(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282920
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】樹脂成形品
(51)【国際特許分類】
B29C 33/42 20060101AFI20180208BHJP
B29C 45/26 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
B29C33/42
B29C45/26
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-87141(P2014-87141)
(22)【出願日】2014年4月21日
(65)【公開番号】特開2015-205445(P2015-205445A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229069
【氏名又は名称】株式会社セキソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】判治 泰智
(72)【発明者】
【氏名】石川 渉
【審査官】
田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/099173(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/42
B29C 45/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する一対の第1板部材と、
前記一対の第1板部材のそれぞれに対して同一側の面にて接続する第2板部材と、
が一体成形される樹脂成形品であって、
前記第2板部材は、
接続する前記一対の第1板部材の間にて、前記一対の第1板部材に接続する面に形成された凹溝を有し、かつ
前記第2板部材の板厚方向における前記凹溝の最小板厚は、
前記第2板部材における板厚のうちの最大板厚の半分以下の板厚となるように構成された樹脂成形品。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂成形品において、
前記第2板部材の板厚方向における前記凹溝の形状は、
2つの斜面から形成されるV字形状であって、前記2つ斜面の間の角度が鈍角となるように構成された樹脂成形品。
【請求項3】
請求項2に記載の樹脂成形品において、
前記凹溝の前記V字形状を形成する前記2つの斜面の面方向の間の角度は、
90度以上150度以下の範囲となるように構成された樹脂成形品。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の樹脂成形品において、
前記一対の第1板部材及び前記第2板部材は、
上面及び下面の一方が開放された箱体の側面を形成するように構成された樹脂成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対向する一対の第1板部材と同第1板部材に対して接続する第2板部材とが一体成形される樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、樹脂成形品は、例えば、樹脂の射出成形により製造されている。射出成形では、金型キャビティー内に射出された樹脂が金型内で冷却されて固化し、その後樹脂成形品が取り出される。金型内で樹脂が冷却されて固化する際、樹脂成形品の形状や板厚等に依存して冷却の時間差が生じると、樹脂の収縮具合が異なる。その結果、製造される樹脂成形品の形状に意図しない変形が生じる場合がある。例えば、上面及び下面(底面)のうちの少なくとも一方が開口となる箱体の樹脂成形品では、側面(対向する一対の第1板部材及び一対の第1板部材に対して接続する第2板部材)に反りを伴う意図しない変形(例えば、内反り変形や波打ち変形等)が生じやすい。このような反りを伴う意図しない変形の発生を防止するために、側面の裏面側(内側)にリブを設けることが広く行われている。
【0003】
ところで、
図3に示した樹脂成形品20のように、リブ21を設けた部分22は、リブ21を設けない部分23に比して、リブ21の形成高さ分だけ板厚が大きくなる(厚くなる)。射出成形において、金型内で樹脂が冷却される際には、樹脂の表面側から冷却が始まる。このため、板厚の大きなリブ21を設けた部分22(特にリブ21の付け根部分)では熱溜まりが形成されて冷却が遅れる。これにより、リブ21の設けられた樹脂成形品20では、金型内で冷却されて固化される際に、側面25におけるリブ21を設けた部分22(リブの付け根部分)の樹脂の収縮が他の部分23の収縮に比して大きくなる。その結果、側面25におけるリブ21を設けた面25a(裏面)の反対側の面25b(意匠面)にヒケと呼ばれる凹み26が発生する。意匠面25b側にヒケが発生すると、樹脂成形品20の外観品質が悪化してしまう。
【0004】
そこで、従来から、樹脂が射出された後に金型キャビティー内に圧縮ガスを導入し、この圧縮ガスの圧力を樹脂が冷却されて固化されるまで維持することによりヒケの発生を抑制して製造される樹脂成形品が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この従来の樹脂成形品では、リブ(又はボス)の周辺に対して導入される圧縮ガスの抜けを防止するための突起及び絞り部を設けておき、金型キャビティー内に充填させた溶融樹脂が冷却されて固化しつつある状態において導入された圧縮ガスの圧力を維持するようになっている。これにより、リブを設けた面(裏面)の反対側の面(表面又は意匠面)を金型に押し付けた状態で樹脂を固化させることができる。その結果、表面側にヒケが発生することを抑制するようになっている。
【0005】
更に、従来から、金型キャビティー内に射出された樹脂に対し、ヒケが発生する部分を圧縮する樹脂成形品も知られている(例えば、特許文献2を参照)。この従来の樹脂成形品では、筒状のリブが設けられる。この従来の樹脂成形品では、筒状のリブが設けられた部分にヒケが発生するので、筒状のリブの凹部分(底面部分)の板厚を大きく(厚く)形成して意図的に樹脂の固化を遅らせるようになっている。そして、この従来の樹脂成形品では、この凹部分(底面部分)を部分圧縮しながら固化させるようになっている。その結果、表面側にヒケが発生することを抑制するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−234760号公報
【特許文献2】特開2002−283422号公報
【発明の概要】
【0007】
リブは、側面(第2板部材)の反りを伴う意図しない変形、具体的には内反り変形及び波打ち変形の発生を抑制するために設けられる。ところが、成形に伴ってリブ自体が変形してしまう場合があり、その結果、側面(第2板部材)の内反り変形及び波打ち変形の発生を止められない場合がある。加えて、リブを設けることにより逆に内反り変形及び波打ち変形の発生が助長される場合もある。従って、上記従来の樹脂成形品のようにリブを設けた場合であっても、反り変形及び波打ち変形の発生を防止することが難しい。
【0008】
更に、上記従来の樹脂成形品においては、リブを設けるので、必ずリブを設けた部分の板厚がその他の部分の板厚に比して極端に大きく(厚く)なってしまう。その結果、上記従来の樹脂成形品であっても、板厚の大きい部分(厚い部分)のみが部分的に遅れて固化する以上、ヒケの発生を防止することは難しい。
【0009】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的は、反りを伴う意図しない変形の発生を防止するとともに外観品質を悪化させるヒケの発生を防止することができる樹脂成形品を提供することにある。
【0010】
上記目的を達成するための本発明の樹脂成形品は、一対の第1板部材と第2板部材とが例えば射出成形により一体成形される。一対の第1板部材は、互いに対向する。第2板部材は、一対の第1板部材のそれぞれに対して同一側の面(具体的には裏面)にて接続する。樹脂成形品が箱体であって、この箱体の上面及び下面(底面)の一方が開放された箱体である場合には、前記一対の第1板部材及び第2板部材は、それぞれ箱体の側面を形成する。
【0011】
本発明による樹脂成形品の特徴の一つは、前記第2板部材が、接続する前記一対の第1板部材の間にて、前記一対の第1板部材に接続する面に形成された凹溝を有し
、かつ前記第2板部材の板厚方向における前記凹溝の最小板厚は、前記第2板部材における板厚のうちの最大板厚の半分以下の板厚となるように構成される。
【0013】
更に、これらの場合、前記第2板部材の板厚方向における前記凹溝の形状は、2つの斜面の斜面から形成されるV字形状であって、前記2つの斜面の間の角度が鈍角となるように構成される。この場合、前記凹溝の前記V字形状を形成する前記2つの斜面の面方向の間の角度は、例えば、90度以上150度以下の範囲となるように構成される。
【0014】
本発明によれば、従来のリブを設けることに代えて、凹溝を形成することにより第2板部材の反りを伴う意図しない変形を防止することができる。凹溝の形成された部分における最小板厚は、凹溝の形成されない部分の最大板厚の半分以下となるように小さい(薄い)。このため、例えば、射出成形により樹脂成形品を成形した場合において、第2板部材が金型内で冷却されて固化する際には、凹溝の形成された部分が凹溝の形成されない部分よりも早く(先行して)冷却されて固化する。その結果、凹溝の形成された部分が凹溝の形成されない部分に比して高い剛性を有した状態で、凹溝の形成されない部分は冷却されて固化する。つまり、凹溝の形成された部分は、その剛性により凹溝の形成されない部分を支持する(拘束する)ことができるので、第2板部材全体の面剛性を高め、反りを伴う意図しない変形(内反り変形や波打ち変形等)の発生を防止することができる。これにより、寸法精度を高めて、樹脂成形品を成形することができる。
【0015】
更に、凹溝の形成された部分は、凹溝の形成されない部分に比して先行して(早く)冷却されて固化するため、ヒケの原因となる収縮が起きる前に固化することができる。従って、凹溝の形成された部分に対応してヒケが発生することを防止することができる。その結果、例えば、第2板部材に発生する波打ち変形を防止するために凹溝を複数形成しても、ヒケの発生を防止できるので外観品質を損なうことがなく、且つ、複数の凹溝により第2板部材の面剛性を高めて寸法精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る樹脂成形品としてのブラケットの全体構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図1のブラケットの凹溝を説明するための図である。
【
図3】従来のリブが形成された樹脂成形品のヒケを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態に係る樹脂成形品について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、上面及び下面(底面)の一方が開放された箱体の樹脂成形品として、車両のナンバープレート用取り付けブラケット(以下、単に、「ブラケット」と称呼する。)を例示して説明する。ブラケットは、開放された下面側(底面側)が車両のパンパーに向いた状態で車両に取り付けられ、上面側にナンバープレートが取り付けられるようになっている。このため、ブラケットの側面(表面側)は、車両のバンパーとナンバープレートとの間にて外部に晒される意匠面となるので、良好な外観品質が必要となる。
【0018】
図1に示したように、ブラケット10は、熱可塑性樹脂からなる直方体の樹脂成形品である。ブラケット10は、互いに対向する一対の第1板部材11,11と、一対の第1板部材11,11に接続する第2板部材12,12とが一体成形されて構成されている。更に、ブラケット10は、第1板部材11,11及び第2板部材12,12に接続し、且つ、車両のバンパーへの取り付け部及びナンバープレート支持部(ともに図示省略)の形成された上面13を有している。尚、ブラケット10を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド等の一般的な熱可塑性樹脂を挙げることができる。更に、熱可塑性樹脂には、必要に応じて、通常使用されるガラス繊維、各種の無機、有機フィラー等の充填剤等が含有されても良い。加えて、通常使用される各種の安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、離型剤等の各種添加剤が含有されても良い。
【0019】
図1及び
図2に示すように、第2板部材12,12には、一対の第1板部材11,11の間にて、第1板部材11,11に接続する面、即ち、裏面12aに凹溝14が形成されている。凹溝14は、ブラケット10の高さ方向と略平行となるように形成されている。凹溝14は、その第2板部材12,12の板厚方向の断面形状が2つの斜面14a及び斜面14bから形成され、且つ、2つの斜面14a及び斜面14bの面方向(或いは面の法線方向)の間の角度が鈍角となるV字形状を有している。具体的に、凹溝14は、2つの斜面14a及び斜面14bの間の角度が90度以上であり、且つ、150度以下の範囲となるように形成される。
【0020】
更に、凹溝14は、2つの斜面14a及び斜面14bが交差する部分の板厚A’、つまり凹溝14の形成された部分15の最小板厚A’が第2板部材12,12の凹溝14の形成されていない部分16の板厚のうちの最大板厚Aの半分以下となるように形成される。これにより、第2板部材12,12においては、凹溝14の形成された部分15の板厚が凹溝14の形成されない部分16の板厚よりも小さく(薄く)なる。
【0021】
このように構成されるブラケット10は、周知の樹脂の射出成形方法により成形される。具体的に、溶融された熱可塑性樹脂は、ゲートから金型キャビティー内に射出される。射出された熱可塑性樹脂は、金型キャビティー内に充填される。その後、熱可塑性樹脂が金型キャビティー内にて冷却されて固化することにより、成形されたブラケット10は取り出される。このように成形されたブラケット10は、第2板部材12,12が互いに接近する方向に反る変形(所謂、内反り)の発生が防止されている。加えて、このように成形されたブラケット10は、第2板部材12,12の表面12b(即ち、ブラケット10の意匠面12b)におけるヒケの発生が防止されている。
【0022】
ブラケット10における内反りの発生が防止される理由としては、第2板部材12,12において、凹溝14の形成された部分15の最小板厚A’が、凹溝14の形成されていない部分16の最大板厚Aに比して小さく(薄く)形成されているためと考えられる。具体的に説明すると、射出された熱可塑性樹脂が金型キャビティー内にて冷却されて固化する際には、熱可塑性樹脂は、その表面から内部に向けて徐々に冷却されて固化する。このため、板厚の小さい部分(薄い部分)は、板厚の大きい部分(厚い部分)に比して、内部まで早く冷却されて固化する。
【0023】
従って、第2板部材12,12では、凹溝14の形成された部分15(薄い部分15)が凹溝14の形成されていない部分16(厚い部分16)よりも先行して(早く)固化する。これにより、第2板部材12,12において、凹溝14の形成された部分15の剛性は、凹溝14の形成されていない部分16の剛性に比して大きくなる。このため、第2板部材12,12において、凹溝14の形成された部分15は未だ内部まで固化していない凹溝14の形成されていない部分16を拘束すると考えられる。換言すると、凹溝14を形成することにより第2板部材12,12の面剛性が高められるためと考えられる。その結果、第2板部材12,12において、凹溝14の形成された部分15は、凹溝14の形成されていない部分16がブラケット10の内方に向けて変形する(内反りする)ことを防止することができる。
【0024】
ブラケット10の意匠面12bにおけるヒケの発生が防止される理由としては、従来の樹脂成形品20のように面剛性を高めるためにリブ21を形成することに代えて、第2板部材12,12に凹溝14が形成されているためと考えられる。上述したように、凹溝14の形成された部分15の最小板厚A’は凹溝14の形成されていない部分16の最大板厚Aに比して小さい(薄い)。このため、凹溝14の形成された部分15は金型キャビティー内にて凹溝14の形成されていない部分16よりも先行して(早く)冷却されて固化する。このとき、凹溝14の形成された部分15は、ヒケの発生する原因となる収縮が起こる前に固化すると考えられる。その結果、第2板部材12,12の意匠面12bにおいて、凹溝14の形成に伴うヒケの発生が防止される。
【0025】
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態のブラケット10では、一対の第1板部材11,11に接続する第2板部材12,12に対して凹溝14が形成される。凹溝14の形成された部分15の最小板厚A’は、凹溝14の形成されない部分16の最大板厚Aの半分以下の板厚である。このため、ブラケット10を成形する際の冷却において、凹溝14の形成された部分15は凹溝14の形成されない部分16よりも先行して(早く)冷却されて固化する。
【0026】
これにより、凹溝14は、第2板部材12,12の面剛性を高めることができ、その結果、第2板部材12,12の反りを伴った意図しない変形(内反りや波打ち変形等)の発生を防止することができる。従って、成形するブラケット10の寸法精度を大幅に高めることができる。
【0027】
加えて、凹溝14の形成された部分15は冷却されて収縮が起きる前に固化することができ、その結果、第2板部材12,12の意匠面12bにおけるヒケの発生を防止することができる。従って、第2板部材12,12の外観品質を損なうことがない。
【0028】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【0029】
例えば、上記実施形態では、樹脂成形品であるブラケット10において、互いに対向する一対の第1板部材11,11及び一対の第1板部材11,11に接続する第2板部材12,12とした。しかしながら、樹脂成形品であるブラケット10において、互いに対向する一対の第1板部材12,12及び一対の第1板部材12,12に接続する第2板部材11,11とすることも可能である。この場合においては、第2板部材11,11には、一対の第1板部材12,12の間にて、第1板部材12,12に接続する面に凹溝14が形成される。従って、この場合においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0030】
上記実施形態では、第2板部材12,12の裏面12aにおいて、凹溝14をブラケット10の高さ方向と略平行となるように形成した。しかしながら、第2板部材12,12の反りを伴う変形方向に応じて、第2板部材12,12の裏面12aにおいて、例えば、ブラケット10の高さ方向と略直交するように凹溝14を形成することも可能である。更には、第2板部材12,12の反りを伴う変形方向に応じて、例えば、意匠として許容されるのであれば、凹溝14を第2板部材12,12の意匠面12bに形成することも可能である。この場合においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0031】
上記実施形態では、第2板部材12,12の板厚方向の断面形状が2つの斜面14a及び斜面14bから形成され、且つ、2つの斜面14a及び斜面14bの間の角度が鈍角となるV字形状となるように凹溝14を形成した。更に、斜面14aと斜面14bとの交線を含み、且つ、第2板部材12,12の板厚方向の平面を想定した際に、同平面を基準として斜面14a及び斜面14bが対称となるように凹溝14を形成した。しかしながら、最小板厚A’が最大板厚Aの半分以下であり、且つ、2つの斜面14a,14bの面方向(或いは面の法線方向)の間の角度が90度以上150度以下を満たす限り、斜面14a,14bが前記平面を基準として非対称となるようにV字形状の凹溝14を形成することも可能である。このように、凹溝14を形成する場合であっても、凹溝14の形成された部分15が凹溝14の形成されていない部分16よりも先行して冷却されて固化するため、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0032】
上記実施形態では、第2板部材12,12に1つの凹溝14を形成した。しかしながら、例えば、第2板部材12,12に反りを伴う意図しない変形として波打ち変形が生じる場合、この波打ち変形に応じて凹溝14を複数形成することも可能である。このように、凹溝14を複数形成した場合であっても、凹溝14の形成された部分15が凹溝14の形成されていない部分16よりも先行して冷却されて固化する。このため、上記実施形態と同様に、第2板部材12,12の面剛性を高めることができる。その結果、第2板部材12,12において波打ち変形が発生することを防止することができるとともに、凹溝14の形成に伴うヒケの発生を防止することができる。
【0033】
上記実施形態では、第2板部材12,12に形成される凹溝14が2つの斜面14a及び斜面14bからなるV字形状であるとした。しかしながら、第2板部材12,12の板厚方向における凹溝14の断面形状としては、V字形状以外に、例えば、矩形形状や半円形状とすることも可能である。ただし、第2板部材12,12の板厚方向における凹溝14の断面形状をV字形状以外の形状とする場合には、凹溝14の最小板厚A’が凹溝14の形成されていない部分16の最大板厚Aの半分以下となるように形成される。
【0034】
このように、第2板部材12,12の板厚方向における凹溝14の断面形状をV字形状以外の形状とした場合であっても、凹溝14の形成された部分15が凹溝14の形成されていない部分16よりも先行して冷却されて固化する。このため、上記実施形態と同様に、第2板部材12,12の面剛性を高めることができる。
【0035】
更に、上記実施形態では、樹脂成形品として直方体(箱体)の上面13を有するブラケット10を用いた。しかしながら、樹脂成形品としては、例えば、上面及び下面(底面)の両方が開放された箱体を用いることも可能である。この場合は、箱体の上面及び下面(底面)が開放されているので、第1板部材及び第2板部材により形成される環状の側面のみの樹脂成形品となる。このような環状の樹脂成形品の場合であっても、第2板部材に凹溝を形成することにより面剛性を高めることができる。従って、環状の樹脂成形品の寸法精度を高めることができる。更に、このような環状の樹脂成形品の場合であっても、第2板部材に凹溝を成形することにより意匠面にヒケが発生することを防止することができる。従って、環状の樹脂成形品の外観品質を損なうことがない。
【符号の説明】
【0036】
10…ブラケット、11…第1板部材、12…第2板部材、13…上面、14…凹溝、14a…斜面、14b…斜面