(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガラス繊維布帛の屈折率と前記硬化樹脂組成物層の屈折率との差が0.02以下であり、かつ、前記ガラス繊維布帛のアッベ数と前記硬化樹脂組成物層のアッベ数との差が20以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の透明シート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の透明シートは、複数のガラス繊維布帛と、当該複数のガラス繊維布帛に含浸された硬化樹脂組成物層とを含む透明シートであって、硬化樹脂組成物層が、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成されており、ガラス繊維布帛を、硬化樹脂組成物層の表面からガラス繊維布帛の中央部までの最短距離L
1と、硬化樹脂組成物層の厚みL
0とが、以下の式(I)の関係を充足するように、硬化樹脂組成物層の両表面側に少なくとも1枚ずつ含み、透明シートの全光線透過率が80%以上であり、透明シートのヘーズが20%以下であることを特徴とする。
0%<L
1/L
0×100<30% (I)
【0017】
例えば
図1に示されるように、本発明の透明シート1は、複数のガラス繊維布帛2と、複数のガラス繊維布帛2に含浸された硬化樹脂組成物層3とを含む積層構造を有する。本発明の透明シート1においては、2枚のガラス繊維布帛2が、それぞれ硬化樹脂組成物層3の両表面31、32側に位置するように配されている。より具体的には、後述の通り、2枚のガラス繊維布帛2が、それぞれ、前記硬化樹脂組成物層の表面から前記ガラス繊維布帛の厚み方向における中央部Nまでの最短距離L
1と、前記硬化樹脂組成物層の厚みL
0とが、上記式(I)の関係を充足するように、配置されている。また、硬化樹脂組成物層3の両表面31,32側に位置する2枚のガラス繊維布帛2は、互いに離間するように配置されている。本発明の透明不燃性シート1においては、少なくとも上記の2枚のガラス繊維布帛2が配置されていればよく、3枚以上のガラス繊維布帛2が配置されていてもよい。なお、本発明の透明不燃性シート1においては、硬化樹脂組成物層3の中で各ガラス繊維布帛2は層を構成している。
【0018】
例えば
図1に示されるように、2枚のガラス繊維布帛2は、それぞれ、硬化樹脂組成物層3の表面31,32よりも内側に位置していてもよいし、例えば
図2に示されるように硬化樹脂組成物層3の表面31,32部分に位置してもよい。すなわち、透明シート1においては、少なくとも一方のガラス繊維布帛2の層の面上に硬化樹脂組成物層3が形成されていてもよいし、少なくとも一方のガラス繊維布帛2の層の面が硬化樹脂組成物層3の表面31,32と一致していてもよい。ただし、本発明の透明シート1において、透明性をより一層高める観点からは、少なくとも一方のガラス繊維布帛2の層の面上に硬化樹脂組成物層3が形成されていることが好ましく、例えば
図1に示されるように、いずれのガラス繊維布帛2の層の面上にも硬化樹脂組成物層3が形成されていることがより好ましい。さらに、本発明の透明シート1において、熱による反りをより効果的に抑制する観点からは、例えば
図1に示されるように、硬化性樹脂層3の両表面側に位置する2枚のガラス繊維布帛2が、硬化性樹脂層3の中央部の長さ方向を基準にして、略対称の位置に配置されていることが特に好ましい。すなわち、硬化性樹脂層3の両表面側に位置する2枚のガラス繊維布帛2それぞれの中央部Nと、硬化性樹脂層3の中央部Mとの距離は、略同一であることが好ましい。
【0019】
硬化樹脂組成物層3は、ガラス繊維布帛2を構成している複数のガラス繊維の隙間を埋めており、硬化樹脂組成物層3の一方の表面側部分31と、他方の表面側部分32とは、当該隙間部分を介して通じている。
【0020】
本発明の透明シート1において、硬化樹脂組成物層3の上には、例えば
図3及び
図4に示されるように、鉛筆硬度を高めることなどを目的として、必要に応じて、コート層4が積層されていてもよい。また、
図4に示されるように、硬化樹脂組成物層3とコート層4との間には、必要に応じて、ガラス繊維からなるフィルム層5が積層されていてもよい。コート層4及びフィルム層5は、それぞれ、硬化樹脂組成物層3の一方側に積層されていてもよいし、
図3及び
図4のように両側に積層されていてもよい。以下、本発明の透明シート1を構成する各層の組成について詳述する。
【0021】
本発明の透明シート1において、硬化樹脂組成物層3は、後述のガラス繊維布帛2に含浸されており、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成されている。具体的には、硬化樹脂組成物層3は、硬化性樹脂を含む樹脂組成物に対して、光、熱などのエネルギーを与えることによって樹脂組成物が硬化した硬化物により形成されている。
【0022】
硬化性樹脂としては、硬化樹脂組成物層3と後述するガラス繊維布帛2の屈折率とを近似させることができるものであれば、特に限定されない。好ましい硬化性樹脂としては、硬化樹脂組成物が光硬化性となるものが好ましく、例えば、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フルオレンアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。後述する屈折率調整の観点から、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フルオレンアクリレート樹脂、硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。ガラス繊維布帛への含浸性の観点からは、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。さらに、後述する屈折率調整の観点と、後述するガラス繊維布帛2のアッベ数と硬化樹脂組成物層3のアッベ数との差を小さくしやすくする観点から、硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂がより好ましい。硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0023】
硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物における硬化性樹脂の割合としては、特に制限されないが、高い透明性及び高い曲げ弾性率を発揮する観点から、40〜100質量%程度が好ましく、60〜100質量%程度がより好ましい。なお、硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物における硬化性樹脂の割合樹脂組成物が後述するスチレンモノマー及び/又は2官能(メタ)アクリレートを含むときは、硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物における硬化性樹脂の割合は、40〜80質量%が好ましく、60〜80質量%程度がより好ましい。樹脂組成物が硬化性樹脂以外の樹脂を含む場合、樹脂組成物中における硬化性樹脂以外の樹脂の割合は、20質量%以下であることが好ましい。
【0024】
硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物は、屈折率の調整等の観点からスチレンモノマーを含むことができる。スチレンモノマーを含むことにより、樹脂組成物の粘度を調整しやすくなる。樹脂組成物におけるスチレンモノマーの割合としては、特に制限されず、例えば0〜40質量%、好ましくは10〜40質量%程度、より好ましくは15〜30質量%程度が挙げられる。
【0025】
また、屈折率の調整等の観点から、スチレンモノマー以外のモノマー成分を含んでもよく、屈折率の異なる2種以上の硬化性樹脂を組み合わせてもよい。また、金属酸化物微粒子等の屈折率調整剤により屈折率を調整することもできる。
【0026】
また、硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物は、必要に応じて、2官能(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。2官能(メタ)アクリレートは、分子内に2つの(メタ)アクリレート基を有し、紫外線などの光や、熱などのエネルギーを与えると、当該(メタ)アクリレート基によって硬化性樹脂を架橋する。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」または「メタクリレート」を意味する。
【0027】
本発明においては、硬化樹脂組成物層3が、硬化性樹脂と2官能(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物の硬化物により形成されていることにより、後述のガラス繊維布帛2に含浸させた際に、透明性が高いだけでなく、ぼやけ及び色にじみが抑制された透明シートとすることができる。なお、本発明において、「ぼやけ」とは、透明シートを通して向こう側を見たときに、文字等がぼやけて見えることをいい、「色にじみ」とは、透明シートを通して画像等を見たときに、赤や青などの色がにじんで見えることをいう。
【0028】
2官能(メタ)アクリレートとしては、好ましくは炭素数が1〜6のアルキレンジオールのジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これにより、本発明の透明シート1の透明性を高め、ぼやけ及び色にじみをより効果的に抑制することが可能となる。この理由の詳細は必ずしも明らかではないが、炭素数が1〜6のアルキレンジオールのジ(メタ)アクリレートでは、分子中におけるアルキレンジオール成分の分子鎖が短いことから、ガラス繊維と硬化樹脂組成物との界面において硬化性樹脂をより密に架橋できることに起因すると考えられる。
【0029】
さらに、2官能(メタ)アクリレートとしては、炭素数が1〜6のアルキレンジオールのジ(メタ)アクリレートであり、かつ、当該アルキレンジオールの炭素鎖が分枝構造を有するものが特に好ましい。これにより、本発明の透明シート1の透明性を高め、ぼやけ及び色にじみをより効果的に抑制することが可能となる。この理由の詳細は必ずしも明らかではないが、アルキレンジオール成分の分子鎖がより短くなること、及び硬化性樹脂との反応性がより高まることが相俟って、後述のガラス繊維と硬化樹脂組成物との界面の高い連続性が特に効果的に維持されることに起因すると考えられる。
【0030】
また、同様の観点から、2官能(メタ)アクリレートの分子量は、250以下であることが好ましい。また、2官能(メタ)アクリレートの分子量は、150以上が好ましく、200以上がより好ましい。
【0031】
2官能(メタ)アクリレートの具体例としては、好ましくは1,3−ブチレングリコールジアクリレート(分子量198)、1,4−ブタンジオールジアクリレート(分子量198)、1,5−ペンタンジオールジアクリレート(分子量212)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(分子量226)、ジエチレングリコールジアクリレート(分子量214)、ジプロピレングリコールジアクリレート(分子量242)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(分子量212)、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(分子量226)、1,4−ブタンジオールジメタクリレート(分子量226)、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート(分子量240)、ジエチレングリコールジメタクリレート(分子量242)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(分子量240)などが挙げられる。これらの中で、アルキレンジオールの炭素鎖が分枝構造を有するものとしては、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートなどが好ましい。2官能(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0032】
2官能(メタ)アクリレートは、硬化性樹脂の存在下において、光、熱などのエネルギーを与えることにより、硬化性樹脂を硬化させる硬化剤として機能する。2官能(メタ)アクリレートは、紫外線などの光が照射されると硬化性樹脂を硬化させる、光硬化剤であることが好ましい。この場合、硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物は、光硬化性である。
【0033】
樹脂組成物における2官能(メタ)アクリレートの割合としては、特に制限されず、例えば0〜40質量%程度が挙げられ、ぼやけ抑制の観点から10〜20質量%程度が好ましい。なお、本発明の透明シートにおいては、硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物中に2官能(メタ)アクリレートを含まなくても、高い透明性と高い曲げ弾性率を有することができる。このため、本発明においては、当該樹脂組成物中に2官能(メタ)アクリレートを含まなくてもよい。
【0034】
硬化樹脂組成物層3を形成する樹脂組成物は、難燃剤、紫外線吸収剤、充填剤、帯電防止剤などの添加物をさらに含んでいてもよい。難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、トリクロロエチルホスフェート、トリアリルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステルなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、タルクなどが挙げられる。帯電防止剤としては、例えば、界面活性剤などが挙げられる。これらの添加剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0035】
本発明において、透明シート1の透明性を高めるために、後述のガラス繊維布帛2と硬化樹脂組成物3の屈折率とは、近似するように設定される。このような観点から、硬化樹脂組成物3の屈折率としては、好ましくは1.45〜1.65程度、より好ましくは1.50〜1.60程度が挙げられる。また、透明シート1の透明性を高めるために、後述のガラス繊維布帛2と硬化樹脂組成物3のアッベ数とは、近似するように設定することが好ましい。このような観点から、硬化樹脂組成物3のアッベ数としては、30〜70が好ましく、40〜60がより好ましく、50〜60がさらに好ましい。
【0036】
本発明の透明シート1において、ガラス繊維布帛2は、複数のガラス繊維により構成されている。ガラス繊維布帛2において、複数のガラス繊維は、互いに絡み合って1枚の布帛を形成している。ガラス繊維布帛2としては、例えば、複数の経糸と複数の緯糸とで構成されるガラス繊維織物(ガラスクロス)が挙げられる。ガラス繊維織物の織組織としては、特に制限されず、例えば、平織、朱子織、綾織、斜子織、畦織などが挙げられる。ガラス繊維織物の織密度は、特に制限されないが、織密度が40〜110本/25mmであると、高い透明性と高い曲げ弾性率をより両立させやすくなる。
【0037】
ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維のガラス材料としては、特に制限されず、例えば公知のガラス材料を用いることができる。ガラス材料としては、例えば、無アルカリガラス(Eガラス)、耐酸性の含アルカリガラス(Cガラス)、高強度・高弾性率ガラス(Sガラス、Tガラス等)、耐アルカリ性ガラス(ARガラス)、NEガラス等が挙げられる。ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維は、1種類のガラス材料からなるものであってもよいし、異なるガラス材料からなるガラス繊維を2種類以上組み合わせたものであってもよい。
【0038】
ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維の番手は、ガラス繊維布帛2を形成できれば、特定のものに制限されない。ガラス繊維の番手としては、織密度を高くする観点から、好ましくは20tex以下が挙げられる。ガラス繊維の番手は、1種類単独であってもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。なお、ガラス繊維のtex番手は、1000m当たりのグラム数に相当している。
【0039】
ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維としては、ガラス長繊維である単繊維が複数本撚りまとめられたガラスヤーンが好ましい。ガラスヤーンにおける単繊維の本数は、30〜400本程度が好ましく、40〜120本程度がより好ましい。また、ガラスヤーンにおける単繊維の直径は、高い透明性を付与しつつ、曲げ弾性率をより一層高める観点から3.0〜6.0μm程度が好ましく、3.0〜5.0μm程度がより好ましい。ガラスヤーンの番手は、高い透明性を付与しつつ、曲げ弾性率をより一層高める観点から3〜30texが好ましく、3〜12texがより好ましく、3〜5texがさらに好ましい。
【0040】
ガラス繊維布帛2との硬化樹脂組成物層3との接着性を高め、本発明の透明シート1の耐久性を高める観点からは、ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維の表面は、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。
【0041】
透明シート1において、ガラス繊維布帛2と硬化樹脂組成物層3との合計量中の複数のガラス繊維布帛2の合計割合としては、高い透明性を維持しながら、曲げ弾性率を効果的に高める観点から、好ましくは1〜30質量%程度、より好ましくは2〜25質量%程度、さらに好ましくは2〜15質量%程度、特に好ましくは2〜8質量%程度が挙げられる。本発明の透明シート1においては、2枚のガラス繊維布帛2を上記特定の配置としているため、上記の合計割合を例えば2〜8質量%としても、高い透明性と高い曲げ弾性率を有した上で、透明シート1の質量の軽量化も可能となる。また、同様の観点から、ガラス繊維布帛2の1枚の質量(g/m
2)は、10〜120g/m
2が好ましく、10〜60g/m
2がより好ましく、10〜40g/m
2がさらに好ましい。
【0042】
さらに、透明シート1におけるガラス繊維布帛2の合計割合を2〜8質量%程度とし、かつ、ガラス繊維布帛2の1枚の質量を10〜40g/m
2程度とした場合は、高い曲げ弾性率を有した上で透明性が特に優れたものとなりやすく、かつ、透明シート全体の質量が小さくしやすくなることから、特にタッチパネルのサイズを大きくした場合に、質量の軽量化の効果をより高めることが可能となる。
【0043】
上述の通り、本発明の透明シート1においては、ガラス繊維布帛2が複数含まれている。例えば、
図1に示されるように、2枚のガラス繊維布帛2が、それぞれ、前記硬化樹脂組成物層の表面から前記ガラス繊維布帛の厚み方向における中央部Nまでの最短距離L
1と、前記硬化樹脂組成物層の厚みL
0とが、上記式(I)の関係を充足するように、配置されている。すなわち、本発明の透明シート1において、少なくとも2枚のガラス繊維布帛2は、それぞれ、硬化樹脂組成物層3の表面側に配置されており、これら2枚のガラス繊維布帛2は、互いに離間して配置されている。
【0044】
本発明の透明シート1においては、2枚のガラス繊維布帛2が、それぞれ、前記硬化樹脂組成物層の表面から前記ガラス繊維布帛の厚み方向における中央部Nまでの最短距離L
1と、前記硬化樹脂組成物層の厚みL
0とが、上記式(I)の関係を充足するように配置されていることにより、例えば上述の特許文献3に開示された硬化樹脂組成物層の中央部分のみにガラス繊維布帛が配置されている透明シートなどに比して、高い透明性を維持しつつ、曲げ弾性率を効果的に高めることができる。
【0045】
さらに、上記L
1と上記L
0とは、0(%)<L
1/L
0×100<20(%)の関係を満たすことが好ましく、2(%)<L
1/L
0×100<15(%)の関係を満たすことがより好ましく、2(%)<L
1/L
0×100<10(%)の関係を満たすことがさらに好ましく、3(%)<L
1/L
0×100<8(%)の関係を満たすことが特に好ましい。
【0046】
さらに、本発明の透明シート1において、2枚のガラス繊維布帛2が、それぞれ、前記硬化樹脂組成物層の表面から前記ガラス繊維布帛の厚み方向における中央部Nまでの最短距離L
1と、前記硬化樹脂組成物層の厚みL
0とが、上記式(I)の関係を充足するように配置されていることに加え、2枚のガラス繊維布帛2が、硬化樹脂組成物層の表面からガラス繊維布帛までの最短距離L
2と、硬化樹脂組成物層の厚みL
0とが、以下の式(II)の関係を充足するように、硬化樹脂組成物層の両表面側に少なくとも1枚ずつ含むことが好ましい。
0%<L
2/L
0×100<30% (II)
【0047】
2枚のガラス繊維布帛2が、硬化樹脂組成物層3のより表面側の位置に配置されるように、上記(I)式に加え、上記(II)式の関係を充足するように配置されていることにより、高い透明性をより一層維持しつつ、曲げ弾性率をより一層高めやすくなる。さらに、上記L
2と上記L
0とは、0(%)<L
2/L
0×100<20(%)の関係を満たすことが好ましく、1(%)<L
2/L
0×100<15(%)の関係を満たすことがより好ましく、1(%)<L
2/L
0×100<10(%)の関係を満たすことがさらに好ましく、2(%)<L
2/L
0×100<7(%)の関係を満たすことが特に好ましい。
【0048】
ガラス繊維布帛2と硬化樹脂組成物層3との屈折率の差としては、0.02以下が好ましく、0.01以下がより好ましく、0.005以下がさらに好ましい。ガラス繊維布帛2の屈折率としては、好ましくは1.45〜1.65程度、より好ましくは1.50〜1.60程度が挙げられる。
【0049】
なお、上記ガラス繊維布帛2の屈折率の測定は、JIS K 7142:2008のB法に準じて行う。具体的には、ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維について、浸液としてヨウ化メチレン(n
D231.747)、フタル酸ブチル(n
D231.491)及び炭酸ジメチル(n
D231.366)を用い、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR−2Tを用い、光源として波長589nmのナトリウムD線を用いて温度23℃で測定を行い、試験数5回の平均値を屈折率の値とする。また、硬化樹脂組成物3の屈折率の測定は、JIS K 7142:2008のB法に準じて行う。具体的には、硬化させた硬化樹脂組成物を粉体化し、浸液としてヨウ化メチレン(n
D231.747)、フタル酸ブチル(n
D231.491)及び炭酸ジメチル(n
D231.366)を用い、顕微鏡として小型測定顕微鏡STM5−311(オリンパス社製、観察倍率400倍)を用い、光源として波長589nmのナトリウムD線を用いて温度23℃で測定を行い、試験数5回の平均値を屈折率の値とする。
【0050】
ガラス繊維布帛2と硬化樹脂組成物層3とのアッベ数の差としては、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。ガラス繊維布帛2のアッベ数としては、30〜80が好ましく、40〜70がより好ましく、50〜65がさらに好ましい。なお、硬化樹脂組成物、ガラス繊維のアッベ数は、次のように測定する。
【0051】
(硬化樹脂組成物のアッベ数)
ガラス繊維布帛が含まれていない硬化樹脂組成物のシートを、ガラス繊維布帛を含む場合と同じ条件で同じ厚みとして作製し、試験片を幅8mm、長さ20mmとして表面をよく研磨し、JIS K 7142A法に準じ、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR−2T、接触液としてジヨードメタン、光源として波長589nmのナトリウムD線を用い、測定温度を23℃として、波長589nmの屈折率を測定する。続いて、光源を自然光として分散値を測定、算出し、下記式(III)に従い、アッベ数を算出する。
アッベ数=(波長589nmの屈折率−1)/分散値 (III)
【0052】
(ガラス繊維のアッベ数)
ガラス繊維を構成するガラス材料を用いて、幅8mm、長さ20mm、厚み5mmのガラスシートを作製し、表面をよく研磨し、JIS K 7142A法に準じ、アッベ屈折計として(株)アタゴ製のNAR−2T、接触液としてジヨードメタン、光源として波長589nmのナトリウムD線を用い、測定温度を23℃として、波長589nmの屈折率を測定する。続いて、光源を自然光として分散値を測定、算出し、上記式(III)に従い、アッベ数を算出する。
【0053】
ガラス繊維布帛2の屈折率と硬化樹脂組成物層3の屈折率との差が0.02以下であり、かつ、前記ガラス繊維布帛2のアッベ数と硬化樹脂組成物層3とのアッベ数との差が20以下であることが好ましい。これにより、透明シートのヘーズの値をより一層小さいものとすることができ、透明シートはより一層透明性に優れたものとなりやすくなる。上記屈折率の差とし、かつ、上記アッベ数の差とするには、ガラス繊維布帛2を構成するガラス繊維のガラス材料と硬化樹脂組成物層3を構成する硬化性樹脂の組合せを調整することにより可能である。
【0054】
透明シートの高い透明性を維持しつつ、曲げ弾性率をより向上させる観点から、ガラス繊維布帛2の1枚の厚みとしては、好ましくは10〜100μm程度、より好ましくは10〜55μm程度、さらに好ましくは10〜35μm程度が挙げられる。同様の観点から、ガラス繊維布帛2の1枚の厚みを10〜35μmとする場合、ガラス繊維布帛2の2枚の合計について、下記式(IV)にて算出されるガラス体積率が38〜50%であることが特に好ましい。ガラス繊維布帛2の1枚の厚みが10〜35μmであって、ガラス体積率が38〜50%であるガラス繊維布帛2は、例えば、ガラス繊維に開繊処理を施すことにより得られる。なお、下記式(IV)において、ガラス繊維布帛の質量Aは、2枚のガラス繊維布帛の質量の合計であり、ガラス繊維布帛の厚みCは、2枚のガラス繊維布帛の厚みの合計である。
【0055】
ガラス体積(%)=(A/(B×C))×100 (IV)
A:ガラス繊維布帛の質量(g/m
2)
B:ガラス繊維布帛を構成するガラス材料の比重(g/m
3)
C:ガラス繊維布帛の厚み(m)
【0056】
例えば
図3に示されるように、本発明の透明シート1は、鉛筆硬度を高めることなどを目的として、必要に応じて、硬化樹脂組成物層3の上にコート層4をさらに有していてもよい。コート層4を構成する樹脂(樹脂フィルム)としては、特に制限されず、好ましくは鉛筆硬度が2H以上となる硬化性樹脂などが挙げられ、例えば、紫外線や電子線等の活性エネルギー線で硬化する樹脂であり、分子中にエチレン性不飽和基を有する重合性化合物(例えばモノマー、オリゴマー)が用いられる。本発明においては、コート層4を設けることにより、透明シート1の耐候性を高めたり、他の物体との接触による損傷を防止したりすることができるので、コート層4は、保護層としても機能し得る。
【0057】
また、本発明の透明シートは、必要に応じて、例えば
図4に示されるように硬化樹脂組成物層3とコート層4との間にフィルム層5をさらに有していてもよく、又は硬化樹脂組成物層3の上にフィルム層5を有していてもよい。
【0058】
本発明の透明シートは、曲げ弾性率が5GPa以上であることが好ましく、7GPa以上がより好ましい。高い透明性を維持しつつ、曲げ弾性率を上記範囲とするには、複数のガラス繊維布帛2を特定の位置に配置することのほか、透明性を考慮しながらガラス繊維布帛2の繊維径、密度、質量、積層数、ガラス繊維布帛と硬化樹脂組成物層との合計量中のガラス繊維布帛の合計割合等を調整することにより可能である。本発明において、曲げ弾性率は、JIS K 7017:1999「繊維強化プラスチック−曲げ弾性率の求め方」のA法(3点曲げ法)に準じ測定されるものであり、試験装置としてINTESCO社製装置名2100型を用い、試験片サイズを長さ60mm、幅15mmとし、支点間距離20mm、試験速度1mm/minの条件で測定されるものである。
【0059】
本発明の透明シート1の厚みとしては、好ましくは0.1〜2mm程度、より好ましくは0.1〜1.5m程度、さらに好ましくは0.5〜1.2mm程度が挙げられる。本発明の透明シートは、複数のガラス繊維布帛を特定の位置に配置することにより、高い透明性を維持しつつ、曲げ弾性率を効果的に高め得ることから、厚みを上記範囲とした場合にも剛性が高いものとすることができる。加えて、厚みを上記範囲にすることにより、厚みが大きいものと比較してより透明性に優れたものとしやすくなる。
【0060】
本発明においては、透明シート1をタッチパネルなどとして使用した際に、表示される映像をより見やすくするため、高い透明性を有する。高い透明性を担保する観点から、本発明の透明シート1の全光線透過率は、80%以上であり、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である。また、本発明の透明シート1のヘーズは、20%以下であり、10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましく、2%以下が特に好ましい。透明シート1の全光線透過率及びヘーズは、それぞれ、JIS K7375 2008「プラスチック−全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に従って測定して得られた値である。
【0061】
本発明の透明シート1は、高い透明性、及び高い曲げ弾性率を有するため、タッチパネルなどとして好適に使用することができる。また、高い透明性、及び高い曲げ弾性率を有するためガラスの代替と成り得ることから、ガラスが用いられている他の用途、例えば、パーティション、間仕切り、防煙シート、防煙カーテン(例えば工場などで使用されるもの)等に適用することもできる。また、建築基準法で定められている不燃性を満足させるように硬化樹脂組成物層3の量、ガラス繊維布帛の密度等を調整すれば、不燃性が要求される建築材料、例えば防煙垂壁等に適用することもできる。
【0062】
本発明の透明シート1の製造方法としては、特に制限されない。一例として、2枚のガラスクロスを使った場合の製造方法の例について説明する。まず、1枚のガラス繊維布帛2に、硬化樹脂組成物層3を構成する上記の樹脂組成物を含浸、硬化させて1枚のガラス繊維布帛2を含むシートAを作製する。このとき、本発明の透明シートとしたときに該ガラス繊維布帛2が前記式(I)の関係を充足するように、シートAの厚みを調整する。当該1枚のガラス繊維布帛2を含むシートAを作成する他の方法として、上記の樹脂組成物を塗布したポリエチレンテレフタレート等のフィルムを準備し、1枚のガラス繊維布帛2の両面から当該フィルムを圧着して1枚のガラス繊維布帛2の両面側から、本発明の透明シートとしたときに該ガラス繊維布帛2が前記式(I)の関係を充足するように厚みを調整しつつ、樹脂組成物を含浸、硬化させたのち、フィルムを剥離することにより、1枚のガラス繊維布帛2に硬化樹脂組成物層3が含浸されたシートAを得ることもできる。次に、同様にして、1枚のガラス繊維布帛2に硬化樹脂組成物層3が含浸されたシートAをもう1つ作製する。さらに、ガラス繊維布帛2を含ませずに、透明シートとしたときにガラス繊維布帛2が前記式(I)の関係を充足するように厚みを調整しつつ硬化樹脂組成物のみを硬化させたシートBも作成する。そして、シートBの一方の面に上記樹脂組成物を塗布し、その上から一方のシートAを積層させ、塗布した樹脂組成物を硬化させる。次いで、シートBのもう一方の面にも上記樹脂組成物を塗布し、その上からもう一方のシートAを積層させ、塗布した樹脂組成物を硬化させることにより、少なくとも2枚のガラス繊維布帛が、前記式(I)の関係を充足するように、前記硬化樹脂組成物層の両表面側にそれぞれ1枚ずつ含まれる透明シートが得られる。
【0063】
また、他の製造方法としては、上記の樹脂組成物を塗布したポリエチレンテレフタレート等のフィルム2枚を準備し、2枚のガラス繊維布帛2のそれぞれの表面から当該フィルムをそれぞれ圧着して樹脂組成物を含浸させつつ、2枚のガラス繊維布帛2の間から樹脂組成物を流し込み、その流し込む圧力によって2枚のガラス繊維布帛2の位置が透明シートとしたときにガラス繊維布帛2が前記式(I)の関係を充足するように調整しつつ、樹脂組成物を硬化させる方法が挙げられる。このような製造方法によっても、2枚のガラス繊維布帛が前記式(I)の関係を充足するように両表面側に配置された透明シートが得られる。
【0064】
熱エネルギーの付与によって樹脂組成物を硬化させる場合、加熱温度は、特に制限されず、例えば50〜200℃程度とすることができる。また、光エネルギーの付与によって樹脂組成物を硬化させる場合には、樹脂組成物に光を照射して硬化させる。光照射の条件としては、例えば積算光量100〜500mJ/cm
2とすることができる。
【実施例】
【0065】
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
【0066】
ガラス繊維布帛として、表1に記載の市販のガラス繊維布帛を200mm×200mmに裁断して用いた。なお、表1において、「E03R SK」、「E06C SK」、「E10T」、「R580」は、それぞれ、ユニチカ株式会社製のガラス繊維織物の商品名である。また、表1において、「ECC1200 1/0 1Z」、「ECD450 1/0 1Z」、「ECE225 1/0 0.7Z」、「SCC1200 1/0 1Z」は、それぞれ、ユニチカグラスファイバー株式会社製のガラスヤーンであり、「ER1150」は、オーウェンスコーニングジャパン合同会社製のガラスロービングである。ガラス繊維織物には、有機物を除去するための熱処理と、シランカップリング剤による表面処理が施されている。なお、実施例1、4及び5で使用したガラス材料は、上記のガラス体積率が39.4%であった。
【0067】
上記のガラス繊維布帛に含浸させる樹脂組成物としては、表1の組成となるようにして、ビニルエステル樹脂(日本ユピカ株式会社製)、エポキシ樹脂(株式会社ADEKA社製アデカオプトマーKRX−690−1(屈折率1.514、アッベ数58)と株式会社ADEKA社製アデカオプトマーKRX−690−5(屈折率1.572、アッベ数35)とを、質量割合を8:2として混合したもの)、スチレンモノマー(日本ユピカ株式会社製)、2官能(メタ)アクリレート、光重合開始剤の混合物を使用した。なお、硬化剤である2官能(メタ)アクリレートとしては、表1に記載のNPGDA(ネオペンチルグリコールジアクリレート、分子量212、(日本ユピカ株式会社製))を用いた。また、光重合開始剤の量は、ビニルエステル樹脂、又はエポキシ樹脂とスチレンモノマーと2官能(メタ)アクリレートの合計100質量部に対して2質量部とした。
【0068】
<実施例1>
まず、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、表1に記載の樹脂組成物を30(g/m
2)塗布した。次に、樹脂組成物の上に、表1に記載の量(g/m
2)のガラス繊維布帛を1枚載せ、1分間静置してガラス繊維布帛の隙間に上記の樹脂を含浸させた。この時、ガラス繊維布帛を下部に押し込み、透明シートとしたときのガラス繊維布帛の位置が表1に記載の位置になるように調整した。次いで、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層を形成し、ガラス繊維布帛1枚を含むシート(シート1A)を作成した。同様にして、もう1枚シートを作成した(シート1B)。さらに、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、720(g/m
2)の量の樹脂組成物を塗布し、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層のみからなるシート(シート1C)を作成した。
【0069】
次に、シート1AからPETフィルムを除去し、該シート1Aの上に、30(g/m
2)の樹脂組成物を塗布し、その上にPETフィルムを除去したシート1Cを積層させ、シート1Cの上に、30(g/m
2)の樹脂組成物を塗布し、その上にPETフィルムを除去したシート1Bを積層させ、シート1Aとシート1Cの間、及びシート1Cとシート1Bの間に塗布した樹脂組成物を硬化させることにより、表1に記載の厚みを有する透明シートを得た。得られた透明シートにおいて、ガラス繊維布帛のガラス繊維間の隙間には、硬化樹脂組成物層(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布帛の層の両面上には硬化樹脂組成物層が形成されており、かつ2枚のガラス繊維布帛が表1に記載の位置に含まれていた。
【0070】
2枚のガラス繊維布帛は、前述の式(I)に従って算出される、硬化樹脂組成物層の両表面側のそれぞれの位置に配置されていた。例えば、表1の実施例1においては、硬化樹脂組成物層の両表面側に2枚のガラス繊維布帛が配置されており、それぞれのガラス繊維布帛において、硬化樹脂組成物層の表面からガラス繊維布帛の中央部Nまでの最短距離L
1と、硬化樹脂組成物層の厚みL
0とが、共にL
1/L
0×100=5%であり、硬化樹脂組成物層の表面からガラス繊維布帛までの最短距離L
2と、硬化樹脂組成物層の厚みL
0とが、共にL
2/L
0×100=3%であることを示している。
【0071】
<実施例2>
まず、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、表1に記載の樹脂組成物を60(g/m
2)塗布した。次に、樹脂組成物の上に、表1に記載の量(g/m
2)のガラス繊維布帛を1枚載せ、1分間静置してガラス繊維布帛の隙間に上記の樹脂を含浸させた。この時、ガラス繊維布帛を下部に押し込み、透明シートとしたときのガラス繊維布帛の位置が表1に記載の位置になるように調整した。次いで、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層を形成し、ガラス繊維布帛1枚を含むシート(シート2A)を作成した。同様にして、もう1枚シートを作成した(シート2B)。さらに、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、780(g/m
2)の量の樹脂組成物を塗布し、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層のみからなるシート(シート2C)を作成した。
【0072】
次に、シート2AからPETフィルムを除去し、該シート2Aの上に、30(g/m
2)の樹脂組成物を塗布し、その上にPETフィルムを除去したシート2Cを積層させ、シート2Cの上に、30(g/m
2)の樹脂組成物を塗布し、その上にPETフィルムを除去したシート2Bを積層させ、シート2Aとシート2Cの間、及びシート2Cとシート2Bの間に塗布した樹脂組成物を硬化させることにより、表1に記載の厚みを有する透明シートを得た。得られた透明シートにおいて、ガラス繊維布帛のガラス繊維間の隙間には、硬化樹脂組成物層(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布帛の層の両面上には硬化樹脂組成物層が形成されており、かつ2枚のガラス繊維布帛が表1に記載の位置に含まれていた。
【0073】
<実施例3>
まず、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、表1に記載の樹脂組成物を100(g/m
2)塗布した。次に、樹脂組成物の上に、表1に記載の量(g/m
2)のガラス繊維布帛を1枚載せ、1分間静置してガラス繊維布帛の隙間に上記の樹脂を含浸させた。この時、ガラス繊維布帛を下部に押し込み、透明シートとしたときのガラス繊維布帛の位置が表1に記載の位置になるように調整した。次いで、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層を形成し、ガラス繊維布帛1枚を含むシート(シート3A)を作成した。同様にして、もう1枚シートを作成した(シート3B)。さらに、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、770(g/m
2)の量の樹脂組成物を塗布し、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層のみからなるシート(シート3C)を作成した。
【0074】
次に、シート3AからPETフィルムを除去し、該シート3Aの上に、30(g/m
2)の樹脂組成物を塗布し、その上にPETフィルムを除去したシート3Cを積層させ、シート3Cの上に、30(g/m
2)の樹脂組成物を塗布し、その上にPETフィルムを除去したシート3Bを積層させ、シート3Aとシート3Cの間、及びシート3Cとシート3Bの間に塗布した樹脂組成物を硬化させることにより、表1に記載の厚みを有する透明シートを得た。得られた透明シートにおいて、ガラス繊維布帛のガラス繊維間の隙間には、硬化樹脂組成物層(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布帛の層の両面上には硬化樹脂組成物層が形成されており、かつ2枚のガラス繊維布帛が表1に記載の位置に含まれていた。
【0075】
<実施例4>
まず、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、150(g/m
2)の量の樹脂組成物を塗布し、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層のみからなるシート(シート4A)を作成した。同様にして、もう1枚シートを作成した(シート4B)。
【0076】
次に、シート4AからPETフィルムを除去し、該シート4Aの上に、30(g/m
2)の樹脂組成物を塗布し、その上に実施例1で得られた透明シートを積層させ、該透明シートの上に、30(g/m
2)の樹脂組成物を塗布し、その上にPETフィルムを除去したシート4Bを積層させ、シート4Aと上記透明シートの間、及び上記透明シートとシート4Bの間に塗布した樹脂組成物を硬化させることにより、表1に記載の厚みを有する透明シートを得た。得られた透明シートにおいて、ガラス繊維布帛のガラス繊維間の隙間には、硬化樹脂組成物層(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布帛の層の両面上には硬化樹脂組成物層が形成されており、かつ2枚のガラス繊維布帛が表1に記載の位置に含まれていた。
【0077】
<実施例5>
ガラス繊維布帛と樹脂組成物を表1に記載したものにした以外は、実施例1と同様におこない、透明シートを得た。
【0078】
<比較例1>
まず、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、表1に記載の樹脂組成物を60(g/m
2)塗布した。次に、樹脂組成物の上に、表1に記載の量(g/m
2)のガラス繊維布帛を1枚載せ、1分間静置してガラス繊維布帛の隙間に上記の樹脂を含浸させた。この時、ガラス繊維布帛を下部に押し込み、透明シートとしたときのガラス繊維布帛の位置が表1に記載の位置になるように調整した。次いで、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層を形成し、ガラス繊維布帛1枚を含むシート(シート6A)を作成した。さらに、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、270(g/m
2)の量の樹脂組成物を塗布し、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層のみからなるシート(シート6B)を作成した。同様にして、硬化樹脂組成物層のみからなるシート(シート6C)を作成した。
【0079】
次に、シート6BからPETフィルムを除去し、該シート6Bの上に、30(g/m
2)の樹脂組成物を塗布し、その上にPETフィルムを除去したシート6Aを積層させ、シート6Aの上に、30(g/m
2)の樹脂組成物を塗布し、その上にPETフィルムを除去したシート6Cを積層させ、シート6Bとシート6Aの間、及びシート6Aとシート6Cの間に塗布した樹脂組成物を硬化させることにより、表1に記載の厚みを有する透明シートを得た。得られた透明シートにおいて、ガラス繊維布帛のガラス繊維間の隙間には、硬化樹脂組成物層(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布帛の層の両面上には硬化樹脂組成物層が形成されており、かつ1枚のガラス繊維布帛が表1に記載の位置に含まれていた。
【0080】
<比較例2>
まず、厚さ0.05mmのPETフィルム上に、600(g/m
2)の樹脂組成物を塗布した。次に、樹脂組成物の上に、表1に記載の量(g/m
2)のガラス繊維布帛を載せ、1分間静置してガラス繊維布帛の隙間に上記の樹脂を含浸させた。この時、ガラス繊維布帛を下部に押し込み、透明シートとしたときのガラス繊維布帛の位置が表1に記載の位置になるように調整した。次いで、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せ、この上からローラで加圧した。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層を形成した。次に、PETフィルムを除去して、表1に記載の厚みを有する透明シートを得た。得られた透明シートにおいて、ガラス繊維布帛のガラス繊維間の隙間には、硬化樹脂組成物層(樹脂組成物の硬化物)が含浸されており、ガラス繊維布帛の層の両面上には硬化樹脂組成物層が形成されていた。
【0081】
<比較例3>
厚さ0.05mmのPETフィルム上に、840(g/m
2)の量の樹脂組成物を塗布し、上から厚さ0.05mmのPETフィルムを載せた。その後、上記のPETフィルムごと、樹脂組成物に光照射(光照射条件:積算光量200mJ/cm
2)して樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂組成物層のみからなる透明シートを作成した。
【0082】
なお、実施例及び比較例において、ガラス繊維織物の織密度は、JIS R 3420 2013 7.9に従い、測定及び算出した。また、ガラス繊維織物の厚みは、JIS R 3420 2013 7.10.1A法に従い、測定及び算出した。ガラス繊維織物の質量は、JIS R 3420 2013 7.2に従い、測定及び算出した。硬化樹脂組成物及びガラス繊維織物の屈折率は、上記の方法で測定及び算出した。硬化樹脂組成物及びガラス繊維織物のアッベ数は、上記の方法で測定及び算出した。以下の評価は、透明シートの製造後、1週間室内で放置してから行った。
【0083】
(ガラス繊維布帛の位置)
実施例1〜5及び比較例1、2で得られた各透明シートを走査型電子顕微鏡で観察し、前述の式(I)、(II)に従って、ガラス繊維布帛の位置(%)を算出した。結果を表1に示す。
【0084】
(透明シートの曲げ弾性率)
実施例1〜5および、比較例1〜3で得られた各透明シートの曲げ弾性率は、前述の方法で測定、算出した。結果を表1に示す。
【0085】
(ぼやけの評価)
千円札を机の上に設置し、千円札から約50cm上方に透明シートを設置して、透明シートから10cm上方から、透明シートを透して千円札を観察し、「千円」、「日本銀行券」、及び通し番号の文字が明瞭に読めるか否かで評価した。評価基準は、以下の通りである。実用性の観点から、本発明においては、2以上を合格とした。結果を表1に示す。5…「千円」、「日本銀行券」、及び通し番号の文字がいずれも明瞭に読めた。
4…「千円」、「日本銀行券」の文字のみ明瞭に読めた。
3…「千円」の文字のみ明瞭に読めた。
2…「千円」の文字のみ判読可能だが、明瞭には読めなかった。
1…いずれの文字も判読できず、明瞭に読めなかった。
【0086】
(色にじみの評価)
各透明シートを透かして蛍光灯を見て、蛍光灯の周囲の色にじみが目立つか否かで評価した。評価基準は、以下の通りである。実用性の観点から、本発明においては、3以上を合格とした。結果を表1に示す。
5…蛍光灯の周囲の色にじみはほとんど目立たなかった。
4…蛍光灯の周囲の色にじみは薄く見えるが、目立ちにくかった。
3…蛍光灯の周囲の色にじみが見られ、ある程度目立った。
2…蛍光灯の周囲の色にじみがよく目立った。
1…蛍光灯の周囲の色にじみが非常によく目立ち、透明感を損なっていた。
【0087】
(全光線透過率及びヘーズ)
各透明シートの全光線透過率及びヘーズは、JIS K7375 2008「プラスチック−全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に従って測定した。
【0088】
【表1】
【0089】
表1に示されているように、0%<L
1/L
0×100<30%の関係を満足する実施例1〜5の透明シートでは、いずれも高い透明性を有しているだけでなく、非常に高い曲げ弾性率を有し、タッチパネルなどとして好適に使用できることが明らかとなった。特に、実施例1〜3及び5の透明シートでは、2(%)<L
1/L
0×100<15(%)の関係を満たすものであったことから、高い透明性を維持しつつ、特に高い曲げ弾性率を有することができた。中でも、実施例1及び5の透明シートは、比較例1のシートと比較して、ガラス繊維布帛の位置に関し2枚のガラス繊維布帛がそれぞれ3(%)<L
1/L
0×100<8(%)及び2(%)<L
2/L
0×100<7(%)の関係を満たし、かつ、ガラス繊維布帛と硬化樹脂組成物層との合計量中のガラス繊維布帛の合計割合が2〜8質量%であったことから、透明性及び曲げ弾性率が一層高いものであった。このうち、実施例5は、硬化樹脂としてエポキシ樹脂を用いたため、ビニルエステル樹脂と比較して含浸性にやや劣ったにも関わらず、透明性に優れるものであった。この理由としては、実施例5の硬化樹脂組成物層のアッベ数とガラス繊維布帛のアッベ数との差が小さいものであったことに起因すると推測される。
【0090】
これに対して、ガラス繊維布帛を硬化樹脂組成物層の中央に1枚のみ配置した比較例1の透明シート及び樹脂組成物層のみからなる比較例3の透明シートでは、高い透明性を有しているものの、実施例1〜5の透明シートに比して曲げ弾性率が劣っていた。また、ガラス繊維布帛を硬化樹脂組成物層の中央に1枚のみ配置した比較例2の透明シートでは、ガラス繊維布帛の厚みを大きくしたため、曲げ弾性率は実用上問題ないレベルに高められていたが、透明性が著しく低下し、ヘーズも大きくなった。