特許第6282415号(P6282415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6282415単軸センサのための位置及び向きアルゴリズム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282415
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】単軸センサのための位置及び向きアルゴリズム
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/00 20060101AFI20180208BHJP
【FI】
   G01B7/00 103M
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-145245(P2013-145245)
(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公開番号】特開2014-21111(P2014-21111A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2016年4月19日
(31)【優先権主張番号】13/547,302
(32)【優先日】2012年7月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アブラム・ダン・モンタグ
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0165656(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0210939(US,A1)
【文献】 特開2009−47470(JP,A)
【文献】 特表2004−536298(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0034515(US,A1)
【文献】 特表2000−512005(JP,A)
【文献】 特表平8−500441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00− 7/34
A61B 1/00− 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
定義済み体積内に位置決めされた生体の器官内に挿入された体内プローブに連結され、前記体積内で発生される磁界を測定するよう構成された、磁界検出器と、
プロセッサであって、球面調和関数を使用して前記体積内の複数の点で前記磁界をモデル作成する規範磁界モデルを画定し、前記体積内で前記測定された磁界を前記規範磁界モデルと比較することによってコスト関数を画定し、前記コスト関数についての導関数における双極子項に関して計算することによって、前記コスト関数を最小化することで、前記測定された磁界に整合する位置及び向きを見つけて、前記見つけられた位置及び向きを前記器官内の前記体内プローブの前記位置及び向きとして出力するように構成された、プロセッサと、を含む、装置。
【請求項2】
前記プロセッサが、前記磁界を測定するために、定義済み体積内で走査された磁気サンプリング検出器を使用することによって、並びに前記磁気サンプリング検出器からの磁界測定値を前記規範磁界モデルに適合させることによって、前記規範磁界モデルを画定するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記磁界検出器が、前記体積内の前記磁界に対応して信号を受信するよう構成される、前記体積内のカテーテルの遠位先端部付近における単軸センサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記規範磁界モデルにおいて、4次項までの球面調和関数を利用することによって、前記コスト関数を画定するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサが、ガウス−ニュートン法のレーベンバーグ−マーカート変法を利用することによって、前記コスト関数を最小化するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサが、向きベクトルを単位ベクトルであるよう限定することによって、並びに前記向きベクトルを剛体回転ベクトルセット内の6つの単位ベクトルの1つから選択することによって、前記コスト関数を最小化するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサが、ヤコビアン・マトリックスにおける高次微分項を双極子場項で置き換えることによる前記コスト関数についての前記導関数における双極子項に関する計算によって、前記コスト関数を最小化するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサが、ヤコビアン・マトリックスにおける球面調和関数の高次微分項を切り捨てることによる、前記コスト関数についての前記導関数における双極子項に関する計算によって、前記コスト関数を最小化するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサが、剛体回転ベクトルセット内の6つの単位ベクトルの中から初期の向きを選択することによって、並びに繰り返しループにおいて前記位置及び向きを引き続いて変更することによって、前記コスト関数を最小化するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサが、連続する繰り返しループ周期間の前記位置及び向きにおける示差的変化のそれぞれの大きさを計算することによって、並びに前記大きさが定義済み閾値未満であることを見つけると即時に前記体内プローブの前記位置及び向きを報告することによって、前記見つけられた位置及び向きを出力するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
方法であって、
定義済み体積内で磁界を発生させることと、
球面調和関数を使用して、前記体積内の複数の点で前記磁界をモデル作成する、規範磁界モデルを画定することと、
前記体積内に位置決めされた生体の器官に挿入される体内プローブに連結される磁界検出器によって、前記磁界を測定することと、
前記体積内で、前記測定された磁界を前記規範磁界モデルと比較することによって、コスト関数を画定することと、
前記コスト関数についての導関数における双極子項に関する計算によって、前記コスト関数を最小化することで、前記測定された磁界に整合する位置及び向きを見つけることと、
前記見つけられた位置及び向きを前記器官内の前記体内プローブの位置及び向きとして出力することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記規範磁界モデルを画定することが、前記磁界を測定するよう定義済み体積内で走査される磁気サンプリング検出器を使用することと、前記磁気サンプリング検出器からの磁界測定値を前記規範磁界モデルに適合させることとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記磁界検出器により前記磁界を測定することが、前記体積内のカテーテルの遠位先端部付近の単軸センサからの受信された信号を測定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記コスト関数を画定することが、前記規範磁界モデルにおいて4次項までの球面調和関数を利用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記コスト関数を最小化することが、ガウス−ニュートン法のレーベンバーグ−マーカート変法を利用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記コスト関数を最小化することが、向きベクトルを単位ベクトルであるよう限定することと、前記向きベクトルを剛体回転ベクトルセット内の6つの単位ベクトルの1つから選択することとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記コスト関数についての前記導関数における双極子項に関する計算によって、前記コスト関数を最小化することが、ヤコビアン・マトリックス中の高次微分項を双極子場項で置き換えることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記コスト関数についての前記導関数における双極子項に関する計算によって、前記コスト関数を最小化することが、ヤコビアン・マトリックス中の球面調和関数の高次微分項を切り捨てることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記コスト関数を最小化することが、剛体回転ベクトルセット内の6つの単位ベクトルの中から初期の向きを選択することと、繰り返しループ内の前記位置及び向きを引き続いて変更することとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記見つけられた位置及び向きを出力することは、連続する繰り返しループ周期間の前記位置及び向きにおける示差的変化のそれぞれの大きさを計算することと、前記大きさが定義済み閾値未満であることを見つけると即時に、前記体内プローブの前記位置及び向きを報告することとを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には、カテーテルナビゲーションに関し、特にカテーテルの位置及び向きを特定するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲の医療処置は、体内のカテーテルの位置決め及び追跡を伴う。参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第2007/0167722号は、センサで検出される磁界を発生させることによって、好ましくは三次元で、センサの位置を特定するための方法及び装置を記載している。磁界は複数の場所から発生され、本発明の一実施形態では、単一コイルセンサの向き及び場所の双方が決定されることを可能にする。したがって、本発明は、2つ又はそれ以上の互いに垂直のコイルを備える先行技術のセンサの使用が不適切であるような多くの領域における適用を見出す。
【0003】
参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第2010/0210939号は、患者に対して計器を追跡するための外科用ナビゲーションシステムを記載している。このシステムは、患者の一部分、計器、及び/又はこれら双方を、画像データ、座標系、解剖画像、モーフィングした解剖画像、又はこれらの組み合わせに対して追跡することができる。このシステムは、計器の場所に関する6の自由度の情報をもたらすための計器上の追跡装置を有することができる。
【0004】
参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,277,834号は、測定値に関するモデルと1つ以上の測定値との間の差を最小化する工程を含む電磁(EM)界モデルパラメータを適合させるための方法を記載する。この最小化は、モデルパラメータ、並びに少なくとも位置及び/又は向きを概算することによって実行され得る。このモデルは、システムモデルパラメータを更に含み、このシステムは、1つ以上のセンサ及び1つ以上のラジエータを含んでもよい。
【0005】
参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,335,617号は、磁界発生器を校正するための方法を記載し、この方法は、1つ以上の磁界センサを既知の位置及び向きでプローブに適合させることと、磁界発生器の付近の1つ以上の既知の場所を選択することとを含む。この磁界発生器が、磁界を発生するよう駆動される。このプローブが、所定の既知の向きで1つ以上の場所のそれぞれに移動されて、信号が1つ以上の場所のそれぞれで1つ以上のセンサから受信される。この信号が、1つ以上のセンサのそれぞれの位置にて、磁界の振幅及び方向を測定するよう、かつ磁界発生器付近の磁界の振幅及び方向に関する校正因子を決定するよう、処理される。
【0006】
参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,307,702は、遠隔の物体の位置及び向きを参照座標フレームに対して決定するための方法及び装置を記載し、これは、電磁界を発生するための複数個の磁界発生エレメントを有するソースと、発生器エレメントに互いに識別可能である複数個の電磁界を発生する信号を印加するためのドライブと、ソースによって発生された磁界を感知するための複数個の磁界感知エレメントを有するリモートセンサと、感知エレメントの出力を、ソース参照座標フレームに対する遠隔の物体の位置及び向きに処理するためのプロセッサとを含む。このプロセッサは、位置及び向きの値を、共通の中心からの磁界発生エレメントの変位、又は共通の中心からの磁界感知エレメントの変位のいずれか、又はその双方の関数として補正する。共通コア上に巻かれた直交するコイルセット(各セットがソース又はセンサを画定する)における不完全性を克服するために、小スケールの非同心性の補正を行うための技術が開示される。特定の適用のためにより望ましい場合がある分散した場所への、ソース又はセンサを画定するコイルセットの物理的分離を可能にするために、大スケールの非同心性の補正を行うための技術も開示される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、定義済み体積内で磁界を発生することを含む方法を提供する。規範モデルが画定され、これは、球面調和関数を使用して、この体積内の複数の点で磁界をモデル作成する。この磁界が、この体積内に位置決めされた生体の器官内に挿入される体内プローブに連結される磁界検出器によって測定される。体積内で測定された磁界を規範磁界モデルと比較することによって、コスト関数が画定される。コスト関数についての微分における双極子項に関する計算によって、このコスト関数が最小化され、測定された磁界に整合する位置及び向きが見つけられる。見つけられた位置及び向きが、器官内のプローブの位置及び向きとして出力される。
【0008】
いくつかの実施形態では、規範モデルを画定することは、磁界を測定するために定義済み体積内で走査される磁気サンプリング検出器を使用することと、磁気サンプリング検出器からの磁界測定値を規範モデルに適合させることとを含む。他の実施形態では、磁界検出器によって磁界を測定することは、この体積内のカテーテルの遠位先端部付近における単軸センサから受信された信号を測定することを含む。更に他の実施形態では、コスト関数を画定することは、規範モデルにおいて4次項までの球面調和関数を利用することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、コスト関数を最小化することは、ガウス−ニュートン法のレーベンバーグ−マーカート変法を利用することを含む。他の実施形態では、コスト関数を最小化することは、向きベクトルを単位ベクトルであるよう限定することと、向きベクトルを剛体回転ベクトルセット内の6つの単位ベクトルの1つから選択することとを含む。更に他の実施形態では、コスト関数についての導関数における双極子項に関する計算によってコスト関数を最小化することは、ヤコビアン・マトリックス中の高次微分項を双極子場項で置き換えることを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、コスト関数についての導関数における双極子項に関する計算によってコスト関数を最小化することは、ヤコビアン・マトリックス中の球面調和関数の高次微分項を切り捨てることを含む。他の実施形態では、コスト関数を最小化することは、剛体回転ベクトルセット内の6つの単位ベクトルから初期の向きを選択することと、繰り返しループ内の位置及び向きを引き続いて変更することとを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、見つけられた位置及び向きを出力することは、連続する繰り返しループ周期間の位置及び向きにおける示差的変化のそれぞれの大きさを計算することと、この大きさが定義済みの閾値未満であることを見つけると即時に、プローブの位置及び向きを報告することとを含む。
【0012】
また、本発明の実施形態によれば、磁界検出器とプロセッサとを有する装置が提供される。この磁界検出器は、定義済み体積内に位置決めされた生体内の器官に挿入された体内プローブに連結され、この体積内で発生される磁界を測定するよう構成される。このプロセッサは、球面調和関数を使用して体積内の複数の点で磁界をモデル作成する規範モデルを画定し、体積内で測定された磁界を規範磁界モデルと比較することによってコスト関数を画定し、コスト関数についての導関数における双極子項に関して計算することによって、コスト関数を最小化することで、測定された磁界に整合する位置及び向きを見つけて、見つけられた位置及び向きを器官内のプローブの位置及び向きとして出力するように構成される。
【0013】
本発明は、以下の実施形態の詳細な説明を、それら図面と総合すれば、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態による、位置及び向き(P&O)追跡システムにおける磁気ソースから磁界を校正するための追跡体積を示す図。
図2】本発明の実施形態による、位置及び向き(P&O)追跡システムを示す図。
図3】本発明の実施形態による、位置及び向き(P&O)追跡システム内で利用される体内プローブの遠位先端部での6つの定義済み向きベクトルのセットを示す図。
図4】本発明の実施形態による、単軸センサを追跡する方法を概略的に示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
概論
本発明の実施形態は、ヒトの身体の器官内で体内プローブを位置決めするための方法を提供する。体内プローブ、典型的にはカテーテルは、経皮的に体内に挿入され、心臓組織のRFアブレーションなどの治療的医療処置中に体内で所望の器官へ操舵される。磁界検出器、又はセンサは、カテーテルの遠位先端部で、身体が位置決めされた領域付近におけるソースから印加された磁界に応答して信号を作り出す。次いで、位置及び向き(P&O)アルゴリズムが、センサ内で測定された信号を磁界規範モデルと比較することによって、単軸センサを備えるカテーテル内のセンサの位置及び向きを計算するよう実行される。この向きは、カテーテル先端部の軌道を算定することで使用されたカテーテルを通しての軸ベクトルであり、一方、体内での移動は後ほど説明される。
【0016】
本明細書で提示される実施形態では、体積付近における1つ以上の磁界ソースに起因する体積内での磁界を説明するために、球面調和関数を使用して、規範磁界モデルが先ず初めに画定される。次に、カテーテルの遠位先端部で受容された磁界と球面調和関数に基づく磁界規範モデルとの間の差を含むコスト関数が画定される。次いで、任意初期位置ベクトルを選択することによって、しかしながら初期向きベクトルはベクトルの定義済みセットとは別々に選択することによって、身体の器官内のカテーテルの位置を見つけるための最適化法を使用して、このコスト関数が最小化される。次いで、この位置及び向きベクトルが、繰り返しループ内で連続的に変更される。最適化法は、カテーテル位置及び向きパラメータについてのコスト関数のヤコビアン・マトリックス(又は微分)を算定することと、双極子場項によってヤコビアン・マトリックスにおける微分項を近似することとを更に含む。本明細書に記載されるP&O追跡方法全体が、計算効率並びにカテーテルの位置及び向きを特定することでの速度を改善し、磁界モデルが正確であるところの体積を増加させて、更に三軸直交する磁気ソースの必要性を排除する。
【0017】
システムの説明
図1は、本発明の実施形態による、位置及び向き(P&O)追跡システム10内の磁気ソースからの磁界を校正するための追跡体積15を示す図である。磁界は、磁界ソース20から体積15内で発生する。磁界ソース20A、20B、及び20Cはまた、位置パッド(LP)又はソース20とも呼ばれる。
【0018】
システム10は、生体の器官内に挿入される場合、カテーテルの遠位先端部35で検出器30を備えるカテーテル25の位置及び向きを特定する。このカテーテルは、典型的には治療的医療処置で使用される。ソース20によって発生した磁界内にカテーテル25が配置される場合、信号が遠位先端部35で検出器30内で磁気的に誘起される。検出器30内の誘起された信号は、カテーテルによって、システム10内の受信機40に連結される。本明細書に記載される実施形態によると、プロセッサ45は、受信機40からの信号に応答して、カテーテル先端部35の位置及び向きを特定するよう構成される。
【0019】
表示モニタ50が、システム10の操作者によって使用され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ45が表示モニタ50を駆動し、システム10の操作者に生体の器官内のカテーテルの可視的表示を提供する。表示モニタ50はまた、進められている治療的医療処置に関する状況情報及びガイダンスを提供してもよい。
【0020】
プロセッサ45のいくつかの要素は、ハードウェアに、例えば1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)又は書き換え可能ゲートアレイ(FPGA)に実装されてもよい。それに加えてあるいはそれに代えて、いくつかのプロセッサ要素は、ソフトウェアを使用して、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用して実装され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ45は汎用コンピュータを備え、その汎用コンピュータは、本明細書で説明する機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされるものである。そのソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形式でコンピュータにダウンロードされてもよく、あるいは、それに代えてあるいはそれに加えて、磁気的、光学的、又は電子的メモリーなどの非一時的な有形のメディア上に提供及び/又は記憶されてもよい。
【0021】
カテーテル検出器30は、典型的には、1つ以上の小型化コイルセンサを備える。CARTOシステム(Biosense Webster,Diamond Bar,CA)などの位置及び向き追跡システムにおいて使用される三軸センサ(TAS)では、磁界を測定するために、磁界に応答して受信信号を生じるよう、カテーテルの遠位先端部で3本のコイルが直交して配置される。しかしながら、遠位先端部検出器の頭上の領域を低減するために、本発明の実施形態では、検出器30は、TASシステムにおいて使用される3本のコイルの代わりに1本のコイルを備える図1に示すような単軸センサ(SAS)として構成される。1本の受信コイルを備えるSASは、TASシステムにおけるようなベクトル磁界を測定せず、受容された磁界のスカラ測定値のみを測定する。検出器30はまた、SAS 30とも呼ばれ得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、1つ以上の単軸センサが、LASSOカテーテル(Biosense Webster,Diamond Bar,CA)などの円形ループ形状のカテーテルの遠位先端部付近に配置されることができる。この円形ループの直径は、システム10によって制御され得る。本明細書に記載のP&Oアルゴリズムを、円形ループカテーテルの本体に沿って1つ以上のセンサに適用することによって、円形ループの形状が検出されモニタ表示50に出力され得る。システム10の操作者に、生体の器官内のループカテーテルの可視的表示が提供される。
【0023】
カテーテルが挿入されるガーニー55上に横たわる患者の器官は、後に説明されるように、体積15内に位置決めされるであろう。システム10は、体積15内で、SASを使用して、遠位先端部35の位置及び向きを特定するよう校正かつ構成される。磁気ソース20A、20B、及び20Cは、体積15内で磁界を発生するよう体積15付近の任意の便利な構成で配置されることが可能であり、磁気ソースは座標系(x,y,z)を画定するよう使用され得る。典型的には、ソース20は、ガーニー55に取り付けられ、患者の下、すなわち体積15の下に配置される。座標系の参照原点(0,0,0)は、典型的には図1に示すような体積15の中心で、システム10によって画定されるが、この参照は、任意の好適な位置で画定され得る。
【0024】
座標系(x,y,z)は、体積15内で磁界及びSASの位置の双方を画定するよう使用される。SAS 30の位置及び向きは、図1に示すように画定された原点に対して、SASの位置ベクトル
【数1】
で位置決めされた向き(方向)ベクトル
【数2】
によって画定される。位置
【数3】
及び向き
【数4】
によって画定されたSASは、典型的には領域15内に位置決めされるだろうが、位置及び向きベクトルの画定における単に概念的明確性のために、図1中ではSASはガーニーの下に示されている。これに加えて、プロセッサ45が、カテーテル25の遠位先端部35の位置及び向きを特定するよう、又はSAS 30の特定された位置及び向きベクトルからのカテーテル25の本体上の任意の他の好適な位置並びにカテーテルの既知の機械的寸法を特定するよう構成される。
【0025】
本発明の実施形態では、カテーテルの遠位先端部を位置決めするためのアルゴリズムは、上記で画定された同一の座標系(x,y,z)を備える追跡体積15内の磁界の数学的規範モデルを使用する。上述の医療処置に先立って、磁気サンプリング検出器60が、体積15内で走査され、その位置が(0,0,0)に対して画定される。いくつかの実施形態では、検出器60の位置は、ロボットシステム61で制御されるレーザー又は光学的追跡システムのいずれかを使用して追跡されることで、水平のアーム62上に搭載された検出器60が、体積15内のどこにでも走査され得る。次いで、体積15内の定義済みの位置でのサンプリング検出器60によって磁界測定が実行され、これが、数学的規範モデルを、磁気ソース20A、20B、及び20Cによって生じた体積15内の磁界測定値に適合させるための数学的境界条件として使用される。
【0026】
追跡体積15は、いかなる磁気ソース、すなわちソース20も含まないために、追跡体積内の規範モデルから作成され、かつ
【数5】
と示された磁界は、非磁気(電流)ソースに関するマックスウェルの等式、すなわち、
(1)から導かれ得る。
【数6】
【0027】
磁界は、ラプラスの等式中の磁気スカラーポテンシャルΦ(2)から更に導かれ得る。
【数7】
【0028】
磁界は、
(3)によって、磁気スカラーポテンシャルの勾配から決定され得る。
【数8】
【0029】
本発明の実施形態では、磁気スカラーポテンシャルは、
(4)の形状である球面調和関数を使用してここでモデル作成される。
【数9】
ここでYlm(θ,φ)は球面調和関数であり、almは実係数であり、球面座標系(r,θ,φ)が、上記で画定されたデカルト座標系と完全に一致した同一の原点(0,0,0)を使用して画定される。
【0030】
追跡体積15における磁界分布が、等式(4)の磁気スカラーポテンシャルを等式(3)に挿入することによって決定され得る。実係数almが、上記記載の磁気サンプリング検出器60から得られた磁気測定値のセットから導かれる。
【0031】
追跡体積15内の磁界モデルは、球面座標を使用して初期画定されるが、後に記載されるP&Oアルゴリズムは、デカルト座標を使用する。当該技術分野において既知の座標変換は、球面座標(r,θ,φ)をデカルト座標(x,y,z)に変換するよう、逆もまた同様に使用される。
【0032】
いくつかの実施形態では、体積15内の磁界規範モデル
【数10】
は、個々の磁気ソースに起因する適合した磁界を含むことができる。他の実施形態では、
【数11】
は、同時に動作する磁気ソースの全て、又はその逐次的に動作する1つ以上の磁気ソースの任意の組み合わせ(例えば、位置パッド20A、20B、20C)を含んでもよい。他の実施形態では、磁界規範モデルはまた、異なる周波数で1つ以上の磁気ソースを動作させることに関するパラメータを含んでもよい。更に他の実施形態では、このモデルはまた、三軸コイルソース内で3本の個々のコイルの1本以上を逐次的に動作させることに起因する磁界を含んでもよい。別の実施形態では、このモデルは、体積15付近の異なる位置での1つ以上の単一コイルソースに起因する磁界を含んでもよい。
【0033】
本発明の実施形態では、前に記載したような規範モデルが、境界条件として適合する磁気測定値によって導かれるので、磁気ソース、例えば位置パッドの形状、構造、又は位置についてのいかなる情報も必要とされない。したがって、このような実施形態は、十分に画定された三軸磁気コイル系ソースの必要性を排除する。十分に画定されたソースは、例えば、前に参照されたようなCARTOシステムにおけるカテーテル追跡に使用される三角測量法に必要とされる。更には、本発明者は、本明細書で記載されるアプローチを使用して画定された規範モデルの精度は、事前校正された追跡体積内のみにあるカテーテルの遠位先端部に限定されるものではないことを見出した。P&O追跡精度は、カテーテルの遠位先端部が、X方向及びY方向の双方で150mmまで追跡体積15の境界寸法を超える場合でも維持され、これは先行技術の追跡システムよりも優れている。
【0034】
図2は、本発明の実施形態による、位置及び向き(P&O)追跡システムを示す図である。図2中のシステム10は、ガーニー55上に横たわる生体65(例えば、患者)を示す。操作者70は、遠位先端部35にSAS 30を備えるカテーテル25を、磁界校正体積15内に位置決めされる器官75、典型的には心臓に、経皮的に挿入する。
【0035】
本発明の実施形態では、SAS 30によって検出された受信信号(位置パッド20A、20B及び20Cによって生じた体積15内の磁界に応答して)が、システム10内の受信機40に連結される。プロセッサ45は、P&Oアルゴリズムの使用によって、カテーテル先端部35の位置及び向きを特定するよう構成される。このアルゴリズムは、前に記載したように、SAS 30から測定された信号及び体積15内の磁界の数学的モデルの双方の関数である。
【0036】
SASで概算された測定値Mestが、磁界
【数12】
とのSASの向きベクトルのドット積、すなわち、
(5)によって与えられる。
【数13】
【0037】
向きベクトルを局所的磁界のベクトル投影にマッピングし、かつ受容された磁界のベクトル表示を受信機40にもたらすTASとは異なり、SASは、等式(5)によって与えられるセンサ軸の方向で受容された磁界の投影のスカラー測定値のみをもたらす。例えば、3本の直交するコイルのそれぞれが別個に動作されかつカテーテル遠位先端部でSASによって検出されるような、3つの三軸磁気ソースによって発生した磁界の場合を考慮されたい。このようなシステムは、i番目の値がMestで示される9つのMest値を生じる。
【0038】
いくつかの実施形態では、差関数が
(6)で定義され、
【数14】
ここで、measは、SASにおいて実際の測定された磁界である。コスト関数costは、等式(6)中の差関数の平方の和によって定義される。
【数15】
ここで、ΔMeas10は、
(8)によって与えられるペナルティー関数であり、
【数16】
constraintWeightは、典型的にはconstraintWeight=0.5の値を有する定数である。等式(7)からのコスト関数は、3つの三軸磁気ソースの場合及び等式(8)のペナルティー関数項に関する
【数17】
の9つのの値全体の総和である。
【0039】
本発明の実施形態では、P&Oアルゴリズムは、コスト関数、すなわち等式(7)によって与えられるcostを最小化する最適化法に基づく。コスト関数は、SAS向きベクトル
【数18】
とSAS位置ベクトル
【数19】
に依存する。コスト関数の最小化は、SAS向きベクトルとSAS位置ベクトルの値を変化させる繰り返しループにおいて起こる。
【0040】
いくつかの実施形態では、ガウス−ニュートン(G−N)の最適化法のレーベンバーグ−マーカート(L−M)変法が、等式(6)及び(7)に示すような平方項の和に基づいてコスト関数を最小化するよう使用される。この方法は、6つの変数x、y、z、v、v、及びvに関するコスト関数の微分で、ヤコビアン・マトリックスJを計算することを含む。G−N法のL−M変法は、(9)によって与えられるような繰り返しループ内の6つの示差的変数(∂x、∂y、∂z、∂v、∂v、∂v)の計算を含む。
【数20】
ここでは、JはJの転置であり、diag(J)は、その要素がJの対角要素である対角行列であり、λはP&Oアルゴリズムにおいて使用される負でないスカラーパラメータである。ヤコビアンJの計算において、等式(6)からのΔMeasの空間微分、これは本質的にMestの微分であり、これは、向きベクトル
【数21】
の空間微分の積を含む。等式(9)中のΔMeasは10×1の行列であり、これは三軸ソースからの9つの項と等式(8)からの1つのペナルティー関数項とを含む。
【0041】
等式(9)から反復的に計算された6つの示差(∂x、∂y、∂z、∂v、∂v、∂v)は、P&Oアルゴリズムにおける連続する繰り返しループ周期間の位置ベクトル
【数22】
の成分の示差的変化、及び向きベクトル
【数23】
の成分の示差的変化を表す。いくつかの実施形態では、繰り返しループ周期間の位置ベクトル
【数24】
における変化及び向きベクトル
【数25】
における変化のそれぞれの大きさが、定義済み閾値を下回る場合、典型的には
【数26】
の場合、繰り返しループは終了される。
【0042】
P&Oアルゴリズムの繰り返しループ中に、コスト関数は、典型的には、位置及び向きパラメータがループ内で変化するとともに、単調に減少する。
【数27】
の閾値レベルに到達すると、等式(9)からこれら閾値を生じる位置及び向きベクトルは、システム10によって、実際の位置及び向きベクトルに割り当てられる。本明細書に記載されるP&Oアルゴリズムは、1mm以内までの経験的に示される向き及び位置の精度を有する。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明者は、コスト関数の最小化においてP&Oアルゴリズムに対して実行された近似の数が、繰り返しループにおける収束安定性及び計算効率を保証することを経験的に見出した。先ず初めに、向きベクトル
【数28】
は、単位ベクトル、すなわち
(10)であるようアルゴリズムにおいて限定される。
【数29】
【0044】
二番目に、このアルゴリズムは、4次までだけの球面調和関数を使用することに限定される。最後に、ヤコビアン・マトリックスJで使用された高次球面調和関数項を含むコスト関数の微分が、以下に記載されるように双極子場項で置き換えられる。
【0045】
いくつかの実施形態では、体積15内の磁気サンプリング検出器60からの体積15内の磁界データに適合するものでもある、双極子磁界モデル
【数30】
は、前に記載された球面調和関数系モデル
【数31】
に平行して更に導かれる。3つの三軸双極子発信器に起因する
【数32】
の磁界成分は、以下の
(11)のような行列で与えられる。
【数33】
【数34】
の空間微分は、(x+y+z−5/2及び(x+y+z−7/2に比例する項を生じるが、一方4次までの項を有する球面調和関数に基づく
【数35】
の空間微分は、(x+y+z−11/2及び(x+y+z−13/2に比例する高次項を生じる。
【0046】
いくつかの実施形態では、等式(9)のP&Oアルゴリズムに関するヤコビアン・マトリックスJの計算において、4次までの項を有する球面調和関数に基づく
【数36】
の空間微分を、等式(11)で示される双極子項の微分(すなわち、(x+y+z−7/2までの項)で置き換えることが、精度においていかなる変化ももたらさないことが本発明者によって経験的に決定された。しかしながら、システム10におけるP&Oアルゴリズムの計算速度及び効率は、著しく増加される。
【0047】
他の実施形態では、4次までの球面調和関数に基づく
【数37】
の完全空間微分が算定されたが、導関数における(x+y+z−11/2及び(x+y+z−13/2の高次項が、P&Oアルゴリズムで使用されたヤコビアンにおいて切り捨てられる。ここで、本発明者はまた、全体の球面調和関数展開の使用に対して、計算速度及び効率が更に著しく増加されると同時に、精度が未だ維持されていることも経験的に決定した。しかしながら、本明細書で記載される実施形態では、校正された
【数38】
モデルを
【数39】
に並行して生成することは必要ではない。
【0048】
図3は、本発明の実施形態による、位置及び向き(P&O)追跡システムで利用される体内プローブの遠位先端部での6つの定義済み向きベクトルのセットを示す図である。カテーテルが先ず患者65に挿入され、システム10が、前に記載されたL−Mアルゴリズムに従って、SAS 30の位置及び向きのいずれの事前情報なしに、位置及び向きベクトル並びにSAS 30で測定された磁界からコスト関数を最初に算定する。
【0049】
アルゴリズムで使用される初期向きベクトルが、図3の差し込み図に示すような((1,0,0)、(−1,0,0)、(0,1,0)、(0,−1,0)、(0,0,1)、(0,0,−1))によって与えられる単位ベクトルセットから選択されない場合には、本明細書に記載されるP&Oアルゴリズムは収束し得ないことが、本発明者によって経験的に決定された。任意の位置ベクトルが選択され(典型的には、体積15の中心で)、6つのコスト関数が6つの単位ベクトルに基づいて算定される。このベクトルセットからの6つの算定されたコスト関数に関する最低コスト関数をもたらす向きベクトルが、初期向きベクトルとして選択される。
【0050】
図4は、本発明の実施形態による、単軸センサを追跡するための方法を概略的に示す流れ図である。この流れ図はP&Oアルゴリズムの工程に対応する。発生工程100において、定義済みの点で体積15内で走査された磁気サンプリング検出器60によって、追跡体積内で磁界モデル
【数40】
が磁界測定値から生成される。前に記載したように、磁界モデルが、体積15内で検出器60によって実行された定義済みの点での磁界測定値に適合される。
【0051】
画定工程110では、初期位置ベクトルが画定される。アルゴリズムが、カテーテルの遠位先端部の初期SAS位置ベクトル
【数41】
を、追跡体積15の中心などの点で、適宜割り当てる。第1の測定工程120では、measの初期磁界測定値が、単軸センサ30(SAS)で測定される。磁界測定値が、受信機40によって受信され、プロセッサ45に中継される。
【0052】
選択工程130においては、初期向きベクトルが、6つの単位ベクトル、例えば、((1,0,0)、(−1,0,0)、(0,1,0)、(0,−1,0)、(0,0,1)、(0,0,−1))の1つから選択される。プロセッサ45が、工程120からの初期磁界測定値、6つの単位ベクトル、及び工程110で画定された初期位置ベクトルを使用して、等式(6)〜(8)に基づいて6つのコスト関数を計算する。選択された初期位置ベクトルは、等式(7)を使用しての6つのコスト関数計算におけるコストの最低値をもたらすものである。
【0053】
第1の決定工程135では、システム10が処置の初期位置及び向きを測定している場合に、磁界が工程120において既に測定されているために、システム10が第2の測定工程140を迂回する。もしそうでなければ、第2の測定工程140において、磁界measが、単軸センサ30(SAS)で測定される。磁界測定値が、受信機40によって受信され、プロセッサ45に中継される。第2の測定工程140で測定された磁界が、図4の流れ図で示すアルゴリズムの全ての後続工程で器官75内を移動するカテーテル遠位先端部35の位置及び向きを特定するために、等式(6)〜(8)に基づいてコスト関数を算定するよう使用される。
【0054】
本発明の実施形態によると、プロセッサ45は、生体の器官内のカテーテルの位置及び向きを特定するために、コスト関数値コストを最小化するように、工程140後に繰り返しループを開始する。変更工程150において、位置及び向きベクトルが、コスト関数を減少させるよう変更される。計算はまた、等式(1)〜(5)を使用して、Mestの値を導く。
【0055】
本発明の実施形態によると、繰り返しループにおいては、コスト関数が(典型的には単調に)減少されるばかりでなく、プロセッサ45はまた、6つの示差的変数(∂x、∂y、∂z、∂v、∂v、∂v)を等式(9)から算定もする。第2の決定工程160では、
【数42】
が、定義済み閾値(典型的には、前に記載したように0.002)未満でない場合、繰り返しループは変更工程150に続く。
【数43】
が定義済み閾値未満の場合は、プロセッサ45が、計算された位置及び向きを割り当て工程165において見つけられた位置及び向き、すなわち、測定されたSAS 30の位置及び向きベクトルとして割り当てる。次いで、システム10は、第3の決定工程170において、操作者70が処置を終了したかどうかを評価する。例えば、カテーテル25をシステム10から接続解除することによって、又はシステム10に結果的に処置を終わらせるよう指示を与えることによって、操作者は処置を終了することができる。
【0056】
本発明の実施形態では、P&Oアルゴリズムは、操作者70がカテーテル25を患者65の体内で移動させると同時に所定の時点でカテーテル25の遠位先端部35の位置を検出し、操作者70が処置を終了するまで遠位先端部35の動作を追跡し続ける。決定工程170において、操作者が処置を終了しなかった場合には、器官75内のカテーテルの可視的表示は、表示モニタ50上に更新される。システム10は、P&O追跡手順が継続するので、処置の初期位置及び向きが、工程135で測定されていないこと、並びに工程140においてSAS 30で磁界の新しい測定値が測定されることを評価する。
【0057】
システム10によって検出されるように操作者が処置を終了する場合、器官75内のカテーテルの視覚的表示は表示モニタ50に更新され、カテーテル追跡は終了工程180で終了される。いくつかの実施形態では、表示モニタ50はまた、操作者70に治療的医療処置に関する状況情報及びガイダンスを提供してもよい。
【0058】
上記記載の実施形態では、図4に示すように、前のP&O繰り返しループ計算からの位置及び向きは、次のP&O繰り返しループ計算に渡される。カテーテルが患者の体内を移動すると同時の連続的P&O測定の間のサンプリング時間、すなわち工程140〜工程170の時間は、典型的には16ミリ秒である。
【0059】
他の実施形態では、操作者が工程170で処置を終了しなかった場合は、前のP&O繰り返しループ計算からの位置ベクトルは、次のP&O繰り返しループ計算に渡される。しかしながら、別の方法として、次のP&O繰り返しループに関する向きベクトルは、P&O繰り返しループに入る前に、先に記載されたような6つの単位ベクトルから先ず選択されてもよい。
【0060】
本明細書に記載される実施形態は、心臓内のカテーテルの位置を追跡することを主に扱っているが、本明細書に記載される方法及びシステムはまた、画像誘導手術及び放射線療法などの生体の器官に挿入される体内プローブを追跡する他の用途でも使用され得る。本明細書に記載される実施形態はまた、電磁的追跡を必要とする任意の非医療的用途でも利用され得る。
【0061】
上述した実施形態は一例として記載されたものであり、本発明は、本明細書において上記に具体的に図示及び説明した内容に限定されないことが明らかとなろう。むしろ本発明の範囲には、上記に述べた様々な特徴の組み合わせ及び下位の組み合わせ、並びに上記の説明を読むことによって当業者には想到されるであろう、先行技術において開示されていない変形例及び改変例も含まれるものである。参照により本特許出願に組み込まれる文書は、組み込まれた文書内の用語が、本明細書で明示的又は暗黙的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本出願の一体部分と見なされるべきであり、本明細書における定義のみが検討されるべきである。
【0062】
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
定義済み体積内で磁界を発生させることと、
球面調和関数を使用して、前記体積内の複数の点で前記磁界をモデル作成する、規範モデルを画定することと、
前記体積内に位置決めされた生体の器官に挿入される体内プローブに連結される磁界検出器によって、前記磁界を測定することと、
前記体積内で、前記測定された磁界を前記規範磁界モデルと比較することによって、コスト関数を画定することと、
前記コスト関数についての導関数における双極子項に関する計算によって、前記コスト関数を最小化することで、前記測定された磁界に整合する位置及び向きを見つけることと、
前記見つけられた位置及び向きを前記器官内の前記プローブの位置及び向きとして出力することと、を含む、方法。
(2) 前記規範モデルを画定することが、前記磁界を測定するよう定義済み体積内で走査される磁気サンプリング検出器を使用することと、前記磁気サンプリング検出器からの前記磁界測定値を前記規範モデルに適合させることとを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記磁界検出器により前記磁界を測定することが、前記体積内のカテーテルの遠位先端部付近の単軸センサからの受信された信号を測定することを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記コスト関数を画定することが、前記規範モデルにおいて4次項までの球面調和関数を利用することを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記コスト関数を最小化することが、ガウス−ニュートン法のレーベンバーグ−マーカート変法を利用することを含む、実施態様1に記載の方法。
【0063】
(6) 前記コスト関数を最小化することが、向きベクトルを単位ベクトルであるよう限定することと、前記向きベクトルを剛体回転ベクトルセット内の6つの単位ベクトルの1つから選択することとを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記コスト関数についての前記導関数における双極子項に関する計算によって、前記コスト関数を最小化することが、ヤコビアン・マトリックス中の高次微分項を双極子場項で置き換えることを含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記コスト関数についての前記導関数における双極子項に関する計算によって、前記コスト関数を最小化することが、ヤコビアン・マトリックス中の球面調和関数の高次微分項を切り捨てることを含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記コスト関数を最小化することが、剛体回転ベクトルセット内の6つの単位ベクトルの中から初期の向きを選択することと、繰り返しループ内の前記位置及び向きを引き続いて変更することとを含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記見つけられた位置及び向きを出力することは、連続する繰り返しループ周期間の前記位置及び向きにおける示差的変化のそれぞれの大きさを計算することと、前記大きさが定義済み閾値未満であることを見つけると即時に、前記プローブの前記位置及び向きを報告することとを含む、実施態様1に記載の方法。
【0064】
(11) 装置であって、
定義済み体積内に位置決めされた生体の器官内に挿入された体内プローブに連結され、前記体積内で発生される磁界を測定するよう構成された、磁界検出器と、
プロセッサであって、球面調和関数を使用して前記体積内の複数の点で前記磁界をモデル作成する規範モデルを画定し、前記体積内で前記測定された磁界を前記規範磁界モデルと比較することによってコスト関数を画定し、前記コスト関数についての導関数における双極子項に関して計算することによって、前記コスト関数を最小化することで、前記測定された磁界に整合する位置及び向きを見つけて、前記見つけられた位置及び向きを前記器官内の前記プローブの前記位置及び向きとして出力するように構成された、プロセッサと、を含む、装置。
(12) 前記プロセッサが、前記磁界を測定するために、定義済み体積内で走査された磁気サンプリング検出器を使用することによって、並びに前記磁気サンプリング検出器からの前記磁界測定値を前記規範モデルに適合させることによって、前記規範モデルを画定するよう構成される、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記磁界検出器が、前記体積内の前記磁界に対応して信号を受信するよう構成される、前記体積内のカテーテルの遠位先端部付近における単軸センサを備える、実施態様11に記載の装置。
(14) 前記プロセッサが、前記規範モデルにおいて、4次項までの球面調和関数を利用することによって、前記コスト関数を画定するよう構成される、実施態様11に記載の装置。
(15) 前記プロセッサが、ガウス−ニュートン法のレーベンバーグ−マーカート変法を利用することによって、前記コスト関数を最小化するよう構成される、実施態様11に記載の装置。
【0065】
(16) 前記プロセッサが、向きベクトルを単位ベクトルであるよう限定することによって、並びに前記向きベクトルを剛体回転ベクトルセット内の6つの単位ベクトルの1つから選択することによって、前記コスト関数を最小化するよう構成される、実施態様11に記載の装置。
(17) 前記プロセッサが、ヤコビアン・マトリックスにおける高次微分項を双極子場項で置き換えることによる前記コスト関数についての前記導関数における双極子項に関する計算によって、前記コスト関数を最小化するよう構成される、実施態様11に記載の装置。
(18) 前記プロセッサが、ヤコビアン・マトリックスにおける球面調和関数の高次微分項を切り捨てることによる、前記コスト関数についての前記導関数における双極子項に関する計算によって、前記コスト関数を最小化するよう構成される、実施態様11に記載の装置。
(19) 前記プロセッサが、剛体回転ベクトルセット内の6つの単位ベクトルの中から初期の向きを選択することによって、並びに繰り返しループにおいて前記位置及び向きを引き続いて変更することによって、前記コスト関数を最小化するよう構成される、実施態様11に記載の装置。
(20) 前記プロセッサが、連続する繰り返しループ周期間の前記位置及び向きにおける示差的変化のそれぞれの大きさを計算することによって、並びに前記大きさが定義済み閾値未満であることを見つけると即時に前記プローブの前記位置及び向きを報告することによって、前記見つけられた位置及び向きを出力するよう構成される、実施態様11に記載の装置。
図1
図2
図3
図4