(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記履歴情報表示制御部は、前記ディスプレイに表示された前記履歴情報が選択されると、当該履歴情報に対応付けられている前記キャプチャ画像を前記ディスプレイに表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載のナースコールシステム用携帯端末装置。
前記ディスプレイに表示された前記キャプチャ画像が選択されると、当該キャプチャ画像が取得された前記アプリを稼働状態にして、当該アプリの表示画面を前記ディスプレイに再表示させるアプリ実行制御部
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のナースコールシステム用携帯端末装置。
【背景技術】
【0002】
従来、病院内に設置されたナースコールシステムは、複数の看護師のそれぞれが所持する複数の携帯端末装置を備えて構成される場合がある。この種のナースコールシステムでは、患者(ナースコール子機)から発信されたナースコールを複数の看護師(携帯端末装置)に報知して、当該ナースコールに対する応答を複数の看護師のいずれかに行わせることができるようになっている。
【0003】
ナースコールシステム用の携帯端末装置としては、一般的にはPHSが用いられているが、その代わりに、スマートフォンを用いることも可能である。これにより、看護師は、ナースコールの応答(患者と音声通話)を行うことができるだけでなく、PHSでは実現できなかった様々な看護業務を、スマートフォンに導入された看護業務用のアプリケーション(以下、「看護業務アプリ」と示す)により実施することが可能となる。
【0004】
ナースコールシステム用の携帯端末装置としてスマートフォンを用いた場合、看護業務アプリによる作業中にナースコールの着信があると、ディスプレイの主領域に表示される画面が、看護業務アプリの表示画面からナースコールの着信通知画面に切り替えられる。このとき、作業中であった看護業務アプリは待機状態となり、その表示画面がディスプレイの主領域から消滅するとともに、看護業務アプリのアイコンが所定のアイコン表示領域(例えば、ディスプレイの上端部または下端部に設けられたアイコンバー)に表示されることとなる。
【0005】
その後、ナースコールの応答が終了すると、ディスプレイの主領域には複数のアプリのアイコンが並んで表示された待機画面が表示される。このとき、看護業務アプリは待機状態となったままであり、他のアプリと同様にアイコンのみが表示されている状態となる。このため、特に看護業務アプリが中断されてからの経過時間が長時間化するような場合(例えば、ナースコールの応答または対応に時間がかかってしまう場合、ナースコールの応答後に別の作業を行う必要が生じた場合等)には、看護師が、看護業務アプリによる作業が中断されたことを忘れてしまったり、看護業務アプリの作業内容を忘れてしまったりする場合がある。
【0006】
特に、複数の看護業務アプリが同時に起動されている場合において、そのうちの一の看護業務アプリだけを使用しているとき(すなわち、他の看護業務アプリが待機状態のとき)に、ナースコールの着信があると、当該一の看護業務アプリは、他の看護業務アプリと区別なく待機状態(すなわち、アイコンのみが表示された状態)となる。この場合、看護師は、これら複数の看護業務アプリの中から、ナースコールの着信時に使用していた一の看護業務アプリを特定することは困難である。
【0007】
なお、下記特許文献1に開示されている携帯端末装置では、ユーザがメールを作成しているときに着信等により他のアプリが起動された場合、作成途中のメールを保存してから、他のアプリ画面に切り替えるようにしている。そして、他のアプリ画面に切り替わってから一定時間経過後、メール作成途中の画面を表示してユーザに通知するようにしている。これにより、他のアプリを実行している間に、ユーザがメール作成途中であることを忘れてしまった場合であっても、上記通知によってユーザがメール作成途中であることを認識することができるようにしている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
〔ナースコールシステムの全体構成〕
図1は、本実施形態に係るナースコールシステムの全体構成例を示す図である。なお、ここでは病院に設置される看護支援用のナースコールシステムを例にとって説明するが、本実施形態のナースコールシステムは、病院に設置されるものに限定されない。例えば、介護施設等に設置される場合にも適用可能である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るナースコールシステムは、ナースコール親機1、制御機2、廊下灯3、壁埋込形子機4a、ハンド形子機4b、ハンディナースコール主装置6、無線基地局7およびスマートフォン8を備えて構成されている。
【0017】
ナースコール親機1は、患者(ナースコール子機)からの呼び出しに対する応答の操作または患者の呼び出しの操作を行うためのものであり、例えばナースセンタに設置される。ナースコール親機1は、この応答や呼び出しを行うためのハンドセット1aを備えている。
【0018】
制御機2は、ナースコール親機1と廊下灯3との間に配置され、通話やデータの送受信に関する制御を行う。廊下灯3は、病室内の患者名が表示されるとともに、病室内の患者が看護師の呼び出しを行うと、呼び出しが行われたことが表示されるようになっている。
【0019】
壁埋込形子機4aは、病室の各ベッドサイドの壁に埋め込み設置される。この壁埋込形子機4aは、廊下灯3に接続されている。壁埋込形子機4aは、患者が看護師を呼び出すための呼出ボタン、患者が看護師と会話を行う際に使用するマイクおよびスピーカ、ハンド形子機4bを接続するための接続端子を備えている。
【0020】
ハンド形子機4bは、壁埋込形子機4aに接続される。ハンド形子機4bは、患者が看護師を呼び出すための呼出ボタン、患者が看護師と会話を行う際に使用するマイクおよびスピーカを備えている。なお、以降の説明では、壁埋込形子機4aおよびハンド形子機4bをまとめてナースコール子機4と呼ぶ。
【0021】
ハンディナースコール主装置6は、看護師が所持するスマートフォン8を用いた通話やデータの送受信に関する制御を行う。このハンディナースコール主装置6は、例えば病院内の通信センタに設置され、ナースコール親機1と接続されている。無線基地局7は、スマートフォン8との間で通話やデータの無線通信をするためのものであり、ハンディナースコール主装置6と接続されている。
【0022】
スマートフォン8は、特許請求の範囲に記載の携帯端末装置の一例である。スマートフォン8は、複数の看護師のそれぞれが所持する。スマートフォン8は、ディスプレイ8a、タッチパネル8b、マイク、スピーカ等を備えている。例えば、スマートフォン8は、看護師が患者からのナースコールに応答して、患者との通話を行うために使用される。また、スマートフォン8には、複数の看護業務アプリがインストールされている。看護師は、この看護業務アプリを使用して、データを参照したりデータを入力したりすることにより、所定の看護業務を遂行することができる。
【0023】
〔スマートフォン8の機能構成〕
図2は、本実施形態に係るスマートフォン8の機能構成例を示すブロック図である。なお、ナースコールシステム1が備える複数のスマートフォン8は、いずれも
図2に示すスマートフォン8と同様の機能構成を有する。
【0024】
図2に示すように、スマートフォン8は、履歴情報記憶部10を備える。また、また、スマートフォン8は、その機能構成として、アプリ実行制御部11、呼出信号受信部12、着信通知画面表示制御部13、キャプチャ画像取得部14、履歴情報記録部15、履歴情報表示制御部16および選択受付部17を備える。
【0025】
なお、上記各機能ブロック11〜17は、ハードウェア構成、DSP、ソフトウェアの何れによっても実現することが可能である。例えばソフトウェアによって実現する場合、上記各機能ブロック11〜17は、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROM等を備えて構成され、RAM、ROM、ハードディスク、半導体メモリ等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
【0026】
履歴情報記憶部10は、スマートフォン8が過去に着信したナースコールの着信履歴情報を記憶する。この着信履歴情報は、履歴情報記録部15によって記録されるものであり、例えば、ナースコールの着信日時、ナースコールの呼出種別(例えば、一般呼出、緊急呼出等)、ナースコールの発信元の患者の患者情報(例えば、患者名、病室番号、ベッド番号等)を含んで構成される。
【0027】
アプリ実行制御部11は、スマートフォン8に導入されている看護業務アプリの実行を制御する。例えば、スマートフォン8が待機状態のとき、ディスプレイ8aには、複数のアプリのアイコンが整列された待機画面が表示される。そして、任意の看護業務アプリのアイコンが、看護師によるタッチパネル8bの操作により選択されると、アプリ実行制御部11は、選択された看護業務アプリを起動する。これにより、ディスプレイ8aには、当該看護業務アプリの表示画面が表示される。看護師は、この表示画面を参照したり、この表示画面からデータを入力したりすることにより、当該看護業務アプリによる看護業務を遂行することができる。
【0028】
呼出信号受信部12は、ナースコール子機4から発信されたナースコールの呼出信号を受信する。このナースコールの呼出信号は、例えば、ナースコールの呼出種別、ナースコールの発信元の患者の患者情報(例えば、患者名、病室番号、ベッド番号等)を含んで構成されている。これらの患者情報は、ナースコール子機4から発信されたナースコールに示されているナースコール子機の識別情報に基づいて、ナースコール親機1が、患者情報データベース(図示省略)から抽出したものである。
【0029】
着信通知画面表示制御部13は、呼出信号受信部12がナースコールの呼出信号を受信すると、当該ナースコールの着信通知画面をディスプレイ8aに表示させる。この着信通知画面には、例えば、ナースコールの呼出種別、ナースコールの発信元の患者の患者情報(例えば、患者名、病室番号、ベッド番号等)が示されている。
【0030】
ナースコールの着信通知画面がディスプレイ8aに表示されるとき、アプリ実行制御部11は、そのときに稼働状態となっている看護業務アプリを待機状態にする。すなわち、アプリ実行制御部11は、当該看護業務アプリの表示画面をディスプレイ8aの主領域から消滅させるとともに、当該看護業務アプリのアイコンをディスプレイ8aにおける所定のアイコン表示領域(例えば、ディスプレイの上端部または下端部に設けられたアイコンバー)に表示させる。
【0031】
キャプチャ画像取得部14は、ナースコールの着信時に、アプリ実行制御部11によって看護業務アプリが稼働状態にあるか否かを判定する。ここで、看護業務アプリが稼働状態にあると判定した場合、キャプチャ画像取得部14は、ナースコールの着信通知画面がディスプレイ8aに表示される前に、ディスプレイ8aに表示されている看護業務アプリ(すなわち、そのときに稼働状態にある看護業務アプリであって、アプリ実行制御部11によって待機状態にされる看護業務アプリ)の表示画面のキャプチャ画像を取得する。
【0032】
履歴情報記録部15は、キャプチャ画像取得部14によって取得されたキャプチャ画像を、そのキャプチャ画像が取得されたときに着信したナースコールの着信履歴情報と対応付けて、履歴情報記憶部10に記録する。
【0033】
履歴情報表示制御部16は、タッチパネル8bによる所定の着信履歴表示操作(例えば着信履歴ボタンの押下)が行われると、履歴情報記録部10に記録された着信履歴情報をディスプレイ8aに表示させる。このとき、着信履歴情報にキャプチャ画像が対応付けられている場合、履歴情報表示制御部16は、当該着信履歴情報に対応付けられているキャプチャ画像を確認できるように、当該着信履歴情報をディスプレイ8aに表示させる。
【0034】
具体的には、履歴情報表示制御部16は、
図8に示すように、着信履歴情報802−1〜802−3をディスプレイ8aに表示する際に、当該着信履歴情報802−1〜802−3とともにキャプチャ画像表示ボタン804をディスプレイ8aに表示する。そして、履歴情報表示制御部16は、キャプチャ画像表示ボタン804が選択されると、キャプチャ画像をディスプレイ8aに表示して、当該キャプチャ画像を確認できるようにしている。
【0035】
選択受付部17は、ディスプレイ8aに待機画面500(
図5参照)が表示されているとき、タッチパネル8bの操作による看護業務アプリのアイコン502,504,506の選択を受け付ける。選択受付部17が看護業務アプリのアイコン502,504,506の選択を受け付けると、アプリ実行制御部11の制御により、選択された看護業務アプリが起動される。
【0036】
また、選択受付部17は、ディスプレイ8aにキャプチャ画像表示ボタン804(
図8参照)が表示されているとき、タッチパネル8bの操作によるキャプチャ画像表示ボタン804の選択を受け付ける。選択受付部17がキャプチャ画像表示ボタン804の選択を受け付けると、履歴情報表示制御部16の制御により、当該キャプチャ画像表示ボタン804に対応するキャプチャ画像がディスプレイ8aに表示される。
【0037】
また、選択受付部17は、ディスプレイ8aにキャプチャ画像600’(
図9参照)が表示されているとき、タッチパネル8bの操作によるキャプチャ画像600’の選択を受け付ける。選択受付部17がキャプチャ画像600’の選択を受け付けると、アプリ実行制御部11の制御により、当該キャプチャ画像600’が取得された看護業務アプリの待機状態が解除される。
【0038】
アプリ実行制御部11は、看護業務アプリの待機状態を解除する(すなわち、稼働状態にする)ことにより、当該看護業務アプリの表示画面(ナースコールを受信したときに表示されていた表示画面)をディスプレイ8aの主領域に表示させるとともに、当該看護業務アプリのアイコンをディスプレイ8aにおける所定のアイコン表示領域から消滅させる。例えば、履歴情報記録部15が、キャプチャ画像を着信履歴情報に対応付けて記録するときに、当該キャプチャ画像が取得された看護業務アプリの識別情報を、当該キャプチャ画像に対応付けておく。これにより、アプリ実行制御部11は、キャプチャ画像が選択されたときに、待機状態を解除すべき看護業務アプリを特定することができる。
【0039】
〔スマートフォン8による着信処理の手順〕
図3は、本実施形態に係るスマートフォン8による着信処理の手順を示すフローチャートである。
図3に例示する処理は、ナースコール子機4からナースコールの呼出信号を受信したときに開始される。
【0040】
まず、呼出信号受信部12がナースコールの呼出信号を受信すると(ステップS302:Yes)、キャプチャ画像取得部14は、看護業務アプリが稼働状態となっているか否かを判断する(ステップS304)。ここで、看護業務アプリが稼働状態となっていないと判断した場合(ステップS304:No)、着信通知画面表示制御部13が、ステップS302で受信された呼出信号に基づき、ナースコールの着信通知画面をディスプレイ8aに表示させる(ステップS314)。そして、スマートフォン8は、
図3に例示する処理を終了する。
【0041】
一方、看護業務アプリが稼働状態となっていると判断した場合(ステップS304:Yes)、キャプチャ画像取得部14が、そのときにディスプレイ8aの主領域に表示されている看護業務アプリの表示画面のキャプチャ画像を取得する(ステップS306)。そして、アプリ実行制御部11は、ディスプレイ8aの主領域から看護業務アプリの表示画面を消滅させるとともに(ステップS308)、その看護業務アプリのアイコンをディスプレイ8aに表示されたアイコンバーに表示させる(ステップS310)。
【0042】
そして、履歴情報記録部15が、ステップS306で取得されたキャプチャ画像を、ステップS302で受信された呼出信号に基づくナースコールの着信履歴情報と対応付けて、履歴情報記憶部10に記録する(ステップS312)。さらに、着信通知画面表示制御部13が、ステップS302で受信された呼出信号に基づき、ナースコールの着信通知画面をディスプレイ8aに表示させる(ステップS314)。そして、スマートフォン8は、
図3に例示する処理を終了する。
【0043】
〔スマートフォン8による着信履歴表示処理の手順〕
図4は、本実施形態に係るスマートフォン8による着信履歴表示処理の手順を示すフローチャートである。
図4に例示する処理は、タッチパネル8bによる所定の着信履歴表示操作を看護師が行ったときに開始される。
【0044】
まず、履歴情報表示制御部16が、履歴情報記録部10に記録された着信履歴情報を読み出して(ステップS402)、当該着信履歴情報をディスプレイ8aに表示させる(ステップS404)。このとき、いずれの着信履歴情報にもキャプチャ画像が対応付けられていない場合(ステップS406:No)、スマートフォン8は、
図4に例示する処理を終了する。
【0045】
一方、いずれかの着信履歴情報にキャプチャ画像が対応付けられている場合(ステップS406:Yes)、履歴情報表示制御部16は、その着信履歴情報とともに、キャプチャ画像を表示させるためのキャプチャ画像表示ボタン804をディスプレイ8aに表示させる(ステップS408)。その後、キャプチャ画像表示ボタン804が押下されなければ(ステップS410:No)、スマートフォン8は、
図4に例示する処理を終了する。
【0046】
一方、キャプチャ画像表示ボタン804が押下されると(ステップS410:Yes)、履歴情報表示制御部16は、着信履歴情報に対応付けられているキャプチャ画像をディスプレイ8aに表示させる(ステップS412)。その後、キャプチャ画像が選択されなければ(ステップS414:No)、スマートフォン8は、
図4に例示する処理を終了する。
【0047】
一方、キャプチャ画像が選択されると(ステップS414:Yes)、アプリ実行制御部11は、当該キャプチャ画像が取得された看護業務アプリを稼働状態にして(ステップS416)、当該看護業務アプリの表示画面をディスプレイ8aの主領域に再表示させる(ステップS418)。これとともに、アプリ実行制御部11は、当該看護業務アプリのアイコンをディスプレイ8aに表示されたアイコンバーから消滅させる(ステップS420)。そして、スマートフォン8は、
図4に例示する処理を終了する。
【0048】
〔待機画面の表示例〕
図5は、本実施形態に係る待機画面の表示例を示す図である。
図5に示すように、ディスプレイ8aの表示領域は、主領域a1と、ディスプレイ8aの下端部に設けられたアイコンバーa2とによって構成されている。主領域a1には、いずれのアプリも起動されていない場合、または、起動されているアプリが全て待機状態の場合には、複数のアプリのアイコンが整列された待機画面500が表示される。また、主領域a1には、起動されているアプリのいずれかが稼働中の場合、そのアプリの表示画面が表示される。アイコンバーa2には、所定のアプリ(例えば、使用頻度の高いアプリ)のアイコンと、待機状態となっているアプリのアイコンとが表示される。
図5に示す例では、いずれのアプリも起動されていないために、主領域a1には、待機画面500が表示されている。また、アイコンバーa2には、所定のアプリのアイコン512,514,516だけが表示されている。
【0049】
待機画面500には、看護業務アプリのアイコン502,504,506が表示されている。これら複数の看護業務アプリのアイコン502,504,506のうち、いずれかの看護業務アプリのアイコンがタッチパネル8bの操作により選択されると、アプリ実行制御部11により、その看護業務アプリが起動されることとなる。
【0050】
アプリ実行制御部11は、複数の看護業務アプリを同時に起動することが可能である。この場合、ユーザによって任意に選択された一の看護業務アプリを稼働状態とし、他の看護業務アプリを待機状態とすることができる。このとき、稼働状態となった一の看護業務アプリは、その表示画面が主領域a1に表示される。一方、待機状態となった他の看護業務アプリは、そのアイコンがアイコンバーa2に表示される。
【0051】
〔看護業務アプリの表示画面の表示例〕
図6は、本実施形態に係る看護業務アプリの表示画面の表示例を示す図である。
図6に示す表示画面600は、
図5に示すアイコン506(「バイタル入力」と記されたアイコン)が選択されて、対応する看護業務アプリが起動されたことにより、ディスプレイ8aの主領域a1に表示された看護業務アプリの表示画面の一例である。
【0052】
看護師は、タッチパネル8bを操作することにより、この表示画面600から、患者のバイタル情報(体温、血圧、脈拍数、呼吸数)を入力することできる。そして、OKボタン602を押下することにより、入力されたバイタル情報を、ナースコールシステムが備えるデータベース(図示省略)へ登録することができる。なお、
図6では、バイタル情報の入力作業の途中であり、体温および血圧のみが入力された状態を示している。
【0053】
また、
図6では、アイコンバーa2には、看護業務アプリのアイコン518が表示されている。このアイコン518はアイコン504(「看護業務入力」と記されたアイコン。
図5参照)と同様の図柄である。すなわち、アイコン518の表示は、スマートフォン8においてアイコン504(
図5参照)に対応する看護業務アプリが待機状態となっていることを示している。
【0054】
〔着信通知画面の表示例〕
図7は、本実施形態に係る着信通知画面の表示例を示す図である。
図7に示す表示画面700は、ナースコールの呼出信号を受信したことによりディスプレイ8aの主領域a1に表示された着信通知画面の一例である。
【0055】
この表示画面700には、ナースコールの呼出種別、ナースコールの発信元の患者の患者名、病室番号、ベッド番号とともに、応答ボタン702が表示されている。看護師は、表示画面700に表示されている応答ボタン702を押下することにより、ナースコールに応答することができる。すなわち、ナースコールの発信元の患者との音声通話を行うことができる。
【0056】
この表示画面700が表示されたことにより、
図6に示すように表示画面600に対するバイタル情報の入力途中であった看護業務アプリは待機状態となっている。このため、主領域a1においては、当該看護業務アプリの表示画面600が消滅している。代わりに、当該看護業務アプリのアイコン704がアイコンバーa2に表示されている。すなわち、アイコンバーa2は、看護業務アプリのアイコン518と、看護業務アプリのアイコン704とが表示された状態となっている。
【0057】
また、表示画面700がディスプレイ8aに表示される前に、表示画面600のキャプチャ画像600’がキャプチャ画像取得部14により取得されている。このキャプチャ画像600’は、ナースコールの着信履歴情報と対応付けて履歴情報記憶部10に記憶される。そして、
図8および
図9に示すように、ナースコールの着信履歴情報をディスプレイ8aに表示したときに、この着信履歴情報からキャプチャ画像600’を確認することができるようになっている。
【0058】
ナースコールの応答が終了すると、主領域a1においては、表示画面700が消滅し、
図5に示した待機画面500が表示されることとなる。このとき、キャプチャ画像600’が取得された看護業務アプリは待機状態となったままである。すなわち、アイコンバーa2は、看護業務アプリのアイコン518と、看護業務アプリのアイコン704とが表示された状態となったままである。
【0059】
このように、複数の看護業務アプリのアイコンがアイコンバーa2に表示されている場合は、看護師は、ナースコールを着信したときに中断された看護業務アプリを特定することが困難である。そこで、本実施形態では、
図8および
図9に示すように、看護師が所望のタイミングでタッチパネル8bを操作して、ナースコールの着信履歴情報を表示させたときに、そのナースコールを着信したときにディスプレイ8aに表示されていた表示画面600のキャプチャ画像600’を確認できるようにしている。これにより、ナースコールを着信したときに中断された看護業務アプリおよびその作業内容を特定できるようにしている。
【0060】
〔着信履歴情報およびキャプチャ画像の表示例〕
図8は、本実施形態に係る着信履歴情報の表示例を示す図である。
図9は、本実施形態に係るキャプチャ画像の表示例を示す図である。
【0061】
図8に示す表示画面800aは、着信履歴情報の表示画面の一例である。この表示画面800aは、スマートフォン8のタッチパネル8bによって所定の着信履歴表示操作がなされたときに、当該スマートフォン8が備えるディスプレイ8aの主領域a1に表示される。
【0062】
図8に示す例では、表示画面800aには3件の着信履歴情報802−1,802−2,802−3が表示されている。このうち、着信履歴情報802−2は、
図7に示す表示画面700が表示されたナースコールの着信に関する着信履歴情報である。すなわち、着信履歴情報802−2には、そのナースコールを着信したときに中断された看護業務アプリの表示画面600(
図6参照)のキャプチャ画像600’が対応付けられている。このため、着信履歴情報802−2には、キャプチャ画像600’をディスプレイ8aに表示させるためのキャプチャ画像表示ボタン804が重ねて表示されている。
【0063】
看護師は、キャプチャ画像表示ボタン804を押下することにより、
図9に示すように、着信履歴情報802−2に対応付けられているキャプチャ画像600’をディスプレイ8aの主領域a1に表示させることができる。看護師は、このキャプチャ画像600’により、ナースコールを着信したときに中断された看護業務アプリおよびその作業内容を確認することができる。
【0064】
また、
図9に示す例では、ディスプレイ8aの主領域a1には、キャプチャ画像600’とともに実行ボタン902が表示されている。看護師は、この実行ボタン902を押下することにより、キャプチャ画像600’が取得された看護業務アプリを稼働状態にして、その表示画面600をディスプレイ8aの主領域a1に再表示させることができる。そして、看護師は、再表示された表示画面600により、ナースコールの着信時に中断された作業を再開することができる。このとき、再表示された表示画面600において、入力途中のデータが消去されてしまっている場合であっても、看護師は、キャプチャ画像600’を参照することにより、入力途中のデータを確認することができる。
【0065】
なお、一般的に、ナースコールの着信履歴情報は、看護師が当該着信履歴情報をスマートフォン8から意図的に削除するまでは、スマートフォン8に記憶されたままである。したがって、看護師は、着信履歴情報を削除するまでの間、いつでも好きな時に、ナースコールの着信時に中断された看護業務アプリおよびその作業内容を確認することができる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態では、看護師の操作に応じて、ナースコールの着信履歴情報802−2をディスプレイ8aに表示する際に、当該着信履歴情報802−2とともにキャプチャ画像表示ボタン804を表示し、当該画像表示ボタン804が選択された場合、キャプチャ画像600’をディスプレイ8aに表示するようにしている。これにより、看護師は、このキャプチャ画像600’から、ナースコールを着信したときにディスプレイ8aに表示されていた表示画面600を確認することができる。すなわち、看護師は、ナースコールを着信したときに中断された看護業務アプリおよびその作業内容を所望するタイミング(例えば、ナースコールの応答が終了したタイミング、ナースコールの応答を終了した後に行った看護業務が終了したタイミング)で確認することができる。
【0067】
〔変形例〕
以下、
図10および
図11を参照して、本実施形態の変形例について説明する。本変形例では、履歴情報表示制御部16が着信履歴情報をディスプレイ8aに表示させる際に、当該着信履歴情報に並べてまたは重ねて、当該着信履歴情報に対応付けられているキャプチャ画像の縮小画像をディスプレイ8aに表示させるようにしている。
【0068】
〔スマートフォン8による着信履歴表示処理の変形例〕
図10は、本実施形態に係るスマートフォン8による着信履歴表示処理の変形例を示すフローチャートである。
図10に例示する処理は、タッチパネル8bによる所定の着信履歴表示操作を看護師が行ったときに開始される。
【0069】
まず、履歴情報表示制御部16が、履歴情報記録部10に記録された着信履歴情報を読み出して(ステップS1002)、当該着信履歴情報をディスプレイ8aに表示させる(ステップS1004)。このとき、いずれの着信履歴情報にもキャプチャ画像が対応付けられていない場合(ステップS1006:No)、スマートフォン8は、
図10に例示する処理を終了する。
【0070】
一方、いずれかの着信履歴情報にキャプチャ画像が対応付けられている場合(ステップS1006:Yes)、履歴情報表示制御部16は、その着信履歴情報とともに、その着信履歴情報に対応付けられているキャプチャ画像の縮小画像をディスプレイ8aに表示させる(ステップS1008)。その後、キャプチャ画像の縮小画像が選択されなければ(ステップS1010:No)、スマートフォン8は、
図10に例示する処理を終了する。
【0071】
一方、キャプチャ画像の縮小画像が選択されると(ステップS1010:Yes)、アプリ実行制御部11は、当該キャプチャ画像が取得された看護業務アプリを稼働状態にして(ステップS1012)、当該看護業務アプリの表示画面をディスプレイ8aの主領域に再表示させる(ステップS1014)。これとともに、アプリ実行制御部11は、当該看護業務アプリのアイコンをディスプレイ8aに表示されたアイコンバーから消滅させる(ステップS1016)。そして、スマートフォン8は、
図10に例示する処理を終了する。
【0072】
〔着信履歴情報およびキャプチャ画像の表示例(変形例)〕
図11は、本実施形態に係る着信履歴情報およびキャプチャ画像の表示例(変形例)を示す図である。
【0073】
図11に示す表示画面800bは、着信履歴情報の表示画面の一例である。この表示画面800bは、スマートフォン8のタッチパネル8bによって所定の着信履歴表示操作がなされたときに、当該スマートフォン8が備えるディスプレイ8aの主領域a1に表示される。
【0074】
図11に示す表示画面800bでは、着信履歴情報802−2に対し、キャプチャ画像600’の縮小画像であるキャプチャ画像600’’を重ねて表示するようにしている。看護師は、着信履歴情報802−2とともに表示されたキャプチャ画像600’’により、ナースコールを着信したときに中断された看護業務アプリおよびその作業内容を確認することができる。
【0075】
なお、
図11に示す表示画面800bにおいては、キャプチャ画像600’’を選択することが可能となっている。看護師は、このキャプチャ画像600’’を選択することにより、キャプチャ画像600’’が取得された看護業務アプリを稼働状態にして、その表示画面600をディスプレイ8aの主領域a1に再表示させることができる。そして、看護師は、再表示された表示画面600により、ナースコールの着信時に中断された作業を再開することができる。このとき、再表示された表示画面600において、入力途中のデータが消去されてしまっている場合であっても、看護師は、キャプチャ画像600’’を参照することにより、入力途中のデータを確認することができる。
【0076】
以上説明したように、本変形例では、看護師の操作に応じて、ナースコールの着信履歴情報802−2をディスプレイ8aに表示する際に、当該着信履歴情報802−2とともにキャプチャ画像600’’を表示するようにしている。これにより、看護師は、このキャプチャ画像600’’から、そのナースコールを着信したときにディスプレイ8aに表示されていた表示画面600を確認することができる。すなわち、看護師は、ナースコールを着信したときに中断された看護業務アプリおよびその作業内容を所望するタイミングで確認することができる。
【0077】
なお、上記実施形態では、スマートフォン8(キャプチャ画像取得部14)によって取得されたキャプチャ画像を、ナースコールの着信履歴情報(特許請求の範囲に記載のナースコールに関する履歴情報の一例)に対応付けて、スマートフォン8(履歴情報記憶部10)に記録することとしたが、これに限らない。例えば、スマートフォン8(キャプチャ画像取得部14)によって取得されたキャプチャ画像を、ナースコール親機1(またはナースコールシステムが備える他の装置)が管理する他の履歴情報(例えば、ナースコールの呼出履歴情報、ナースコールの呼出応答履歴情報等)に対応付けて、ナースコール親機1(またはナースコールシステムが備える他の装置)に記録してもよい。そして、スマートフォン8において、看護師の所望のタイミングでの操作に応じて上記他の履歴情報をディスプレイ8aに表示する際に、当該他の履歴情報に対応付けられているキャプチャ画像をナースコール親機1(またはナースコールシステムが備える他の装置)から取得して、当該キャプチャ画像を看護師が確認できるようにしてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、ナースコールの呼出信号を受信したときに、看護業務アプリが起動されていれば、その表示画面のキャプチャ画像を取得するようにしているが、看護業務アプリ以外のアプリが起動されている場合であっても、その表示画面のキャプチャ画像を取得するようにしてもよい。これにより、例えば、一般的なアプリ(例えば、インターネット、電子メール等)を使用して看護業務を行っていたような場合であっても、ナースコールの呼出信号を受信したときに取得されたキャプチャ画像から、その作業内容を確認することができるようになる。
【0079】
また、上記実施形態では、特許請求の範囲に記載の携帯端末装置の一例としてスマートフォン8を用いたが、これに限らない。携帯端末装置としては、ナースコールの応答および看護業務アプリの使用が可能なディスプレイを備えた携帯端末装置であれば、どのような携帯端末装置を用いてもよい。
【0080】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。