(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る膜厚測定装置および膜厚測定方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0012】
本発明の一実施形態に係る膜厚測定装置は、照射光の照射領域内を通過する薄膜に対して互いに異なる2種の入射角θAおよびθBで照射光を入射し、この2種の入射光に対応する薄膜の反射干渉光の波長分布にもとづいて薄膜の膜厚を測定するものである。
【0013】
(1.概略構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る膜厚測定装置10の一例を示す概略的な全体構成図である。なお、以下の説明では、薄膜の法線方向をZ軸、薄膜の法線方向に垂直かつ薄膜の移動方向をX軸とする場合の例について示す。
【0014】
膜厚測定装置10は、照射部11、受光部12、分光部13、コンベヤ14、作製装置15および情報処理装置16を有する。なお、本実施形態に係る膜厚測定装置10の膜厚および屈折率の算出処理において情報処理装置16の主制御部を除く構成は同処理において必須の構成ではなく適宜省略されてもよい。たとえば薄膜の反射干渉光データがネットワークを介して受信可能な場合には、情報処理装置16を除く構成は同処理において不要である。
【0015】
照射部11は、光源20、第1の照射ユニット21および第2の照射ユニット22を有する。
【0016】
光源20は、ハロゲンランプや広帯域レーザなどにより構成され、所定の波長範囲を有する照射光を出射し、この照明光を光ファイバなどにより構成されるライトガイド23を介してそれぞれ第1の照射ユニット21および第2の照射ユニット22に与える。また、第1の照射ユニット21および第2の照射ユニット22の光源20側の光路上には、それぞれシャッタ24および25が設けられる。
【0017】
第1の照射ユニット21および第2の照射ユニット22は、対象物26に対し、互いに異なる第1の入射角θAおよび第2の入射角θBで所定の時間間隔で交互に照射光を照射する。対象物26は、基板27を有し、基板27の表面には薄膜28が形成される。
【0018】
シャッタ24および25は、情報処理装置16により制御されて、第1の照射ユニット21による対象物26に対する照射光の照射と第2の照射ユニット22による対象物26に対する照射光の照射が所定の時間間隔で交互に行われるよう、照射光を適宜遮蔽する。
【0019】
受光部12は、第1の受光ユニット31および第2の受光ユニット32を有する。
【0020】
第1の受光ユニット31は、薄膜28の表面の法線を介して第1の照射ユニット21に対向する位置に配置される。第1の受光ユニット31は、第1の照射ユニット21により第1の入射角θAで薄膜28に照射された光の薄膜28による第1の反射干渉光を、第1の入射角θAにほぼ等しい第1の反射角で受光する。また、第2の受光ユニット32は、薄膜28の表面の法線を介して第2の照射ユニット22に対向する位置に配置される。第2の受光ユニット32は、第2の照射ユニット22により第2の入射角θBで薄膜28に照射された光の薄膜28による第2の反射干渉光を、第2の入射角θBにほぼ等しい第2の反射角で受光する。
【0021】
なお、入射角θAおよびθBの一方を0度とする場合は、ビームスプリッタを用いるとよい。たとえば入射角θAを0度とする場合、第1の受光ユニット31は、薄膜28の表面の法線を介して第1の照射ユニット21に対向する位置には配置されない。この場合、たとえば第1の照射ユニット21がX軸に平行に配置され、第1の受光ユニット31が薄膜28の法線上に配置される。このとき、第1の照射ユニット21からX軸に平行に出射された照射光は、ビームスプリッタを介してZ軸に平行に(薄膜28の法線に平行に)薄膜28に向かって反射されることにより、入射角0度で薄膜28に照射される。そして第1の反射干渉光は、反射角0度で(Z軸に平行に)反射されてビームスプリッタを透過し、第1の受光ユニット31により受光される。
【0022】
分光部13は、一般的な分光器により構成され、ライトガイド33を介して第1の受光ユニット31により受光された反射干渉光および第2の受光ユニット32により受光された反射干渉光を交互に受ける。分光部13は、反射干渉光のそれぞれを所定の波長帯域で分光して、波長ごとの反射干渉光の強度の情報を情報処理装置16に与える。
【0023】
図2(a)は、薄膜28が所定の照射位置35を等速で通過する様子の一例を示すz方向矢視図であり、(b)は、y方向矢視図、(c)はx方向矢視図である。以下の説明では、第1の入射角θAが20度、第2の入射角θBが30度である場合の例について示す。
図2(a)、(b)、(c)において、薄膜はそれぞれ右から左、右から左、紙面奥から手前へ移動する。
【0024】
なお、便宜上、
図2(a)においてはシャッタ24、25の図示を省略した。また
図2(b)においては第2の照射ユニット22および第2の受光ユニット32が、(c)においては第1の照射ユニット21および第1の受光ユニット31が、それぞれ紙面の奥行方向に重畳していることに注意する。
【0025】
図2に示すように、薄膜28を有する対象物26は、コンベヤ14のベルト(載置部)36に載置され、第1の照射ユニット21および第2の照射ユニット22の照射位置35を一定速度で通過する。
【0026】
コンベヤ14は、1組のローラ対と、このローラ対に掛け渡された無端状のベルト36とから構成されており、図示しない駆動部により駆動されるようになっている。情報処理装置16は、駆動部を制御することにより薄膜28の移動速度を制御する。
【0027】
作製装置15は、所定の作製条件に従って対象物26を作製するための装置である。作製装置15の対象物26の作製ラインの載置部36aは、コンベヤ14のベルト36と連結され、ベルト36と同じ速度で対象物26を移動させる。
【0028】
本実施形態に係る対象物26の薄膜28としては、たとえば、所定の粒径を有する酸化チタンなどの誘電体により構成された膜や、接着剤や、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極膜などを用いることができる。誘電体薄膜の場合、膜の充填率(見かけの充填率)は作製条件によって変化する。たとえば対象物26が色素増感太陽電池自体である場合または色素増感太陽電池の物性を検査するための試料である場合、作製装置15は、薄膜28として、色素増感太陽電池の光電極に用いられる酸化チタン薄膜28を基板27上に形成する。
【0029】
酸化チタン薄膜28は、たとえば酸化チタンのナノ粒子を所定の温度で加熱して得られる多孔質膜である。この種の焼成や焼結により得られる多孔質膜の充填率は、加熱温度、加熱時間などの作製条件に応じて変化することが知られている。また、多孔質膜の屈折率は、充填率に応じて異なることが知られている。このため、酸化チタン薄膜28の屈折率は、作製条件によって変化する。
【0030】
そこで、本実施形態に係る情報処理装置16は、この種の屈折率が未知な薄膜28を移動させながらであっても、薄膜28の膜厚および屈折率を正確に測定可能に構成される。
【0031】
情報処理装置16は、たとえばデスクトップ型やノートブック型のパーソナルコンピュータやワークステーションなどにより構成することができる。情報処理装置16は、入力部51、表示部52、記憶部53および主制御部54を有する。
【0032】
入力部51は、たとえばキーボード、トラックボール、タッチパネル、テンキーなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を主制御部54に出力する。表示部52は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、主制御部54の制御に従って各種情報を表示する。記憶部53は、CPUにより読み書き可能な記憶媒体である。記憶部53は、あらかじめ、入射角、膜厚および屈折率を変数とした関数として光路差Lを表した式を記憶している。
【0033】
主制御部54は、分光部13から反射干渉光の分光スペクトルを受け、この分光スペクトルを用いて光路差Lを求める。また、主制御部54は、記憶部53に記憶された式を用いて薄膜28の計測位置ごとに膜厚および屈折率を求める。主制御部54の構成および動作の詳細については後述する。
【0034】
(2.薄膜の計測位置)
図3(a)は、本実施形態に係る照射光スポットエリア(所定の照射位置35)のサイズと受光スポットエリア37のサイズの関係の一例を示す説明図であり、(b)は所定の照射位置35と計測位置の関係の一例を示す説明図である。
【0035】
干渉信号を効率的に集光するためには、照射光スポットエリア35の半径r1よりも受光スポットエリア37の半径r2のほうが大きいことが好ましい(
図3(a)参照)。照射光スポットエリア35の半径r1は、照射ユニット21および22を構成するレンズの開口数などを調整することにより制御できる。また、受光スポットエリア37の半径r2は、受光ユニット31および32を構成するレンズの開口数などを調整することにより制御できる。
【0036】
薄膜28は、ベルト36に載置されて、照射位置35を通過する。一方、第1の照射ユニット21および第2の照射ユニット22は、互いに異なる第1の入射角θAおよび第2の入射角θBで、照射位置35に対して所定の時間間隔で交互に照射光を照射する。このため、薄膜28上の計測位置X1、X2、・・・、Xn−1、Xn、Xn+1、・・・Xm(ただし、mは正整数、nは偶数をあらわす)の隣り合う計測位置どうしは、互いに異なる入射角から照射光を照射されることになる。
【0037】
情報処理装置16は、ベルト36の速度およびシャッタ24、25を制御することにより、計測位置および計測位置どうしの間隔を制御することができる。
【0038】
以下の説明では、第1の入射角θAで照射光が照射される計測位置をXn−1(A)、第2の入射角θBで照射光が照射される計測位置をXn(B)とあらわすものとする(
図3(b)参照)。また、Xn−1(A)で得られた反射干渉光の波長分布を用いて求められた光路差を光路差Ln−1(A)、Xn(B)で得られた反射干渉光の波長分布を用いて求められた光路差を光路差Ln(B)とあらわすものとする。
【0039】
なお、反射干渉光の高強度化を目指すため、
図3(a)に示す方法に代えてまたは加えて、薄膜28の測定エリアサイズを狭くしてもよいし、薄膜28の構成粒子の粒径に応じた光源波長および入射角を用いてもよいし、あらかじめ基板27のみの反射率を測定し、その結果から反射率の大きい測定波長を用いてもよい(たとえば特開2013−79921号公報参照)。
【0040】
(3.主制御部の構成)
主制御部54は、CPU、RAMおよびROMをはじめとする記憶媒体などにより構成され、この記憶媒体に記憶されたプログラムに従って膜厚測定装置10の動作を制御する。主制御部54のCPUは、ROMをはじめとする記憶媒体に記憶された膜厚測定プログラムおよびこのプログラムの実行のために必要なデータをRAMへロードする。CPUは、このプログラムに従って、薄膜28が移動している場合であっても、屈折率が未知の薄膜28の膜厚を正確に測定するための処理を実行する。
【0041】
主制御部54のRAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。主制御部54のROMをはじめとする記憶媒体は、情報処理装置16の起動プログラム、膜厚測定プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0042】
なお、ROMをはじめとする記憶媒体は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
【0043】
図4は、主制御部54のCPUによる機能実現部の構成例を示す概略的なブロック図である。なお、この機能実現部は、CPUを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0044】
図4に示すように、主制御部54のCPUは、膜厚測定プログラムによって、少なくとも駆動制御部61、シャッタ制御部62、波長分布生成部63、光路差算出部64、光路差補間部65、膜厚屈折率算出部66および充填率算出部67として機能する。この各部61−67は、RAMの所要のワークエリアをデータの一時的な格納場所として利用する。
【0045】
駆動制御部61は、コンベヤ14の駆動部を制御することにより、薄膜28の移動速度を制御する。
【0046】
シャッタ制御部62は、一の入射角による反射干渉光が他の入射角による反射干渉光に混入する弊害を未然に防ぐよう、所定の照射位置35に対して第1の照射ユニット21および第2の照射ユニット22から所定の時間間隔で交互に照射光が照射されるようにシャッタ24および25を制御する。
【0047】
図5は、波長分布生成部63により生成される、反射干渉光の波長分布の一例を示す説明図である。
図5には、膜厚d=16μm、屈折率n=1.6を目標に作製された薄膜28について波長分布生成部63により生成された波長分布の一例を示した。
図5において、実線は第1の入射角θA=20度に対応する計測位置Xn−1(A)における波長分布の一例を、破線は第2の入射角θB=30度に対応する計測位置Xn(B)における波長分布の一例を、それぞれ示す。
【0048】
波長分布生成部63は、分光部13により生成された各波長における反射干渉光の強度の情報にもとづいて、各計測位置Xnのそれぞれについて、所定の波長帯域ごとのデータからなる離散的な波長分布を生成する(
図5参照)。
【0049】
光路差算出部64は、複数の計測位置X1(A)、X2(B)、・・・、Xmのそれぞれについて、各計測位置に対して照射光が照射された入射角で得られた反射干渉光の波長分布を用いて光路差L(以下、適宜実測光路差Lという)を求める。
【0050】
たとえば、計測位置Xn(B)は、入射角θBにより照射光が照射される計測位置である。この計測位置Xn(B)の光路差Ln(B)について、光路差算出部64は、計測位置Xn(B)で得られた反射干渉光の波長分布を用いて求める。
【0051】
光路差補間部65は、複数の計測位置X1(A)、X2(B)、・・・、Xmのそれぞれについて、一方の入射角で照射光が照射された計測位置に対して他方の入射角で前記照射光が照射されたと仮定した場合に推定される光路差である光路差(補間光路差)L’を、当該計測位置から所定距離内の計測位置で光路差算出部64により求められた光路差Lを用いて求める。
【0052】
たとえば、計測位置Xn(B)について考える。計測位置Xn(B)は、入射角θBによる照射光で反射干渉光が実測される計測位置である。このため、光路差算出部64が算出する実測光路差Ln(B)は、入射角θBによる照射光で実測された反射干渉光の波長分布を用いて求められたものである。換言すれば、計測位置Xn(B)に対しては、入射角θAからの光は照射されていない。光路差補間部65は、計測位置Xn(B)に対して入射角θAで照射光が照射されたと仮定した場合に推定される補間光路差L’n(A)を、計測位置Xn(B)から所定距離内の計測位置で光路差算出部64により求められた実測光路差Lを用いて求める。
【0053】
膜厚屈折率算出部66は、複数の計測位置のそれぞれについて、記憶部53に記憶された式を用いて、実測した入射角および光路差算出部64により求められた実測光路差L、ならびに実測していない入射角および光路差補間部65により求められた補間光路差L’を式に代入することにより、各計測位置における薄膜28の膜厚dおよび屈折率nを求め、その結果を表示部52に表示する。
【0054】
充填率算出部67は、膜厚屈折率算出部66により求められた屈折率nを用いて、薄膜28の各計測位置における薄膜28の構成材料の充填率を求める。
【0055】
(3−1.実測光路差Lの算出方法)
光路差算出部64は、薄膜28の表面と裏面、および多層膜であればその界面各々で反射された光の干渉(反射干渉光)の波長分布を用いて実測光路差Lを算出する。従来、反射干渉光の波長分布を用いた光路差Lの算出方法として種々の方法が知られており、光路差算出部64は、これらのうち任意のものを使用することができる。
【0056】
図6は、薄膜28の表面反射光と裏面反射光の光路差Lを説明するための図である。
【0057】
照射光が薄膜28の表面28aに入射角θ1で入射する場合、膜厚をd、屈折角をθ2とすると、薄膜表面28aでの反射光(表面反射光)と薄膜裏面28bでの反射光(裏面反射光)との行程差ΔSは次のように書ける。
【数1】
【0058】
薄膜28の屈折率をnとすると、光路差Lは、行程差ΔSに屈折率nを乗じたものである。
【数2】
【0059】
基板27の屈折率が薄膜28の屈折率より大きい場合、光路差Lと反射干渉光のピーク波長λ
mには次の式(3)の関係があることが知られている。
【数3】
【0060】
このため、反射干渉光の波長分布は、各mに対応する複数のピークを有する波形となる(
図5参照)。なお、基板27の屈折率が薄膜28の屈折率より小さい場合には界面反射の際に位相反転が起きるため、式(3)に代えてL=(m+1/2)・λ
mを用いればよい。
【0061】
したがって、光路差算出部64は、式(3)を用いて、各計測位置について、反射干渉光の波長分布(
図5参照)のピークの波長から実測光路差Lを求めることができる。ピーク位置を求める方法には、従来、フーリエ変換を用いる方法、カーブフィッティング法や、ピークバレー法などがあり、これらのいずれを用いてもよい。
【0062】
また、光路差算出部64は、反射干渉光の波長分布に対して離散フーリエ変換を行うことにより実測光路差Lを求めてもよいし(特開2013−79921号公報参照)、反射干渉光の波長分布に対して所定のテンプレート波形を用いた正規化相関演算を行うことにより実測光路差Lを求めてもよい(特開2013−253803号公報参照)。
【0063】
(3−2.補間光路差L’の算出方法)
図7(a)は薄膜28の膜厚dおよび屈折率nが計測位置によらず均一な場合の計測位置と光路差との関係の一例を示す説明図であり、(b)は不均一な場合の計測位置と光路差との関係の一例を示す説明図である。
【0064】
図7(a)に示すように、薄膜28の膜厚dおよび屈折率nが計測位置によらず均一であれば、入射角θAおよびθBのそれぞれについて適当な1箇所ずつの計測位置でそれぞれ反射干渉光を実測すればよい。この場合、入射角θAおよびθBのそれぞれについて適当な1箇所ずつ(たとえばXn+3(A)とXn−2(B)など)の計測位置の実測光路差(たとえばLn+3(A)とLn−2(B)など)から正確に膜厚dおよび屈折率nをもとめることができる。
【0065】
ところが、実際に作製される対象物26の薄膜28は、計測位置に応じて異なる膜厚dや屈折率nを有することが多い(
図7(b)参照)。一方、2方向反射率分光法では、互いの反射光が散乱してしまうため、同一の測定位置に対して2種の入射角θAおよびθBの両方から同時に反射干渉光を実測することはできず、各入射角から所定時間間隔で交互に反射干渉光を実測する必要がある。このため、2方向反射率分光法において薄膜28が照射位置35を通過するときは、この所定時間間隔の間に薄膜28と照射位置35との位置関係が変化してしまうことから、同一の測定位置に対して2種の入射角θAおよびθBの両方から反射干渉光を実測することはできない。そこで、各計測位置における膜厚dは、実測した入射角に対応する光路差Lを用いて推定することが必要となる。
【0066】
図8は、2方向反射率分光法において薄膜28が照射位置35を通過する場合に、補間光路差L’を求めることなく各計測位置における膜厚dおよび屈折率nを求める単純な方法を説明するための図である。また、
図9は、
図8に示す例において計測位置Xn(B)で入射角θAの照射光を用いて実測した光路差70の一例を示す説明図である。
【0067】
実測した入射角に対応する光路差Lを用いて各計測位置における膜厚dおよび屈折率nを推定する単純な方法として、隣接する計測位置どうしの実測光路差Lを用いる方法が考えられる(
図8の破線参照)。この単純な方法では、隣接する計測位置どうしの実測光路差と入射角θA、θBを記憶部53に記憶された式に代入することにより膜厚dおよび屈折率nを求めることになる。
【0068】
この方法では、たとえばXn−1(A)とXn(B)の実測光路差Ln−1(A)とLn(B)、および入射角θA、θBを記憶部53に記憶された式に代入することにより、膜厚dおよび屈折率nを求めることになる。求められた膜厚dおよび屈折率nは、計測位置Xn−1またはXnでの算出値としてあつかわれる。
【0069】
しかし、この単純な方法では、算出される膜厚dおよび屈折率nが大きな誤差を含んでしまう。たとえば、Xn−1(A)とXn(B)の実測光路差Ln−1(A)とLn(B)を用いて算出した膜厚dおよび屈折率nをXnのものとする場合を考える。この場合、Xn−1(A)の実測光路差Ln−1(A)を、Xnで入射角θAから実測した値と擬制しているにほかならない。
【0070】
ところが、異なる計測位置のそれぞれの膜厚dや屈折率nが異なると、当然実測光路差Lも異なる(式(2)、
図6、
図7(b)参照)。このため、たとえばベルト36を停止させるなどして実際に計測位置Xn(B)で入射角θAの照射光を用いて実測した光路差70は、隣接する計測位置Xn−1(A)やXn+1(A)の実測光路差Ln−1(A)やLn+1(A)とは異なってしまう(
図9参照)。したがって、
図8に示す単純な方法では、どうしても算出される膜厚dおよび屈折率nが大きな誤差を含んでしまう。
【0071】
そこで、光路差補間部65は、各計測位置について、一方の入射角で照射光が照射された計測位置に対して他方の入射角で照射光が照射されたと仮定した場合に推定される補間光路差L’を求める。
【0072】
(3−2−1.第1の算出方法)
図10は、本実施形態に係る第1の算出方法により補間光路差L’を求める様子の一例を示す説明図である。以下、計測位置Xn(B)における補間光路差L’n(A)を求める場合の例について説明する。
【0073】
第1の補間光路差L’の算出方法は、各計測位置について、その計測位置で実測していない入射角の他の複数の計測位置での実測光路差Lを用いて補間光路差L’を求める方法である。具体的には、第1の補間光路差L’の算出方法は、計測位置Xn(B)における補間光路差L’n(A)を、計測位置Xn(B)から所定距離内の計測位置に対応するLn−1(A)、Ln+1(A)などを用いて求める方法である。
【0074】
この方法では、計測位置Xn(B)における補間光路差L’n(A)を求める場合、たとえば計測位置Xn(B)を挟む前後複数点の計測位置であり、かつ入射角θAに対応する計測位置の実測光路差L(A)の分布を用いる。
【0075】
図10には、計測位置Xn(B)を挟む前後2点ずつの実測光路差Ln−3(A)、Ln−1(A)、Ln+1(A)、Ln+3(A)の2次近似関数を求める場合の例について示した。光路差補間部65は、この2次近似関数の計測位置Xn(B)における値を、補間光路差L’n(A)として求める。
【0076】
第1の補間光路差L’の算出方法は、計測位置Xn(B)の近傍における実測光路差L(A)の分布を用いるため、計測位置Xn(B)の近傍における薄膜28の物性変化を反映した補間光路差L’n(A)を求めることができる。このため、第1の補間光路差L’の算出方法によれば、
図8に示した単純な方法にくらべ、より正確に各計測位置における膜厚dおよび屈折率nを求めることができる。
【0077】
(3−2−2.第2の算出方法)
図11は、本実施形態に係る第2の算出方法により補間光路差L’を求める様子の一例を示す説明図である。また、
図12は、本実施形態に係る第2の算出方法により補間光路差L’を求める様子の他の一例を示す説明図である。
【0078】
第2の補間光路差L’の算出方法は、各計測位置について、その計測位置で実測した入射角の他の複数の計測位置での実測光路差Lを用いて補間光路差L’を求める方法である。具体的には、第2の補間光路差L’の算出方法は、計測位置Xn(B)における補間光路差L’n(A)を、計測位置Xn(B)から所定距離内の計測位置(計測位置Xn(B)を含む)に対応するLn−2(B)、Ln(B)Ln+2(B)などを用いて求める方法である。
【0079】
この方法では、計測位置Xn(B)における補間光路差L’n(A)を求める場合、たとえば計測位置Xn(B)を含む前後複数点の計測位置であり、かつ入射角θBに対応する計測位置の実測光路差L(B)の分布を用いる。
【0080】
図11には、計測位置Xn(B)と、計測位置Xn(B)の前後各1つずつの計測位置Xn−2(B)およびXn+2(B)との実測光路差変化率を求める場合の例について示した。この場合、光路差補間部65は、実測光路差Ln−2(B)とLn(B)を結ぶ直線71の傾きおよびLn(B)とLn+2(B)を結ぶ直線72の傾きを求める。つぎに、光路差補間部65は、入射角θAに対応する計測位置のうち計測位置Xn(B)の前後各1つの計測位置Xn−1(A)およびXn+1(A)を抽出する。そして、光路差補間部65は、計測位置Xn−1(A)を通り直線71と同一の傾きを有する直線の計測位置Xn(B)での値73と、計測位置Xn+1(A)を通り直線72と同一の傾きを有する直線の計測位置Xn(B)での値74の平均を、補間光路差L’n(A)として求める。
【0081】
また、
図12には、計測位置Xn(B)の前後各1つおよび計測位置Xn(B)の実測光路差Ln−2(B)、Ln(B)、Ln+2(B)の2次近似関数を求める場合の例について示した。この場合、光路差補間部65は、まず計測位置Xn(B)の実測光路差Ln−2(B)、Ln(B)、Ln+2(B)の2次近似関数を求める。つぎに、この2次近似関数を入射角θAに対応する実測光路差L(A)の列に向けて平行移動し、最小2乗的な意味で誤差が最小となる位置を求める。そして、光路差補間部65は、この求めた位置における2次近似関数の計測位置Xn(B)における値を、補間光路差L’n(A)とする。
【0082】
第2の補間光路差L’の算出方法は、
図11および
図12に示すように、計測位置Xn(B)の近傍における実測光路差L(B)の分布を用いるため、計測位置Xn(B)の近傍における薄膜28の物性変化を反映した補間光路差L’n(A)を求めることができる。このため、第2の補間光路差L’の算出方法によっても、
図8に示した単純な方法にくらべ、より正確に各計測位置における膜厚dおよび屈折率nを求めることができる。さらに、第2の補間光路差L’の算出方法は、補間光路差L’を求める計測位置における実測光路差Ln(B)を用いることができるため、第1の補間光路差L’に比べ、計測位置Xn(B)の近傍における薄膜28の物性変化をより正確に反映した補間光路差L’n(A)を求めることができる。
【0083】
(3−2−3.膜厚および屈折率の算出)
次に、膜厚屈折率算出部66による薄膜28の膜厚dおよび屈折率nの算出方法について説明する。
【0084】
雰囲気の屈折率を1とすると、入射角θ1と屈折角θ2の関係を示す次式(4)にもとづいて、式(3)は入射角θ1を用いて次式(5)のように変形できる。
【数4】
【数5】
【0085】
したがって、式(5)から、2種の入射角における光路差Lが得られれば、膜厚dおよび屈折率nを求めることができることがわかる。この式(5)は、あらかじめ記憶部53に記憶される。なお、式(5)は、主制御部54のROMをはじめとする記憶媒体に記憶されてもよい。
【0086】
膜厚屈折率算出部66は、複数の計測位置のそれぞれについて、実測した入射角および実測光路差L、ならびに実測していない入射角および補間光路差L’を式(5)に代入することにより、各計測位置における薄膜28の膜厚dおよび屈折率nを求める。たとえば、計測位置Xn(B)について、膜厚屈折率算出部66は、入射角θBおよび実測光路差Ln(B)の組と、入射角θAおよび補間光路差L’n(A)の組とを式(5)に代入することにより、計測位置Xn(B)における薄膜28の膜厚dおよび屈折率nを求めることができる。
【0087】
(3−3.充填率)
本実施形態に係る膜厚屈折率算出部66によれば、薄膜28の屈折率nを測定することができる。このため、薄膜28の屈折率nと、薄膜を構成する誘電体の結晶における屈折率とを比較することにより、この薄膜を構成する誘電体の薄膜28中の充填率(見かけの充填率)を求めることができる。
【0088】
たとえば、誘電体が酸化チタンである場合、酸化チタン薄膜中の酸化チタンの含有率をa(%)とし、酸化チタン薄膜の見かけの充填率をb(%)=100−a(%)とする。また、酸化チタンの屈折率をN1、薄膜内の空間を充填する他の物質(たとえば空気などの雰囲気気体や樹脂など)の屈折率をN2とする。
【0089】
いま、酸化チタン薄膜の屈折率Naは、酸化チタン薄膜中の酸化チタンと薄膜内の空間を充填する他の物質の含有比率に比例すると仮定する。この仮定は、酸化チタンが均質な場合は成り立つ。このとき、酸化チタン薄膜の屈折率Naは、次の式(6)で与えられる。
【0090】
【数6】
式(6)を変形すると、次の式(7)が得られる。
【数7】
【0091】
したがって、屈折率N1およびN2が既知であるものとすれば、膜厚屈折率算出部66が求めた屈折率をNaとして式(7)に代入することで、酸化チタンの含有率aが求められる。このa(%)から、酸化チタン薄膜の見かけの充填率b(%)=100−a(%)を求めることができる。
【0092】
充填率bは、屈折率nに応じて変化する。また、充填率bは、作製条件に応じて変化することが知られている。そこで、充填率算出部67は、測定位置ごとに求めた充填率bの情報を作製装置15に与えてもよい。この場合、作製装置15は、充填率算出部67から受けた薄膜28の充填率bの情報にもとづいて、充填率bが所定の値に近づき目標とする物性を有する薄膜28が作製されるように、リアルタイムに作製条件を修正することができる。
【0093】
(4.動作)
次に、本実施形態に係る膜厚測定装置10の動作の一例について説明する。
【0094】
図13は、
図1に示す主制御部54のCPUにより、薄膜28が移動している場合であっても、屈折率nが未知の薄膜28の膜厚dを正確に測定する際の手順の一例を示すフローチャートである。
図13において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
【0095】
この手順は、式(5)が記憶部53に記憶されるとともに、ベルト36に対象物26が載置されて等速移動しながら照射位置35に差し掛かってスタートとなる。
【0096】
まず、ステップS1において、照射部11は、照射位置35を通過する薄膜28に対して、入射角θAおよびθBから所定の時間間隔で交互に照射光を照射する。この結果、薄膜28上の一連の複数の計測位置X1(A)、X2(B)、・・・、Xmに対して入射角θAおよびθBから交互に照射光が照射されることになる。換言すれば、照射部11は、計測位置が照射位置35を通過するごとに入射角をθAおよびθBの一方に交互に変更して照射光を照射する。各計測位置における照射光の反射光は、受光部12を介して分光部13に与えられる。
【0097】
次に、ステップS2において、分光部13は、各計測位置における反射干渉光を所定の波長帯域で分光して、各波長における反射干渉光の強度の情報を波長分布生成部63に与える。波長分布生成部63は、各計測位置Xnのそれぞれについて、分光部13により生成された各波長における反射干渉光の強度の情報にもとづいて波長分布を生成する(
図5参照)。
【0098】
次に、ステップS3において、光路差算出部64は、計測位置ごとに、実測した波長分布にもとづいて実測光路差Lを求める。
【0099】
次に、ステップS4において、光路差補間部65は、計測位置ごとに、実測していない方の入射角で照射光を照射したと仮定した場合の補間光路差L’を、当該計測位置から所定距離内の複数の計測位置の実測光路差Lを用いて算出する。このとき、光路差補間部65は、
図10に示す第1の補間光路差L’の算出方法を用いてもよいし、
図11または
図12に示す第2の補間光路差L’の算出方法を用いてもよいし、複数の算出方法で求めた値の平均を補間光路差L’としてもよい。
【0100】
次に、ステップS5において、膜厚屈折率算出部66は、記憶部53から式(5)を取得する。
【0101】
次に、ステップS6において、膜厚屈折率算出部66は、計測位置ごとに記憶部53から取得した式(5)に対して、実測した入射角および実測光路差Lの組と、実測していない入射角および補間光路差L’の組とを代入する。
【0102】
次に、ステップS7において、膜厚屈折率算出部66は、ステップS6で得られた2式を連立することにより、計測位置ごとに、薄膜28の膜厚dおよび屈折率nを算出する。
【0103】
以上の手順により、薄膜28が移動している場合であっても、屈折率nが未知の薄膜28の膜厚dを正確に測定することができる。
【0104】
本実施形態に係る膜厚測定装置10は、第1の補間光路差L’の算出方法や第2の補間光路差L’の算出方法により、実測していない方の入射角に対応する補間光路差L’を、当該計測位置から所定距離内の複数の計測位置の実測光路差Lを用いて算出する。このため、薄膜28が移動している場合であっても、各計測位置における入射角と光路差の正確な組を2組得ることができる。したがって、膜厚測定装置10によれば、薄膜28が移動している場合であっても、屈折率nが未知の薄膜28の膜厚dおよび屈折率nを正確に測定することができる。
【0105】
また、本実施形態に係る膜厚測定装置10は、各計測位置において2つの入射角から光を照射することなく、1つの入射角からの光の照射のみで膜厚dおよび屈折率nを正確に求めることができる。たとえば、
図8に示した単純な方法を採用する場合、隣り合う計測位置における物性変化をできるだけ小さくするため、計測位置の間隔をできるだけ小さくしなければならない。一方、本実施形態に係る膜厚測定装置10は、補間光路差L’を求める計測位置の近傍の物性変化を実測光路差Lにより予測することにより正確な補間光路差L’を求めることができる。このため、本実施形態に係る膜厚測定装置10によれば、隣り合う計測位置どうしの露光開始タイミングの間隔を広くすることができる。このため、各計測位置における処理に要する時間(たとえば、露光時間、データ転送時間、データ加工時間等)が多くかかってしまい上記露光開始タイミングの間隔が広くなってしまう場合であっても、容易に正確な膜厚dおよび屈折率nを測定することができる。
【0106】
また、本実施形態に係る膜厚測定装置10によれば、接触法よりも正確に膜厚dおよび屈折率nを求めることができる。接触法では薄膜28の表面の位置を測定するにとどまるため、基板27のたわみ等には全く対処できない。
【0107】
また、本実施形態に係る膜厚測定装置10は、正確に求めた屈折率nから充填率bを求めることができる。このため、膜厚測定装置10は、測定位置ごとに求めた充填率bの情報を作製装置15に与えることができる。この場合、作製装置15は、充填率算出部67から受けた薄膜28の充填率bの情報にもとづいて、充填率bが所定の値に近づき目標とする物性を有する薄膜28が作製されるように、リアルタイムに作製条件を修正することができる。
【0108】
したがって、作製装置15を備える場合、膜厚測定装置10は、正確に求めた屈折率nから薄膜28の充填率bを求めることができるとともに、この充填率bの情報を用いることにより、作製する対象物26の充填率b、すなわち屈折率nを、容易に最適化することができる。なお、膜厚測定装置10は、作製装置15を備えずともよく、この場合充填率算出部67も備えずともよい。
【0109】
(5.実施例)
図5に波長分布を示した膜厚d=16μm、屈折率n=1.6を目標に作製された薄膜28に関する比較例1、2および実施例1、2を以下に説明する。
【0110】
比較例1は、各計測位置において薄膜28を停止させることにより、各計測位置に対して2方向から反射干渉光を測定した例である。一方、比較例2、実施例1および2は、薄膜28を移動させながら、照射位置35を通過する計測位置に対して所定の時間間隔で交互に入射角θAまたはθBのいずれか1方向から照射光を照射して反射干渉光を測定した例である。
【0111】
(5−1.比較例1)
図14(a)は比較例1に係る計測位置と光路差の関係の一例を示す説明図であり、(b)は比較例1に係る計測位置と膜厚の関係の一例を示す説明図である。
【0112】
比較例1のように各計測位置において薄膜28を停止させる場合、計測に時間を要するほか、作製装置15の載置部36aとコンベヤ14のベルト36とを連結して用いることが難しくなる。
【0113】
(5−2.比較例2)
図15(a)は比較例2に係る計測位置と光路差の関係の一例を示す説明図であり、(b)は比較例2に係る計測位置と膜厚の関係の一例を示す説明図である。
【0114】
比較例2は、
図8に示した単純な方法を用いる場合の例である。すなわち、比較例2では、補間光路差L’を求めることなく、隣接する計測位置どうしの実測光路差Lを用いて各計測位置における膜厚dを求めた。
【0115】
図14(b)と
図15(b)とを比較して明らかなように、
図8に示した単純な方法では、停止させた場合とは全く異なる膜厚dの分布となっている。このため、この単純な方法により求められた膜厚dは信頼性が低いと考えられる。
【0116】
(5−3.実施例1)
図16(a)は実施例1に係る計測位置と光路差の関係の一例を示す説明図であり、(b)は実施例1に係る計測位置と膜厚の関係の一例を示す説明図である。
【0117】
実施例1は、
図10に示した第1の補間光路差L’の算出方法を用いる場合の例である。
図14(b)、
図15(b)および
図16(b)を比較して明らかなように、
図10に示した第1の補間光路差L’の算出方法では、単純な方法に比べ、停止させた場合に近い膜厚dの分布となっている。このため、この単純な方法により求められた膜厚dに比べ、第1の補間光路差L’の算出方法により求められた膜厚dは信頼性が高いといえる。
【0118】
(5−4.実施例2)
図17(a)は実施例2に係る計測位置と光路差の関係の一例を示す説明図であり、(b)は実施例2に係る計測位置と膜厚の関係の一例を示す説明図である。
【0119】
実施例2は、
図11に示した第2の補間光路差L’の算出方法を用いる場合の例である。
図14(b)、
図15(b)および
図17(b)を比較して明らかなように、
図11に示した第2の補間光路差L’の算出方法もまた、単純な方法に比べ、停止させた場合に近い膜厚dの分布となっている。このため、この単純な方法により求められた膜厚dに比べ、第2の補間光路差L’の算出方法により求められた膜厚dは信頼性が高いといえる。
【0120】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。