(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282456
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】二枚貝の種苗の生産装置および方法
(51)【国際特許分類】
A01K 61/54 20170101AFI20180208BHJP
A01K 63/04 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
A01K61/54
A01K63/04 A
A01K63/04 C
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-256637(P2013-256637)
(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公開番号】特開2015-112066(P2015-112066A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】513314089
【氏名又は名称】木更津漁業協同組合
(73)【特許権者】
【識別番号】000219406
【氏名又は名称】東亜建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一
(74)【代理人】
【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照
(74)【代理人】
【識別番号】100117938
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 謙二
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】内田 成昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀男
【審査官】
門 良成
(56)【参考文献】
【文献】
実開平06−055350(JP,U)
【文献】
特開平05−137477(JP,A)
【文献】
米国特許第04257351(US,A)
【文献】
特開2015−035988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/00
A01K 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚貝の種苗を収容する水槽と、この水槽に海水を供給する給水手段と、この給水手段により供給される海水を前記水槽に注入される前に濾過する給水濾過器と、前記水槽に貯留されている海水を水槽外に排出する排水手段と、この排水手段により排出される海水を水槽外に排出する前に濾過する排水濾過器とを備え、前記給水濾過器は、供給される海水中に含まれる植物性プランクトンを通過させ、動物性プランクトンを通過させない仕様であり、前記排水濾過器は、前記水槽に収容されている二枚貝の種苗を通過させない仕様であり、前記種苗が前記動物性プランクトンよりも大きく成長した後は、前記給水濾過器が取り外されて、前記給水手段から海水が前記水槽に直接供給される構成にしたことを特徴とする二枚貝の種苗の生産装置。
【請求項2】
前記排水手段が、サイフォンの原理を利用した排水手段である請求項1に記載の二枚貝の種苗の生産装置。
【請求項3】
前記給水濾過器は、ボウル状のメッシュフレームとこのメッシュフレームに沿って着脱可能に取り付けられるシート状のフィルタとで構成されるとともに、前記水槽に貯留されている海水面よりも上方に配置され、前記給水手段により供給される海水が前記メッシュフレームの内側に注入される構成である請求項1または2に記載の二枚貝の種苗の生産装置。
【請求項4】
前記排水濾過器は、ボウル状のメッシュフレームとこのメッシュフレームに沿って着脱可能に取り付けられるシート状のフィルタとで構成されるとともに、前記水槽に貯留されている海水に浸水して配置され、前記排水手段となる排水パイプの一端が前記メッシュフレームの内側の海水面よりも下方に配置される構成である請求項1〜3のいずれかに記載の二枚貝の種苗の生産装置。
【請求項5】
二枚貝の種苗を水槽に収容し、この水槽に給水濾過器を介して海水を供給するとともに、排水濾過器を介してこの水槽に貯留されている海水を水槽外に排出し、前記給水濾過器により、供給する海水中に含まれる植物性プランクトンを通過させつつ、動物性プランクトンを通過させずに海水を前記水槽に供給し、前記排水濾過器により、前記水槽に収容されている二枚貝の種苗を通過させずに海水を前記水槽外に排出し、前記種苗が前記動物性プランクトンよりも大きく成長した後は、前記給水濾過器を取り外して前記水槽に海水を直接供給することを特徴とする二枚貝の種苗の生産方法。
【請求項6】
サイフォンの原理を利用して前記水槽に貯留されている海水を水槽外に排出する請求項5に記載の二枚貝の種苗の生産方法。
【請求項7】
前記給水濾過器を、ボウル状のメッシュフレームとこのメッシュフレームに沿って着脱可能に取り付けられるシート状のフィルタとで構成するとともに、前記水槽に貯留されている海水面よりも上方に配置し、海水を前記メッシュフレームの内側に注入して前記水槽に海水を供給する請求項5または6に記載の二枚貝の種苗の生産方法。
【請求項8】
前記排水濾過器を、ボウル状のメッシュフレームとこのメッシュフレームに沿って着脱可能に取り付けられるシート状のフィルタとで構成するとともに、前記水槽に貯留されている海水に浸水して配置し、排水パイプの一端を前記メッシュフレームの内側の海水面よりも下方に配置して、この排水パイプを通じて海水を前記水槽外に排出する請求項5〜7のいずれかに記載の二枚貝の種苗の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二枚貝の種苗の生産装置および方法に関し、さらに詳しくは、給餌作業を簡略化しつつ、効率的に二枚貝の種苗を生産できる生産装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
貝類を水槽の中で生育する方法は、幾つか提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。従来の貝類の育成方法は、海水および餌を水槽に適宜供給し、水槽内の海水の汚れを防止するために水槽内の海水を適宜排出或いは循環させて浄化していた。給餌作業は、生育する貝類に適した餌を用意し、適切な時間に適量の餌を水槽に供給しなければならない。それ故、人手よる作業に依存する部分が非常に多く、多大な手間(時間)を要する作業であった。
【0003】
そこで、発明者らはアサリ等の二枚貝の種苗を生産するに際して、給餌作業の簡略化、軽労化を図るべく様々な研究を行なった。その結果、通常の自然海水の中に適切かつ十分な餌が含まれていることを見出した。しかしながら、単純に自然海水を給餌作業に利用するだけでは、種苗の生産効率を向上させることができず、その原因を究明して対策を施すことにより、自然海水を利用した効率的に二枚貝の種苗を生産できる新たな装置および方法を開発した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−273405号公報
【特許文献2】特開2007−159507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、給餌作業を簡略化しつつ、効率的に二枚貝の種苗を生産できる二枚貝の種苗の生産装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明の二枚貝の種苗の生産装置は、二枚貝の種苗を収容する水槽と、この水槽に海水を供給する給水手段と、この給水手段により供給される海水を前記水槽に注入される前に濾過する給水濾過器と、前記水槽に貯留されている海水を水槽外に排出する排水手段と、この排水手段により排出される海水を水槽外に排出する前に濾過する排水濾過器とを備え、前記給水濾過器は、供給される海水中に含まれる植物性プランクトンを通過させ、動物性プランクトンを通過させない仕様であり、前記排水濾過器は、前記水槽に収容されている二枚貝の種苗を通過させない仕様であ
り、前記種苗が前記動物性プランクトンよりも大きく成長した後は、前記給水濾過器が取り外されて、前記給水手段から海水が前記水槽に直接供給される構成にしたことを特徴とする。
【0007】
本発明の二枚貝の種苗の生産方法は、二枚貝の種苗を水槽に収容し、この水槽に給水濾過器を介して海水を供給するとともに、排水濾過器を介してこの水槽に貯留されている海水を水槽外に排出し、前記給水濾過器により、供給する海水中に含まれる植物性プランクトンを通過させつつ、動物性プランクトンを通過させずに海水を前記水槽に供給し、前記排水濾過器により、前記水槽に収容されている二枚貝の種苗を通過させずに海水を前記水槽外に排出
し、前記種苗が前記動物性プランクトンよりも大きく成長した後は、前記給水濾過器を取り外して前記水槽に海水を直接供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、二枚貝の種苗が収容されている水槽に、通常の自然の海水を供給することで、海水に含まれている植物性プランクトンを種苗の餌として供給できる。そのため、人手よる作業が極めて少なくなり、給餌作業を著しく簡略化することができる。また、給水濾過器を用いて、海水中に含まれる植物性プランクトンを通過させつつ、動物性プランクトンを通過させずに海水を水槽に供給するので、動物性プランクトンが水槽の海水に入ることを抑止できる。これにより、種苗の餌となる植物性プランクトンが動物性プランクトンに摂食されるリスクが低減する。さらには、排水濾過器を用いて、水槽に収容されている二枚貝の種苗を通過させずに海水を水槽外に排出するので、水槽内の種苗の流失を防止しつつ海水が適度に浄化される。それ故、一定期間でより多くの二枚貝の種苗を大きく成長させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の二枚貝の種苗の生産装置を例示する説明図である。
【
図2】給水濾過器および排水濾過器のメンテナンス方法を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の二枚貝の種苗の生産装置および方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1に例示する本発明の二枚貝の種苗の生産装置1(以下、生産装置1という)は、水槽2と、給水パイプ5および給水ポンプ6と、給水濾過器3と、排水パイプ7と、排水濾過器4とを備えている。この実施形態では、さらに、水槽2内に継続的に空気を供給するエアレーション8と、制御部9とが設けられている。水槽2には、多数の二枚貝の種苗Sが収容される。水槽2に収容される二枚貝の種類としては、アサリ、シジミ、ハマグリ等を例示できる。
【0012】
給水パイプ5および給水ポンプ6は、海から採取した自然のままの海水Wを水槽2に供給する給水手段である。給水ポンプ6の稼働および稼働停止は制御部9によって制御される。
【0013】
給水濾過器3は、給水手段により供給される海水Wを水槽2に注入される前に濾過する。この実施形態の給水濾過器3は、ボウル状のメッシュフレーム3aとこのメッシュフレーム3aに沿って着脱可能に取り付けられるシート状のフィルタ3bとで構成されている。メッシュフレーム3aのメッシュの大きさは、フィルタ3bの目よりも大きくなっている。フィルタ3bは、不織布や樹脂など様々な材質の公知のものを使用できる。給水濾過器3は、水槽2に貯留されている海水W面よりも上方に配置され、給水手段により供給される海水Wがメッシュフレーム3aの内側に注入される構成になっている。
【0014】
海水Wを水槽2に注入するに際して、この給水濾過器3によって、海水W中に含まれる植物性プランクトンAを通過させ、動物性プランクトンBを通過させない構成になっている。珪藻等の植物性プランクトンAの大きさは凡そ40μm以下であり、植物性プランクトンAを摂食する動物性プランクトンBの大きさは凡そ200μm以上である。そこで、フィルタ3bの目の大きさは100μm(80μm〜150μm程度)に設定する。
【0015】
排水パイプ7は、水槽2に貯留されている海水Wを水槽2外に排出する排水手段である。この実施形態では、排水パイプ7に開閉弁7aが設けられている。この開閉弁7aの開弁および閉弁は制御部9によって制御される。排水手段には、例えば、動力源が不要で排水速度が比較的遅いサイフォンの原理を利用するとよい。
【0016】
排水濾過器4は、排水手段により水槽2から排出される海水Wを水槽2外に排出する前に濾過する。この実施形態の排水濾過器4は、ボウル状のメッシュフレーム4aとこのメッシュフレーム4aに沿って着脱可能に取り付けられるシート状のフィルタ4bとで構成されている。メッシュフレーム4aのメッシュの大きさは、フィルタ4bの目よりも大きくなっている。フィルタ4bは、不織布、樹脂など様々な材質の公知のものを使用できる。排水濾過器4は、水槽2に貯留されている海水Wに浸水して配置されている。排水パイプ7の一端はメッシュフレーム4aの内側の海水W面よりも下方に配置されている。
【0017】
海水Wを水槽2外に排出するに際して、この排水濾過器4によって、水槽2に収容されている二枚貝の種苗Sを通過させない構成になっている。水槽2に収容される種苗Sの大きさは、二枚貝の種類や成長過程によって異なるので、その大きさに応じて適切な目の大きさフィルタ4bを使用する。例えば、種苗Sがアサリの幼生の場合は、その大きさが凡そ60μm以上なので、フィルタ3bの目の大きさは50μmに設定する。
【0018】
次に、本発明の二枚貝の種苗の生産方法の手順を説明する。
【0019】
まず、二枚貝の種苗Sを幼生の段階で水槽2に収容する。次いで、給水ポンプ6を稼働して給水パイプ5を通じて供給した海水Wを、給水濾過器3を介して水槽2に注入して、規定量の海水Wを水槽2に貯留する。種苗Sを水槽2に収容する前に、予め水槽2に規定量の海水Wを貯留しておいてもよい。
【0020】
その後、制御部9の制御によって、所定時刻に所定量の海水Wを給水手段によって水槽2に供給する。エアレーション8は継続的に稼働させておく。供給する海水Wには、植物性プランクトンAおよび動物性プランクトンBが含まれているが、植物性プランクトンAは、メッシュフレーム3aおよびフィルタ3bを通過して、海水Wとともに水槽2に注入される。一方、動物性プランクトンBはフィルタ3bに捕捉されて水槽2に注入されない。
【0021】
したがって、水槽2に貯留された海水Wには、植物性プランクトンAを摂食する動物性プランクトンBがほとんど存在せず、種苗Sと、種苗Sの餌となる植物性プランクトンAが適度に存在する状態になる。そのため、種苗Sは、水槽2内で適度な餌(植物性プランクトンA)を摂食して、幼生から稚貝を経て母貝になるまで成長できる。
【0022】
種苗Sが動物性プランクトンBと同等或いは同等以下の大きさの段階で、自然の海水Wを単純に水槽Sに供給すると、海水Wに含まれている多くの植物性プランクトンAは、動物性プランクトンBに摂食されてしまう。即ち、水槽Sに収容した種苗Sは、動物性プランクトンBに邪魔されて十分に植物性プランクトンAを摂食することができずに死滅、または、成長具合が著しく悪くなるという問題が生じる。そこで、本発明では、種苗Sが動物性プランクトンBとの餌の取り合いに勝てない段階では、給水濾過器3を介して海水Wを水槽2に供給することにより、この問題を解決している。
【0023】
水槽2に海水Wを供給するだけでは、海水Wが水槽2からオーバーフローし、また、種苗Sの排泄物等によって海水Wに汚れも生じる。そこで、排水濾過器4を介して水槽2に貯留されている海水Wを水槽2外に排出して、水槽2に貯留されている海水Wをなるべく規定量に維持する。制御部9の制御によって、所定時刻に所定量の海水Wを水槽2外に排出する。
【0024】
海水Wを排出する際には、種苗Sは、フィルタ4bを通過できないので、水槽2外に排出されることはない。また、フィルタ4bの目より小さな汚れCは、メッシュフレーム4aおよびフィルタ4bを通過して、海水Wとともに水槽2外に排出される。フィルタ4bの目よりも大きな汚れCはフィルタ4bに捕捉される。
【0025】
所定期間経過毎、或いは、給水濾過器3のフィルタ3bに捕捉される動物性プランクトンBが目立ってきた際には、
図2に例示するように、メッシュフレーム3aの内側に沿って取付けられていたフィルタ3bを取り外して、新しいフィルタ3bと交換する。或いは、フィルタ3bに捕捉された動物性プランクトンBを除去洗浄して、再度、メッシュフレーム3aに装着して使用する。メッシュフレーム3aも適宜洗浄する。
【0026】
排水濾過器4のフィルタ4bについても同様に、所定期間経過毎、或いは、フィルタ4bに捕捉される汚れCが目立ってきた際には、
図2に例示するように、メッシュフレーム4aの外側に沿って取付けられていたフィルタ4bを取り外して、新しいフィルタ4bと交換する。或いは、フィルタ4bに捕捉された汚れCを除去洗浄して、再度、メッシュフレーム4aに装着して使用する。メッシュフレーム4aも適宜洗浄する。
【0027】
排水速度が速すぎると、海水Wとともに植物性プランクトンAが水槽2外に排出されることもあるので、排水速度が比較的遅いサイフォンの原理を利用した排水手段を用いることが好ましい。サイフォンの原理を利用すれば、排水自体に特別な動力源も不要にできる。水槽2内の海水Wの流れを円滑にして淀みを防止するには、海水Wを水槽2に供給する位置と、水槽2から海水Wを排出する位置とをそれぞれ、水槽2の対置した位置にすることが好ましい。
【0028】
種苗Sが稚貝等になって、海水Wに含まれている動物性プランクトンBよりも大きく成長した後は、水槽2の海水Wに動物性プランクトンBが含まれていても、種苗Sと動物性プランクトンBとが競合して、種苗Sが植物性プランクトンAを摂食できなくなるリスクはない。そのため、それ以降は、給水濾過器3を取り外して、給水手段から直接海水Wを水槽2に
供給する。
【0029】
種苗Sが成長するに連れて、必要となる植物性プランクトンAの量が増大するので、水槽2に供給する一定期間当たりの海水Wの量も増大させる。これに伴なって、水槽2外に排出する一定期間当たりの海水Wの量も増大させる。
【0030】
本発明によれば、上述したように二枚貝の種苗Sが収容されている水槽Sに、通常の自然の海水Wを供給することで、海水Wに含まれている植物性プランクトンAを種苗Sの餌として供給できる。そのため、従来、人手よる作業が大部分であった給餌作業を著しく簡略化することができる。
【0031】
また、給水濾過器3を用いて、動物性プランクトンBが水槽2の海水Wに入ることを抑止するので、水槽2内で植物性プランクトンAを、種苗Sと動物性プランクトンBとで競い合って摂食するという状況を回避できる。これにより、一定期間で多数の種苗Sを大きく成長させることができる。即ち、効率的に種苗Sを生産するには有利になる。排水濾過器4を用いて、水槽2に収容されている種苗Sを通過させずに海水Wを水槽2外に排出するので種苗Sが流失するリスクも低減され、また、水槽2内の海水Wは適度に浄化される。したがって、二枚貝の種苗Sを効率よく生産するには益々有利なる。
【符号の説明】
【0032】
1 生産装置
2 水槽
3 給水濾過器
3a メッシュフレーム
3b フィルタ
4 排水濾過器
4a メッシュフレーム
4b フィルタ
5 給水パイプ
6 給水ポンプ
7 排水パイプ
7a 開閉弁
8 エアレーション
9 制御部
A 植物性プランクトン
B 動物性プランクトン
C 汚れ
S 二枚貝の種苗
W 海水