(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282950
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】車載機器
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20180208BHJP
G06F 17/30 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F17/30 380E
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-147376(P2014-147376)
(22)【出願日】2014年7月18日
(65)【公開番号】特開2016-24568(P2016-24568A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097205
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 正樹
(72)【発明者】
【氏名】山崎 昇
【審査官】
萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−043157(JP,A)
【文献】
特開2009−282827(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0011466(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 − 3/0489
G06F 17/30
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された検索条件に基づいてコンテンツを検索するコンテンツ検索手段と、
該コンテンツ検索手段により検索されたコンテンツを文字列のリスト形式にしたコンテンツリストを作成するコンテンツリスト作成手段と、
前記コンテンツリストを表示部のリスト表示領域に表示する表示制御手段と、を有し、
更に、前記表示制御手段は、前記コンテンツの文字列を画像に変換する画像変換手段と、
前記画像の前記文字列の配列方向のドット数により前記コンテンツの文字列の配列方向の長さを算出する配列方向長さ算出手段と、
前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の既定標準幅長と、前記算出手段により算出された前記文字列の配列方向の長さとを比較判定する比較判定手段と、
算出された前記文字列の配列方向の長さが、前記既定標準幅長よりも長いときは、前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を延長する領域変更手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記コンテンツリストに含まれるコンテンツの文字列の配列方向の長さに応じて、前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を変更する車載機器。
【請求項2】
前記領域変更手段は、算出された前記文字列の配列方向の長さが、前記既定標
準幅長よりも短いときは、前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を短縮する、請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記領域変更手段は、予め設定された最大幅長と最小幅長との範囲内で、前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を前記延長又は前記短縮する請求項2に記載の車載機器。
【請求項4】
前記画像変換手段は、前記コンテンツの文字列をビットマップ画像に変換する請求項1乃至3のいずれかに記載の車載機器。
【請求項5】
入力された検索条件に基づいてコンテンツを検索するコンテンツ検索手段と、
該コンテンツ検索手段により検索されたコンテンツを文字列のリスト形式にしたコンテンツリストを作成するコンテンツリスト作成手段と、
前記コンテンツリストを表示部の第1表示領域に表示すると共に、前記コンテンツリストに関連する関連情報を前記表示部の第2表示領域に表示する表示制御手段と、を有し、
更に、前記表示制御手段は、前記コンテンツの文字列を画像に変換する画像変換手段と、
前記画像の前記文字列の配列方向のドット数により前記コンテンツの文字列の配列方向の長さを算出する配列方向長さ算出手段と、
前記第1表示領域の前記文字列の配列方向の既定標準幅長と、前記算出手段により算出された前記文字列の配列方向の長さとを比較判定する比較判定手段と、
算出された前記文字列の配列方向の長さが、前記既定標準幅長よりも長いときは、前記第1表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を延長する領域変更手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記コンテンツリストに含まれるコンテンツの文字列の配列方向の長さに応じて、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を変更する車載機器。
【請求項6】
前記第1表示領域と前記第2表示領域とは、前記表示部の前記文字列の配列方向に沿って配置されている請求項5に記載の車載機器。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記第1表示領域に表示される前記コンテンツリストの筆頭に表示されるコンテンツ又は選択されたコンテンツに関連する画像を、前記関連情報として前記第2表示領域に表示する請求項5又は6に記載の車載機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された条件に基づいて検索したコンテンツをリスト表示する車載機器に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置等の車載機器では、走行目的先の施設名や視聴対象となる選曲等のコンテンツ検索(POI検索を含む)が利用されており、ユーザの便宜を図るべく検索結果をリスト表示するほかに、リスト表示と関連する画像等の表示を加えた2画面表示が行われている。例えば、目的のホテル名を入力して検索すると、該当するホテル名のリスト表示のほかに、筆頭表示されたホテル名称又は画面で選択されたホテル名称の施設位置を示した地図画像を含んだ2画面の並列表示がされる。
【0003】
上記リスト表示において、検索結果となる施設の名称等が、例えば、ブランド名+店舗名(ABCGREEN−INN ABINGDOM等)のように構成されている場合が多く、一行表示すると比較的長い文字列となる傾向にある。そのため、検索結果の施設の名称等の一行表示が画面のリスト表示範囲に入りきらない場合がある。このとき、検索が特定の場所の店舗等を指定する必要がないとき、例えば、検索項目が「コンビニエンスストア」としたときは、最短距離にあるコンビニエンスストアを筆頭にしたリスト表示と、筆頭のコンビニエンスストアの位置を示す地図画像との2画面表示がなされる。この場合、店舗名称の文字列が一行として長い記載であることきから全体の表示がなされない場合があるが、リストの先頭に表示された名称の施設が現地点から最短距離にあり、その位置を示す地図表示されていることから特段の支障とはならない場合が多いと考えられる。
【0004】
しかしながら、検索目的が特定場所の店舗名等であるときは、リスト表示の筆頭になるとは限らず、店舗名等のリスト表示が多数件であるときは、施設名等を示す一行表示が途中で切られ、名称全体が示されないことにより、その選択に支障をきたす場合がある。例えば、
図7に示すように、施設名が比較的長い文字列からなるときはその名称全体を一行で画面に表示することができず、さらに施設名の表示が途中で切られていることで、異なる施設名称であっても表示が同一となることがあり(
図7に示す名称「ARKLTON INN−ABILENE」及び「ARKLTON INN−ABINGDON」では、途中の「ARKLTON INN−ABI」まで同一)、ユーザが適切に把握して選択することができない場合がある。横方向のスクロール操作をすることで、長い文字列の一行全体を認識することができるが、一行表示が長い施設名称が表示される毎にスクロール操作するのは煩雑であり使い勝手が悪く利便性に欠ける。また、ブランド名+店舗名で構成される施設名称等については、ブランド名と店舗名とを分割し、階層化することにより一行全体の表示を可能とすることも考えられるが、データベースで事前にコンパイラ処理を行う必要があり、POI検索等のようにサーバーから送信される文字データ等については、事前に上記処理を行うことは困難である。さらには、隣接する行同士で共通するブランド名等の文字コードを非表示とすることも考えられるが、一致判定等を含めた処理が煩雑となると共に、非表示によりユーザによる認識が困難となる場合が考えられる。
【0005】
このようなリスト表示範囲に検索結果の名称が途中までしか入らないという場合に対して、リスト表示に工夫を加えた車載機器が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−94037号公報
【特許文献2】特開2005−55261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1では、リスト表示された少なくとも2つの行の文字列に共通する共通文字列を他の文字列よりも小さいフォントで表示させることで、一行に表示すべき文字列の全長を短くする点を開示している。また、特許文献2では、施設名の先頭の同じ名称部分を第1の表示領域に表示し、残りの名称部分を第2の表示領域に表示することで、一行に表示すべき文字列の全長を短くする点を開示している。
【0008】
上記したように、特許文献1、2によれば各行に共通する部分を縮小して表示又は他の領域に表示することで、一行に表示すべき文字列の全長を短くして名称全体の文字列を表示しているが、走行中にユーザが施設名等を認識するには一見で施設名全体を把握し難く、利便性に欠ける。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、比較的長い文字列を含むコンテンツのリスト表示を画面上に適切に表示することができる車載機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る車載機器は、入力された検索条件に基づいてコンテンツを検索するコンテンツ検索手段と、該コンテンツ検索手段により検索されたコンテンツを文字列のリスト形式にしたコンテンツリストを作成するコンテンツリスト作成手段と、前記コンテンツリストを表示部のリスト表示領域に表示する表示制御手段と、を有し、
更に、前記表示制御手段は、前記コンテンツの文字列を画像に変換する画像変換手段と、前記画像の前記文字列の配列方向のドット数により前記コンテンツの文字列の配列方向の長さを算出する配列方向長さ算出手段と、前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の既定標準幅長と、前記算出手段により算出された前記文字列の配列方向の長さとを比較判定する比較判定手段と、算出された前記文字列の配列方向の長さが、前記既定標準幅長よりも長いときは、前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を延長する領域変更手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記コンテンツリストに含まれるコンテンツの文字列の配列方向の長さに応じて、前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を変更する構成となる。
【0011】
このような構成によれば、表示制御手段により、コンテンツリストに含まれるコンテンツの文字列の配列方向の長さに応じて、リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を変更するので、コンテンツの文字列が長いときにはリスト表示領域の文字列の配列方向の幅を長くすることで、コンテンツの文字列が長いときでもその把握が容易となる。例えば、上記したように、POI検索による施設情報、選曲検索による楽曲情報、選局検索による放送番組情報及び番号検索による電話番号情報等のコンテンツの把握と選択が容易となる。
文字列を画像に変換して、画像のドット数により文字列の配列方向の長さを算出し、算出された前記文字列の配列方向の長さがリスト表示領域の既定標準幅長より長いときは、リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を延長するので、コンテンツの文字列が長いときでもその把握が容易となる。なお、規定標準幅長は、予めリスト表示領域の文字列の配列方向の幅長として標準的な数値として設定された長さである。
【0014】
本発明に係る車載機器において、前記領域変更手段は、算出された前記文字列の配列方向の長さが、前記既定標準幅長よりも短いときは、前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を短縮する構成とすることができる。
【0015】
このような構成によれば、算出された前記文字列の配列方向の長さが、前記既定標準幅長よりも短いときは、前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を短縮することで、表示部への他の関連する情報の表示が可能となり、ユーザへの便宜の向上を図ることができる。
【0016】
本発明に係る車載機器において、前記領域変更手段は、予め設定された最大幅長と最小幅長との範囲内で、前記リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を前記延長又は前記短縮する構成とすることができる。
【0017】
このような構成によれば、予め設定された最大幅長と最小幅長との範囲内で、リスト表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を前記延長又は前記短縮することができるので、コンテンツの文字列の長さに合わせてリスト表示領域を設定することができる。最大幅長と最小幅長との範囲内としたのは、このような制限を設けることで他の関連情報の表示領域とリスト表示領域を確保して表示を適切に行うためである。
【0018】
本発明に係る車載機器において、前記画像変換手段は、前記コンテンツの文字列をビットマップ画像に変換する構成とすることができる。
【0019】
このような構成によれば、コンテンツの文字列から変換されたビットマップ画像から文字列の配列方向のドット数を算出できるので、コンテンツの文字列の配列方向の長さを容易に算出することができる。
【0020】
本発明に係る車載機器は、入力された検索条件に基づいてコンテンツを検索するコンテンツ検索手段と、該コンテンツ検索手段により検索されたコンテンツを文字列のリスト形式にしたコンテンツリストを作成するコンテンツリスト作成手段と、前記コンテンツリストを表示部の第1表示領域に表示すると共に、前記コンテンツリストに関連する関連情報を前記表示部の第2表示領域に表示する表示制御手段と、を有し、
更に、前記表示制御手段は、前記コンテンツの文字列を画像に変換する画像変換手段と、前記画像の前記文字列の配列方向のドット数により前記コンテンツの文字列の配列方向の長さを算出する配列方向長さ算出手段と、前記第1表示領域の前記文字列の配列方向の既定標準幅長と、前記算出手段により算出された前記文字列の配列方向の長さとを比較判定する比較判定手段と、算出された前記文字列の配列方向の長さが、前記既定標準幅長よりも長いときは、前記第1表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を延長する領域変更手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記コンテンツリストに含まれるコンテンツの文字列の配列方向の長さに応じて、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を変更する構成となる。
【0021】
このような構成によれば、コンテンツリストに含まれるコンテンツの文字列の配列方向の長さに応じて、第1表示領域及び第2表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を変更するので、コンテンツの文字列が長いときには第1表示領域の文字列の配列方向の幅が長くなるように変更できるので、コンテンツの文字列が長いときでもその把握が容易となる。
文字列を画像に変換して、画像のドット数により文字列の配列方向の長さを算出し、算出された前記文字列の配列方向の長さが第1表示領域の既定標準幅長より長いときは、第1表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を延長するので、コンテンツの文字列が長いときでもその把握が容易となる。なお、規定標準幅長は、予め第1表示領域の文字列の配列方向の幅長として標準的な数値として設定された長さである。
【0022】
本発明に係る車載機器において、前記第1表示領域と前記第2表示領域とは、前記表示部の前記文字列の配列方向に沿って配置されている構成とすることができる。
【0023】
このような構成によれば、第1表示領域と第2表示領域とが表示部の文字列の配列方向に沿って配置されているので、第1表示領域及び第2表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を容易に変更することができる。
【0024】
本発明に係る車載機器において、前記表示制御手段は、前記第1表示領域に表示される前記コンテンツリストの筆頭に表示されるコンテンツ又は選択されたコンテンツに関連する画像を、前記関連情報として前記第2表示領域に表示する構成とすることができる。
【0025】
このような構成によれば、第1表示領域に表示されるコンテンツリストの筆頭に表示されるコンテンツ又は選択されたコンテンツに関連する画像を、関連情報として第2表示領域に表示するので、第1表示領域及び第2表示領域の前記文字列の配列方向の幅長を変更することで支障なくユーザの便宜を図ることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る車載機器によれば、コンテンツリストに含まれるコンテンツの文字列の配列方向の長さに応じて、リスト表示領域の文字列の配列方向の幅長を変更するので、コンテンツの文字列が長いときにはリスト表示領域の文字列の配列方向の幅長を変更することで、コンテンツの内容の把握が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る車載装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す車載装置の処理ユニットによる処理手順を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、検索結果であるコンテンツの名称(施設名称)とその名称の文字列をビットマップ画像に変換したときのドット数を示す一覧表である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施形態に係る車載機器の表示部に示すコンテンツリスト表示(施設名)とその関連情報である地図画像を示した模式図である。
【
図4B】
図4Bは、
図4Aと同様、本発明の実施形態に係る車載機器の表示部に示すコンテンツリスト表示(施設名)とその関連情報である地図画像を示した模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の他の実施形態に係る車載機器の表示部に示すコンテンツリスト表示(施設名)とその関連情報である地図画像を示した模式図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の更なる他の実施形態に係る車載機器の表示部に示すコンテンツリスト表示(楽曲リスト)とその関連情報である画像(ジャケット画像)を示した模式図である。
【
図6B】
図6Aは、
図6Aと同様、本発明の更なる他の実施形態に係る車載機器の表示部に示すコンテンツリスト表示(楽曲リスト)とその関連情報である画像(ジャケット画像)を示した模式図である。
【
図7】
図7は、従来の車載機器の表示部に示すコンテンツリスト表示(施設名)とその関連情報である地図画像を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0029】
本発明の実施の一形態に係る車載機器は、
図1に示すように構成される。
【0030】
図1において、車載機器10は、コンピュータユニット(例えば、CPU、RAM、ROM及びこれらを接続するバス等)によって構成される処理ユニット11を有している。処理ユニット11には、各種音源及び映像源(例えば、CD及びDVD)の再生処理が可能なAVユニット17及び自車両のナビゲーションが可能なナビゲーションユニット18が接続されている。また、処理ユニット11には、スピーカ16と接続される出力回路15が接続されている。これによって、AVユニット17及びナビゲーションユニット18による処理に係る音声信号を、出力回路15を介してスピーカ16から出力することが可能となっている。加えて、処理ユニット11には、AVユニット17及びナビゲーションユニット18において利用する楽曲情報及び地図情報等の各種情報を記憶可能な記憶部14(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、LCD等によって構成される各種処理に伴う映像等を表示する表示部13と、表示部13上にタッチパネル形式にて形成される各種処理に必要な指示が入力可能な操作部12が接続されている。
【0031】
次に、コンテンツ検索に含まれるPOI検索により取得した施設情報の一覧と、その施設情報を示す施設名称の文字列を示す画像のDot数の一覧を示す
図3を参照して、施設名の文字列の配列方向の長さの算出について説明する。
【0032】
図3に示すように、検索結果の各施設名称とその文字列をビットマップ画像に変換したときのドット(Dot)数が一覧として記載されている。これは、車載装置10の操作部12から入力した、検索キーワード「ARKTON」「HOTEL」に基づく検索結果の一部で、検索により取得した施設名称は、総括名称である「ARKTON INN」と、各店舗名(例えば「ABILENE」等)の名称をハイフン「−」で結合した構成となっている。
【0033】
図3に示す施設名称の文字列は、各文字コードの組み合わせで取得した施設名称を、文字列として表示したものであり、ドット(Dot)数は、この表示された文字列をビットマップ(BMP)画像に変換し、BMP画像を構成するドット(Dot)数を算出したものである。
図3に示すように、第1番目の施設名称「ARKTON INN−ABILENE」は480dotsで、これより文字数の多い例えば、第6番目の施設名称「ARKTON INN−AIRPORT OKLAHOMA CITY」は610dotsとなっている。
【0034】
本実施形態では、施設名称のリスト表示する領域について、基準となる標準幅長を規定標準幅長として500dotsの長さを予め設定しており、検索結果の最初の表示対象を示す第1表示対象21(
図3中鎖線で示す範囲)のときは、対象となる施設名称が第1番目から第5番目であり、いずれも500dots以下であることから、規定標準幅長の範囲内に含まれるので、施設名称の全体を表示できる。次に、スクロールにより次の表示対象を示す第2表示対象22(同じく
図3中鎖線で示す範囲)とするときは、対象となる施設名称が第3番目から第7番目であるが、上記したように第6番目の施設名称である「ARKTON INN−AIRPORT OKLAHOMA CITY」は610dot数、第7番目の施設名称である「ARKTON INN−AKRON FAIRLAWN」は530dot数であり、リスト表示する領域が規定標準幅長の500dotsのままでは、施設名称の全体を表示することができない。本実施形態では、上記の点を解決すべく、施設名称の文字列の長さに応じて、リスト表示領域の文字列の配列方向の幅長を変更するものである。すなわち、コンテンツの文字列の配列方向の長さが規定標準幅長よりも長くなるときは、リスト表示領域の文字列の配列方向の長さを規定標準幅長よりも長くなるように変更することで、ユーザがコンテンツのリスト表示を容易に認識でき、コンテンツの選択を容易にすることができるようにしたものである。
【0035】
次に、本発明の実施形態に係る車載機器10の動作について、その手順を示す
図2を参照して説明する。なお、手順の説明に際しては、構成を示す
図1の他に、表示部の模式図である
図4〜
図6、更に施設名等の一覧を示す
図3を適宜参照する。
【0036】
処理ユニット11は、操作部12により検索情報である施設名等のキーワードの入力がされたときに(S11のYES)、キーワードと関連する施設の検索を開始する(S12)。施設名等のキーワードの入力なないときは(S11のNO)、ユーザにより既に設定された機能(例えばナビゲーション機能等)を続行する。上記の入力されたキーワードは、本実施形態では、「ARKTON」「HOTEL」であり、処理ユニットは、このキーワードに基づき関連する施設の情報を検索する(S12:コンテンツ検索手段)。
【0037】
次に、処理ユニット11は、上記キーワードに基づいた検索結果である施設情報を、文字列のリスト形式にしたコンテンツリストである施設名リストを作成する(S13:コンテンツリスト作成手段)。作成した施設名リストは、
図3に示したNo(番号)と文字列の部分から成るリスト表示である。
図3の文字列に示すように、施設名リストは、総括名称である「ARKTON INN」の後に、各店舗名をハイフンで結合させたもので、アルファベット順にリスト表示されている。
【0038】
次に、処理ユニット11は、施設名リストに表示された施設名の文字列をビットマップ画像に変換する(S14:画像変換手段)。具体的には、施設名リストに文字コードで示された施設名を、文字列として表示し、これをビットマップ画像に変換する。ビットマップ画像に変換するのは、施設名を示す文字列の配列方向の長さを、文字列を構成するドット(Dot)数により算出するためで、正確なドット(Dot)数を算出するにはビットマップ画像に変換したものが最適だからである。
【0039】
次に、処理ユニット11は、上記した施設名の文字列から変換されたビットマップ画像のドット(Dot)数の算出を行い、文字列の長さを求める(S15:算出手段)。文字列の長さとしては、単位系の長さ単位で表示したものでも、又はドット(Dot)数で示すものでもよい。
【0040】
次に、制御ユニット11は、施設名リストに表示された施設名称の文字列のビットマップ画像のドット(Dot)数が、予め設定されたリスト表示領域の文字列の配列方向の幅長である規定標準幅長のドット(Dot)数を超えるか否かを判定する(S16:比較判定手段)。具体的には、施設名リストに表示された施設名のうち、リスト表示領域に表示する表示対象に含まれる施設名の文字列のビットマップ画像のドット(Dot)数と規定標準幅長のドット数とを比較判定する。例えば、表示対象が
図3に示す第1表示対象21であるときは、この第1表示対象21に含まれる文字列のビットマップ画像のドット(Dot)数(第1番目の480dots、第2番目の490dots、第3番目の450dots、第4番目の485dots、第5番目の4555dots)と規定標準幅長の500dotsとを比較判定する。
【0041】
制御ユニット11は、施設名称の表示対象となる文字列のビットマップ画像のドット(Dot)数が、予め設定された規定標準幅長(500dots)を超えないときは(S16のNO)、リスト表示領域の幅長については現在の既定標準幅長の長さを変更しないで、施設名称の表示対象を表示する。
図3の第1表示対象21は、
図4Aに示すように、表示部13の標準幅長である施設名リスト表示部13a(第1表示領域)に施設名すべてが途中で途切れることなく表示される(S17:表示制御手段)。また、施設名リスト表示部13aと隣接(施設名の文字列の配列方向に沿って配列)する地図表示部13bには、施設名リスト表示部13aで選択された施設(下線を付して示す)の位置を示す地図画像が表示される。なお、車両の現在地点は、地図表示部13bの中央に記号で表示されている。
【0042】
また、制御ユニット11は、施設名称の表示対象となる文字列のビットマップ画像のドット(Dot)数が、予め設定された規定標準幅長(500dots)を超えたときは(S16のYES)、リスト表示領域(施設名リスト表示部13a)の幅長については現在の既定標準幅長の長さを拡張して変更する。ただし、地図表示の機能を損なうことを防止すべく、地図表示部13bの幅長を所定以下にしないために、リスト表示領域(施設名リスト表示部13a)は最大幅長(例えば、550dots)を限度としてその幅長を拡張する(S18:領域変更手段)。
図3の第2表示対象22は、
図4Bに示すように、施設名リスト表示部13aの既定標準幅長を超えた幅長(550dots)となる施設名リスト表示部13a(第1表示領域)で表示される(S19:表示制御手段)。このとき、
図4Bに示すように、施設名リスト表示部13aの幅長は拡張されたものの、最大幅長の制限のため、
図3の第2表示対象に含まれる第6番目の施設名称(610dots)については、最後の「CITY」が表示されないが、第7番目の施設名称(530dots)は文字列全体が表示される。第6番目の施設名称についても、規定標準幅長の場合よりも拡張された結果、施設名の認識がより容易になると共に、地図表示部13bの幅長も所定長さ以上に確保されるので、地図表示としての機能が損なわれることなく、利便性が向上する。なお、第6番目のコンテンツのように文字列が他のコンテンツより長いものの、このようなコンテンツの出現頻度が極めて低いときは、一時的に地図画像の幅長が小さくなっても良いとのユーザについては、最大幅長をより大きいものとしても良い(例えば、最大幅長を630dots)。このようにすることで、第6番目のコンテンツの文字列の全体を表示できる。最大幅長はユーザの設定操作により変更することができる。
【0043】
制御ユニット11は、次の表示対象となる施設名リストがあり、かつユーザのスクロール表示が求められたときは(S20のNO)、再び施設名リストの文字列の長さが規定標準幅長より長いか否かを判断し(S16:比較判定手段)、規定標準幅長を超えるときは、リスト表示領域である施設名リスト表示部13aの幅長を拡張し(S18)、施設名リストを表示する(S19)。施設名リストの文字列の長さが規定標準幅長を超えないときは、規定標準幅長の施設名リスト表示部13aに施設名リストを表示する(S17)。表示対象となる施設名リストのすべてが表示されたとき、ユーザによる表示の解除の操作があったときは終了する(S20のYES)。
【0044】
上記したように、コンテンツの検索により求められた施設名リストの文字列の配列方向の長さが、表示部の施設名リスト表示部(リスト表示領域)13aの既定標準幅長を超えるときは、リスト表示領域である施設名リスト表示部13aの幅長を拡張し、施設名リストを表示するので、コンテンツの文字列が長いときでもその把握を容易にできる。
【0045】
次に、
図5を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態では、施設名リストの文字列の配列方向の長さが、施設名リスト表示部(リスト表示領域)13aの既定標準幅長よりも短いときに、施設名リスト表示部13aの幅長を短縮させて(最小幅長を縮小する最小限度とする)、施設名リストを表示するものである。施設名リスト表示部13aの幅長を短縮させることで、他の関連情報の表示を充実させることができる。このような手順を、上述した実施形態に加え、制御ユニット11が施設名リストの文字列の配列方向の長さと、施設名リスト表示部13aの既定標準幅長と比較して、施設名リストの文字列の配列方向の長さが規定標準幅長よりも長いときは上述したように施設名リスト表示部13aの幅長を既定標準幅長より拡張させ、施設名リストの文字列の配列方向の長さが規定標準幅長よりも短いときは上述したように施設名リスト表示部13aの幅長を既定標準幅長より短縮させることで、ユーザの便宜に供する画面表示の車載機器を提供することができる。
【0046】
次に、
図6A、
図6Bを参照して、本発明の更なる他の実施形態について説明する。
図6A及び
図6Bに示すように、表示部13の画面は、楽曲名リスト表示部13c(第1表示領域)と、ジャケット画像表示部13dとに区分されている。車載機器10において、コンテンツ検索で操作部12から歌手Aの名前を入力し、歌手Aの関連する楽曲名リストを楽曲名リスト表示部13cに、歌手Aのジャケット画像をジャケット画像表示部13dにそれぞれ表示させる(
図6A参照)。このとき、楽曲名リスト表示部13cの楽曲名の文字列の配列方向の幅長は、既定標準幅長に設定されているが、表示対象の楽曲名リストの文字列の長さが,既定標準幅長よりも長いときは、楽曲名リストの文字列が途中で切れてしまうので、ユーザの楽曲選択に支障が生じる場合がある。
【0047】
上記支障については、上述した施設名リストの表示と同様に、楽曲名リストの文字列の長さをビットマップ画像のドット(Dot)数で表し、予め設定された規定標準幅長のドット(Dot)数を超えたときは、
図6Bに示すように、楽曲名リスト表示部13c(リスト表示領域)の幅長を現在の既定標準幅長から拡張することで解消できる。幅長の拡張には上述した実施形態と同様に、限度としての最大幅長を設定することができ、さらにこの最大幅長の長さ設定をユーザの意により変更することができる。このように、施設名リスト表示と同様に、楽曲名リスト表示部の幅長を、楽曲名リストの文字列の配列方向の長さに応じて変更できるので、楽曲名の文字列が長いときには楽曲名リスト表示部(リスト表示領域)の幅長を変更することで、楽曲名の表示を適切できるので、楽曲名の把握が容易となる。なお、楽曲名リストの文字列の長さが、楽曲名リスト表示部13cの既定標準幅長よりも短いときには、楽曲名リスト表示部13cの幅長を短縮することができる。
【0048】
楽曲名リストとジャケット画像とをそれぞれ楽曲名リスト表示部13c、ジャケット画像をジャケット画像表示部13dに表示する場合について説明したが(
図6A、
図6B参照)、コンテンツ検索の対象を番組検索、電話番号検索としたときに、チャンネル名リストとそのチャンネルのアイコン画像、電話番号リストと該当する人の顔写真等をそれぞれリスト表示部(第1表示領域)、関連画像表示部(第2表示領域)として表示することができる。このとき、各リストの文字列(数字列)の長さと各リスト表示部の既定標準幅長と長さの比較をした結果に基づき、上記した手順と同様に、各リスト表示部の幅長を変更することでユーザによるコンテンツ検索結果の利用の便宜と向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上、説明したように、本発明に係る車載機器は、コンテンツの文字列が長いときにはリスト表示領域の文字列の配列方向の幅長を変更することで、コンテンツの内容の把握が容易になるという効果を奏し、入力された条件に基づいて検索したコンテンツをリスト表示する車載機器として有用である。
【符号の説明】
【0050】
10 車載機器
11 処理ユニット
12 操作部
13 表示部
13a 施設名リスト表示部
13b 地図表示部
13c 楽曲名リスト表示部
13d ジャケット画像表示部
15 出力ユニット
16 スピーカ
17 AVユニット
18 ナビゲーションユニット
21 第1表示対象
22 第2表示対象