(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、マルチピース型インサートを備える眼用レンズを製造するための方法及び装置を含み、インサートの一部又はインサートから形成された眼用レンズは、パターン形成の態様を含み得る。更に本発明は、パターン形成の態様を含む眼用レンズに組み込まれた、マルチピース型インサートを備える眼用レンズを含む。
【0017】
本発明によると、眼用レンズデバイスは、場合によってはエネルギー源を含む、埋め込まれたインサート(例えば、エネルギーの蓄積手段としての電気化学セル又は電池等)を備えて形成される。いくつかの実施形態において、形成された眼用レンズは、完全に形成された眼用レンズデバイス上、部分的に形成された眼用デバイス上、又はその後眼用レンズデバイスに形成されるインサートの表面部分上へのパターンの印刷を含むが、これに限定されない多数の方法でパターン形成されてよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、マルチピース型インサートは、回路、構成要素、及びエネルギー源のパターンも含む。様々な実施形態は、光学ゾーン(この光学ゾーンを通じてレンズの装用者は見る)の周辺部の周りに回路、構成要素、及びエネルギー源のパターンを配置する、マルチピース型インサートを含んでよい。いくつかの実施形態では、マルチピース型インサートは、コンタクトレンズ装用者の視覚に悪影響を及ぼさないほど十分に小さい可能性のある、回路、構成要素、及びエネルギー源のパターンを含んでよい。いくつかの実施形態では、構成要素及びエネルギー源は、光学ゾーンの内部又は外部に配置される。いくつかの実施形態では、インサート内の、インサートに取り付けられた、又はインサート上のこれらの様々な構成要素によって形成されたパターンは、構成要素によって形成されたパターンを隠す又は遮るような方法でパターンを配置する必要性をもたらし得る。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態では、マルチピース型インサートは、レンズを作るために使用する成形型部分に対して所望の位置にエネルギー源を配置する自動装置を介して、眼用レンズ内に統合される。様々な構成要素を眼用レンズ内に配置する実施形態は、構成要素を定位置に封止して接着する、又は構成要素を封入する1つ以上の工程を使用し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、エネルギー源は、コマンドにより起動することができ、眼用レンズ内に含まれるエネルギー源から電流を引くことができる構成要素と電気的に導通するように配置される。いくつかの実施形態では、構成要素として、半導体デバイス、能動若しくは受動電子デバイス、又は電気的に作動する機械が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、電気的に作動する機械として、微小電気機械システム(MEMS)、ナノ電気機械システム(NEMS)、又は微小機械が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、エネルギー源及び構成要素の配置後、成形型部分によって反応混合物を成形することができ、重合して眼用レンズを形成することができる。
【0021】
以下の項において、本発明の実施形態の詳細な説明を与える。好ましい実施形態及び代替の実施形態の両方の説明は、代表的な実施形態に過ぎず、変形、修正、及び代替が当業者にとって明白であり得ることが理解される。したがって、これらの代表的な実施形態は基礎をなす発明の範囲を制限しない点は理解されなければならない。
【0022】
用語集
本発明を対象としたこの説明及び特許請求の範囲においては、以下の定義が適用される様々な用語が用いられ得る。
後方湾曲ピース:本明細書で(場合によってはインサートの後方湾曲として)使用するとき、前述のインサート内に組み立てられると、後方にあるレンズの面上の位置を占めるマルチピース型インサートの固体要素を指す。眼用レンズでは、かかるピースは、ユーザーの眼の表面により近いインサートの面上に配置される。いくつかの実施形態では、後方湾曲ピースは、眼用デバイスの中心部における領域を包含し、かつこれを含んでもよく、この領域を通じて光がユーザーの眼又は光学ゾーンの内部に進む。いくつかの実施形態では、このピースは、光学ゾーンにおける領域の一部又は全てを収容しない又は含まない、環状形状をとってよい。いくつかの実施形態では、複数のインサートの後方湾曲ピースが存在してもよく、インサートの1つは、光学ゾーンを含んでもよく、一方で、他のインサートは環状又は環の一部であってよい。
【0023】
構成要素:本明細書で使用するとき、論理的状態又は物理的状態の中の1つ以上の変化を生じるためにエネルギー源から電流を引くことができるデバイスを指す。
【0024】
封入する:本明細書で使用するとき、障壁を作って、例えば、媒体インサート等の実体を実体に近接する環境から分離することを指す。
【0025】
封入剤:本明細書で使用するとき、例えば、媒体インサート等の実体に隣接する環境から分離する障壁をもたらす、実体を包囲して形成された層を指す。例えば、封入剤は、エタフィルコン、ガリフィルコン、ナラフィルコン、及びセノフィルコン等のシリコーンヒドロゲル、又は他のヒドロゲルコンタクトレンズ材料を含んでよい。いくつかの実施形態では、封入剤は半透過性であってよく、実体内に指定物質を含有し、例えば、水等の指定物質が実体に入らないようにする。
【0026】
エネルギー印加された:本明細書で使用するとき、電流を供給するか、又は内部に貯蔵される電気エネルギーを有することができる状態を指す。
【0027】
エネルギー:本明細書で使用するとき、ある物理系が仕事をする能力のことを指す。本発明で使用される場合の多くは、動作する際に電気的作用を行うことが可能なこの容量に関連し得る。
【0028】
エネルギー源:本明細書で使用するとき、エネルギーを供給するか、又は生物医学的デバイスを励起状態とすることが可能なデバイスのことを指す。
【0029】
エネルギーハーベスターとは:本明細書で使用するとき、環境からエネルギーを抽出し、これを電気エネルギーに変換することができるデバイスを指す。
【0030】
前方湾曲ピース:本明細書で(場合によってはインサートの前方湾曲として)使用するとき、前述のインサート内に組み立てられると、前方にあるレンズの面上の位置を占めるマルチピース型インサートの固体要素を指す。眼用レンズでは、かかるピースは、ユーザーの眼の表面からより遠い、インサートの面上に配置される。いくつかの実施形態では、このピースは、眼用デバイスの中心部における領域を包含し、かつこれを含んでもよく、この領域を通じて光がユーザーの眼又は光学ゾーンの内部に進む。他の実施形態では、ピースは、光学ゾーンにおける領域の一部若しくは全てを包含しない又は含まない、環状形状であってよい。いくつかの実施形態では、眼用インサートは、複数の前方湾曲ピースを含んでよく、これらのピースの1つは、光学ゾーンを含んでもよく、他のピースは環状又は環の一部であってよい。
【0031】
レンズ形成混合物、「反応性混合物」、又は「RMM」(反応性モノマー混合物):本明細書で使用するとき、硬化及び架橋することができるか、又は架橋して眼科レンズを形成することができる、モノマー、又はプレポリマー材料を指す。様々な実施形態は、UV遮断剤、染料、光開始剤、又は触媒、及び眼用レンズ、コンタクトレンズ、若しくは眼内レンズにおいて好適な他の添加剤等であるが、これらに限定されない1つ以上の添加剤を有するレンズ形成混合物を含むことができる。
【0032】
レンズ形成表面:レンズの成形に用いられる表面を指す。いくつかの実施形態では、任意のこのような表面は、光学品質表面仕上げを有することができ、光学品質表面仕上げとは、表面が十分に滑らかで、成型表面に接触しているレンズ形成材料の重合によって作られるレンズ表面が光学的に許容可能であるように形成されていることを示す。更に、いくつかの実施形態では、レンズ形成表面は、レンズ表面に所望の光学特性を付与するのに必要な幾何学形状を有することができる。所望の光学特性としては、球面屈折力、非球面屈折力、及び円筒屈折力、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正等に加えて、これらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
リチウムイオンセル:本明細書で使用するとき、リチウムイオンセルは、リチウムイオンがセル内を移動し電気的エネルギーを生成する、電気化学セルを指す。典型的には電池と呼ばれるこの電気化学セルは、その通常の状態に再通電又は再充電され得る。
【0034】
マルチピース型インサート:本明細書で使用するとき、眼用レンズ内部のエネルギー源を支持することができる、成形可能な又は剛性の基板を指す。いくつかの実施形態では、マルチピース型インサートは、1つ又は2つ以上の構成要素も支持する。
【0035】
成形型:本明細書で使用するとき、未硬化配合物からレンズを形成するために使用され得る、剛性又は半剛性の物体を指す。いくつかの好ましい成形型は、前部湾曲成形型部分及び後部湾曲成形型部分を形成する2つの成形型部分を含む。
【0036】
眼用レンズ:本明細書で使用するとき、眼内又は眼上にある、任意の眼用デバイスを指す。これらのデバイスは、光学的補正を与えるものであってもよく、あるいは美容的なものであってもよい。例えば、レンズなる用語は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼球インサート、光学インサート、又はそれによって視力が矯正若しくは改変されるか又はそれによって眼の生理機能が視力を妨げることなく美容的に増強される(例えば虹彩の色)ような他の同様のデバイスのことを指し得る。いくつかの実施形態では、本発明の好ましいレンズは、シリコーンエラストマー又はヒドロゲルから作製されるソフトコンタクトレンズである。
【0037】
光学ゾーン:本明細書で使用するとき、眼用レンズの装用者がそこを通して見ることになる、眼用レンズの領域を指す。
【0038】
動力:本明細書で使用するとき、単位時間当たりに行われる仕事又は移動するエネルギーのことを指す。
【0039】
再付勢可能又は再充電可能:本明細書で使用する場合、仕事をするためのより高いキャパシティの状態へと復元可能な能力を指す。本発明内の多くの用途は、特定の再開された期間、電流を特定の速度で流すことができる状態に復元する能力に関連し得る。
【0040】
再付勢又は再充電:本明細書で使用するとき、仕事を行うためのより高い能力を有する状態まで回復することを指す。本発明内の多くの用途は、特定の再開された期間、電流を特定の速度で流すことができるように、デバイスを復元することに関連し得る。
【0041】
成形型から取り外した:本明細書で使用するとき、レンズが成形型から完全に分離した状態、又は穏やかな振動によって取り外すか若しくは綿棒を用いて押し外すことができるようにほんの軽く取り付けられている状態のいずれかであることを意味する。
【0042】
積層一体型構成要素デバイス:本明細書で使用するとき(場合によっては「SICデバイス」と呼ばれる)、電気的及び電気機械的デバイスを含んでよい基材の薄層を、各層の少なくとも一部を互いの上部に積み重ねることによって、動作可能な一体型デバイスへと組み立て得る実装技術の産物を指す。いくつかの実施形態では、これらの層は、様々な種類、材料、形状、及び寸法の構成要素デバイスを含んでよい。更に、層は、その層に所望され得る様々な輪郭に適合させ及びその輪郭をとらせる様々なデバイス生産技術により作製されてもよい。
【0043】
続いて
図1を参照すると、封止されて封入されたインサートを収容するパターン付き眼用デバイスを形成するための装置100が示されている。この装置100は、例示の前方湾曲成形型102と、適合する後方湾曲成形型101と、を含む。いくつかの実施形態では、インサート104及び眼用レンズデバイスの本体103がこれら2つの成型型101及び102の内側に存在できる。いくつかの実施形態では、眼用レンズデバイスの本体103はヒドロゲル材料であってよく、インサート104はこの材料によって全表面を包囲されてよい。
【0044】
インサート104は、多くの様々な種類のインサートのうちの1つであってもよい。
図1の描写では、インサート104内に少なくとも1つのパターン付き表面105が存在してよい。パターン付き表面105を形成するインサート104又は眼用レンズデバイスの本体103のいずれかにパターン形成するために多数の異なる方法が存在できる。いくつかの実施形態では、装置100は、多数の封止された領域を備える構成要素の組み合わせからなる新規の眼用デバイスを作製できる。
【0045】
再び
図1を参照すると、眼用レンズの例示の鋳型装置100の図がマルチピース型インサート104と共に図示されている。本明細書で使用するとき、鋳型装置100は、レンズ形成用混合物の反応又は硬化の際に所望の形状の眼用レンズが製造されるように、レンズ形成用混合物をその中に分配することができる、キャビティ106の形状に形成されたプラスチックを含む。いくつかの実施形態では、成形型及び鋳型装置100は、複数の「成形型部分」又は「成形型ピース」101〜102で構成される。成形型部分101〜102を結合させて、キャビティ106を成形型部分101と、102と、の間に形成し、その中にレンズを形成できるようにすることができる。このような鋳型部分101〜102の組み合わせは、一時的であることが好ましい。眼用レンズが形成されると、眼用レンズデバイスを取り出すために成形型部分101〜102は再び分離させることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの成形型部分101〜102は、その表面の一部がレンズ形成用混合物と接触していて、レンズ形成用混合物の反応又は硬化の際に、表面が接触しているレンズ部分に所望の形状及び形態をもたらすようになっている。他の成形型部分101〜102についても同様である。
【0047】
いくつかの実施形態では、鋳型装置100は、2つの部分101〜102、すなわち雌型の凹状ピース(前側ピース)102及び雄型の凸状ピース(後側ピース)101(それらの間にキャビティ106を備える)から形成される。レンズ形成用混合物と接触する凹面部分は、鋳型装置100内に作製すべき眼用レンズの前方湾曲部の湾曲を有し、十分に滑らかであり、凹面と接触しているレンズ形成混合物の重合によって形成される眼用レンズの表面が光学的に許容可能であるように形成されている。
【0048】
いくつかの実施形態では、前側成形型ピース102はまた、眼用レンズデバイスの周縁端部と一体であり、かつこれを包囲する環状フランジを有してよい。いくつかの実施形態では、レンズ形成表面は、光学品質表面仕上げを施した表面を含むことができ、光学品質表面仕上げとは、表面が十分に滑らかで、成形型表面に接触しているレンズ形成材料の重合によって作られるレンズ表面が光学的に許容可能となるように形成されていることを示す。更に、いくつかの実施形態では、成形型ピース101〜102のレンズ形成表面は、レンズ表面に所望の光学特性を付与するのに必要な幾何学形状を有することができる。所望の光学特性としては、球面屈折力、非球面屈折力、及び円筒屈折力、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正等に加えて、これらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
いくつかの実施形態では、マルチピース型インサート104は、エネルギー源及び構成要素がその上に取り付けられて図示される。マルチピース型インサート104は、エネルギー源がその上に配置され得る任意の受容材料であってよく、いつかの実施形態では、回路経路、構成要素、及びエネルギー源を構成要素と電気的に導通させ、構成要素がエネルギー源から電流を引くことを可能にするために有用な他の態様を含み得る。いくつかの実施形態では、封止部及び封入部105は、機能的インサートがマルチピースで製造され、次いで信頼性高く組み立てられ、眼用デバイス内に最終的に含まれるように封止されるのを可能にし、眼用デバイスの周囲の材料及びインサートデバイス内部の材料は、インサート材料又は封止部105を通じて拡散することができない。
【0050】
様々な実施形態はまた、レンズを形成するために使用される成形型部分内にマルチピース型インサート104を配置する前に、エネルギー源をマルチピース型インサート104内に配置することを含む。マルチピース型インサート104はまた、エネルギー源により電気量を受け取る、1つ又は2つ以上の構成要素を含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、マルチピース型インサート104を備えるレンズは、剛性の中心部及び柔軟性のスカート設計を有し、ここでは中央の剛性光学要素が、大気と、対応する前側表面及び後側表面上の角膜表面と、に直接接触する。更に、レンズ材料の柔軟性のスカート(通常、ヒドロゲル材料で作製される)は、剛性光学要素の周辺部に取り付けられる。いくつかの実施形態では、剛性光学要素はまた、得られる眼用レンズにエネルギー及び機能をもたらすマルチピース型インサートとして機能する。
【0052】
いくつかの更なる実施形態は、剛性のレンズインサートであり、かつヒドロゲルマトリックス内に完全に封入されているマルチピース型インサート104を含む。剛性レンズインサートであるマルチピース型インサート104は、例えば、マイクロインジェクション成形法を使用して製造できる。実施形態は、例えば、約6mm〜10mmの直径、約6mm〜10mmの前側表面半径、約6mm〜10mmの後側表面半径、及び約0.050mm〜0.5mmの中心厚さを有するポリ(4−メチルペンター1−エン)コポリマー樹脂を含んでよい。いくつかの例示の実施形態は、約8.9mmの直径、約7.9mmの前側表面半径、約7.8mmの後側表面半径、及び約0.100mmの中心厚さ、及び約0.050mm半径の縁部輪郭の挿入物を含む。1つの例示のマイクロ成形機械としては、Battenfield Inc.によって提供されるMicrosystem 50の4536kg(5トン)システムが挙げられる。溝、スロット、リップ、及びナイフ縁部等の封止機構の一部又は全ては、成形プロセス中に形成されるか、成形プロセスの後に続くプロセスによって後で形成されてよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、マルチピース型インサートは、眼用レンズデバイスの形成に使用される成形型部分101〜102内に配置されてよい。いくつかの実施形態では、成形型部分101〜102の材料として、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、及び変性ポリオレフィンのうちの1つ又は2つ以上のポリオレフィンが挙げられる。その他の成形型には、セラミック又は金属材料を含むことも可能である。
【0054】
いくつかの実施形態では、眼用レンズの成形型を形成するために、1つ又は2つ以上の添加剤と組み合わせることができる他の成形型材料としては、例えば、Zieglar−Nattaポリプロピレン樹脂(場合によってはznPPと呼ばれる)、FDA規則21 CFR(c)3.2による清浄な成形品のための精製ランダムコポリマー、エチレン基を有するランダムコポリマー(znPP)が挙げられる。
【0055】
いくつかの実施形態では、成形型部分101〜102には、ポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、主鎖に脂環式部分を含む変性ポリオレフィン、及び環状ポリオレフィンが含まれる場合もある。この混合物は、成形型部分101〜102の一方又は両方で使用されてよい。いくつかの実施形態では、この混合物は、後側成形型部分101及び前側成形型部分102の上で使用され、脂環式コポリマーを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、既知の技術に従って射出成形を用いる場合もあるが、実施形態には、例えば、旋盤加工、ダイヤモンド切削、又はレーザー切断等が挙げられる他の技術によって作られる成形型を含むこともできる。
【0057】
いくつかの他の実施形態では、眼用レンズデバイスは、両方の成形型部分101〜102の少なくとも1つの表面で形成される。しかしながら、いくつかの実施形態では、レンズの片方の表面は、成形型部分101〜102から形成されてよく、レンズの他方の表面は、旋盤加工法、又は任意の他の方法を用いて形成することができる。
【0058】
続いて
図2を参照すると、埋め込まれたインサートを備える、パターン無し眼用レンズデバイス200の例が断面図で示されている。いくつかの実施形態では、外側眼用デバイスシェル210は、
図1の成形機構によって形成されてよく、ヒドロゲル化合物を含む多数の材料で作製できる。
【0059】
更に、眼用レンズデバイス200は、インサート220を含んでよい。いくつかの実施形態では、インサート220はマルチピースで作製され、インサート220を完成させるために使用される様々な種類の封止部を有してよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、眼用レンズデバイス200はまた、起動要素、処理要素、通電要素、及び感知要素を含むが、これらに限定されない構成要素デバイス層230を含んでよい。いくつかの実施形態では、かかる層の封入に関連する多数の封入スキームが存在してよい。更に、いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、得られるインサートが眼用デバイス内に固定される前に、層210は、活性光学デバイス等の他の構成要素240に接着されてもよい。
【0061】
再び
図2を参照すると、形成された眼用デバイスのパターン無し版及び様々な構成要素の組み込みが図示されている。
【0062】
続いて
図3を参照すると、例示の眼用デバイスの縁部の拡大断面
図300が示されている。いくつかの実施形態では、断面
図300の平面
図390が示される。いくつかの実施形態では、光学ゾーン310には、様々な種類のインサート又は他の活性構成要素が存在し得るため、眼用デバイスは完全なデバイスと見なされてよい。例えば、メニスカス型レンズでは、光学ゾーン310によって画定される領域は、メニスカス型活性レンズの基を形成する2種類の不混和流体によって包囲されてよい。いくつかの実施形態では、光学ゾーン310は、インサートの前側表面を示してよく、様々な導電性電極金属層が上に堆積させられてもよい、成形された個別ピースであることができる。いくつかの実施形態では、様々な電気的構成要素330及び通電要素320を備える電気トレースが存在する。
【0063】
いくつかの実施形態では、成形された前側ピース310は、その内部に成形された陥凹部371を有してよく、次いでこの陥凹部371は、示されるように、成形されているが、別個である後側ピース360と交わるであろう。いくつかの実施形態では、陥凹部371は、接着剤溝部と呼ばれることがある。いくつかの他の実施形態では、前側ピース及び後側ピースを互いに対して近接させると、この2ピースによって形成されるキャビティに流体が満たされる前であるか、後であるかにかかわらず、後側ピースが前進して溝部371にしっかり合わさってよい。その後、接着剤又は封止剤を溝部371の残りの空間に堆積させてよい。いくつかの実施形態では、溝部371は、眼用レンズデバイス自体の周辺部全体の周りに配置されてよい。いくつかの実施形態では、表面370は、インサート自体のパターン形成によって形成されるパターン付きインサートを作成するためにパターンが配置され得る例示の位置を示してよい。いくつかの他の実施形態では、他の表面はパターン付きであり、形成されてよい。更に、いくつかの実施形態では、封止剤331は、パターン付きであることができる表面を画定してよい。それにもかかわらず、多数の実施形態では、前側接面370は、それでもなお後側曲面360又は後側湾曲面が配置される表面の任意のパターンと同様にパターン付きであってよい。
【0064】
いくつかの他の実施形態では、インサートは上記のように完全なデバイスではないが、むしろ、中央部分の少なくとも一部で材料が欠けていてよい環状デバイスである。続いて
図4を参照すると、かかる環状インサート型400の図が示されるであろう。環状インサート400は、前側接面470を有してよい前方湾曲ピース410を有してよい。いくつかの実施形態では、内縁部415は、環状インサート400の内側機構を画定する。
【0065】
いくつかの実施形態では、環状インサート400の断面490が開示される。断面
図490では、表面470を備える前方湾曲ピースは、環の2つの最遠端部にある成形された縁部471及び472から延びてよい。いくつかの実施形態では、前方湾曲ピースと後方湾曲ピース460との間の領域を被覆し、封入する後方湾曲ピースが存在してよい。後方湾曲ピース460は、461及び462において成形された機構から広がる範囲を有してよい。いくつかの他の実施形態では、後方湾曲ピース460は、パターン形成機構が形成され得る更なる表面を設けてよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、環状インサート400は、多数の構成要素を含んでよい。非限定的な例示の意味では、インサート400は、電子デバイス430を含んでよい。いくつかの実施形態では、電子デバイス430は、はんだボール440、及び感知要素420等の接続機構によって電気的に接続されてよい。いくつかの実施形態では、電気トレースが、ピース470及び460、並びに通電要素によって画定されるキャビティ内に存在してよい。アイテム300の完全なデバイスと同様に、これらの多数の構成要素及びデバイスの存在は、様々な表面の少なくとも一部でパターン形成が行われない場合、
図2に示される外観と同様の外観を環状デバイスに与えてよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、マルチピース型インサート400は、マルチピース型インサート400に配置されたエネルギー源430を動力とする可変視覚要素412を含む光学ゾーン415を有してよい。マルチピース型インサート400はまた、光学ゾーン415に含まれる可変視覚要素412を制御する回路425を含んでよい。いくつかの実施形態では、可変視覚要素412は、構成要素と見なされてよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、エネルギー源430は、構成要素435と電気的に導通してよい。構成要素435には、状態変化で電気量に応答する任意のデバイスを含めることができ、例えば、半導体型のチップ、受動的電子デバイス、又はクリスタルレンズ等の光学デバイスが挙げられる。
【0069】
いくつかの特定の実施形態では、エネルギー源は例えば、電池、又は他の電気化学セル、コンデンサ、ウルトラコンデンサ、スーパーコンデンサ、又は他の貯蔵構成要素を含む。いくつかの具体的な実施形態は、光学ゾーン415の外側の眼用レンズ周辺部上のマルチピース型インサート400上に位置する電池を含んでよい。
【0070】
続いて
図5を参照すると、例示のパターン付き眼用レンズデバイス500の外観が示されている。眼用レンズデバイス500に示されるパターンの種類は、縁リングパターンと見なされてよい。いくつかの実施形態では、ヒドロゲル510は、インサート512の封入層を示してよい。いくつかの実施形態では、印刷パターンは、隙間のない縁リング520からもう一方の面530までインサート512を完全に被覆してよい。いくつかの実施形態では、眼用レンズデバイス500の内部領域540は、光学ゾーン内に活性光学デバイスを配置してよい。いくつかの他の実施形態では、インサート512が環状形状の場合、内部領域540は、ヒドロゲル材料のみで作製されてよい。
【0071】
再び
図5を参照すると、下の断面図では、パターンの特質及びその下にある材料を被覆する機能が示されている。ここでも、パターンは縁リングパターンを示しており、領域520から530まで印刷されている。パターンの下には、集積回路590、電気的相互接続部570が含まれるが、これらに限定されない多数の構成要素及び機構が配置されてよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、パターンは、インサートデバイスが眼用レンズへと組み立てられる前に、インサートデバイスの前方湾曲部の表面に配置されてよい。他の実施形態では、パターンは、眼用レンズデバイスの本体の上に配置されてよい。他の実施形態では、パターンは、射出プロセスによって、あるいは眼用レンズデバイスの本体を形成する多層プロセスによって、眼用レンズデバイスの表面の下に配置されてよい。
【0073】
パターンの特質は、多様な実施形態を示してよい。いくつかの実施形態では、パターンは、例えば、インサートデバイスの前方湾曲ピースの表面上等のインサートデバイスに含まれる1つ以上のアイテムに取り付けられてよい。他の実施形態では、パターンは、眼用レンズ自体の本体の上に配置されてよい。更に他の実施形態では、パターンは、射出プロセスによって、あるいは眼用レンズの本体を形成する多層プロセスによって、眼用レンズデバイスの表面の下に配置されてよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、パターン及びインサートにコーティングを
適用して、パターンを備えるインサートデバイスと、眼用レンズのヒドロゲル部分との間の着実な密着性を促進してよい。いくつかの実施形態では、このコーティングは、例えば、パラレンを含んでよい。
【0075】
続いて
図6を参照すると、パターン付き眼用レンズデバイス600の別の種類が示されている。いくつかの実施形態では、印刷されたパターンは、虹彩タイプのパターンを示してよい。いくつかの実施形態では、このパターンの色は、自然な着色タイプの色から他の色までの範囲にわたる様々な色を前提としてよい。このパターン付きレンズは、中央光学ゾーン640、又は内側リング630から外側リング620までのパターン付き領域等の同様に画定された領域を有してよい。いくつかの実施形態では、インサートは、ヒドロゲル等の眼用レンズ材料によって封入されてよい。いくつかの他の実施形態では、インサートを包囲し、眼用レンズデバイス600の外部形状を画定するスカート610が存在する。
【0076】
再び
図6を参照すると、断面図では、アイテム620と630との間のパターン付き領域が示されている。
図5で述べたように、このパターン付き領域は、下にある構成要素を被覆するか、遮ってよい。いくつかの実施形態では、このパターン付き領域は、集積回路690及び電気的相互接続部670等の機構を更に含んでよい。いくつかの他の実施形態では、多数の他の機構及び構成要素が眼用レンズデバイス600内のパターン付き領域の下に位置してよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、透明なパターン形成領域又はパターン形成無し領域625が、パターン設計内に配置される。非限定的な例として、集積回路690が示されている。例示の実施形態では、集積回路690は、ユーザーの瞬き時に発生し得る、集積回路の環境における周辺光の変化を検出可能にする機能要素を含んでよい。かかる瞬きを検出する理由は、例えば、瞬きを使用して眼用レンズの状態を変更させるという要望を制御する、又はこのような要望を示す信号を送る等多数存在し得る。かかる実施形態では、レンズ上の任意のパターンにとって、光がパターン付き領域を通過し、その下にある検出器690へと差し込めるようにする窓625を有することは望ましいであろう。窓625は、パターン形成材料の欠如によって、又は検出器が検出し得る特定の波長の光を透過する別の材料によって作製されてよい。いくつかの実施形態では、検出用領域を除く集積回路690上での光の存在は、眼用レンズデバイス600の性能に悪影響を及ぼし得る。したがって、レンズへのパターン形成の審美的目的に加えて、回路要素から光を除外して通電要素の寿命を延ばすこともまた適切である。
【0078】
いくつかの他の実施形態では、構成要素及び機構が視覚的に認識されないようにする、様々な種類のパターン形成が開示される。いくつかの実施形態では、無数の可能なパターン設計が、設計されてきた本発明の技術と一致する。非限定例としては、カムフラージュの原則に基づいた設計方法を使用して、下に位置する機構が見えないようにするのではなく、印刷パターンによってこれらを認識されにくくしてよい。インサートを備える眼用デバイスへのパターン形成時に使用できる多数のパターンが存在してよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、眼用レンズの種類は、シリコーン含有成分を含むレンズを含んでよい。「シリコーン含有成分」は、モノマー、マクロマー、又はプレポリマー中に少なくとも1個の[−Si−O−]単位を含有する成分である。好ましくは、合計Si及び結合Oは、シリコーン含有成分中に、当該シリコーン含有成分の総分子量の約20重量%より大きい、更に好ましくは30重量%より大きい量で存在する。有用なシリコーン含有成分は、好ましくは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド及びスチリル官能基等を含むが、これらに限定されない重合性官能基を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、インサートを包囲する眼用レンズのスカート、又はインサートは、標準的なヒドロゲルの眼用レンズ配合物から構成され得る。多数のインサート材料と許容可能な調和を呈する特性を備える例示の材料としては、ナラフィルコン系(ナラフィルコンA及びナラフィルコンBを含む)が挙げられてよい。あるいは、エタフィルコン系(エタフィルコンAを含む)が良好な例示の材料の選択肢を表してよい。いくつかの実施形態では、封止され、封入されたインサートの許容可能な包囲体又は部分的包囲体を形成し得る任意の材料が含まれてよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、好適なシリコーン含有成分は、式Iの化合物を含む。
【化1】
式中、
R
1は、独立して、一価反応性基、一価アルキル基、又は一価アリール基から選択され、前述のいずれかは、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロゲン、又はこれらの組み合わせから選択される官能基を更に含み得、1〜100のSi−O反復単位を含む一価シロキサン鎖は、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、ハロゲン、又はこれらの組み合わせから選択される官能基を更に含むこともあり、
式中、b=0〜500であり、bが0以外のときに、bは、表示値と同等のモードを有する分配であると理解され、
少なくとも1つのR
1は、一価反応性基を含み、一部の実施形態では、1〜3個のR
1が一価反応性基を含む。
【0082】
本明細書に使用されるとき、「一価反応性基」は、フリーラジカル及び/又はカチオン重合を受けることができる基である。フリーラジカル反応性基の非限定的な例としては、(メタ)アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、C
1〜6アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、C
1〜6アルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、C
2〜12アルケニル、C
2〜12アルケニルフェニル、C
2〜12アルケニルナフチル、C
2〜6アルケニルフェニルC
1〜6アルキル、O−ビニルカルバメート及びO−ビニルカーボネートが挙げられる。カチオン反応性基の非限定例としては、ビニルエーテル又はエポキシド基及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、フリーラジカル反応基には、(メタ)アクリレート、アクリルオキシ、(メタ)アクリルアミド、及びこれらの混合物が含まれる。
【0083】
いくつかの実施形態では、好適な一価アルキル基及びアリール基には、置換及び非置換のメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ヒドロキシプロピル、プロポキシプロピル、ポリエチレンオキシプロピル、これらの組み合わせ等の非置換の一価C
1〜C
16アルキル基、C
6〜C
14アリール基が挙げられる。
【0084】
いくつかの実施形態では、bはゼロであり、1個のR
1は、一価の反応性基であり、少なくとも3個のR
1は、1〜16個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択され、別の実施形態では、1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。本発明のシリコーン成分の制限されない例には、2−メチル−、2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル(「SiGMA」)、
2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルオキシプロピル−トリ(トリメチルシロキシ)シラン、
3−メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(「TRIS」)、
3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、及び
3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサンが含まれる。
【0085】
いくつかの実施形態では、bは、2〜20、3〜15、又はいくつかの実施形態では、3〜10であり、少なくとも1個の末端R
1は、一価反応性基を含み、残りのR
1は、1〜16個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択され、別の実施形態では、1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。更に他の一実施形態では、bが3〜15であり、1つの末端R
1が一価の反応性基を含み、その他の末端R
1が1〜6の炭素原子を有する一価のアルキル基を含み、残余のR
1が1〜3の炭素原子を有する一価のアルキル基を含む。本発明のシリコーン成分の制限されない例には、(モノ−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピル)−プロピルエーテル末端のポリジメチルシロキサン(400〜1000MW))(「OH−mPDMS」)、モノメタクリルオキシプロピル末端のモノ−n−ブチル末端のポリジメチルシロキサン(800〜1000MW)、(「mPDMS」)が含まれる。
【0086】
他の実施形態では、bは、5〜400、又は10〜300であり、両方の末端R
1は、一価反応基を含み、残りのR
1は、独立して、炭素原子間のエーテル結合を有することもあり、ハロゲンを更に含むこともある、1〜18個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。
【0087】
いくつかの実施形態では、シリコーンヒドロゲルレンズが望ましい場合、本発明のレンズは、ポリマーが作製される反応性モノマー成分の総重量に基づき、少なくとも約20重量%、好ましくは、約20〜70重量%のシリコーン含有成分を含む、反応性混合物から作製される。
【0088】
いくつかの他の実施形態では、1〜4個のR
1はビニルカーボネート又は以下の式のカルバメートを含む。
【化2】
式中、YはO−、S−又はNH−を意味し、
Rは、水素又はメチルを意味し、dは1、2、3又は4、そしてqは0又は1である。
【0089】
いくつかの実施形態では、シリコーン含有ビニルカーボネートモノマー又はビニルカルバメートモノマーには、具体的には、1,3−ビス[4−(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブタ−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン;3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシ)シラン];3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート;3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート;トリメチルシリルエチルビニルカーボネート;トリメチルシリルメチルビニルカーボネート、及び以下を含む。
【化3】
約200以下の弾性率を有するバイオ医療用デバイスが所望される場合、1個のR
1のみが一価の反応性基を含むものとし、残りのR
1基のうちの2個以下は、一価シロキサン基を含む。
【0090】
別のクラスのシリコーン含有成分としては、次の式のポリウレタンマクロマーが挙げられる。
式IV〜VI
(
*D
*A
*D
*G)
a*D
*D
*E
1;
E(
*D
*G
*D
*A)
a*D
*G
*D
*E
1又は
E(
*D
*A
*D
*G)
a*D
*A
*D
*E
1
この場合、Dは、炭素原子6〜30個を有するアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを示し、
Gは、炭素原子1〜40個を有するアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを示し、これは、主鎖中にエーテル、チオ又はアミン結合を含有できる。
*はウレタン又はウレイド結合を意味し、
aは、少なくとも1であり、
Aは次の式の二価重合ラジカルを意味する。
【化4】
R
11は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル又はフルオロ置換アルキル基を独立して示し、これは炭素原子間にエーテル結合を含んでよく、yは少なくとも1であり、pは400〜10,000の部分重量を提供し、E及びE
1はそれぞれ独立して次の式に示される重合性不飽和有機ラジカルを示す。
【化5】
式中、R
12は水素又はメチルであり、R
13は水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカル又はa−CO−Y−R
15ラジカルで、Yは−O−、Y−S−、又は−NH−であり、R
14は1〜12個の炭素原子を有する二価ラジカルであり、Xは−CO−又は−OCO−を意味し、Zは−O−又は−NH−を意味し、Arは6〜30個の炭素原子を有する芳香族ラジカルを意味し、wは0〜6であり、xは0又は1であり、yは0又は1であり、zは0又は1である。
【0091】
いくつかの実施形態では、1つの好ましいシリコーン含有成分は、以下の式で示されるポリウレタンマクロマーである。
【化6】
R
16は、イソホロンジイソシアネートのジラジカルなどのイソシアネート基除去後のジイソシアネートのジラジカルである。別の好適なシリコーン含有マクロマーは、フルオロエーテル、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン、イソホロンジイソシアネート及びイソシアネートエチルメタクリレートの反応によって形成される式X(式中、x+yは10〜30の範囲の数である)の化合物である。
【化7】
【0092】
他の実施形態では、本発明の使用に好適な他のシリコーン含有成分には、ポリシロキサン、ポリアルキレンエーテル、ジイソシアネート、ポリフッ素化炭化水素、ポリフッ素化エーテル、及び多糖類基を含有するマクロマー;末端のジフルオロで置換された炭素原子に結合する水素原子を有する、極性のフッ素化グラフト又は側基を有するポリシロキサン;エーテルを含有する親水性シロキサニルメタクリレート、並びにポリエーテル及びポリシロキサニル基を含有するシロキサニル結合及び架橋性モノマーが含まれる。また、前述のポリシロキサンのいずれも、シリコーン含有成分として本発明に使用することもできる。
【0093】
以下の方法ステップは、本発明のいくつかの態様により実施しても良いプロセスの例として与えられる。本方法のステップが示される順番は限定を意図するものではなく、他の順番を用いて本発明を実施しても良いことを理解されるべきである。加えて、本発明を実施するために全てのステップを必要とするわけではなく、また本発明の種々の実施形態には付加的なステップを含んでも良い。
【0094】
続いて
図7を参照すると、インサートを備える眼用レンズにパターン形成するための例示のデバイスが示されている。いくつかの実施形態では、レンズの表面にパターン形成する方法が開示されており、この方法としては、パッド印刷、インクジェット印刷、シルクスクリーン印刷、及びスクリーン印刷等の印刷方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に、リソグラフィー又はエッチングプロセス等の他の方法等が存在してよく、着色化学剤が
適用され、光学技術によって撮像されて、非撮像領域がエッチング除去された後で特徴をパターンに形成する。他の方法は、例えば、着色剤が、例えば、パターン形成される表面に着色剤が細針で注入され得る、流体注入法を含んでよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、装置700は、例示のパッドプリンターを示す。いくつかの実施形態では、装置700は、様々な着色剤用のリザーバ710、並びにリザーバに対して着色剤を出し入れするポンプ720を有する。いくつかの他の実施形態では、プリンター700の支持ヘッド730により、印刷プロセスの構成要素を支持し、位置を制御できる。いくつかの他の実施形態では、パターン付き表面に着色剤を
適用する
適用手段740が存在してよい。いくつかの他の実施形態では、パターン付き表面742により、着色剤をワークピースのパターン形成用に設計された位置(この場合は、眼用レンズ又はインサート部分)に収容できてよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、パッド印刷ヘッド750が存在し、1つ以上のパッドが処理用に制御されてよい。いくつかの実施形態では、
適用手段740は、パッドヘッド750に近接し、その下に位置するように移動されてよい。いくつかの他の実施形態では、パッドヘッド750が、パターン付き表面742に押し付けられると、パターン付き位置に着色剤を受け取る。次に、パターン付き表面742及び台770が、図示されるように別の位置に戻され、パッドヘッド750は、保持機構780に取り付けられたデバイスの表面に押し付けられてよい。パッドが眼用デバイス又はインサートの一部の表面に押し付けられると、着色剤をかかる表面に転写させることができ、したがって、眼用デバイス又はインサートの一部の表面にパターン形成する。
【0097】
続けて
図8を参照すると、例示のパッド印刷プロセス800の拡大図が示されている。いくつかの実施形態では、形成された眼用レンズデバイス810は、その内部にマルチピース型インサートを含んでよい。レンズは、実演を目的として分離して示されているが、いくつかの実施形態では、後方湾曲成形型表面又は他のかかる支持体に取り付けられてよい。いくつかの実施形態では、マルチピース型インサート820の一部はパターン付きであってよい。いくつかの他の実施形態では、パッド印刷パッド830が存在してよく、着色剤のパターンは、パッドの表面840に
適用されている。パッドが眼用レンズ810の表面又はマルチピース型インサート820の表面のいずれかに押し付けられると、表面にパターンを転写でき、したがってデバイスにパターン形成する。
【0098】
続けて
図9を参照すると、
図8を参照して説明した同一の例示のパッド印刷の拡大
図900が見出される。同様に、埋め込まれたインサート920を備える眼用レンズデバイス910が示されている。いくつかの実施形態では、眼用レンズ910及びインサート920は、支持台(図示なし)によって支持されてよい。いくつかの実施形態では、パッド930は、パッド930から眼用レンズデバイス910及びインサート920の表面にパターン940を転写させるために、これらのデバイスの後側に押し付けられてよい。
【0099】
続いて
図10を参照すると、マルチピース型インサートを備える眼用デバイスにパターン形成するためのフローチャートが示されている。工程1001において、第2のインサートピースに対して封止するために少なくとも表面部分を備える眼用インサートの前方湾曲ピースを形成する。次に、工程1002において、封止するために少なくとも表面部分を同様に備える眼用インサートの後方湾曲ピースを形成してよい。いくつかの実施形態では、これらの2工程の実際の順序は、逆であっても、同時に生じてもよい。更に、いくつかの実施形態では、インサートの第1のインサートの前方湾曲ピース及び第1のインサートの後方湾曲ピースの一方又は両方の上に導電性材料が配置されてよい。いくつかの実施形態では、電子構成要素が、第1のインサートの前方湾曲ピース及び第1のインサートの後方湾曲ピースのうちの一方又は両方に取り付けられてよく、取り付けは、少なくとも一部分において導電性材料に対して行われる。
図10に示される方法の変更例では、導電性材料を堆積させ、その上の少なくとも一部分に電子構成要素を取り付ける工程は、本発明技術の範囲内であると見なされてよい。
【0100】
次に、工程1003において、前方湾曲ピース及び後方湾曲ピースの一方又は両方に接着材料を
適用するための方法が示される。工程1004において、前方湾曲ピース及び後方湾曲ピースの一方又は両方の表面に着色剤材料を
適用してよい。いくつかの実施形態では、例えば、パッド印刷等を含む、着色剤を
適用する様々な技法が使用できる。いくつかの実施形態では、
適用された着色剤は硬化できる。
【0101】
引き続き工程1005においては、形成されたキャビティ内の第1の成形型部分に反応性混合物を
適用して、眼用レンズを成形してよい。反応性混合物の量は少量であってよく、引き続き工程1005において混合物内にインサートを配置できる。
【0102】
工程1006において、インサートは、第1の成形型部分に近接して第2の成形型部分を位置付ける前に、反応性混合物に接触させて位置付けてよい。工程1007において、キャビティを形成して眼用レンズを成形する。次に、工程1008において、反応性混合物を重合して、重合反応性混合物から形成される複合眼用レンズを形成でき、重合は、配置したインサートの周囲で生じる。いくつかの実施形態では、工程1009において、成形型から重合した材料を取り外す様々な方法を使用して、パターン付き眼用レンズ製品を取り外しできる。
【0103】
続いて
図11を参照すると、マルチピース型インサートを備える眼用レンズデバイスにパターン形成するための別の例示のフローチャートが示されており、パターン形成は、眼用デバイスの形成後に生じる。工程1101において、第2のインサートピースに対して封止するために少なくとも表面部分を備える眼用インサートの前方湾曲ピースを形成する。次に、工程1102において、封止するために少なくとも表面部分を同様に備える眼用インサートの後方湾曲ピースを形成してよい。これらの2工程の実際の順序は、逆であっても、同時に生じてもよい。
【0104】
次に、工程1103は、前方湾曲ピース及び後方湾曲ピースの一方又は両方に接着材料を
適用するための方法工程を明示する。引き続き工程1104においては、キャビティの形成予定位置にある第1の成形型部分に反応性混合物を
適用して、眼用レンズを成形できる。いくつかの実施形態では、工程1104において、反応性混合物の量は少量であってよく、混合物内にインサートを配置できる。
【0105】
いくつかの実施形態では、工程1105において、インサートは、第1の成形型部分に近接して第2の成形型部分を位置付ける前に、反応性混合物に接触させて位置付けてよい。工程1106において、キャビティを形成して眼用レンズを成形する。次に、工程1107において、反応性混合物を重合して、重合した反応性混合物から形成される複合眼用レンズを形成でき、重合は配置したインサートの周囲で生じる。いくつかの実施形態では、工程1108において、成形型から重合した材料を取り外す様々な方法を使用して、第1の成形型部分又は第2の成形型部分のいずれかから眼用レンズ製品の片面を取り外してよい。
【0106】
工程1109において、眼用レンズの前方湾曲面又は後方湾曲面のいずれかの表面に着色剤材料を
適用してよい。例えば、パッド印刷等、前述の様々な着色剤
適用方法が使用されてよい。いくつかの実施形態では、
適用された着色剤は硬化されてよい。更に、いくつかの実施形態では、
適用された着色剤は、レンズの外側表面の下にパターンを埋め込むために、位置が固定され得るように、反応性混合物の薄いコンフォーマルコーティングでコーティングされてよい。いくつかの他の実施形態では、パターン形成プロセスは、表面を透過するのに十分なエネルギーを着色剤に付与するか、又は、例えば針を使用して表面から着色剤を注入するかのいずれかによって表面層の下に着色剤を注入してよい。着色剤を
適用し、所望により硬化して埋め込んだ後で、残りの成形型支持部から眼用レンズを取り外してよい。
【0107】
続いて
図12を参照すると、マルチピース型インサートを備える眼用デバイスにパターン形成するための別の例示のフローチャートが示されており、パターン形成は眼用デバイスの形成後に生じる。工程1201において、第2のインサートピース対して封止するために少なくとも表面部分を備える眼用インサートの前方湾曲ピースを形成する。次に、工程1202において、封止するために少なくとも表面部分を同様に備える眼用インサートの後方湾曲ピースを形成してよい。これらの2工程の実際の順序は、逆であっても、同時に生じてもよい。
【0108】
次に、工程1203は、前方湾曲ピース及び後方湾曲ピースの一方又は両方に接着材料を
適用するための方法工程を明示する。引き続き工程1204においては、キャビティの形成予定位置にある第1の成形型部分に反応性混合物を
適用して、眼用レンズを成形できる。いくつかの実施形態では、工程1204において、反応性混合物の量は少量であってよく、混合物内にインサートを配置できる。
【0109】
工程1205において、インサートは、第1の成形型部分に近接して第2の成形型部分を位置付ける前に、反応性混合物に接触させて位置付けてよい。工程1206において、キャビティを形成して眼用レンズを成形する。次に、工程1207において、反応性混合物を重合して、重合した反応性混合物から形成される複合眼用レンズを形成でき、重合は配置したインサートの周囲で生じる。いくつかの実施形態では、工程1208において、成形型から重合材料を取り外す様々な方法を使用して、第1の成形型部分又は第2の成形型部分から眼用レンズ製品の両面を取り外してよい。いくつかの実施形態では、更に加工するために、次に取り外した眼用レンズを支持基材に配置してよい。
【0110】
工程1209において、眼用レンズの前方湾曲面及び後方湾曲面の一方又は両方の表面に着色剤材料を
適用してよい。いくつかの実施形態では、例えば、パッド印刷等の着色剤を
適用する様々な方法が使用されてよい。いくつかの実施形態では、
適用された着色剤は硬化される。更に、いくつかの実施形態では、
適用された着色剤は、レンズの外側表面の下にパターンを埋め込むために位置が固定され得るように、反応性混合物の薄いコーティング、場合によってはコンフォーマルコーティングでコーティングされてよい。他の実施形態では、パターン形成プロセスは、表面を透過するのに十分なエネルギーを着色剤に付与するか、又は、例えば針を使用して表面から着色剤を注入するかのいずれかによって表面層の下に着色剤を注入してよい。いくつかの実施形態では、着色剤を
適用し、所望により硬化して埋め込んだ後で、支持基材から眼用レンズを取り外してよい。
【0111】
ここで
図12を参照すると、本発明を実施するために用いることができる例示的なステップがフローチャートに示されている。工程1201において、前方湾曲ピースを形成する。工程1202において、後方湾曲ピースの形成に対するこの形成の順序が示される。例えば、後方湾曲ピースの形成は、前方湾曲ピースの形成に先んじてよいか、これらの形成は同時であってよい。工程1203において、インサートの前方湾曲ピース又はインサートの後方湾曲ピースの一方又は両方に導電性材料を
適用してよい。
【0112】
工程1204において、前方湾曲ピース及び後方湾曲ピースの一方又は両方に接着材料又は封止材料を
適用してよい。いくつかの実施形態では、この材料の適用は、予備成形されたピースをインサートピースの一方又は両方の上に配置することを伴う場合がある。いくつかの更なる実施形態では、2つ以上の前方湾曲ピース、又は2つ以上の後方湾曲ピース、又は両方のピースの2つ以上が存在し得る。いくつかの実施形態では、工程1204は、眼用インサートの全ての適用可能なピースを結合してインサートを形成するまで繰り返してよい。
【0113】
工程1205において、第1の成形型部分と、第2の成形型部分との間、又は後続のプロセス工程で2つの部分の間となる、第1の成形型部分及び第2の成形型部分のいずれかの表面に反応性モノマー混合物を堆積させてよい。
【0114】
工程1206において、第1の成形型部分及び第2の成形型部分によって形成されるキャビティ内に、又は後に第1の成形型部分及び第2の成形型部分によって形成されるキャビティ内となる表面の上に、結合されるインサートを配置する。いくつかの好ましい実施形態では、
図1の結合されるインサート104は、機械的配置を介して
図1の成形型部分101〜102内に配置される。いくつかの実施形態では、機械的配置には、例えば、表面実装構成要素を配置する業界で既知のもののような、ロボット又はその他の自動装置が挙げられる。いくつかの他の実施形態では、インサート104の人による装着はまた、本発明の範囲内である。したがって、成形型部分に包含される反応性混合物の重合によって、得られる眼用レンズ内にインサートが含まれるように、注型成形型部分内にインサート104を配置するには、任意の機械的な装着が有効である。
【0115】
いくつかの実施形態では、プロセッサデバイス、MEMS、NEMS、又は他の構成要素はまた、インサート内又はインサート上に取り付けられ、エネルギー源と電気的に導通できる。
【0116】
工程1207において、第1の成形型部分を第2の成形型部分に近接させて配置し、キャビティ内に反応性モノマー混合物の少なくとも一部及びエネルギー源を備える、レンズ形成用キャビティを形成できる。工程1208において、キャビティ内の反応性モノマー混合物を重合させることができる。いくつかの実施形態では、重合は、例えば、化学線及び熱の一方又は両方に曝露させることによって達成することができる。工程1209において、成形型部分からレンズを取り外す。
【0117】
本発明を使用して、任意の既知のレンズ材料、又はかかるレンズの製造に好適な材料から製造されるハード又はソフトコンタクトレンズを提供し得るが、好ましくは、本発明のレンズは、約0〜約90パーセントの含水量を有する、ソフトコンタクトレンズである。更に好ましくは、レンズは、モノマー含有ヒドロキシ基、カルボキシル基、又はこれらの両方から製造される、若しくは、シロキサン、ヒドロゲル、シリコーンヒドロゲル、及びこれらの組み合わせ等のシリコーン含有ポリマーから製造される。本発明のレンズを形成するのに有用な材料は、重合開始剤等の添加剤に加えて、マクロマー、モノマー、及びこれらの組み合わせの混合物を反応させることによって、製造し得る。好適な材料としては、シリコーンマクロマー及び親水性モノマーから製造されるシリコーンヒドロゲルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0118】
続いて
図13を参照すると、マルチピース型インサートを備える眼用デバイスにパターン形成するためのフローチャートが示されている。工程1301において、第2のインサートピースに対して封止するために少なくとも表面部分を備える眼用インサートの前方湾曲ピースを形成する。次に、工程1302において、封止するために少なくとも表面部分を同様に備える眼用インサートの後方湾曲ピースを形成してよい。これらの2工程の実際の順序は、逆であっても、同時に生じてもよい。
【0119】
工程1303において、前方湾曲ピース及び後方湾曲ピースの一方又は両方の表面に着色剤材料を
適用してよい。いくつかの実施形態では、例えば、パッド印刷等の着色剤を
適用する様々な方法が使用できる。いくつかの実施形態では、
適用された着色剤は硬化される。次に、工程1304において、前方湾曲ピース及び後方湾曲ピースの一方又は両方に接着材料を
適用するための方法が開示される。
【0120】
引き続き工程1305においては、キャビティの形成予定位置にある第1の成形型部分に反応性混合物を
適用して、眼用レンズを成形してよい。いくつかの実施形態では、工程1305において、反応性混合物の量は少量であってよく、混合物内にインサートを配置できる。
【0121】
工程1306において、インサートは、第1の成形型部分に近接して第2の成形型部分を位置付ける前に、反応性混合物に接触させて位置付けてよい。いくつかの実施形態では、工程1307において、キャビティを形成する。次に、工程1308において、反応性混合物を重合して、重合反応性混合物から形成される複合眼用レンズを形成でき、重合は配置したインサートの周囲で生じる。工程1309において、成形型から重合材料を取り外す様々な方法を使用して、パターン付き眼用レンズ製品を取り外しできる。
【0122】
ここで
図14を参照すると、1つ以上のインサート1414及び移送インターフェース1411を備える自動装置1410が図示されている。例示されるように、それぞれがインサート1414と結合している多数の成形型部分がパレット1412上に収容され、インサート移送インターフェース1411に置かれていてよい。いくつかの実施形態では、単一のインターフェース1415が、マルチピース型インサート1414の上に個別に配置されてよい。あるいは、いくつかの実施形態では、多数のインターフェース(図示なし)が、多数の成形型部分内又は各成形型内のマルチピース型インサート1414の上に同時に配置されてよい。
【0123】
いくつかの他の実施形態では、装置1400はマルチピース型インサート1414を含んでよいが、眼用レンズの本体はこれらの構成要素の周囲で成形される。保持点は、レンズ本体を形成するものと同種の重合材料によって固定してよい。
【0124】
図15を参照すると、本発明のいくつかの実施形態で使用されてよいコントローラ1500が図示されている。コントローラ1500は、通信デバイス1520に結合した1つ以上のプロセッサ構成要素を含み得る、1つ以上のプロセッサ1510を含む。いくつかの実施形態において、コントローラ1500を用いて、眼用レンズ内に配置されたエネルギー源にエネルギーを伝送することができる。いくつかの実施形態では、前述の構成要素の全ては、マルチピース型インサート内に配置されてもよく、ここでマルチピースは封止されて、インサートの内側領域及び外側領域を画定する。
【0125】
いくつかの実施形態では、プロセッサ1510は、通信チャネルを介してエネルギーを伝達するように構成された通信デバイスに連結される。いくつかの実施形態では、通信デバイスは、眼用レンズ成形型部分内にインサートを配置するために使用される自動装置、インサート媒体上若しくはインサート媒体内に取り付けられた構成要素に、又はこの構成要素からのデジタルデータの伝送の1つ以上を電気的に制御するため、あるいは眼用レンズ内に組み込まれた構成要素を制御するために使用できる。
【0126】
いくつかの実施形態では、通信デバイス1520を使用して、例えば、1つ以上のコントローラ装置又は製造機器構成要素と通信できる。
【0127】
プロセッサ1510は、記憶デバイス1530とも通信する。記憶デバイス1530は、磁気記憶デバイス(例えば、磁気テープ及びハードディスクドライブ)、光記憶装置、並びに/又はランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス及びリードオンリーメモリ(ROM)デバイス等の半導体記憶デバイスを含む、任意の適切な情報記憶デバイスを備え得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、記憶デバイス1530は、プロセッサ1510を制御するためのプログラム1540を格納できる。プロセッサ1510は、ソフトウェアプログラム1540の指示を実行し、それによって、本発明に従って動作する。例えば、プロセッサ1510は、インサートの配置、構成要素の配置等を記述する情報を受信してよい。記憶デバイス1530はまた、1つ以上のデータベース1550、及び1560内の眼科関連データを記憶することもできる。データベースは、カスタマイズされたインサートの設計、計測学上のデータ、及びインサートに出入りするエネルギーを制御するための特定な制御シーケンスを含み得る。
【0129】
結論
本発明は、上述し、以下の請求項で更に定義するように、マルチピース型インサート及び/又は埋め込まれたインサートを備えて形成された眼用レンズにパターン形成するための方法を提供する。本発明はまた、かかる方法を実施するための装置、並びにパターン形成されたマルチピース型インサートを備えて形成された眼用レンズを含む。
【0130】
〔実施の態様〕
(1) 眼用レンズ用のパターン付きマルチピース型インサートを形成する方法であって、
第1のインサートの後方湾曲ピースを形成する工程と、
第1のインサートの前方湾曲ピースを形成する工程と、
前記第1のインサートの前方カバーピース及び前記第1のインサートの後方湾曲ピースの一方又は両方の上に導電性材料を堆積させる工程と、
前記第1のインサートの前方湾曲ピース及び前記第1のインサートの後方湾曲ピースの一方又は両方に、電子構成要素を取り付ける工程であって、前記取り付けが前記導電性材料に対して行われる、工程と、
第1の材料を配置して、前記第1のインサートの前方カバーピース及び前記第1のインサートの後方湾曲ピースの一方又は両方の表面に第1の封止部を形成する工程と、
前記第1のインサートの後方湾曲ピースと前記第1のインサートの前方湾曲ピースとを結合させて、第1の眼用インサートを形成する工程と、
前記第1のインサートの後方湾曲ピース及び前記第1のインサートの前方湾曲ピースの一方又は両方の少なくとも1つの表面に着色剤を
適用する工程と、を含む、方法。
(2) 少なくとも第2のインサートの後方湾曲ピースを形成する工程と、
第2の材料を配置して第2の封止部を形成する工程であって、前記第2の封止部が前記第1のインサートの前方カバーピース及び第2のインサートの後方湾曲ピースの一方又は両方の上にある、工程と、
前記第1の眼用インサートと前記第2のインサートの後方湾曲ピースとを結合させて第2の眼用インサートを形成する工程であって、前記第2の眼用インサートが前記第1の眼用インサートの代わりとなる、工程と、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記着色剤が、前記第1のインサートの後方湾曲ピースと前記第1のインサートの前方湾曲ピースとを結合させて第1の眼用インサートを形成した後で、前記第1のインサートの後方湾曲ピース及び前記第1のインサートの前方湾曲ピースの一方又は両方の少なくとも1つの表面に
適用される、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記着色剤を硬化させる工程を更に含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記着色剤が、前記第1のインサートの後方湾曲ピースと前記第1のインサートの前方湾曲ピースとを結合させて第1の眼用インサートを形成する前に、前記第1のインサートの後方湾曲ピース及び前記第1のインサートの前方湾曲ピースの一方又は両方の少なくとも1つの表面に
適用される、実施態様1に記載の方法。
【0131】
(6) 前記着色剤を硬化させる工程を更に含む、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記着色剤を
適用する工程が、パッド印刷プロセスを使用して実施される、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記着色剤を
適用する工程が、インクジェット印刷プロセスを使用して実施される、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記着色剤を
適用する工程が、スクリーン印刷プロセスを使用して実施される、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記着色剤を
適用する工程が、リソグラフィー撮像プロセスを使用して実施される、実施態様1に記載の方法。
【0132】
(11) 少なくとも第1のインサートの後方湾曲ピースを形成する工程と、
少なくとも第1のインサートの前方湾曲ピースを形成する工程と、
前記第1のインサートの前方湾曲ピース及び前記第1のインサートの後方湾曲ピースのうちの一方又は両方の上に導電性材料を堆積する工程と、
前記第1のインサートの前方湾曲ピース及び前記第1のインサートの後方湾曲ピースのうちの一方又は両方に電子構成要素を取り付ける工程であって、前記取り付けが前記導電性材料に対して行われる、工程と、
第1の材料を配置して、前記第1のインサートの前方湾曲ピース及び前記第1のインサートの後方湾曲ピースの一方又は両方の表面に第1の封止部を形成する工程と、
前記第1のインサートの後方湾曲ピースと前記第1のインサートの前方湾曲ピースとを結合させて、第1の眼用インサートを形成する工程と、
第1の成形型部分上にある表面に反応性混合物を堆積させる工程と、
前記第1の眼用インサートを前記反応性混合物に接触させて位置付ける工程と、
第2の成形型部分を前記第1の成形型部分に近接して位置付けてレンズキャビティを形成する工程であって、前記反応性混合物及び前記第1の眼用インサートが前記キャビティ内に配置される、工程と、
前記反応性混合物を重合して眼用レンズを形成する工程と、
前記成形型部分から前記眼用レンズを取り外す工程と、
前記眼用レンズの少なくとも1つの表面に着色剤を
適用する工程と、を含む、パターン付き眼用レンズを形成する方法。
(12) 少なくとも第2のインサートの後方湾曲ピースを形成する工程と、
第2の材料を配置して、前記第1のインサートの前方湾曲ピース及び前記第2のインサートの後方湾曲ピースの一方又は両方の上に第2の封止部を形成する工程と、
前記第1の眼用インサートと前記第2のインサートの後方湾曲ピースとを結合させて第2の眼用インサートを形成する工程であって、その後、後続の工程において前記第2の眼用インサートが前記第1の眼用インサートの代わりとなる、工程と、を更に含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記眼用レンズが両方の成形型部分から取り外された後で、前記着色剤が前記眼用レンズの少なくとも1つの表面に
適用される、実施態様11に記載の方法。
(14) 前記着色剤を硬化させる工程を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記眼用レンズが両方の成形型部分から取り外される前に、前記着色剤が前記眼用レンズの少なくとも1つの表面に
適用される、実施態様11に記載の方法。
【0133】
(16) 前記着色剤を
適用した表面に反応性混合物の薄層を
適用する工程を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記着色剤を
適用する工程が、パッド印刷プロセスを使用して実施される、実施態様11に記載の方法。
(18) 前記着色剤を
適用する工程が、インクジェット印刷プロセスを使用して実施される、実施態様11に記載の方法。
(19) 着色剤を含むパターンを
適用する工程が、スクリーン印刷プロセスを使用して実施される、実施態様11に記載の方法。
(20) 前記第1の眼用インサートピースが液体メニスカスレンズを含む、実施態様19に記載の方法。
【0134】
(21) 前記第1の眼用インサート及びパターンの上にコーティングを施す工程を更に含み、前記コーティングは、前記コーティングが無いインサート及びパターンよりも安定した接着性を有する、実施態様11に記載の方法。
(22) 前記コーティングがパラレン(paralene)を含む、実施態様21に記載の方法。