(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲料充填ラインにおいて、単位時間あたりに飲料を充填する本数を多くすることが要求される。ところが処理能力が高速化すると、容器の転倒を考慮して隣接するコンベヤの速度差をあまり大きくできないことから、集合装置に設ける搬送コンベヤの数を増やさなければならない。したがって、搬送コンベヤの増加にともなって、複数の搬送コンベヤが占める長さ(以下、機長)が長くなってしまい、限られたスペースに飲料充填ラインを設置する妨げになり得る。
また、複数列、例えば6列に並んでいる容器を一連の搬送コンベヤで単列化しようとしても、単列化の流れから漏れる容器が存在する。これは、ガイドと容器の間に他の容器が介在した場合に起きやすく、他の容器に邪魔されることで当該容器がガイドに接することができずに搬送コンベヤの終点に至ってしまう。
【0005】
搬送される複数列の容器の幅方向の両側に一対のガイドを設けるプレッシャ式の容器集合装置(例えば、特許文献3)によれば、以上の機長の長大化及び不安定な単列化の問題を解消しうる。しかし、この場合には、容器がガイドに押し付けられる力が強いために、容器に擦り傷がつきやすいので、適用できる容器が著しく制限される。
【0006】
そこで本発明は、ガイドを一つだけ用いるプレッシャレス式の容器集合装置において、機長を短くできるとともに安定した単列化を担保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的のもとなされた本発明は、上流から複数列に並んで搬送される複数の容器を単列にして下流に向けて搬送する、容器集合装置であって、分岐ステップと、第一単列化部と、第二単列化部と、を備える。
分岐部は、複数列に並んで搬送されてきた容器を、グループLに属する容器C
LとグループRに属する容器CRの二つのグループに分岐させる。
第一単列化部は、グループLに属する複数列の容器C
Lと、グループRに属する複数列の容器C
Rと、をそれぞれ単列化する。
第二単列化部は、グループLにおいて単列化された容器C
Lと、グループRにおいて単列化された容器C
Rと、を単列化する。
本発明の容器集合装置は、第一単列化部と第二単列化部の間に設けられる、
第一単列化部から容器CL、容器CRが移送される第一Lコンベヤ及び第一Rコンベヤと、第一Lコンベヤ及び第一Rコンベヤのそれぞれから容器CL、容器CRが移送されるとともに、第二単列化部に向けて容器CL、容器CRを移送させる第二Lコンベヤ及び第二Rコンベヤと、を備える。
本発明の容器集合装置は、グループLにおいて単列化されたそれぞれの容器CLを、第一Lコンベヤ及び第二Lコンベヤを用いて、搬送方向の前後に隣接する容器CLとの間に所定間隔を設けてから、グループRにおいて単列化されたそれぞれの容器CRを、第一Rコンベヤ及び第二Rコンベヤを用いて、搬送方向の前後に隣接する容器CRとの間に所定間隔を設けてから、容器が第二単列化部に搬送される。
【0008】
本発明の容器集合装置は、単列化部を第一単列化部と第二単列化部に区分し、さらに、第一単列化部をグループLとグループRに区分する。したがって、全てのコンベヤ群を直列に並べるのに比べて、第一単列化部を並列に並べる分だけ、機長を短くできる。
また、本発明の容器集合装置は、第二単列化部には、第一単列化部によりグループLとグループRとで二列に集約された容器C
L,容器C
Rが搬送されるので、無秩序に搬送される容器を単列化するのに比べて、安定して単列することができる。
また、本発明の容器集合装置は、容器を単列化に導くガイドとして、容器の片側だけに設けられるプレッシャレス式を適用できるので、ガイドに基づく容器の擦り傷を抑えることができる。
【0009】
本発明における所定間隔を、容器C
L及び容器C
Rの、搬送方向の寸法と同等以上、具体的には、容器C
Lの一本分以上、容器C
Rの一本分以上とすれば、この間隔に容器C
L又は容器C
Rが入り込み、さらに安定して単列化することができる。
【0010】
本発明の容器搬送装置において、グループLにおいて単列化された容器C
Lを、搬送方向の前後に隣接する容器C
Lとのピッチを揃えてから、容器C
Lを、搬送方向の前後に隣接する容器C
Lとの間に間隔を設け、グループRにおいて単列化された容器C
Rを、搬送方向の前後に隣接する容器C
Rとのピッチを揃えてから、容器C
Rを、搬送方向の前後に隣接する容器C
Rとの間に間隔を設けることができる。
これにより、所定の間隔を設けるのが容易になる。
【0011】
本発明の分岐部において、搬送方向に直交する方向に直線状に複数列に並んで搬送されてきた容器を、グループLとグループRに分岐させることが好ましい。
これにより、分岐に伴って容器に傷がつくのを抑えることができる。
【0012】
本発明において、
第一Lコンベヤ及び第一Rコンベヤによる容器CL及び容器CRの搬送速度を
V1とし、
第二Lコンベヤ及び第二Rコンベヤによる容器CL及び容器CRの搬送速度を
V2とすると、2×
V1≦
V2を満たすことが好ましい。
これにより、より安定した単列化が実現される。
なお、ここでは二つのコンベヤのみに言及しているが、上記要件を満足するコンベヤを備えていればよく、他のコンベヤが第一単列化部と第二単列化部の間に介在していてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の容器集合装置は、単列化部を第一単列化部と第二単列化部に区分し、さらに、第一単列化部をグループLとグループRに区分するので、機長を短くできる。
また、本発明の容器集合装置は、第一単列化部により合わせて二列に集約された容器を、第二単列化部にて単列化するので、安定して単列化することができる。
また、本発明の容器集合装置は、容器を単列化に導くガイドとして、容器の片側だけに設けられるプレッシャレス式を適用できるので、ガイドに基づく容器の擦り傷を抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本実施形態に係る容器集合装置10は、
図1に示すように、容器処理装置1において処理された複数の容器Cが複数列(一例として、6列)をなして搬送されてきたのを、単列にして下流に向けて送り出す装置である。容器処理装置1は、例えば、容器の表面に結露が生ずるのを防止するために、低温の飲料が充填された容器を連続搬送中に加温する加熱装置(ウォーマ)、又は、低温の飲料が充填された容器を連続搬送中に加温殺菌後冷却する加熱殺菌装置(パストライザ)が適用される。また、容器処理装置1としては、アキュームコンベヤを設けたウォーマ、又は、パストライザが適用される。
【0016】
容器集合装置10は、複数列で搬送されてくる同じ仕様の容器Cを二つのグループ(グループL,グループR)に分岐させて、下流に位置する単列化部30に送る分岐部20を備えている。
【0017】
単列化部30は、第一単列化部40と第二単列化部50を備える。
第一単列化部40は、分岐部20において二つに分岐された各々のグループ(グループL,グループR)に属する容器Cを単列化する。つまり、第一単列化部40は、容器CをグループLとグループRで合わせて二列に集約してから、第二単列化部50に搬送する。
第二単列化部50は、第一単列化部40において二列になって搬送される容器Cを文字通りに単列化して、下流に向けて搬送する。
容器集合装置10は、単列化部30を第一単列化部40と第二単列化部50から構成することにより、機長を短くできるのに加えて、安定して容器Cを単列化することができる。以下、分岐部20、単列化部30の順に構成を説明する。
【0018】
[分岐部20]
分岐部20は、
図2に示すように、搬入コンベヤ21と、搬入コンベヤ21から容器Cを受け取って搬送する分岐コンベヤ23と、分岐コンベヤ23上に設けられる分岐ガイド27と、を備えている。
【0019】
搬入コンベヤ21は、容器処理装置1で所定の処理がなされた容器Cが、移送コンベヤ2,3(
図1を参照)を介して受け取る。搬入コンベヤ21は、図中の白抜きの矢印Zで示す向きに、容器Cを複数列(ここでは6列)で搬送できる幅を有している。搬入コンベヤ21は、その下流端に移送ガイド22を備えている。この移送ガイド22は、搬入コンベヤ21による容器Cの搬送方向Zに対して60°の傾斜角を持って、搬入コンベヤ21の幅方向に亘って設けられている。搬入コンベヤ21を搬送されてきた容器Cは、移送ガイド22に突き当って向きを90°だけ変えて、分岐コンベヤ23に移送される。分岐コンベヤ23に移送される前に、容器Cは搬入コンベヤ21の搬送方向Zで見ると、千鳥格子状に配列されている。ところが、分岐コンベヤ23に移送される容器Cは、分岐コンベヤ23の搬送方向Xを基準にすると、搬送方向Xに直交する直線上に6列に配列されている。分岐コンベヤ23におけるこの容器Cの一直線上の配列は、後述するように、六本の容器Cを二つのグループに分岐させる際に、容器Cに傷がつくのを低減できる。この点については、後述する。
なお、搬入コンベヤ21が容器Cを搬送する速度をV
21とする。
【0020】
分岐コンベヤ23は、搬入コンベヤ21から移送された直線状に整列された6列の容器Cを、搬入コンベヤ21とは直交する方向に搬送しながら、三本のグループLと三本のグループRの二つに分岐させる。
分岐コンベヤ23は、幅方向に互いに平行に並び、同じ幅及び長さを有する第一分岐コンベヤ24と第二分岐コンベヤ25を備えている。第一分岐コンベヤ24と第二分岐コンベヤ25は、それぞれが図示を省略する電動モータにより駆動される。搬入コンベヤ21及び単列化部30を構成するコンベヤについても同様である。第一分岐コンベヤ24及び第二分岐コンベヤ25による容器Cの搬送速度をV
24,V
25とすると、以下が成り立つように電動モータの駆動が制御される。
V
21 < V
24=V
25
【0021】
第一分岐コンベヤ24と第二分岐コンベヤ25の境界部分には、分岐ガイド27が設けられている。分岐ガイド27は、それよりも上流側から隣接するもの同士が密着した状態で6列になって搬送されてきた容器Cが通過すると、第一分岐コンベヤ24に対応する三本のグループLと第二分岐コンベヤ25に対応する三本のグループRの二つに分岐させる。
【0022】
分岐ガイド27は、詳しくは後述するが、容器Cが6列に直線上に並んだ方向と直交する方向を向いている。そのために、
図6(a)に示すように、隣接する容器C,Cの境界部分に分岐ガイド27が挿入される際に、分岐ガイド27の先端が、容器C,Cに突き当たるのを回避できる。
これに対して、
図6(b),(c)に示すように、千鳥状に配列された容器Cを分岐させようとすると、分岐ガイド27の先端が、容器C,Cに突き当たってしまい、容器Cが傷つきやすい。ただし、本発明は、
図6(b),(c)に示す分岐の形態を排除するものではない。
【0023】
[単列化部30]
次に、単列化部30について、第一単列化部40、第二単列化部50の順で説明する。
第一単列化部40は、各々が三列で移送されるグループLとグループRについて、単列化を実現する。単列化部30は、
図3に示すように、グループLに対応するコンベヤ群41Lと、グループRに対応するコンベヤ群41Rと、を備えている。コンベヤ群41Lとコンベヤ群41Rは、幅方向に左右対称に設けられている点を除くと、同じ構成を備えているので、以下ではコンベヤ群41Lを例にして説明する。
なお、
図3(b)に示される容器C(C
L,C
R)は、搬送方向Xに間引いて記載されている。後述する
図4(b)についても同様である。
【0024】
コンベヤ群41Lは、上流側から下流側に向けて、第一分岐コンベヤ24から容器C
Lを受け渡される第一搬送コンベヤ42Lと、第一搬送コンベヤ42Lから容器C
Lを受け渡される第二搬送コンベヤ43Lと、第二搬送コンベヤ43Lから容器C
Lを受け渡される第三搬送コンベヤ44Lとを備えている。また、コンベヤ群41Lは、第三搬送コンベヤ44Lから容器C
Lを受け渡される移送コンベヤ45Lと、移送コンベヤ45Lから容器C
Lを受け渡される調整コンベヤ46Lと、を備えている。
第一搬送コンベヤ42Lは、幅方向に一体として連なるが、第二搬送コンベヤ43Lと第三搬送コンベヤ44Lは、幅方向に複数列(ここでは、三列)に区分されている。つまり、第二搬送コンベヤ43Lは、平行に隣接するコンベヤ431L、コンベヤ432L及びコンベヤ433Lから構成され、第三搬送コンベヤ44Lは、平行に隣接するコンベヤ441L、コンベヤ442L及びコンベヤ443Lから構成される。移送コンベヤ45Lは、第三搬送コンベヤ44Lよりも搬送距離が長く設定されており、容器C
Lは、移送コンベヤ45Lに到るころには単列化される。
【0025】
第一搬送コンベヤ42L、第二搬送コンベヤ43L及び第三搬送コンベヤ44Lの容器C
Lを搬送する速度を、V
42、V
43、V
44とし、移送コンベヤ45L及び調整コンベヤ46Lの搬送速度をそれぞれV
45、V
46とすると、以下が成り立つように各々コンベヤの駆動モータが制御される。また、第二搬送コンベヤ43Lの三列に区分された各々のコンベヤの搬送速度を上流側からV
431、V
432、V
433とし、第三搬送コンベヤ44Lの三列に区分された各々のコンベヤの搬送速度を上流側からV
441、V
442、V
443とし、以下が成り立つように各々コンベヤの駆動モータが制御される。
V
42 < V
43 < V
44 < V
45 , V
45 > V
46
V
431 < V
432 < V
433 , V
441 < V
442 < V
443
【0026】
第一単列化部40は、
図3に示すように、第一搬送コンベヤ42L、第二搬送コンベヤ43L及び第三搬送コンベヤ44Lを斜めに横切るようにガイド47Lを設ける。第一単列化部40を搬送される容器C
Lは、ガイド47Lに案内されながら下流に向けて搬送されるが、当初は三列であったものが、移送コンベヤ45Lに到るときには一列(単列)とされる。ここで、移送コンベヤ45Lを搬送される容器C
Lは、搬送方向Xの前後に隣接する容器C
Lとの間隔(ピッチ)は不揃いである。しかし、調整コンベヤ46Lの搬送速度V
46が移送コンベヤ45Lの搬送速度V
45よりも十分に小さくしているので、調整コンベヤ46Lに受け渡された後の容器C
Lは隣接する容器C
Lと隙間なく密着して、ピッチ(=0)が揃った状態で下流に向けて搬送される。
【0027】
以上説明したように、コンベヤ群41Lにおいて、三列で搬送された容器C
Lを単列化し、しかも単列化された相前後する容器C
Lはピッチが揃って、第二単列化部50に移送される。
コンベヤ群41Rについても、コンベヤ群41Lと同様にして、容器C
Rは移送コンベヤ45Rに到るときには一列(単列)とされる。したがって、第一単列化部40としては、受け渡された複数の容器Cを、コンベヤ群41Lにおける容器C
Lの単列群と、コンベヤ群41Rにおける容器C
Rの単列群と、の二列に集約して第二単列化部50に受け渡す。
【0028】
[第二単列化部50]
次に、
図4を参照して、第二単列化部50を説明する。
第二単列化部50は、第一単列化部40で二列に集約された容器C
L,C
Rを、さらに一列に集合させて単列化する。
第二単列化部50は、
図4(a),(b)に示すように、調整コンベヤ46L,46Rから容器C
L,C
Rを受け渡される第一搬送コンベヤ51と、第一搬送コンベヤ51から容器C
L,C
Rを受け渡される第二搬送コンベヤ52と、第二搬送コンベヤ52から容器C
L,C
Rを受け渡される第三搬送コンベヤ53とを備えている。また、第二単列化部50は、第三搬送コンベヤ53から容器C(C
L,C
R)を受け渡される移送コンベヤ54を備えている。
第一搬送コンベヤ51は、幅方向に一体として連なるが、第二搬送コンベヤ52と第三搬送コンベヤ53は、幅方向に複数列(ここでは、三列)に区分されている。つまり、第二搬送コンベヤ52は、平行に隣接するコンベヤ521、コンベヤ522及びコンベヤ523から構成され、第三搬送コンベヤ53は、平行に隣接するコンベヤ531、コンベヤ532及びコンベヤ533から構成される。移送コンベヤ54は、第三搬送コンベヤ53よりも搬送距離が長く設定されており、容器C
L,C
Rは、移送コンベヤ54に到るころには単列化される。
【0029】
第一搬送コンベヤ51、第二搬送コンベヤ52及び第三搬送コンベヤ53の容器C
L,C
Rを搬送する速度を、V
51、V
52、V
53とし、移送コンベヤ54の搬送速度をそれぞれV
54とすると、以下が成り立つ。なお、第二搬送コンベヤ52の三列に区分された各々のコンベヤの搬送速度を上流側からV
521、V
522、V
523とし、第三搬送コンベヤ53の三列に区分された各々のコンベヤの搬送速度を上流側からV
531、V
532、V
533とすると、以下が成り立つように各々コンベヤの駆動モータが制御される。特に、V
46とV
51は、2×V
46≦V
51を満たすことが好ましい。そうすることにより、より安定した単列化が実現される。
V
46 < V
51 , V
51 < V
52 < V
53 , V
53 > V
54
V
521 < V
522 < V
523 , V
531 < V
532 < V
533
【0030】
第二単列化部50は、
図4に示すように、第一搬送コンベヤ51、第二搬送コンベヤ52及び第三搬送コンベヤ53を斜めに横切るようにガイド57を設ける。第二単列化部50を搬送される容器C
L,C
Rは、ガイド57に案内されながら下流に向けて搬送されるが、当初は2列であったものが、移送コンベヤ54に到るときには一列(単列)とされる。この点について、
図4(b)を参照してより詳しく説明する。なお、
図4(b)に示す容器C
Rと容器C
Lが接触するのは、最も単列化しにくいケースを想定している。
【0031】
第一搬送コンベヤ51は、幅方向Wの両側に隣接する調整コンベヤ46L,46Rのそれぞれから容器C
L,C
Rを受け渡され、この容器C
L,C
Rは二列となって第一搬送コンベヤ51を搬送される。なお、
図4(b)は、調整コンベヤ46L,46Rによりそれぞれの容器C
L,C
Rが同位相で搬送されている例を示している。第一搬送コンベヤ51は搬送速度V
51が調整コンベヤ46L,46Rの搬送速度V
46よりも速いので、それまで密着状態で搬送される容器C
L,C
Rは、搬送方向Xに所定の間隔が設けられる。
二列となって搬送される容器C
L,C
Rの対の中で、調整コンベヤ46Rから受け渡される側の容器C
Rがガイド57に接触し、この容器C
Rがガイド57で案内されながら搬送されると、調整コンベヤ46Lから受け渡される側の容器C
Lに接触する。このように、容器C
Rと容器C
Lが接触すると、容器C
Lは容器C
Rにより邪魔をされるのでガイド57に触れにくくなる。ところが、第一搬送コンベヤ51に受け渡される容器C
Rと容器C
Lは二列に集約されているので、無秩序に搬送されてくる容器を対象とするのに比べて、単列化がしやすい。しかも、容器C
R,C
Lの搬送方向の前後には間隔が空けられているので、第二搬送コンベヤ52及び第三搬送コンベヤ53の順に搬送される過程で、当該間隔に容器C
L,C
Rが入り込むので、単列化しやすい。こうして、第二単列化部50において、容器C
L,C
Rの単列化が実現される。
【0032】
[容器集合装置10の動作]
次に、
図5を参照して、容器集合装置10における容器Cの一連の動作について説明する。
6列で搬送されてきた容器Cは、分岐部20を搬送される過程で、それぞれが三列(三本)ずつのグループL及びグループRの二つのグループに分岐される。これらの容器C(C
L,C
R)は、搬送方向Xに間隔をあけて、単列化部30に向けて搬送される。
【0033】
単列化部30においては、はじめに、第一単列化部40において、グループL及びグループRのそれぞれに属する三列の容器C(C
L,C
R)を単列化する。第一単列化部40から第二単列化部50に受け渡されるときには、容器Cは搬送方向の前後のピッチを揃える。本実施形態では、ピッチを揃える最も典型的な例として、前後方向に隣接する容器Cの隙間をなくしてから、第二単列化部50に搬送する。
【0034】
次に、第二単列化部50においては、第一単列化部40により二列に集約された容器C(C
L,C
R)を単列にするが、はじめに、グループL及びグループRのそれぞれにおいて、前後方向に隣接する容器C
R,C
Lに所定の間隔Dをあける。次に、グループL及びグループRのそれぞれで所定の間隔Dがあけられた容器C
L,C
Rを、第二単列化部50を搬送させることにより単列化する。容器Cの前後に所定の間隔Dが空けられているので、確実に容器Cを単列化させることができる。
なお、所定の間隔Dは、容器C
L,C
Rの直径d(搬送方向Xの寸法)以上であることが好ましい。容器C
L,C
Rが当該間隔に入り込むのが容易だからである。
【0035】
[容器集合装置10の効果]
以上説明したように、容器集合装置10は、単列化部30を第一単列化部40と第二単列化部50に区分し、さらに、第一単列化部40をコンベヤ群41Lとコンベヤ群41Rに区分して並列に並べた。したがって、全てのコンベヤ群を直列に並べるのに比べて、第一単列化部40を並列に並べる分だけ、機長を短くできる。
【0036】
また、容器集合装置10は、第一単列化部40により容器C(C
L,C
R)を二列に集約してから、第二単列化部50に搬送する。したがって、第二単列化部50において、容器Cが無秩序に搬送されてくる容器を対象とするのに比べて、単列化がしやすい。しかも、第二単列化部50においては、容器C
L,C
Rの前後に間隔を空けてから単列化するので、より確実に単列化できる。
【0037】
また、容器集合装置10は、容器Cを単列化に導くガイド(47L,47R,57)が、容器Cの片側に接触するプレッシャレス式を適用しているので、ガイドに基づく容器Cの擦り傷を抑えることができる。
【0038】
また、容器集合装置10は、分岐部20において、千鳥状に並んで搬送されていた容器Cの向きを変えて搬送することにより直線状の並びに変換し、これにより、グループL及びグループRに分岐する際に容器Cに生ずる擦り傷を抑えることができる。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、第一単列化部40の調整コンベヤ46L及び調整コンベヤ46Rのそれぞれから第二単列化部50の第一搬送コンベヤ51に受け渡される容器C
L,C
Rは同じタイミング、つまり同位相とされているが、これはあくまで一例に過ぎない。例えば、
図4(c)に示すように、調整コンベヤ46L及び調整コンベヤ46Rのそれぞれから第一搬送コンベヤ51に受け渡される容器C
L,C
Rを異なるタイミング、つまり異位相とすることもできる。そうすれば、二列となって搬送される容器C
Lと容器C
Rの対が接触するのを避けることができるので、単列化をより確実に担保することができる。
【0040】
また、以上に示した容器集合装置10の具体的な構成はあくまで例示にすぎず、例えば、複数列として6列を例示したが、四列あるいは八列以上であってもよい。また、複数列は、偶数に限るものでなく、奇数を採用することもできる。さらに、偶数の複数列を分岐させる場合に、不均等に分岐することもできる。
また、第一単列化部40を構成する搬送コンベヤの段数及び第二単列化部50を構成する搬送コンベヤの段数として三段の例を示したが、この段数は任意であり、二段又は四段以上にすることもできる。
【0041】
また、本実施形態では、第一単列化部40の調整コンベヤ46L,46Rにおいて、容器C
L,C
Rのピッチを揃えたが、第二単列化部50においてピッチを揃えてもよい。同様に、第二単列化部50の整列コンベヤ51L,51Rにおいて、容器C
L,C
Rに所定の間隔を設けたが、第一単列化部40において所定の間隔を設けてもよい。つまり、本発明において、容器C
L,C
Rのピッチを揃えること、それに続く容器C
L,C
Rに所定の間隔を設けることの一連の動作は、第二単列化部50における最終的な単列化の前である限り、第一単列化部40及び第二単列化部50のいずれで行われても差し支えない。
また、本実施形態では、グループL及びグループRのそれぞれにおいて、前後方向に隣接する容器C
R,C
Lに所定の間隔Dをあけるのに、調整コンベヤ46L,46Rと第一搬送コンベヤ51L,51Rの搬送速度を調整している。これは、本発明において好ましい形態であるが、これに限るものでなく、容器C
R,C
Lが移動する速度を調整できる機械的な手段を広く適用することができる。
また、本実施形態では、調整コンベヤ46Lにおいて揃えるピッチとして、制御が容易なゼロを採用したが、これに限らず、ゼロを超える任意の値のピッチを採用することができる。
さらに、本発明に適用される容器の形態は任意であり、少なくとも、単列化のためにガイドされる部分の横断面が円形であれば足りる。