(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転部材は、予め定められた回転角の範囲において、前記第1の検出部及び前記第2の検出部と対向する部分の厚みが、前記平面に直交する平面に対して前記第1の検出部及び前記第2の検出部と面対称となる前記配置面上の位置に対向する部分の厚みよりも薄い、
請求項1に記載の回転移動検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る回転移動検出装置は、回転軸の周りを回転し、回転軸を含む平面に対して面対称な磁場を生成する回転部材と、基材の配置面に配置され、回転部材の回転角を検出する回転角検出部と、回転部材と配置面との相対移動による接近及び離脱を検出し、回転軸と配置面との交点を通る直線と配置面に回転部材を投影して得られる写像の外周との交点に配置された第1の検出部と、回転部材と配置面との接近及び離脱を検出し、平面に対して第1の検出部と面対称な位置に配置された第2の検出部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
[実施の形態]
(レバースイッチ装置1の全体構成)
図1は、実施の形態に係るレバースイッチ装置が搭載された車両内部の概略図である。
図2は、実施の形態に係るレバースイッチ装置の外観を示す斜視図である。
図3は、実施の形態に係るレバースイッチ装置の分解斜視図である。
図4は、実施の形態に係るレバースイッチ装置の
図2のA−A断面図である。
図5(a)は、実施の形態に係るマグネットの斜視図であり、
図5(b)は、
図5(a)のD−D断面図であり、
図5(c)は、マグネットの上面図である。
図6(a)は、実施の形態に係るマグネットを配置面に投影した写像と第1のディマ検出センサ及び第2のディマ検出センサとの位置関係を説明するための上面図であり、
図6(b)は、マグネットの側面図であり、
図6(c)は、レバースイッチ装置のブロック図である。なお、以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また
図6(c)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
【0012】
回転移動検出装置としてのレバースイッチ装置1は、例えば、
図1に示すように、車両5のウインカー(方向指示器)やヘッドランプを操作することが可能な操作装置である。このレバースイッチ装置1は、
図1に示すように、車両のステアリング6の近傍に装着され、ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバー7から突出するように配置されている。
【0013】
図1の紙面において右側に突出して配置されたレバースイッチ装置1は、例えば、方向指示器及びヘッドランプ等を操作するものである。本実施の形態では、右ハンドルの車両を前提とし、右側に突出した方向指示器等を操作することが可能なレバースイッチ装置1について説明する。
【0014】
レバースイッチ装置1は、
図2及び
図3に示すように、第3の回転軸L3の周りを回転し、第3の回転軸L3を含む平面(平面503)に対して面対称な磁場(磁場500)を生成する回転部材と、基材の配置面に配置され、回転部材の回転角θを検出する回転角検出部と、回転部材と配置面との相対移動による接近及び離脱を検出し、第3の回転軸L3と配置面との交点(交点801)を通る直線(直線506)と配置面に回転部材を投影して得られる写像(写像505)の外周との交点(交点911)に配置された第1の検出部と、回転部材と配置面101との接近及び離脱を検出し、平面(平面503)に対して第1の検出部と面対称な位置に配置された第2の検出部と、を備えて概略構成されている。
【0015】
回転部材は、一例として、マグネット50である。基材の配置面は、一例として、プリント配線基板である基板100の配置面101である。回転角検出部は、一例として、ターン検出センサ80である。第1の検出部及び第2の検出部は、一例として、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92である(
図6(a)参照)。
【0016】
また、レバースイッチ装置1は、第1の回転軸L1を軸とする第1の回転操作、及び第1の回転軸L1と交差する第2の回転軸L2を軸とする第2の回転操作が可能な操作部と、操作部になされた第1の回転操作をマグネット50の第3の回転軸L3の周りの回転に変換する第1の変換部と、操作部になされた第2の回転操作をマグネット50と配置面101との相対移動に変換する第2の変換部と、を備えている。
【0017】
操作部は、一例として、操作レバー10である。第1の変換部は、一例として、ブラケット30である。第2の変換部は、一例として、ホルダ40である。
【0018】
また、レバースイッチ装置1は、
図3に示すように、筐体20と、ブラケット30と、マグネットホルダ70と、を備えている。
【0019】
ここで、
図3で示す第1の回転軸L1の回りの第1の回転操作の方向は、
図2に示す矢印TL方向、及び矢印TL方向とは逆方向となる矢印TR方向の操作を示している。この矢印TL方向の操作は、例えば、車両5の左側のウインカー(方向指示器)を点滅させる左折操作である。また矢印TR方向の操作は、例えば、右側のウインカー(方向指示器)を点滅させる右折操作である。すなわち、第1の回転操作は、左折又は右折のためのウインカー(方向指示器)操作であり、操作レバー10のターン操作である。
【0020】
一方、
図3で示す第2の回転軸L2の回りの第2の回転操作の方向は、
図2に示す矢印D方向、及び矢印D方向とは逆方向となる矢印P方向の操作を示している。この矢印D方向の操作は、例えば、車両5のヘッドランプの光軸を上向きに切り替える操作(ディマHU操作)である。また矢印P方向の操作は、例えば、操作を維持している間、ヘッドライトの光軸を上向きに切り替える操作(パッシング操作)である。レバースイッチ装置1は、例えば、矢印P方向の操作に対しては、操作が終了した後に中立位置に復帰するモーメンタリースイッチとして構成されている。またレバースイッチ装置1は、例えば、矢印D方向の操作に対しては、操作が終了した後、中立位置に復帰せず、矢印D方向に操作レバー10が操作された状態が維持されるように構成されている。すなわち、第2の回転操作は、ヘッドランプの光軸を切り替える操作であり、操作レバー10のディマ操作である。
【0021】
上述の第1の操作方向は、
図2に示すレバースイッチ装置1の上部筐体21が、操作者に向くように車両5に配置されるので、操作者から見て
図2の上下方向に操作する方向となる。この上方向の操作は、矢印TL方向の操作であり、下方向の操作は、矢印TR方向の操作である。また第2の操作方向は、操作者から見て前後方向に操作する方向となる。この前方向の操作は、矢印P方向の操作であり、操作レバー10を操作者側に引き寄せるような操作となる。また後方向の操作とは、矢印D方向の操作であり、操作レバー10を操作者から遠ざけるような操作となる。
【0022】
なお、この矢印TL方向及び矢印TR方向の操作により操作レバー10が形成する操作面と、矢印D方向及び矢印P方向の操作により操作レバー10が形成する操作面とは、交差し、実質的に直交する。
【0023】
(操作レバー10の構成)
操作レバー10は、ブラケット30に収容され、ターン操作によりブラケット30と一体となって第1の回転軸L1の回りに回転移動可能で、第1の回転軸L1と交差する第2の回転軸L2の回りのディマ操作の方向にブラケット30と独立に回転移動可能に構成、配置されている。
【0024】
操作レバー10は、ブラケット30の中に挿入されて収容される挿入部11、操作者がターン操作やディマ操作のために把持するレバー本体12、及び、挿入部11とレバー本体12との間に位置し、操作レバー10のディマ操作の回転中心となる回転軸部13から概略構成されている。
【0025】
回転軸部13は、
図3に示すように、第2の回転軸L2の両方向に突出して形成され、挿入部11がブラケット30の中に挿入されることにより、ブラケット30の支持穴部33に回転可能に支持される。
【0026】
挿入部11の先端側には、後述するホルダ40と係合して、ディマ操作時にホルダ40をスライド移動させるための駆動突起部14が突出して形成されている。
【0027】
挿入部11の先端には、節度ピース16がスプリング17を介して挿入される挿入穴15が形成されている。この節度ピース16は、操作レバー10がブラケット30及び筐体20に組み付けられた状態で、スプリング17により節度ブロック25へ向かって付勢される。これにより、ターン操作、ディマ操作時に必要な節度感を付与することができる。
【0028】
(筐体20の構成)
筐体20は、
図2及び
図3に示すように、上部筐体21と下部筐体22とから構成されている。上部筐体21には、節度ブロック25が節度ピース16に対応して装着される。また、下部筐体22には、マグネットホルダ70、基板100が下側から固定される。上部筐体21と下部筐体22は、係止部21aと係止突起部22aとが係合することにより互いに係止されて固定される。
【0029】
上部筐体21は、内部にブラケット30等を収容可能とする箱形状とされている。
図4に示すように、内部上面にはブラケット30の回転軸部31を回転可能に支持する支持穴部21bが形成されている。上部筐体21はブラケット30の上部を回転可能に支持し、下部筐体22がブラケット30の下部を回転可能に支持して、上部筐体21と下部筐体22とでブラケット30を挟み込むように収容する。上部筐体21の内部は、ブラケット30が支持穴部21bの回りに所定角度(ターン操作に必要な角度)だけ回転移動できるように内部空間が形成されている。
【0030】
上部筐体21の内部には、
図4に示すように、節度ブロック25が装着されている。節度ブロック25は、付勢された節度ピース16と節度溝25aにより、ターン操作、ディマ操作時に必要な節度感を付与する。
【0031】
下部筐体22は、内部にブラケット30等を収容可能とする箱形状とされている。
図4に示すように、内部下面にはブラケット30の環状壁部32を回転可能に支持する環状溝部22bが形成されている。上部筐体21と同様に、下部筐体22の内部は、ブラケット30が環状溝部22bの回りに所定角度(ターン操作に必要な角度)だけ回転移動できるように内部空間が形成されている。
【0032】
下部筐体22は、
図3に示すように、下側から、マグネットホルダ70、基板100が固定されている。
【0033】
(ブラケット30の構成)
ブラケット30は、第1の回転軸L1に、回転軸部31が突出して形成され、また、
図4に示すように、環状壁部32が形成されている。これにより、ブラケット30は、第1の回転軸L1の回りに所定角度(ターン操作に必要な角度)だけ回転移動可能な状態で筐体20の中に収容される。
【0034】
ブラケット30には、第2の回転軸L2に、操作レバー10の回転軸部13と回転可能に嵌合して支持する支持穴部33が形成されている。これにより、ブラケット30は、内部に、第2の回転軸L2の回りのディマ操作の方向にブラケット30と独立に回転移動可能な状態で、操作レバー10を収容する。
【0035】
ブラケット30は、第1の回転軸L1から離間した位置に、上述するマグネット50を回転駆動するための駆動突起部34が形成されている。この駆動突起部34は、操作レバー10のターン操作により、第1の回転軸L1の回りに、ブラケット30と共に所定角度だけ回転移動する。
【0036】
(ホルダ40の構成)
ホルダ40は、操作レバー10のターン操作によりブラケット30と一体となって第1の回転軸L1の回りに回転移動可能で、操作レバー10のディマ操作によりブラケット30に対してスライド移動可能な状態で、ブラケット30の中に収容されている。
【0037】
ホルダ40は、
図3に示すように、ホルダ40の上部に、操作レバー10の駆動突起部14が嵌合する嵌合溝41が形成されている。この嵌合溝41は、操作レバー10が第2の回転軸L2の回りにディマ操作がされた場合に、駆動突起部14の上下移動にのみホルダ40が追従し、第2の回転軸L2に交差する方向への動きに追従しないための溝として形成されている。
【0038】
また、ホルダ40は、
図3に示すように、ホルダ40の下部に、操作レバー10が第2の回転軸L2の回りにディマ操作された場合に、マグネット50を保持して上下移動させるための保持溝42が形成されている。この保持溝42は、操作レバー10が第1の回転軸L1の回りにターン操作がされた場合に、第1の回転軸L1の回りへの動きに追従しないための溝として形成されている。
【0039】
(マグネット50の構成)
マグネット50は、例えば、フェライト系、ネオジム系、サマコバ系、サマリウム鉄窒素系等の磁性体材料と、ポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリアミド系、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)等の合成樹脂材料と、を混合して所望の形状に成形したプラスチックマグネットである。なお、変形例として、回転部材は、例えば、マグネット50と似た磁場を形成する電磁石等であっても良い。
【0040】
マグネット50は、
図5(a)〜
図5(c)に示すように、円板部51と、突出部54と、円筒部56と、を備えて概略構成されている。このマグネット50は、
図5(a)に示すように、マグネット50の第3の回転軸L3に交差する方向に着磁され、突出部54が設けられている一方がS極となり、他方がN極となっている。この着磁により、
図5(b)及び
図5(c)に示すように、磁束がマグネット50のN極からS極に向かって放射され、N極から径方向に向かって放射された磁束がS極に収束される磁場500を形成する。なお、着磁方向は、逆向きであっても良い。
【0041】
円板部51の上面52には、円筒部56が設けられ、下面53には、傾斜530が設けられている。また、円板部51には、側面からマグネット50の径方向に突出するように突出部54が設けられている。
【0042】
円筒部56は、周方向に周溝部560が設けられている。この周溝部560は、上述のように、ホルダ40の保持溝42にスライド可能に嵌り込んでいる。ディマ操作が操作レバー10になされた場合、操作レバー10を介してホルダ40がディマ操作の方向に従って上下に移動し、このホルダ40の移動に伴って、保持溝42に嵌るマグネット50がホルダ40と共に上下に移動する。なお、特に断らない限り、マグネット50の上下の移動とは、
図5(b)の紙面の中立位置(Z=0)からの上方向(D位置:Z=+1.5)及び下方向(P位置:Z=−1.5)の移動を示している。
【0043】
また、マグネット50は、円板部51及び円筒部56を貫通する貫通孔57が設けられている。この貫通孔57には、後述するマグネットホルダ70のマグネット支持軸72が挿入される。マグネット50は、このマグネット支持軸72を中心に回転する。
【0044】
突出部54には、先端が開放されたU字形状の凹部55が形成されている。この凹部55には、ブラケット30の駆動突起部34が挿入されている。マグネット50は、操作レバー10になされたターン操作により、操作レバー10を介してブラケット30が矢印TL方向又は矢印TR方向に第1の回転軸L1を軸として回転すると、凹部55に挿入された駆動突起部34が第1の回転軸L1を中心とした円に沿って移動するので、貫通孔57に挿入されたマグネット支持軸72を第3の回転軸L3として回転する。
【0045】
また、マグネット50は、予め定められた回転角θの範囲において、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92と対向する部分の厚さT
1が、平面503に直交する平面504に対して第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92と面対称となる配置面101上の位置に対向する部分の厚さT
2よりも薄くなる形状を有している。
【0046】
この予め定められた回転角θの範囲とは、操作レバー10のターン操作に基づく、マグネット50の回転範囲であり、一例として、45°以上135°以下の範囲である。この厚さT
1及び厚さT
2の関係は、少なくとも当該範囲内で成り立つ。また、厚さT
1は、一例として、厚さT
2の半分の厚みとなっている。なお、操作レバー10が中立位置にある際のマグネット50の回転角θを90°としている。
【0047】
この厚さT
1及び厚さT
2の関係を成立させるために、マグネット50の下面53には、傾斜530が形成されている。この傾斜530は、例えば、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、下面53のN極とS極との境界近傍から貫通孔57に最も遠い側面に向かって傾斜するように形成されている。つまり、マグネット50は、S極部分よりもN極部分の方が薄くなって、体積が小さくなっている。なお、厚さT
1は、一例として、厚さT
2の半分の厚みである。
【0048】
この傾斜530は、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92に作用する磁場500の磁束密度を、傾斜がない場合の磁束密度よりも低くするために設けられている。つまり、傾斜530は、マグネット50の回転がマグネット50の上下移動の検出に与える影響を小さくするために設けられている。
【0049】
(マグネットホルダ70の構成)
マグネットホルダ70は、基板100に固定された状態で、下部筐体22に位置決めされて固定される。マグネットホルダ70は、底部71、底部71からマグネット50の方向に向かって突設して形成されたマグネット支持軸72、底部71からマグネット50の方向に向かって突設してマグネット支持軸72と同心円状に形成された壁部73等を有している。このマグネットホルダ70は、樹脂(非磁性材料)により一体に形成されている。
【0050】
マグネット支持軸72は、マグネット50の貫通孔57と回転及びスライド可能に嵌合するように形成され、操作レバー10が第2の回転軸L2の回りにディマ操作がされた場合に、第3の回転軸L3に沿ってマグネット50が上下移動するのを支持する。なお、壁部73は、マグネット50の外周に沿って設けられているが、マグネット50の支持は主にマグネット支持軸72で行われる。なお、変形例として、レバースイッチ装置1は、マグネット50の貫通孔57とマグネットホルダ70のマグネット支持軸72とが形成されない構成を有し、マグネット50が壁部73により回転及び上下移動可能に支持される構成としても良い。
【0051】
上記説明した操作レバー10、筐体20、ブラケット30、ホルダ40は、マグネット50の近くに配置されるので、マグネットホルダ70と同様に樹脂等の非磁性材料により形成されるのが好ましい。
【0052】
(ターン検出センサ80の構成)
ターン検出センサ80は、例えば、マグネット50の回転に伴う磁場500の変化を検出するホール素子及び磁気抵抗素子等の磁気検出素子を用いて構成されている。本実施の形態では、ホール素子を用いている。
【0053】
ターン検出センサ80は、例えば、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、第3の回転軸L3が検出面800の中心を通るように基板100の配置面101に配置される。この検出面800とは、例えば、磁場500の変化に反応する面である。
【0054】
ターン検出センサ80は、例えば、信号を増幅する増幅部や信号を処理する処理部等を含んで1つのチップとしてパッケージされている場合、磁気検出素子がチップの中心以外の場所に配置される可能性がある。本実施の形態におけるターン検出センサ80、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92は、チップの中心と検出面の中心とが一致しないとしている。
【0055】
(第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92の構成)
第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92は、例えば、操作レバー10になされたディマ操作に伴うマグネット50と配置面101との接近及び離脱、つまり、
図5(b)の紙面上下方向のマグネット50の移動に伴う磁場500の変化を検出するホール素子及び磁気抵抗素子等の磁気検出素子を用いて構成されている。本実施の形態では、ホール素子を用いている。
【0056】
第1のディマ検出センサ91は、
図6(a)に示すように、第3の回転軸L3と配置面101との交点801を通る直線506と配置面101にマグネット50を投影して得られる写像505の外周との交点911に、検出面910の中心が位置するように配置されている。
【0057】
また、第2のディマ検出センサ92は、
図6(a)に示すように、第3の回転軸L3と配置面101との交点801を通る直線507と写像505の外周との交点921に、検出面920の中心が位置するように配置されている。言い換えるなら、第2のディマ検出センサ92は、
図6(a)に示す平面503に対して第1のディマ検出センサ91と面対称な位置に配置されている。つまり、直線506と平面503とのなす角と直線507と平面503とのなす角とは、同じである(配置角θ
1)。なお、平面503は、第3の回転軸L3を含むと共に、相互に鏡像となるようにマグネット50を分ける平面である。
【0058】
第1のディマ検出センサ91は、検出値S
2を出力し、第2のディマ検出センサ92は、検出値S
3を出力する。第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92は、検出値S
2及び検出値S
3の和が実質的に一定となるような配置角θ
1となるように配置される。
【0059】
マグネット50は、例えば、
図5(b)に示すように、操作レバー10のディマ操作に応じて、3つの操作位置(D位置、中立位置、P位置)に移動する。マグネット50は、例えば、操作レバー10が矢印D方向に操作されると、中立位置(Z=0)から上方向(D位置)に移動する。この上方向の移動量は、一例として、+1.5mmである。また、マグネット50は、例えば、操作レバー10が矢印P方向に操作されると、中立位置から下方向(P位置)に移動する。この下方向の移動量は、一例として、−1.5mmである。第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92は、この3つの操作位置におけるマグネット50の磁場500の磁束密度を検出し、検出値S
2及び検出値S
3として制御部150に出力する。
【0060】
(制御部150の構成)
制御部150は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工等を行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部150が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果等を格納する記憶領域として用いられる。
【0061】
制御部150は、
図6(c)に示すように、ターン検出センサ80、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92と接続されている。また、制御部150は、しきい値151を有している。
【0062】
制御部150は、ターン検出センサ80が出力した検出値S
1に基づいてマグネット50の回転角を算出するように構成されている。
【0063】
また、制御部150は、第1のディマ検出センサ91が出力した検出値S
2と第2のディマ検出センサ92が出力した検出値S
3とを加算し、加算した加算値としきい値151とを比較し、ディマ操作による上述の3つの操作位置を検出するように構成されている。
【0064】
制御部150は、取得した検出値S
1〜検出値S
3に基づいて操作レバー10になされた操作を判定して操作情報S
4を生成する。制御部150は、例えば、基板100に設けられたコネクタ110を介して操作情報S
4を車両5の車両制御部に出力するように構成されている。
【0065】
(マグネット50の傾斜530とディマ検出センサの配置について)
図7(a)は、実施の形態に係るレバースイッチ装置の右方向のターン操作によるマグネットの回転を示す上面図であり、
図7(b)は、レバーが中立位置にあるときのマグネットを示す上面図であり、
図7(c)は、左方向のターン操作によるマグネットの回転を示す上面図である。
図7(a)〜
図7(c)では、紙面の上側から左回りに、マグネット50の回転角θ
2が0°〜180°となるように示している。
【0066】
図8(a)は、実施の形態に係る第1のディマ検出センサの検出値S
2、第2のディマ検出センサの検出値S
3、及び検出値S
2と検出値S
3を加算した加算値(S
2+S
3)のグラフであり、
図8(b)は、第1のディマ検出センサ及び第2のディマ検出センサによるディマ操作の検出を説明するためのグラフであり、
図8(c)は、第1のディマ検出センサ及び第2のディマ検出センサの配置角θ
1についてのグラフであり、
図8(d)は、比較例における検出値S
2、検出値S
3及び加算値(S
2+S
3)のグラフである。
図8(a)、
図8(b)及び
図8(d)は、縦軸が磁束密度(mT)であり、横軸がマグネット50の回転角θ
2(deg)である。
図8(c)は、左右の縦軸が磁束密度(mT)であり、横軸が配置角θ
1(deg)である。また、
図8(c)は、左側の縦軸が磁束密度の差を図示するためのものであり、右側の縦軸が磁束密度の最大値の和を図示するためのものである。
図8(a)〜
図8(d)は、ANSYS Emagを用いてシミュレーションした結果を図示したものである。
【0067】
図8(d)は、比較例として、傾斜が形成されていない円柱形状のマグネットの検出値S
2、検出値S
3及び加算値(S
2+S
3)を示している。この比較例では、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92の配置は、
図6(a)と同じであるものとする。
【0068】
操作レバー10が右方向(矢印TR方向)にターン操作されると、
図7(a)に示すように、第1のディマ検出センサ91に対向するマグネットの部分は、N極の中心近傍となる。また、操作レバー10が左方向(矢印TL方向)にターン操作されると、
図7(c)に示すように、第1のディマ検出センサ91に対向するマグネットの部分は、N極とS極の境界近傍となる。従って、第1のディマ検出センサ91に作用する磁場の磁束密度は、回転角θ
2が大きくなるにつれて高くなる。よって、検出値S
2は、
図8(d)に示すように、右肩上がりの曲線となる。なお、
図8(a)〜
図8(d)では、磁束密度の符号を負としている。
【0069】
同様に、操作レバー10が右方向(矢印TR方向)にターン操作されると、
図7(a)に示すように、第2のディマ検出センサ92に対向するマグネットの部分は、N極とS極の境界近傍となる。また、操作レバー10が左方向(矢印TL方向)にターン操作されると、
図7(c)に示すように、第2のディマ検出センサ92に対向するマグネットの部分は、N極の中心近傍となる。従って、第2のディマ検出センサ92に作用する磁場の磁束密度は、第1のディマ検出センサ91とは逆に、回転角θ
2が大きくなるにつれて低くなる。よって、検出値S
3は、
図8(d)に示すように、左肩上がりの曲線となる。比較例では、検出値S
2及び検出値S
3の最大値と最小値の差の絶対値は、それぞれおよそ36mTである。なお、以下において、検出値S
2及び検出値S
3が正の場合は、絶対値を取る必要はない。
【0070】
この検出値S
2と検出値S
3の和を計算すると、
図8(d)に示す加算値(S
2+S
3)となる。この加算値は、最大値と最小値の差の絶対値が、およそ20mTとなっている。
【0071】
ここで、マグネット50に傾斜530が形成されている場合、
図8(a)に示すように、中立位置において、第1のディマ検出センサ91の検出値S
2、及び第2のディマ検出センサ92の検出値S
3の絶対値がおよそ36mTであり、比較例の検出値の絶対値がおよそ55mTであることから、傾斜530が形成されている方が、中立位置において検出される磁束密度が低くなっている。
【0072】
また、マグネット50が右方向及び左方向に回転しても、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92に対向する部分は、S極の部分よりも厚みが薄い、つまり、体積が小さいので、比較例と比べて、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92により検出される磁束密度が低い。従って、マグネット50が回転してN極とS極との境界近傍にディマ検出センサが位置しても検出される磁束密度が比較例と比べて低くなり、
図8(a)に示すように、最大値と最小値の差の絶対値が小さくなる(およそ10mT)。
【0073】
加算値(S
2+S
3)の最大値と最小値の差の絶対値は、
図8(a)に示すように、およそ8mTであり、比較例の差の絶対値(およそ20mT)の半分以下となって、より直線に近くなっている。加算値(S
2+S
3)の差が直線に近くなることは、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92に作用する磁場の磁束密度がマグネット50の回転によって殆ど変化しない、つまり、マグネット50の回転がディマ操作の検出に与える影響が小さいということを示している。従って、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92は、マグネット50の回転に左右されることなく、ディマ操作によるマグネット50の上下の移動を検出可能である。
【0074】
図8(c)は、磁束密度の最大値と最小値の差の絶対値、及び加算値の最大値の絶対値が、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92の配置角θ
1によってどのように変化するのかを示したグラフである。なお、
図8(c)における「○」の記号は、マグネットに傾斜が形成されていない比較例における、磁束密度の最大値と最小値の差の絶対値(磁束max-min)であり、「△」の記号は、加算値(S
2+S
3)の絶対値(S
2+S
3max)である。また
図8(c)における「□」の記号は、マグネットに傾斜が形成された場合における、磁束密度の最大値と最小値の差の絶対値(磁束max-min)であり、「◇」の記号は、加算値(S
2+S
3)の絶対値(S
2+S
3max)である。
【0075】
マグネットに傾斜が形成されていない場合、配置角θ
1が大きくなるに従って、磁束密度の最大値と最小値の差の絶対値、及び加算値(S
2+S
3)の絶対値は、小さくなる。具体的には、磁束密度の最大値と最小値の差の絶対値の差は、およそ5mTである。また、加算値の絶対値の差は、およそ34mTである。
【0076】
一方、マグネットに傾斜が形成されている場合、配置角θ
1が変化しても、磁束密度の最大値と最小値の差の絶対値、及び加算値(S
2+S
3)の絶対値の変化は、僅かである。具体的には、磁束密度の最大値と最小値の差の絶対値の差は、およそ1mTである。また、加算値の絶対値の差は、およそ7mTである。つまり、磁束密度の最大値と最小値の差の絶対値、及び加算値(S
2+S
3)の絶対値は、傾斜がある方が、比較例の五分の一程度の幅の中に収まっている。従って、傾斜がある方が、ディマ検出センサの配置のばらつきによる、磁束密度の最大値と最小値の差の絶対値、及び加算値(S
2+S
3)の絶対値の変化を抑制する。
【0077】
つまり、傾斜530がマグネット50に形成されることにより、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92の配置がばらついても、磁束密度の最大値と最小値の差の絶対値、及び加算値の最大値の絶対値のばらつきに与える影響が小さいことを示している。
【0078】
図8(b)は、操作レバー10のディマ操作による3つの操作位置に応じた磁束密度を示している。上述のように、加算値の最小値と最大値の絶対値の幅が狭い場合、
図8(b)に示すように、操作位置に応じた加算値がマグネット50の回転による影響を受けにくいので、操作位置を判定するためのしきい値151の設定が容易になると共に、しきい値151がばらついたとしても、正確な位置の判定が可能となる。
【0079】
(レバースイッチ装置1の動作)
以下では、本実施の形態に係るレバースイッチ装置1の動作を、ターン操作とディマ操作とに分けて説明する。
【0080】
(ターン操作について)
図9(a)は、
図2のB方向から見た右折操作(矢印TR方向の操作)時の操作レバー、マグネットの移動状態を示す平面図であり、
図9(b)は、
図2のB方向から見た中立時の操作レバー、マグネットの移動状態を示す平面図であり、
図9(c)は、
図2のB方向から見た左折操作(矢印TL方向の操作)時の操作レバー、マグネットの移動状態を示す平面図である。なお、
図10は、上部筐体21を取り除いて見た上平面図である。
【0081】
図9(a)において、ターン操作により、操作レバー10が矢印TR方向に操作されると、操作レバー10は、第1の回転軸L1の回りに回転移動する。ブラケット30は、操作レバー10と一体となって回転し、駆動突起部34も第1の回転軸L1の回りに回転移動する。マグネット50は、凹部55が駆動突起部34に嵌合しているので、操作レバー10の回転操作に伴って、マグネット支持軸72(第3の回転軸L3)の回りに回転移動する。これにより、ターン検出センサ80を通過する磁場500の方向が変化する。
【0082】
図9(b)は、操作レバー10が回転操作されていない中立時の位置状態を示す。この位置状態では、操作レバー10、ブラケット30は、回転していないので、マグネット50も回転しない。これにより、ターン検出センサ80を通過する磁場500の方向は変化しない。
【0083】
図9(c)において、ターン操作により、操作レバー10が矢印TL方向に操作されると、操作レバー10は、第1の回転軸L1の回りに回転移動する。ブラケット30は、操作レバー10と一体となって回転し、駆動突起部34も第1の回転軸L1の回りに回転移動する。マグネット50は、凹部55が駆動突起部34に嵌合しているので、操作レバー10の回転操作に伴って、マグネット支持軸72(第3の回転軸L3)の回りに回転移動する。これにより、ターン検出センサ80を通過する磁場500の方向が変化する。なお、この磁場500の方向の変化は、操作レバー10の矢印TR方向への操作時と逆方向である。
【0084】
(ディマ操作について)
図10(a)は、
図2のA−A断面で、矢印D方向のディマ操作時の操作レバー、マグネットの移動状態を示す部分断面図であり、
図10(b)は、
図2のA−A断面で、中立時の操作レバー、マグネットの移動状態を示す部分断面図であり、
図10(c)は、
図2のA−A断面で、矢印P方向のディマ操作時の操作レバー、マグネットの移動状態を示す部分断面図である。
【0085】
図10(a)において、ディマ操作により、操作レバー10が矢印D方向に操作されると、操作レバー10は第2の回転軸L2の回りに回転移動する。ホルダ40は、操作レバー10の駆動突起部14が上方向に移動することから、この駆動突起部14に嵌合する嵌合溝41を介して上方向にスライド移動する。ホルダ40の保持溝42で保持されているマグネット50は、マグネット支持軸72に支持されて上方向にスライド移動する。これにより、マグネット50の下方に配置された第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92を通過する磁場500の磁束密度が変化する。この操作レバー10の位置でターン操作した場合の加算値(S
2+S
3)は、一例として、
図8(b)に実線で示すグラフである。
【0086】
図10(b)は、操作レバー10が回転操作されていない中立時の位置状態を示す。この状態では、操作レバー10は回転せず、また、ホルダ40はスライド移動していないので、マグネット50もスライド移動しない。これにより、マグネット50の下方に配置された第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92を通過する磁場500の磁束密度は、変化しない。この操作レバー10の位置でターン操作した場合の加算値(S
2+S
3)は、一例として、
図8(b)に点線で示すグラフである。
【0087】
図10(c)において、ディマ操作により、操作レバー10が矢印P方向に操作されると、操作レバー10は第2の回転軸L2の回りに回転移動する。ホルダ40は、操作レバー10の駆動突起部14が下方向に移動することから、この駆動突起部14に嵌合する嵌合溝41を介して下方向にスライド移動する。ホルダ40の保持溝42で保持されているマグネット50は、マグネット支持軸72に支持されて下方向にスライド移動する。これにより、マグネット50の下方に配置された第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92を通過する磁場500の磁束密度が変化する。この操作レバー10の位置でターン操作した場合の加算値(S
2+S
3)は、一例として、
図8(b)に一点鎖線で示すグラフである。
【0088】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係るレバースイッチ装置1は、1つの磁石で2方向の動きを非接触で検出できる。具体的には、レバースイッチ装置1は、操作レバー10のターン操作によりマグネット50が第3の回転軸L3の周りを回転すると共に、操作レバー10のディマ操作によりマグネット50が第3の回転軸L3に沿って移動するように構成されている。また、レバースイッチ装置1は、マグネット50の回転をターン検出センサ80で検出し、マグネット50の上下移動を第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92で検出する。従って、レバースイッチ装置1は、1つの磁石で、ターン操作及びディマ操作の2方向の動きを非接触で検出できる。
【0089】
レバースイッチ装置1は、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92の検出値S
2及び検出値S
3の和が一定となるように配置されるので、マグネットの回転の影響が抑制され、精度の良い検出ができる。
【0090】
レバースイッチ装置1は、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92が、マグネット50を配置面101に投影した写像505に、検出面910及び検出面920の中心が位置するように配置されるので、検出面の中心が位置しない場合と比べて、効率的に磁束密度の変化を検出することができる。
【0091】
レバースイッチ装置1は、マグネット50が傾斜530を有している。マグネット50は、傾斜530を有することで、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92に作用する磁場500の磁束密度を、傾斜530が形成された部分の反対側の下方の磁束密度よりも低くすることができるので、ディマ操作の検出において、マグネット50の回転の影響を受け難く、精度の良い検出ができる。
【0092】
レバースイッチ装置1は、ターン検出センサ80、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92が基板100の同じ配置面101に配置されているので、マグネットの側面から上下位置を検出する場合と比べて、マグネット50とターン検出センサ80、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92との位置決めが容易である。
【0093】
ここで、変形例として、マグネット50は、傾斜530が膨らむ、又は凹んでいても良く、また、第1のディマ検出センサ91及び第2のディマ検出センサ92に対向する部分近傍のみに形成されても良い。また、他の変形例として、マグネット50は、回転に伴って、常にディマ検出センサ90に対向する部分の厚さT
1が厚さT
2よりも薄く形成され、磁束密度が厚さT
2の部分よりも低くなる形状であれば良い。
【0094】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。