(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の光学素子およびその製造方法の好適態様について説明する。
本発明の光学素子の特徴点の一つとしては、エステル系ポリウレタンを含み、所定の伸度およびヤング率を示す接着層を使用している点が挙げられる。この接着層を使用することにより所望の効果が得られる詳細な理由は不明であるが、接着層のヤング率が低く、かつ、伸度が十分に高いため、光学素子の反りを緩和することができる。
【0011】
図1は、本発明の光学素子の一実施形態の断面図である。
同図に示す光学素子10は、レンズ基材12と、接着層14と、機能性フィルム16とをこの順で積層した積層構造を有する。なお、
図1においては、レンズ基材12の一方の主面12a(第1面)にのみ接着層14および機能性フィルム16が積層されているが、この態様には限定されず、レンズ基材の2つの主面(第1面12aおよび第2面12b)の両面に接着層14および機能性フィルム16が積層されていてもよい。
以下では、光学素子10を構成する各要素(レンズ基材12、接着層14、機能性フィルム16)についてそれぞれ詳述する。
【0012】
(レンズ基材)
レンズ基材12は、第1面12aおよび第2面12bを有し、その表面に接着層14および機能性フィルム16を支持する基材である。
レンズ基材12の種類は特に制限されず、プラスチック、無機ガラス等の通常のレンズ基材を用いることができ、なかでも取扱い性に優れる点で、プラスチックレンズ基材が好ましく、特に、眼鏡用プラスチックレンズ基材がより好ましい。
プラスチックレンズ基材の材料は特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、チオウレタン系樹脂、メタクリル系樹脂、アリル系樹脂、エピスルフィド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリエ−テルサルホン樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)、ポリ塩化ビニル樹脂、ハロゲン含有共重合体、またはイオウ含有共重合体などが挙げられる。
レンズ基材12としては、両面が所望の光学面を有する完成品(眼鏡用レンズ)、凸面が所望する形状に仕上がっている半製品(セミフィニッシュレンズ)、研削加工および研磨加工などのレンズ加工が施されていないレンズブランクスであってもよい。
【0013】
レンズ基材12の厚さは特に制限されず、取扱い性の点から、1〜30mm程度の場合が多い。
また、レンズ基材12は透光性を有していれば透明でなくてもよく、着色されていてもよい。
さらに、
図1においてはレンズ基材12の表面形状は凸面および凹面であるが、その表面形状は限定されず、平面、凸面、凹面等の任意の形状から選択される。
【0014】
(接着層)
接着層14は、上記レンズ基材12と機能性フィルム14との密着性を確保するための層である。
接着層14には、エステル系ポリウレタンが含まれる。エステル系ポリウレタンとはエステル結合が含まれるポリウレタンであって、例えば、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとが共重合して得られるポリマーである。ポリエステルポリオールは、多塩基カルボン酸と多価アルコールとを反応して得られるものである。
なお、本発明の効果がより優れる点で、エステル系ポリウレタンには芳香族基が含まれていることが好ましい。エステル系ポリウレタンに芳香族基を導入する方法は特に制限されず、例えば、ポリエステルポリオールの作製の際に、芳香族イソシアネートおよび/または多価芳香族カルボン酸を使用する方法が挙げられる。
芳香族基は、エステル系ポリウレタンの主鎖または側鎖に含まれていればよく、本発明の効果がより優れる点で、主鎖が好ましい。主鎖に芳香族基が含まれる場合、例えば、アリーレン基(例えば、フェニレン基)が含まれていればよい。
【0015】
ポリエステルポリオールの製造時に使用される多塩基カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸や芳香族カルボン酸が挙げられる。より具体的には、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、または、これらジカルボン酸の無水物若しくはエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0016】
ポリエステルポリオールの製造時に使用される多価アルコールとしては特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等のグリコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの活性水素原子を2個有する化合物の1種または2種以上を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマーの1種または2種以上を常法により付加重合したポリエーテル類などの多価アルコール成分を挙げることができる。
【0017】
エステル系ポリウレタンの製造時に使用されるポリイソシアネートとしては、芳香族系、脂環式、脂肪族系の何れでもよい。また、1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能のイソシアネートであっても、あるいは1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する3官能以上のポリイソシアネートであってもよく、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
【0018】
例えば、2官能のポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネートなどの芳香族系のもの、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族系のものを挙げることができる。
【0019】
また、3官能以上のポリイソシアネートとしては、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、ポリメリックMDIなどを挙げることができる。なお、その他ウレタンプレポリマーも使用することができる。
また、ポリイソシアネートは、1種類に限られず、2種類以上であってもよい。例えば、脂肪族系イソシアネートの1種類と芳香族系イソシアネートの2種類を併用してもよい。
【0020】
接着層14中における上記エステル系ポリウレタンの含有量は特に制限されないが、主成分として含まれることが好ましい。ここで、主成分とは、接着層14全質量に対して、80質量%以上であることを意図する。なお、本発明の効果がより優れる点で、接着層14中におけるエステル系ポリウレタンの含有量は、接着層14全質量に対して、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、接着層14が実質的にエステル系ポリウレタンで構成されることが好ましく、100質量%がより好ましい。ここで、実質的とは、不可避不純物以外はエステル系ポリウレタンで構成されることを意図する。
【0021】
上記エステル系ポリウレタンのガラス転移点(Tg)は特に制限されないが、接着性がより優れる点で、−10℃以下が好ましく、−20℃以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、―40℃以上の場合が多い。
【0022】
接着層14の伸度(%)は、1050〜1400%であり、光学素子10の反りの発生がより抑制される、または、レンズ基材12と機能性フィルム16との密着性がより優れる点で、1200〜1400%が好ましく、1250〜1350%がより好ましい。
伸度が1050%未満および1400%超の場合、光学素子10の反りが大きくなる、または、レンズ基材12と機能性フィルム16との密着性が劣る。
接着層14の伸度の測定方法は、JIS K 6251に従って行う。
【0023】
接着層14のヤング率(N/mm
2)は、400N/mm
2以下であり、光学素子10の反りの発生がより抑制される、または、レンズ基材12と機能性フィルム16との密着性がより優れる点で、350N/mm
2以下が好ましい。ヤング率が400N/mm
2超の場合、光学素子10の反りが大きくなる、または、レンズ基材12と機能性フィルム16との密着性が劣る。
なお、ヤング率の下限は特に制限されないが、0.1N/mm
2以上の場合が多い。
接着層14のヤング率の測定方法は、JIS K 6251に従って行う。
【0024】
接着層14の厚みは特に制限されないが、レンズ基材12と機能性フィルム16との密着性がより優れる点で、硬化後の膜厚は3.8μm以上が好ましく、4.0μm以上がより好ましい。
【0025】
接着層14の形成方法は特に制限されず、上記エステル系ポリウレタンのラテックス(以後、エステル系ポリウレタンラテックスとも称する)を含む組成物をレンズ基材12上に塗布して、その後硬化処理を施す方法や、上記所定の性質を示すシート状の接着層14を別途作製し、レンズ基材12上に貼り合せる方法などが挙げられる。
なお、エステル系ポリウレタンラテックスを含む組成物を使用した態様に関して、後段で詳述する。
【0026】
(機能性フィルム)
機能性フィルム16は、上述した接着層14上に貼り合せるフィルムである。
機能性フィルム16の種類は特に制限されず、レンズ基材12に付与したい機能に応じて適宜最適なフィルムが選択される。例えば、耐衝撃性フィルム、耐傷性フィルム、偏光フィルム、調光フィルム、易染性フィルム、特定波長カットフィルム(紫外線・赤外線)などが挙げられる。
機能性フィルム16の材料は特に制限されないが、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリウレタン、オレフィンエラストマー、トリアセチルセルロール、シクロオレフィンポリマー、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコールなどのポリマー材料が挙げられる。なかでも、ポリエステルが好ましい。
【0027】
機能性フィルム16の好適態様としては、伸度が200%以下の機能性フィルムが好ましい。なかでも、機能性フィルム16の伸度は、180%以下がより好ましく、140%以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、材料の特性の点から、10%以上の場合が多い。上記機能性フィルムであれば、レンズ基材と機能性フィルムとの密着性がより優れる、または、光学素子の反りの発生がより抑制される。
なお、伸度の測定方法は、JIS K 6251に従って行う。
【0028】
機能性フィルム16の厚みは特に制限されないが、光学素子10の最低厚みを考慮すると機能性フィルム16の厚みは0.2mm以下が好ましく、0.1mm以下がより好ましい。
【0029】
上記レンズ基材12、接着層14および機能性フィルム16を備える光学素子10は、種々の用途に使用することができる。例えば、眼鏡レンズなどが挙げられる。
【0030】
(光学素子の製造方法)
上述した光学素子の製造方法は特に制限されず、公知の方法が採用できる。なかでも、生産性に優れ、所望の光学素子を効率よく製造できる点で、以下の工程を備える製造方法が好ましい。
(塗膜形成工程)レンズ基材の表面上にエステル系ポリウレタンラテックスを含む組成物を塗布して、塗膜を形成する工程
(積層工程)塗膜上に機能性フィルムを貼り合わせる工程
(加熱工程)積層工程後に、加熱処理を施す工程
以下では、上記工程の手順について詳述する。
【0031】
(塗膜形成工程)
塗膜形成工程は、上述したレンズ基材の表面上にエステル系ポリウレタンラテックスを含む組成物を塗布して、塗膜を形成する工程である。
本工程で使用されるレンズ基材およびエステル系ポリウレタンの定義は、上述の通りである。
なお、エステル系ポリウレタンラテックスは、いわゆる自己乳化型であっても、界面活性剤などを用いた強制乳化型であってもよい。
組成物中に含まれる溶媒は、通常、水である。発明の効果を損なわれない範囲で、有機溶媒が含まれていてもよい。
組成物のpHは特に制限されないが、レンズ基材に対する影響が少なく、取扱い性に優れる点で、4〜10が好ましい。
【0032】
ラテックス中に含まれるエステル系ポリウレタン粒子の平均粒径は特に制限されないが、0.01〜0.50μm程度であることが好ましい。上記範囲内であれば、ラテックスの製造がより容易となると共に、接着層の平滑性がより向上する。
なお、平均粒径の測定方法としては、公知の光散乱法(ナノトラック粒度分布測定装置)により測定できる。
ラテックス中におけるエステル系ポリウレタン粒子の含有量は特に制限されないが、取扱いが容易となり、膜厚の調整がより容易になる点から、ラテックス全質量に対して、20〜60質量%が好ましい。
【0033】
ポリエステル系ポリウレタンラテックスとしては、市販のものを使用することもできる。具体的には、第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス」シリーズなどが挙げられる。
【0034】
上記組成物をレンズ基材上に塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法、パット印刷など)を採用できる。
レンズ基材上に形成される塗膜の厚みは特に制限されず、上述した接着層の厚みとなるような厚みが適宜選択される。
なお、本工程においては、必要に応じて、組成物をレンズ基材へ塗布した後に乾燥処理を行い、溶媒を除去してもよい。残存する溶媒を除去することにより、後述する加熱工程において、接着層中において、溶媒の気化膨張に起因する微小なクラックや空隙の発生を抑制することができ、好ましい。
乾燥処理の方法としては温風乾燥機などを用いることができ、温度としては、40℃〜80℃で加熱処理しても構わない。
【0035】
(積層工程)
積層工程は、上記塗膜形成工程で形成された塗膜上に機能性フィルムを貼り合わせる工程である。
使用される機能性フィルムの定義は、上述の通りである。
機能性フィルムを塗膜上に貼り合せる方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、常圧下にて、上記塗膜上に機能性フィルムを貼り合せて、加圧する方法が挙げられる。
【0036】
(加熱工程)
加熱工程は、上記積層工程で得られたレンズ基材と塗膜と機能性フィルムとを備える積層体に対して加熱処理を施す工程である。本工程を実施することにより、塗膜が硬化して、レンズ基材と機能性フィルムとの密着性が向上する。
加熱処理の条件は特に制限されず、使用される材料に応じて適宜最適な条件が選択されるが、生産性の点から、100〜140℃(好ましくは、110〜130℃)で0.5〜4.0時間(好ましくは、1.0〜3.0時間)加熱することが好ましい。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により、本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
なお、後述する実施例および比較例において、機能性フィルムとしては耐衝撃性を有するポリエステルフィルム(東レ社製、商品名:ルミラー(100−U48)、伸度:120〜200%)を用いた。
【0039】
<実施例1>
(1)接着力評価
エステル系ポリウレタンラテックスとして第一工業製薬性スーパーフレックス740をレンズ(弊社製NL5AS)に塗布して塗膜を形成した後、機能性フィルムを15×50mmの短冊状として塗膜上に貼り付けて120℃、1時間で接着剤を硬化させ、フィルムをレンズに対して垂直方向に引っ張った時の接着力を測定した。判定基準として0.9kg以上の接着力がある場合を十分な接着力があるとして判断した。結果を表1に示す。
なお、接着層の厚みは4.0μmであった。
(2)変形評価
エステル系ポリウレタンラテックスとして第一工業製薬性スーパーフレックス740をフラット形状のレンズ(φ65)の全面に塗布して塗膜を形成した後、機能性フィルムを塗膜上に貼り付けて、120℃、1時間で接着剤を硬化させた。なお、接着層の厚みは4.0μmであった。
その後、更に120℃、3時間加熱処理を施して、得られたレンズの反り量を測定した。なお、レンズが機能性フィルム側に反った場合を+、機能性フィルムの反対側に反った場合を−とした。判定基準として、レンズの反り量が±0.5mm以内であるものをレンズの変形が少なく、許容される範囲として判断した。結果を表1に示す。
なお、反り量の測定方法としては、フラットな定盤の上にレンズを載せて、定盤とレンズとのすきまをシックネスゲージにて測定した。
【0040】
<実施例2、比較例1〜7>
後述する表1に示すように、エステル系ポリウレタンラテックスの種類を変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、レンズを作製し、上記(1)接着力評価および(2)レンズ変更評価を実施した。結果を表1に示す。
【0041】
なお、上記実施例1および2、並びに、比較例1〜7で使用された接着層の伸度およびヤング率は、上述したように、JIS K6251に従って評価した。結果を表1にまとめて示す。
表1中、ポリウレタンにエステル結合が含まれる場合を「エステル系」、エーテル結合が含まれる場合を「エーテル系」、カーボネート結合が含まれる場合を「カーボネート系」として「重合単位」欄に示す。
表1中、ポリウレタンに芳香族基が含まれる場合、「芳香族基の有無」欄において「有り」とし、芳香族基が含まれない場合を「無し」と記載する。なお、芳香族基が含まれる場合は、いわゆる芳香族ポリウレタンに該当し、芳香族基が含まれない場合は、いわゆる脂肪族ポリウレタンに該当する。
【0042】
【表1】
【0043】
上記表1に示すように、本発明の光学素子である実施例1および2においては、機能性フィルムの密着性に優れると共に、反りの発生も抑制されていた。
一方、接着層が所定の要件を満たさない比較例1〜7においては、機能性フィルムの密着性に劣るか、および/または、大きな反りが発生した。