特許第6282816号(P6282816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282816
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20180208BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20180208BHJP
   H01S 5/022 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   G02B6/42
   H05K7/14 F
   H01S5/022
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-157413(P2013-157413)
(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公開番号】特開2015-28513(P2015-28513A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2016年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】301005371
【氏名又は名称】日本オクラロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】桑原 明
(72)【発明者】
【氏名】大平 佳史
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06287128(US,B1)
【文献】 特開2010−230329(JP,A)
【文献】 特開2007−115748(JP,A)
【文献】 実開平05−015009(JP,U)
【文献】 特開2013−140292(JP,A)
【文献】 特開2011−129629(JP,A)
【文献】 特開平02−121397(JP,A)
【文献】 特開2006−171398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B6/42−6/43
H05K7/14
H01S5/00−5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に配置され、光信号を送信するとともに送信用リードピンを有する光送信器と、光信号を受信するとともに受信用リードピンを有する光受信器と、を有する、光通信部と、
前記筐体内に配置され、外部の通信制御機器と接続されるカードエッジ、及び一部を切り欠いた形状の切欠き部を有し、前記光通信部と電気的に接続されて送信及び受信を制御する制御基板と、
前記筐体と一体的に接続されると共に、前記制御基板の切欠き部において前記制御基板の基板面を貫くように伸びる突出部と、
前記突出部と前記制御基板とを固定する接着剤と、を備え、前記外部の通信制御機器に対し抜差可能なプラガブルモジュールである、光モジュールであって、
前記光通信部の前記光送信器は、前記制御基板と互いに電気的に接続する前記送信用リードピンにより互いに物理的に固定されており、
前記光通信部の前記光受信器は、前記制御基板と、互いに電気的に接続する前記受信用リードピンにより互いに物理的に固定されており、
前記切欠き部は、前記制御基板のうち、前記光送信器の前記送信用リードピンと重畳する第1接続部分と、前記光受信器の前記受信用リードピンと重畳する第2接続部分と、の間の領域であって、前記第1接続部分の先端及び前記第2接続部分の先端より前記光通信部側にある領域に、少なくとも一部が含まれる穴である第1切欠き部を有する、ことを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光モジュールにおいて、
前記切欠き部は、前記第1切欠き部より前記カードエッジ側に設けられ、前記領域を挟む前記制御基板を両端部から切り欠いた2つの第2切欠き部を更に有する、ことを特徴とする光モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光モジュールにおいて、
前記突出部は、前記筐体から延びる途中において前記制御基板を載置するテラス部を有する、ことを特徴とする光モジュール。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光モジュールにおいて、
前記穴である第1切欠き部の直径は、前記突出部の直径より大きい、ことを特徴とする光モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載の光モジュールにおいて、
前記穴である第1切欠き部の直径は、前記突出部の直径より0.1mm大きい、ことを特徴とする光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関し、特にカードエッジを有するプラガブルモジュールである光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
社会インフラの電気通信においては、従来のメタル線による通信に代わり、より大容量で伝送することのできる光通信がより多く用いられるようになってきている。光通信に用いられる光モジュールは、その内部に光送信器(TOSA:Transmitter Optical Sub-Assembly)及び光受信器(ROSA:Receiver Optical Sub-Assembly)のいずれか、又は両方が内蔵されており、さらにこれらを駆動するための駆動IC(Integrated Circuit)や制御するための制御ICなどが内蔵されている。駆動ICや制御ICなどは、プリント基板(PCB:Printed Circuit Board)である制御基板に搭載されており、制御基板は筐体に固定されていることが一般的である。制御基板の筐体への固定方法としては、ネジ止めや押さえ部材を用いている。また、TOSA及びROSAはフレキシブル基板を用いて、制御基板と接続されている。
【0003】
特許文献1は、TOSA/ROSAと電気信号の授受を行う回路基板が筐体にネジにより取付けられることについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−049333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光モジュールのうち特にプラガブルモジュールはMSA(Multi-Source Agreement)の規定などでOSA(Optical Sub-Assembly)の光軸位置や、通信制御機器側との通信を行うためのカードエッジの位置、大きさなどが定められている。これにより、OSAやカードエッジ部はプラガブルモジュールのモジュールケースに位置決め固定される。その際に、OSAの熱応力による微小な位置ずれや、カードエッジを用いた挿抜の際の応力の吸収のために、OSAとカードエッジを有する制御基板との接続にフレキシブル基板を用いることは有効である。しかし、フレキシブル基板は高価であるため、プラガブルモジュールの低価格化のために、より安価な接続方法により接続されることが求められている。
【0006】
本発明は、上述の事情を鑑みてしたものであり、カードエッジを有する光モジュールにおいて、より安価でかつ耐久性のある光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光モジュールは、筐体と、前記筐体内に配置され、光信号を送信又は/及び受信する光通信部と、前記筐体内に配置され、外部の通信制御機器と接続されるカードエッジ、及び一部を切り欠いた形状の切欠き部を有し、前記光通信部と電気的に接続されて前記送信又は/及び受信を制御する制御基板と、前記筐体と一体的に接続されると共に、前記制御基板の切欠き部において前記制御基板の基板面を貫くように伸びる突出部と、前記突出部と前記制御基板とを固定する接着剤と、を備える光モジュールである。
【0008】
また、本発明の光モジュールにおいて、前記光通信部と前記制御基板とは、互いに電気的に接続するリードピンにより互いに物理的に固定されていてもよい。
【0009】
また、本発明の光モジュールにおいて、前記光通信部は、光送信器と光受信器との両方を有し、前記切欠き部は、前記光送信器に対する前記制御基板における接続部分と、前記光受信器に対する前記制御基板における接続部分との間の領域に設けられる穴である第1切欠き部を有していてもよく、更に、前記切欠き部は、前記第1切欠き部より前記カードエッジ側に設けられ、前記領域を挟む前記制御基板を両端部から切り欠いた2つの第2切欠き部を有していてもよい。
【0010】
また、本発明の光モジュールにおいて、前記突出部は、前記筐体から延びる途中において前記制御基板を載置するテラス部を有していてもよい。
【0011】
また、本発明の光モジュールにおいて、前記穴である第1切欠き部の直径は、前記突出部の直径より大きくてもよく、この場合に、前記突出部の直径より0.1mm大きくすることができる。
【0012】
また、本発明の光モジュールにおいて、前記光モジュールは、前記外部の通信制御機器に対し抜差可能なプラガブルモジュールであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、カードエッジを有することにより挿抜可能な光モジュールにおいて、より安価でかつ耐久性のある光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】光モジュールであるプラガブルモジュール及びプラガブルモジュールが取付けられる外部の通信制御機器について説明するための斜視図である。
図2図1のプラガブルモジュールの内部の詳細構造を示す平面図である。
図3図2のB−B線における断面を示す図である。
図4図2と同様の視野により、上述の実施形態の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面において、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
図1は、光モジュールであるプラガブルモジュール10及び、プラガブルモジュール10が取付けられる外部の通信制御機器50について説明するための斜視図である。プラガブルモジュール10の外形サイズは、例えば、業界標準規格であるMSA(Multi Source Agreement)の規格で規定されており、SFP+(Small Form Factor Pluggable Plus)の外形サイズにおいては、57W×14D×12H(mm)とプラガブルモジュールのなかでも特に小型である。本実施形態においてはこのようなプラガブルモジュールについて述べるが、本発明はこの外形サイズに限られるものではない。
【0017】
図1に示されるように、プラガブルモジュール10は、通信制御機器50と電気的に接続されるために通信制御機器50に取り付けられる。通信制御機器50は、通信制御基板52を有し、通信制御基板52には、プラガブルモジュール10のカードエッジ14(図2参照)を接続するためのコネクタ51が配置されている。このコネクタ51の周囲には、プラガブルモジュール10を円滑にコネクタ51に接続するためのガイドであるケージ53が設けられている。
【0018】
図2は、図1のプラガブルモジュール10の内部の詳細構造を示す平面図であり、筐体であるモジュールケース11の上側部分が外された状態を示す図である。図3は、図2のB−B線における断面を示す図である。これらの図に示されるように、プラガブルモジュール10は、主に、筐体であるモジュールケース11と、通信制御機器50のコネクタ51に接続するための、MSAで規定されるカードエッジ14を有するプリント基板である制御基板13と、それぞれTOSA及びROSAであるOSA12と、OSA12及び制御基板13を電気的に接続するとともに、互いに物理的に固定するリードピン17と、で構成されている。ここでリードピン17は、導電性があり、かつ剛性のある材料からなるものである。図では1カ所で折り曲げられているが、折り曲げずに取付けるものであってもよいし、複数箇所で折り曲げられて取付けられるものであってもよい。このようなリードピン17を用いることにより、高価なフレキシブル基板を用いることなく、より安価にプラガブルモジュールを構成することができる。
【0019】
また、制御基板13には、OSA12を駆動させるための駆動IC22や通信制御機器50からの制御情報を処理するための制御IC23(図3参照)などが搭載されている。小型化のため、比較的部品サイズの大きい駆動IC22や制御IC23は、本実施形態のように、制御基板13の表面と裏面の両面を用いて搭載することができる。
【0020】
制御基板13は、制御基板13上における、TOSAに接続されるリードピン17及びROSAに接続されるリードピン17の間の領域である領域Aに設けられた穴である第1切欠き部15と、第1切欠き部15よりカードエッジ14側で、領域Aを挟むように制御基板13の両端に設けられた2つの半円状の切欠きである第2切欠き部16と、を有している。
【0021】
また、第1切欠き部15に対応する位置には、モジュールケース11の底面から延び、モジュールケース11と一体的に形成され、制御基板13の基板面を貫く高さまで伸びる第1突出部18が形成され、第2切欠き部16に対応する位置には、モジュールケース11の側面に沿ってモジュールケース11の底面から延び、モジュールケース11と一体的に形成され、制御基板13の基板面を貫く高さまで伸びる2つの第2突出部19が形成されている。ここで、第1突出部18は、第1切欠き部15の穴に配置されるが、制御基板13の位置調整が可能なように第1突出部18の直径は、第1切欠き部15の穴の直径より小さく、これらの間にはクリアランスが形成されている。第2突出部19においても、制御基板13の位置調整が可能なように第2突出部19と第2切欠き部16との間にはクリアランスが形成されている。これらのクリアランスは、例えば0.1mm程度であることが望ましい。
【0022】
また、モジュールケース11の底面から延びる第1突出部18の途中には、制御基板13を載置するための第1テラス部20が設けられ、第2突出部の途中にも、制御基板13を載置するための第2テラス部21が設けられている。ここで、第1突出部18及び第2突出部19は、モジュールケース11と一体的に形成されていることとしたが、モジュールケース11と接続されるように設計された別体であってもよい。制御基板13は、モジュールケース11に組み込まれ、位置調整の後、第1突出部18と第1切欠き部15との間のクリアランス、及び第2突出部19と第2切欠き部16との間のクリアランスに接着剤24(図3参照)を流し込むことにより、モジュールケース11に強固に固定される。これにより、制御基板13がモジュールケース11に強固に固定されるため、フレキシブル基板を用いなくても、カードエッジ14を用いて通信制御機器50のコネクタ51と挿抜が行われた場合であっても、応力がOSA12に伝わることがなく、プラガブルモジュール10を耐久性のあるものとすることができる。また、第1突出部18及び第2突出部19の周囲にそれぞれ第1テラス部20及び第2テラス部21が設けられることにより、制御基板13を安定的に載置できると共に、接着材24の接着対象となるため、制御基板13とモジュールケース11とをより強固に固定することができる。なお、図2においては、分かりやすさのために接着材24の記載を省略している。
【0023】
上述したように、第1突出部18及び第1切欠き部15の間のクリアランスと、第2突出部19及び第2切欠き部16の間のクリアランスとがあることにより、部品公差を吸収でき、部品搭載の位置ずれによる微小な位置を調整できる。また、これらのクリアランスに接着材が流れ込こむことで接着面積を増やし、より確実に固定することができる。本実施形態においては、第1突出部18及び第2突出部19が、モジュールケース11に一体的に形成されることとしたが、第1突出部18及び第2突出部19はモジュールケース11とは別体として形成され、組立て時に一体化されるものであってもよい。また、本実施形態では、第1突出部18及び2つの第2突出部19の計3つの突出部を用いることとしたが、1つ所以上の突出部を有していればよい。
【0024】
本実施形態のような小型のプラガブルモジュール10では、制御基板13の表面だけでなく、裏面にも部品を搭載することから、モジュールケース11と制御基板13の全体を接着剤で固定することは難しい。しかしながら、第1突出部18及び第1切欠き部15の間のクリアランス、及び第2突出部19及び第2切欠き部16の間のクリアランスを用いることにより、制御基板13のモジュールケース11に対する位置決めを行うことができると共に、接着剤24によりモジュールケース11に強固に固定することができる。
【0025】
制御基板13のモジュールケース11への固定の仕方としては、他にねじ止めや制御基板13の両端を挟むようにして固定する押さえ部材を用いることが考えられる。しかしながら、このようなネジを配置するためのスペースは、本実施形態における切欠き部と突出部の組合せにより固定する場合と比較すると大きく、特に小型化されたプラガブルモジュール10においてネジを用いて固定するスペースを確保することは難しい。また、押さえ部材は高価であるため、低価格化が望まれるプラガブルモジュール10に採用することは難しい。
【0026】
したがって、本構造よれば、ねじ止めや押さえ部材を用いずに、サイズを大きくすることなく、安価にかつ強固に基板をケースに固定することができる。このため、フレキシブル基板を用いることなく、制御基板に設けられたカードエッジの挿抜の際の応力を吸収することができ、耐久性のあるプラガブルモジュールを構成することができる。
【0027】
図4は、図2と同様の視野により、上述の実施形態の変形例を示す平面図である。この変形例においては、第1切欠き部が穴ではなく、端部から延びる切欠きで形成される第1切欠き部35である点で上述の実施形態と異なっている。このように第1切欠き部が穴ではなく、端部から延びる切欠きであっても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0028】
10 プラガブルモジュール、11 モジュールケース、12 OSA、13 制御基板、14 カードエッジ、15 第1切欠き部、16 第2切欠き部、17 リードピン、18 第1突出部、19 第2突出部、20 第1テラス部、21 第2テラス部、22 駆動IC、23 制御IC、24 接着剤、35 第1切欠き部、50 通信制御機器、51 コネクタ、52 通信制御基板、53 ケージ。
図1
図2
図3
図4