連結部23は、固定部21から垂直に立設する立ち上げ部231と、立ち上げ部231の先端に設ける係合片接合部232と、からなる。
係合片接合部232は、立ち上げ部231の先端を固定部21と逆方向に折曲することにより固定部21と平行に形成する。
係合片接合部232には、大型タイル5の幅と同じ間隔で、係合片接合部232の幅方向の長孔233を設ける。
【0014】
<3>係合片。
係合片3は、躯体壁面Pに固定する固定部31、固定部31の一方の側縁に設けるレール材連結部32、および、固定部31の他方の側縁に設けるタイル係合部33と、からなる。
【0015】
<3.1>固定部。
固定部31は、平板状の部材である。
固定部31には、所定の間隔を隔ててビス孔311を設ける。
【0016】
<3.2>レール材連結部。
レール材連結部32は、固定部31の一方の側縁に設ける部材である。
レール材連結部32は、固定部31から垂直に立設する立ち上げ部321と、立ち上げ部321の先端に設けるレール材接合部322と、からなる。
レール材接合部322は、立ち上げ部321の先端を固定部31と逆方向に折曲することにより固定部31と平行に形成する。
レール材接合部322には、ピン挿通孔323を設ける。
【0017】
<3.3>タイル係合部。
タイル係合部33は、固定部31の他方の側縁から垂直に立設する部材である。
タイル係合部33は、先端を固定部31の方向に折曲して固定部31と平行な係合爪331を形成し、鉤状とする。
【0018】
<4>レール材と係合片の接合。
レール材2の係合片接合部232の下面に、係合片3のレール材接合部322の上面が接するように重合する(図2)。またはレール材2の係合片接合部232の上面に、係合片3のレール材接合部322の下面が接するように重合してもよい(図3)。
このとき、レール材2の固定部21と係合片3の固定部31が同じ平面に位置するように、立ち上げ部231、221の高さを設定しておく。
そして、レール材2の長孔233と係合片3のピン挿通孔323に連結ピン4を挿通し、レール材2と係合片3を接合した状態で連結する(図5a)。
このように連結することにより、長孔233の範囲内で係合片3がレール材2の幅方向に摺動可能となる(図5b)。
また、長孔233をレール材2側、ピン挿通孔323を係合片3側に設けたが、係合片3側に長孔を設ける構成としてもよい。
【0019】
[実施例2]
次に、実施例1の大型タイル固定材1を用いた大型タイル乾式構造の構築方法を説明する。
【0020】
<1>大型タイルの構成。
大型タイル5は、一辺300〜600mmの平面視矩形の板体である。
大型タイル5の裏面には、大型タイル5の上端付近に設ける上溝部51と、下端付近に設ける下溝部52と、を設ける(図6)。上溝部51と下溝部52はどちらも水平方向に連続する。
上溝部51と下溝部52の高さ方向の断面は、大型タイル5の裏面から表面に向けて、大型タイル5の外側方向に広がる形状とする。このような形状とすることにより、上溝部51の上端および下溝部52の下端には係合空間Sができる。
大型タイル5は焼成前に上溝部51および下溝部52を設けるため、焼成後の加工は行わない。焼成後の大型タイル5を加工することがないため、大型タイル5の強度低下や内部応力の残存がない。
【0021】
<2>構築方法。
(1)部材の搬入。
大型タイル固定材1および大型タイル5を、工場から施工現場へ搬入する。
大型タイル固定材1は、工場において予めレール材2と係合片3は連結しておく。
大型タイル5は上溝部51および下溝部52を大型タイル固定材1に係止して固定するため、従来のようなファスナー等の治具を使用しない。このため、大型タイル5は運搬時に重ね合わせることができる。これにより、保管空間を削減し、運搬コストを下げることができる。また、治具を養生するための養生材も不要となり、廃棄物が削減され、環境に悪影響を与えることがない。
【0022】
(2)レール材の固定。
大型タイル固定材1を施工を行う躯体壁面P表面に水平に配置する。このとき、係合片3を有する側が上方となるように配置する。
そして、ビス6を用いて躯体壁面Pにレール材2の固定部21を固定する(図7a)。
大型タイル固定材1は、大型タイル5の高さと略同じ間隔で上下方向に複数段並列して固定する。
【0023】
(3)大型タイルの係止。
上下に並列する大型タイル固定材1のうち、上方の大型タイル固定材1のタイル係止部22に、大型タイル5の上溝部51を係止する(図7b)。
下方の大型タイル固定材1は、係合片3を上方向に摺動しておく。すると、大型タイル5を係止した後に躯体壁面Pに沿わせた時、係合片3の係合爪331が大型タイル5の下溝部52内に位置する。
大型タイル5は裏面水平方向に連続する上溝部51を大型タイル固定材1に係止するため、大型タイル5設置作業中であっても、大型タイル5全体を大型タイル固定材1によって安定して保持することができる。
【0024】
(4)係合片の落とし込み。
係合片3を摺動させて、係合爪331を大型タイル5の下溝部52の係合空間S内に落とし込むことによって、係合片3と大型タイル5を係合する(図7c)。係合片3を摺動させるだけであるため、施工が容易である。
そして、ビス6を用いて躯体壁面Pに係合片3の固定部31を固定する。
これにより、大型タイル5は、上方はレール材2、下方は係合片3により固定される。大型タイル5にかかる応力は横方向の全長に亘って支持する大型タイル固定材1に分散されるため、大型タイル5が破損する恐れがない。
【0025】
[その他の実施例]
<1>縦胴縁の配置。
躯体壁面Pに高さ方向に亘って縦胴縁7を固定し、その上面に大型タイル固定材1および大型タイル5を固定してもよい(図8)。
大型タイル5を並列した際、目地部に大型タイル固定材1および縦胴縁7が裏当てされる構造となり、目地部から躯体側への雨水の浸入を防止できる。
縦胴縁7により、大型タイル5と躯体壁面Pとの間に空間が確保され、外断熱等の高機能壁に対応することができる。
また、縦胴縁7により、躯体壁面Pの不陸が調整でき、大型タイル固定材1および大型タイル5を均一に安定して固定できる。
【0026】
<2>係合片の回動。
上記実施例においては、係合片3がレール材2の幅方向に摺動可能に構成したが、係合片3がレール材2に対して回動可能に構成してもよい。
係合片3のレール材連結部32のレール材接合部322を一方の端部側を延設して延設部324を設け、その延設部324にピン挿通孔323を設ける。このとき、レール材2には長孔233の代わりにピン挿通孔234を設ける(図9)。
そして、レール材2の係合片接合部232の上面に、係合片3のレール材接合部322の下面が接するように重合し、レール材2のピン挿通孔234と係合片3のピン挿通孔323に連結ピン4を挿通し、レール材2と係合片3を接合した状態で連結する。
このように連結することにより、連結ピン4を支点として、係合片3がレール材2に対して回動可能となる(図10)。
【0027】
そして、大型タイル5を係止する際には、係合片3を上方向に回動しておき(図11a)、大型タイル5を係止した後に係合片3を回動させて、係合片3の係合爪331を大型タイル5の下溝部52の係合空間S内に落とし込むことによって、係合片3と大型タイル5を係合する(図11b)。係合片3を回動させるだけであるため、施工が容易である。
そして、ビス6を用いて躯体壁面Pに係合片3の固定部31を固定する。
【符号の説明】
【0028】
1 大型タイル固定材
2 レール材
21 固定部
211 ビス孔
22 タイル係止部
221 係止爪
23 係合片連結部
231 立ち上げ部
232 係合片接合部
233 長孔
234 ピン挿通孔
3 係合片
31 固定部
311 ビス孔
32 レール材連結部
321 立ち上げ部
322 レール材接合部
323 ピン挿通孔
324 延設部
33 タイル係合部
331 係合爪
4 連結ピン
5 大型タイル
51 上溝部
52 下溝部
6 ビス
7 縦胴縁
P 躯体壁面
S 係合空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11