特許第6282261号(P6282261)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6282261不正使用防止および過量放出防止医薬剤形
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282261
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】不正使用防止および過量放出防止医薬剤形
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/32 20060101AFI20180208BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20180208BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20180208BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   A61K47/32
   A61K9/14
   A61K45/00
   A61P25/30
   A61P25/36
【請求項の数】8
【全頁数】81
(21)【出願番号】特願2015-506203(P2015-506203)
(86)(22)【出願日】2013年4月16日
(65)【公表番号】特表2015-514733(P2015-514733A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】EP2013057851
(87)【国際公開番号】WO2013156453
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2016年4月15日
(31)【優先権主張番号】12002708.1
(32)【優先日】2012年4月18日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390035404
【氏名又は名称】グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーニング・クラウス
(72)【発明者】
【氏名】バルンシャイト・ルッツ
(72)【発明者】
【氏名】シュビーア・ゼバスティアン
【審査官】 菊池 美香
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/083894(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/140007(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/038267(WO,A1)
【文献】 特表2008−528534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 47/32
A61K 9/14
A61K 45/00
A61P 25/30
A61P 25/36
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非イオン性アクリルポリマーから選ばれる持続放出マトリックス材料を含み、医薬有効成分の持続放出、溶媒抽出に対する耐性、粉砕に対する耐性、および水性エタノール中の過量放出に対する耐性を提供する、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含む、不正使用防止医薬製剤であって、その医薬製剤が、
モノリシック構造であり、少なくとも300Nの破壊強度を有し、任意の方向に少なくとも2.0mmの伸長を有し
上記非イオン性アクリルポリマーが、第1のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートおよび第1のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートとは異なる第2のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物から誘導され、そして
100,000g/molから2,000,000g/molの範囲内の重量平均分子量を有し、更に
上記持続放出マトリックス材料の総含量が、医薬製剤の総重量に対して35〜80重量%の範囲内である、
上記医薬製剤。
【請求項2】
第1のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートが、エチルアクリレートであり、第2のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートが、メチルメタクリレートである、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
非イオン性アクリルポリマー中のエチルアクリレートの相対モル含量が、非イオン性アクリルポリマー中のメチルメタクリレートの相対モル含量より大きい、請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
医薬有効成分が、乱用の可能性およびエタノール中の過量放出の可能性を有する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の医薬製剤
【請求項5】
医薬有効成分が、オピオイドまたはその生理学的に許容される塩である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の医薬製剤
【請求項6】
持続放出マトリックスが、少なくとも200,000g/molの重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシドを含まない、請求項1〜5のいずれか一つに記載の医薬製剤
【請求項7】
溶融押出の形にある、請求項1〜6のいずれか一つに記載の医薬製剤
【請求項8】
非イオン性アクリルポリマーから選ばれる持続放出マトリックス材料を含み、医薬有効成分の持続放出を提供する、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含む、請求項1〜7のいずれか一つに記載の不正使用防止医薬製剤の製造方法であって、持続放出マトリックス材料は、水性分散液の形態で使用され、医薬有効成分および持続放出マトリックス材料を含む混合物は、水の存在下で押し出され、水は、押出しプロセスの過程で押し出された材料から蒸発する、上記製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含み、医薬有効成分の持続放出、溶媒抽出に対する耐性、粉砕に対する耐性、および水性エタノール中の過量放出(dose−dumping)に対する耐性を提供する、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含む、不正使用防止(tamper−resistant)医薬剤形(=医薬製剤)に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医薬有効物質は、乱用または誤用される可能性を有し、すなわち、その使用目的と一致しない効果を生成するように使用され得る。したがって、例えば激しい痛みから極めて激しい痛みの制御において優れた効用を示すオピオイドは、中毒に似た陶酔状態を誘発するように乱用されることが多い。特に、精神作用効果を有する活性物質はそのように乱用される。
【0003】
乱用を可能とするためには、対応する医薬剤形、例えば医薬剤形またはカプセルが圧壊される、例えば乱用者により粉砕され、そのようにして得られた粉末から、好ましくは水性の液体を使用して活性物質が抽出され、場合により脱脂綿または紙綿(cellulose wadding)を通して濾過された後、得られた溶液が非経口的に、特に静脈内に投与される。この種の投薬は、経口による乱用と比較してはるかに速い活性物質の拡散をもたらし、乱用者が求める結果、すなわち興奮(kick)が得られる。この興奮またはこれらの中毒のような陶酔状態はまた、粉末状医薬剤形が経鼻的に投与される、すなわち鼻から吸引される場合にも到達される。
【0004】
薬物乱用を回避するための様々な概念が開発されている。
【0005】
医薬剤形が不正使用された場合に嫌悪および/または拮抗作用のみ生成するように、医薬剤形に嫌忌剤(aversive agent)および/または拮抗薬を組み込むことが提案されている。しかしながら、そのような嫌悪剤の存在は本来望ましいものではなく、嫌悪剤および/または拮抗薬に依存することなく十分な不正使用防止を提供することが必要とされている。
【0006】
乱用防止のための別の概念は、医薬剤形の機械的特性、特に増加した破壊強度(圧壊に対する耐性)に依存する。そのような医薬剤形の大きな利点は、従来の手段による粉末化、特に微粒子化、例えば乳鉢内での粉砕またはハンマーを使用した破砕が不可能である、または少なくとも実質的に妨げられるという点である。したがって、乱用に必要となる、潜在的乱用者に通常利用可能な手段による医薬剤形の微粒子化が防止されるか、または少なくとも困難となる。そのような医薬剤形は、従来の手段により粉末化され得ず、したがって粉末形態で、例えば経鼻的に投与され得ないため、それに含有される医薬有効成分の薬物乱用を回避するために有用である。これらの医薬剤形の機械的特性、特に高い破壊強度により、医薬剤形は不正使用防止剤形となる。そのような不正使用防止医薬剤形に関して、例えば、国際公開第2005/016313号(特許文献1)、国際公開第2005/016314号(特許文献2)、国際公開第2005/063214号(特許文献3)、国際公開第2005/102286号(特許文献4)、国際公開第2006/002883号(特許文献5)、国際公開第2006/002884号(特許文献6)、国際公開第2006/002886号(特許文献7)、国際公開第2006/082097号(特許文献8)、国際公開第2006/082099号(特許文献9)、および国際公開第2009/092601号(特許文献10)を参照することができる。
【0007】
中に含有される薬物を乱用するための医薬剤形の不正使用の他に、調節放出経口製剤からの薬物のin vivo放出に対するエタノールの同時摂取の潜在的影響(過量放出)が、近年増加している懸念事項となった。制御または調節放出製剤は、典型的には、即時放出製剤に比べてより多量の医薬有効成分を含有する。製剤の制御放出部分が容易に無効化された場合、最終的には、活性薬物に対する曝露の増加の可能性および安全性に対する懸念の可能性がもたらされる。安全性を改善し、意図的な不正使用(制御放出医薬剤形をエタノール中に溶解して薬物を抽出する等)を回避するために、そのような製剤の調節放出部分のエタノール中への溶解を低減することが有益となり得る。したがって、アルコール中の過量放出の可能性を低減した新たな製剤を開発する必要がある。
【0008】
国際公開第2004/026262号(特許文献11)は、薬学的に効果的な量の乱用可能活性物質の離散粒子を含む乱用防止制御放出医薬組成物を開示しており、前記粒子の表面は、水不溶性コーティング材料で湿潤し、好ましくは、前記組成物は、前記粒子が分散したマトリックスを含む。
【0009】
国際公開第2005/079760号(特許文献12)は、活性成分を含有する医薬製剤の製造における担体として使用される中性ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート)コポリマーに関する。製剤は、好ましくは、溶融押出により作製され、ゴム様特性を有することができ、また不正使用防止性を示し得る。しかしながら、国際公開第2005/079760号(特許文献12)の多微粒子(multiparticulate)は、まだ幾分アルコール抽出により乱用されやすい。例えば、これらの多微粒子は、アルコールがない場合よりもアルコールの存在下で2〜3倍多いオピオイドを放出することが知られている。これは、多微粒子を生成するためのペレット化プロセス中に溶融押出し物を切断することにより形成された表面から生じる薬物放出によりもたらされる。しかしながら、これは、乱用の可能性が比較的高い場合には極めて望ましくない(国際公開第2010/140007号(特許文献13)、2頁を参照されたい)。
【0010】
米国特許第2007/0190142号(特許文献14)は、溶媒抽出、不正使用、圧壊、または粉砕に対する耐性、および薬物放出の初期バーストに続く長期間の制御可能な薬物放出の提供を特徴とする、薬物、特に乱用薬物の送達のための医薬剤形および方法を開示している。
【0011】
国際公開第2008/033523号(特許文献15)は、乱用されやすい1種の活性医薬成分を少なくとも含み得る顆粒を含んでもよい医薬組成物を開示している。粒子は、アルコール可溶性およびアルコール不溶性の両方ならびに少なくとも部分的に水溶性の材料を含有する。材料は共にアルコールおよび水の存在下で造粒される。顆粒はまた、圧壊耐性を示す顆粒上のコーティングを含んでもよい。顆粒上の材料堆積は、アルコール系溶媒を使用して行われる。
【0012】
国際公開第2008/107149号(特許文献16)は、乱用の可能性を有する1種以上の活性物質、少なくとも1種の合成または天然ポリマー、および少なくとも1種の崩壊剤を含有する、乱用が妨げられた多微粒子医薬剤形を開示しており、医薬剤形の個々の粒子は、少なくとも500Nの破壊強度を有し、45分後に少なくとも75%の活性物質が放出される。例示的なカプセル剤は、医薬有効成分の急速な放出を提供する。
【0013】
米国特許第2009/0317355号(特許文献17)および米国特許第2010/0172989号(特許文献18)は、乱用の可能性が低減された経口投与用組成物に関する。ある特定の好ましい実施形態において、医薬剤形は、溶媒抽出、不正使用、圧壊または粉砕に対する耐性を特徴とする。ある特定の実施形態は、薬物放出の初期バーストに続く長期間の制御可能な薬物放出を提供する医薬剤形を提供する。
【0014】
国際公開第2010/140007号(特許文献13)は、薬物を含む溶融押出し微粒子を含む医薬剤形を開示しており、前記溶融押出し微粒子は、マトリックス中で不連続相として存在する。医薬剤形は、薬物の持続放出を提供する。溶融押出し微粒子は、エタノール中に自由に可溶であり、したがって、エタノール抽出および過量放出それぞれに対する保護を提供しない。
【0015】
米国特許第2010/0092553号(特許文献19)は、その組成および構造により誤用を回避することができる固体多微粒子経口製薬形態を開示している。マイクロ粒子は、薬物の調節放出を確実とすると同時に、誤用を回避するためにコーティングされたマイクロ粒子に圧壊耐性を付与する、極めて厚いコーティング層を有する。
【0016】
米国特許第2010/249045号(特許文献20)は、オピオイド作動薬の経口乱用防止医薬組成物、オピオイド作動薬の徐放性医薬組成物、およびオピオイド作動薬の徐放性乱用防止医薬組成物、ならびにそれらの使用を開示している。
【0017】
しかしながら、これらの医薬剤形の特性は、あらゆる点で満足に足るものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際公開第2005/016313号
【特許文献2】国際公開第2005/016314号
【特許文献3】国際公開第2005/063214号
【特許文献4】国際公開第2005/102286号
【特許文献5】国際公開第2006/002883号
【特許文献6】国際公開第2006/002884号
【特許文献7】国際公開第2006/002886号
【特許文献8】国際公開第2006/082097号
【特許文献9】国際公開第2006/082099号
【特許文献10】国際公開第2009/092601号
【特許文献11】国際公開第2004/026262号
【特許文献12】国際公開第2005/079760号
【特許文献13】国際公開第2010/140007号
【特許文献14】米国特許第2007/0190142号
【特許文献15】国際公開第2008/033523号
【特許文献16】国際公開第2008/107149号
【特許文献17】米国特許第2009/0317355号
【特許文献18】米国特許第2010/0172989号
【特許文献19】米国特許第2010/0092553号
【特許文献20】米国特許第2010/249045号
【特許文献21】米国特許公開(A1)第2003/0064099号
【特許文献22】国際公開第2004/043967号
【特許文献23】国際公開第2005/066183号
【特許文献24】欧州特許公開(A)第240 906号
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】「Coated Pharmaceutical dosage forms − Fundamentals, Manufacturing Techniques, Biopharmaceutical Aspects, Test Methods and Raw Materials」、Kurt H. Bauer、K. Lehmann、Hermann P. Osterwald、Rothgang、Gerhart著、第1版、1998、Medpharm Scientific Publishers
【非特許文献2】Handbook of Pharmaceutical Excipients、American Pharmaceutical Association(1986)
【非特許文献3】「Pharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe」、Dr. Hildebert Wagner教授著、第2改訂版、Gustav Fischer Verlag、Stuttgart−New York、1982、82頁
【非特許文献4】W.A.Ritschel、Die Tablette、2. Auflage、Editio Cantor Verlag Aulendorf、2002
【非特許文献5】H Liebermannら、Pharmaceutical dosage forms: Pharmaceutical dosage forms、第2巻、Informa Healthcare;第2版、1990
【非特許文献6】Encyclopedia of Pharmaceutical Technology、Informa Healthcare;第1版
【非特許文献7】P. A. Proeschelら、J Dent Res、2002、81(7)、464〜468頁
【非特許文献8】Eur.Ph.5.0、2.9.8または6.0、2.09.08「Resistance to Crushing of Pharmaceutical dosage forms」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、医薬有効成分の持続放出を提供し、先行技術の医薬剤形と比較して利点を有する、不正使用防止および過量放出防止医薬剤形を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目的は、特許請求の範囲により達成された。
【0022】
驚くべきことに、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる十分な量の持続放出マトリックス材料を含む持続放出マトリックス中に医薬有効成分を埋め込むと、持続放出マトリックスは、医薬有効成分の持続放出と、特に医薬有効成分の溶媒抽出に対する耐性、持続放出マトリックスおよび医薬剤形のそれぞれの粉砕に対する耐性、ならびに水性エタノール中の医薬有効成分の過量放出に対する耐性の点での不正使用防止とを同時に提供することが見出された。
【0023】
本発明の第一の態様は、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含み、医薬有効成分の持続放出、溶媒抽出に対する耐性、粉砕に対する耐性、および水性エタノール中の過量放出に対する耐性を提供する、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含む、不正使用防止医薬剤形に関する。
【0024】
本発明の別の態様は、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含み、医薬有効成分の持続放出を提供する、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含む医薬剤形に関し、医薬剤形は、好ましくは不正使用防止剤形であり、不正使用防止とは、好ましくは、医薬剤形が、
(i)好ましくは溶媒抽出に対する耐性を提供すること、および/または
(ii)好ましくは粉砕に対する耐性を提供すること、および/または
(iii)好ましくは水性エタノール中の過量放出に対する耐性を提供すること
を意味する。
【0025】
したがって、本発明のこの態様によれば、本発明による医薬剤形は、必ずしも(i)から(iii)の耐性のいずれかを示さなければならないわけではないが、好ましくは、(i)から(iii)の耐性のいずれか、およびその任意の組合せを示し、すなわち(i)のみ、(ii)のみ、(iii)のみ、(i)および(ii)のみの組合せ、(i)および(iii)のみの組合せ、(ii)および(iii)のみの組合せ、または(i)および(ii)および(iii)の組合せを示し得る。
【0026】
本発明のさらに別の態様は、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含み、医薬有効成分の持続放出を提供する、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含む、不正使用防止医薬剤形の生成のための方法であって、持続放出マトリックス材料は、水性分散液の形態で使用され、医薬有効成分および持続放出マトリックス材料を含む混合物は、水の存在下で押し出され、水は、押出しプロセスの過程で、すなわち好ましくは押し出された材料が押出機の出口開口から出る前に、押し出された材料から蒸発する方法に関し、好ましくは、不正使用防止医薬剤形は、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含む、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含み、医薬有効成分の持続放出、溶媒抽出に対する耐性、粉砕に対する耐性、および水性エタノール中の過量放出に対する耐性を提供する、本発明による不正使用防止医薬剤形である。
【0027】
本発明のさらに別の態様は、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含み、医薬有効成分の持続放出を提供する、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含む、不正使用防止医薬剤形の生成のための方法であって、持続放出マトリックス材料は、水性分散液の形態で使用され、医薬有効成分および持続放出マトリックス材料を含む混合物は、水の存在下で押し出され、水は、押出しプロセスの過程で、すなわち好ましくは押し出された材料が押出機の出口開口から出る前に、押し出された材料から蒸発する方法により得ることができる、不正使用防止医薬剤形に関する。
【0028】
本発明のさらなる態様は、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含み、医薬有効成分の持続放出を提供する、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含む、不正使用防止医薬剤形の生成のための方法であって、持続放出マトリックス材料は、水性分散液の形態で使用され、医薬有効成分および持続放出マトリックス材料を含む混合物は、水の存在下で押し出され、水は、押出しプロセスの過程で、すなわち好ましくは押し出された材料が押出機の出口開口から出る前に、押し出された材料から蒸発する方法により得ることができる、不正使用防止医薬剤形に関し、不正使用防止医薬剤形は、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含む、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含み、医薬有効成分の持続放出、溶媒抽出に対する耐性、粉砕に対する耐性、および水性エタノール中の過量放出に対する耐性を提供する、本発明による不正使用防止医薬剤形である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】比較例としての国際公開第2010/140007号に記載された図2に対応し、微粒子の持続放出マトリックスは、水性エタノール中の過量放出または水性エタノールを用いた溶媒抽出に対する耐性を示す。
図2】長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
図3】長円形錠剤(7×17mmH9)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
図4】切断ロッド型錠剤(ダイ直径5.0mm)のSIF中の溶解プロフィール(n=3)を示す。
図5】長円形錠剤(717mm)のSIF、エタノールおよびHCl中の溶解プロフィール(n=3;DS<2%)を示す。
図6】ペレットの溶解プロフィールを示す(3回の測定からの平均)。
図7】錠剤の溶解プロフィールを示す(3回の測定からの平均)。
図8】長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
図9】SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
図10】長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
図11】SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
図12】長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
図13】SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
図14】長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
図15】SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
図16】長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
図17】SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
図18】長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
図19】SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
好ましい実施形態において、特に持続放出マトリックス材料がワックス様材料を含む場合、本発明による医薬剤形は、粉末状混合物から、室温で液だれしない凝集した物体(a coherent, not dripping body)に変換される。好ましくは、変換は、液だれしない凝集した形態を生成するのに十分な圧力での、好ましくは少なくとも10バール、または少なくとも30バールの圧力での、周囲温度での圧縮により行われる。
【0031】
別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、熱成型される、より好ましくは溶融押出される。熱成型は、好ましくは、医薬剤形の製造の過程において、集合体が周囲温度を超える温度、好ましくは少なくとも30℃、少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも60℃、少なくとも70℃、または少なくとも80℃に加熱されること、および好ましくは滴下しないまとまった形態を生成するのに十分な圧力で、好ましくは少なくとも10バールまたは少なくとも30バールの圧力で圧縮されることを意味する。圧縮力は、加熱前、加熱中、または加熱後に付与され得る。
【0032】
本明細書において使用される場合、「医薬剤形」という用語は、医薬有効成分を含み、実際に患者に投与される、または患者により摂取される薬学的実体を指す。医薬剤形は、その製造において圧縮または成型されてもよく、またほとんど、任意のサイズ、形状、重量および色のものであってもよい。
【0033】
医薬剤形は、好ましくは、固体または半固体である。
【0034】
本発明による医薬剤形の例は、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、ペレット剤、フィルム剤、サシェ剤および沸騰散剤等を含むが、これらに限定されない。本発明の一実施形態において、組成物は、カプセル内に製剤化される。この実施形態によれば、医薬剤形は、硬または軟ゼラチンカプセル剤を含む。
【0035】
ほとんどの医薬剤形は、嚥下されることが意図され、したがって、本発明による好ましい医薬剤形は、経口投与用に設計される。しかしながら、代替として、医薬剤形は、口内で溶解されてもよく、咀嚼されてもよく、またいくつかは、体腔内に設置されてもよい。したがって、本発明による医薬剤形は、代替として、口腔、舌下、直腸内または膣内投与に適合されてもよい。インプラントもまた可能である。
【0036】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形はモノリシック構造である。これらの状況下では、持続放出マトリックスは、好ましくは、医薬剤形の本体を形成する。これに関して、モノリシック構造は、好ましくは、医薬剤形が接合点もしくは継ぎ目のない材料で形成もしくは構成されるか、または単一の単位からなる、もしくはそれを構成することを意味する。定義のために、フィルムでコーティングされたモノリシック構造コアもまた、本発明によるモノリシック構造剤形とみなされる。特に、これに関して、モノリシック構造は、好ましくは、医薬剤形が、巨視的な少微粒子(oligoparticulate)または多微粒子が埋め込まれた外側マトリックス材料もまた場合により含む錠剤等の剤形に圧縮される前記少微粒子または多微粒子を、好ましくは含まないことを意味する。好ましくは、本発明による医薬剤形がモノリシック構造である場合、医薬剤形は少なくとも200mg、より好ましくは少なくとも250mg、最も好ましくは少なくとも300mg、特に少なくとも350mgの重量を有する。
【0037】
別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形はモノリシック構造ではない。好ましくは、本発明による非モノリシック構造医薬剤形は、少微粒子である。これに関して、少微粒子は、好ましくは、医薬剤形中に含まれる医薬有効成分を含有する全ての微粒子(=薬物含有微粒子)が、20mg以上の重量を有することを意味する。この実施形態によれば、全ての薬物含有少微粒子は、好ましくは、少なくとも30mg、より好ましくは少なくとも40mg、さらにより好ましくは少なくとも50mg、最も好ましくは少なくとも60mg、特に少なくとも100mgの重量を有する。好ましくは、全ての薬物含有少微粒子は、20〜1000mg、より好ましくは30〜800mg、さらにより好ましくは40〜600mg、さらにより好ましくは50〜400mg、さらにより好ましくは60〜200mg、最も好ましくは70〜150mg、特に80〜120mgの重量を有する。さらに、この実施形態によれば、本発明による少微粒子医薬剤形は、好ましくは最大10個、より好ましくは最大9個、さらにより好ましくは最大8個、さらにより好ましくは最大7個、さらにより好ましくは最大6個、最も好ましくは最大5個、特に最大4個または3個または2個の薬物含有少微粒子を含む。本発明による医薬剤形が少微粒子である場合、医薬剤形は、20mg未満の重量を有し得る薬物不含微粒子をさらに含んでもよい。
【0038】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形はまた、モノリシック構造ではない。好ましくは、本発明による医薬剤形は、多微粒子であり、すなわち、複数の微粒子を含む。これに関して、多微粒子は、好ましくは、医薬剤形に含まれる全ての薬物含有微粒子が20mg未満の重量を有することを意味する。この実施形態によれば、全ての薬物含有多微粒子は、好ましくは、18mg未満、より好ましくは16mg未満、さらにより好ましくは14mg未満、さらにより好ましくは12mg未満、さらにより好ましくは10mg未満、最も好ましくは8mg未満、特に6または4mg未満の重量を有する。さらに、この実施形態によれば、本発明による多微粒子医薬剤形は、好ましくは少なくとも2個、より好ましくは少なくとも4個、さらにより好ましくは少なくとも6個、さらにより好ましくは少なくとも8個、さらにより好ましくは少なくとも10個、最も好ましくは少なくとも15個、特に少なくとも20個または100個または1000個の薬物含有多微粒子を含む。多微粒子医薬剤形の利点は、微粒子が、異なる量で混合され、それにより異なる強度の医薬剤形を生成し得るという点である。
【0039】
しかしながら、多微粒子剤形は、モノリシック構造剤形および少微粒子剤形よりも好ましくない。
【0040】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、MUPS製剤(複数単位ペレット系)とみなすことができる。好ましくは、本発明による医薬剤形は、カプセル剤に比べ比較的高い密度を有する高密度小単位中に全ての成分を含有する。これらの状況下では、本発明による医薬剤形は、好ましくは、異なる形態および特性を有する部分単位、すなわち薬物含有微粒子および外側マトリックス材料を含み、微粒子は、外側マトリックス材料中に不連続相を形成する。外側マトリックス材料は、持続放出マトリックスの構成成分ではなく、本発明による医薬剤形の持続放出マトリックス材料、および持続放出マトリックスの任意選択の付加的な持続放出マトリックス材料とは区別されるものである。
【0041】
微粒子は、典型的には、外側マトリックス材料の機械的特性とは異なる機械的特性を有する。好ましくは、微粒子は、外側マトリックス材料よりも高い機械的強度を有する。微粒子は、好ましくは、固体核磁気共鳴分光法、走査型電子顕微鏡法、テラヘルツ分光法等の従来の手段により可視化することができる。
【0042】
本発明による医薬剤形は、好ましくは、0.01〜1.5gの範囲内、より好ましくは0.05〜1.2gの範囲内、さらにより好ましくは0.1g〜1.0gの範囲内、さらにより好ましくは0.2g〜0.9gの範囲内、最も好ましくは0.3g〜0.8gの範囲内の総重量を有する。好ましい実施形態において、医薬剤形の総重量は、500±450mg、より好ましくは500±300mg、さらにより好ましくは500±200mg、さらにより好ましくは500±150mg、最も好ましくは500±100mg、特に500±50mgの範囲内である。
【0043】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、丸い医薬剤形である。この実施形態の医薬剤形は、好ましくは、約1mm〜約30mmの範囲内、具体的には約2mm〜約25mm、より具体的には約5mm〜約23mm、さらにより具体的には約7mm〜約13mmの範囲内の直径、および約1.0mm〜約12mmの範囲内、具体的には約2.0mm〜約10mm、さらにより具体的には3.0mm〜約9.0mm、さらにより具体的には約4.0mm〜約8.0mmの範囲内の厚さを有する。
【0044】
別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、長円形の医薬剤形である。この実施形態の医薬剤形は、好ましくは、約1mm〜約30mm、具体的には約2mm〜約25mm、より具体的には約5mm〜約23mm、さらにより具体的には約7mm〜約20mmの範囲内の縦方向の伸長(長手方向の伸長)、約1mm〜約30mmの範囲内、具体的には約2mm〜約25mm、より具体的には約5mm〜約23mm、さらにより具体的には約7mm〜約13mmの範囲内の幅、および約1.0mm〜約12mmの範囲内、具体的には約2.0mm〜約10mm、さらにより具体的には3.0mm〜約9.0mm、さらにより具体的には約4.0mm〜約8.0mmの範囲内の厚さを有する。
【0045】
好ましくは、本発明による医薬剤形は、フィルムの形態ではない。
【0046】
本発明による医薬剤形は、場合により、コーティング、例えば表面的なコーティングを含んでもよい。好ましい実施形態において、コーティングされた本発明による医薬剤形は、モノリシック構造である。コーティングは、好ましくは、医薬剤形の形成後に施される。コーティングは、硬化プロセスの前または後に施されてもよい。本発明による医薬剤形は、好ましくは、従来のフィルムコーティング組成物でフィルムコーティングされる。好適なコーティング材料は、例えばOpadry(登録商標)およびEudragit(登録商標)の商品名で市販されている。
【0047】
好適な材料の例は、セルロースエステルおよびセルロースエーテル、例えばメチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Na−CMC)、ポリ(メタ)アクリレート、例えばアミノアルキルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、および天然塗膜形成要素を含む。
【0048】
コーティングは、胃液に耐えることができ、放出環境のpH値の関数として溶解し得る。このコーティングを用いて、本発明による医薬剤形が溶解されずに胃を通過し、活性化合物が腸においてのみ放出されることを確実とすることができる。胃液に耐性を有するコーティングは、好ましくは、5から7.5の間のpH値で溶解する。
【0049】
コーティングはまた、例えば、医薬剤形の美的印象および/または味、ならびにそれらが嚥下され得る容易性を改善するために施されてもよい。本発明による医薬剤形のコーティングはまた、安定性および保存期間の改善等の他の目的も果たすことができる。好適なコーティング製剤は、例えば、フィルム形成ポリマー、例えばポリビニルアルコールまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えばヒプロメロース等、可塑剤、例えばグリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール等、不透明化剤、例えば二酸化チタン等、およびフィルム平滑化剤(film smoothener)、例えばタルク等を含む。好適なコーティング溶媒は、水および有機溶媒である。有機溶媒の例は、アルコール、例えばエタノールまたはイソプロパノール、ケトン、例えばアセトン、またはハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレンである。コーティングされた本発明による医薬剤形は、好ましくは、まずコアを作製し、その後コーティングパン内でのコーティング等の従来の技術を使用して前記コアをコーティングすることにより調製される。
【0050】
本発明による医薬剤形は、持続放出マトリックスを含む。持続放出マトリックスは、一方で、持続放出マトリックス材料および医薬有効成分を含む。医薬有効成分は、持続放出マトリックス材料により形成される持続放出マトリックス中に埋め込まれる。好ましくは、医薬有効成分は、持続放出マトリックス材料中に分散される。
【0051】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子、例えばペレットの形態である場合、微粒子は、好ましくは持続放出マトリックスを、ひいては医薬剤形中に含有される医薬有効成分の総量の少なくとも一部を含む。好ましくは、微粒子は、医薬剤形中に含有される医薬有効成分の総量を含む。
【0052】
本明細書の目的において、「微粒子」、「少微粒子」または「多微粒子」は、例えば20℃または室温または周囲温度で固体である材料の別個の集合体を指す。好ましくは、微粒子は、20℃で固体である。好ましくは、微粒子は、モノリシック構造である。好ましくは、医薬有効成分および持続放出マトリックス材料は、微粒子が、医薬有効成分が持続放出マトリックス材料の非存在下で存在する、または持続放出マトリックス材料が医薬有効成分の非存在下で存在するいかなるセグメントも含有しないように、微粒子内に密に均質に分布している。
【0053】
微粒子がフィルムコーティングされる場合、持続放出マトリックス材料は、好ましくは微粒子のコア内に均質に分布しており、すなわち、フィルムコーティングは、好ましくは持続放出マトリックス材料を含有しない。
【0054】
特に好ましい実施形態において、モノリシック構造医薬剤形または医薬剤形中に含まれる薬物含有微粒子は、所与の方向に少なくとも2.0mm、より好ましくは少なくとも2.2mm、さらにより好ましくは少なくとも2.5mm、さらにより好ましくは少なくとも2.8mm、さらにより好ましくは少なくとも3.0mm、最も好ましくは少なくとも3.2mm、具体的には少なくとも3.5mmまたは4.0mmの伸長を有する。この実施形態によれば、微粒子は、特に好ましくは、所与の方向に少なくとも2.0mmまたは3.0mmの伸長を有し、少なくとも20mgの重量を有する。
【0055】
微粒子は、好ましくは巨視的サイズのものであり、典型的には、平均直径は、100μm〜1500μm、または2000μm〜5000μm、好ましくは200μm〜1500μmまたは2200μm〜4500μm、より好ましくは300μm〜1500μmまたは2500μm〜4200μm、さらにより好ましくは400μm〜1500μmまたは2800μm〜4000μm、最も好ましくは500μm〜1500μmまたは2900μm〜3700μm、具体的には600μm〜1500μmまたは3000μm〜3500μmの範囲内である。好ましくは、医薬剤形中の微粒子は、少なくとも50μm、より好ましくは少なくとも100μm、さらにより好ましくは少なくとも150μmまたは少なくとも200μm、さらにより好ましくは少なくとも250μmまたは少なくとも300μm、最も好ましくは少なくとも400μmまたは少なくとも500μm、具体的には少なくとも550μmまたは少なくとも600μmの平均粒子サイズを有する。
【0056】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、不連続相として微粒子を含み、すなわち、微粒子は外側マトリックス材料中に不連続相を形成し、一方外側マトリックス材料は、好ましくは連続層を形成する。これに関して、不連続とは、ありとあらゆる微粒子が別の微粒子と密に接触しているわけではないが、微粒子が埋め込まれている外側マトリックス材料により微粒子が互いから少なくとも部分的に分離していることを意味する。換言すれば、微粒子は、本発明による医薬剤形中に好ましくは単一のまとまった集合体を形成しない。
【0057】
好ましくは、医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、本発明による医薬剤形中の微粒子の含量は、医薬剤形の総重量を基準として最大95重量%、より好ましくは最大90重量%、さらにより好ましくは最大85重量%、さらにより好ましくは最大80重量%、最も好ましくは最大75重量%、具体的には最大70重量%である。
【0058】
好ましくは、医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、本発明による医薬剤形中の微粒子の含量は、医薬剤形の総重量を基準として少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%または少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、または少なくとも45重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%または少なくとも65重量%、具体的には少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%または少なくとも85重量%である。
【0059】
医薬剤形がモノリシック構造である場合、モノリシック構造の形状は、好ましくは球状または長円形である。この実施形態によれば、モノリシック構造の表面は、好ましくは凸状である。好ましくは、本発明によるモノリシック構造の表面には凹状の部分はない。特に好ましくは、本発明によるモノリシック構造医薬剤形は、球状または長円形状および凸状表面を有する。
【0060】
医薬剤形が少微粒子である場合、微粒子の形状は、円筒状、球状または長円形であってもよい。好ましくは、少微粒子の形状は、球状または長円形である。この実施形態によれば、少微粒子の表面は、好ましくは凸状である。好ましくは、本発明による少微粒子の表面には凹状の部分はない。特に好ましくは、本発明による少微粒子は、表面が凸状の球状または長円形少微粒子である。
【0061】
医薬剤形が多微粒子である場合、微粒子の形状は、特に限定されない。微粒子は、好ましくはホットメルト押出(hot−melt extrusion)により製造され、本発明による医薬剤形中に存在する好ましい微粒子は、一般に円筒形状である。したがって、そのような微粒子の直径は、それらの円形断面の直径である。円筒形状は、円形断面が押出しダイの関数となり、円筒の長さが、押し出された材料のストランドが好ましくは多かれ少なかれ所定の長さの部分に切断される切断長さの関数となる押出しプロセスによりもたらされる。
【0062】
典型的には、アスペクト比は、球形状の重要な指標とみなされる。アスペクト比は、最大直径(dmax)およびそれに直行するフェレ径の比として定義される。非球形微粒子の場合、アスペクト比は1を超える値を有する。その値が小さいほど、微粒子はより球形である。好ましい実施形態において、微粒子のアスペクト比は最大1.40、より好ましくは最大1.35、さらにより好ましくは最大1.30、さらにより好ましくは最大1.25、さらにより好ましくは最大1.20、最も好ましくは最大1.15、具体的には最大1.10である。別の好ましい実施形態において、微粒子のアスペクト比は少なくとも1.10、より好ましくは少なくとも1.15、さらにより好ましくは少なくとも1.20、さらにより好ましくは少なくとも1.25、さらにより好ましくは少なくとも1.30、最も好ましくは少なくとも1.35、具体的には少なくとも1.40である。
【0063】
好ましい微粒子は、約1000μm以下の平均長さおよび平均直径を有する。別の好ましい実施形態において、微粒子は、少なくとも2000μmまたは少なくとも3000μmの平均長さおよび平均直径を有する。微粒子が押出し技術により製造される場合、微粒子の「長さ」は、押出しの方向に平行な微粒子の寸法である。微粒子の「直径」は、押出しの方向に垂直な最大寸法である。
【0064】
特に好ましい微粒子は、約1000μm未満、または約10000μm未満、より好ましくは約800μm未満または約8000μm未満、さらにより好ましくは約650μm未満または約6000μm未満の平均直径を有する。特に好ましい微粒子は、700μm未満、具体的には600μm未満、さらにより具体的には500μm未満、例えば400μm未満の平均直径を有する。特に好ましい微粒子は、200〜1000μmまたは2000〜8000μm、より好ましくは400〜800μmまたは2200〜7000μm、さらにより好ましくは450〜700μmまたは2500〜6000μm、さらにより好ましくは500〜650μm、例えば約500〜600μmまたは2800〜5000μmの平均直径を有する。さらに好ましい微粒子は、約300μmから約400μmの間、約400μmから500μmの間、または約500μmから600μmの間、または600μmから700μmの間、または700μmから800μmの間の平均直径を有する。
【0065】
本発明による医薬剤形中に存在する好ましい微粒子は、約1000μmもしくは10000μm未満の平均長さ、好ましくは約800μmもしくは8000μm未満の平均長さ、さらにより好ましくは、約650μmもしくは5000μm未満の平均長さ、例えば約800μmもしくは4700μm、約700μmもしくは4500μm、約600μmもしくは4200μm、約500μmもしくは4000μm、約400μmもしくは3700μm、または約300μmもしくは3500μmの長さを有する。特に好ましい微粒子は、700μm未満、具体的には650μm未満、さらにより好ましくは550μm未満、例えば450μm未満の平均長さを有する。したがって、特に好ましい微粒子は、200〜1000μmまたは2000〜8000μm、より好ましくは400〜800μmまたは2200〜7000μm、さらにより好ましくは450〜700μmまたは2400〜6000μm、さらにより好ましくは500〜650μm、例えば約500〜600μmまたは2600〜5000μmの範囲内の平均長さを有する。マイクロ微粒子の最小平均長さは、切断ステップにより決定され、例えば、8000μm、6000μm、4000μm、3000μm、2000μm、1000μm、500μm、400μm、300μmまたは200μmであってもよい。
【0066】
本発明による医薬剤形中に存在する好ましい微粒子は、25mm−1未満、より好ましくは20mm−1未満、さらにより好ましくは15mm−1未満、さらにより好ましくは10mm−1未満、さらにより好ましくは8mm−1未満、最も好ましくは5mm−1未満、具体的には3mm−1未満の表面対体積比を有する。
【0067】
微粒子のサイズは、当該技術分野において知られた任意の従来の手順、例えば、レーザ光散乱、篩分析、光学顕微鏡法または画像分析により決定され得る。
【0068】
好ましくは、医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、本発明による医薬剤形中に含有される複数の微粒子は、以下で「aaw」と呼ばれる算術平均重量を有し、前記複数の微粒子中に含有される個々の粒子の少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも90%、具体的には少なくとも95%が、aaw±30%、より好ましくはaaw±25%、さらにより好ましくはaaw±20%、さらにより好ましくはaaw±15%、最も好ましくはaaw±10%、具体的にはaaw±5%の範囲内の個々の重量を有する。例えば、本発明による医薬剤形が複数の100個の微粒子を含有し、前記複数の微粒子のaawが1.00mgである場合、少なくとも75個の個々の粒子(すなわち75%)が、0.70〜1.30mg(1.00mg±30%)の範囲内の個々の重量を有する。
【0069】
好ましい実施形態において、医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、微粒子は、フィルムコーティングされていない。
【0070】
別の好ましい実施形態において、医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、微粒子は、フィルムコーティングされている。本発明による微粒子は、場合により、部分的または完全に、従来のコーティングと共に提供され得る。微粒子は、好ましくは、従来のフィルムコーティング組成物でコーティングされる。好適なコーティング材料は、例えばOpadry(登録商標)およびEudragit(登録商標)の商品名で市販されている。
【0071】
好適な材料の例は、セルロースエステルおよびセルロースエーテル、例えばメチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Na−CMC)、エチルセルロース(EC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP);ポリ(メタ)アクリレート、例えばアミノアルキルメタクリレートコポリマー、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー;ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、ポリ酢酸ビニル、および天然塗膜形成要素を含む。
【0072】
コーティング材料は、安定剤等(例えばマクロゴールセトステアリルエーテル、ドデシル硫酸ナトリウム等の界面活性剤)の添加剤を含有してもよい。フィルムコーティング材料の好適な添加剤は、当業者に知られている。
【0073】
特に好ましい実施形態において、コーティングは、水溶性である。
【0074】
より好ましくはないが、コーティングは、主として胃液に耐性であってもよく、放出環境のpH値の関数として溶解してもよい。このコーティングを用いて、本発明による医薬剤形が溶解されずに胃を通過し、活性化合物が腸においてのみ放出されることを確実とすることができる。胃液に耐性を有するコーティングは、好ましくは、5から7.5の間のpH値で溶解する。活性化合物の遅延放出のため、および胃液に耐性を有するコーティングを施すための対応する材料および方法は、例えば、「Coated Pharmaceutical dosage forms − Fundamentals, Manufacturing Techniques, Biopharmaceutical Aspects, Test Methods and Raw Materials」、Kurt H. Bauer、K. Lehmann、Hermann P. Osterwald、Rothgang、Gerhart著、第1版、1998、Medpharm Scientific Publishers(非特許文献1)から、当業者に知られている。
【0075】
特に好ましいコーティングは、ポリビニルアルコールと、場合により、キサンタンガムおよび/または滑石等のさらなる添加剤を含有する。
【0076】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、微粒子は、少なくとも医薬有効成分および持続放出マトリックス材料を含有する。持続放出マトリックス材料は、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる。しかしながら、好ましくは、微粒子は、抗酸化剤および可塑剤等の付加的な医薬添加剤を含有する。
【0077】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、微粒子は、例えば、カプセル内に緩く含有されてもよく、または、微粒子は、外側マトリックス材料中に組み込まれてもよい。巨視的な観点から、外側マトリックス材料は、好ましくは、微粒子が不連続相として埋め込まれている連続層を形成する。
【0078】
好ましくは、外側マトリックス材料は、微粒子が埋め込まれた、好ましくは均質なまとまった集合体、好ましくは固体構成成分の均質な混合物であり、それにより微粒子を互いから空間的に分離している。微粒子の表面は、互いに接触する、または少なくとも非常に近接することが可能であるが、複数の微粒子は、好ましくは、医薬剤形中の単一の連続したまとまった集合体とみなすことはできない。
【0079】
換言すれば、医薬剤形が少微粒子または多微粒子であり、微粒子が外側マトリックス材料中に含有される場合、本発明による医薬剤形は、好ましくは、医薬有効成分および持続放出マトリックスが含有される第1の種類の体積要素として微粒子を含み、好ましくは医薬有効成分も持続放出マトリックスも含有しない、微粒子を形成する材料とは異なる第2の種類の体積要素として外側マトリックス材料を含む。
【0080】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子であり、微粒子が外側マトリックス材料に含有される場合、外側マトリックス材料に対する微粒子の相対重量比は、特に限定されない。好ましくは、前記相対重量比は、1:1.00±0.75、より好ましくは1:1.00±0.50、さらにより好ましくは1:1.00±0.40、さらにより好ましくは1:1.00±0.30、最も好ましくは1:1.00±0.20、具体的には1:1.00±0.10の範囲内である。
【0081】
好ましくは、外側マトリックス材料の含量は、医薬剤形の総重量を基準として少なくとも2.5重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7.5重量%または少なくとも10重量%;少なくとも12.5重量%、少なくとも15重量%、少なくとも17.5重量%または少なくとも20重量%;少なくとも22.5重量%、少なくとも25重量%、少なくとも27.5重量%または少なくとも30重量%;少なくとも32.5重量%、少なくとも35重量%、少なくとも37.5重量%または少なくとも40重量%;より好ましくは少なくとも42.5重量%、少なくとも45wt重量%、少なくとも47.5重量%または少なくとも50重量%;さらにより好ましくは少なくとも52.5重量%、少なくとも55重量%、少なくとも57.5重量%または少なくとも60重量%;さらにより好ましくは、少なくとも62.5重量%、少なくとも65重量%、少なくとも67.5重量%または少なくとも60重量%;最も好ましくは少なくとも72.5重量%、少なくとも75重量%、少なくとも77.5重量%または少なくとも70重量%;具体的には、少なくとも82.5重量%、少なくとも85重量%、少なくとも87.5重量%または少なくとも90重量%である。
【0082】
好ましくは、外側マトリックス材料の含量は、医薬剤形の総重量を基準として最大90重量%、最大87.5重量%、最大85重量%、または最大82.5重量%;より好ましくは最大80重量%、最大77.5重量%、最大75重量%または最大72.5重量%;さらにより好ましくは最大70重量%、最大67.5重量%、最大65重量%または最大62.5重量%;さらにより好ましくは最大60重量%、最大57.5重量%、最大55重量%または最大52.5重量%;最も好ましくは最大50重量%、最大47.5重量%、最大45重量%または最大42.5重量%;具体的には最大40重量%、最大37.5重量%、または最大35重量%である。
【0083】
好ましくは、外側マトリックス材料は、混合物、好ましくは少なくとも2つの異なる構成成分の、より好ましくは少なくとも3つの異なる構成成分の均質混合物である。好ましい実施形態において、外側マトリックス材料の全ての構成成分は、外側マトリックス材料により形成される連続相内に均質に分布する。
【0084】
好ましくは、外側マトリックス材料はまた、微粒子形態で、すなわち本発明による医薬剤形の製造過程において提供され、外側マトリックス材料の構成成分は、好ましくは微粒子に処理され、その後医薬有効成分および持続放出マトリックスを含有する微粒子と混合され、次いで医薬剤形に圧縮される。
【0085】
好ましくは、外側マトリックス材料の微粒子の平均サイズは、医薬有効成分および持続放出マトリックスを含有する微粒子の平均サイズの±60%、より好ましくは±50%、さらにより好ましくは±40%、さらにより好ましくは±30%、最も好ましくは±20%、具体的には±10%の範囲内である。
【0086】
外側マトリックス材料の微粒子は、粉末混合物から凝集体および集塊を調製するための従来の方法、例えば造粒および圧密等により製造され得る。
【0087】
好ましい実施形態において、外側マトリックス材料の全ての構成成分の混合物がブレンドおよび事前に圧密され、それにより事前に圧密された外側マトリックス材料が生成される。
【0088】
外側マトリックス材料は、好ましくはいかなる医薬有効成分も含有しない。
【0089】
さらに、外側マトリックス材料は、好ましくは、水性エタノール中の過量放出に対する任意の実質的な耐性を医薬剤形に付与しない。この実施形態によれば、外側マトリックス材料は、好ましくは、非イオン性アクリルポリマーまたはワックス様材料等の、水性エタノール中の過量放出に対する任意の実質的な耐性を医薬剤形に付与するいかなる化合物も含有しない。
【0090】
好ましくは、外側マトリックス材料は、充填剤または結合剤を含む。多くの充填剤を結合剤として、また多くの結合剤を充填剤としてみなすことができるため、本明細書の目的において、「充填剤/結合剤」は、充填剤、結合剤またはその両方として好適である任意の添加剤を指す。したがって、外側マトリックス材料は、好ましくは、充填剤/結合剤を含む。
【0091】
好ましい充填剤(=充填剤/結合剤)は、二酸化ケイ素(例えばAerosil(登録商標))、微結晶セルロース(例えばAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標)、Emocel(登録商標)、ExCel(登録商標)、Vitacell(登録商標));セルロースエーテル(例えばNatrosol(登録商標)、Klucel(登録商標)、Methocel(登録商標)、Blanose(登録商標)、Pharmacoat(登録商標)、Viscontran(登録商標));マンニトール;デキストリン;デキストロース;リン酸水素カルシウム(例えばEmcompress(登録商標));リン酸三カルシウム、マルトデキストリン(例えばEmdex(登録商標));ラクトース(例えばFast−Flow Lactose(登録商標);Ludipress(登録商標)、Pharmaceutical dosage formtose(登録商標)、Zeparox(登録商標));ポリビニルピロリドン(PVP)(例えばKollidone(登録商標)、Polyplasdone(登録商標)、Polydone(登録商標));サッカロース(例えばNu−Tab(登録商標)、Sugar Tab(登録商標));マグネシウム塩(例えばMgCO、MgO、MgSiO);デンプンおよび前処理デンプン(例えばPrejel(登録商標)、Primotab(登録商標)ET、Starch(登録商標)1500)からなる群から選ばれる。好ましい結合剤は、アルギネート、キトサン、および上述の充填剤(=充填剤/結合剤)のいずれかからなる群から選ばれる。
【0092】
いくつかの充填剤/結合剤はまた、他の目的も果たす。例えば、二酸化ケイ素は、流動促進剤として優れた機能を示すことが知られている。したがって、好ましくは、外側マトリックス材料は、二酸化ケイ素等の流動促進剤を含む。
【0093】
好ましい実施形態において、外側マトリックス材料中の充填剤/結合剤または充填剤/結合剤の混合物の含量は、外側マトリックス材料の総重量を基準として50±25重量%、より好ましくは50±20重量%、さらにより好ましくは50±15重量%、さらにより好ましくは50±10重量%、最も好ましくは50±7.5重量%、具体的には50±5重量%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、外側マトリックス材料中の充填剤/結合剤または充填剤/結合剤の混合物の含量は、外側マトリックス材料の総重量を基準として65±25重量%、より好ましくは65±20重量%、さらにより好ましくは65±15重量%、さらにより好ましくは65±10重量%、最も好ましくは65±7.5重量%、具体的には65±5重量%の範囲内である。さらに別の好ましい実施形態において、外側マトリックス材料中の充填剤/結合剤または充填剤/結合剤の混合物の含量は、外側マトリックス材料の総重量を基準として80±19重量%、より好ましくは80±17.5重量%、さらにより好ましくは80±15重量%、さらにより好ましくは80±10重量%、最も好ましくは80±7.5重量%、具体的には80±5重量%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、外側マトリックス材料中の充填剤/結合剤または充填剤/結合剤の混合物の含量は、外側マトリックス材料の総重量を基準として90±9重量%、より好ましくは90±8重量%、さらにより好ましくは90±7重量%、さらにより好ましくは90±6重量%、最も好ましくは90±5重量%、具体的には90±4重量%の範囲内である。
【0094】
好ましい実施形態において、医薬剤形中の充填剤/結合剤または充填剤/結合剤の混合物の含量は、医薬剤形の総重量を基準として25±24重量%、より好ましくは25±20重量%、さらにより好ましくは25±16重量%、さらにより好ましくは25±12重量%、最も好ましくは25±8重量%、具体的には25±4重量%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、医薬剤形中の充填剤/結合剤または充填剤/結合剤の混合物の含量は、医薬剤形の総重量を基準として30±29重量%、より好ましくは30±25重量%、さらにより好ましくは30±20重量%、さらにより好ましくは30±15重量%、最も好ましくは30±10重量%、具体的には30±5重量%の範囲内である。さらに別の好ましい実施形態において、医薬剤形中の充填剤/結合剤または充填剤/結合剤の混合物の含量は、医薬剤形の総重量を基準として35±34重量%、より好ましくは35±28重量%、さらにより好ましくは35±22重量%、さらにより好ましくは35±16重量%、最も好ましくは35±10重量%、具体的には35±4重量%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、医薬剤形中の充填剤/結合剤または充填剤/結合剤の混合物の含量は、医薬剤形の総重量を基準として40±39重量%、より好ましくは40±32重量%、さらにより好ましくは40±25重量%、さらにより好ましくは40±18重量%、最も好ましくは40±11重量%、具体的には40±4重量%の範囲内である。
【0095】
好ましくは、充填剤/結合剤は、外側マトリックス材料中に含有されるが、本発明による医薬剤形の微粒子には含有されない。
【0096】
好ましくは、外側マトリックス材料は、好ましくはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、モノベヘン酸グリセロール(例えば、Compritol(登録商標))、Myvatex(登録商標)、Precirol(登録商標)、Precirol(登録商標)Ato5、ステアリルフマル酸ナトリウム(例えばPruv(登録商標))、および滑石からなる群から選ばれる賦形剤または滑沢剤を含む。ステアリン酸マグネシウムが特に好ましい。好ましくは、外側マトリックス材料中の滑沢剤の含量は、外側マトリックス材料の総重量を基準として、および医薬剤形の総重量を基準として最大10.0重量%、より好ましくは最大7.5重量%、さらにより好ましくは最大5.0重量%、さらにより好ましくは最大2.0重量%、さらにより好ましくは最大1.0重量%、最も好ましくは最大0.5重量%である。
【0097】
特に好ましい実施形態において、外側マトリックス材料は、充填剤/結合剤および滑沢剤の組合せを含む。
【0098】
本発明による医薬剤形の外側マトリックス材料は、当該技術分野において従来的である他の添加剤、例えば賦形剤、結合剤、造粒剤、着色剤、香味剤、流動促進剤、湿潤調整剤および崩壊剤を付加的に含有してもよい。当業者は、これらの添加剤のそれぞれの適切な量を容易に決定することができる。
【0099】
しかしながら、好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形の外側マトリックス材料は、1種以上の崩壊剤、1種以上の充填剤/結合剤および1種以上の滑沢剤からなるが、他のいかなる構成成分も含有しない。
【0100】
特に好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形の外側マトリックス材料は、1種以上のゲル形成剤および/またはシリコーンを含有しない。
【0101】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形の外側マトリックス材料は、非イオン性アクリルポリマーまたはワックス様材料を含有しない。外側マトリックス材料が非イオン性アクリルポリマーおよび/またはワックス様材料を含有する場合、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料の総含量は、外側マトリックス材料の総重量に対して好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらにより好ましくは20重量%以下、さらにより好ましくは15重量%以下、さらにより好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5.0重量%以下、具体的には1.0重量%以下である。
【0102】
本明細書において使用される場合、「ゲル形成剤」という用語は、溶媒(例えば水)と接触すると、溶媒を吸収して膨潤し、それにより粘稠性または半粘稠性の物質を形成する化合物を指すために使用される。好ましいゲル形成剤は、架橋していない。この物質は、水性および水性アルコール媒体の両方において、埋め込まれた微粒子からの医薬有効成分の放出を和らげることができる。完全な水和後、典型的には、ある量の可溶化された医薬有効成分を含有することができ、またシリンジ内に引き込むことができる遊離溶媒の量を大きく低減および/または最小限化する、濃い粘稠性溶液または分散液が生成される。また、形成されるゲルは、ゲル構造内に医薬有効成分を取り込むことにより溶媒で抽出可能な医薬有効成分の全体量を低減することができる。したがって、ゲル形成剤は、本発明による医薬剤形に不正使用防止性を付与する上で重要な役割を果たし得る。
【0103】
好ましくは外側マトリックス材料中に含有されないゲル形成剤は、薬学的に許容されるポリマー、典型的には親水性ポリマー、例えばヒドロゲルを含む。ゲル形成剤の代表例は、ポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、ポリ(ウロン)酸およびそれらの混合物を含む。
【0104】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子であるかどうかに関わらず、本発明による医薬剤形は、医薬有効成分が埋め込まれた持続放出マトリックスを含む。持続放出マトリックスは、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含む。
【0105】
持続放出マトリックス材料の含量は、医薬剤形の総重量に対して好ましくは5.0〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、さらにより好ましくは15〜90重量%、さらにより好ましくは20〜90重量%、さらにより好ましくは25〜85重量%、最も好ましくは30〜85重量%、具体的には35〜80重量%の範囲内である。医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、これらのパーセント値は、好ましくは微粒子の総重量に関するものであり、医薬剤形の総重量に関するものではない。
【0106】
持続放出マトリックス材料の含量は、持続放出マトリックスの総重量に対して好ましくは5.0〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、さらにより好ましくは15〜85重量%、さらにより好ましくは20〜80重量%、さらにより好ましくは25〜75重量%、最も好ましくは30〜70重量%、具体的には35〜75重量%の範囲内である。
【0107】
好ましくは、持続放出マトリックス、すなわち持続放出マトリックス材料および場合により存在する付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量に対して、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、5.0〜95重量%の範囲内である。
【0108】
好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、さらにより好ましくは少なくとも10重量%、さらにより好ましくは少なくとも15重量%、具体的には少なくとも20重量%である。
【0109】
好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、10±8重量%、より好ましくは10±6重量%、最も好ましくは10±4重量%、具体的には10±2重量%の範囲内である。
【0110】
別の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、15±12重量%、より好ましくは15±10重量%、最も好ましくは15±7重量%、具体的には15±3重量%の範囲内である。
【0111】
さらに別の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、20±16重量%、より好ましくは20±12重量%、最も好ましくは20±8重量%、具体的には20±4重量%の範囲内である。
【0112】
さらに別の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、25±20重量%、より好ましくは25±15重量%、最も好ましくは25±10重量%、具体的には25±5重量%の範囲内である。
【0113】
さらなる好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、30±20重量%、より好ましくは30±15重量%、最も好ましくは30±10重量%、具体的には30±5重量%の範囲内である。
【0114】
さらに好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、35±20重量%、より好ましくは35±15重量%、最も好ましくは35±10重量%、具体的には35±5重量%の範囲内である。
【0115】
さらに好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、40±20重量%、より好ましくは40±15重量%、最も好ましくは40±10重量%、具体的には40±5重量%の範囲内である。
【0116】
さらに好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、45±20重量%、より好ましくは45±15重量%、最も好ましくは45±10重量%、具体的には45±5重量%の範囲内である。
【0117】
別の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、50±20重量%、より好ましくは50±15重量%、最も好ましくは50±10重量%、具体的には50±5重量%の範囲内である。
【0118】
さらに好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、55±20重量%、より好ましくは55±15重量%、最も好ましくは55±10重量%、具体的には55±5重量%の範囲内である。
【0119】
別の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、60±20重量%、より好ましくは60±15重量%、最も好ましくは60±10重量%、具体的には60±5重量%の範囲内である。
【0120】
さらに好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、65±20重量%、より好ましくは65±15重量%、最も好ましくは65±10重量%、具体的には65±5重量%の範囲内である。
【0121】
別の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、70±20重量%、より好ましくは70±15重量%、最も好ましくは70±10重量%、具体的には70±5重量%の範囲内である。
【0122】
さらに好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、75±20重量%、より好ましくは75±15重量%、最も好ましくは75±10重量%、具体的には75±5重量%の範囲内である。
【0123】
別の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、80±20重量%、より好ましくは80±15重量%、最も好ましくは80±10重量%、具体的には80±5重量%の範囲内である。
【0124】
好ましくは、医薬有効成分に対する持続放出マトリックスの相対重量比は、20:1〜1:20、より好ましくは15:1〜1:15、さらにより好ましくは10:1〜1:10、さらにより好ましくは7:1〜1:7、最も好ましくは5:1〜1:5、具体的には2:1〜1:2の範囲内である。
【0125】
本発明による医薬剤形の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスは、第1のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートおよび前記第1のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートとは異なる第2のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物から誘導される、非イオン性アクリルポリマーを含む。
【0126】
本明細書の目的において、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルを指す。
【0127】
本明細書の目的において、「非イオン性ポリマー」は、1モル%を超えるイオン性、すなわちアニオン性またはカチオン性モノマー単位を含有しない、好ましくはイオン性モノマー単位を全く含有しないポリマーを指す。
【0128】
好ましいC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートは、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、およびブチルアクリレートを含む。
【0129】
好ましくは、第1のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートは、エチルアクリレートであり、第2のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートは、メチルメタクリレートである。
【0130】
好ましくは、非イオン性アクリルポリマー中のエチルアクリレートの相対モル含量は、非イオン性アクリルポリマー中のメチルメタクリレートの相対モル含量より高い。
【0131】
好ましくはメチルメタクリレートである第2のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートに対する、好ましくはエチルアクリレートである第1のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートのモル比は、好ましくは、5:1〜1:3、より好ましくは4.5:1〜1:2.5、さらにより好ましくは4:1〜1:2、さらにより好ましくは3.5:1〜1:1.5、さらにより好ましくは3:1〜1:1、最も好ましくは2.5:1〜1.5:1の範囲内、具体的には約2:1である。
【0132】
好ましくは、非イオン性アクリルポリマーは、100,000g/molから2,000,000g/molの範囲内の重量平均分子量を有する。好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーは、少なくとも150,000または少なくとも200,000g/mol、好ましくは少なくとも250,000g/molまたは少なくとも300,000g/mol、より好ましくは約300,000g/mol〜約2,000,000g/molの範囲内、最も好ましくは約300,000g/mol〜約1,000,000g/molの範囲内の重量平均分子量(M)または粘度平均分子量(Mη)を有する。MおよびMηを決定するための好適な方法は、当業者に知られている。Mηは、好ましくは、レオロジー的測定により決定され、一方Mは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により決定され得る。
【0133】
好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの重量平均分子量は、675,000±500,000g/mol、より好ましくは675,000±450,000g/mol、さらにより好ましくは675,000±400,000g/mol、さらにより好ましくは675,000±350,000g/mol、さらにより好ましくは675,000±300,000g/mol、最も好ましくは675,000±250,000g/mol、具体的には675,000±200,000g/molの範囲内である。
【0134】
非イオン性アクリルポリマーは、特定の平均分子量を有する単一の非イオン性アクリルポリマー、または異なる非イオン性アクリルポリマー、例えば2種、3種、4種もしくは5種の非イオン性アクリルポリマー、例えば化学的性質が同じであるが平均分子量が異なる非イオン性アクリルポリマー、化学的性質が異なるが平均分子量が同じである非イオン性アクリルポリマー、もしくは化学的性質が異なると共に分子量が異なる非イオン性アクリルポリマーの混合物(ブレンド)を含んでもよい。
【0135】
好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーは、本発明による医薬剤形内に均質に分布している。この実施形態は、医薬剤形がモノリシック構造である場合特に好ましい。
【0136】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、非イオン性アクリルポリマーは、好ましくは、医薬有効成分を含有する本発明による微粒子内に均質に分布している。好ましくは、医薬剤形および微粒子がそれぞれ、非イオン性アクリルポリマーの非存在下で医薬有効成分が存在する、または医薬有効成分の非存在下で非イオン性アクリルポリマーが存在するいかなるセグメントも含有しないように、医薬有効成分および非イオン性アクリルポリマーは、それぞれ医薬剤形および微粒子内に密に均質に分布している。
【0137】
医薬剤形および微粒子がそれぞれフィルムコーティングされる場合、非イオン性アクリルポリマーは、好ましくは、それぞれ医薬剤形および微粒子のコア内に均質に分布し、すなわち、フィルムコーティングは、好ましくは非イオン性アクリルポリマーを含有しない。それにもかかわらず、フィルムコーティングは、当然ながらそれ自体1種以上のポリマーを含有してもよいが、それらは好ましくはコア内に含有される非イオン性アクリルポリマーとは異なる。
【0138】
非イオン性アクリルポリマーは、好ましくは、1±15℃、より好ましくは1±11℃の範囲内のガラス転移温度(T)を有する。
【0139】
非イオン性アクリルポリマーは、好ましくは、5±5℃、より好ましくは5±2℃の範囲内の最低フィルム形成温度(MFT)を有する。
【0140】
本発明による医薬剤形における使用に好適な非イオン性アクリルポリマーは、例えばEvonikから市販されている。例えば、ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート)2:1の水性分散液として提供されるEudragit(登録商標)NE30D、Eudragit(登録商標)NE40DおよびEudragit(登録商標)NM30Dは、本発明による医薬剤形において使用され得る。これらの製品の特性に関する詳細については、例えば製品仕様書を参照することができる。
【0141】
好ましくは、非イオン性アクリルポリマーの含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、1〜90重量%、より好ましくは3〜85重量%、さらにより好ましくは5〜80重量%、さらにより好ましくは7〜75重量%、最も好ましくは10〜70重量%、具体的には15〜65重量%の範囲内である。
【0142】
好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、さらにより好ましくは少なくとも10重量%、さらにより好ましくは少なくとも15重量%、具体的には少なくとも20重量%である。
【0143】
非イオン性アクリルポリマーの含量は、持続放出マトリックスの総重量に対して好ましくは5.0〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、さらにより好ましくは15〜85重量%、さらにより好ましくは20〜80重量%、さらにより好ましくは25〜75重量%、最も好ましくは30〜70重量%、具体的には35〜75重量%の範囲内である。
【0144】
好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、10±8重量%、より好ましくは10±6重量%、最も好ましくは10±4重量%、具体的には10±2重量%の範囲内である。
【0145】
別の好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、15±12重量%、より好ましくは15±10重量%、最も好ましくは15±7重量%、具体的には15±3重量%の範囲内である。
【0146】
さらに別の好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、20±16重量%、より好ましくは20±12重量%、最も好ましくは20±8重量%、具体的には20±4重量%の範囲内である。
【0147】
さらに別の好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、25±20重量%、より好ましくは25±15重量%、最も好ましくは25±10重量%、具体的には25±5重量%の範囲内である。
【0148】
さらなる好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、30±20重量%、より好ましくは30±15重量%、最も好ましくは30±10重量%、具体的には30±5重量%の範囲内である。
【0149】
さらに好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、35±20重量%、より好ましくは35±15重量%、最も好ましくは35±10重量%、具体的には35±5重量%の範囲内である。
【0150】
さらに好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、40±20重量%、より好ましくは40±15重量%、最も好ましくは40±10重量%、具体的には40±5重量%の範囲内である。
【0151】
さらに好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、45±20重量%、より好ましくは45±15重量%、最も好ましくは45±10重量%、具体的には45±5重量%の範囲内である。
【0152】
別の好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、50±20重量%、より好ましくは50±15重量%、最も好ましくは50±10重量%、具体的には50±5重量%の範囲内である。
【0153】
さらに好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、55±20重量%、より好ましくは55±15重量%、最も好ましくは55±10重量%、具体的には55±5重量%の範囲内である。
【0154】
別の好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、60±20重量%、より好ましくは60±15重量%、最も好ましくは60±10重量%、具体的には60±5重量%の範囲内である。
【0155】
さらに好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、65±20重量%、より好ましくは65±15重量%、最も好ましくは65±10重量%、具体的には65±5重量%の範囲内である。
【0156】
別の好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、70±20重量%、より好ましくは70±15重量%、最も好ましくは70±10重量%、具体的には70±5重量%の範囲内である。
【0157】
さらに好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、75±20重量%、より好ましくは75±15重量%、最も好ましくは75±10重量%、具体的には75±5重量%の範囲内である。
【0158】
別の好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、80±20重量%、より好ましくは80±15重量%、最も好ましくは80±10重量%、具体的には80±5重量%の範囲内である。
【0159】
好ましくは、医薬有効成分に対する非イオン性アクリルポリマーの相対重量比は、20:1〜1:20、より好ましくは15:1〜1:15、さらにより好ましくは10:1〜1:10、さらにより好ましくは7:1〜1:7、最も好ましくは5:1〜1:5、具体的には2:1〜1:2の範囲内である。
【0160】
本発明による医薬剤形の別の好ましい実施形態において、持続放出マトリックス材料は、
−グリセリド、特にモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、
−脂肪酸の脂肪アルコールとのエステル、および
−パラフィン
からなる群から選ばれるワックス様材料である。
【0161】
持続放出マトリックスの持続放出マトリックス材料がワックス様材料を含む場合、マトリックス材料は非イオン性アクリルポリマーを付加的に含まないことが好ましく、またその逆も成り立つ。しかしながら、主に、持続放出マトリックスの持続放出マトリックス材料は、ワックス様材料および非イオン性アクリルポリマーの両方を含むことが可能である。
【0162】
本明細書において使用される場合、「ワックス様材料」は、加熱すると低粘度を有する液体形態に溶融し、冷却すると再び固体状態に硬化する材料を指す。好ましくは、ワックス様材料は、少なくとも30℃、より好ましくは少なくとも35℃、さらにより好ましくは少なくとも40℃、さらにより好ましくは少なくとも45℃、さらにより好ましくは少なくとも50℃、最も好ましくは少なくとも55℃、具体的には少なくとも60℃の融点を有する。
【0163】
ワックス様材料がモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドもしくはそれらの混合物である、またはそれらを含む場合、ワックス様材料は、好ましくは、グリセロールおよびカルボン酸のモノ−、ジ−、またはトリエステルである、一方、カルボン酸は、好ましくは、脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸および芳香族酸からなる群から選ばれる。
【0164】
別の好ましい実施形態において、グリセリドは、脂肪酸マクロゴールグリセリド、例えばラウロイルマクロゴールグリセリド、例えば、十分特性決定されたPEG−エステル、小グリセリド画分および遊離PEGで構成される非イオン性水分散性界面活性剤とみなすことができるGelucire 44/14である。
【0165】
脂肪酸の好ましいグリセリドは、好ましくはC〜C22脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、およびそれらの混合物を含む。特に好ましくは、C16〜C22脂肪酸の部分グリセリド、例えばベヘン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、パルミトステアリン酸グリセロールおよびジステアリン酸グリセリル、ならびにC16〜C22脂肪酸のトリグリセリド、例えばトリステアリン酸グリセロールである。
【0166】
「脂肪酸」という用語は、当該技術分野において十分認識されており、例えば、不飽和の代表例、例えばミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α−リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、およびドコサヘキサエン酸;ならびに、飽和した代表例、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、およびセロチン酸を含む。
【0167】
「ヒドロキシ脂肪酸」という用語もまた当該技術分野において十分認識されており、例えば、2−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシドデカン酸、β−ヒドロキシラウリン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、β−ヒドロキシパルミチン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、およびα−ヒドロキシアラキジン酸を含む。
【0168】
脂肪酸およびヒドロキシ脂肪酸は、好ましくは飽和している。
【0169】
ワックス様材料がジグリセリドまたはトリグリセリドである、またはそれらを含む場合、脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸および芳香族酸は、それぞれ、同一または異なってもよい。
【0170】
本発明のこの実施形態によれば、ワックス様材料は、好ましくは、欧州薬局方(Ph.Eur.)による硬質脂肪(adeps solidus)である。
【0171】
好ましくは、ワックス様材料は、水素添加大豆油、水素添加パーム油、水素添加ヒマシ油、水素添加綿実油、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドまたはそれらの混合物である。
【0172】
ワックス様材料が、脂肪酸の脂肪アルコールとのエステルである、またはそれを含む場合、脂肪酸は、好ましくは飽和脂肪酸である。脂肪酸の好ましい例は、グリセリドに関連してすでに上述されている。脂肪アルコールは、好ましくは、脂肪酸から誘導され、好ましくはこれもまた飽和している。
【0173】
脂肪酸の脂肪アルコールとのエステルの好ましい代表例は、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、オーリクリーワックス(ouricury wax)、サトウキビワックス、パルミチン酸セチル、オレイン酸オレイル、鯨ろうおよびレタモワックス(retamo wax)等の天然ワックスを含むが、これらに限定されない。
【0174】
ワックス様材料がパラフィンである、またはそれを含む場合、パラフィンは、好ましくは、欧州薬局方による固形パラフィン(paraffinum solidum、セレシン、ゼレシン(zeresin))である。
【0175】
ワックス様材料は、単一のワックス様材料、または異なるワックス様材料、例えば2種、3種、4種または5種のワックス様材料の混合物(ブレンド)を含んでもよく、そのそれぞれは、好ましくは、グリセリド、特にモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド;脂肪酸の脂肪アルコールとのエステル;およびパラフィンからなる群から選ばれる。
【0176】
好ましい実施形態において、ワックス様材料は、本発明による医薬剤形内に均質に分布している。
【0177】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、ワックス様材料は、好ましくは、医薬有効成分を含有する本発明による微粒子内に均質に分布している。好ましくは、医薬剤形および微粒子がそれぞれ、ワックス様材料の非存在下で医薬有効成分が存在する、または医薬有効成分の非存在下でワックス様材料が存在するいかなるセグメントも含有しないように、医薬有効成分およびワックス様材料は、それぞれ医薬剤形および微粒子内に密に均質に分布している。
【0178】
医薬剤形および微粒子がそれぞれフィルムコーティングされる場合、ワックス様材料は、好ましくは、医薬剤形および微粒子のそれぞれのコア内に均質に分布し、すなわち、フィルムコーティングは、好ましくはワックス様材料を含有しない。それにもかかわらず、フィルムコーティングは、当然ながらそれ自体1種以上のポリマーを含有してもよいが、それらは好ましくはコア内に含有されるワックス様材料とは異なる。
【0179】
本発明による医薬剤形における使用に好適なワックス様材料は市販されており、例えば、Cera alba、Cera flava、Kolliwax(商標)HCO、Dynasan(登録商標)118、Compritol(登録商標)888 ATO、Precirol(登録商標)ATO 5、Gelucire(登録商標)44/14等である。これらの製品の特性に関する詳細については、例えば製品仕様書を参照することができる。
【0180】
好ましくは、ワックス様材料の含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、1〜90重量%、より好ましくは3〜85重量%、さらにより好ましくは5〜80重量%、さらにより好ましくは7〜75重量%、最も好ましくは10〜70重量%、具体的には15〜65重量%の範囲内である。
【0181】
ワックス様材料の含量は、持続放出マトリックスの総重量に対して好ましくは5.0〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、さらにより好ましくは15〜85重量%、さらにより好ましくは20〜80重量%、さらにより好ましくは25〜75重量%、最も好ましくは30〜70重量%、具体的には35〜75重量%の範囲内である。
【0182】
好ましい実施形態において、ワックス様材料の含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、さらにより好ましくは少なくとも10重量%、さらにより好ましくは少なくとも15重量%、具体的には少なくとも20重量%である。
【0183】
好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、10±8重量%、より好ましくは10±6重量%、最も好ましくは10±4重量%、具体的には10±2重量%の範囲内である。
【0184】
別の好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、15±12重量%、より好ましくは15±10重量%、最も好ましくは15±7重量%、具体的には15±3重量%の範囲内である。
【0185】
さらに別の好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、20±16重量%、より好ましくは20±12重量%、最も好ましくは20±8重量%、具体的には20±4重量%の範囲内である。
【0186】
さらに別の好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、25±20重量%、より好ましくは25±15重量%、最も好ましくは25±10重量%、具体的には25±5重量%の範囲内である。
【0187】
さらなる好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、30±20重量%、より好ましくは30±15重量%、最も好ましくは30±10重量%、具体的には30±5重量%の範囲内である。
【0188】
さらに好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、35±20重量%、より好ましくは35±15重量%、最も好ましくは35±10重量%、具体的には35±5重量%の範囲内である。
【0189】
さらに好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、40±20重量%、より好ましくは40±15重量%、最も好ましくは40±10重量%、具体的には40±5重量%の範囲内である。
【0190】
さらに好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、45±20重量%、より好ましくは45±15重量%、最も好ましくは45±10重量%、具体的には45±5重量%の範囲内である。
【0191】
別の好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、50±20重量%、より好ましくは50±15重量%、最も好ましくは50±10重量%、具体的には50±5重量%の範囲内である。
【0192】
さらに好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、55±20重量%、より好ましくは55±15重量%、最も好ましくは55±10重量%、具体的には55±5重量%の範囲内である。
【0193】
別の好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、60±20重量%、より好ましくは60±15重量%、最も好ましくは60±10重量%、具体的には60±5重量%の範囲内である。
【0194】
さらに好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、65±20重量%、より好ましくは65±15重量%、最も好ましくは65±10重量%、具体的には65±5重量%の範囲内である。
【0195】
別の好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、70±20重量%、より好ましくは70±15重量%、最も好ましくは70±10重量%、具体的には70±5重量%の範囲内である。
【0196】
さらに好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、75±20重量%、より好ましくは75±15重量%、最も好ましくは75±10重量%、具体的には75±5重量%の範囲内である。
【0197】
別の好ましい実施形態において、ワックス様材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、80±20重量%、より好ましくは80±15重量%、最も好ましくは80±10重量%、具体的には80±5重量%の範囲内である。
【0198】
好ましくは、医薬有効成分に対するワックス様材料の相対重量比は、20:1〜1:20、より好ましくは15:1〜1:15、さらにより好ましくは10:1〜1:10、さらにより好ましくは7:1〜1:7、最も好ましくは5:1〜1:5、具体的には2:1〜1:2の範囲内である。
【0199】
本発明による医薬剤形の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスは、一方で非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる、付加的な、すなわち持続放出マトリックス材料の他の持続放出マトリックス材料を含む。したがって、付加的な持続放出マトリックス材料は、本発明による医薬剤形の持続放出マトリックスの持続放出マトリックス材料とは区別されるものである。
【0200】
好ましくは、付加的な持続放出マトリックス材料は、欧州薬局方による硬質脂肪、または、イオン性アクリルポリマー、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、セルロース、およびセルロース誘導体からなる群から選ばれるポリマーである。
【0201】
欧州薬局方による好ましい硬質脂肪は、持続放出マトリックスの持続放出マトリックス材料中に含有され得るワックス様材料、例えば水素添加ヒマシ油に関して上ですでに説明されている。
【0202】
好ましいイオン性アクリルポリマーは、非イオン性アクリルポリマーである。好ましい非イオン性アクリルポリマーは、1種または2種の異なるC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートモノマーおよび共重合可能なアニオン性モノマー、例えばアクリル酸のコポリマーを含むが、これらに限定されない。好ましい代表例は、メチルアクリレート、メチルメタクリレートおよびメタクリル酸の三元コポリマーであり、モノマーの相対モル含量は、好ましくは、メチルアクリレート>メチルメタクリレート>メタクリル酸である。好ましくは、アニオン性アクリルポリマーは、280,000±250,000g/mol、より好ましくは280,000±200,000g/mol、さらにより好ましくは280,000±180,000g/mol、さらにより好ましくは280,000±160,000g/mol、さらにより好ましくは280,000±140,000g/mol、最も好ましくは280,000±120,000g/mol、具体的には280,000±100,000g/molの範囲内の重量平均分子量を有する。約280,000g/molの平均分子量を有するポリ(メチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)7:3:1は、Eudragit(登録商標)FSとして市販されている。
【0203】
他の好ましいイオン性アクリルポリマーは、カチオン性アクリルポリマーである。好ましいカチオン性アクリルポリマーは、1種または2種の異なるC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートモノマーおよび共重合可能なカチオン性モノマー、例えばトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドのコポリマーを含むが、これらに限定されない。好ましい代表例は、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、および、四級アンモニウム群、好ましくはトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドとの低含量のメタクリル酸エステルの三元コポリマーであり、モノマーの相対モル含量は、好ましくは、メチルメタクリレート>エチルアクリレート>共重合可能なカチオン性モノマーである。好ましくは、カチオン性アクリルポリマーは、32,000±30,000g/mol、より好ましくは32,000±27,000g/mol、さらにより好ましくは32,000±23,000g/mol、さらにより好ましくは32,000±20,000g/mol、さらにより好ましくは32,000±17,000g/mol、最も好ましくは32,000±13,000g/mol、具体的には32,000±10,000g/molの範囲内の重量平均分子量を有する。それぞれ約32,000g/molの平均分子量を有するポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.1および1:2:0.2は、それぞれ、Eudragit(登録商標)RS−POおよびEudragit(登録商標)RL−POとして市販されている。トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドの含量がより低いため、Eudragit(登録商標)RS−POが特に好ましい。
【0204】
好ましいポリアルキレングリコールおよびポリアルキレンオキシドは、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、およびそれらのコポリマーおよび混合物を含むが、これらに限定されない。
【0205】
好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシドは、少なくとも200,000または少なくとも500,000g/mol、好ましくは少なくとも1,000,000g/molまたは少なくとも2,500,000g/mol、より好ましくは約1,000,000g/mol〜約15,000,000g/molの範囲内、最も好ましくは約5,000,000g/mol〜約10,000,000g/molの範囲内の重量平均分子量(M)または粘度平均分子量(Mη)を有する。MおよびMηを決定するための好適な方法は、当業者に知られている。Mηは、好ましくは、レオロジー的測定により決定され、一方Mは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により決定され得る。
【0206】
本明細書の目的において、ポリアルキレングリコールは、20,000g/molまでの分子量を有し、一方、ポリアルキレンオキシドは、20,000g/molを超える分子量を有する。
【0207】
好ましいセルロースおよびセルロース誘導体は、微結晶セルロース(例えばMCC PH 101)、セルロースエステルおよびセルロースエーテルを含むが、これらに限定されない。
【0208】
好ましいセルロースエーテルは、非イオン性セルロースエーテル、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース;ならびにイオン性セルロースエーテル、すなわちカチオン性セルロースエーテルまたはアニオン性セルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロースを含む。
【0209】
しかしながら、水性エタノール中でのその良好な溶解性を鑑みて、エチルセルロースおよびプロピルセルロースは、好ましくは、本発明による医薬剤形中に比較的少量のみで含有される(好ましくは最大1.0重量%で)、または全く含有されない。
【0210】
代替として、または付加的に、付加的な持続放出マトリックス材料は、好ましくは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ(アルク)アクリレート、ポリ(ヒドロキシ脂肪酸)、例えばポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシバレレート)(Biopol(登録商標))、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、ポリエステルアミド、コハク酸ポリエチレン、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリウレタン、ポリアミド、ポリラクチド、ポリアセタール(例えば、場合により修飾側鎖を有するポリサッカリド)等、キサンタンガム、グアーガム、ポリラクチド/グリコリド、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリエチレングリコールおよびポリブチレンテレフタレートのブロックポリマー(Polyactive(登録商標))、ポリ無水物(Polifeprosan)、それらのコポリマー、それらのブロックコポリマー(例えばPoloxamer(登録商標))、および上記ポリマーの少なくとも2種の混合物、または上記特徴を有する他のポリマーからなる群から選ばれる、1種以上のポリマーを含んでもよい。
【0211】
好ましくは、付加的な持続放出マトリックス材料は、キサンタンガム、グアーガムまたはそれらの混合物を含む。
【0212】
好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、少なくとも1または2重量%、より好ましくは少なくとも4または5重量%、さらにより好ましくは少なくとも10重量%、さらにより好ましくは少なくとも15重量%、具体的には少なくとも20重量%である。
【0213】
付加的な持続放出マトリックス材料の含量は、持続放出マトリックスの総重量に対して好ましくは5.0〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、さらにより好ましくは15〜85重量%、さらにより好ましくは20〜80重量%、さらにより好ましくは25〜75重量%、最も好ましくは30〜70重量%、具体的には35〜75重量%の範囲内である。
【0214】
好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、10±8重量%、より好ましくは10±6重量%、最も好ましくは10±4重量%、具体的には10±2重量%の範囲内である。
【0215】
別の好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、15±12重量%、より好ましくは15±10重量%、最も好ましくは15±7重量%、具体的には15±3重量%の範囲内である。
【0216】
さらに別の好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、20±16重量%、より好ましくは20±12重量%、最も好ましくは20±8重量%、具体的には20±4重量%の範囲内である。
【0217】
さらに別の好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、25±20重量%、より好ましくは25±15重量%、最も好ましくは25±10重量%、具体的には25±5重量%の範囲内である。
【0218】
さらなる好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、30±20重量%、より好ましくは30±15重量%、最も好ましくは30±10重量%、具体的には30±5重量%の範囲内である。
【0219】
さらに好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、35±20重量%、より好ましくは35±15重量%、最も好ましくは35±10重量%、具体的には35±5重量%の範囲内である。
【0220】
さらに好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、40±20重量%、より好ましくは40±15重量%、最も好ましくは40±10重量%、具体的には40±5重量%の範囲内である。
【0221】
さらに好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、45±20重量%、より好ましくは45±15重量%、最も好ましくは45±10重量%、具体的には45±5重量%の範囲内である。
【0222】
別の好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、50±20重量%、より好ましくは50±15重量%、最も好ましくは50±10重量%、具体的には50±5重量%の範囲内である。
【0223】
さらに好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、55±20重量%、より好ましくは55±15重量%、最も好ましくは55±10重量%、具体的には55±5重量%の範囲内である。
【0224】
別の好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、60±20重量%、より好ましくは60±15重量%、最も好ましくは60±10重量%、具体的には60±5重量%の範囲内である。
【0225】
さらに好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、65±20重量%、より好ましくは65±15重量%、最も好ましくは65±10重量%、具体的には65±5重量%の範囲内である。
【0226】
別の好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、70±20重量%、より好ましくは70±15重量%、最も好ましくは70±10重量%、具体的には70±5重量%の範囲内である。
【0227】
さらに好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、75±20重量%、より好ましくは75±15重量%、最も好ましくは75±10重量%、具体的には75±5重量%の範囲内である。
【0228】
別の好ましい実施形態において、付加的な持続放出マトリックス材料の総含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または、医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、80±20重量%、より好ましくは80±15重量%、最も好ましくは80±10重量%、具体的には80±5重量%の範囲内である。
【0229】
好ましくは、医薬有効成分に対する付加的な持続放出マトリックス材料の相対重量比は、20:1〜1:20、より好ましくは15:1〜1:15、さらにより好ましくは10:1〜1:10、さらにより好ましくは7:1〜1:7、最も好ましくは5:1〜1:5、具体的には2:1〜1:2の範囲内である。
【0230】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形の持続放出マトリックスは、非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料から選ばれる持続放出マトリックス材料と、好ましくは欧州薬局方による硬質脂肪、または、イオン性アクリルポリマーポリマー、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、キサンタンガム、グアーガム、セルロース、およびセルロース誘導体からなる群から選ばれるポリマーである、付加的な持続放出マトリックス材料とを含み、(i)持続放出マトリックス材料の相対重量含量は、好ましくは、付加的な持続放出マトリックス材料の相対重量含量よりも高い、または(ii)持続放出マトリックス材料の相対重量含量は、好ましくは、付加的な持続放出マトリックス材料の相対重量含量と同一である、または(iii)付加的な持続放出マトリックス材料の相対重量含量は、好ましくは、持続放出マトリックス材料の相対重量含量より高い。
【0231】
この実施形態によれば、付加的な持続放出マトリックス材料はまた、充填剤/結合剤、特に好ましくはリン酸三カルシウムを含んでもよい。
【0232】
好ましくは、持続放出マトリックスの持続放出マトリックス材料に対する付加的な持続放出マトリックス材料の相対重量比は、20:1〜1:20、より好ましくは15:1〜1:15、さらにより好ましくは10:1〜1:10、さらにより好ましくは7:1〜1:7または2:1〜1:7、さらにより好ましくは5:1〜1:5または1:1〜1:6、最も好ましくは3:1〜1:3または1:1.5〜1:5.5、具体的には2:1〜1:2または1:2〜1:5.5の範囲内である。
【0233】
好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの持続放出マトリックス材料に対する付加的な持続放出マトリックス材料の相対重量比は、1.0:2.0±1.8、より好ましくは1.0:2.0±1.6、さらにより好ましくは1.0:2.0±1.4、さらにより好ましくは1.0:2.0±1.2、さらにより好ましくは1.0:2.0±1.0、最も好ましくは1.0:2.0±0.8、具体的には1.0:2.0±0.6の範囲内である。
【0234】
別の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの持続放出マトリックス材料に対する付加的な持続放出マトリックス材料の相対重量比は、1.0:5.0±3.0、より好ましくは1.0:5.0±2.0、さらにより好ましくは1.0:5.0±1.5、さらにより好ましくは1.0:5.0±1.0、さらにより好ましくは1.0:5.0±0.8、最も好ましくは1.0:5.0±0.6、具体的には1.0:5.0±0.5の範囲内である。
【0235】
さらに別の好ましい実施形態において、持続放出マトリックスの付加的な持続放出マトリックス材料に対する持続放出マトリックス材料の相対重量比は、1.0:2.0±1.8、より好ましくは1.0:2.0±1.6、さらにより好ましくは1.0:2.0±1.4、さらにより好ましくは1.0:2.0±1.2、さらにより好ましくは1.0:2.0±1.0、最も好ましくは1.0:2.0±0.8、具体的には1.0:2.0±0.6の範囲内である。
【0236】
医薬有効成分を含有する本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子は、従来の量で医薬剤形中に従来的に含有される付加的な医薬添加剤、例えば酸化防止剤、保存剤、滑沢剤、可塑剤、充填剤、結合剤等を含有してもよい。
【0237】
当業者は、適切なさらなる添加剤およびこれらの添加剤のそれぞれの量を容易に決定することができる。薬学的に許容される担体および添加剤の具体例は、Handbook of Pharmaceutical Excipients、American Pharmaceutical Association(1986)(非特許文献2)に記載されている。
【0238】
好ましい実施形態において、医薬有効成分を含有する本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子は、崩壊剤を含有しない。
【0239】
好ましくは、医薬有効成分を含有する本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子は、酸化防止剤をさらに含む。好適な酸化防止剤は、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸の塩、モノチオグリセロール、亜リン酸、ビタミンC、ビタミンEおよびそれらの誘導体、安息香酸コニフェリル、ノルジヒドログアヤレチン酸、没食子酸(gallus acid)エステル、重亜硫酸ナトリウム、特に好ましくはブチルヒドロキシトルエンまたはブチルヒドロキシアニソールおよびα−トコフェロールを含む。酸化防止剤は、それぞれ医薬剤形および微粒子の総重量を基準として、好ましくは0.01重量%〜10重量%、より好ましくは0.03重量%〜5重量%、最も好ましくは0.05重量%〜2.5重量%の量で存在する。
【0240】
好ましい実施形態において、医薬有効成分を含有する本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子は、酸、好ましくはクエン酸をさらに含む。酸の量は、それぞれ医薬剤形および微粒子の総重量を基準として、好ましくは0.01重量%〜約20重量%の範囲内、より好ましくは0.02重量%〜約10重量%の範囲内、さらにより好ましくは0.05重量%〜約5重量%の範囲内、最も好ましくは0.1重量%〜約1.0重量%の範囲内である。
【0241】
好ましい実施形態において、医薬有効成分を含有する本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子は、少なくとも1種の滑沢剤を含有する。別の好ましい実施形態において、医薬有効成分を含有する本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子は、滑沢剤を含有しない。
【0242】
特に好ましい滑沢剤は、
−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸;
−ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル、例えば、グリセロールのモノ−、ジ−およびトリエステル、ならびに、200〜4000g/molの範囲内の分子量を有するマクロゴールのジ−およびモノエステルの混合物、例えば、マクロゴールグリセロールカプリロカプレート、マクロゴールグリセロールラウレート、マクロゴールグリセロールココエート、マクロゴールグリセロールリノレート、マクロゴール−20−グリセロールモノステアレート、マクロゴール−6−グリセロールカプリロカプレート、マクロゴールグリセロールオレエート;マクロゴールグリセロールステアレート、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアレート、およびマクロゴールグリセロールリシノレート;
−ポリグリコール化グリセリド、例えば「Labrasol」の商品名で知られ市販されているもの;
−直鎖または分岐鎖であってもよい脂肪アルコール、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルステアリルアルコール、2−オクチルドデカン−1−オールおよび2−ヘキシルデカン−1−オール;ならびに
−10.000から60.000g/molの間の分子量を有するポリエチレングリコールから選ばれる。
【0243】
特に好ましい滑沢剤は、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムおよびステアリルアルコールまたはそれらの混合物を含む。
【0244】
好ましくは、滑沢剤の量は、それぞれ医薬剤形および微粒子の総重量を基準として0.01重量%〜約10または15重量%の範囲であり、より好ましくは0.05重量%〜約7.5重量%の範囲内、最も好ましくは0.1重量%〜約5重量%または1.5重量%〜約4重量%の範囲内、具体的には0.1重量%〜約1重量%または3.5〜約5.5重量%の範囲内である。
【0245】
本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子が、2種以上の滑沢剤を含有する場合、好ましくは、滑沢剤の全体量は、それぞれ医薬剤形および微粒子の総重量を基準として3重量%〜約20重量%の範囲であり、より好ましくは5重量%〜約15重量%の範囲内、最も好ましくは7重量%〜約12重量の範囲内、具体的には8重量%〜約10重量%の範囲内である。
【0246】
好ましくは、医薬有効成分を含有する本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子は、可塑剤をさらに含む。可塑剤は、持続放出マトリックス材料および付加的な持続放出マトリックス材料それぞれの加工性を改善する。好ましい可塑剤は、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、クエン酸トリエチル(TEC)、トリアセチン、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックスおよび/または微結晶ワックスである。特に好ましい可塑剤は、PEG6000等のポリエチレングリコールである。さらなる特に好ましい可塑剤は、クエン酸トリエチル(TEC)、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムおよびステアリルアルコールまたはそれらの混合物を含む。
【0247】
好ましくは、可塑剤の含量は、それぞれ医薬剤形および微粒子の総重量を基準として0.5〜30重量%、より好ましくは1.0〜25重量%、さらにより好ましくは2.5重量%〜22.5重量%、さらにより好ましくは5.0重量%〜20重量%、最も好ましくは6〜20重量%、具体的には7重量%〜17.5重量%の範囲内である。
【0248】
好ましくは、可塑剤の含量は、それぞれ医薬剤形および微粒子の総重量を基準として1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%、最も好ましくは3〜6重量%、具体的には3.5重量%〜5.5重量%の範囲内である。
【0249】
本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子が、2種以上の可塑剤を含有する場合、好ましくは、可塑剤の全体量は、それぞれ医薬剤形および微粒子の総重量を基準として3重量%〜約20重量%の範囲であり、より好ましくは5重量%〜約15重量%の範囲内、最も好ましくは7重量%〜約12重量の範囲内、具体的には8重量%〜約10重量%の範囲内である。
【0250】
可塑剤は、時折滑沢剤として作用することができ、滑沢剤は、時折可塑剤として作用することができる。
【0251】
好ましくは、持続放出マトリックス、より好ましくは本発明による医薬剤形全体は、少なくとも200,000g/molの重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシドを含まない。
【0252】
好ましくは、持続放出マトリックス、より好ましくは本発明による医薬剤形全体は、医薬剤形の総重量に対して20重量%超、より好ましくは30重量%超、さらにより好ましくは40重量%超、さらにより好ましくは50重量%超、最も好ましくは60重量%超、具体的には70重量%超の、エタノールに不溶または難溶性である化合物を含有する。
【0253】
本明細書の目的において、エタノールに不溶または難溶性である化合物は、好ましくは1000mg/L未満、より好ましくは800mg/L未満、さらにより好ましくは500mg/L未満、最も好ましくは100mg/L未満、具体的には10mg/L未満または1mg/L未満の、室温における水性アルコール(96%)に対する最大溶解度を有する。
【0254】
好ましくは、持続放出マトリックス、より好ましくは本発明による医薬剤形全体は、医薬剤形中に含有されるポリマーの全体量に対して50重量%超、より好ましくは60重量%超、さらにより好ましくは70重量%超、さらにより好ましくは80重量%超、最も好ましくは90重量%超、具体的には95重量%超の、エタノールに不溶または難溶性であるポリマーを含有する。
【0255】
本発明によるエタノールに不溶または難溶性である好ましいポリマーは、キサンタン、グアーガムおよびある種のHPMCである。当業者は、本発明の意味において、どの種類のHPMCがエタノールに不溶または難溶性であるかを認識している。
【0256】
特に好ましい実施形態において、持続放出マトリックス、より好ましくは本発明による医薬剤形全体は、エタノールに不溶または難溶性であるポリマー、およびエタノールに可溶性であるポリマーを含有し、剤形中に含有されるポリマーの総量に対するエタノールに不溶または難溶性であるポリマーの量は、30〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、さらにより好ましくは60〜95重量%または100重量%、さらにより好ましくは70〜90重量%または100重量%、最も好ましくは80〜90重量%または90〜100重量%、具体的には95重量%超または99重量%超である。
【0257】
好ましくは、持続放出マトリックス、より好ましくは本発明による医薬剤形全体は、ポリアルキレンオキシド、例えばポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、およびポリプロピレンオキシド;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ(アルク)アクリレート、ポリ(ヒドロキシ脂肪酸)、例えばポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシバレレート)(Biopol(登録商標))等、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、ポリエステルアミド、コハク酸ポリエチレン、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリウレタン、ポリアミド、ポリラクチド、ポリアセタール(例えば、場合により修飾側鎖を有するポリサッカリド)、ポリラクチド/グリコリド、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリエチレングリコールおよびポリブチレンテレフタレートのブロックポリマー(Polyactive(登録商標))、ポリ無水物(Polifeprosan)、それらのコポリマー、それらのブロックコポリマー(例えばPoloxamer(登録商標))、および上記ポリマーの少なくとも2種の混合物からなる群から選ばれるポリマーを含まない。
【0258】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、鼻孔および/または咽頭を刺激する物質、すなわち、鼻孔および/または咽頭を介して投与された場合に、患者が投与の継続を望まない、もしくは継続できない程患者にとって不快な身体的反応、例えば灼熱感をもたらす、または、例えば鼻汁の増加もしくはくしゃみにより対応する活性化合物の摂取を物理的に妨げる身体的反応をもたらす物質を含有しない。鼻孔および/または咽頭を刺激する物質のさらなる例は、灼熱感、痒み、くしゃみの衝動、分泌物の形成の増加、またはそれらの刺激の少なくとも2つの組合せをもたらす物質である。従来的に使用される対応する物質およびその量は、当業者に知られている。したがって、鼻孔および/または咽頭を刺激する物質のいくつかは、辛味物質薬物(hot substance drug)の1種もしくは複数種の構成成分または1種もしくは複数種の植物部位に基づく。対応する辛味物質薬物は、本質的に当業者に知られており、例えば、「Pharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe」、Dr. Hildebert Wagner教授著、第2改訂版、Gustav Fischer Verlag、Stuttgart−New York、1982、82頁(非特許文献3)以下参照に記載されている。対応する説明は、参照として本明細書に取り入れられ、本開示の一部とみなされる。
【0259】
本発明による医薬剤形は、さらに好ましくは、医薬有効成分に対する拮抗薬を含有せず、好ましくは向精神剤に対する拮抗薬を含有せず、具体的にはオピオイドに対する拮抗薬を含有しない。所与の医薬有効成分に好適な拮抗薬は、当業者に知られており、それ自体で、または対応する誘導体、具体的にはエステルもしくはエーテルの形態で、またはそれぞれの場合において対応する生理学的に許容される化合物の形態で、具体的にはその塩もしくは溶媒和物の形態で存在してもよい。本発明による医薬剤形は、好ましくは、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェン、ナリド(nalide)、ナルメキソン、ナロルフィンまたはナルフィン(naluphine)(それぞれの場合において、場合により対応する生理学的に許容される化合物の形態、具体的には塩基、塩または溶媒和物の形態)からなる群の中から選ばれる拮抗薬を含有せず;また神経弛緩薬、例えばハロペリドール、プロメタシン(promethacine)、フルフェナジン、パーフェナジン、レボメプロマジン、チオリダジン、ペラジン、クロルプロマジン、クロルプロチキシン(chlorprothixine)、ズクロペンチキソール、フルペンチキソール、プロチペンジル、ゾテピン、ベンペリドール、ピパンペロン、メルペロンおよびブロムペリドールからなる群の中から選ばれる化合物を含有しない。
【0260】
本発明による医薬剤形は、さらに好ましくは、吐剤を含有しない。吐剤は、当業者に知られており、それ自体で、または対応する誘導体、具体的にはエステルもしくはエーテルの形態で、またはそれぞれの場合において対応する生理学的に許容される化合物の形態で、具体的にはその塩もしくは溶媒和物の形態で存在してもよい。本発明による医薬剤形は、好ましくは、吐(ipecac)根の1種以上の構成成分に基づく、例えば「Pharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe」、Dr. Hildebert Wagner教授著、第2改訂版、Gustav Fischer Verlag、Stuttgart、New York、1982(非特許文献3)に記載のように、例えば構成成分エメチンに基づく吐剤を含有しない。対応する文献は、参照として本明細書に取り入れられ、本開示の一部とみなされる。本発明による医薬剤形はまた、好ましくは、吐剤としてアポモルヒネを含有しない。
【0261】
最後に、本発明による医薬剤形は、好ましくは、苦味物質もまた含有しない。苦味物質および使用に効果的な量は、米国特許公開(A1)第2003/0064099号(特許文献21)に見出すことができ、その対応する開示は、本出願の開示とみなされるべきであり、参照として本明細書に取り入れられる。苦味物質の例は、芳香族油、例えばペパーミント油、ユーカリ油、苦扁桃油、メントール、果実香気物質、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツからの香気物質もしくはそれらの混合物、および/または安息香酸デナトニウムである。
【0262】
したがって、本発明による医薬剤形は、好ましくは、鼻孔および/または咽頭を刺激する物質、ならびに医薬有効成分に対する拮抗薬、ならびに吐剤、ならびに苦味物質を含有しない。
【0263】
本発明による医薬剤形の持続放出マトリックスは、医薬有効成分の持続放出を提供する。
【0264】
本明細書の目的において、「持続放出」は、好ましくは、治療活性を維持するため、毒作用を低減するため、またはいくつかの他の治療目的のため、例えば投薬頻度を低減するために、投与後の製剤からの活性化合物の放出速度が経時的に低減されている製品を意味する。
【0265】
好ましくは、生理学的条件下において、本発明による医薬剤形は、30分後に医薬有効成分(A)の0.1〜75%、240分後に0.5〜95%、480分後に1.0〜100%、および720分後に2.5〜100%を放出した。さらに好ましい放出プロフィールR〜Rを以下の表に要約する[全てのデータは、放出された医薬有効成分の重量%である]。
【0266】
【表1】
【0267】
さらに好ましい放出プロフィールR〜R13を、以下の表に要約する[全てのデータは、放出された医薬有効成分の重量%である]。
【0268】
【表2】
【0269】
好ましくは、本発明による医薬剤形の放出プロフィール、医薬有効成分および医薬添加剤は、保存後、好ましくは高温、例えば40℃で3ヶ月間の密封容器内での保存後も安定である。
【0270】
放出プロフィールに関連して、「安定」は、初期放出プロフィールを保存後の放出プロフィールと比較した場合、任意の所与の時点で放出プロフィールが20%以下、より好ましくは15%以下、さらにより好ましくは10%以下、さらにより好ましくは7.5%以下、最も好ましくは5.0%以下、具体的には2.5%以下だけ互いから逸脱することを意味する。
【0271】
薬物および医薬添加剤に関連して、「安定」は、医薬剤形が医薬製品の保存期間に関するEMEAの要件を満たすことを意味する。
【0272】
安定なインビトロ条件は、当業者に知られている。これに関して、例えば欧州薬局方を参照することができる。好ましくは、放出プロフィールは、以下の条件下で測定される:シンカーを備えていないパドル装置、50rpm、37±5℃、900mLの模擬腸液pH6.8(リン酸緩衝液)またはpH4.5。好ましい実施形態において、パドルの回転速度は75rpmまで上昇された。
【0273】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、1日1回の投与に適合される。別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、1日2回の投与に適合される。さらに別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、1日3回の投与に適合される。さらに別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、1日3回より高い頻度、例えば1日4回、1日5回、1日6回、1日7回または1日8回の投与に適合される。
【0274】
本明細書の目的において、「1日2回」は、個々の投与の間の等しい、もしくはほぼ等しい時間間隔、すなわち約12時間毎、または異なる時間間隔、例えば8時間および16時間、もしくは10時間および14時間を意味する。
【0275】
本明細書の目的において、「1日3回」は、個々の投与の間の等しい、もしくはほぼ等しい時間間隔、すなわち約8時間毎、または異なる時間間隔、例えば6時間、6時間および12時間;もしくは7時間、7時間および10時間を意味する。
【0276】
本発明による医薬剤形の持続放出マトリックスは、医薬有効成分の持続放出を提供するだけでなく、溶媒抽出に対する耐性、粉砕に対する耐性、および水性エタノール中の過量放出に対する耐性の点での不正使用防止をさらに提供する。
【0277】
本明細書において使用される場合、「不正使用防止」という用語は、特に従来の手段による経鼻および/または静脈内投与用の、誤用または乱用に好適な形態への変換に耐性を有する医薬剤形を指す。
【0278】
これに関して、医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、医薬剤形は、それ自体は乳鉢内での粉砕またはハンマーを使用した圧壊等の従来の手段により圧壊可能であってもよい。しかしながら、医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子は、従来の手段によりそれ以上微粒子化され得ないような機械的特性を示す。微粒子は巨視的なサイズであり、医薬有効成分を含有するため、微粒子は、経鼻的に投与することができず、それによって医薬剤形は不正使用防止剤形となる。
【0279】
さらに、ハンマーまたは乳鉢を使用して医薬剤形を破壊しようとした場合、微粒子は互いに粘着する傾向を有し、それによって、それぞれ未処理微粒子よりもサイズが大きい凝集体および集塊を形成する。
【0280】
本発明による医薬剤形の持続放出マトリックスは、溶媒抽出に対する耐性を提供する。
【0281】
好ましくは、静脈内投与による乱用に好適な製剤を調製するために医薬剤形の不正使用を試みた場合、室温でシリンジを用いて残りの部分から分離され得る製剤の液体部分は可能な限り少なく、好ましくは、医薬剤形は、45または40重量%以下、より好ましくは35重量%以下、さらにより好ましくは30重量%以下、さらにより好ましくは25重量%以下、さらにより好ましくは20重量%以下、最も好ましくは15重量%以下、具体的には10重量%以下の元々含有されていた医薬有効成分を含有する。
【0282】
好ましくは、この特性は、(i)5mlの溶媒、精製水もしくは水性エタノール(40体積%)中に、未処理の、または2つのスプーンを用いて手作業で粉末化された医薬剤形を投入し、(ii)分散物を室温で10分間静置させ、(iii)高温の液体をシリンジ(タバコのフィルタを備えた針21G)内に吸い上げ、(iv)シリンジ内の液体中に含有される医薬有効成分の量を決定することにより試験される。
【0283】
本発明による医薬剤形の持続放出マトリックスは、粉砕に対する耐性を提供する。
【0284】
好ましくは、本発明による医薬剤形が市販のコーヒーミル、好ましくはBosch MKM6000、180W、Typ KM13の型で2分間処理された場合、このようにして得られた材料の総重量の42±17.5重量%、より好ましくは42±15重量%、さらにより好ましくは42±12.5重量%、さらにより好ましくは42±10重量%、さらにより好ましくは42±7.5重量%、最も好ましくは42±5重量%、具体的には42±2.5重量%が、1.000mmのメッシュサイズを有する篩を通過しない。
【0285】
好ましくは、本発明による医薬剤形が市販のコーヒーミル、好ましくはBosch MKM6000、180W、Typ KM13の型で2分間処理された場合、このようにして得られた材料の総重量の57±17.5重量%、より好ましくは57±15重量%、さらにより好ましくは57±12.5重量%、さらにより好ましくは57±10重量%、さらにより好ましくは57±7.5重量%、最も好ましくは57±5重量%、具体的には57±2.5重量%が、1.000mmのメッシュサイズを有する篩を通過しない。
【0286】
好ましくは、本発明による医薬剤形が市販のコーヒーミル、好ましくはBosch MKM6000、180W、Typ KM13の型で2分間処理された場合、このようにして得られた材料の総重量の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも55重量%、さらにより好ましくは少なくとも60重量%、さらにより好ましくは少なくとも65重量%、さらにより好ましくは少なくとも70重量%、最も好ましくは少なくとも75重量%、具体的には少なくとも80重量%が、1.000mmのメッシュサイズを有する篩を通過しない。
【0287】
粉砕された医薬剤形の粒度分布は、好ましくは篩分析により決定される。
【0288】
好ましい実施形態において、粉砕された医薬剤形の粒子の55%超、より好ましくは60%超、さらにより好ましくは65%超、さらにより好ましくは70%超、最も好ましくは75%超、具体的には80%超が、0.2〜3.3nm、より好ましくは0.4〜3.1nm、最も好ましくは0.6〜2.9、具体的には0.7〜2.8nmの範囲内のサイズを有する。
【0289】
好ましい粒子分布P〜Pを、以下の表に要約する。
【0290】
【表3】
【0291】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形はモノリシック構造であり、少なくとも300Nの破壊強度を有する。別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、少微粒子または多微粒子であり、個々の微粒子の少なくとも一部、すなわち少なくとも微粒子の混合物中の単一微粒子は、少なくとも300Nの破壊強度を有する。
【0292】
好ましくは、機械的特性、特に破壊強度は、持続放出マトリックス材料の存在および空間的分布に実質的に依存するが、前記特性を達成するためには、典型的にはその存在だけでは十分ではない。有利な機械的特性は、医薬剤形の調製のための従来の方法を用いて、医薬有効成分、持続放出マトリックス材料、場合により付加的な持続放出マトリックス材料、および場合によりさらなる添加剤を単に処理することによって自動的に達成することはできない。実際は、通常、調製のために好適な装置が選択されなければならず、また重要な処理パラメータ、特に圧力/力、温度および時間が調節されなければならない。したがって、従来の装置が使用されたとしても、プロセスプロトコルは、通常、必要とされる基準を満たすために適合されなければならない。
【0293】
一般に、所望の特性は、医薬剤形の調製中に、
−好適な成分が、
−好適な量で、
−十分な圧力に、
−十分な温度で
−十分な期間
曝露された場合にのみ得ることができる。
【0294】
このように、使用される装置とは無関係に、プロセスプロトコルは、必要とされる基準を満たすために適合されなければならない。したがって、破壊強度は、組成から分離することができる。
【0295】
医薬有効成分微粒子を含有する本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子は、好ましくは、少なくとも300N、少なくとも400N、または少なくとも500N、好ましくは少なくとも600N、より好ましくは少なくとも700N、さらにより好ましくは少なくとも800N、さらにより好ましくは少なくとも1000N、最も好ましくは少なくとも1250N、具体的には少なくとも1500Nの破壊強度を有する。
【0296】
医薬剤形が長円形錠剤である場合、好ましくは、医薬剤形の横および縦方向の破壊強度は、それぞれ少なくとも200N、少なくとも300N、少なくとも400N、少なくとも500N、少なくとも600N、少なくとも700N、少なくとも800N、少なくとも1000Nまたは少なくとも1500Nである。
【0297】
医薬剤形および微粒子の「破壊強度」(圧壊に対する耐性)は、当業者に知られている。これに関して、例えば、W.A.Ritschel、Die Tablette、2. Auflage、Editio Cantor Verlag Aulendorf、2002(非特許文献4)、H Liebermannら、Pharmaceutical dosage forms: Pharmaceutical dosage forms、第2巻、Informa Healthcare;第2版、1990(非特許文献5)、およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology、Informa Healthcare;第1版(非特許文献6)を参照することができる。
【0298】
本明細書の目的において、破壊強度は、好ましくは、医薬剤形および微粒子をそれぞれ破砕するために必要な力(=破壊力)の量として定義される。したがって、本明細書の目的において、医薬剤形および微粒子は、それぞれ、好ましくは、破壊した、すなわち互いから分離した少なくとも2つの独立した部分に破砕した時に、所望の破壊強度を示さない。しかしながら、別の好ましい実施形態において、医薬剤形および微粒子は、それぞれ、力が測定中に最大測定力の25%(閾値)だけ低下した時に、破壊されているとみなされる(下記参照)。
【0299】
本発明による医薬剤形および微粒子はそれぞれ、それらの破壊強度に起因して、従来の手段、例えば乳棒および乳鉢、ハンマー、木槌または微粒子化のための他の通常の手段、具体的にはこの目的のために開発されたデバイス(医薬剤形圧壊器)等による力の付与によりそれらが微粒子化され得ないという点で、従来の医薬剤形および微粒子のそれぞれから区別される。これに関して、「微粒子化」は、微小粒子に砕けることを意味する。微粒子化の回避は、経口または非経口、具体的には静脈内または経鼻的乱用を事実上排除する。
【0300】
従来の医薬剤形および微粒子は、それぞれ、典型的には200Nを十分下回る破壊強度を有する。
【0301】
従来の丸い医薬剤形/微粒子の破壊強度は、以下の実験式に従って推定され得る。
破壊強度[N]=10×医薬剤形/微粒子の直径[mm]
【0302】
したがって、前記実験式によれば、少なくとも300Nの破壊強度を有する丸い医薬剤形/微粒子は、少なくとも30mmの直径を必要とする。しかしながら、そのような微粒子は飲み込むことができず、ましてや複数のそのような微粒子を含有する医薬剤形は飲み込むことができない。上記実験式は、好ましくは、従来的ではなくむしろ特殊である本発明による医薬剤形および微粒子のそれぞれには適用されない。
【0303】
さらに、実際の平均咀嚼力は、約220Nである(例えば、P. A. Proeschelら、J Dent Res、2002、81(7)、464〜468頁(非特許文献7)を参照されたい)。これは、200Nを十分下回る破壊強度を有する従来の医薬剤形および微粒子はそれぞれ、自然の咀嚼後に圧壊され得、一方、本発明による医薬剤形および微粒子はそれぞれ、好ましくは圧壊され得ないことを意味する。
【0304】
さらに、約9.81m/sの重力加速度を適用した場合、300Nは30kg超の重力に対応し、すなわち、本発明による医薬剤形および微粒子はそれぞれ、好ましくは、微粒子化されることなく30kg超の重量に耐えることができる。
【0305】
破壊強度を測定するための方法は、当業者に知られている。好適なデバイスは、市販されている。
【0306】
例えば、破壊強度(圧壊に対する耐性)は、Eur.Ph.5.0、2.9.8または6.0、2.09.08「Resistance to Crushing of Pharmaceutical dosage forms」(非特許文献8)に従って測定され得る。微粒子は、医薬剤形と同じ、または同様の破壊強度試験に供することができる。試験は、定義された条件下で、圧壊によりそれらを破壊するのに必要な力により測定される、医薬剤形および個々の微粒子のそれぞれの圧壊に対する耐性を測定することを意図する。装置は、互いに向き合った2つのジョーからなり、その一方が他方に向かって移動する。ジョーの平坦面は、移動方向に垂直である。ジョーの圧壊表面は平坦であり、医薬剤形および個々の微粒子それぞれとの接触ゾーンより大きい。装置は、1ニュートンの精度を有するシステムを使用して較正される。医薬剤形および微粒子はそれぞれ、該当する場合は形状、破壊線および文字を考慮してジョーの間に設置され、各測定において、医薬剤形および微粒子はそれぞれ、力の付与方向(および破壊強度が測定される伸長方向)に対して同じ様に配向される。測定は、各測定の前に全ての破片が除去されていることに注意しながら、10個の医薬剤形および微粒子それぞれに対して行われる。結果は、測定された力の平均、最小および最大値として表現され、全てニュートンで表現される。
【0307】
破壊強度(破壊力)の同様の説明を、米国薬局方において見出すことができる。代替として、それに記載される方法に従って破壊強度を測定することができるが、破壊強度は、医薬剤形および微粒子それぞれを特定面内で破損(すなわち破壊)させるために必要な力であると述べられている。医薬剤形および微粒子はそれぞれ、一般に2つのプラテンの間に設置され、その一方が移動して、医薬剤形および微粒子それぞれに、破砕をもたらすのに十分な力を付与する。従来の丸い(円形断面の)医薬剤形および微粒子の場合、それぞれ、荷重はそれらの直径にわたり生じ(時折直径荷重と呼ばれる)、面内で破砕が生じる。医薬剤形および微粒子それぞれの破壊力は、薬学関係の文献において一般に硬度と呼ばれるが、この用語の使用は誤解を招きやすい。材料科学において、硬度という用語は、微小プローブによる貫通または圧入に対する表面の耐性を指す。圧壊強度という用語もまた、圧縮加重の付与に対する医薬剤形および微粒子それぞれの耐性を説明するためにしばしば使用される。この用語は、硬度よりも試験の真の性質を正確に説明しているが、医薬剤形および微粒子それぞれが試験中に実際に圧壊されることを暗に意味し、これはしばしば事実と異なる。
【0308】
代替として、破壊強度(圧壊に対する耐性)は、欧州薬局方.に記載の方法の修正版とみなすことができる国際公開第2008/107149号(特許文献16)に従って測定され得る。測定に使用される装置は、好ましくは、最大牽引(maximum draw)1150mmでFmax=2.5kNの「Zwick Z2.5」材料試験機であり、これは、1つのカラムおよび1つのスピンドル、後方クリアランス100mm、0.1から800mm/分の間で調節可能な試験速度、ならびにtestControlソフトウェアで構成されるべきである。測定は、ねじ込み式インサートおよびシリンダ(直径10mm)を有する圧力ピストン、力変換器、Fmax 1kN、直径=8mm、10Nからのクラス0.5、2Nからのクラス1(ISO7500−1に準拠)を使用して行われ、製造者の試験証明書はDIN 55350−18によるMであり(Zwickの全体の力Fmax=1.45kN)(装置は全てZwick GmbH&Co.KG、Ulm、Germany製)、試験機の注文番号はBTC−FR 2.5 TH.D09、力変換器の注文番号はBTC−LC 0050N.P01、センタリングデバイスの注文番号はBO 70000 S06である。
【0309】
好ましい実施形態において、医薬剤形および微粒子はそれぞれ、少なくとも2つの別個の部分に破砕された場合に破壊されたとみなされる。
【0310】
本発明による医薬剤形および微粒子はそれぞれ、好ましくは、自然の咀嚼、乳鉢内での粉砕、打撃等により微粒子化することが事実上不可能であるように、破壊強度(圧壊に対する耐性)に加えて、広い温度範囲にわたる機械的強度、場合により十分な硬度、耐衝撃性、衝撃弾性、引張強度および/または弾性係数を、場合により低温において(例えば−24℃未満、−40℃未満、またはさらに液体窒素中で)示す。したがって、好ましくは、本発明による医薬剤形および微粒子のそれぞれの比較的高い破壊強度は、低温または極低温においても、例えば、医薬剤形が、その脆性を増加させるために、まず例えば−25℃未満、−40℃未満またはさらには液体窒素中で冷却される場合でも維持される。
【0311】
本発明による医薬剤形および微粒子はそれぞれ、ある程度の破壊強度を特徴とする。これは、ある程度の硬度も示さなければならないことを意味するわけではない。硬度および破壊強度は、異なる物理的特性である。したがって、医薬剤形の不正防止性は、必ずしも医薬剤形および微粒子それぞれの硬度に依存するわけではない。例えば、その破壊強度、衝撃強度、弾性係数および引張強度のそれぞれに起因して、医薬剤形および微粒子はそれぞれ、好ましくは、例えばハンマーを使用して外力を及ぼした場合に、例えば塑性的に変形され得るが、微粒子化され得ない、すなわち多数の破片に砕かれない。換言すれば、本発明による医薬剤形および微粒子はそれぞれ、ある程度の破壊強度を特徴とするが、必ずしも同様にある程度の形状安定性を特徴とするわけではない。
【0312】
したがって、本明細書の意味において、特定の伸長方向における力に曝露された場合に変形するが破壊しない(塑性変形または塑性流動)医薬剤形および微粒子はそれぞれ、好ましくは、前記伸長方向における所望の破壊強度を有するとみなされる。
【0313】
好ましい医薬剤形および微粒子はそれぞれ、当該技術分野において現在認められている試験方法により決定されるような好適な引張強度を有するものである。さらに好ましい医薬剤形および微粒子はそれぞれ、当該技術分野の試験法により決定されるようなヤング率を有するものである。さらに好ましい医薬剤形および微粒子はそれぞれ、許容される破断時伸長を有するものである。
【0314】
本発明による医薬剤形の持続放出マトリックスは、水性エタノール中の過量放出に対する耐性を提供する。
【0315】
医薬剤形は、アルコール抽出性を評価するために、0%、20%および40%のエタノール/模擬胃液を使用してインビトロで試験することができる。試験は、好ましくは、標準的手順を使用して、例えば、Perkin Elmer UV/VIS Spectrometer Lambda 20(その中に存在する医薬有効成分の検出に適切な波長のUV)を用い、米国薬局方装置1(バスケット)または米国薬局方装置2(パドル)を、例えば37℃の500mlの培地中、例えば50rpmで使用して行われる。サンプリング時点は、好ましくは0.5時間および1時間を含む。
【0316】
好ましくは、模擬胃液中で37℃でのインビトロ放出プロフィールを、エタノール/模擬胃液(40体積%)で37℃でのインビトロ放出プロフィールと比較すると、エタノール/模擬胃液(40体積%)でのインビトロ放出は、好ましくは、模擬胃液中でのインビトロ放出と比較して実質的に促進されない。好ましくは、これに関して、「実質的に」は、任意の所与の時点において、エタノール/模擬胃液(40体積%)中でのインビトロ放出が、+25%以下、より好ましくは+20%以下、さらにより好ましくは+15%以下、さらにより好ましくは+10%以下、さらにより好ましくは+7.5%以下、最も好ましくは+5.0%以下、具体的には+2.5%以下だけ、模擬胃液中でのインビトロ放出から相対的に逸脱することを意味する。
【0317】
模擬胃液中でのインビトロ放出と比較したエタノール/模擬胃液(40体積%)中でのインビトロ放出の実質的な相対的促進は、本発明に従って防止される。しかしながら、模擬胃液中でのインビトロ放出と比較したエタノール/模擬胃液(40体積%)中でのインビトロ放出の実質的な相対的鈍化、例えば−25%以上の相対的逸脱が可能となり得、さらにはそれが望ましくなり得る。
【0318】
医薬有効成分は、特に限定されない。
【0319】
好ましい実施形態において、医薬剤形は、単一の医薬有効成分のみを含有する。別の好ましい実施形態において、医薬剤形は、2種以上の医薬有効成分の組合せを含有する。
【0320】
好ましくは、本発明による医薬剤形は、乱用の可能性、およびエタノール中の過量放出の可能性を有する医薬有効成分を含む。乱用される可能性を有する活性成分は、当業者に知られており、例えば、精神安定剤、興奮剤、バルビツレート、麻酔薬、オピオイドまたはオピオイド誘導体を含む。
【0321】
好ましくは、医薬有効成分は、向精神作用を示す。
【0322】
好ましくは、医薬有効成分は、アヘン剤、オピオイド、興奮剤、精神安定剤、および他の麻酔薬からなる群から選ばれる。
【0323】
特に好ましくは、医薬有効成分は、オピオイドである。ATCインデックスによれば、オピオイドは、天然アヘンアルカロイド、フェニルピペリジン誘導体、ジフェニルプロピルアミン誘導体、ベンゾモルファン誘導体、オリパビン誘導体、モルフィナン誘導体等に分類される。
【0324】
以下のアヘン剤、オピオイド、精神安定剤または他の麻酔薬は、向精神作用を有する物質であり、すなわち乱用の可能性を有し、したがって、好ましくは医薬剤形および微粒子のそれぞれに含有される:アルフェンタニル、アロバルビタール、アリルプロジン、アルファプロジン、アルプラゾラム、アンフェプラモン、アンフェタミン、アンフェタミニル、アモバルビタール、アニレリジン、アポコデイン、アキソマドール、バルビタール、ベミドン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブロマゼパム、ブロチゾラム、ブプレノルフィン、ブトバルビタール、ブトルファノール、カマゼパム、カーフェンタニル、カチン/D−ノルプソイドエフェドリン、クロルジアゼポキシド、クロバザムクロフェダノール、クロナゼパム、クロニタゼン、クロラゼペート、クロチアゼパム、クロキサゾラム、コカイン、コデイン、シクロバルビタール、シクロルファン、シプレノルフィン、デロラゼパム、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン、ジアゼパム、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルホン、ジメノキサドール、ジメフェタモール(dimephetamol)、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、ドロナビノール、エプタゾシン、エスタゾラム、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルロフラゼペート、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、ファキセラドール、フェンカンファミン、フェネチリン、フェンピプラミド、フェンプロポレックス、フェンタニル、フルジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ハラゼパム、ハロキサゾラム、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメサドン、ヒドロキシメチルモルヒナン、ケタゾラム、ケトベミドン、レバセチルメサドール(LAAM)、レボメサドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、レボキセマシン(levoxemacin)、メシル酸リスデキサンフェタミン、ロフェンタニル、ロプラゾラム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マジンドール、メダゼパム、メフェノレクス、メペリジン、メプロバメート、メタポン、メプタジノール、メタゾシン、メチルモルヒネ、メタンフェタミン、メサドン、メタカロン、3−メチルフェンタニル、4−メチルフェンタニル、メチルフェニデート、メチルフェノバルビタール、メチプリロン、メトポン、ミダゾラム、モダフィニル、モルヒネ、ミロフィン、ナビロン、ナルブフェン、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ニメタゼパム、ニトラゼパム、ノルダゼパム、ノルレボルファノール、ノルメサドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキサゼパム、オキサゾラム、オキシコドン、オキシモルホン、ケシ(Papaver somniferum)、パパベレタム、ペルノリン(pernoline)、ペンタゾシン、ペントバルビタール、ペチジン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、フォルコデイン、フェンメトラジン、フェノバルビタール、フェンテルミン、ピナゼパム、ピプラドロール、ピリトラミド、プラゼパム、プロファドール、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、レミフェンタニル、セクブタバルビタール、セコバルビタール、スフェンタニル、タペンタドール、テマゼパム、テトラゼパム、チリジン(cisおよびtrans)、トラマドール、トリアゾラム、ビニルビタール、N−(1−メチル−2−ピペリジノエチル)−N−(2−ピリジル)プロピオンアミド、(1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)フェノール、(1R,2R,4S)−2−(ジメチルアミノ)メチル−4−(p−フルオロベンジルオキシ)−1−(m−メトキシフェニル)シクロヘキサノール、(1R,2R)−3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキシル)フェノール、(1S,2S)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)フェノール、(2R,3R)−1−ジメチルアミノ−3(3−メトキシフェニル)−2−メチル−ペンタン−3−オール、(1RS,3RS,6RS)−6−ジメチルアミノメチル−1−(3−メトキシフェニル)−シクロヘキサン−1,3−ジオール、ラセミ体として好ましくは、3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)フェニル 2−(4−イソブチル−フェニル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)フェニル 2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−フェニル 2−(4−イソブチル−フェニル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−フェニル 2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)プロピオネート、(RR−SS)−2−アセトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−4−クロロ−2−ヒドロキシ−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−メチル−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−安息香酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2’,4’−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸 3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、および対応する立体異性体化合物、それぞれの場合において対応するその誘導体、生理学的に許容される鏡像異性体、立体異性体、ジアステレオマーおよびラセミ化合物、ならびにそれらの生理学的に許容される誘導体、例えばエーテル、エステルまたはアミド、ならびにそれぞれの場合においてその生理学的に許容される化合物、具体的にはその酸または塩基付加塩および溶媒和物、例えば塩酸塩。
【0325】
好ましい実施形態において、医薬有効成分は、DPI−125、M6G(CE−04−410)、ADL−5859、CR−665、NRP290およびセバコイルジナルブフィンエステルからなる群から選ばれる。
【0326】
好ましい実施形態において、医薬有効成分は、オキシモルホン、ヒドロモルホンおよびモルヒネからなる群から選ばれる。
【0327】
別の好ましい実施形態において、医薬有効成分は、トラマドール、タペンタドール、ファキセラドールおよびアキソマドールからなる群から選ばれる。
【0328】
さらに別の好ましい実施形態において、医薬有効成分は、1,1−(3−ジメチルアミノ−3−フェニルペンタメチレン)−6−フルオロ−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール、特にその半クエン酸塩;1,1−[3−ジメチルアミノ−3−(2−チエニル)−ペンタメチレン]−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール、特にそのクエン酸塩;および1,1−[3−ジメチルアミノ−3−(2−チエニル)ペンタメチレン]−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]−6−フルオロインドール、特にその半クエン酸塩からなる群から選ばれる。これらの化合物は、例えば、国際公開第2004/043967号(特許文献22)、国際公開第2005/066183号(特許文献23)から知られている。
【0329】
医薬有効成分は、生理学的に許容される塩、例えば生理学的に許容される酸付加塩の形態で存在してもよい。
【0330】
生理学的に許容される酸付加塩は、活性成分の塩基形態を適切な有機および無機酸で処理することにより便利に得ることができる酸付加塩形態を含む。酸性プロトンを含有する活性成分は、適切な有機および無機塩基での処理により、その非毒性金属またはアミン付加塩形態に変換され得る。付加塩という用語は、活性成分が形成し得る水和物および溶媒付加形態も含む。そのような形態の例は、例えば、水和物、アルコラート等である。
【0331】
驚くべきことに、医薬剤形中および微粒子中それぞれの医薬有効成分の含量は、不正使用防止、崩壊時間および薬物放出、薬物負荷、加工性(特に医薬剤形成形性)、ならびに患者コンプライアンスの間の最善の妥協点を提供するために最適化され得ることが見出された。
【0332】
医薬有効成分は、治療上効果的な量で医薬剤形中に存在する。治療上効果的な量を構成する量は、使用されている活性成分、処置されている状態、前記状態の重症度、処置されている患者、および投与の頻度により変動する。
【0333】
医薬剤形中の医薬有効成分の含量は、限定されない。投与に適合された医薬有効成分の用量は、好ましくは0.1mg〜500mgの範囲内、より好ましくは1.0mg〜400mgの範囲内、さらにより好ましくは5.0mg〜300mgの範囲内、最も好ましくは10mg〜250mgの範囲内である。好ましい実施形態において、医薬剤形中に含有される医薬有効成分の総量は、0.01〜200mg、より好ましくは0.1〜190mg、さらにより好ましくは1.0〜180mg、さらにより好ましくは1.5〜160mg、最も好ましくは2.0〜100mg、具体的には2.5〜80mgの範囲内である。
【0334】
好ましくは、医薬有効成分の含量は、医薬剤形の総重量を基準として0.01〜80重量%、より好ましくは0.1〜50重量%、さらにより好ましくは1〜25重量%または35重量%の範囲内である。
【0335】
好ましい実施形態において、医薬有効成分の含量は、それぞれの場合において、医薬剤形の総重量を基準として、または医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、5.0±4.5重量%、または7.5±7.0重量%、または10±9.0重量%、または12.5±12.0重量%、または15±14重量%、または17.5±17.0重量%、または20±19重量%、または22.5±22.0重量%、または25±24重量%、または35±30重量%;より好ましくは5.0±4.0重量%、または7.5±6.0重量%、または10±8.0重量%、または12.5±12.0重量%、または15±12重量%、または17.5±15.0重量%、または20±19重量%、または22.5±22.0重量%、または25±24重量%、または30±20重量%;さらにより好ましくは5.0±3.5重量%、または7.5±5.0重量%、または10±7.0重量%、または12.5±10.0重量%、または15±10重量%、または17.5±13.0重量%、または20±17重量%、または22.5±19.0重量%、または25±21重量%、または30±18重量%;さらにより好ましくは5.0±3.0重量%、または7.5±4.0重量%、または10±6.0重量%、または12.5±8.0重量%、または15±8.0重量%、または17.5±11.0重量%、または20±15重量%、または22.5±16.0重量%、または25±18重量%、または30±15重量%;さらにより好ましくは5.0±2.5重量%、または7.5±3.0重量%、または10±5.0重量%、または12.5±6.0重量%、または15±6.0重量%、または17.5±9.0重量%、または20±13重量%、または22.5±13.0重量%、または25±15重量%、または30±13重量%;最も好ましくは5.0±2.0重量%、または7.5±2.0重量%、または10±4.0重量%、または12.5±4.0重量%、または15±4.0重量%、または17.5±7.0重量%、または20±11重量%、または22.5±10.0重量%、または25±12重量%、または30±10重量%;具体的には5.0±1.5重量%、または7.5±1.0重量%、または10±3.0重量%、または12.5±2.0重量%、または15±2.0重量%、または17.5±5.0重量%、または20±9重量%、または22.5±7.0重量%、または25±9重量%、または30±8重量%の範囲内である。
【0336】
さらに好ましい実施形態において、医薬有効成分の含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、20±6重量%、より好ましくは20±5重量%、さらにより好ましくは20±4重量%、最も好ましくは20±3重量%、具体的には20±2重量%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、医薬有効成分の含量は、医薬剤形の総重量を基準として、または医薬剤形が少微粒子もしくは多微粒子である場合、医薬有効成分を含有する微粒子の総重量を基準として、25±6重量%、より好ましくは25±5重量%、さらにより好ましくは25±4重量%、最も好ましくは25±3重量%、具体的には25±2重量%の範囲内である。
【0337】
当業者は、医薬剤形中に含める医薬有効成分の適切な量を容易に決定することができる。例えば、鎮痛剤の場合、医薬剤形中に存在する医薬有効成分の総量は、鎮痛を提供するのに十分な量である。一回の投薬において患者に投与される医薬有効成分の総量は、医薬有効成分の性質、患者の体重、痛みの激しさ、投与されている他の治療薬剤の性質等を含む多くの因子に依存して変動する。
【0338】
好ましい実施形態において、医薬有効成分は、7.5±5mg、10±5mg、20±5mg、30±5mg、40±5mg、50±5mg、60±5mg、70±5mg、80±5mg、90±5mg、100±5mg、110±5mg、120±5mg、130±5、140±5mg、150±5mg、160±5mg、170±5mg、180±5mg、190±5mg、200±5mg、210±5mg、220±5mg、230±5mg、240±5mg、250±5mg、260±5mg、270±5mg、280±5mg、290±5mg、または300±5mgの量で医薬剤形中に含有される。別の好ましい実施形態において、医薬有効成分は、5±2.5mg、7.5±2.5mg、10±2.5mg、15±2.5mg、20±2.5mg、25±2.5mg、30±2.5mg、35±2.5mg、40±2.5mg、45±2.5mg、50±2.5mg、55±2.5mg、60±2.5mg、65±2.5mg、70±2.5mg、75±2.5mg、80±2.5mg、85±2.5mg、90±2.5mg、95±2.5mg、100±2.5mg、105±2.5mg、110±2.5mg、115±2.5mg、120±2.5mg、125±2.5mg、130±2.5mg、135±2.5mg、140±2.5mg、145±2.5mg、150±2.5mg、155±2.5mg、160±2.5mg、165±2.5mg、170±2.5mg、175±2.5mg、180±2.5mg、185±2.5mg、190±2.5mg、195±2.5mg、200±2.5mg、205±2.5mg、210±2.5mg、215±2.5mg、220±2.5mg、225±2.5mg、230±2.5mg、235±2.5mg、240±2.5mg、245±2.5mg、250±2.5mg、255±2.5mg、260±2.5mg、または265±2.5mgの量で医薬剤形中に含有される。
【0339】
特に好ましい実施形態において、医薬有効成分は、タペンタドール、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回、1日2回、1日3回またはより高頻度での投与に適合される。この実施形態において、医薬有効成分は、好ましくは、25〜100mgの量で医薬剤形中に含有される。
【0340】
別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分は、トラマドール、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回、1日2回、1日3回またはより高頻度での投与に適合される。この実施形態において、医薬有効成分は、好ましくは、25〜300mg、より好ましくは80〜140mgの量で医薬剤形中に含有される。
【0341】
特に好ましい実施形態において、医薬有効成分は、オキシモルホン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回、1日2回、1日3回またはより高頻度での投与に適合される。この実施形態において、医薬有効成分は、好ましくは、5〜40mgの量で医薬剤形中に含有される。別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分は、オキシモルホン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回の投与に適合される。この実施形態において、医薬有効成分は、好ましくは、10〜80mgの量で医薬剤形中に含有される。
【0342】
別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分は、オキシコドン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回、1日2回、1日3回またはより高頻度での投与に適合される。この実施形態において、医薬有効成分は、好ましくは、5〜80mgの量で医薬剤形中に含有される。
【0343】
さらに別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分は、ヒドロモルホン、好ましくはそのHClであり、医薬剤形は、1日1回、1日2回、1日3回またはより高頻度での投与に適合される。この実施形態において、医薬有効成分は、好ましくは、2〜52mgの量で医薬剤形中に含有される。別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分は、ヒドロモルホン、好ましくはそのHClであり、医薬剤形は、1日1回、1日2回、1日3回またはより高頻度での投与に適合される。この実施形態において、医薬有効成分は、好ましくは、4〜104mgの量で医薬剤形中に含有される。
【0344】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、本発明による医薬剤形中に存在する微粒子は、微粒子の総重量を基準として、好ましくは3〜75重量%の医薬有効成分、より好ましくは5〜70重量%の医薬有効成分、さらにより好ましくは7.5〜65重量%の医薬有効成分を含む。
【0345】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、医薬有効成分の含量は、微粒子の総重量を基準として、好ましくは少なくとも5.0重量%または少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、さらにより好ましくは少なくとも20重量%、さらにより好ましくは少なくとも25重量%、さらにより好ましくは少なくとも30重量%、最も好ましくは少なくとも35重量%、具体的には少なくとも40重量%である。
【0346】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、医薬有効成分の含量は、微粒子の総重量を基準として、好ましくは最大70重量%、より好ましくは最大65重量%、さらにより好ましくは最大60重量%、さらにより好ましくは最大55重量%、最も好ましくは最大50重量%である。
【0347】
好ましい実施形態において、医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、医薬有効成分の含量は、微粒子の総重量を基準として35±30重量%、より好ましくは35±25重量%、さらにより好ましくは35±20重量%、さらにより好ましくは35±15重量%、最も好ましくは35±10重量%、具体的には35±5重量%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、医薬有効成分の含量は、微粒子の総重量を基準として45±30重量%、より好ましくは45±25重量%、さらにより好ましくは45±20重量%、さらにより好ましくは45±15重量%、最も好ましくは45±10重量%、具体的には45±5重量%の範囲内である。さらに別の好ましい実施形態において、医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、医薬有効成分の含量は、微粒子の総重量を基準として55±30重量%、より好ましくは55±25重量%、さらにより好ましくは55±20重量%、さらにより好ましくは55±15重量%、最も好ましくは55±10重量%、具体的には55±5重量%の範囲内である。
【0348】
本発明による医薬剤形の調製物中に含まれる医薬有効成分は、好ましくは、500ミクロン未満、さらにより好ましくは300ミクロン未満、さらにより好ましくは200または100ミクロン未満の平均粒子サイズを有する。平均粒子サイズには下限は存在せず、例えば50ミクロンであってもよい。医薬有効成分の粒子サイズは、当該技術分野において従来的な任意の技術、例えばレーザ光散乱、篩分析、光学顕微鏡法または画像分析により決定され得る。一般的には、医薬有効成分粒子の最大寸法が微粒子のサイズより小さい(例えば、微粒子の最小寸法より小さい)ことが好ましい。
【0349】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形、好ましくは微粒子は、オピオイド(作動薬)およびオピオイド拮抗薬を含む。
【0350】
任意の従来のオピオイド拮抗薬、例えば、ナルトレキソンもしくはナロキソン、またはそれらの薬学的に許容される塩が存在してもよい。その塩を含むナロキソンが、特に好ましい。オピオイド拮抗薬は、微粒子中またはマトリックス中に存在してもよい。代替として、オピオイド拮抗薬は、医薬有効成分とは別個の微粒子中に提供されてもよい。そのような微粒子の好ましい組成は、医薬有効成分含有微粒子に関して説明されたものと同様である。
【0351】
本発明による医薬剤形中のオピオイド拮抗薬に対するオピオイド作動薬の比は、好ましくは重量で1:1〜3:1、例えば重量で約2:1である。
【0352】
別の好ましい実施形態において、微粒子および医薬剤形のいずれも、いかなるオピオイド拮抗薬も含まない。
【0353】
好ましい実施形態において、水性エタノール中に対する任意の溶解度を有し得る医薬有効成分の他に、本発明による医薬剤形は、室温で、水性エタノール(40体積%)中、少なくとも100mg/mlの溶解度、より好ましくは少なくとも75mg/mlの溶解度、さらにより好ましくは少なくとも50mg/mlの溶解度、さらにより好ましくは少なくとも25mg/mlの溶解度、さらにより好ましくは少なくとも10mg/mlの溶解度、最も好ましくは少なくとも5.0mg/mlの溶解度、具体的には少なくとも1.0mg/mlの溶解度を有する、医薬剤形の総重量に対し最大25重量%、より好ましくは最大20重量%、さらにより好ましくは最大15重量%、さらにより好ましくは最大10重量%、さらにより好ましくは最大5.0重量%、最も好ましくは最大2.5重量%、具体的には最大1.0重量%の成分(持続放出マトリックス材料、付加的な持続放出マトリックス材料、添加剤等)を含有する。
【0354】
医薬剤形が少微粒子または多微粒子である場合、微粒子の総重量に対する微粒子の医薬有効成分、持続放出マトリックス材料、付加的な持続放出マトリックス材料および添加剤の好ましい含量は、以下の表中の実施形態B〜B32として要約される。
【0355】
【表4】
【0356】
【表5】
【0357】
【表6】
【0358】
【表7】
【0359】
【表8】
【0360】
【表9】
【0361】
【表10】
【0362】
【表11】
【0363】
本発明による医薬剤形を投与することができる対象は、特に限定されない。好ましくは、対象は、動物、より好ましくはヒトである。
【0364】
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、
−モノリシック構造であり;および/あるいは
−接合点もしくは継ぎ目のない材料で形成もしくは構成されるか、または単一の単位からなる、もしくはそれを構成し;および/あるいは
−少なくとも300Nの破壊強度を有し;および/あるいは
−少なくとも200mgの重量を有し;および/あるいは
−医薬剤形全体にわたり均質に分布した医薬有効成分を含有する(該当する場合は、コーティングとは無関係に)。
【0365】
別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、
−持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含有する複数の少微粒子を含有し;ならびに/または
−好ましくは300N未満の破壊強度を有し、一方、少微粒子は、少なくとも300Nの破壊強度を有し;ならびに/または
−医薬有効成分を含有し、少なくとも20mgの重量を有する少微粒子を含有し;ならびに/または
−それ自体溶媒抽出に対する、および水性エタノール中の過量放出に対する耐性を提供する少微粒子を含有し;ならびに/または
−それ自体は、乳鉢内での粉砕もしくはハンマーを用いた圧壊等の従来の手段により圧壊可能であってもよい。しかしながら、医薬有効成分を含有する微粒子は、従来の手段によりそれ以上微粒子化され得ないような機械的特性を示す。
【0366】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、
−持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含有する複数の多微粒子を含有し;ならびに/または
−好ましくは300N未満の破壊強度を有し、一方、多微粒子は、少なくとも300Nの破壊強度を有し;ならびに/または
−多微粒子を含有し、多微粒子はそれ自体溶媒抽出に対する、および水性エタノール中の過量放出に対する耐性を提供し;ならびに/または
−それ自体は、乳鉢内での粉砕もしくはハンマーを用いた圧壊等の従来の手段により圧壊可能であってもよい。しかしながら、医薬有効成分を含有する微粒子は、従来の手段によりそれ以上微粒子化され得ないような機械的特性を示す。
【0367】
好ましくは、医薬有効成分を含有する本発明による医薬剤形、またはそれが少微粒子もしくは多微粒子である場合、微粒子は、好ましくは溶融押出により熱成型されるが、他の熱成形の方法、例えば高温でのプレス成型、または、破壊耐性、硬化圧密体、すなわちモノリシック構造剤形もしくは微粒子それぞれを形成するために、第1のステップにおいて従来の圧縮により製造され、第2のステップにおいて持続放出マトリックス材料の軟化温度より上に加熱された圧密体の加熱もまた有用となり得る。これに関して、熱成型は、好ましくは加熱の後、前またはその間の集合体の成形または成型を意味する。好ましい実施形態において、熱成形は、ホットメルト押出により行われる。
【0368】
好ましい実施形態において、ホットメルト押出は、二軸押出機を用いて行われる。好ましくは、溶融押出は、好ましくはモノリシック構造に切断され、次いでそれが場合により圧縮および成形される溶融押出されたストランドを提供する。好ましくは、圧縮は、ダイおよびパンチを用いて、好ましくは、溶融押出により得られたモノリシック構造集合体から達成される。溶融押出により得られる場合、圧縮ステップは、好ましくは、周囲温度、すなわち20〜25℃の範囲内の温度を示すモノリシック構造集合体を用いて行われる。
【0369】
押出しにより得られたストランドは、それ自体で圧縮ステップに供され得るか、または、圧縮ステップの前に切断され得る。この切断は、通常の技術により、例えば回転ナイフまたは圧縮空気を使用して、高温で、例えば押し出されたストランドがホットメルト押出によりまだ温かい時に、または周囲温度で、すなわち押し出されたストランドが冷却された後に行うことができる。押し出されたストランドがまだ温かい時に、好ましくは、押し出されたストランドが押出ダイから出た直後にそれを切断することにより、押し出されたストランドの押し出されたモノリシック構造医薬剤形および微粒子それぞれへの単一化が行われる。
【0370】
しかしながら、押し出されたストランドが冷却された状態で切断される場合、続く押し出されたストランドの単一化は、好ましくは、場合によりまだ熱い押し出されたストランドをコンベヤベルトを用いて運搬し、冷却および凝固させ、その後それを切断することにより行われる。代替として、欧州特許公開(A)第240 906号(特許文献24)に記載のように、押出し物を反対方向に回転する2つのカレンダーロール間に通過させ、直接医薬剤形および微粒子のそれぞれに造形することにより、造形が行われてもよい。当然ながら、まだ温かい時に、すなわち概ね押出しステップの直後に、押し出されたストランドを圧縮ステップまたは切断ステップに供することも可能である。押出しは、好ましくは二軸押出機を用いて行われる。
【0371】
本発明による医薬剤形および微粒子はそれぞれ、異なるプロセスにより生成され得るが、そのうち特に好ましいプロセスが以下でより詳細に説明される。いくつかの好適なプロセスは、先行技術においてすでに説明されている。これに関して、例えば、国際公開第2005/016313号(特許文献1)、国際公開第2005/016314号(特許文献2)、国際公開第2005/063214号(特許文献3)、国際公開第2005/102286号(特許文献4)、国際公開第2006/002883号(特許文献5)、国際公開第2006/002884号(特許文献6)、国際公開第2006/002886号(特許文献7)、国際公開第2006/082097号(特許文献8)、および国際公開第2006/082099号(特許文献9)を参照することができる。
【0372】
一般に、本発明による医薬剤形および微粒子それぞれを生成するためのプロセスは、好ましくは、
(a)全ての成分を混合するステップと、
(b)場合により、好ましくはステップ(a)から得られた混合物に熱および/または力を付与することにより、ステップ(a)から得られた混合物を予備成形するステップであって、供給される熱の量は、好ましくは、持続放出マトリックス材料をその軟化点まで加熱するのに十分ではないステップと、
(c)熱および力を付与することにより混合物を硬化させ、力の付与中および/またはその前に熱を供給することが可能であり、供給される熱の量は、持続放出マトリックス材料を少なくともその軟化点まで加熱するのに十分であり;その後材料を冷却させ、力を除去するステップと、
(d)場合により、硬化した混合物を単一化するステップと、
(e)場合により、微粒子を造形するステップと、
(f)場合により、フィルムコーティングを提供するステップと
を含む。
【0373】
熱は、例えば接触により、もしくは高温空気等の高温ガスを用いて、もしくは超音波の補助により直接供給され得るか、または摩擦および/もしくはせん断により間接的に供給される。例えば直接的な医薬剤形成形または好適な押出機の補助により、特に1つもしくは2つのスクリューを有するスクリュー押出機(それぞれ一軸押出機および二軸押出機)を用いて、または遊星歯車押出機を用いて、力が付与されてもよく、および/または微粒子が造形されてもよい。
【0374】
医薬剤形および微粒子それぞれの最終形状は、熱および力を付与することにより混合物を硬化させるステップ(ステップ(c))の間、またはその後のステップ(ステップ(e))において提供され得る。両方の場合において、全ての成分の混合物は、好ましくは可塑化された状態であり、すなわち、好ましくは、造形は、少なくとも持続放出マトリックス材料の軟化点を超える温度で行われる。しかしながら、より低い温度、例えば周囲温度での押出しもまた可能であり、好ましくなり得る。
【0375】
造形は、例えば、適切な形状のダイおよびパンチを備える医薬剤形成形プレスを用いて行うことができる。
【0376】
本発明による医薬剤形および微粒子それぞれを製造するための特に好ましいプロセスは、ホットメルト押出を含む。このプロセスにおいて、本発明による医薬剤形および微粒子はそれぞれ、好ましくは押出し物の観察され得るいかなる当然の変色も生じることなく、押出機の補助による熱成型によって生成される。
【0377】
このプロセスは、
a)全ての成分が混合されること、
b)得られる混合物が、押出機内で、少なくとも持続放出マトリックス材料の軟化点まで加熱され、力の付与により押出機の出口開口を通して押し出されること、
c)まだ可塑性の押出し物が単一化され、医薬剤形および微粒子のそれぞれに成形されること、または
d)冷却および場合により再加熱された単一化押出し物が、医薬剤形および微粒子のそれぞれに成形されること
を特徴とする。
【0378】
プロセスステップa)に従う成分の混合はまた、押出機内で進行してもよい。
【0379】
また、成分は、当業者に知られた混合機内で混合されてもよい。混合機は、例えば、回転混合機、振盪混合機、せん断混合機または強制混合機であってもよい。
【0380】
押出機内で少なくとも持続放出マトリックス材料の軟化点まで加熱された、好ましくは溶融した混合物は、少なくとも1つの穴を有するダイを通して押出機から押し出される。
【0381】
本発明によるプロセスは、好適な押出機、好ましくはスクリュー押出機の使用を必要とする。2つのスクリューを備えたスクリュー押出機(二軸押出機)が特に好ましい。
【0382】
好ましい実施形態において、押出しは、水の非存在下で行われ、すなわち水が添加されない。しかしながら、微量の水(例えば大気湿度によりもたらされる)が存在してもよい。
【0383】
別の好ましい実施形態において、特に持続放出マトリックス材料および/または付加的な持続放出マトリックス材料が水性分散液の形態で使用される場合、押出しは水の存在下で行われ、水は、押出しプロセスの過程で、すなわち好ましくは押し出された材料が押出機の出口開口から出る前に、押し出された材料から蒸発する。したがって、押し出された材料から(蒸発した)水を抽出するために、真空ポンプ機構が使用される。したがって、押し出されたストランドは、好ましくは水を含まず、これは、好ましくは、押し出されたストランドの含水量が、好ましくは最大10重量%、または最大7.5重量%、または最大5.0重量%、または最大4.0重量%、または最大3.0重量%、または最大2.0重量%、より好ましくは最大1.7重量%、さらにより好ましくは最大1.5重量%、さらにより好ましくは最大1.3重量%、さらにより好ましくは最大1.0重量%、最も好ましくは最大0.7重量%、具体的には最大0.5重量%であることを意味する。その目的のため、押出しは、好ましくは、所与の条件下での水の沸点を超える温度で行われ、押出しが真空下で行われる場合、水の沸点は、100℃を実質的に下回り得る。しかしながら、押出しが真空下で行われるとしても、好ましい押出し温度は100℃超である。
【0384】
押出機は、好ましくは、少なくとも2つの温度ゾーンを含み、少なくとも持続放出マトリックス材料の軟化点までの混合物の加熱は、供給ゾーンおよび場合により混合ゾーンの下流側にある第1のゾーン内で進行する。混合物の処理量は、好ましくは1.0kg〜15kg/時間である。好ましい実施形態において、処理量は、0.2kg/時間〜3.5kg/時間である。別の好ましい実施形態において、処理量は、4〜15kg/時間である。
【0385】
好ましい実施形態において、ダイヘッド圧力は、0.5〜200バールの範囲内である。ダイヘッド圧力は、中でも、ダイ構造、温度プロフィール、押出し速度、ダイにおける穴の数、スクリュー構成、押出機における第1の供給ステップ等により調節され得る。
【0386】
好ましい実施形態において、ダイヘッド圧力は、20±19バール、より好ましくは20±15バール、具体的には20±10バールの範囲内であり;または、ダイヘッド圧力は、30±20バール、より好ましくは30±15バール、具体的には30±10バールの範囲内であり;または、ダイヘッド圧力は、40±20バール、より好ましくは40±15バール、具体的には40±10バールの範囲内であり;または、ダイヘッド圧力は、50±20バール、より好ましくは50±15バール、具体的には50±10バールの範囲内であり;または、ダイヘッド圧力は、60±20バール、より好ましくは60±15バール、具体的には60±10バールの範囲内であり;または、ダイヘッド圧力は、70±20バール、より好ましくは70±15バール、具体的には70±10バールの範囲内であり;または、ダイヘッド圧力は、80±20バール、より好ましくは80±15バール、具体的には80±10バールの範囲内であり;または、ダイヘッド圧力は、90±20バール、より好ましくは90±15バール、具体的には90±10バールの範囲内であり;または、ダイヘッド圧力は、100±20バール、より好ましくは100±15バール、具体的には100±10バールの範囲内である。
【0387】
ダイ構造または穴の構造は、自由に選択可能である。したがって、ダイまたは穴は、平坦(フィルム)、円形、長円形または楕円断面を示してもよく、円形断面は、押し出された粒子の場合好ましくは0.1mm〜2mmの直径を有し、押し出されたモノリシック構造医薬剤形の場合より大きな直径を有する。好ましくは、ダイまたは穴は、円形断面を有する。本発明に従い使用される押出機の筐体(casing)は、加熱または冷却されてもよい。対応する温度制御、すなわち加熱または冷却は、押し出される混合物が、少なくとも持続放出マトリックス材料の軟化温度に対応する平均温度(生成物温度)を示し、処理される医薬有効成分が損傷され得る温度を超えて上昇しないように構成される。好ましくは、押し出される混合物の温度は、180℃未満、好ましくは150℃未満に調節されるが、少なくとも持続放出マトリックス材料の軟化温度まで調節される。典型的な押出し温度は、120℃および150℃である。
【0388】
好ましい実施形態において、押出機トルクは、30〜95%の範囲内である。押出機トルクは、中でも、ダイ構造、温度プロフィール、押出し速度、ダイにおける穴の数、スクリュー構成、押出機における第1の供給ステップ等により調節され得る。
【0389】
溶融混合物の押出し、および押し出されたストランド(複数可)の任意選択の冷却後、押出し物は、好ましくは単一化される。この単一化は、好ましくは、旋回もしくは回転ナイフ、ワイヤ、ブレードを用いて、またはレーザカッターの補助により押出し物を切断することによって行われてもよい。
【0390】
好ましくは、場合により単一化された押出し物の中間的もしくは最終的保存、または、本発明による医薬剤形および微粒子それぞれの最終的造形が、例えば脱酸素剤を用いて達成され得る酸素不含雰囲気下で行われる。
【0391】
医薬剤形および微粒子それぞれに最終形状を付与するために、単一化された押出し物が医薬剤形および微粒子それぞれにプレス成形されてもよい。
【0392】
押出機内での少なくとも可塑化された混合物への力の付与は、押出機内の移送デバイスの回転速度およびその構造を制御することにより、また、好ましくは押出し直前に、可塑化された混合物を押し出すために必要な圧力が押出機内に蓄積されるように出口開口を採寸することにより調節される。それぞれの特定の組成に対して、所望の機械的特性を有する医薬剤形を生じさせるために必要な押出しパラメータは、単純な予備試験により確立することができる。
【0393】
例えば、これに限定されないが、押出しは、スクリュー直径が18または27mmの二軸押出機型ZSE18またはZSE27(Leistritz、Nuernberg、Germany)を用いて行われてもよい。偏心または平滑末端を有するスクリューが使用されてもよい。それぞれ0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0または6.0mmの直径を有する、円形穴または複数の穴を有する加熱可能なダイが使用されてもよい。押出しパラメータは、例えば以下の値に調節されてもよい:スクリューの回転速度:120Upm;送達速度:ZSE18の場合2kg/時間またはZSE27の場合8kg/時間;生成物温度:ダイの正面125℃およびダイの後方135℃;ならびにジャケット温度:110℃。真空ポンプを備えた別の好適な押出機は、Thermo Scientific Pharma 16 HMEホットメルト二軸押出機である。
【0394】
好ましくは、押出しは、二軸押出機または遊星歯車押出機を用いて行われ、二軸押出機(共回転または半回転)が特に好ましい。
【0395】
本発明による医薬剤形および微粒子はそれぞれ、好ましくは、押出し物の観察され得るいかなる当然の変色も生じることなく、押出機の補助による熱成型によって生成される。
【0396】
本発明による医薬剤形および微粒子それぞれを調製するためのプロセスは、好ましくは連続的に行われる。好ましくは、プロセスは、全ての成分の均質混合物の押出を含む。このようにして得られた中間体、例えば押出により得られたストランドが均一な特性を示せば、特に有利である。特に望ましいのは、均一な密度、活性化合物の均一な分布、均一な機械的特性、均一な多孔性、均一な表面外観等である。これらの状況下においてのみ、放出プロフィールの安定性等の薬理学的特性の均一性を確保することができ、また不良品の量を低く抑えることができる。
【0397】
好ましくは、医薬剤形は、少微粒子または多微粒子であり、本発明による微粒子は、「押し出されたペレット」とみなすことができる。「押し出されたペレット」という用語は、当業者により理解される構造的意味合いを有する。当業者は、ペレット化された医薬剤形が、
−ノンパレイル糖もしくは微結晶セルロースビーズ上の薬物層形成、
−噴霧乾燥、
−噴霧凝固、
−回転造粒(rotogranulation)、
−ホットメルト押出、
−低融点材料の球状化、または
−湿潤集合体の押出し球状化
を含むいくつかの技術により調製され得ることを認識している。
【0398】
したがって、「押し出されたペレット」は、ホットメルト押出または押出し球状化により得ることができる。
【0399】
「押し出されたペレット」は、構造的に異なるために他の種類のペレットから区別され得る。例えば、ノンパレイル上の薬物層形成は、コアを有する複数層ペレットを生成するが、一方押出しは、典型的には、全ての成分の均質混合物を含むモノリシック構造集合体を生成する。同様に、噴霧乾燥および噴霧凝固は、典型的には球を生成し、一方押出しは、典型的には、その後球状化され得る円筒形押出し物を生成する。
【0400】
「押出しペレット」と「集塊化ペレット」との間の構造的差異は、それらがペレットからの活性物質の放出に影響し、結果的に異なる薬理学的プロフィールをもたらし得るため顕著である。したがって、医薬製剤分野の当業者は、「押し出されたペレット」を「集塊化したペレット」と等価であるとは考えない。
【0401】
本発明による医薬剤形は、任意の従来の方法により調製され得る。しかしながら、好ましくは、医薬剤形は、圧縮により調製される。したがって、上記で定義された微粒子は、外側マトリックス材料と好ましくは混合され、例えばブレンドおよび/または造粒され(例えば湿式造粒され)、次いで、得られたミックス(例えばブレンドまたは顆粒)は、好ましくは型内で圧縮され、医薬剤形を形成する。また、本明細書に記載の微粒子は、他のプロセスを使用して、例えば溶融造粒(例えば、脂肪アルコールおよび/または水溶性ワックスおよび/または水不溶性ワックスを使用して)または高せん断造粒、後に続く圧縮により、マトリックス中に組み込むことができることが想定される。
【0402】
本発明による医薬剤形が偏心プレスを用いて製造される場合、圧縮力は、好ましくは5〜15kNの範囲内である。本発明による医薬剤形が回転プレスを用いて製造される場合、圧縮力は、好ましくは5〜40kNの範囲内、ある特定の実施形態において>25kN、他の実施形態において約13kNである。
【0403】
本発明の別の態様は、上述の方法のいずれかにより得ることができる医薬剤形に関する。
【0404】
本発明による医薬剤形は、優れた保存安定性を特徴とする。好ましくは、40℃および75%の相対湿度で4週間の保存後、医薬有効成分の含量は、その保存前の元の含量の少なくとも98.0%、より好ましくは少なくとも98.5%、さらにより好ましくは少なくとも99.0%、さらにより好ましくは少なくとも99.2%、最も好ましくは少なくとも99.4%、具体的には少なくとも99.6%に達する。医薬剤形中の医薬有効成分の含量を測定するための好適な方法は、当業者に知られている。これに関して、欧州薬局方.または米国薬局方、特に逆相HPLC分析が参照される。好ましくは、医薬剤形は、閉じられた、好ましくは密封された容器内に保存される。
【0405】
本発明による微粒子および医薬剤形は、例えば鎮痛剤として医薬に使用され得る。したがって、微粒子および医薬剤形は、疼痛の処置または管理に特に好適である。そのような医薬剤形において、医薬有効成分は、好ましくは鎮痛剤である。
【0406】
本発明によるさらなる態様は、疼痛の処置における使用のための上述の医薬剤形に関する。
【0407】
本発明によるさらなる態様は、それに含有される医薬有効成分の乱用を回避または防止するための、上述の医薬剤形の使用に関する。
【0408】
本発明によるさらなる態様は、それに含有される医薬有効成分の偶発的過剰摂取を回避または防止するための、上述の医薬剤形の使用に関する。
【0409】
これに関して、本発明はまた、疾患の予防および/または処置のための本発明による医薬剤形および微粒子それぞれの製造のための上述の医薬有効成分および/または上述の持続放出マトリックス材料の使用に関し、それにより、特に機械的作用による医薬剤形の粉末化からの医薬有効成分の過剰摂取を予防する。
【0410】

以下の例は、本発明をさらに説明するが、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
Eudragit(登録商標)NE 40 D ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート)2:1;水性分散液(40%)
Eudragit(登録商標)RS PO ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.1
Eudragit(登録商標)RL PO ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.2
リン酸三Ca リン酸三カルシウム
MCC PH101 微結晶セルロース
【0411】
比較例1(国際公開第2010/140007号(特許文献13)の例2および3):
a)国際公開第2010/140007号(特許文献13)の例2
第1に、(流動層造粒により)以下の表2に要約されるような組成を有するプラセボ顆粒を調製し、第2に、(0.5mmスクリーンを有するRetschミルを使用して)プラセボ顆粒を粉砕し、第3に、好適なサイズのコーンブレンダ内で、粉砕されたプラセボ顆粒を塩酸ヒドロモルホン、塩酸ナロキソンおよびステアリン酸マグネシウムとブレンドしてブレンドされた顆粒を生成し、最後に、溶融押出された微粒子を得るために、Leistritz Micro 27溶融押出機内でブレンドされた顆粒を溶融押出して押出し物を得、それを伸張して最後にペレタイザで切断することにより、以下の表1に要約されるような組成を有する溶融押出された微粒子を生成した。得られた微粒子は、0.80mmの平均直径および0.84mmの平均長さを有していた。
【0412】
【表12】
【0413】
【表13】
【0414】
微粒子をヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel K4M)およびステアリン酸マグネシウムとブレンドし、続いて得られたブレンドを(Manesty F3 Betapressを使用して)直接圧縮することにより、以下の表3に要約されるような組成を有する錠剤を製造した。
【0415】
【表14】
【0416】
b)国際公開第2010/140007号(特許文献13)の例3
Kenwood処理機内で、様々な添加剤(液体結合剤として水を、結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel K4M)を使用した)と共に上記a)において説明した微粒子を湿式造粒し(表1を参照されたい)、続いてManesty F3 Betapressを使用して得られた顆粒を圧縮することにより、以下の表4に要約されるような組成を有する実験室規模のバッチの錠剤を製造した。
【0417】
【表15】
【0418】
微粒子および錠剤を、酵素(SGF)を含まないpH1.2の模擬胃液500ml中および40%エタノール500ml中で別個に、37℃、75rpmで欧州薬局方パドル溶解装置を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用し、得られた結果(3回の測定からの平均)は、添付の図1にプロットされている(図1の凡例中の例2および3は、上記比較例1a)および1b)に関連する)。
【0419】
エチルセルロースおよびステアリルアルコールは、水性エタノール中に極めて可溶性であると思われる。さらに、塩酸ヒドロモルホン、塩酸ナロキソンおよびラクトースもまた、水性エタノール中に可溶性である。
【0420】
図1から、表1の微粒子の持続放出マトリックスは、水性エタノール中の過量放出または水性エタノールを用いた溶媒抽出に対する耐性を提供しないことが明らかである。微粒子が外側マトリックス材料と共製剤化された(co−formulated)場合にのみ、国際公開第2010/140007号(特許文献13)に従って水性エタノール中の過量放出を予防することができる。
【0421】
例1:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表5に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0422】
【表16】
【0423】
以下の形式を有する錠剤を生成した:切断ロッド型(ダイ直径5.0mm)および長円形錠剤(7×17mmおよび7×17mmH9)。
【0424】
篩分析
錠剤を、市販のコーヒーミル(Bosch MKM6000、180W、Typ KM13)で2分間処理した。
【0425】
図2は、長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。ヒストグラムを、以下の表6に要約する。
【0426】
【表17】
【0427】
図3は、長円形錠剤(7×17mmH9)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。ヒストグラムを、以下の表7に要約する。
【0428】
【表18】
【0429】
破壊強度
米国薬局方(USP)に記載の方法に従って破壊強度を測定したが、破壊強度は、医薬剤形および微粒子それぞれを特定面内で破損(すなわち破壊)させるために必要な力である。錠剤は2つのプラテンの間に設置され、その一方が移動して、破砕させるために十分な力を錠剤に付与する。
【0430】
長円形錠剤の破壊強度を、以下の表8に要約する。
【0431】
【表19】
【0432】
溶解
切断ロッド型錠剤(ダイ直径5.0mm)を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに0.1N塩酸水溶液900ml、ならびに40%エタノール900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用し、得られた結果(3回の測定からの平均)は、添付の図4および5にプロットされている。
【0433】
図4は、切断ロッド型錠剤(ダイ直径5.0mm)のSIF中の溶解プロフィール(n=3)を示す。図5は、長円形錠剤(717mm)のSIF、エタノールおよびHCl中の溶解プロフィール(n=3;DS<2%)を示す。
【0434】
iv−抽出
エタノール(40%)5ml中に、未処理の医薬剤形および2つのスプーンを用いて手作業で粉末化された剤形をそれぞれ投入することにより、抽出を試験した。分散物を室温で10分間静置させた後、液体をシリンジ(タバコのフィルタを備えた針21G)内に吸い上げ、シリンジ内の液体中に含有される医薬有効成分の量を、HPLCにより決定した。
【0435】
【表20】
【0436】
例2:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表10に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0437】
【表21】
【0438】
ストランドの形態で押し出された場合、錠剤は、例1の錠剤の挙動と同様の挙動を示し、すなわち、錠剤は、アルコールにより影響されない持続放出プロフィールを示した。
【0439】
溶解
表10の組成物がペレットの形態で押し出された場合、SIFおよびエタノール(40%)中の溶解挙動が変化した。ペレットを、模擬腸液(SIF)900mlおよび40%エタノール900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用した。図6は、ペレットの溶解プロフィールを示す(3回の測定からの平均)。
【0440】
例3:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表11に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0441】
【表22】
【0442】
溶解
錠剤を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに40%エタノール900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用した。図7は、錠剤の溶解プロフィールを示す(3回の測定からの平均)。
【0443】
剤形からの医薬有効成分の放出は、可塑剤の添加により抑制することができた。理論に束縛されることを望まないが、放出の鈍化は、多孔性の低減によりもたらされると考えられる。
【0444】
例4:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表12に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0445】
【表23】
【0446】
溶解
錠剤を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに40%エタノール900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用した。図7は、錠剤の溶解プロフィールを示す(3回の測定からの平均)。
【0447】
33.28%(例3)から25%(例4)への医薬有効成分の量の低減により、剤形からの医薬有効成分の放出をさらに抑制することができた。
【0448】
比較例2:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表13に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0449】
【表24】
【0450】
溶解
錠剤を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用した。
【0451】
30分後、医薬有効成分の80%超が放出されていた(3回の測定の平均)。したがって、これらの錠剤は、即時放出プロフィールを示した。
【0452】
比較例3:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表14に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0453】
【表25】
【0454】
溶解
錠剤を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用した。
【0455】
60分後、医薬有効成分の80%超が放出されていた(3回の測定からの平均)。したがって、これらの錠剤は、即時放出プロフィールを示した。
【0456】
比較例4:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表15に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0457】
【表26】
【0458】
溶解
錠剤を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに40%エタノール900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用した。
【0459】
SIF中では、3時間後には医薬有効成分の40%が、5.5時間後には60%が放出されていた(3回の測定からの平均)。
【0460】
エタノール中では、錠剤は即時放出プロフィールを示した(3回の測定からの平均)。したがって、これらの剤形は、アルコール耐性ではないことが証明された。
【0461】
比較例5:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表16に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0462】
【表27】
【0463】
比較例5の組成物は、比較例3および4の組合せである。
【0464】
溶解
錠剤を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに40%エタノール900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用した。
【0465】
SIF中では、医薬有効成分は、中間的速度で放出され(3回の測定からの平均)、すなわち、放出プロフィールは、比較例3および4の放出プロフィールの間であった。
【0466】
エタノール中では、錠剤は即時放出プロフィールを示した(3回の測定からの平均)。したがって、これらの剤形は、アルコール耐性ではないことが証明された。
【0467】
例5:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表17に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0468】
【表28】
【0469】
以下の形式を有する錠剤を生成した:切断ロッド型(ダイ直径5.0mm)および長円形錠剤(7×17mm)。
【0470】
篩分析
錠剤を、市販のコーヒーミル(Bosch MKM6000、180W、Typ KM13)で2分間処理した。
【0471】
図8は、長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
【0472】
破壊強度
米国薬局方に記載の方法に従って破壊強度を測定したが、破壊強度は、医薬剤形および微粒子それぞれを特定面内で破損(すなわち破壊)させるために必要な力である。錠剤は2つのプラテンの間に設置され、その一方が移動して、破砕させるために十分な力を錠剤に付与する。
【0473】
長円形錠剤の破壊強度を、以下の表18に要約する。
【0474】
【表29】
【0475】
溶解
長円形錠剤(7×17mm)を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに媒体酸性40%エタノール(0.1N塩酸水溶液)900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)、シンカータイプ1を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用し、得られた結果(3回の測定からの平均)は、添付の図9にプロットされている。
【0476】
図9は、SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
【0477】
iv−抽出
エタノール(40%)5ml中に、未処理の医薬剤形および2つのスプーンを用いて手作業で粉末化された剤形をそれぞれ投入することにより、抽出を試験した。分散物を室温で10分間静置させた後、液体をシリンジ(タバコのフィルタを備えた針21G)内に吸い上げ、シリンジ内の液体中に含有される医薬有効成分の量を、HPLCにより決定した。結果を以下の表19に要約する。
【0478】
【表30】
【0479】
例6(例1の検証)
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表20に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0480】
【表31】
【0481】
以下の形式を有する錠剤を生成した:切断ロッド型(ダイ直径5.0mm)および長円形錠剤(7×17mm)。
【0482】
篩分析
錠剤を、市販のコーヒーミル(Bosch MKM6000、180W、Typ KM13)で2分間処理した。
【0483】
図10は、長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
【0484】
破壊強度
米国薬局方に記載の方法に従って破壊強度を測定したが、破壊強度は、医薬剤形および微粒子それぞれを特定面内で破損(すなわち破壊)させるために必要な力である。錠剤は2つのプラテンの間に設置され、その一方が移動して、破砕させるために十分な力を錠剤に付与する。
【0485】
長円形錠剤の破壊強度を、以下の表21に要約する。
【0486】
【表32】
【0487】
溶解
長円形錠剤(7×17mm)を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに媒体酸性40%エタノール(0.1N塩酸水溶液)900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)、シンカータイプ1を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用し、得られた結果(3回の測定からの平均)は、添付の図11にプロットされている。
【0488】
図11は、SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
【0489】
iv−抽出
エタノール(40%)5ml中に、未処理の医薬剤形および2つのスプーンを用いて手作業で粉末化された剤形をそれぞれ投入することにより、抽出を試験した。分散物を室温で10分間静置させた後、液体をシリンジ(タバコのフィルタを備えた針21G)内に吸い上げ、シリンジ内の液体中に含有される医薬有効成分の量を、HPLCにより決定した。結果を以下の表22に要約する。
【0490】
【表33】
【0491】
例7:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表23に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0492】
【表34】
【0493】
以下の形式を有する錠剤を生成した:切断ロッド型(ダイ直径5.0mm)および長円形錠剤(7×17mm)。
【0494】
篩分析
錠剤を、市販のコーヒーミル(Bosch MKM6000、180W、Typ KM13)で2分間処理した。
【0495】
図12は、長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
【0496】
破壊強度
米国薬局方に記載の方法に従って破壊強度を測定したが、破壊強度は、医薬剤形および微粒子それぞれを特定面内で破損(すなわち破壊)させるために必要な力である。錠剤は2つのプラテンの間に設置され、その一方が移動して、破砕させるために十分な力を錠剤に付与する。
【0497】
長円形錠剤の破壊強度を、以下の表24に要約する。
【0498】
【表35】
【0499】
溶解
長円形錠剤(7×17mm)を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに媒体酸性40%エタノール(0.1N塩酸水溶液)900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)、シンカータイプ1を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用し、得られた結果(3回の測定からの平均)は、添付の図13にプロットされている。
【0500】
図13は、SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
【0501】
iv−抽出
エタノール(40%)5ml中に、未処理の医薬剤形および2つのスプーンを用いて手作業で粉末化された剤形をそれぞれ投入することにより、抽出を試験した。分散物を室温で10分間静置させた後、液体をシリンジ(タバコのフィルタを備えた針21G)内に吸い上げ、シリンジ内の液体中に含有される医薬有効成分の量を、HPLCにより決定した。結果を以下の表25に要約する。
【0502】
【表36】
【0503】
例8:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表26に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0504】
【表37】
【0505】
以下の形式を有する錠剤を生成した:切断ロッド型(ダイ直径5.0mm)および長円形錠剤(7×17mm)。
【0506】
篩分析
錠剤を、市販のコーヒーミル(Bosch MKM6000、180W、Typ KM13)で2分間処理した。
【0507】
図14は、長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
【0508】
破壊強度
米国薬局方に記載の方法に従って破壊強度を測定したが、破壊強度は、医薬剤形および微粒子それぞれを特定面内で破損(すなわち破壊)させるために必要な力である。錠剤は2つのプラテンの間に設置され、その一方が移動して、破砕させるために十分な力を錠剤に付与する。
【0509】
長円形錠剤の破壊強度を、以下の表27に要約する。
【0510】
【表38】
【0511】
溶解
長円形錠剤(7×17mm)を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに媒体酸性40%エタノール(0.1N塩酸水溶液)900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)、シンカータイプ1を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用し、得られた結果(3回の測定からの平均)は、添付の図15にプロットされている。
【0512】
図15は、SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
【0513】
iv−抽出
エタノール(40%)5ml中に、未処理の医薬剤形および2つのスプーンを用いて手作業で粉末化された剤形をそれぞれ投入することにより、抽出を試験した。分散物を室温で10分間静置させた後、液体をシリンジ(タバコのフィルタを備えた針21G)内に吸い上げ、シリンジ内の液体中に含有される医薬有効成分の量を、HPLCにより決定した。結果を以下の表28に要約する。
【0514】
【表39】
【0515】
例9:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表29に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0516】
【表40】
【0517】
以下の形式を有する錠剤を生成した:切断ロッド型(ダイ直径5.0mm)および長円形錠剤(7×17mm)。
【0518】
篩分析
錠剤を、市販のコーヒーミル(Bosch MKM6000、180W、Typ KM13)で2分間処理した。
【0519】
図16は、長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
【0520】
破壊強度
米国薬局方に記載の方法に従って破壊強度を測定したが、破壊強度は、医薬剤形および微粒子それぞれを特定面内で破損(すなわち破壊)させるために必要な力である。錠剤は2つのプラテンの間に設置され、その一方が移動して、破砕させるために十分な力を錠剤に付与する。
【0521】
長円形錠剤の破壊強度を、以下の表30に要約する。
【0522】
【表41】
【0523】
溶解
長円形錠剤(7×17mm)を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに媒体酸性40%エタノール(0.1N塩酸水溶液)900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)、シンカータイプ1を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用し、得られた結果(3回の測定からの平均)は、添付の図17にプロットされている。
【0524】
図17は、SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
【0525】
iv−抽出
エタノール(40%)5ml中に、未処理の医薬剤形および2つのスプーンを用いて手作業で粉末化された剤形をそれぞれ投入することにより、抽出を試験した。分散物を室温で10分間静置させた後、液体をシリンジ(タバコのフィルタを備えた針21G)内に吸い上げ、シリンジ内の液体中に含有される医薬有効成分の量を、HPLCにより決定した。結果を以下の表31に要約する。
【0526】
【表42】
【0527】
例10:
Leistritz ZSE18溶融押出機(Co−rotating Twin−Screw Extruder MICRO18 GL−40D Pharma)内での溶融押出により、以下の表32に要約されるような組成を有する錠剤を生成した。水は、プロセス中に蒸発した。
【0528】
【表43】
【0529】
以下の形式を有する錠剤を生成した:切断ロッド型(ダイ直径5.0mm)および長円形錠剤(7×17mm)。
【0530】
篩分析
錠剤を、市販のコーヒーミル(Bosch MKM6000、180W、Typ KM13)で2分間処理した。
【0531】
図18は、長円形錠剤(7×17mm)の篩分析(100mgの粉砕された錠剤)を示す。
【0532】
破壊強度
米国薬局方に記載の方法に従って破壊強度を測定したが、破壊強度は、医薬剤形および微粒子それぞれを特定面内で破損(すなわち破壊)させるために必要な力である。錠剤は2つのプラテンの間に設置され、その一方が移動して、破砕させるために十分な力を錠剤に付与する。
【0533】
長円形錠剤の破壊強度を、以下の表33に要約する。
【0534】
【表44】
【0535】
長円形錠剤は、破壊強度の試験後に再び膨張した。
【0536】
溶解
長円形錠剤(7×17mm)を、pH6.8の模擬腸液(SIF)および緩衝液900ml、ならびに媒体酸性40%エタノール(0.1N塩酸水溶液)900ml中で別個に、37℃、50rpmで欧州薬局方パドル溶解装置(米国薬局方 II)、シンカータイプ1を使用して溶解について試験した。インビトロ放出速度を測定するためのアッセイには標準的UV/VIS手順を使用し、得られた結果(3回の測定からの平均)は、添付の図19にプロットされている。
【0537】
図19は、SIF(n=3)および媒体酸性エタノール(n=3)中での長円形錠剤(7×17mm)の溶解プロフィールを示す。
【0538】
iv−抽出
エタノール(40%)5ml中に、未処理の医薬剤形および2つのスプーンを用いて手作業で粉末化された剤形をそれぞれ投入することにより、抽出を試験した。分散物を室温で10分間静置させた後、液体をシリンジ(タバコのフィルタを備えた針21G)内に吸い上げ、シリンジ内の液体中に含有される医薬有効成分の量を、HPLCにより決定した。結果を以下の表34に要約する。
【0539】
【表45】
更に、本発明は以下の実施の態様も包含する:
(1)非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含み、医薬有効成分の持続放出、溶媒抽出に対する耐性、粉砕に対する耐性、および水性エタノール中の過量放出に対する耐性を提供する、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含む、不正使用防止医薬剤形。
(2)持続放出マトリックス材料が、第1のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートおよび上記第1のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートとは異なる第2のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物から誘導される、非イオン性アクリルポリマーを含む、前記(1)に記載の医薬剤形。
(3)第1のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートが、エチルアクリレートであり、第2のC1〜4−アルキル(メタ)アクリレートが、メチルメタクリレートである、前記(2)に記載の医薬剤形。
(4)非イオン性アクリルポリマー中のエチルアクリレートの相対モル含量が、非イオン性アクリルポリマー中のメチルメタクリレートの相対モル含量より大きい、前記(3)に記載の医薬剤形。
(5)非イオン性アクリルポリマーが、100,000g/molから2,000,000g/molの範囲内の重量平均分子量を有する、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の医薬剤形。
(6)持続放出マトリックス材料が、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、脂肪酸の脂肪アルコールとのエステル、およびパラフィンからなる群から選ばれるワックス様材料を含む、前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の医薬剤形。
(7)ワックス様材料が、少なくとも45℃の融点を有する、前記(6)に記載の医薬剤形。
(8)モノリシック構造であり、少なくとも300Nの破壊強度を有し;または、少微粒子(oligoparticulate)もしくは多微粒子(multiparticulate)であり、個々の微粒子の少なくとも一部は、少なくとも300Nの破壊強度を有する、前記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の医薬剤形。
(9)モノリシック構造であり、任意の方向に少なくとも2.0mmの伸長を有し;または、少微粒子もしくは多微粒子であり、個々の薬物含有微粒子は、任意の方向に少なくとも2.0mmの伸長を有する、前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の医薬剤形。
(10)持続放出マトリックスが、付加的な持続放出マトリックス材料を含む、前記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の医薬剤形。
(11)付加的な持続放出マトリックス材料が、欧州薬局方による硬質脂肪、または、イオン性アクリルポリマーポリマー、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、セルロース、およびセルロース誘導体からなる群から選ばれるポリマーである、前記(10)に記載の医薬剤形。
(12)持続放出マトリックス材料および任意選択で存在する付加的な持続放出マトリックス材料の総含量が、医薬剤形の総重量に対して5.0〜95重量%の範囲内である、前記(1)〜(11)のいずれか一つに記載の医薬剤形。
(13)医薬有効成分が、乱用の可能性およびエタノール中の過量放出の可能性を有する、前記(1)〜(12)のいずれか一つに記載の医薬剤形。
(14)医薬有効成分が、オピオイドまたはその生理学的に許容される塩である、前記(1)〜(13)のいずれか一つに記載の医薬剤形。
(15)持続放出マトリックスが、少なくとも200,000g/molの重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシドを含まない、前記(1)〜(14)のいずれか一つに記載の医薬剤形。
(16)溶融押し出しされる、前記(1)〜(15)のいずれか一つに記載の医薬剤形。
(17)非イオン性アクリルポリマーおよびワックス様材料からなる群から選ばれる持続放出マトリックス材料を含み、医薬有効成分の持続放出を提供する、持続放出マトリックス中に埋め込まれた医薬有効成分を含む、不正使用防止医薬剤形の生成のための方法であって、持続放出マトリックス材料は、水性分散液の形態で使用され、医薬有効成分および持続放出マトリックス材料を含む混合物は、水の存在下で押し出され、水は、押出しプロセスの過程で押し出された材料から蒸発する、前記製造方法。
(18)不正使用防止医薬剤形が、前記(1)〜(16)のいずれか一つに記載の不正使用防止医薬剤形である、(17)に記載の方法。
(19)前記(17)または(18)に記載の方法により得ることができる、不正使用防止医薬剤形
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19