特許第6282788号(P6282788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6282788ロープ張力調節手段を備えた電動車プラットホーム安全装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282788
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】ロープ張力調節手段を備えた電動車プラットホーム安全装置
(51)【国際特許分類】
   B61B 1/02 20060101AFI20180208BHJP
【FI】
   B61B1/02
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-537877(P2017-537877)
(86)(22)【出願日】2015年10月2日
(65)【公表番号】特表2017-535484(P2017-535484A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(86)【国際出願番号】KR2015010421
(87)【国際公開番号】WO2016053044
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2017年4月3日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0133248
(32)【優先日】2014年10月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516239851
【氏名又は名称】エスケーディー ハイ−テック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ハン、 ソン−ムー
(72)【発明者】
【氏名】ハン、 ブン ジン
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−511302(JP,A)
【文献】 特開2011−79639(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0140718(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 1/02
E05F 15/00−15/79
E05F 17/00
E01F 1/00,13/00−15/14
B66B 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車が進入するプラットホームの入口から出口の選択された位置に本体(110)を設置し、前記本体(110)の内部または外部の一側に形成した駆動部材によって前記本体(110)に沿って上下に移動するブロック(120)を設置した多数のロープ昇降手段(100)と、前記ブロック(120)を相互連結するように水平方向に設置するロープ(200)とから構成された電動車プラットホーム安全装置において、
前記ブロック(120)の内側に、前記ロープ(200)が循環するように連結する補助ブロック(150)を用意し、前記ブロック(120)と前記補助ブロック(150)との間に、前記補助ブロック(150)を外側に移動させて前記ロープ(200)の張力を調節するための張力調節手段(300)を含み、
前記張力調節手段(300)は、
前記ブロック(120)の一側から前記補助ブロック(150)の一側を貫通するように備えられた支持軸(310)と、
前記支持軸(310)の他側に設置され、前記補助ブロック(150)を外側に移動させるための弾性体(320)と、
前記支持軸(310)の他端に螺合され、前記弾性体(320)を押して移動させるための移動体(311)と、
前記ブロック(120)と前記補助ブロック(150)との間に備えられた誘導軸(340)とから構成された、ロープ張力調節手段を備えた電動車プラットホーム安全装置。
【請求項2】
電動車が進入するプラットホームの入口から出口の選択された位置に本体(110)を設置し、前記本体(110)の内部または外部の一側に形成した駆動部材によって前記本体(110)に沿って上下に移動するブロック(120)を設置した多数のロープ昇降手段(100)と、前記ブロック(120)を相互連結するように水平方向に設置するロープ(200)とから構成された電動車プラットホーム安全装置において、
前記ブロック(120)の内側に、前記ロープ(200)が循環するように連結する補助ブロック(150)を用意し、前記ブロック(120)と前記補助ブロック(150)との間に、前記補助ブロック(150)を外側に移動させて前記ロープ(200)の張力を調節するための張力調節手段(300)を含み、
前記張力調節手段(300)は、
前記補助ブロック(150)の一側から前記ブロック(120)の一側を貫通するように備えられた支持軸(310)と、
前記支持軸(310)の他側に設置され、前記補助ブロック(150)を外側に移動させるための弾性体(320)と、
前記支持軸(310)の他端に螺合され、前記弾性体(320)を押して移動させるための移動体(311)と、
前記ブロック(120)と前記補助ブロック(150)との間に備えられた誘導軸(340)とから構成された、ロープ張力調節手段を備えた電動車プラットホーム安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車プラットホーム安全装置に係り、さらに詳細には、乗客の出入りを遮断及び開放するためのロープの張力を均一に調節することができるようにした、ロープ張力調節手段を備えた電動車プラットホーム安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電動車プラットホーム安全装置は、電動車が進入するプラットホームに設置され、乗客の出入りを遮断したり開放したりする役割を果たす。このような電動車プラットホーム安全装置は、図1に示すように、電動車が進入するプラットホームの入口から出口の選択された位置に本体110を設置し、本体110の内部または外部の一側に形成した駆動部材によって本体110に沿って上下に移動するブロック120を設置した多数のロープ昇降手段100と、ブロック120を相互連結するように水平方向に設置したロープ200とから構成される。
【0003】
しかし、図2に示すように、従来ではブロック120の内側に垂直方向に形成した多数の調節ボルト130を調節してロープ200の張力を調節しているが、これは、多数の調節ボルト130を一々調節しなければならないので、張力調節作業が煩雑で不便であるという問題点を有する。特に、ロープの張力を均一に調節及び維持することができないので、乗客がロープを容易に広げて出入りする深刻な問題点を有する。さらに、調節ボルト130及びロープ200の個数が増加してメンテナンスの効率性を低下させるという問題点を有する。
【0004】
また、図3に示すように、従来では、ブロック120の内側に垂直方向に多数のローラ140を形成し、ローラ140を循環するように一つのロープ200を連結した後、ロープ200の一側の間にばね141を設置して張力を調節しているが、これは、季節の変化及び温度の変化によって発生するロープ200の膨脹及び収縮状態に対する適切な張力調節が難しいという問題点を有する。特に、数十メートルから数百メートルの長さを有するロープ200の張力をばね141の圧縮復元力のみで調節することができないので、機能上の制限があるという問題点を有する。
【0005】
本発明の背景となる技術は、次の特許文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10−0601112号(2006.07.19)
【特許文献2】韓国登録特許公報第10−1306648号(2013.09.26)
【特許文献3】韓国登録特許公報第10−1344995号(2013.12.24)
【特許文献4】韓国公開特許公報第10−2014−0029950号(2014.03.11)
【特許文献5】韓国登録韓国特許公報第10−1391453号(2014.05.07)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施例は、上下方向に移動するブロックと、ロープが循環可能に連結された補助ブロックとの間にロープ張力調節手段を備えて補助ブロックを外側に移動させることにより、数十メートルないし数百メートルの長さを有するロープの張力を均一に調節することができるロープ張力調節手段を備えた電動車プラットホーム安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例によれば、電動車が進入するプラットホームの入口から出口の選択された位置に本体110を設置し、その本体110の内部または外部の一側に形成した駆動部材によって前記本体110に沿って上下移動するブロック120を設置した多数のロープ昇降手段100と、前記ブロック120を相互連結するように水平方向に設置したロープ200とから構成された電動車プラットホーム安全装置において、前記ブロック120の内側に、前記ロープ200が循環するように連結する補助ブロック150を用意し、前記ブロック120と補助ブロック150との間に、前記補助ブロック150を外側に移動させてロープ200の張力を調節するための張力調節手段300を含む、電動車プラットホーム安全装置が提供できる。
【0009】
前記張力調節手段300は、前記ブロック120の一側から前記補助ブロック150の一側を貫通するように形成した支持軸310と、前記支持軸310の他側に設置し、前記補助ブロック150を外側に移動させるための弾性体320とから構成できる。
【0010】
または、前記張力調節手段300は、前記補助ブロック150の一側から前記ブロック120の一側を貫通するように形成する支持軸310と、前記支持軸310の他側に設置し、前記補助ブロック150を外側に移動させるための弾性体320とから構成できる。
【0011】
このような張力調節手段300は、前記支持軸310の他端に螺合し、前記弾性体320を押して移動させるための移動体311を含むことができる。
【0012】
一方、前記張力調節手段300は、前記ブロック120と補助ブロック150との間に形成して前記補助ブロック150を外側に移動させるための弾性体330から構成されることもできる。
【0013】
本発明の実施例に係る電動車プラットホーム安全装置は、前記ブロック120と前記補助ブロック150との間に誘導軸340が備えられ得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例に係る電動車プラットホーム安全装置は、数十メートルから数百メートルの長さを有するロープの張力を同時に均一に調節することができるという効果がある。特に、ロープの張力を均一に調節、維持することにより、乗客が容易にロープを広げて鉄路に出入りする安全事故問題を事前に防止することができる。
【0015】
また、構造が簡単でメンテナンスが容易であるので、使用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一般的な電動車プラットホーム安全装置の構造を示す概路図である。
図2】従来技術に係る電動車プラットホーム安全装置用ロープ張力調節手段を示す構成図である。
図3】従来技術に係る電動車プラットホーム安全装置用ロープ張力調節手段を示す構成図である。
図4】本発明のロープ張力調節手段を備えた電動車プラットホーム安全装置の第1実施例を示す構成図である。
図5】本発明のロープ張力調節手段を備えた電動車プラットホーム安全装置の第2実施例を示す構成図である。
図6】本発明のロープ張力調節手段を備えた電動車プラットホーム安全装置の第3実施例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を説明する。
【0018】
本発明に係るロープ張力調節手段を備えた電動車プラットホーム安全装置が図4ないし図6に示されている。図4は第1実施例を、図5は第2実施例を、図6は第3実施例をそれぞれ示す。
【0019】
本発明は、電動車が進入するプラットホームの入口から出口の選択された位置に本体110を設置し、本体110の内部または外部の一側に形成した駆動部材によって前記本体110に沿って上下移動するブロック120を設置した多数のロープ昇降手段100と、前記ブロック120を相互連結するように水平方向に設置するロープ200とからなる電動車プラットホーム安全装置において、前記ブロック120の内側に、前記ロープ200が循環するように連結する補助ブロック150を用意し、前記ブロック120と補助ブロック150との間に、前記補助ブロック150を外側に移動させてロープ200の張力を調節するための張力調節手段300を含む。
【0020】
本発明において、前記ロープ昇降手段100及びロープ200の作動原理及び構造は当業界に広く知られている公知の技術なので、詳細な叙述は省略することとする。
【0021】
一方、本発明は、前記ブロック120の内側に補助ブロック150が位置するように用意し、前記補助ブロック150を全体的に外側に移動させることにより、結果的には前記ロープ200の張力を調節することができる。
【0022】
ここで、前記補助ブロック150の内側に垂直方向に多数のローラ151を形成することで、一つのロープ200が全体的に循環しながら連結することができる。
【0023】
したがって、前記ブロック120は上下方向に移動し、前記補助ブロック150は前記ロープ200を連結した状態で、前記張力調節手段300の作動で前記補助ブロック150を外側に移動させ、結果的に前記補助ブロック150の移動距離に備えて数十メートルから数百メートルの長さを有するロープ200の張力を均一に調節及び維持することができる。
【0024】
そして、前記張力調節手段300の第1実施例は、図4に示すように、前記ブロック120の一側から前記補助ブロック150の一側を貫通するように形成する支持軸310と、前記支持軸310の他側に設置し、前記補助ブロック150を外側に移動させるための弾性体320とからなる。
【0025】
この際、前記支持軸310は、前記弾性体320の弾性力で移動する前記補助ブロック150が左右方向に円滑に移動することができるように誘導する。
【0026】
すなわち、前記支持軸310の一側は前記ブロック120の一側に固定し、前記支持軸の他側は前記補助ブロック150の一側を貫通するように形成して、前記弾性体320が前記補助ブロック150を外側に押して移動させることにより、ロープ200の張力を均一に調節及び維持することができる。
【0027】
ここで、前記支持軸310の他側は前記弾性体320と当接して支持した状態で、前記弾性体320の弾性力によって前記補助ブロック150を外側に押して移動させることができる。
【0028】
また、前記張力調節手段300の第2実施例は、図5に示すように、前記補助ブロック150の一側から前記ブロック120の一側を貫通するように形成する支持軸310と、前記支持軸310の他側に設置し、前記補助ブロック150を外側に移動させるための弾性体320から構成される。
【0029】
したがって、前記支持軸310の一側は前記補助ブロック150の一側に固定し、前記支持軸の他側は前記ブロック120の一側を貫通するように形成して、前記弾性体320が前記補助ブロック150を外側に押して移動させることにより、ロープ200の張力を均一に調節及び維持することができる。
【0030】
ここで、前記支持軸310の他側は前記弾性体320と当接して支持した状態で、前記弾性体320の弾性力によって前記支持軸310を外側に引いて補助ブロック150を移動させることができる。
【0031】
本発明において、前記弾性体320は、圧縮ばねを用いて前記補助ブロック150を外側に移動させて前記ロープ200の張力を均一に調節及び維持することができる。
【0032】
しかも、前記支持軸310の他端に螺合し、前記弾性体320を押して移動させて前記弾性体320の圧縮力を増大させるための移動体311を含むことができる。
【0033】
この際、前記移動体311は、前記支持軸310の他端に螺合できるようにナットまたは別途の加工した構成で製作することができる。
【0034】
一方、前記張力調節手段300の第3実施例は、図6に示すように、前記ブロック120と補助ブロック150との間に形成して前記補助ブロック150を外側に移動させるための弾性体330からなる。
【0035】
この際、前記弾性体330は、引張ばねを用いて前記補助ブロック150を外側に移動させて前記ロープ200の張力を均一に調節及び維持することができる。
【0036】
本発明において、前記ブロック120と補助ブロック150との間に誘導軸340を形成することができるが、これは、上下方向に移動する前記ブロック120と、外側に移動しながら張力を調節する補助ブロック150との間を連結して、前記補助ブロック150が外側または内側に移動するように誘導することはもとより、前記ブロック120が上下方向に移動する過程で前記補助ブロック150を支持して同時に円滑に上下方向に移動するように補助する。
【0037】
この際、前記誘導軸340は、前記ブロック120の一側に固定し、前記補助ブロック150を貫通することができることはもとより、前記補助ブロック150の一側に固定し、前記ブロック120を貫通することができる。
【0038】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、本発明の実施例と実質的に均等な範囲にあるものまで本発明の権利範囲に含まれることはいうまでもない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6