特許第6282679号(P6282679)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6282679インサート成形されたレンズユニット駆動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282679
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】インサート成形されたレンズユニット駆動装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20060101AFI20180208BHJP
   G02B 7/04 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   G02B7/02 E
   G02B7/04 E
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-27890(P2016-27890)
(22)【出願日】2016年2月17日
(65)【公開番号】特開2017-54097(P2017-54097A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2016年2月17日
(31)【優先権主張番号】104129909
(32)【優先日】2015年9月10日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505179007
【氏名又は名称】台灣東電化股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】王 弘臨
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲チェン▼圻
(72)【発明者】
【氏名】劉 守宸
(72)【発明者】
【氏名】林 坤仕
【審査官】 井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−153690(JP,A)
【文献】 特開2015−099322(JP,A)
【文献】 特開2009−229770(JP,A)
【文献】 特開2010−286531(JP,A)
【文献】 特開2011−085682(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3187257(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 − 7/16
H04N 5/222− 5/257
H02K 33/00 −33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズホルダと駆動コイルとを備え、前記レンズホルダが少なくとも1つのレンズを把持し、前記駆動コイルが前記レンズホルダの外周に設けられ、且つ前記駆動コイルが両端を有するレンズユニット駆動装置であって、該レンズホルダは、
前記レンズホルダから外方へ突出する複数の巻線柱と、
前記レンズホルダに嵌め込んで結合され、また対応する前記巻線柱まで各々延伸し、且つ互いに接触しない複数のインサート部材と、を含み、
前記巻線柱には、前記駆動コイルと前記インサート部材が電気的に接続するように、前記駆動コイルの両端が巻き付けられ、
前記各インサート部材は第1接続端と第2接続端とを備え、前記第1接続端が対応する前記巻線柱まで延伸し、前記第2接続端が前記レンズホルダの下表面まで延伸し、前記第1接続端と前記第2接続端が電気的に接続し、前記第2接続端が下板ばねに電気的に接続し、
前記各インサート部材の前記第2接続端は、前記レンズホルダの下表面に沿って延伸することを特徴とするレンズユニット駆動装置。
【請求項2】
前記レンズホルダは上表面と下表面とを有し、前記巻線柱は前記レンズホルダの上表面と下表面との間に設けられることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット駆動装置。
【請求項3】
前記インサート部材の前記第2接続端は、前記レンズホルダの下表面に沿うインサート片であることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット駆動装置。
【請求項4】
前記インサート片には、前記下板ばねに揃って接続するための位置決め部を設けることを特徴とする請求項に記載のレンズユニット駆動装置。
【請求項5】
前記インサート片は各々、前記各巻線柱の一表面まで延伸することで、前記インサート片と、前記各巻線柱上に巻き付けられる前記駆動コイルの両端とが電気的に接続することを特徴とする請求項に記載のレンズユニット駆動装置。
【請求項6】
前記各インサート部材の一部は、前記レンズホルダの外周と下表面との間に延伸することを特徴とする請求項2に記載のレンズユニット駆動装置。
【請求項7】
台座を更に含み、前記台座は複数の電気接点を備え、それらの電気接点は前記下板ばねと電気的に接続かつ機械的に接続されるように前記台座の一表面に嵌め込んで結合されることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット駆動装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズユニット駆動装置に関し、特に、インサート成形構造を有するレンズユニット駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁アクチュエータ(Actuator)は、レンズユニットの駆動における応用としてよく見られる。図1を参照すると、結像方向に沿って、一般的にこの電磁アクチュエータを有するレンズユニット駆動装置は、順次に筐体10とレンズホルダ11とコイル12と複数の磁石13と上板ばね14と下板ばね15と台座16とを含み(ただし、前記の組み合わせに限らない)、大まかにZ軸(光軸)方向に沿って組み立てられる。組み立てられた後、筐体10が台座16上を覆うことで、筐体10と台座16との間に収容空間を定義させ、この収容空間は他の部材11〜15を収容するために用いる。レンズホルダ11は、レンズ(図示略)を把持するために用いられる。コイル12がレンズホルダ11の一部となるように、コイル12がレンズホルダ11の外周に嵌設される。上/下板ばね14、15は前記収容空間内に設けられると共にレンズホルダ11を挟持し、下板ばね15がまたコイル12の両端リード線と電気的に接続する。前記磁石13は、コイル12の周囲を取り囲むがコイル12と接触しない。組み立てられた後のレンズユニットは、一旦コイル12が通電すると、電磁誘導によれば、前記レンズホルダ11が大まかにZ軸方向に沿って変位できる。
【0003】
上記若干の部材間の接続は、一般的に、ほとんど接着剤による固定が行われている。このような固定接続手段は、高負荷の操作環境において、部材間の接続が破断されてレンズユニット駆動装置が制御できなくなる可能性がある。例えば、下板ばね15の一部がレンズホルダ11に固着され、下板ばね15の他部分が台座16に固着されている。下板ばね15は、ここで主に導電の役割を担い、台座16からの制御信号をレンズホルダ11のコイル12に伝達する。一旦上記接続に破断が生じた場合、下板ばね15とレンズホルダ11或いは台座16が確実に接触せず、開回路となる可能性がある。
【0004】
よって、レンズユニット駆動装置内の各部材の機械的性質及び信頼性を高めることが、急務の課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、はんだ付けが可能な構造を有するインサート成形されたレンズユニット駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明はレンズホルダと駆動コイルとを含むレンズユニット駆動装置を提供する。該レンズホルダは、複数の巻線柱を含む。それらの巻線柱は、該レンズホルダから外部に向かって突出し、且つそれらの巻線柱は各々インサート部材を含み、それらのインサート部材が互いに接触せず、また各インサート部材の一部が該レンズホルダに嵌め込まれる。該駆動コイルは、該レンズホルダの外周に設けられ、該駆動コイルは両端を有し、且つ該駆動コイルの両端が各巻線柱上に各々巻き付け、また、該駆動コイルの両端が、前記各巻線柱に対応するインサート部材に各々電気的に接続する。
【0007】
前記インサート部材は該レンズホルダの下表面に設けられるインサート片であってもよい。
前記レンズユニット駆動装置は、台座を更に含んでもよい。また、該台座には、該台座の上表面から該台座の下表面に延伸する金属インサート部材を設けてもよい。
【0008】
本発明で提供するインサート部材構造を介して、レンズユニット駆動装置内の各部材(例えばレンズホルダ)の接続インターフェースにはんだ付け可能な接触点或いは接触面を設け、接続部材(例えば板ばね)をこれらの部分にはんだ付けることで、接着剤による固着方式に取って代わることができる。
【0009】
本発明の前記各方面及び他の方面は、下記に限定されない具体的実施例を添付図面に基づいて詳細に説明すると、更に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来のレンズユニット駆動装置を示す分解図である。
図2】本発明の実施例1に係るレンズホルダ(上から見る)を示す分解図である。
図3】本発明の実施例1に係るレンズホルダ(下から見る)を示す分解図である。
図4A】本発明の実施例1に係るレンズホルダ(下から見る)を示す組立図である。
図4B図4Aに基づいた部分拡大図である。
図5】本発明の実施例1に係るレンズホルダ(下から見る)と下板ばねの関係を示す部分分解図である。
図6】本発明の実施例2に係るレンズホルダ(上から見る)を示す分解図である。
図7】本発明の実施例2に係るレンズホルダ(下から見る)を示す分解図である。
図8A】本発明の実施例2に係るレンズホルダ(下から見る)を示す部分拡大図である。
図8B】本発明の実施例2に係るレンズホルダの他の態様(下から見る)を示す部分拡大図である。
図8C図8Bのインサート構造を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の技術的特徴、内容と利点及び達成可能な効果を審査官に更に理解してもらうために、以下に本発明の実施例を挙げて図面に基づいて詳細に説明する。使用する図面の趣旨は、見取り及び明細書の補助のために用いられるが、必ずしも本発明実施後の真の比率と正確な配置ではないため、添付図面の比率と配置関係を解釈して本発明の実際の実施上における権利範囲を制限すべきでない。この点につき、予め説明しておく。
【0012】
全体的な明細書及び特許請求の範囲において、内容で明確に声明しない限り、次の用語はここで明確にした関連意義を用いる。例えば、ここで使用する叙述語である「一実施例において」は、同じ具体的実施例を指すことができるが、ここで必ずしも同じ具体的実施例を指していない。このほかに、ここで使用する叙述語である「別の実施例において」或いは「その他の実施例において」は、異なる具体的実施例を指すことができるが、ここで必ずしも異なる具体的実施例を指していない。よって、以下に述べるように、本発明の各種異なる具体的実施例を組み合わせることができ、本発明の範囲又は精神から逸脱するものではない。
【0013】
これ以外に、内容で明確に声明しない限り、ここで使用する叙述語である「或いは」は、「或いは」を包括し、且つ「及び/或いは」に相当する。内容で明確に声明しない限り、叙述語である「に基づき」は排他性がなく、且つ未記述の他の要因に基づくことを容認する。また、明細書において「一」、「該」及び「前記」の意義は、複数意義の参照を含むことができる。「の中」の意義には「の中」及び「の上」を含むことができる。
【0014】
当業者に本発明の精神を理解してもらうため、以下の実施例は主にレンズユニット駆動装置のレンズホルダ及びその周辺部材を例示とする。本発明の範囲から逸脱しない限り、その他の実施例において本発明の技術的思想がレンズユニット駆動装置内の類似構造にも応用できる。
【実施例1】
【0015】
図2乃至図5は、本発明のインサート成形されたレンズユニット駆動装置の実施例1である。前記駆動装置は、レンズホルダ21とコイル22と下板ばね25とを含む。各構成要素の詳細な特徴を後記段落で記述する。
【0016】
図2及び図3を参照すると、前記レンズホルダ21は、図1のレンズホルダ11と類似し、1個又は複数のレンズ(図示略)を把持するために用いられる。Z軸は、部材の組立方向を示し、光軸と略平行になる。該レンズホルダ21は、略リング状を呈する。レンズホルダ21は、その外周に特定の構造を形成しており、該レンズホルダ21の外周が略矩形を呈する。前記コイル22は、該レンズホルダ21の外周に固定される。図に示すように、レンズホルダ21の外表面は突出した(Z軸と直交する方向に延伸した)複数のリミット部材211を備えることができ、リミット部材211はコイル22をそれらの間で挟む。レンズホルダ21は、上表面212と下表面213を有し、Z軸と略直交する。該コイル22の位置は、それらのリミット部材211の制限を通じて該上表面212と該下表面213の間に介在できる。前記上表面212は、例えば図1の上板ばね14のような他の部材と接続し、前記下表面213が図4の下板ばね25と接続している。レンズホルダ21と下板ばね25の接続は、後記段落において記述する。
【0017】
図2に示すように、レンズホルダ21は複数の嵌装溝214を更に含み、嵌装溝214はレンズホルダ21の外周から内方へ延伸する。嵌装溝214は、対応する形状のインサート物を収容するための特定の形状を有することができる。図3に示すように、レンズホルダ21の下表面213の、それらの嵌装溝214に対応する位置に複数の穴部215及び該穴部215から延伸する隙間216が設けられている。各嵌装溝214は、対応する穴部215と隙間216と連通する。言い換えると、レンズホルダ21には、レンズホルダ21の外周からレンズホルダ21の下表面213に通じる複数本の通路が設けられている。
【0018】
嵌装溝214の設置は、複数のインサート部材23を該レンズホルダ21に嵌め込むために用いられる。前記インサート部材23は、該嵌装溝214の寸法及び/或いは形状に適合するようにつくられる。該インサート部材23は、第1接続端231と第2接続端232とを更に備え、且つ第1接続端231と第2接続端232とが電気的に接続する。第2接続端232は、該インサート部材23からZ軸に沿って延伸する接続ピンである。インサート部材23は、嵌装溝214中に嵌め込まれると、第2接続端232が隙間216に沿って穴部215内に入る。図4A及び図4Bに示すように、該インサート部材23が嵌装溝214内に嵌め込まれ、第2接続端232が穴部215の位置に入ると共に下表面213から突出し、第1接続端231がレンズホルダ21の外周から突出する。別の実施例において、第2接続端232の末端が下表面213に揃うか、又は該下表面213を超えない。好ましくは、インサート部材23は、噛合構造233を有するものとしてつくられる。両者の連結のため、該噛合構造233を介して該インサート部材23が該嵌装溝214に嵌め込むことで該嵌装溝214内に予め設けられている対応構造(図示略)と互いに噛み合うことができる。インサート部材23は、全体を金属素材、或いは一部を金属とすることができる。第1接続端231と第2接続端232は金属で構成されることが好ましい。
【0019】
図3に示すように、インサート部材23の組み立ては、予め該インサート部材23を位置決め部材24と同時に形成できる。位置決め部材24は、金属素材とすることができる。該位置決め部材24は、自動制御システムの操作を受けることができ、該位置決め部材24が該インサート部材23の第1接続端231を把持し、また該インサート部材23を嵌装溝214内に合わせて挿入する。若しくは、前記インサート部材23は、インサート成形(insert molding)の方式でレンズホルダ21上に一体成形できる。
【0020】
図4Aに示すように、インサート部材23が嵌装溝214内に位置決めされると、位置決め部材24を各インサート部材23から除去する。レンズホルダ21の外周から突出する第1接続端231を巻線柱とし、第1接続端231の十分な面積はコイル22の両端と接続するために用いられる。図4Bに示すように、コイル22の各端は、第1接続端231に巻き付けられ、又ははんだ付け(soldering)方式で接続される。各インサート部材23の第1接続端231が第2接続端232と電気的に接続するため、接続したコイル22と第2接続端232が導通できる状態になる。言い換えると、それらのインサート部材23と該コイル22の接続は、導通ルートを形成する。前記第2接続端232は下板ばね25に接続するために、図5に示す凸起部234が形成されることができる。
【0021】
図5は、図4Bに基づいて組み立てを終えたレンズホルダ21を更に下板ばね25と接続する様子を示す。該下板ばね25は略環状を呈し、且つ第1板ばね251と第2板ばね252とからなる。第1板ばね251と第2板ばね252が互いに接触しない。この分野における通常の知識を有する者は、現在のレンズユニット駆動技術に基づき、下板ばねの具体的構造が分かるはずであるため、その委細はここでは省略する。図5は該第1板ばね251と該第2板ばね252の一部のみを示す。各板ばね251、252は更に2つの部分に分かれ、それぞれ、レンズホルダ21及び台座(図1の台座16)に固着するために用いられる。
【0022】
図5は、第1板ばね251上の湾曲部2511及び第2ばね252上の接触パッド2521を示す。該湾曲部2511は、レンズホルダ21の下表面213に接触することで該レンズホルダ21を支えるために用いられる。該湾曲部2511の一側には切欠部2512を形成しており、切欠部2512はその位置がインサート部材23の第2接続端232に対応し、また第2接続端232の凸起部234と噛合する。噛合部をはんだ付けすることで下板ばね25の第1板ばね251を一方のインサート部材23に固着する。当然、第2板ばね252も同様の方式で他方のインサート部材23(図示略)に固着できる。これを介して、前記導通ルートの両端が該下板ばね25の第1板ばね251及び第2板ばね252まで各々延伸する。
【0023】
第2板ばね252の接触パッド2521は、取付穴2522を有し、その位置は前記台座上の突起物に対応できる。図5に示すように、前記取付穴2522を通じて、該接触パッド2521が複数の電気接続ピン26の一端に結合され、また結合部をはんだ付け方式で固定できる。前記電気接続ピン26は、インサート成形方式を通じて前記台座と一体成形でき、それらの電気接続ピン26が互いに接触しない。これを介して、第2板ばね252は台座に固着され、且つ電気接続ピン26と電気的に接続する。当然、第1板ばね251も同様の方式で台座及びその電気接続ピン26に固着できる。これを介して、前記導通ルートの両端は、各々それらの電気接続ピン26まで延伸する。それらの電気接続ピン26が制御回路(図示略)に電気的に接続し、該制御回路は該レンズユニット駆動装置を制御する駆動信号の生成に用いられる。
【0024】
上記の例示的な説明を通じて、レンズユニット駆動装置内のレンズホルダと板ばねと台座の間の接続は金属部材が嵌め込まれたレンズホルダ及び台座に対しはんだ付けして固定することができる。接着剤による接着方式に比べ、上記実施例で提供する手段は、レンズユニット駆動装置の機械的性質及び前記導電通路の信頼性を更に高めることができる。
【実施例2】
【0025】
図6乃至図7は、本発明のインサート成形されたレンズユニット駆動装置の実施例2である。光学結像の方向に沿い、前記駆動装置がレンズホルダ41とコイル42と下板ばね45と台座46とを含む。各構成要素の詳細な特徴は、後記段落に記述する。
【0026】
レンズホルダ41とコイル42の組み立ては、実施例1の説明を参考にできる。該レンズホルダ41は、上表面411と下表面412とを備える。該レンズホルダ41は、複数の巻線柱413を有し、前記巻線柱413が各々該レンズホルダ41の外周に成形し、且つ外周から延伸する。巻線柱413の位置は、該レンズホルダ41の上表面411と下表面412との間に位置する。好ましくは、巻線柱413の位置は、下表面412に近づくことができる、或いは該下表面412から延伸することができる。図6図7に示すように、前記巻線柱413の延伸方向が、Z軸と略直交する。それら巻線柱413は、射出成形で製造され、レンズホルダ41と一体成形できる。実施例1のインサート部材23の第1接続端231と同じように、ここの巻線柱413は各々コイル42の両端の巻き付けのために用いられる。
【0027】
レンズホルダ41は、インサート部材を更に含む。前記インサート部材は、複数のインサート片414で、はんだ付け及び/或いは電気的な接続に用いられる。図7に示すように、それらのインサート片414が該レンズホルダ41の下表面412上に形成され、且つそれらのインサート片414が互いに接触しない。それらのインサート片414は、該下表面412に沿って延伸し且つZ軸と略直交する。各インサート片414の表面は、位置決め点415が形成されることができ、位置決め部415は組立時下板ばね45に揃うために用いられる。それらのインサート片414は、インサート成形を通じてレンズホルダ41と一体成形できる。
【0028】
一部のインサート片414は、更に巻線柱413の表面まで延伸する。図8Aに示すように、インサート片414は、該下表面412に沿って同平面の巻線柱413まで延伸でき、コイル42を巻き付けた後、コイル42と該インサート片414との電気的な接続を形成することができる。これを介して、それらの巻線柱413上のインサート片414及びコイル42が導通ルートを形成する。
【0029】
同時に図6図7を参照すると、台座46は、上表面461と下表面462とを備える。台座46は、台座46の上表面461から下表面462に延伸する金属インサート部材を含む。具体的に言うと、ここの金属インサート部材は、複数の電気接点463と一対の電気接続ピン464とを含み、それらの電気接点463が台座46の上表面461に分布し、それらの電気接続ピン464が台座46の下表面462から延伸し、且つそれらの電気接続ピン464の一部が台座46内に嵌め込まれると共に近くの電気接点463と電気的に接続する。これに類するように、該台座46、それらの電気接点463及びそれらの電気接続ピン464は、インサート成形方式で一体成形できる。前記電気接点463は、下板ばね45に揃って接続するために突起状を呈することができる。このほかに、はんだ付けのため、台座46の上表面461の、下板ばね45との接触面も金属であってもよい。
【0030】
実施例1と同じように、下板ばね45は、互いに接触しない2つの板ばねを備える。各板ばねは、湾曲部451と接触パッド452とを備え、湾曲部451と接触パッド452はレンズホルダ41と台座46に各々接続するために用いる。前記湾曲部451及び接触パッド452は、いずれも位置決め穴(図示略)を有し、これらの位置決め穴はインサート片414上の位置決め点415及び台座46上の電気接点463に各々対応する。下板ばね45のそれらの湾曲部451は、合わせる方式で、対応するインサート片414に接触し、同時に下板ばね45のそれらの接触パッド452は、合わせる方式で、台座46の上表面461に接触する。接触部においてはんだ付けすることで、下板ばね45をレンズホルダ41及び台座46に一部固着させることができ、且つ一部固着は電気的な接続を含む。前記湾曲部451の形状及び寸法で定義された接触面積は、前記湾曲部451が少なくとも対応するインサート片414と重なるほどの大きさである。これを介して、前記導通ルートは、下板ばね45を経由して台座46の電気接続ピン464まで延伸する。それらの電気接続ピン464は、レンズユニットを駆動するための駆動信号を受信するために、駆動回路に電気的に接続できる。
【0031】
図8Bは、本実施例の別の態様を提供している。上記巻線柱413は、インサート式巻線柱5で代替することができる。具体的に言うと、図8Cに示されるのを参照すると、前記インサート式巻線柱5は、インサート片414の一端から延伸し、インサート成形方式でレンズホルダ41と一体成形する。前記インサート式巻線柱5は、レンズホルダ41に延伸して挿通し、また対応するインサート片414まで延伸できる。言い換えると、該インサート片414とインサート式巻線柱5は、インサート成形工程の前、予め、一体成形の金属半製品としておくことができる。これを介して、インサート片414は、巻線柱まで延伸する必要が無くなり、コイル42の両端は前記インサート式巻線柱5上に巻き付けられることで、それらのインサート片414に電気的に接続する。
【0032】
実施例1と実施例2の説明により、本発明のインサート成形されたレンズユニット駆動装置は、インサート部材で構成される特殊構造を通じて、レンズユニットの部材、例えばレンズホルダ、板ばね及び台座は、互いに接続でき、またはんだ付け固定を接着剤による固着に取って代わらせることができる。上記実施例には表示していないが、この分野における通常の知識を有する者は、その他の部材の接続のため、これと類するインサート部材をレンズホルダ上の表面或いはその他の類似構造に応用する能力がある。前記インサート部材は、部材を堅牢に本体内に嵌め込むために、本発明の図面に示される構造以外に、更に異なる態様及び付加構造まで広げることができる。その他の可能な実施例において、1個の巻線柱は、2個のインサート部材を含むと共にコイルの両端を巻き付けるために用いるよう設計することができる。
【0033】
これにより、本発明のインサート成形されたレンズユニット駆動装置の好ましい実施例は、上記説明及び図面で説明した。本明細書内で開示された全ての特徴は、その他の方法と結合でき、本明細書内に開示される各特徴は選択的に同一、同等又は近似の目的を有する特徴で代替できる。よって、特別顕著な特徴を除き、全ての本明細書で開示される特徴は、同等或いは近似の特徴のうちの一つの例だけである。本発明の好ましい実施例の記述を経た後、当業者は、本発明が実際新規性、進歩性及び産業上の利用可能性を有する発明であり、発展価値を極めて有することを理解すべきである。本発明は当業者が種々なる変更、修正、改良等を実施できるが、特許請求の範囲で保護しようとするものを含む。
【符号の説明】
【0034】
10…筐体、11…レンズホルダ、12…コイル、13…磁石、14…上板ばね、15…下板ばね、16…台座、21…レンズホルダ、211…リミット部材、212…上表面、213…下表面、214…嵌装溝、215…穴部、216…隙間、22…コイル、23…インサート部材、231…第1接続端、232…第2接続端、233…噛合構造、234…凸起部、24…位置決め部材、25…下板ばね、251…第1板ばね、2511…湾曲部、2512…切欠部、252…第2板ばね、2521…接触パッド、2522…取付穴、26…電気接続ピン、41…レンズホルダ、411…上表面、412…下表面、413…巻線柱、414…インサート片、415…位置決め点、42…コイル、45…下板ばね、451…湾曲部、452…接触パッド、46…台座、461…上表面、462…下表面、463…電気接点、464…電気接続ピン。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C