(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282977
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】生体材料を小出しする装置、および骨セメントを小出しする装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/88 20060101AFI20180208BHJP
【FI】
A61B17/88
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-514876(P2014-514876)
(86)(22)【出願日】2012年6月8日
(65)【公表番号】特表2014-519388(P2014-519388A)
(43)【公表日】2014年8月14日
(86)【国際出願番号】US2012041509
(87)【国際公開番号】WO2012170790
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2015年1月13日
(31)【優先権主張番号】13/158,155
(32)【優先日】2011年6月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アガード,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】スー,シーン
(72)【発明者】
【氏名】オハロラン,ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】モレッティ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ウェイマン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】グレールム,チャド
【審査官】
後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06796987(US,B2)
【文献】
欧州特許出願公開第01400213(EP,A1)
【文献】
米国特許第05893488(US,A)
【文献】
特表2005−530576(JP,A)
【文献】
米国特許第04583974(US,A)
【文献】
韓国登録特許第10−0905486(KR,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0124997(US,A1)
【文献】
特表2004−533881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/88−17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジを受け入れるよう構成されたハンドルであって、前記シリンジは生体材料および螺刻プランジャを有するハンドルと、
前記ハンドル内に保持されかつ第1の位置と第2の位置の間を摺動可能であって、前記第1の位置において前記螺刻プランジャを係合するよう構成され、前記第2の位置において前記螺刻プランジャから離脱するようさらに構成される係合ピンと
を備え、
前記係合ピンは、前記ハンドルの握り部の上部において、前記ハンドルの側壁に形成された穴の中に収容されており、
閉鎖位置および開放位置を有し、前記シリンジを前記閉鎖位置で前記ハンドル内に保持するよう構成され、前記シリンジを前記開放位置で前記ハンドルから解放するようさらに構成された蓋と、
前記蓋を前記ハンドルへ付着するよう構成されたヒンジピンと、
前記蓋の側部に位置付けられ、前記ハンドル内の対応する穴に装着するよう構成されて、それによって前記蓋を前記閉鎖位置に保持する蓋ピンと、
前記蓋を実質的に前記蓋ピンの軸と平行の方向に圧迫するよう構成され、当該装置のユーザによって解放されるまで前記蓋ピンをその対応する穴の中に保持するようさらに構成された蓋スプリングとをさらに備える、生体材料を小出しする装置。
【請求項2】
前記穴は前記係合ピンを保つよう構成され、前記装置のユーザが人間工学的に前記係合ピンを前記第1の位置と前記第2の位置の間を摺動できるように前記穴が位置付けられた、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記穴の中に前記係合ピンを保持するよう構成された固定ピンと、
前記第1の位置および前記第2の位置のうち少なくとも1つに前記係合ピンを解放可能に保つよう構成された少なくとも1つのボールプランジャと、をさらに備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記閉鎖位置で前記蓋を解放可能に保つよう構成された少なくとも1つのボールプラン
ジャをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記蓋スプリングがコイルスプリングであり、
前記蓋スプリングが前記ヒンジピンの少なくとも一部を取り囲む、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記蓋を前記ヒンジピンに沿って摺動して前記蓋スプリングを圧縮し、前記摺動が前記蓋ピンのその対応する穴からの抜出をもたらすことと、
前記蓋ピンがその前記対応する穴と整列しないように、前記蓋を前記ヒンジピンの周辺で回転することと、
前記蓋スプリングがもはや圧縮されない状態まで、前記蓋を前記ヒンジピンに沿って摺動することと
を含む、前記蓋ピンがその対応する穴の中に挿入されたとき、請求項1に記載の前記装置の前記蓋を開放する方法。
【請求項7】
シリンジを受け入れるよう構成されたハンドルであって、前記シリンジは生体材料および螺刻プランジャを有するハンドルと、
前記ハンドル内に収容されかつ第1の位置および第2の位置を有し、前記第1の位置において前記螺刻プランジャを係合するよう構成され、前記第2の位置において前記螺刻プランジャから離脱するようさらに構成された係合メカニズムと、
前記第1の位置において係合メカニズムを解放可能に固定するよう構成された固定メカニズムと、
前記固定メカニズムを離脱するよう構成され、それによって前記係合メカニズムを前記第1の位置から解放し、当該装置のユーザが前記固定メカニズムを人間工学的に離脱するのを可能にするように位置付けられた解除ボタンと
を備え、
前記係合メカニズムは、前記ハンドルの握り部の上部において、前記ハンドルの側壁に形成された穴の中に収容されており、
閉鎖位置および開放位置を有し、前記シリンジを前記閉鎖位置で前記ハンドル内に保持するよう構成され、前記シリンジを前記開放位置で前記ハンドルから解放するようさらに構成された蓋と、
前記蓋を前記ハンドルへ付着するよう構成されたヒンジピンと、
前記蓋の側部に位置付けられ、前記ハンドル内の対応する穴に装着するよう構成されて、それによって前記蓋を前記閉鎖位置に保持する蓋ピンと、
前記蓋を実質的に前記蓋ピンと平行の方向に圧迫するよう構成され、前記装置のユーザによって解放されるまで前記蓋ピンをその対応する穴の中に保持するようさらに構成された蓋スプリングとをさらに備える、骨セメントを小出しする装置。
【請求項8】
前記固定メカニズムがクラッチメカニズムを構成する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記係合メカニズムを前記第2の位置へ圧迫するよう構成された係合メカニズムスプリングをさらに備える、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記固定メカニズムが固定ピンを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記固定ピンを前記係合メカニズムへ圧迫するよう構成された固定ピンスプリングをさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記係合メカニズムがスロットを有し、
前記固定ピンが、前記係合メカニズムが前記第1の位置にあるとき前記係合メカニズム内の前記スロットに係合するよう構成されたブレードを有する、
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記解除ボタンが、前記ブレードを前記スロットから離脱するよう構成された、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記蓋を前記閉鎖位置で解放可能に保つよう構成された少なくとも1つのボールプランジャと
をさらに備える、請求項7に記載の装置。
【請求項15】
前記蓋スプリングがコイルスプリングであり、
前記蓋スプリングが前記ヒンジピンの少なくとも一部を取り囲む、
請求項7に記載の装置。
【請求項16】
前記蓋を前記ヒンジピンに沿って摺動して前記蓋スプリングを圧縮し、前記摺動が前記蓋ピンのその対応する穴からの抜出をもたらすことと、
前記蓋ピンがその前記対応する穴と整列しないように、前記蓋を前記ヒンジピンの周辺で回転することと、
前記蓋スプリングがもはや圧縮されない状態まで、前記蓋を前記ヒンジピンに沿って摺動することと
を含む、前記蓋ピンがその対応する穴の中に挿入されたとき、請求項7に記載の前記装置の前記蓋を開放する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)としても知られる骨セメント注入のような生体材料を小出しする装置および方法に関する。特に本開示は、骨セメントを注入するセメントガンに関する。例えば人工関節および脊椎固定構成物のような補綴装置を自然の骨に固定するため、骨セメントはしばしば注入される。
【背景技術】
【0002】
多数の装置が、補綴物を固定する骨セメントの注入に際して、外科医の補助をすることが可能である。しかしこれらの装置は、1つまたは複数の不備がある。例えば、いくつかの装置は一回のみの使用で再殺菌ができず、手術コストを上げる。
【0003】
いくつかの装置は、交換可能なシリンジアセンブリと互換性がない。外科医が装置内の全てのセメントを使用する場合、彼女が追加のセメントを混合する間、彼女は手術処置を中断しなければならない。これを避けるため、外科医は第2の装置を準備するかもしれない。どちらの解決も、手術コストを増す。
【0004】
また、いくつかのシリンジアセンブリは、シリンジアセンブリの固定に不適切な構成を有するかもしれない。これらの装置を使用するとき、シリンジアセンブリが予期せず装置から外れて落ち、すでに困難な処置にさらに煩雑さを加えるかもしれない。
【0005】
多くの装置は、シリンジ内の注入圧力を緩和するメカニズムを欠いている。装置がそのようなメカニズムを有するとき、通常は操作が困難である。外科的処置の間、迅速な注入圧力の緩和が安全に関して重要である。骨セメントは、熱を放出する重合反応により硬化する。骨セメントの小滴の軟部組織への接触は、熱傷および侵襲的外科的処置にさらに煩雑さを加えうる他の損傷をもたらしかねない。骨セメントの小滴がそれるのを防ぐことは、骨セメントによりもたらされる熱傷の危険を大幅に減少または除去する。外科医は、シリンジ内の注入圧力を減少することにより骨セメントの小滴がそれるのを防いでもよい。注入圧力を減少するメカニズムが操作しにくい、または操作困難であれば、外科医は骨セメントの小滴がそれて軟部組織上に落ちるのを防ぐことが不可能であるかもしれない。例えば空洞または骨折の過充填のような他の煩雑さも、使いにくい、または複雑な圧力緩和メカニズムから生じうる。対照的に、注入圧力を迅速および容易に減少するメカニズムは、例えば小滴がそれるのを防ぐことにより、外科医が処置の安全性を向上するのを補助しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、交換可能なシリンジアセンブリと互換性があり、シリンジ内の注入圧力を迅速に緩和する、使いやすいメカニズムを提供する装置のニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は前述のニーズを満たし、交換可能なシリンジアセンブリの使用を可能にし、注入圧力を緩和する迅速な解放メカニズムを提供し、それが外科的処置中の安全性の著しい増加、および本明細書の記述から明らかな他の利点をもたらす。
【0008】
従って1つの態様では、生体材料を小出しする装置は、シリンジを受け入れるよう構成されたハンドルであって、シリンジは生体材料および螺刻プランジャを有するハンドルと、ハンドル内に保持されかつ第1の位置と第2の位置の間を摺動可能であって、第1の位置において螺刻プランジャを係合するよう構成され、第2の位置において螺刻プランジャから離脱するようさらに構成される係合ピンを備える。
【0009】
装置は、ハンドル内に穴をさらに備えてもよく、穴は係合ピンを保つよう構成されてもよく、装置のユーザが人間工学的に係合ピンを第1の位置と第2の位置の間を摺動できるように穴を位置付けてもよい。装置は、穴の中に係合ピンを保持するよう構成された固定ピンと、第1の位置および第2の位置のうち少なくとも1つに係合ピンを解放可能に保つよう構成された少なくとも1つのボールプランジャを備えてもよい。装置は、閉鎖位置および開放位置を有する蓋を備えてもよく、蓋をシリンジを閉鎖位置でハンドル内に保持するよう構成してもよく、蓋をシリンジを開放位置でハンドルから解放するようさらに構成してもよく、ヒンジピンを蓋を前記ハンドルへ付着するよう構成してもよく、少なくとも1つのボールプランジャを閉鎖位置で蓋を解放可能に保つよう構成してもよい。装置は、閉鎖位置および開放位置を有する蓋を備えてもよく、蓋をシリンジを閉鎖位置でハンドル内に保持するよう構成してもよく、蓋をシリンジを開放位置でハンドルから解放するようさらに構成してもよく、ヒンジピンを蓋を前記ハンドルへ接合するよう構成してもよく、蓋ピンを蓋の側部に位置付けられるよう構成してもよく、ハンドル内の対応する穴に装着するよう構成して、それによって蓋を閉鎖位置に保持してもよく、蓋スプリングを蓋を実質的に蓋ピン軸と平行の方向に圧迫するよう構成してもよく、スプリングを装置のユーザによって解放されるまで蓋ピンをその対応する穴の中に保持するようさらに構成してもよい。装置は、コイルスプリングである蓋スプリングを備えてもよく、蓋スプリングはヒンジピンの少なくとも一部を取り囲んでもよい。装置の蓋を開放する方法は、蓋をヒンジピンに沿って摺動して蓋スプリングを圧縮し、摺動が蓋ピンのその対応する穴からの抜出をもたらすステップと、蓋ピンがその対応する穴と整列しないように、蓋をヒンジピンの周辺で回転するステップと、蓋スプリングがもはや圧縮されない状態まで、蓋をヒンジピンに沿って摺動するステップを含んでもよい。方法は、係合ピンを第2の位置に取り付けるステップと、シリンジをハンドル内に取り付けるステップと、係合ピンを第1の位置へ摺動して螺刻プランジャへ係合するステップと、生体材料を小出しするステップと、係合ピンを第2の位置へ摺動することにより、シリンジ内の注入圧力を緩和するステップを含んでもよい。
【0010】
本開示の他の態様によると、骨セメントを小出しする装置は、シリンジを受け入れるよう構成されたハンドルであって、シリンジは生体材料および螺刻プランジャを有するハンドルと、ハンドル内に収容されかつ第1の位置および第2の位置を有し、第1の位置において螺刻プランジャを係合するよう構成され、第2の位置において螺刻プランジャから離脱するようさらに構成された係合メカニズムと、第1の位置において係合メカニズムを解放可能に固定するよう構成された固定メカニズムと、固定メカニズムを離脱するよう構成され、それによって係合メカニズムを第1の位置から解放し、装置のユーザが固定メカニズムを人間工学的に離脱するのを可能にするように位置付けられた解除ボタンを有する。
【0011】
固定メカニズムは、クラッチメカニズムを有してもよい。装置は、係合メカニズムを第2の位置へ圧迫するよう構成された係合メカニズムスプリングを有してもよい。固定メカニズムは、固定ピンを有してもよい。装置は、固定ピンを係合メカニズムへ圧迫するよう構成された固定ピンスプリングを有してもよい。係合メカニズムはスロットを有してもよく、固定ピンは、係合メカニズムが第1の位置にあるとき係合メカニズム内のスロットに係合するよう構成されたブレードを有してもよい。解除ボタンを、ブレードをスロットから離脱するよう構成してもよい。装置は、閉鎖位置および開放位置を有する蓋を有してもよく、蓋を、シリンジを閉鎖位置でハンドル内に保持するよう構成してもよく、蓋をさらに、シリンジを開放位置でハンドルから解放するよう構成してもよく、ヒンジピンを、蓋をハンドルへ接合するよう構成してもよく、少なくとも1つのボールプランジャを、蓋を前記閉鎖位置で解放可能に保つよう構成してもよい。装置は、閉鎖位置および開放位置を有する蓋を有してもよく、蓋を、シリンジを閉鎖位置でハンドル内に保持するよう構成してもよく、蓋をさらに、シリンジを開放位置でハンドルから解放するよう構成してもよく、ヒンジピンを、蓋をハンドルへ付着するよう構成してもよく、蓋ピンを蓋の側部に位置付けてもよく、ハンドル内の対応する穴に装着するよう構成し、それによって蓋を閉鎖位置に保持してもよく、蓋スプリングを、蓋を実質的に前記蓋ピンと平行の方向に圧迫するよう構成してもよく、スプリングをさらに、装置のユーザによって解放されるまで蓋ピンをその対応する穴の中に保持するよう構成してもよい。蓋スプリングはコイルスプリングであってもよく、蓋スプリングがヒンジピンの少なくとも一部を取り囲んでもよい。
【0012】
蓋ピンがその対応する穴の中に挿入されたとき装置の蓋を開放する方法は、蓋をヒンジピンに沿って摺動して蓋スプリングを圧縮し、摺動が蓋ピンのその対応する穴からの抜出をもたらすステップと、蓋ピンがその対応する穴と整列しないように、蓋をヒンジピンの周辺で回転するステップと、蓋スプリングがもはや圧縮されない状態まで、蓋をヒンジピンに沿って摺動するステップを含んでもよい。方法は、係合メカニズムを第2の位置に取り付けるステップと、シリンジをハンドル内に取り付けるステップと、係合メカニズムを第1の位置へ移動するステップと、係合メカニズムを固定メカニズムで第1の位置に固定するステップと、生体材料を小出しするステップと、前記解除ボタンを操作することにより、前記シリンジ内の注入圧力を緩和するステップを含んでもよい。
【0013】
本開示の付加的な特徴、利点、および実施形態を記載し、または後述の詳細な記載、図、および請求項の検討から明らかでありうる。また、本開示の前述の概要および後述の詳細な記載の両方は例示的なものであり、主張される本開示の範囲を限定することなくさらに説明することを意図することを理解すべきである。
【0014】
本開示のさらなる理解のために加えられた添付の図は、本明細書に含まれ、および本明細書の部分を構成し、本開示の実施形態を示し、詳細な記載とともに本開示の原理を説明する役割を果たす。本開示の基本的な理解に必要でありうる以上のさらに詳細な本開示の構造の詳細、および本開示が実践されうる種々の方法は示さない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の態様によるセメントガンの分解図を示す。
【
図3B】係合ピンが離脱位置にある
図3Aの線B−Bに沿ったセメントガンの断面図を示す。
【
図3C】係合ピンが係合位置にある
図3Aの線B−Bに沿ったセメントガンの断面図を示す。
【
図4】本開示の別の態様によるセメントガンの分解図を示す。
【
図7A】係合メカニズムが係合位置にある
図4のセメントガンの断面図および背面図をそれぞれ示す。
【
図7B】係合メカニズムが係合位置にある
図4のセメントガンの断面図および背面図をそれぞれ示す。
【
図8A】係合メカニズムが離脱位置にある
図4のセメントガンの断面図および背面図をそれぞれ示す。
【
図8B】係合メカニズムが離脱位置にある
図4のセメントガンの断面図および背面図をそれぞれ示す。
【
図9A】係合メカニズムが係合位置にある
図4のセメントガンの断面図を示す。
【
図9B】係合メカニズムが離脱位置にある
図4のセメントガンの断面図を示す。
【
図10A】本開示のさらなる態様によるクラッチメカニズムを示す。
【
図10B】本開示のさらなる態様によるクラッチメカニズムを示す。
【
図10C】本開示のさらなる態様によるクラッチメカニズムを示す。
【
図10D】本開示のさらなる態様によるクラッチメカニズムを示す。
【
図11A】本開示の態様によるさらなるクラッチメカニズムを示す。
【
図11B】本開示の態様によるさらなるクラッチメカニズムを示す。
【
図12】本開示の態様によるさらなるクラッチメカニズムを示す。
【
図13A】本開示の態様によるさらなるクラッチメカニズムを示す。
【
図13B】本開示の態様によるさらなるクラッチメカニズムを示す。
【
図14】本開示の態様によるさらなるクラッチメカニズムを示す。
【
図15】本開示の態様によるさらなるクラッチメカニズムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の実施形態およびその種々の特徴および有益な詳細を、添付の図に記載および/または示され、後述の記載に詳述される限定することのない実施形態および例に関連してより十分に説明する。図内に示される特徴は必ずしも縮尺通りではなく、当業者が認識するように、1つの実施形態の特徴を、本明細書で明確に述べなくても他の実施形態で採用してもよいことに注目すべきである。公知の構成要素および処置技術の記載を、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないように、省略するかもしれない。本明細書で使用される例は、単に本開示が実践されうる方法の理解を容易にし、さらに当業者が本開示の実施形態の実践を可能にすることを意図するものである。従って、本明細書の例および実施形態は本開示の範囲を限定すると解釈されるべきでなく、本開示の範囲は単に添付の請求項および準拠法により定義される。また、同一の参照番号は図のいくつかの表示を通して同様の部品を示すことを述べておく。
【0017】
図1は、本開示の態様の分解図を示す。この本開示の態様によると、セメントガン100は、ハンドル101、およびハンドル101内の穴103内へ装着する係合ピン102を有してもよい。ハンドル101、係合ピン102、および関連する部分を、チタン、外科用ステンレス鋼を含む鋼、金属、プラスチック、またはセメントガン100の繰り返し殺菌を可能にする類似の材質で製造してもよい。セメントガン100の構成要素を、抗バクテリア性、抗菌性などになるように被覆または処理してもよい。
【0018】
係合ピン102を、係合ピン102内の溝(図示せず)内へ装着する固定ピン104でハンドル内に保持してもよい。固定ピン104を、例えば溶接、エポキシ、粘着剤、接着剤、圧縮、リベット留めなどによりハンドル101に永続的に固着してもよい。固定ピン104の溝への接合は、係合ピン102が端から端へ移動し、一方でハンドル101内になお保持されることを可能にする。
【0019】
特に係合ピン102は、詳細に後述するように、係合位置と離脱位置の間を往復移動してもよい。ユーザがそう所望するときを除いて、これらの位置の間の係合ピン102の変動の可能性をなくすまたは減少させるため、ハンドル101は2つのボールプランジャ105を有してもよい。ボールプランジャ105は、ボールおよびスプリング構造を有してもよい。ボールプランジャ105は、係合ピン102の下側の(
図3B、
図3Cに示された)2つの切欠部107のうちの1つに整列してもよい。例えば、係合ピン102の係合位置に関連するボールプランジャ105は、係合位置に関連する切欠部107に係合してもよい。この係合は係合ピン102を係合位置に保持し、それが自発的に異なる(すなわち離脱)位置へ変動するのを防ぎうる。係合ピンが例えば係合位置にあるとき、離脱位置に関連するボールプランジャ105は、離脱位置に関連する切欠部107と整列されない。
【0020】
ハンドル101はシリンジアセンブリ120を受けてもよく、シリンジアセンブリ120は螺刻プランジャ121を有してもよい。シリンジアセンブリ120の固定および保持のため、ハンドル101は蓋130を装着してもよい。蓋130は、ハンドル内にシリンジアセンブリ120を保持するため、密閉具を有してもよい。本開示の態様によると、蓋130をヒンジピン132でハンドル101に装着してもよい。ヒンジピン132は、蓋130の一方の側に沿った回転軸をもたらす。軸は、シリンジアセンブリ120の容易で迅速な除去および/または挿入を可能にするため、蓋130を上に回転しハンドル101から離せるようにするものである。蓋130をそれから、使用のため閉鎖位置へ下に回転してもよい。
【0021】
図1に示されるように、蓋130をヒンジピン132から離れた側の2つのボールプランジャ131で装着してもよいが、本開示および請求項の趣旨および範囲から逸脱することなく、より多数またはより少数のボールプランジャを使用してもよい。ボールプランジャは、ボールおよびスプリング構造を有してもよい。蓋130が閉鎖位置にあるとき、ボールプランジャ131は、ハンドル101内の切欠部、切抜部、穴など(図示せず)と整列してもよい。ボールプランジャ131は、通常の使用および作動状況の間、蓋130を閉鎖位置に保持してもよい。
【0022】
蓋130の開放を容易にするため、蓋130は(
図3A、
図3Bに示された)蓋ヒンジ132と反対側に突出部またはリップ133を有してもよい。このリップまたは突出部133は、手がかりまたはてこを提供しえて、蓋の縁部がハンドル側とより平坦である場合にそうであるであろうよりも、ユーザが蓋130を開けるのをより容易にする。
【0023】
本開示の別の態様によると、
図4、
図5A、
図5B、および
図5Cに関して後述するように、ハンドル101をプッシュタイプの蓋と装着してもよい。
【0024】
図2はセメントガン100の断面図を示し、
図3Aはセメントガン100の外側側面図を示す。
図3Bは、係合ピン102が離脱位置にある
図3Aの線B−Bに沿った断面図を示す。
図3Cは、係合ピンが係合位置にある
図3Aの線B−Bに沿った断面図を示す。係合ピン102は、シリンジアセンブリ120の螺刻プランジャ121の螺刻に係合するよう構造化および配置されうる1つまたは複数の溝を有する切抜部106を有する。
図1に示されるように、溝は切抜部106の一方の側のみに沿って設けられる。係合ピン102が離脱位置にあるとき、例えば
図3Bで示されるように、溝は螺刻プランジャ121と係合しない。係合ピン102が係合位置にあるとき、例えば
図3Cで示されるように、溝はプランジャ121の螺刻と係合する。シリンジ120がプランジャ121に対して接合する螺刻を有さないので、プランジャ121は、それがハンドル101内に位置し係合ピン102が係合位置にあるときにねじれることによって前進することのみが可能である。
【0025】
骨セメントは非常に粘性の高い材質でありうるので、骨セメントをシリンジ内の狭い開口部を通して押すよう、シリンジアセンブリの内側に相当の圧力を生成する必要があるかもしれない。外科医またはセメントガンの他のユーザは、係合ピン102を係合位置に取り付け、螺刻プランジャ121のハンドルを骨セメントの所望の流動が得られるまで回転することにより、この圧力を生成してもよい。何らかの理由で骨セメントの流動を停止する必要が生じた場合、ユーザは単に係合ピンを離脱位置へ摺動してもよい。プランジャを適切な位置に保つ他の林または螺刻がないので、シリンジアセンブリ120内部の圧力がプランジャを部分的にシリンジの外部に摺動させ、それによって注入圧力を緩和し骨セメントの流動を止めうる。
【0026】
図1、
図2および
図3Aに示されるように、係合ピン102をハンドル101の握り部のちょうど上部に位置付けてもよい。これはセメントガン100のユーザにとって、非常に人間工学的でありうる係合ピン102の位置を提供する。この意味で、および本明細書で使用されるとき、「人間工学的」および「人間工学的に」の語は、その構成要素がユーザの物理的努力および不快感を最小化または減少させるように設計され、それによって効率を最大化または向上することを意味する。例えば、
図3Cに示されるようなセメントガン100の右手利きのユーザは、彼の親指の簡単な移動で係合ピン102を係合位置から離脱位置へ容易に摺動可能でありうる。左手利きのユーザは、彼女の人指し指で係合ピン102を離脱可能でありうる。しかし人指し指は、ピン102の離脱では親指ほど効果的でないかもしれない。ピン102を離脱するのに必要とされる力によっては、溝が切抜部106の反対側にあるセメントガン100の左手利きモデルを提供するのが望ましい可能性がある。この構成は、左手利きの外科医および他のユーザが彼の親指で係合ピン102を離脱するのを可能にしうる。
【0027】
図4は、本開示の別の態様によるセメントガンの分解図を示す。この態様によると、セメントガン200は、ハンドル201および係合メカニズム202を有してもよい。係合メカニズム202を、ハンドル201内の穴203の中に装着してもよい。ハンドル201、係合メカニズム202および関連する部分を、チタン、外科用ステンレス鋼を含む鋼、金属、プラスチック、またはセメントガン200の繰り返し殺菌を可能にする類似の材質で製造してもよい。セメントガン200の構成要素を、抗バクテリア性、抗菌性などになるように被覆または処理してもよい。
【0028】
係合メカニズム202を、係合メカニズム202内の溝(図示せず)内へ装着するダウエルピン204でハンドル201内に保持してもよい。ダウエルピン204を、例えば、溶接、エポキシ、粘着剤、接着剤、圧縮、リベット留めなどによりハンドル201に永続的に固着してもよい。ダウエルピン204の溝への接合は、係合メカニズム202が端から端へ移動し、一方でハンドル201内になお保持されることを可能にする。
【0029】
係合メカニズム202を、例えば固定ピン211のような固定メカニズムにより係合位置に保持してもよい。係合メカニズム202を、解除ボタン209を使用して固定メカニズムを解除することにより離脱してもよい。係合メカニズム202は、1つまたは複数の溝または螺刻206を有する切抜部を有してもよい。係合メカニズム202を、係合メカニズム202を離脱位置へ圧迫または付勢するよう、スプリング208と接合してもよい。スプリング208を保持ピン213で所定の位置に保持してもよく、保持ピン213はハンドル201内の対応する穴または受け口(図示せず)内に装着してもよい。
【0030】
ハンドル201はシリンジアセンブリ220を受けてもよく、シリンジアセンブリ220は螺刻プランジャ221を有してもよい。シリンジアセンブリ220の固定および保持のため、ハンドル201はまた、蓋230を装着してもよい。密閉具を有する蓋230は、ハンドル内にシリンジアセンブリ220を保持するのに重要である。本開示の態様によると、蓋230をヒンジピン232でハンドル201に付着してもよい。ヒンジピン232は、蓋239の一方の側に沿った回転軸をもたらす。軸は、シリンジアセンブリ220の容易で迅速な除去および/または挿入を可能にするため、蓋230を上に回転しハンドル201から離せるようにするものである。蓋230をそれから、使用のため閉鎖位置へ下に回転してもよい。
【0031】
図4に示されるように、蓋230は、蓋230の一方の側に沿った蓋ピン234を有してもよい。蓋230を閉鎖位置に保持するよう、蓋ピン234をハンドル201内の対応する穴または受け口(図示せず)内に挿入してもよい。まず蓋230を閉鎖位置に位置付けてピン234をその穴と整列し、それから蓋230を蓋ピン234およびその穴の方向に摺動することにより、ユーザは蓋ピン234をその対応する受け口の中へ挿入してもよい。蓋ピン234をその穴の中に保ち蓋230を閉鎖位置に保つよう、スプリング233は蓋230に対して圧迫し、蓋230を蓋ピン234およびその穴の方向に圧迫または付勢してもよい。スプリング233はコイルスプリングであってもよく、ヒンジピン232がコイルの内径を通るように、スプリング233をヒンジピン232の上方に装着してもよい。
【0032】
図5A、
図5B、および
図5Cは、蓋230を開放する段階を示す。
図5Aで蓋230は閉鎖位置にあり、蓋ピン234が対応する穴または受け口内に挿入されている。セメントガン200のユーザは蓋を摺動し、ピン234から離す。
図5Bに示されるように、スプリング233はこのプロセスで圧縮されうる。ここで蓋ピン234はその穴から外れており、蓋230を
図5Cに示されるように開放位置へ回転してもよい。
【0033】
本開示の別の態様によると、
図1に関して前述したように、ハンドル201をボールプランジャタイプの蓋に装着してもよい。
【0034】
図6は、シリンジアセンブリ220のフランジ222がハンドル201のクレードル214内に装着する状態を示す。
【0035】
図7Aは、固定メカニズム、このケースでは固定ピン211により係合メカニズム202が係合位置に固定されたセメントガン200の断面図を示す。
図7Bは、
図7Aのセメントガン200の背面図を示す。係合メカニズム202が係合位置にある状態で、切抜部内の溝または螺刻206は、シリンジアセンブリ220の螺刻プランジャ221上の螺刻とかみ合わされる。この本開示の態様の固定メカニズムは、その最端部で平坦な部分またはブレード215を有する固定ピン211である。ブレード215は係合メカニズム202の下部の溝216内に嵌合し、係合メカニズム202を係合位置の所定の位置に固定する。解除ボタン209がハンドル201の背面に固着され、ネジ210で固定ピン211に接合されるが、解除ボタン209を固定ピンに接合する他の手段が考えられ、それらは本開示の趣旨および範囲内である。スプリング212を固定ピン211の下方に位置付けて、固定ピン211を係合メカニズム202へ圧迫または付勢してもよい。
【0036】
図8Aは、固定ピン211が係合メカニズム202から離脱されたセメントガン200の断面図を示し、
図8Bは
図8Aのセメントガン200の背面図を示す。係合メカニズムを係合位置から解放するため、外科医またはセメントガン200の他のユーザは、解除ボタン209を下側に、例えば
図8Aおよび
図8Bに示された位置に摺動してもよい。解除ボタン209が固定ピン211に接合されるので、係合メカニズム202の下側でブレード215がその溝216から外れる状態まで、固定ピンも下へ移動する。いくつかの態様で、係合メカニズム202は、メカニズム202を係合位置から付勢して離脱位置へ離すためのスプリング208を有してもよい。よって、ブレード215がその溝216から完全に取り除かれたとき、係合メカニズムは離脱位置へ分離または飛び出してもよい。固定ピン211の離脱はスプリング212を圧縮し、それが順番に固定ピン211を係合メカニズム202の下側へ、または係合メカニズム202の下側に対して付勢または圧迫する。係合メカニズム202が係合位置に戻りブレード215が係合メカニズム202内のその溝216と整列するとき、ブレード215が溝216と係合し係合メカニズム202を係合位置に固定するように、スプリング212は固定ピン211を上方に圧迫してもよい。
【0037】
例えば
図7A、
図7B、
図8A、および
図8Bに示されるように、解除ボタン209をハンドル201上で人間工学的に位置付けてもよい。この構成で、セメントガン200のユーザは、彼の親指で解除ボタン209を摺動して下げることにより固定メカニズムを解放してもよい。この構成は、右手利きのユーザおよび左手利きのユーザの両方によって、等しい効率で操作されうる。
【0038】
図9Aおよび9Bは、固定された位置および外された位置のそれぞれの固定ピン211および係合メカニズム202の背面断面図を示す。
図9Aでは、係合メカニズム202の螺刻または溝206は、螺刻プランジャ221の螺刻とかみ合わされる。スプリング208は圧縮され、メカニズム202をその現在の係合位置から離すように圧迫または付勢する。しかし係合メカニズム202は、係合メカニズム202の下側の溝216内に挿入される固定ピン211のブレード215の効力に基づき、係合位置に保持される。この構成の部品で、外科医またはセメントガン200のユーザは、螺刻プランジャ221のハンドルまたはノブを回すことにより、シリンジ内部の注入圧力を増加してもよい。
【0039】
ユーザが迅速に注入圧力を緩和する必要がある場合、彼は単に人間工学的に位置付けられた解除ボタン209を下へ摺動する。解除ボタン209は固定ピン211に接合され、よって固定ピン211を下側へ同様に移動する。
図9Bに示されるように、固定ピンが充分下側に移動されるとき、ブレード215は溝216から取り除かれる。ここでスプリング208は係合メカニズム202を右へ押すことが可能であり、それによって螺刻206を螺刻プランジャ221から離脱する。スプリング208は、保持ピン213によって、係合メカニズム202と適切な整列を維持する。
【0040】
図10A、
図10B、
図10C、および
図10Dは、前述の固定ピン211の代わりにセメントガン200の固定メカニズムとして使用されうるクラッチメカニズム300を示す。クラッチ300は、螺刻プランジャ306に対して所定の位置に固定されうる固定されたピボット305を有してもよい。固定されたピボット305は一対のジョー310a、310bを結合し、それらを互いに対して回転するのを可能にしてもよい。ジョー310はピボット307によりアーム304に接合され、アーム304はピボット303によりクラッチピン308に接合される。クラッチピン308を、スプリング301により上方に付勢または圧迫してもよい。クラッチピン308への上方の圧力は、ジョー310を閉じる圧力へ変換する。ジョー310は、螺刻プランジャ306上の螺刻と係合する螺刻または溝を有してもよい。このようにして、
図10Aおよび
図10Cに示されるように、ジョー310は係合メカニズム202と同一の機能を提供する。ジョー310を開くため、および例えば迅速に注入圧力を緩和するため、ユーザは解除ボタン302を押下してもよい。
図10Bおよび
図10Dに示されるように、この動作はスプリング301を圧縮し、ピン308を下方に移動し、ジョー310を開く。
【0041】
図11A、11B、12、13A、および13Bは、クラッチメカニズムの別の態様を示す。クラッチ400、410、および420は全て、例えばスプリング301のような外部のスプリングなしに,自然に閉じたまたは把持位置へ付勢される。
図11Aでは、クラッチ400は中央ピボット403を有する。
図11Bに示されるように、クラッチループ404を圧迫すると、クラッチ400のジョー402が開き、螺刻プランジャ401の把持を解放しうる。
図12に示されたクラッチ410はクラッチ400と同様であるが、中央ピボットがない。
図13Aに示されるように、クラッチ420は金属のような材質の連続した小片から形成され、自身を交差して環状であり、交差ポイント422で交差し、ジョー421に適切な付勢を与える。クラッチ400および410に対してと同様に、クラッチ420は、クラッチループ423を圧縮することによりそのジョー421を開いてもよい。代わりに、
図13Bに示されるように、摺動メカニズム424がループ423を圧縮する同一の効果を有してもよい。必要以上の実験なしに当業者に理解されるであろうように、セメントガン200およびクラッチ300について示したものの動作と同様に、全ての3つのタイプのクラッチは解除ボタンメカニズムで互換性がある。
【0042】
図14および
図15は、クラッチメカニズムのさらなる態様を示す。クラッチ500は、それが中央ピボット509、ループ501、およびジョー507を有するという点で、クラッチ400と同様である。しかしクラッチ500のジョー507を、螺刻または溝505での螺刻プランジャ504の把持に加え、シリンジ502およびフランジ503のためのクレードル506を提供するよう構成してもよい。クラッチ500も、クラッチを閉じたまたは把持位置に保つ固定メカニズム508を有してもよい。
【0043】
クラッチ600は、それが付勢を生成する交差ポイントを使用するという点で、クラッチ420と同様である。クラッチ600もクラッチループ601およびジョー602を有してもよいが、ジョー602を、螺刻または溝604での螺刻プランジャ605の把持に加え、シリンジ607およびフランジ606のためのクレードル603を提供するよう構成してもよい。必要以上の実験なしに当業者に理解されるであろうように、セメントガン200およびクラッチ300について示したものの動作と同様に、クラッチ500およびクラッチ600の両方は解除ボタンメカニズムで互換性がある。
【0044】
本開示を例示的な実施形態に関して記載したが、本開示を添付の請求項の趣旨および範囲内で改良して実践可能であることを、当業者は認めるであろう。これらの前述の例は単に一例であり、本開示の全ての可能な設計、実施形態、適用または改良を網羅するリストであることを意味しない。