(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の電動開閉装置を説明する。以下の説明では、説明の便宜上、互いに直交する方向をX方向、Y方向、Z方向とし、出力部材の回転中心軸線Lと平行な方向をZ方向として説明する。また、電動開閉装置の長さ方向(上下方向)をY方向とし、電動開閉装置の幅方向(水平方向)をX方向とする。また、X方向の一方側をX1とし、X方向の他方側をX2とし、Y方向の一方側をY1とし、Y方向の他方側をY2とし、Z方向の一方側をZ1とし、Z方向の他方側をZ2とする。また、出力部材の回転中心軸線Lが延在している方向をZ方向として説明する。また、出力部材の回転中心軸線Lが延在している方向の一方側をL1とし、他方側をL2する。また、出力部材の回転中心軸線Lが延在している方向の一方側L1とZ方向の一方側Z1とを同一方向とし、回転中心軸線Lが延在している方向の他方側L2とZ方向の他方側Z2とを同一方向とする。
【0023】
(洋式便器の説明)
図1は、本発明を適用した電動開閉装置が搭載される洋式便器の説明図である。
図1に示す洋式便器100は、便器本体110、便器本体110に被さる便座120、便座120に被さる便蓋130、およびタンク140等を有している。便座120および便蓋130の各々には、電動開閉装置1が設けられており、便座120および便蓋130は、電動開閉装置1の後述する出力部材によって駆動されて回転中心軸線L周りに回転する。なお、便座120および便蓋130の一方のみに電動開閉装置1を設ける場合や、便座120のみに電動開閉装置1を設け、便座120によって、便蓋130を閉姿勢から開姿勢に切り換えることもある。
【0024】
(電動開閉装置1の全体構成および固定構造)
図2は、本発明を適用した電動開閉装置1の斜視図であり、
図2(a)、(b)は、電動開閉装置1をZ方向の一方側Z1からみた斜視図、および電動開閉装置1をZ方向の他方側Z2からみた斜視図である。
図3は、本発明を適用した電動開閉装置1の側面図であり、
図3(a)、(b)は、電動開閉装置1をX方向の他方側X2からみた側面図、および電動開閉装置1をX方向の一方側X1からみた側面図である。
【0025】
図4は、本発明を適用した電動開閉装置1に用いた減速輪列等の説明図であり、
図4(a)、(b)は、減速輪列等をZ方向の一方側Z1から見た平面図、および減速輪列の歯車中心等に沿って電動開閉装置1を切断したときの断面図である。すなわち、
図4(b)は、減速輪列の歯車中心等に沿って、位置Po−Pb−Pd−Pe−Pf−Pg−Phに沿って電動開閉装置1をZ方向に切断したときの断面図である。
【0026】
図2、
図3および
図4に示すように、本形態の電動開閉装置1は、概ね、モータ2と、出力部材3と、モータ2の回転を減速して出力部材3に伝達する減速輪列4と、モータ2、出力部材3、および減速輪列4を内側に保持するケース体5とを有している。モータ2は、ステータが構成された胴部21と、胴部21のZ方向の一方側Z1の端部210から突出したモータ軸22とを有している。モータ軸22にはモータピニオン24が固着されている。
【0027】
ケース体5は、第1ケース部材51と、第1ケース部材51に対してZ方向の一方側Z1から被さって第1ケース部材51と対向する第2ケース部材52と、第1ケース部材51に対してZ方向の他方側Z2から被さって第1ケース部材51と対向する第3ケース部材53とを有している。ケース体5において、第1ケース部材51、第2ケース部材52および第3ケース部材53は、端部に止められたねじ504で連結されている。本形態において、第1ケース部材51、第2ケース部材52および第3ケース部材53はいずれも樹脂製である。例えば、第1ケース部材51および第3ケース部材53はガラス繊維入りのPBT樹脂からなり、第2ケース部材52はABS樹脂からなる。
【0028】
出力部材3は、Z軸方向に延在する筒状部材からなり、Z軸方向の一方側Z1から他方側Z2に向かって、第1筒部31と、第1筒部31より大径のフランジ部32と、第1筒部31より小径の第2筒部33とを有している。フランジ部32の外周面には、減速輪列4の最終段の歯車(第4歯車44)と噛合する歯車320が形成されている。
【0029】
本形態では、出力部材3は、回転中心軸線Lの一方側L1および他方側L2の双方から回転出力が可能である。より具体的には、第1筒部31には、Z軸方向の一方側Z1に向けて開口する第1連結用凹部310が形成されており、第1連結用凹部310には、Z軸方向の一方側Z1から、
図1に示す便座や便蓋を駆動する駆動軸150が嵌められる。その際は、
図3(a)に示すように、ケース体5のZ方向の一方側Z1の面501を洋式便器100のフレーム170に当接させた状態で、Z方向の一方側Z1から、セルフタップねじからなる2本の第1ねじ171、172をフレーム170およびケース体5に止めてケース体5をフレーム170に固定する。
【0030】
第2筒部33には、Z軸方向の他方側Z2に向けて開口する第2連結用凹部330が形成されており、第2連結用凹部330には、Z軸方向の他方側Z2から、
図1に示す便座や便蓋を駆動する駆動軸160を嵌めることが可能である。本形態では、第1連結用凹部310の内径は、第2連結用凹部330の内径より大である。このため、駆動軸の外径寸法に応じて、駆動軸を第1連結用凹部310および第2連結用凹部330のいずれに連結するかを選択することができる。第2連結用凹部330に駆動軸160を嵌める場合、
図3(b)に示すように、ケース体5のZ方向の他方側Z2の面502を洋式便器100のフレーム180に当接させた状態で、Z方向の他方側Z2から、セルフタップねじからなる2本の第2ねじ181、182をフレーム180およびケース体5に止めて、ケース体5をフレーム180に固定する。
【0031】
なお、
図3(a)に示すように、第1連結用凹部310に駆動軸150を嵌めて利用する際、
図3(b)に示すように、ケース体5のZ方向の他方側Z2の面502を洋式便器100のフレーム180に当接させた状態で、Z方向の他方側Z2から、セルフタップねじからなる2本の第2ねじ181、182をフレーム180およびケース体5に止めて、ケース体5をフレーム180に固定してもよい。また、
図3(b)に示すように、第2連結用凹部330に駆動軸160を嵌めて利用する際、
図3(a)に示すように、ケース体5のZ方向の一方側Z1の面501を洋式便器100のフレーム170に当接させた状態で、Z方向の一方側Z1から、セルフタップねじからなる2本の第1ねじ171、172をフレーム170およびケース体5に止めて、ケース体5をフレーム170に固定してもよい。
【0032】
(第1ケース部材51の詳細構成)
図5は、本発明を適用した電動開閉装置1の分解斜視図であり、
図5(a)、(b)は、電動開閉装置1において第2ケース部材52を外した状態をZ方向の一方側Z1からみた分解斜視図、および電動開閉装置1において第2ケース部材52と第3ケース部材53とを外した状態をZ方向の一方側Z1からみた分解斜視図である。
図6は、本発明を適用した電動開閉装置1に用いた第1ケース部材51の斜視図であり、
図6(a)、(b)は、第1ケース部材51をZ方向の一方側Z1からみた斜視図、および第1ケース部材51をZ方向の一方側Z1からみた分解斜視図である。
【0033】
図4、
図5および
図6に示すように、第1ケース部材51は、Z方向に厚さ方向を向けた板状部材であり、Y方向に延在した板状部511と、板状部511に対してY方向の他方側Y2の外側円筒部512と、板状部511の端部に沿って形成された側板部513とを有している。外側円筒部512のZ方向の他方側Z2の端部は開放端になっている一方、外側円筒部512のZ方向の一方側Z1の端部には底板部514が形成されている。底板部514には、出力部材3の第1連結用凹部310と軸線L方向で重なる円形の開口部514aが形成されている。
【0034】
第1ケース部材51において、底板部514の開口部514aの開口縁よりやや外周側位置からはZ方向の他方側Z2に向けて、外側円筒部512と同軸状の内側円筒部515が延在しており、内側円筒部515は、第1筒部31を介して出力部材3を回転可能に支持している。出力部材3のZ方向の一方側Z1の移動は、フランジ部32と第1筒部31との間に形成された段部325に内側円筒部515のZ方向の他方側Z2の端部が対向することにより制限されている。
【0035】
内側円筒部515のZ方向の他方側Z2の端部は開放端になっており、外側円筒部512と内側円筒部515との間には、Z方向の他方側Z2に向けて開口する溝512aが周方向に延在するように形成されている。溝512aには、
図4に示すリング状の付勢部材が配置されている。本形態において、付勢部材6は、コイルバネからなるアシストバネであり、一方端が出力部材3に接続され、他方端は第1ケース部材51に接続されている。このため、出力部材3が回転中心軸線L周りに回転した際、付勢部材6は捩じれることになる。従って、付勢部材6のコイルバネを一方方向に捩じった状態で出力部材3と第1ケース部材51とに接続しておくと、付勢部材6は、出力部材3が一方方向に回転する際、抗力を発生する一方、出力部材3が他方方向に回転する際、付勢力を発生する。それ故、例えば、
図1に示す便座120や便蓋130が起立姿勢から平伏姿勢に切り換わる際、付勢部材6によって抗力を発生させる一方、便座120や便蓋130が平伏姿勢から起立姿勢に切り換わる際、付勢部材6によって付勢力を発生させることができる。このため、便座120や便蓋130の姿勢をスムーズに切り換えることができる。また、便座120や便蓋130が自立した状態を保持することもできる。なお、外側円筒部512の内周面には、Z方向に延在するリブ状突部512cが周方向の複数個所に形成されており、リブ状突部512cは、付勢部材6であるコイルバネが拡径した際の受け部になっている。
【0036】
第1ケース部材51の板状部511において、Y方向の一方側Y1には、ねじ291、292が止められた穴511a、511bが形成されており、かかるねじ291、292は、穴511a、511bを介してモータ2の胴部21のZ方向の一方側Z1の端部210に止められている。従って、モータ2は、第1ケース部材51に固定され、モータ軸22は、第1ケース部材51の板状部511の穴511cからY方向の一方側Y1に突出している。モータ軸22にはモータピニオン24が固着されている。
【0037】
図6に示すように、板状部511において、X方向およびY方向の略中央位置には開口部511eが形成され、開口部511eに対してY方向の他方側Y2には、開口部511eより大径の開口部511fが形成されている。また、板状部511において、開口部511fにY方向の他方側Y2で隣り合う位置にはZ方向の一方側Z1に向く穴511rが形成されている。
【0038】
また、板状部511のZ方向の他方側Z2には、開口部511fに対してZ方向の他方側Z2で重なる位置にアーム部511gが形成されている。アーム部511gは、開口部511fの中心と重なる位置で屈曲し、かかる屈曲部分511iには、Z方向の一方側Z1に向けて開口する軸孔511hが形成されている。アーム部511gの根元部分において、Z方向の他方側Z2には、Z方向の他方側Z2に向けて開口する筒部511sが形成され、アーム部511gの先端部分には、Z方向の他方側Z2に向けて開口する筒部511tが形成されている。
【0039】
板状部511のZ方向の他方側Z2の面において、開口部511e、511fに隣り合う位置には、Z方向の他方側Z2に向けて開口する筒部511uが形成されている。また、板状部511のZ方向の他方側Z2の面において、開口部511fにY方向の他方側Y2で隣り合う位置には、Z方向の他方側Z2に向けて開口する筒部511vが形成されている。
【0040】
(第1ねじ止め部の構成)
板状部511のZ方向の一方側Z1の面において、開口部511fにX方向の一方側X1で隣り合う位置には、Z方向の一方側Z1に向けて筒状に突出する第1ねじ止め部511xが形成され、穴511cにX方向の他方側X2で隣り合う位置には、Z方向の一方側Z1に向けて筒状に突出する第1ねじ止め部511yが形成されている。第1ねじ止め部511x、511yは、
図3(a)に示すように、電動開閉装置1をフレーム170に固定する際に第1ねじ171、172が止められる部分である。なお、第1ねじ止め部511yと側板部513とは補強リブ511zで繋がっている。
【0041】
第1ねじ止め部511x、511yのZ方向の一方側Z1の面は、Z方向の同一の位置にあり、後述する第1取り付け面550(
図3参照)の一部を構成している。
【0042】
(第3ケース部材53の詳細構成)
図2(b)、
図3、
図4および
図5において、第3ケース部材53は、Z方向に厚さ方向を向けてY方向に延在した板状部531と、板状部531に対してY方向の他方側Y2に位置する端部に設けられた外側円筒部532と、板状部531の端部に沿って形成された側板部533とを有しており、側板部533は、板状部531の端部からZ方向の一方側Z1に起立した形状になっている。外側円筒部532のZ方向の一方側Z1の端部は開放端になっている一方、外側円筒部532のZ方向の他方側Z2の端部には底板部534が形成されている。底板部534には、出力部材3の第2連結用凹部330と軸線L方向で重なる円形の開口部534aが形成されている。
【0043】
第3ケース部材53の底板部534(
図4参照)では、開口部534aの開口縁よりやや外周側位置からZ方向の一方側Z1に向けて、外側円筒部532と同軸状の内側円筒部535が延在しており、内側円筒部535は、第2筒部33を介して出力部材3を回転可能に支持している。出力部材3のZ方向の他方側Z2の移動は、フランジ部32に内側円筒部535のZ方向の一方側Z1の端部が対向することにより制限されている。
【0044】
内側円筒部535のZ方向の一方側Z1の端部は開放端になっている。従って、外側円筒部532と内側円筒部535との間には、Z方向の他方側Z2に向けて開口する溝532aが周方向に延在するように形成されている。溝532aの内部では、外側円筒部532と内側円筒部535とに接続する補強用の板状連結部536が周方向の複数個所に形成されている。
【0045】
第3ケース部材53において、溝532aの内部には、板状連結部536よりZ方向の一方側Z1に突出したストッパ部537(
図5(b)参照)が周方向で離間する2個所に形成されている一方、出力部材3のフランジ部32には、Z方向の他方側Z2に突出した凸部327(
図8(a)参照)が周方向の1箇所に形成されている。従って、出力部材3の回転は、凸部327が2つのストッパ部537と干渉するまでの角度範囲(2つのストッパ部537で挟まれた角度範囲)に制限されている。
【0046】
第3ケース部材53の板状部531において、Y方向の一方側Y1の面には、モータ2の胴部21の反出力側の端部(Z方向の他方側Z2の端部)を受ける円形の凹部531cが形成されている。板状部531のY方向の一方側Y1の面において、凹部531cにY方向の他方側Y2には、Z軸方向の一方側Z1に向けて開口する開口部を有する筒部531eが形成されており、筒部531eは、第1ケース部材51の板状部511に形成された開口部511eを貫通して板状部511からZ方向の一方側Z1に突出している(
図4参照)。板状部531のY方向の一方側Y1の面において、筒部531eにY方向の他方側Y2で隣り合う位置には、Z方向の一方側Z1に向けて開口する筒部531uが形成され、筒部531uは、第1ケース部材51の板状部511に形成された筒部511uとZ方向の他方側Z2で重なる。板状部531のZ方向の他方側Z2の面では、筒部531uと重なる位置が凸部531sになっている。
【0047】
板状部531のZ方向の一方側Z1の面において、筒部531uにX方向の他方側X2で隣り合う位置には、Z方向の一方側Z1に向けて開口する筒部531tが形成され、筒部531tは、第1ケース部材51の板状部511に形成された筒部511tとZ方向の他方側Z2で重なる。板状部531において、筒部531tにY方向の他方側Y2で隣り合う位置には、Z方向の一方側Z1に向けて開口する筒部531vが形成され、筒部531vは、第1ケース部材51の板状部511に形成された筒部511vとZ方向の他方側Z2で重なる。板状部531のZ方向の他方側Z2の面では、筒部511vと重なる位置が凸部531rになっている。
【0048】
板状部531のZ方向の一方側Z1の面において、筒部531vにX方向の他方側X2で隣り合う位置には、Z方向の一方側Z1に向けて突出する円柱部531mが形成され、円柱部531mの先端面には凸部531nが形成されている。かかる円柱部531mは、第1ケース部材51のアーム部511gに形成された筒部511sとZ方向の他方側Z2で重なり、凸部531nは、筒部511s(
図6参照)の内側に嵌っている。
【0049】
(第2ねじ止め部および第2取り付け面の構成)
板状部531のZ方向の他方側Z2の面において、外側円筒部532にY方向の一方側Y1で隣り合う位置には、Z方向の他方側Z2に向けて筒状に突出する第2ねじ止め部531xが形成され、板状部531のX方向の一方側X1かつY方向の一方側Y1の位置には、Z方向の他方側Z2に向けて筒状に突出する第2ねじ止め部531yが形成されている。かかる第2ねじ止め部531x、531yは、
図3(b)に示すように、電動開閉装置1をフレーム180に固定する際に第2ねじ181、182が止められる部分である。
【0050】
また、板状部531において、Z方向の他方側Z2の面では、凹部531cと重なる位置に凸部561が形成され、凸部561にX方向の一方側X1で隣り合う位置には凸部562が形成されている。凸部561のZ方向の他方側Z2の面、凸部562のZ方向の他方側Z2の面、および底板部534のZ方向の他方側Z2の面は、Z方向の同一の位置にあり、出力部材3の回転中心軸線Lに直交する第2取り付け面560を構成している。
【0051】
また、第2ねじ止め部531x、531yのZ方向の他方側Z2の面は、凸部561のZ方向の他方側Z2の面、凸部562のZ方向の他方側Z2の面、および底板部534のZ方向の他方側Z2の面とZ方向の同一の位置にあり、出力部材3の回転中心軸線Lに直交する第2取り付け面560を構成している。かかる第2取り付け面560は、
図3(b)に示すように、電動開閉装置1をフレーム180に固定する際にフレーム180に当接する面である。
【0052】
(第2ケース部材52および第1取り付け面の詳細構成)
図7は、本発明を適用した電動開閉装置1に用いた第2ケース部材52のZ方向の他方側Z2の構成を示す説明図であり、
図7(a)、(b)、(c)は、第2ケース部材52に対する1番歯車41や回転検出部7の位置関係等を示す説明図、第2ケース部材52に対する1番歯車41の位置関係等を示す説明図、および回転検出部7の分解斜視図である。
【0053】
図2(a)、
図3、
図4、
図5および
図7において、第2ケース部材52は、Z方向に厚さ方向に向けてY方向に延在した板状部521と、板状部521の端部に沿って形成された側板部523とを有しており、側板部523は、板状部521の端部からZ方向の他方側Z2に起立した形状になっている。板状部521において、Y方向の他方側Y2の端部は、第1ケース部材51の底板部514の外縁に沿うように円弧状に形成されている。
【0054】
板状部521において、第1ケース部材51に形成した第1ねじ止め部511xと重なる位置には、第1ねじ止め部511xが嵌る開口部521xが形成され、第1ケース部材51に形成した第1ねじ止め部511yと重なる位置には、第1ねじ止め部511yが嵌る開口部521yが形成されている。本形態において、第1ねじ止め部511x、511yは、開口部521x、521yを貫通して板状部521のZ方向の一方側Z1の面よりさらにZ方向の一方側Z1に突出している。
【0055】
ここで、板状部521のZ方向の一方側Z1の面には、モータ軸22と重なる位置でZ方向の一方側Z1に突出した凸部551と、第3ケース部材53の筒部531eとZ方向で重なる位置でZ方向の一方側Z1に突出した凸部552とが形成されている。凸部551のZ方向の一方側Z1の面、凸部552のZ方向の一方側Z1の面、および底板部514のZ方向の一方側Z1の面は、Z方向の同一の位置にあり、出力部材3の回転中心軸線Lに直交する第1取り付け面550を構成している。
【0056】
また、第1ねじ止め部511x、511yのZ方向の一方側Z1の面は、凸部551のZ方向の一方側Z1の面、凸部552のZ方向の一方側Z1の面、および底板部514のZ方向の一方側Z1の面とZ方向の同一の位置にあり、出力部材3の回転中心軸線Lに直交する第1取り付け面550を構成している。かかる第1取り付け面550は、
図3(a)に示すように、電動開閉装置1をフレーム170に固定する際にフレーム170に当接する面である。
【0057】
モータピニオン24と1番歯車41の大径歯車411は、ノイズ低減のためにはす歯で構成している。板状部521のZ方向の他方側Z2の面において、モータピニオン24とZ方向の一方側Z1で重なる位置(凸部551にZ方向の他方側Z2で重なる位置)には凹部521cが形成されており、凹部521cの底部は、モータピニオン24をZ方向の一方側Z1で支持している。また、板状部521のZ方向の他方側Z2の面において、第1ケース部材51に形成した開口部511eおよび第3ケース部材53に形成した筒部531eとZ方向の一方側Z1で重なる位置(凸部552にZ方向の他方側Z2で重なる位置)には凹部521eが形成されている。
【0058】
また、板状部521のZ方向の他方側Z2の面において、第1ケース部材51に形成した軸孔511hとZ方向の一方側Z1で重なる位置には、Z方向の他方側Z2に向けて開口する筒部521hが形成されている。また、板状部521のZ方向の他方側Z2の面において、筒部521hの周りには、Z方向の他方側Z2に向けて開口する3つの筒部521pが形成されている。
【0059】
板状部521のZ方向の他方側Z2の面において、X方向の他方側X2およびY方向の他方側Y2には、Z方向の他方側Z2に向けて突出する円柱部521rが形成され、円柱部521rは、第1ケース部材51の板状部511に形成された穴511rにZ方向の一方側Z1で重なっている。円柱部521rには凸部521wが形成されており、凸部521wは、第1ケース部材51の穴511r(
図6参照)に嵌っている。
【0060】
(減速輪列4の構成)
図8は、本発明を適用した電動開閉装置1に設けた減速輪列4の斜視図であり、
図8(a)、(b)は、減速輪列4をZ方向の一方側Z1からみた斜視図、および減速輪列4をZ方向の他方側Z2からみた斜視図である。
【0061】
図4および
図8に示すように、電動開閉装置1に設けた減速輪列4は、モータピニオン24から出力部材3に向かう伝達経路に1番歯車41、2番歯車42、3番歯車43および4番歯車44をこの順に有している。
【0062】
1番歯車41は、モータピニオン24に噛合する大径歯車411と、大径歯車411と同軸上に一体に形成された小径歯車412とを有しており、大径歯車411と小径歯車412とは一体に回転する。1番歯車41は支軸410に回転可能に支持され、支軸410は、第1ケース部材51の開口部511eを貫通して、第2ケース部材52の軸孔521eと第3ケース部材53の筒部531eとによって両端が保持されている。この状態で、1番歯車41の大径歯車411は、第1ケース部材51と第2ケース部材52との間に位置し、1番歯車41の小径歯車412は、第1ケース部材51と第2ケース部材52との間、および第1ケース部材51と第3ケース部材53との間の双方に位置する。
【0063】
2番歯車42は、1番歯車41の小径歯車412に噛合する大径歯車421と、大径歯車421と同軸上に設けられた小径歯車422とを有しており、大径歯車421と小径歯車422とは一体に回転する。2番歯車42は支軸420に回転可能に支持され、支軸420は、第1ケース部材51の筒部511uと第3ケース部材53の筒部531uとによって両端が保持されている。従って、2番歯車42は全体が第1ケース部材51と第3ケース部材53との間に位置する。
【0064】
3番歯車43は、2番歯車42の小径歯車422に噛合する大径歯車431と、大径歯車431と同軸上に形成された小径歯車432とを有しており、大径歯車431と小径歯車432とは一体に回転する。3番歯車43は支軸430に回転可能に支持され、支軸430は、第1ケース部材51の筒部511tと第3ケース部材53の筒部531tとによって両端が保持されている。従って、3番歯車43は全体が第1ケース部材51と第3ケース部材53との間に位置する。
【0065】
4番歯車44は、3番歯車43の小径歯車432に噛合する大径歯車441と、大径歯車441と同軸上に一体に形成された小径歯車442とを有しており、大径歯車441と小径歯車442とは一体に回転する。小径歯車442には、出力部材3のフランジ部32の外周面に形成された歯車320が噛合している。ここで、歯車320の外径は、小径歯車442の外径より大である。4番歯車44は支軸440に回転可能に支持され、支軸440は、第1ケース部材51の筒部511vと第3ケース部材53の筒部531vとによって両端が保持されている。従って、4番歯車44は全体が第1ケース部材51と第3ケース部材53との間に位置する。
【0066】
このように構成した減速輪列4において、1番歯車41、2番歯車42、3番歯車43および4番歯車44の歯面にグリスが塗布されており、1番歯車41、2番歯車42、3番歯車43および4番歯車44はいずれもグリス付き歯車として構成されている。また、モータピニオン24および出力部材3の歯車320にも、歯面にグリスが塗布されている。
【0067】
(トルクリミッタの構成)
図9は、本発明を適用した電動開閉装置1に設けた減速輪列4の2番歯車の斜視図であり、
図9(a)、(b)は、2番歯車をZ方向の一方側Z1からみた斜視図、および2番歯車をZ方向の一方側Z1からみた分解斜視図である。
【0068】
図9に示すように、2番歯車42は、大径歯車421が形成されたカップ状の第1回転部材48と、小径歯車422が形成された第2回転部材49とからなり、第1回転部材48と第2回転部材49との間にトルクリミッタ47が構成されている。より具体的には、第1回転部材48の円筒状胴部481の外周面には、大径歯車421が形成されている一方、円筒状胴部481の内周面には、Z方向からみたときに三角形状の凹部482が周方向で繰り返し連続して形成されたセレーション部480が形成されている。
【0069】
これに対して、第2回転部材49は、小径歯車422が外周面が形成された第1筒部491と、第1筒部491にZ方向の他方側Z2で隣接する第2筒部492とを備え、第2筒部492の外周面からは、周方向の3個所から周方向の同一方向に延在する弾性変形部490が形成されている。また、弾性変形部490の先端には、第1回転部材48の凹部482に食い込んだ凸部490が形成されている。
【0070】
このため、通常時は、第2回転部材49と第1回転部材48とは一体に回転するが、第1回転部材48に過大な負荷が加わったとき、弾性変形部490は、凸部490が周方向で隣り合う凹部482に移動するだけで、第2回転部材49の回転は、第1回転部材48には伝達されない。
【0071】
(回転検出部の構成)
図4および
図7に示すように、本形態の電動開閉装置1は、出力部材3の回転位置を検出する回転検出部7を有している。本形態において、第1ケース部材51と第3ケース部材53との間には、4番歯車44の小径歯車442に噛合して4番歯車44の回転を回転検出部7に伝達する回転検出用従動歯車70が設けられており、回転検出部7は、回転検出用従動歯車70を介して検出される4番歯車44の回転位置に基づいて、出力部材3の回転位置を検出する。
【0072】
回転検出用従動歯車70は、円盤状の歯車部701と、歯車部701からZ方向の一方側Z1に突出した第1軸部703と、歯車部701からZ方向の他方側Z2に突出した第2軸部704とを有している。回転検出用従動歯車70は、第1軸部703の端部が第2ケース部材52に形成された筒部521hに回転可能に支持され、第2軸部704の端部が第1ケース部材51に形成された筒部521hに回転可能に支持されている。
【0073】
本形態において、回転検出部7は、第1ケース部材51と第2ケース部材52との間に、フレキシブル配線基板77が接続された回路基板71と、回路基板71に実装されたポテンショメータ72とを備えている。ポテンショメータ72は、詳細な説明を省略するが、抵抗体に対して摺動するブラシを有している。
【0074】
回路基板71は、第2ケース部材52の3つの筒部521pにねじ717等によって固定されており、第1ケース部材51の板状部511に形成された開口部511f(
図6等を参照)をZ方向の一方側Z1で覆うように配置される。但し、回路基板71には、開口部511fと重なる位置に開口部710が形成されている。このため、回転検出用従動歯車70の第1軸部703の端部を、開口部511fおよびポテンショメータ72の穴720を貫通させ、第2ケース部材52の筒部521hに挿入することができる。
【0075】
本形態において、第1軸部703は外周面の一部が平坦面になっており、断面D形状である。また、ポテンショメータ72の穴720もD形状の開口形状を有している。従って、回転検出用従動歯車70の第1軸部703の端部を、ポテンショメータ72の穴720を貫通させた状態で、ポテンショメータ72のブラシは、回転検出用従動歯車70とともに変位する。
【0076】
(仕切り壁の構成)
図10は、本発明を適用した電動開閉装置1において、回転検出部7と1番歯車41との間の構成を示す断面図である。
【0077】
図10に示すように、本形態の電動開閉装置1において、回転検出部7は、第1ケース部材51と第2ケース部材52との間にポテンショメータ72を備え、かかるポテンショメータ72は、1番歯車41の径方向外側で1番歯車41の大径歯車411と隣り合う位置に配置されている。本形態において、回転検出部7は、1番歯車41より上方位置(Y方向の他方側Y2)にある。
【0078】
1番歯車41、2番歯車42、3番歯車43および4番歯車44は、グリスが塗布されたグリス付き歯車として構成されており、それ故、回転検出部7は、グリス付き歯車の径方向外側でグリス付き歯車と隣り合う位置に配置されている。但し、減速輪列4のうち、1番歯車41の大径歯車411のみがモータピニオン24とともに第1ケース部材51と第2ケース部材52との間に配置され、2番歯車42、3番歯車43および4番歯車44は、第1ケース部材51と第3ケース部材53との間に配置されている。また、回転検出部7とモータピニオン24との間には、1番歯車41の大径歯車411が介在している。このため、回転検出部7と隣り合うグリス付き歯車は、1番歯車41の大径歯車411のみである。
【0079】
本形態では、
図7および
図9に示すように、1番歯車41の大径歯車411と回転検出部7との間には仕切り壁9が設けられている。本形態において、仕切り壁9は、第2ケース部材52において第1ケース部材51が位置する側の面から第1ケース部材51に向けて突出した板状の凸部からなる。このため、仕切り壁9は、1番歯車41の大径歯車411(回転検出部7と隣り合うグリス付き歯車)と回転検出部7とに挟まれた対向領域から大径歯車411の中心と回転検出部7の中心とを結ぶ線に対して交差するX方向の一方側X1および他方側X2まで延在している。また、仕切り壁9は、X方向の両側に設けられた側板部523の内面(ケース内壁)まで連続して延在し、仕切り壁9の両端は、第2ケース部材52の側板部523に繋がっている。ここで、大径歯車411と回転検出部7とに挟まれた対向領域とは、大径歯車411のX方向の一方側X1の端部と回転検出部7のX方向の一方側X1の端部とを結ぶ線と、大径歯車411のX方向の他方側X2の端部と回転検出部7のX方向の他方側X2の端部とを結ぶ線とに挟まれた領域である。本形態において、仕切り壁9を構成する凸部は、1番歯車41の大径歯車411に沿うように湾曲する円弧部90を有している。
【0080】
仕切り壁9は、第2ケース部材52の筒部521hと繋がっており、仕切り壁9と筒部521hと繋がっている部分は、回路基板71の角部分を配置するための切り欠き91になっている。このため、仕切り壁9は、筒部521hと繋がっている部分が切り欠き91の深さ分だけ、低くなっているが、それでも、
図10に示すように、回転検出部7を1番歯車41の大径歯車411から覆った状態にある。
【0081】
(電動開閉装置1の製造工程)
本形態の電動開閉装置1の製造工程においては、まず、第1ケース部材51と第3ケース部材53との間に、出力部材3と、減速輪列4に用いた複数の歯車のうち、回転検出用従動歯車70より出力側の歯車とを配置した状態で、回転検出用従動歯車70の角度位置を調整する。本形態では、減速輪列4において回転検出用従動歯車70より出力側の歯車は4番歯車44だけであるため、第1ケース部材51と第3ケース部材53との間に4番歯車44を配置した状態で回転検出用従動歯車70の角度位置を調整する。なお、本形態では、2番歯車42、3番歯車43、およびモータ2も、第1ケース部材51と第3ケース部材53との間に配置し、1番歯車41のみを配置する前の状態で回転検出用従動歯車70の角度位置を調整する。
【0082】
より具体的には、出力部材3の凸部327がストッパ部537に当接した停止状態で、4番歯車44に回転検出用従動歯車70を噛合させる。その際、回転検出用従動歯車70には、この状態で4番歯車44に噛合すべき歯を示すマーク(図示せず)が付されている。また、回転検出用従動歯車70の角度位置とポテンショメータ72の角度位置は、回転検出用従動歯車70の第1軸部703のD形状、およびポテンショメータ72の穴720のD形状によって定まっている。従って、出力部材3の凸部327がストッパ部537に当接した停止状態(基準状態)で、4番歯車44に回転検出用従動歯車70の所定の歯を噛合させれば、ポテンショメータ72の角度位置を出力部材3の基準状態に合わせることができる。
【0083】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の電動開閉装置1では、ケース体5のZ方向の一方側Z1の面には、ケース体5を機器に固定するための複数の第1ねじ171、172が各々、出力部材3の回転中心軸線Lと平行な方向から止められる第1ねじ止め部511x、511yと、回転中心軸線Lに対して直交する第1取り付け面550とが設けられている。このため、
図3(a)に示すように、第1ねじ171、172を止めた際、第1ねじ171、172の締め込み量が変動しても、ケース体5の姿勢は、回転中心軸線Lに対して直交する第1取り付け面550によって規定される。しかも、第1ねじ止め部511x、511yのZ方向の一方側Z1の面は、第1取り付け面550の一部を構成しているため、第1ねじ171、172の締め込み量が変動しても、ケース体5の姿勢は、回転中心軸線Lに対して直交する第1取り付け面550によって確実に規定される。従って、第1ねじ171、172の締め込み量が変動しても、ケース体5の姿勢、すなわち、出力部材3の回転中心軸線Lが傾くことを抑制することができる。
【0084】
ここで、2つの第1ねじ止め部511x、511yの長さ方向(Y方向)における距離は、出力部材3に近い方の第1ねじ止め部511xと出力部材3との長さ方向(Y方向)における距離より長い。このため、2つの第1ねじ止め部511x、511yが十分に離間しているので、ケース体50を適正な姿勢に確実に固定することができる。
【0085】
さらに、ケース体5のZ方向の他方側Z2の面には、ケース体5を機器に固定するための複数の第2ねじ181、182が各々、出力部材3の回転中心軸線Lと平行な方向から止められる第2ねじ止め部531x、531yと、回転中心軸線Lに対して直交する第2取り付け面560とが設けられている。このため、
図3(b)に示すように、第2ねじ181、182を止めた際、第2ねじ181、182の締め込み量が変動しても、ケース体5の姿勢は、回転中心軸線Lに対して直交する第2取り付け面560によって規定される。しかも、第2ねじ止め部531x、531yのZ方向の他方側Z2の面は、第2取り付け面560の一部を構成しているため、第2ねじ181、182の締め込み量が変動しても、ケース体5の姿勢は、回転中心軸線Lに対して直交する第2取り付け面560によって確実に規定される。従って、第2ねじ181、182の締め込み量が変動しても、ケース体5の姿勢、すなわち、出力部材3の回転中心軸線Lが傾くことを抑制することができる。
【0086】
ここで、2つの第2ねじ止め部531x、531yの長さ方向(Y方向)における距離は、出力部材3に近い方の第2ねじ止め部531xと出力部材3との長さ方向(Y方向)における距離より長い。このため、2つの第2ねじ止め部531x、531yが十分に離間しているので、ケース体50を適正な姿勢に確実に固定することができる。
【0087】
また、第1ねじ止め部511x、511y、および第2ねじ止め部531x、531yは各々、出力部材3を回転可能に支持する第1ケース部材51および第3ケース部材53に形成されている。このため、第1ねじ止め部511x、511yによってケース体5を固定した場合、および第2ねじ止め部531x、531yによってケース体5を固定した場合のいずれにおいても、出力部材3は適正な姿勢で配置される。
【0088】
また、第2ケース部材52には大きな荷重が加わらないので、第2ケース部材52は、大きな強度を有する必要がない。それ故、第2ケース部材52については、薄く構成することができるとともに、安価な汎用樹脂で構成することができる。
【0089】
また、第1ねじ止め部511x、511yは、第1ケース部材51から第2ケース部材52の開口部521x、521yに向けて突出した筒部によって構成されているため、第1ねじ止め部511x、511yを第2ケース部材52からZ方向の一方側Z1に向けて容易に露出させることができる。しかも、第1ねじ止め部511x、511yは、開口部521x、521yに嵌合して、第1ケース部材51と第2ケース部材52とをX方向およびY方向で位置決めしている。このため、第1ケース部材51と第2ケース部材52とによって直接、回転可能に支持されている回転検出用従動歯車70を適正な姿勢で支持することができる。
【0090】
また、本形態の電動開閉装置1において、減速輪列4に用いた歯車にはグリスが塗布されているが、回転検出部7が径方向外側で隣り合う1番歯車41の大径歯車411と回転検出部7との間には仕切り壁9が設けられている。このため、グリスが回転検出部7に付着しにくいので、グリスの付着に起因する回転検出部7での誤検出等の不具合の発生を抑制することができる。
【0091】
特に、モータピニオン24と噛合する1番歯車41は、回転速度が高いため、遠心力によってグリスが飛散しやすいが、本形態によれば、かかる場合でも、回転検出部7へのグリスの付着を抑制することができる。また、回転検出部7と1番歯車41の大径歯車411とは、第1ケース部材51と第2ケース部材52とによって区画された空間内に位置するため、1番歯車41から飛散したグリスが回転検出部7に付着しやすいが、本形態によれば、かかる場合でも、仕切り壁9によって回転検出部7へのグリスの付着を抑制することができる。また、仕切り壁9は、1番歯車41の大径歯車411(回転検出部7と隣り合うグリス付き歯車)と回転検出部7とに挟まれた対向領域からX方向の一方側X1およびX方向の他方側X2まで延在し、X方向の両側に設けられた側板部523の内面(ケース内壁)まで連続して延在している。このため、グリスが回転検出部7に付着するのを効果的に抑制することができる。また、仕切り壁9は、1番歯車41の大径歯車411(回転検出部7と隣り合うグリス付き歯車)と回転検出部7とに挟まれた対向領域からX方向の一方側X1およびX方向の他方側X2まで延在し、X方向の両側に設けられた側板部523の内面(ケース内壁)まで連続して延在している。このため、グリスが回転検出部7に付着するのを効果的に抑制することができる。
【0092】
また、仕切り壁9は、第2ケース部材52において第1ケース部材51と対向する面に形成された凸部からなるため、仕切り壁9を構成する部材を別途、追加する必要がないという利点がある。ここで、仕切り壁9は、第1ケース部材51において第2ケース部材52と対向する面に形成された凸部によって構成してもよい。但し、本形態では、大径歯車411が回転検出部7の回路基板71に対してZ軸方向の一方側Z1(第2ケース部材52の側)で重なった構造とすることにより、ケース体5の薄型化を図っているため、仕切り壁9は、第2ケース部材52において第1ケース部材51と対向する面に形成した方が好ましい。
【0093】
また、回転検出部7は、仕切り壁9や1番歯車41の大径歯車411(グリス付き歯車)より重力方向を基準として上方位置に配置されているため、グリスが自重で回転検出部7に付着することを防止することができる。
【0094】
また、本形態において、回転検出部7はポテンショメータ72を備えているため、ポテンショメータ72の接点に多量にグリスが付着すると、致命的な不具合となるため、仕切り壁9を設けてグリスの付着を抑制した場合の効果が顕著である。
【0095】
(他の実施の形態)
上記実施の形態では、第1ねじ171、172が各々、出力部材3の回転中心軸線Lと平行な方向から止められる構成であったが、第1ねじ171、172が各々、出力部材3の回転中心軸線Lに対して斜めの方向から止められる場合でも、回転中心軸線Lに対して直交する第1取り付け面550を設けておけば、ケース体5を適正な姿勢で固定することができる。同様に、第2ねじ181、182が各々、出力部材3の回転中心軸線Lに対して斜めの方向から止められる場合でも、回転中心軸線Lに対して直交する第2取り付け面560を設けておけば、ケース体5を適正な姿勢で固定することができる。
【0096】
上記実施の形態では、1番歯車41、2番歯車42、3番歯車43および4番歯車44が支軸を介してケース体5に回転可能に支持されている構成であったが、1番歯車41、2番歯車42、3番歯車43および4番歯車44の一部あるいは全てがケース体5に回転可能に支持された回転軸を備えている構成であってもよい。
【0097】
なお、上記の例では、電動開閉装置1が便座や便蓋を駆動しているが、洗濯機の洗濯槽への洗濯物投入口を開閉する蓋体を駆動する構成であってもよい。