特許第6283004号(P6283004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283004
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】空調設備の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/54 20180101AFI20180208BHJP
   F24F 11/62 20180101ALI20180208BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20180208BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20180208BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20180208BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20180208BHJP
   F24F 11/72 20180101ALI20180208BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20180208BHJP
   F24F 110/00 20180101ALN20180208BHJP
   F24F 120/00 20180101ALN20180208BHJP
【FI】
   F24F11/02 103D
   G06F1/20 B
   G06F1/20 D
   F24F11/02 103A
   F24F11/02 S
   F24F11/02 105Z
   F24F11/04 Z
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-160590(P2015-160590)
(22)【出願日】2015年8月17日
(65)【公開番号】特開2016-42018(P2016-42018A)
(43)【公開日】2016年3月31日
【審査請求日】2015年8月17日
(31)【優先権主張番号】62/038,076
(32)【優先日】2014年8月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502330713
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Delta Electronics,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ゼン▼ 品杰
(72)【発明者】
【氏名】謝 華毅
(72)【発明者】
【氏名】黄 正毅
(72)【発明者】
【氏名】謝 源平
【審査官】 関口 知寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−203218(JP,A)
【文献】 特開2005−140450(JP,A)
【文献】 特開2013−120001(JP,A)
【文献】 特開2000−234782(JP,A)
【文献】 特開2011−075246(JP,A)
【文献】 特開昭63−286643(JP,A)
【文献】 特開2012−112584(JP,A)
【文献】 特開2004−251479(JP,A)
【文献】 特開2003−083590(JP,A)
【文献】 特開2013−124809(JP,A)
【文献】 特開2005−172288(JP,A)
【文献】 特開2010−134367(JP,A)
【文献】 特開2009−014251(JP,A)
【文献】 特開2007−322062(JP,A)
【文献】 米国特許第04107941(US,A)
【文献】 特開2010−054098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00−11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリアに設けられる空調設備および知的制御装置を備えた知的制御システムに用いられる制御方法であって、
前記空調設備が起動された後、第1の単位時間当たりの第1のCO2含有量値を記録するステップaと、
照明器具が消灯される際、前記第1のCO2含有量値に基づいてCO2参照値を算出するステップbと、
前記ステップbの後、第2の単位時間当たりの第2のCO2含有量値を記録するステップcと、
前記第2のCO2含有量値に基づいてCO2比較値を算出するステップdと、
前記CO2参照値と前記CO2比較値とを比較して、前記エリア内のCO2含有量の変化傾向を判断するステップeと、
前記知的制御装置は、前記エリア内のCO2含有量が上昇傾向を示す場合、前記空調設備の現在の作動モードを維持するステップfと、
前記知的制御装置は、前記エリア内のCO2含有量が低下傾向を示す場合、前記空調設備の前記作動モードを切換えるステップgと、を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項2】
前記ステップgは、
前記エリア内のCO2含有量が低下傾向を示す場合、前記空調設備において現在に採用されている作動モードを判断するステップg1と、
前記空調設備が冷房モードで作動する場合、前記空調設備の前記作動モードを送風モードに切換えるステップg2と、
前記空調設備が送風モードで作動する場合、前記空調設備をオフさせるステップg3と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記エリア内のCO2含有量がCO2最小値よりも低い場合、前記空調設備をオフさせるステップhをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記知的制御システムは、前記知的制御装置に無線接続される複数のセンサービーコンをさらに備え、
複数の前記センサービーコンによって前記空調設備が起動される前に第3の単位時間当たりの第1の温度値を検出・記録するステップi1と、
前記空調設備が起動された後、前記第1の温度値に基づいて温度参照値を算出するステップi2と、
前記エリア内の現在の湿度値に基づいて前記温度参照値を微調整するステップi3と、
微調整された前記温度参照値に基づいてモード対応テーブルを検索して、前記空調設備に採用される前記作動モードを決定するステップi4と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記モード対応テーブルには、前記温度参照値と前記空調設備の複数の前記作動モードとの対応関係が記録されており、
前記ステップi4において、
前記温度参照値が25℃よりも大きい場合、前記空調設備に冷房モードが採用されるように制御し、
前記温度参照値が16℃よりも小さい場合、前記空調設備に暖房モードが採用されるように制御し、
前記温度参照値が16℃〜25℃の範囲である場合、前記空調設備に送風モードが採用されるように制御することを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記ステップi4の後、複数の前記センサービーコンによって第4の単位時間当たりの第2の温度値を検出・記録するステップi5と、
前記第2の温度値に基づいて温度比較値を算出するステップi6と、
前記温度比較値が設定温度よりも大きい場合、前記空調設備の前記作動モードを冷房モードに切換えるステップi7と、
前記温度比較値が前記設定温度よりも小さい場合、前記空調設備の前記作動モードを送風モードに切換えるステップi8と、
前記空調設備がオフされる前、前記ステップi5〜前記ステップi8を繰り返すステップi9と、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項7】
前記知的制御システムは、前記知的制御装置に無線接続される携帯装置をさらに含み、
前記携帯装置は、利用者情報を検出するとともにフィードバック情報を受信して、前記利用者情報および前記フィードバック情報に基づいて前記第3の単位時間および前記第4の単位時間の時間長さを調整することを特徴とする請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
前記携帯装置は、利用者の体温や心拍数を少なくとも含む前記利用者情報の検出機能を有するスマートフォンまたはスマートウォッチであることを特徴とする請求項7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記携帯装置には、利用者によって入力された前記フィードバック情報を受信する体感フィードバックインターフェースを提供して、前記利用者情報および前記フィードバック情報を前記知的制御装置に送信するアプリケーションがインストールされることを特徴とする請求項7に記載の制御方法。
【請求項10】
前記知的制御システムは、携帯装置をさらに含み、
前記携帯装置には、前記知的制御装置を無線接続するために用いられ、起動時に前記携帯装置のブルートゥース(登録商標)転送ユニットを自動的にオンにするアプリケーションがインストールされ、
前記知的制御装置が、前記携帯装置を検出した際、前記携帯装置の前記ブルートゥース転送ユニットの媒体アクセス制御アドレス(Media Access Control Address、MAC Address)に基づいて、前記エリア内に前記携帯装置の存在が許可されるか否かを判断するステップj1と、
前記知的制御装置は、前記エリア内に前記携帯装置の存在が許可される場合、前記ブルートゥース転送ユニットのBLE機能で前記携帯装置への接続を確立するステップj2と、
前記知的制御装置は、前記エリア内に前記携帯装置の存在が許可されない場合、外部へ警告メッセージを送信するステップj3と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項11】
前記知的制御システムは、前記知的制御装置に無線接続される複数のセンサービーコンをさらに備え、
前記空調設備がオフされ、且つ、テスト時間に達すると、前記空調設備を起動させるステップk1と、
前記空調設備がテストモードに入るように制御するとともに、一定風速を設定するステップk2と、
複数の前記センサービーコンによって前記空調設備の筐体内部および外部の圧力値をそれぞれ検出して、風圧の差圧値を算出するステップk3と、
複数の前記センサービーコンによって前記空調設備の筐体内部の音情報を検出するステップk4と、
前記風圧の差圧値および前記音情報と、工場出荷時設定の閾値とを比較して、前記空調設備が異常であるかどうかを判断するステップk5と、
前記空調設備が異常であると判断した場合、外部へ警告メッセージを送信するステップk6と、
前記テストモードが終了した後、前記空調設備をオフにするステップk7と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項12】
前記知的制御装置は、利用者が前記エリアに進入したか否かを判断するように、当該利用者の生体特徴を取得して個人認証を行う撮像ユニットを備え、
前記知的制御装置は、前記利用者が前記エリアに進入したと判断した場合、前記空調設備を起動させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項13】
前記知的制御システムは、前記知的制御装置に無線接続される複数のセンサービーコンをさらに備え、
前記知的制御装置は、CO2検出ユニットと、温度検出ユニットとを備え、
複数の前記センサービーコンによって前記エリア内の第5の単位時間当たりの周囲温度値を検出・記録するステップl1と、
前記温度検出ユニットによって前記知的制御装置周囲の前記第5の単位時間当たりの中央温度値を検出・記録するステップl2と、
前記CO2検出ユニットによって前記第5の単位時間当たりの第3のCO2含有量値を検出・記録するステップl3と、
前記周囲温度値、前記中央温度値および前記第3のCO2含有量値に基づいて、第1の温度平均値と、第2の温度平均値と、CO2平均値とをそれぞれ算出するステップl4と、
前記第1の温度平均値および前記第2の温度平均値に基づいて温度差値を算出するステップl5と、
前記温度差値に基づいて風速照合テーブルを検索して、第1の風速値および第1の比率を取得するステップl6と、
前記CO2平均値に基づいて前記風速照合テーブルを検索して第2の風速値および第2の比率を取得するステップl7と、
前記第1の風速値、前記第1の比率、前記第2の風速値、前記第2の比率に基づいて、前記空調設備の風速の最終風速値を算出するステップl8と、
前記空調設備がオフされる前、前記ステップl1〜前記ステップl8を繰り返すステップl9と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項14】
前記温度差値または前記CO2平均値が所定の閾値よりも大きい場合、空調設備の風吐出方向を特定方向に向けるように調整するステップm1と、
前記温度差値または前記CO2平均値が、低下するか、所定時間を超えても低下することができない場合、前記空調設備が予め設定された循環方式に戻すように制御するステップm2と、をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
エリアに設けられる空調設備および当該空調設備に無線接続される知的制御装置を備えた知的制御システムに用いられる制御方法であって、
前記知的制御装置は、前記空調設備が起動された後、CO2検出ユニットによって前記エリア内の第1の単位時間当たりの複数のCO2含有量を含む第1のCO2含有量値を検出・記録するステップaと、
前記エリアにおける照明器具が消灯される際、前記第1のCO2含有量値の平均値を算出してCO2参照値を取得するステップbと、
前記知的制御装置は、前記照明器具が消灯された後、前記CO2検出ユニットによって前記エリア内の第2の単位時間当たりの複数のCO2含有量を含む第2のCO2含有量値を検出・記録するステップcと、
前記第2のCO2含有量値の平均値を算出してCO2比較値を取得するステップdと、
前記CO2参照値および前記CO2比較値に基づいて、前記エリア内のCO2含有量が上昇傾向または低下傾向を示すことを判断するステップeと、
前記エリア内のCO2含有量が上昇傾向を示す場合、前記空調設備の起動を維持して現在の作動モードを維持するステップfと、
前記エリア内のCO2含有量が低下傾向を示し、且つ、前記空調設備が冷房モードで作動する場合、前記空調設備の前記作動モードを送風モードに切換えるステップgと、
前記エリア内のCO2含有量が低下傾向を示し、且つ、前記空調設備が送風モードで作動する場合、前記空調設備をオフさせるステップhと、
前記エリア内のCO2含有量がCO2最小値よりも低い場合、前記空調設備をオフさせるステップiと、を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項16】
前記知的制御システムは、前記知的制御装置に無線接続される複数のセンサービーコンをさらに備え、
複数の前記センサービーコンによって前記空調設備が起動される前に第3の単位時間当たりの複数の温度データを含む第1の温度値を検出・記録するステップj1と、
前記空調設備が起動された後、前記第1の温度値の平均値を算出して温度参照値を取得するステップj2と、
前記エリア内の現在の湿度値に基づいて湿度対応値を算出するステップj3と、
前記湿度対応値に基づいて前記温度参照値を調整するステップj4と、
調整された前記温度参照値が25℃よりも大きい場合、起動された前記空調設備に前記冷房モードが採用されるように制御するステップj5と、
調整された前記温度参照値が16℃よりも小さい場合、起動された前記空調設備に暖房モードが採用されるように制御するステップj6と、
調整された前記温度参照値が16℃〜25℃の範囲である場合、起動された前記空調設備に送風モードが採用されるように制御するステップj7と、をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の制御方法。
【請求項17】
前記空調設備が起動されて前記冷房モード、暖房モード、および送風モードの何れかを採用する場合、複数の前記センサービーコンによって、前記空調設備が起動された後に前記エリア内の第4の単位時間当たりの複数の温度データを含む第2の温度値を検出・記録するステップj8と、
前記第2の温度値の平均値を算出して温度比較値を取得するステップj9と、
前記温度比較値が設定温度よりも大きい場合、前記空調設備に前記冷房モードが採用されるように制御するステップj10と、
前記温度比較値が設定温度よりも小さい場合、前記空調設備に前記送風モードが採用されるように制御するステップj11と、
前記空調設備がオフされる前、前記ステップj〜前記ステップj11を繰り返すステップj12と、をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の制御方法。
【請求項18】
前記知的制御装置は、撮像ユニットによって利用者の生体特徴を取得して個人認証を行って、当該利用者が前記エリアに進入したか否かを判断し、前記利用者が前記エリアに進入したと判断した場合、前記空調設備を起動させるように制御することを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
【請求項19】
前記センサービーコンは、圧力センサーと、音センサーとを含み、
前記空調設備がオフされ、且つ、テスト時間に達すると、前記空調設備を起動させるステップl1と、
前記空調設備がテストモードに入るように制御するステップl2と、
前記テストモードにおいて前記空調設備の一定風速を設定するステップl3と、
前記圧力センサーによって前記空調設備の筐体内部および外部の圧力値をそれぞれ検出して、風圧の差圧値を算出するステップl4と、
前記音センサーによって前記空調設備の筐体内部の音情報を検出するステップl5と、
前記風圧の差圧値および前記音情報と、工場出荷時設定の閾値とを比較して、前記空調設備が異常であるかどうかを判断するステップl6と、
前記空調設備が異常であると判断した場合、外部へ警告メッセージを送信するステップl7と、
前記テストモードが終了した後、前記空調設備をオフにするステップl8と、をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
【請求項20】
前記知的制御システムは、前記知的制御装置に無線接続され、利用者の利用者情報を検出する携帯装置をさらに含み、
前記携帯装置は、前記利用者の体温や心拍数を少なくとも含む前記利用者情報の検出機能を有するスマートフォンまたはスマートウォッチであり、
前記携帯装置には、前記利用者によって入力されたフィードバック情報を受信する体感フィードバックインターフェースを提供して、前記利用者情報および前記フィードバック情報を前記知的制御装置に送信するアプリケーションがインストールされることを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調設備の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場では、エリア内の空調設備を効果的に制御するため、空調設備とエリア内の温度や湿度を検知するためのセンサーとを主に備える様々な知的空調システムが知られている。これにより、空調設備は、センサーによって検知された温度および湿度に基づいて自動的に作動するようになっている。例えば、温度が高い場合には冷房モードへ、また、温度が低い場合には暖房モードへ自動的に移行するとともに、湿度が高いと、除湿モードに自動的にオンするようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記知的空調システムでは、一般に、空調設備を制御する制御装置が配置されている。このような制御装置は、空調設備およびセンサーと同一のエリアに設けられ、簡単な演算機能のみを有するのが一般的である。具体的に、上記制御装置は、簡単な情報(すなわち、センサーによって検出された温度や湿度)に基づいて対応する制御コマンドを生成して、制御コマンドに基づいて空調設備のオン、オフまたは作動モードを切り替えるように制御するにすぎないものであった。制御コマンドを生成するためのパラメータが単純すぎる場合、空調設備の作動は利用者の実際の需要に満たない可能性もある。
【0004】
また、制御コマンドに基づいて空調設備を制御するほか、従来の制御装置は、他の付加的な機能を備えてないため、利用者に対して十分ではない。
【0005】
一部の知的空調システムは、光センサーを有しているか、または、エリア内の照明器具に直接接続されている。この場合、人員がエリアに進入して照明器具をオンにする際には、空調設備が自動的にオンされるため、人員に快適な環境を提供することができる。一方、人員がエリアを退出して照明器具をオフにする際には、空調設備が自動的にオフされるため、エネルギーの浪費を回避することができる。
【0006】
しかしながら、利用者は、需要に応じてエリアに位置しているが、照明器具をオフにする場合がある(例えば、プロジェクターでブリーフィングする)。または、エリアから退出しても、照明器具をオンにする場合がある(例えば、モニタに光源を提供する)。この場合、照明器具のオン/オフだけで空調設備をオン/オフにするように制御するのは、誤判断の可能性が高まるため、利用者を困らせることになる。
【0007】
本発明の目的は、主として、エリア内の複数の検出データに基づいて、エリア内の空調設備に対してどのような制御を行うことを判断する制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御方法(知的制御方法)は、知的制御装置および空調設備を備えた知的制御システムに用いられる。前記知的制御装置は、前記空調設備が起動された後、エリア内のCO2含有量値を継続的に記録するとともに、照明器具が消灯されることを検出した場合、記録されたこれらのCO2含有量値に基づいてCO2参照値を算出する。次に、前記知的制御装置は、ある時間区間においてCO2含有量値を継続的に記録し、前記時間区間が達する際にCO2比較値を算出する。最後に、前記知的制御装置は、前記CO2参照値および前記CO2比較値に基づいてエリア内のCO2含有量が上昇傾向または低下傾向を示すことを判断して、前記空調設備の現在の状態を維持するか、冷房モードまたは送風モードに切換えるか、または前記空調設備をオフにするかを決定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、エリア内の照明器具がオフされるか否か、およびCO2含有量の変化傾向によって空調設備をどのように制御するかを決定する。これにより、従来の知的空調システムでは、単一のセンサーのみによって人員が存在するか否かを検出して空調設備をオン/オフにする決定することに起因する誤判断を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る具体的な第1実施例の知的制御システムの構成を示す図である。
図2A】本発明に係る具体的な第1実施例の空間配置を示す模式図である。
図2B】本発明に係る具体的な第1実施例のビルの配置を示す模式図である。
図3】本発明に係る具体的な第1実施例の空調設備のオン/オフ制御を示すフローチャートである。
図4A】本発明に係る具体的な第1実施例の空調設備のモード切換を示すフローチャートである。
図4B】本発明に係る具体的な第2実施例の空調設備のモード切換を示すフローチャートである。
図5A】本発明に係る具体的な第1実施例の設定温度を示す模式図である。
図5B】本発明に係る具体的な第2実施例の設定温度を示す模式図である。
図6】本発明に係る具体的な第1実施例の風速調整を示すフローチャートである。
図7】本発明に係る具体的な第1実施例の方向調整を示すフローチャートである。
図8】本発明に係る具体的な第1実施例の空調設備をテストする場合を示すフローチャートである。
図9】本発明に係る具体的な第2実施例の知的制御システムの構成を示す図である。
図10】本発明に係る具体的な第1実施例の位置検出を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照して詳述する。
【0012】
図1は、本発明に係る具体的な第1実施例の知的制御システムの構成を示す図である。本発明は、主として、知的制御システムおよび当該知的制御システムに用いられる制御方法を提供する。本実施例において、知的制御システムは、エリアに設けられ、知的制御装置1と、複数のセンサービーコン(Sensor Beacon)2と、空調設備3と、を少なくとも含んでいる。知的制御装置1は、複数のセンサービーコン2と空調設備3とに無線接続されている。
【0013】
複数のセンサービーコン2は、様々な種類のセンサーが内蔵されるビーコン装置である。これらのビーコン装置は、低消費電力ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth Low Energy、以下、「BLE」と称す)転送技術によって知的制御装置1と無線接続されている。
【0014】
本実施例において、知的制御装置1は、制御方法に基づいて同一エリアに設けられる空調設備3を自動的に制御する。他の実施例において、知的制御システムは、知的制御装置1と同一エリアに設けられ、知的制御装置1からの制御を受ける全熱交換器、空気清浄機または室内外循環機を含んでもよい。以下、説明しやすくするため、空調設備3を例に挙げて説明する。
【0015】
ちなみに、知的制御装置1は、主に、エリア内における各環境データに基づいて空調設備3に対して対応する制御を行う。具体的に、複数のセンサービーコン2は、エリア内における異なる位置に設けられて、各位置の温度および湿度をそれぞれ検出する。また、複数のセンサービーコン2は、空調設備3の筐体(図示せず)内部または外部の圧力値、および稼動している空調設備3の音情報など(詳細は後述)を検出するために、空調設備3の筐体内部または外部に設けられてもよい。
【0016】
知的制御装置1は、例えば、知的制御装置1の周囲の温度や湿度を検知する温度検出ユニット、エリア内におけるCO2含有量を検知するCO2検出ユニット、エリア内における微細浮遊粒子(PM2.5)を検知するPM2.5検出ユニット、エリア内における総揮発性有機化合物(Total Volatile Organic Compound、TVOC)含有量を検知するTVOC検出ユニット、エリア内における利用者を検出して当該利用者の個人認証を行う撮像ユニット(例えば、電荷結合素子(Charge−Coupled Device,CCD))などの複数の検出ユニットを有してもよい。
【0017】
上述したように、知的制御装置1は、複数のセンサービーコン2および複数の検出ユニットによって、エリア内における環境の状況をモニタリングして、空調設備3に対して対応する制御を行う(例えば、空調設備3を起動させたり電源オフさせたり、空調設備3に採用される作動モードを切換えたりする)ことが可能である。
【0018】
次に、図2Aおよび図2Bを同時に参照して、本発明に係る具体的な第1実施例を説明する。図2Aは第1実施例の空間配置を示す模式図、図2Bはビルの配置を示す模式図である。
図2Aに示すように、本発明に係る知的制御システムは、主に、室内の所定の環境空間6(例えば1つの平面フロア)に設けられている。例えば、環境空間6に複数のエリア(例えば複数の部屋またはオフィス)がある場合、各エリアに1組の知的制御システムをそれぞれ設けることも可能である。
【0019】
知的制御システムは、環境空間6における利用者が着用される1つまたは複数の携帯装置4をさらに含んでもよい。知的制御装置1は、携帯装置4によってより多くの環境データを取得して、空調設備3をより正確に制御することが可能となる(詳細は後述)。
【0020】
また、図2Bに示すように、ビル60に複数の平面フロア(すなわち、複数の環境空間6)がある場合、管理者は、各環境空間6に少なくとも1組の知的制御システムをそれぞれ設けることが可能である。以下、説明しやすくするため、1つのエリアに1組の知的制御システムが設けられる場合を例に挙げて説明する。
【0021】
一実施例において、知的制御装置1は、主に、エリア内における複数の照明器具(図示せず)のオン/オフ情報を取得して、これらのオン/オフ情報の瞬間差分が第1の設定値よりも大きい場合(これらの照明器具がオンされることを意味する)、空調設備3を自動的に起動させることが可能である。他の実施例において、知的制御装置1は、CO2検出ユニットによってエリア内のCO2含有量を取得して、エリア内のCO2含有量が第1の設定値よりも大きい場合(一人以上の利用者がエリアに進入したことを意味する)、空調設備3を自動的に起動させることも可能である。なお、これは、本発明の好ましい具体的な実施例にすぎず、これに限定されない。
【0022】
図3は、本発明に係る具体的な第1実施例の空調設備のオン/オフ制御を示すフローチャートである。同図を参照しつつ、知的制御装置1が、空調設備3が起動された後、エリア内の環境データに基づいて空調設備3に対して対応する制御を行う技術内容について詳しく説明する。
【0023】
まず、知的制御装置1は、上述したオン/オフ情報またはCO2含有量に基づいて空調設備3を起動させる(ステップS10)。そして、空調設備3が起動された後、第1の単位時間当たりの第1のCO2含有量値を継続的に記録する(ステップS12)。
【0024】
具体的に、知的制御装置1は、CO2検出ユニットによってエリア内のCO2含有量を定時的に検出して(例えば、30秒ごとに検出する)、データ配列に記録する。例えば、第1の単位時間を1時間とする場合、第1の単位時間が経過した後、データ配列に120個のCO2含有量が記録されるようになる。また、知的制御装置1は、第1の単位時間が経過した後、エリア内のCO2含有量を定時的に検出し続け、データ配列内における古いデータを新しいデータに置換するとともに、データ配列内に第1の単位時間のデータ量を保持させる(すなわち、第1のCO2含有量値に含まれるCO2含有量の数は、第1の単位時間内に必要なデータ量を満たす)。
【0025】
ステップS12の後、知的制御装置1は、エリア内の複数の照明器具が灯されるか否かを判断する(ステップS14)。具体的に、上述したオン/オフ情報に基づいてこれらの照明器具が灯されるか否かを判断する。これらの照明器具が灯されないと判断した場合、ステップS12に戻して第1のCO2含有量値を継続的に検出して更新する。
【0026】
知的制御装置1は、これらの照明器具が灯されると判断した場合、第1のCO2含有量値の平均値を算出してCO2参照値を取得する(ステップS16)。具体的に、CO2参照値は、これらの照明器具が灯される前にエリア内のCO2含有量の第1の単位時間当たりの平均値を意味する。
【0027】
ステップS16の後、知的制御装置1は、CO2検出ユニットによってエリア内の第2の単位時間当たりの第2のCO2含有量値を検出・記録する(ステップS18)。第2のCO2含有量値の記録方式は、上記第1のCO2含有量値の記録方式と同じであるため、その説明を省略する。
【0028】
知的制御装置1は、第2のCO2含有量値の記録を完成した(行った)後、第2のCO2含有量値の平均値を算出してCO2比較値を取得する(ステップS20)。具体的に、CO2比較値は、これらの照明器具が消灯された後にエリア内のCO2含有量の第2の単位時間当たりの平均値を意味する。
【0029】
ステップS20の後、知的制御装置1は、CO2参照値とCO2比較値とを比較して、これらの照明器具が消灯された後にエリア内のCO2含有量の変化傾向を判断する(ステップS22)。このように、知的制御装置1は、CO2含有量の変化傾向に基づいてエリア内の人員がすでに退出したか、これらの照明器具が消灯されたが人員がまだ退出していないかを判断して、空調設備3に対して対応する制御を行うことができる。
【0030】
一実施例において、知的制御装置1は、エリア内のCO2含有量が上昇傾向を示す場合(ステップS24)、人員がエリアから退出していないと判断して、空調設備3の起動を維持するとともに、空調設備3の現在の作動モードを維持する(ステップS26)。
【0031】
他の実施例において、知的制御装置1は、エリア内のCO2含有量が低下傾向を示す場合(ステップS28)、人員がエリアから退出したと判断して、空調設備3の作動モードを自動的に切換える。
【0032】
具体的に、ステップS28の後、知的制御装置1は、空調設備3において現在に採用されている作動モードが冷房モードであるかどうかを判断する(ステップS30)。知的制御装置1は、空調設備3において冷房モードが採用されている場合、空調設備3の作動モードを送風モードに切換える(ステップS32)。知的制御装置1は、空調設備3において冷房モードが採用されていない場合、空調設備3において現在に採用されている作動モードが送風モードであるかどうかを判断する(ステップS34)。知的制御装置1は、空調設備3において送風モードが採用されている場合、空調設備3をオフさせる(ステップS36)。
【0033】
別の実施例において、知的制御装置1は、エリア内のCO2最小値を記録してもよい。CO2最小値は、知的制御装置1の工場出荷時のデフォルト値や、管理者によって設定された値、または知的制御装置1の長時間に渡って検出・記録して算出した値であってもよいが、これに限定されない。本実施例において、知的制御装置1は、エリア内のCO2含有量がCO2最小値よりも低いと判断した場合(ステップS38)、現在、空調設備3においてどの作動モードが採用されているにも関わらず、空調設備3を直接オフにするようにしている(ステップS40)。
【0034】
図4Aは、本発明に係る具体的な第1実施例の空調設備のモード切換を示すフローチャートである。同図を参照しつつ、知的制御装置1が、空調設備3が起動される際、空調設備3に対して最適な作動モードを指定する技術内容について詳しく説明する。
【0035】
知的制御装置1は、空調設備3が起動される前、エリア内における第3の単位時間当たりの第1の温度値を継続的に検出・記録する(ステップS50)。具体的に、知的制御装置1は、複数のセンサービーコン2または温度検出ユニットによってエリア内の温度データを定時的に検出して、上述したデータ配列に記録する。本実施例において、第1の温度値に含まれる複数の温度データの数は、第3の単位時間内に必要なデータ量を満たす。具体的に、第1の温度値の記録方式は、上記第1のCO2含有量値の記録方式と類似しているため、その説明を省略する。
【0036】
知的制御装置1は、第1の温度値を検出・記録する期間において、空調設備3が起動されるか否かを継続的に判断する(ステップS52)。ここで、空調設備3は、知的制御装置1の制御によって起動されるか、利用者が手動で起動されてもよいが、これに限定されない。知的制御装置1は、空調設備3が起動される前、第1の温度値を更新するようにステップS50を繰り返す。
【0037】
知的制御装置1は、空調設備3が起動された後、第1の温度値の平均値を算出して温度参照値を取得する(ステップS54)。本実施例において、知的制御装置1は、温度参照値に基づいて、空調設備3が起動された後に最初に採用すべき第1の操作モードを決定する。
【0038】
ちなみに、エリア内の湿度レベルによって利用者の実際の感覚が影響されることがある。例えば、湿度が高すぎると、利用者の体感温度が実際の気温より若干低く、湿度が低すぎると、利用者の体感温度が実際の気温より若干高くなる。そこで、知的制御装置1は、複数のセンサービーコン2または温度検出ユニットによって、エリア内の現在の湿度値を検出して、湿度値に基づいて温度参照値を微調整してもよい。例えば、湿度が60%よりも高い場合、温度参照値を2℃上げ、湿度が20%よりも高い場合、温度参照値を2℃下げるようにしている。
【0039】
具体的に、知的制御装置1は、エリア内の現在の湿度値を先に検出して、湿度値に基づいて対応する湿度対応値を算出する(ステップS56)。次に、湿度対応値(例えば、+2℃や−2℃など)に基づいて温度参照値を調整する(ステップS58)。最後に、知的制御装置1は、調整された温度参照値に基づいてモード対応テーブルを検索して、空調設備3が起動された後に採用すべき作動モードを決定する(ステップS60)。
【0040】
本実施例において、モード対応テーブルは、クラウドサーバー(図示せず)から知的制御装置1にダウンロードされてもよい。モード対応テーブルには、温度参照値と空調設備3の複数の作動モードとの対応関係が記録されている。ここで、クラウドサーバーは、履歴データ、利用者の習慣または気象庁の気象情報などのデータによって対応関係を算出してもよいが、これに限定されない。
【0041】
例えば、モード対応テーブルには、温度参照値が25℃よりも大きい場合に空調設備3が冷房モードを採用し、温度参照値が16℃よりも小さい場合に空調設備3が暖房モードを採用し、温度参照値が16℃〜25℃の範囲である場合に空調設備3が送風モードを採用することが記載されてもよい。なお、これは本発明の好ましい具体的な実施例にすぎず、これに限定されない。
【0042】
図4Bは、本発明に係る具体的な第2実施例の空調設備のモード切換を示すフローチャートである。同図を参照しつつ、知的制御装置1が、空調設備3が起動された後、エリア内の環境データに基づいて空調設備3の作動モードを動的に切換える技術内容について詳しく説明する。
【0043】
知的制御装置1は、空調設備3が起動された後、エリア内の第4の単位時間当たりの第2の温度値を検出・記録する(ステップS62)。本実施例において、第2の温度値に含まれる複数の温度データの数は、第4の単位時間内に必要なデータ量を満たす。なお、第2の温度値の記録方式は、上記第1の温度値の記録方式と同じであるため、その説明を省略する。
【0044】
知的制御装置1は、第4の単位時間に達すると、第2の温度値の平均値を算出して温度比較値を取得する(ステップS64)。本実施例において、温度比較値は、エリア内において第4の単位時間内の平均温度を意味する。そして、知的制御装置1は、温度比較値に基づいて空調設備3に現在採用されている作動モードを調整する(ステップS66)。
【0045】
ステップS66の後、知的制御装置1は、空調設備3がオフされるか否かを判断し(ステップS68)、空調設備3がオフされる前、エリア内の平均温度を継続的に検出するようにステップS62〜ステップS66を繰り返し、平均温度に基づいて空調設備3の作動モードを動的に調整する。
【0046】
具体的に、知的制御装置1は、エリア内の現在の平均温度が暑すぎ、適温、寒すぎることを判断するように温度比較値と設定温度とを比較することにより、空調設備3の作動モードに対して適切な制御を行うことが可能となる。例えば、温度比較値が設定温度よりも大きい場合、空調設備3の作動モードを冷房モードに切換え、温度比較値が設定温度よりも小さい場合、空調設備3の作動モードを送風モードに切換える。なお、これは本発明の好ましい具体的な実施例にすぎず、これに限定されない。
【0047】
また、本実施例において、設定温度は、知的制御装置1によって予め設定されても、利用者が手動で起動されてもよく、または知的制御装置1がエリア内の環境温度に基づいて動的に設定されてもよいが、これらに限定されない。
【0048】
次に、図5Aおよび図5Bは、本発明に係る具体的な第1実施例および第2実施例の設定温度を示す模式図である。上述したように、設定温度は、一定値でなく、知的制御装置1がエリア内の現在環境温度に基づいて動的に設定されてもよい。同図を参照しつつ、知的制御装置1が、設定温度を動的に設定する技術内容について詳しく説明する。
【0049】
図5Aに示すように、知的制御装置1は、上限温度(例えば、30℃)および第1の転換温度(例えば、25℃)を設定してもよい。エリア内の環境温度が上限温度よりも高い場合、設定温度が最低値(本実施例において、20℃を例に挙げる)として設定され、空調設備3は冷房モードに切換えられるようにしている。これにより、冷房効果を迅速に実現することができる。
【0050】
エリア内の環境温度が上限温度と第1の転換温度との間まで低下する場合、設定温度が調整されるようにしている(本実施例において、25℃〜20℃を例に挙げる)。言い換えれば、エリア内の環境温度の低下に伴って設定温度が上昇する。この場合、空調設備3が依然として冷房モードで作動している。
【0051】
エリア内の現在環境温度が第1の転換温度より低い場合、設定温度が一定温度(本実施例において、25℃を例に挙げる)に維持される。また、エリア内の環境温度が第1の転換温度より低くなると、エリアがほぼ快適であるため、環境温度の低下に伴って設定温度が変わることはない。この場合、空調設備3が送風モードに切換えられる。
【0052】
また、図5Bに示すように、知的制御装置1は、第2の転換温度(例えば、16℃)および下限温度(例えば、12℃)を設定してもよい。エリア内の環境温度が第2の転換温度より高い場合、設定温度が標準値(本実施例において、22℃を例に挙げる)に設定され、且つ空調設備3が送風モードで作動する。
【0053】
エリア内の環境温度が第2の転換温度と下限温度との間まで低下する場合、設定温度が調整されるようにしている(本実施例において、22℃〜28℃を例に挙げる)。言い換えれば、エリア内の環境温度の低下に伴って設定温度が上昇する。この場合、空調設備3が暖房モードに切換えられる。
【0054】
エリア内の現在環境温度が下限温度より低い場合(本実施例において、12℃を例に挙げる)、設定温度が一定温度(本実施例において、28℃を例に挙げる)に維持される。また、エリア内の環境温度が下限温度より低くなると、設定温度が環境温度の低下に伴って変わることはない。この場合、空調設備3が暖房モードに維持される。
【0055】
上述したように、知的制御装置1は、第2の温度値を検出・記録するとともに設定温度を調整して、空調設備3が作動している期間にエリア内の環境温度に基づいて空調設備3を継続的に調整することにより、利用者に最も快適な環境を提供することができる。
【0056】
図6は、本発明に係る具体的な第1実施例の風速調整を示すフローチャートである。同図を参照しつつ、知的制御装置1が、空調設備3が起動された後、エリア内の環境データに基づいて空調設備3の風速を動的に調整する技術内容について詳しく説明する。
【0057】
まず、知的制御装置1は、複数のセンサービーコン2によってエリア内の第5の単位時間当たりの周囲温度値を検出・記録する(ステップS80)。本実施例において、複数のセンサービーコン2は、エリアの周囲にそれぞれ設けられているため、検出された温度データがエリアの周囲の温度状況に対応している。ここで、周囲温度値に含まれる複数の温度データの数は、第5単位時間内に必要なデータ量を満たす。なお、周囲温度値の記録方式は、上記第1の温度値および第2の温度値の記録方式と同じであるため、その説明を省略する。
【0058】
知的制御装置1は、さらに温度検出ユニットによってエリア内の第5の単位時間当たりの中央温度値を検出・記録する(ステップS82)。本実施例において、知的制御装置1は、主として、エリアの中心位置(例えば、会議テーブル上)に設けられているため、検出された温度データがエリアの中心位置の温度状況に対応している。ここで、中央温度値に含まれる複数の温度データの数は、第5単位時間内に必要なデータ量を満たす。なお、中央温度値の記録方式は、上記第1の温度値および第2の温度値の記録方式と同じであるため、その説明を省略する。
【0059】
知的制御装置1は、さらにCO2検出ユニットによってエリア内の第5の単位時間当たりの第3のCO2含有量値を検出・記録する(ステップS84)。ここで、第3のCO2含有量値に含まれる複数のCO2含有量値の数は、第5単位時間内に必要なデータ量を満たす。なお、第3のCO2含有量値の記録方式は、上記第1のCO2含有量値および第2のCO2含有量値の記録方式と同じであるため、その説明を省略する。
【0060】
ちなみに、上述したステップS80、ステップS82およびステップS84は、同時に実行されてもよく、しかも、第5の単位時間を採用している。
【0061】
知的制御装置1は、第5の単位時間(例えば、3分または5分)が経過した後、周囲温度値の平均値を算出して第1の温度平均値を取得し(ステップS86)、中央温度値の平均値を算出して第2の温度平均値を取得し(ステップS88)、第3のCO2含有量値の平均値を算出してCO2平均値を取得する(ステップS90)。ステップS86、ステップS88およびステップS90の実行順序は、任意であり、同時に実行されてもよい。
【0062】
知的制御装置1は、第1の温度平均値、第2の温度平均値およびCO2平均値を算出した後、第1の温度平均値および第2の温度平均値に基づいてエリア内の温度差値を算出する(ステップS92)。具体的に、第1の温度平均値は、エリア周囲において過去の一定期間(すなわち、第5の単位時間)の平均温度を意味する。また、第2の温度平均値は、エリアの中心位置において過去の一定期間の平均温度を意味する。そのため、第1の温度平均値および第2の温度平均値を引き算することにより、エリアにおいて過去の一定期間における周囲と中心位置との温度差が得られる。
【0063】
ステップS92の後、知的制御装置1は、温度差値に基づいて風速照合テーブルを検索して、第1の風速値および第1の比率を取得する(ステップS94)。同時に、知的制御装置1は、CO2平均値に基づいて風速照合テーブルを検索して第2の風速値および第2の比率を取得する(ステップS96)。ステップS94およびステップS95の実行順序は、任意であり、同時に実行されてもよい。
【0064】
最後に、知的制御装置1は、第1の風速値、第1の比率、第2の風速値、第2の比率に基づいて、空調設備3の風速を制御するための最終風速値を算出する(ステップS98)。知的制御装置1は、空調設備3がオフされたか否かを判断し(ステップS100)、空調設備3がオフされる前、エリア内の温度差およびCO2含有量を継続的に検出するようにステップS80〜ステップS98を繰り返し、空調設備3の作動モードを動的に調整することにより、温度差が大きすぎるか、CO2含有量が高すぎる問題を回避することができる。
【0065】
ちなみに、上述した風速照合テーブルが知的制御装置1に予め記憶されてもよく、クラウドサーバーから知的制御装置1にダウンロードされてもよい。本実施例において、風速照合テーブルには、温度差値と第1の風速値および第1の比率との対応関係、およびCO2平均値と第2の風速値および第2の比率との対応関係が記録されている。風速照合テーブルは、表1に示すとおりである。
【0066】
【表1】
【0067】
上記表に示すように、知的制御装置1は、現在の温度差が2℃、CO2平均値が1000ppm以上であると判断した場合、風速照合テーブルを検索することにより、最終風速値=(50%×0.6)+(80%×0.8)=94%が得られる。言い換えれば、知的制御装置1は、最終風速値に基づいて対応する制御コマンドを生成して、制御コマンドで空調設備3に対して風速の調整を行う。本実施例において、空調設備3は、制御コマンドを受信した後、風速が94%になるように調整する。
【0068】
ちなみに、知的制御装置1によって算出した最終風速値が100%を超える場合であっても、空調設備3は、風速を100%に維持する。
【0069】
図7は、本発明に係る具体的な第1実施例の方向調整を示すフローチャートである。同図を参照しつつ、知的制御装置1は、空調設備3が起動された後、エリア内の環境データに基づいて空調設備3の風吐出方向(すなわち、羽根の揺れ方向)を動的に調整する技術内容について詳しく説明する。
【0070】
空調設備3の稼働期間において、主として、予め設定されたに基づいて風吐出方向が調整される。知的制御装置1は、図6に示す技術内容に基づいて温度差値およびCO2の平均値を算出した後、さらに、温度差値またはCO2の平均値が所定の閾値より大きいか否かを判断する(ステップS110)。知的制御装置1は、温度差値またはCO2平均値が所定の閾値よりも大きい場合、空調設備3の風吐出方向を特定方向に向けるように調整する(ステップS112)。
【0071】
例えば、温度差値が所定の閾値より大きく且つ第1の温度平均値が第2の温度平均値より高い場合は、エリア周囲の温度が中心位置の温度より高いことを意味する。この場合、知的制御装置1は、空調設備3の風吐出方向をエリア周囲(すなわち、複数のセンサービーコン2の配置位置)に向けるように調整して、温度差値を減少させる。
【0072】
また、例えば、CO2平均値が所定の閾値より大きい場合、エリアに多数の利用者がいることを意味する。また、多数の利用者が知的制御装置1の周囲に集まっているため、知的制御装置1周囲のCO2含有量がなかなか下がらない。この場合、知的制御装置1は、空調設備3の風吐出方向をエリアの中心位置(すなわち、知的制御装置1の配置位置)に向けるように調整して、エリアの中心位置におけるCO2をエリア周囲に均一に分散させて、CO2平均値を減少させる。
【0073】
他の実施例において、知的制御装置1は、複数のセンサービーコン2の配置位置を予め記録し、温度検出ユニットが検出した温度データと各センサービーコン2が検出した温度データを比較する。知的制御装置1は、特定のセンサービーコン2の検出温度が高すぎる場合、且つ特定のセンサービーコン2の検出温度と温度検出ユニットの検出温度との温度差値が所定の閾値より大きい場合、空調設備3の風吐出方向を特定のセンサービーコン2の配置位置に向けるように調整する。これにより、この配置位置と他の位置との温度差を減少することができる。
【0074】
ステップS112の後、知的制御装置1は、上記状況が排除されるか否かを判断する。すなわち、温度差値が大きすぎるか、CO2平均値が大きすぎる状況である(ステップS114)。まだ排除されない場合、知的制御装置1は、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS116)、所定時間が経過する前、上記状況が排除されるか否かを継続的に判断する。
【0075】
知的制御装置1は、温度差値またはCO2平均値が低下するか、所定時間が経過しても上記状況がまだ排除されない場合、空調設備3の風吐出方向を予め設定された循環方式に戻すように制御する(ステップS118)。また、知的制御装置1は、空調設備3がオフされるか否かを判断し(ステップS120)、空調設備3がオフされる前、ステップS110〜ステップS118を繰り返して、空調設備3の風吐出方向を動的に調整する。
【0076】
ちなみに、知的制御装置1は、空調設備3の風吐出方向が調整されたが、所定時間が経過しても上記状況が排除されない場合、特殊な場合であると判定する(例えば、特定方向は、窓または高熱を発する機器の配置位置の方向)。そのため、知的制御装置1は、所定時間が経過した後、上記状況が排除去れるかどうかにも関わらず、予め設定された循環方式に戻すようにしている。
【0077】
また、上述したように、知的制御装置1は、PM2.5検出ユニットと、TVOC検出ユニットとをさらに含んでもよい。本実施例において、知的制御装置1は、エリア内のPM2.5含有量またはTVOC含有量が高すぎるか所定の危険値を超えると、空調設備3の風吐出方向を知的制御装置1の配置位置(すなわち、エリアの中心位置)に直接向けるように制御する。そして、中心位置のPM2.5含有量またはTVOC含有量が低下すると、空調設備3を予め設定された循環方式に戻すように制御する。これにより、沢山の利用者が知的制御装置1周囲に集まることに起因する危険を回避することができる。
【0078】
また、上述したように、知的制御装置1は、撮像ユニット(図示せず)をさらに含んでもよい。一実施例において、知的制御装置1は、撮像ユニットによって人員の生体特徴を取得して個人認証を行うことにより、人員がエリアに進入したか否かを判断することが可能である。このように、知的制御装置1は、人員がエリアに進入したと判断した場合、空調設備3を起動させるように制御する。
【0079】
具体的に、照明器具のオン/オフ情報のみによって空調設備3を制御しても、利用者が照明器具を消し忘れるといった問題を解決できない。一方、CO2含有量のみによって空調設備3を制御しても、エリア内に人員が実際に存在するか否かを確認することができない(例えば、ペットがエリア内に存在すると、エリア内のCO2含有量を変えることがある)。したがって、撮像ユニットを併用することにより、知的制御装置1はより正確な制御を行うことができる。
【0080】
また、本実施例において、知的制御装置1は、クラウドサーバーが人員の個人認証を行うように、取得した人員の生体特徴をクラウドサーバーにアップロードしてもよい。そうすると、知的制御装置1は、人員の正体を知ることができる。仮にビル60には、複数の知的制御装置1が設けられ、且つこれらの知的制御装置1が撮像ユニットを備えている場合、管理者は、クラウドサーバーによってすべての人員の現在所在位置を直接知ることが可能になる。
【0081】
図8は、本発明に係る具体的な第1実施例の空調設備をテストする場合を示すフローチャートである。本実施例において、センサービーコン2は、圧力値を検出する圧力センサーと、音情報を検出する音センサーとを含んでいる。同図を参照しつつ、センサービーコン2は、空調設備3の筐体内部および外部に配置され、圧力値および音情報を検出して、空調設備3が異常であるかどうかを判断する技術内容について詳しく説明する。
【0082】
まず、知的制御装置1は所定のテスト時間を自動的に設定するか、管理者によって所定のテスト時間を手動で設定する(例えば、深夜12時)。本実施例において、テスト時間は、利用者が空調設備3を利用しない時間を意味する。
【0083】
知的制御装置1は、所定のテスト時間に達するか否かを継続的に判断し(ステップS130)、所定のテスト時間に達すると、空調設備3を起動させて、空調設備3がテストモードに入るように制御する(ステップS132)。また、テストモードにおいて空調設備3の一定風速を設定する(ステップS134)。
【0084】
次に、知的制御装置1は、複数のセンサービーコン2(すなわち、圧力センサー)によって空調設備3の筐体内部および外部の圧力値をそれぞれ検出して、風圧の差圧値を算出する(ステップS136)。同時に、知的制御装置1は、複数のセンサービーコン2(すなわち、圧力センサー)によって空調設備3の筐体内部の音情報を検出する(ステップS138)。ステップS136およびステップS138の実行順序は、任意であり、同時に実行されてもよい。
【0085】
そして、知的制御装置1は、風圧の差圧値および音情報と、工場出荷時設定の閾値とを比較して(ステップS140)、空調設備3が異常であるかどうかを判断する(ステップS142)。具体的に、工場出荷時設定の閾値には、工場出荷時に空調設備3が一定風速で作動するときの筐体内の圧力値、筐体外の圧力値および筐体内の音情報が記録されている。知的制御装置1は、ステップS140の比較により、空調設備3にモータ回転速度異常、フィルタ閉塞またはデバイスドライバ異常などの異常状況が発生するかどうかを知ることができる。
【0086】
知的制御装置1は、ステップS142において、異常状況が発生したと判断した場合、外部へ警告メッセージを送信する(ステップS144)。例えば、クラウドサーバーまたは管理者が持っている携帯装置4などに送信してもよいが、これに限定されない。最後に、テストモードが終了した後、空調設備3をオフにする(ステップS146)。
【0087】
図8に示す実施例によれば、知的制御装置1は、空調設備3に対してテストを定時に行うことによって、メンテナンス人員による定期点検にかかる人件費を節約することができる。
【0088】
図9は、本発明に係る具体的な第2実施例の知的制御システムの構成を示す図である。同図を参照しつつ、携帯装置4および知的制御装置1によって通信を行う技術内容について詳しく説明する。
【0089】
携帯装置4は、主として利用者が着用されて、利用者の体温や心拍数などの利用者情報を検出するように用いられる。具体的に、携帯装置4は、主として利用者情報の検出機能を有するスマートフォンまたはスマートウォッチであってもよいが、これに限定されない。
【0090】
本実施例において、携帯装置4には、アプリケーション(Application Program,APP)40がインストールされている。携帯装置4は、
アプリケーション40によって知的制御装置1を無線接続して、知的制御装置1に利用者情報を送信する。また、携帯装置4は、アプリケーション40によって体感フィードバックインターフェースを提供して、体感フィードバックインターフェースによって利用者が入力されたフィードバック情報(例えば、暑すぎるまたは寒すぎる)を受信する。さらに、アプリケーション40は、知的制御装置1にフィードバック情報を同時に送信することができる。
【0091】
知的制御装置1は、利用者がエリアに位置しているとき、携帯装置4に無線接続され、アプリケーション40によって利用者情報およびフィードバック情報を受信することができる。これにより、利用者の身体状況をエリアの環境データの1つとみなすことが可能となる。好ましい実施例において、知的制御装置1は、利用者情報およびフィードバック情報に基づいて、図4Aおよび図4Bに示す実施例における第3の単位時間および第4の単位時間を調整することが可能である。このように、空調設備3のモード切換の時間を調整することにより、利用者が非快適環境にいる可能性を下げる。
【0092】
一方、携帯装置4は、ネットワークシステムを通じてカスタマーサービスシステム7に接続されてもよい。利用者は、知的制御システムに問題が発生したと気づくと、アプリケーション40によって、例えば、知的制御システムの番号または配置位置、および発生した異常状況などを含む問い合わせメッセージを、カスタマーサービスシステム7に送信することが可能である。
【0093】
メンテナンス人員は、カスタマーサービスシステム7を介してアプリケーション40から送信された問い合わせメッセージを受信すると、ネットワークシステムを通じて対応する知的制御装置1に接続して、利用者が指摘した異常状況を検査して修復することが可能である。そうすると、メンテナンス人員が現場まで行って知的制御システムを検査する必要はないため、人件費を効果的に節約することができる。
【0094】
図10は、本発明に係る具体的な第1実施例の位置検出を示すフローチャートである。同図を参照しつつ、知的制御装置1は、携帯装置4によって利用者の所在位置が適切であるか否かを判断する技術内容について詳しく説明する。
【0095】
本実施例において、携帯装置4は、主としてBLE機能を提供するブルートゥース(登録商標)転送ユニット(図示せず)を備えている。ブルートゥース転送ユニットは、唯一無二の媒体アクセス制御アドレス(Media Access Control Address、以下、「MAC Address」と称す)を有している。
【0096】
利用者は、知的制御装置1またはカスタマーサービスシステム7に接続しようとする場合、携帯装置4におけるアプリケーション40を起動する必要がある(ステップS150)。アプリケーション40が起動された後、携帯装置4におけるブルートゥース(登録商標)転送ユニットを自動的にオンにする(ステップS152)。この時、携帯装置4がビル60内のいずれかの知的制御装置1の無線伝送範囲内に位置している場合、知的制御装置1は、携帯装置4の存在を検出して(ステップS154)、携帯装置4によってブルートゥース転送ユニットのMAC Addressを取得することが可能である。
【0097】
本実施例において、知的制御装置1は、特定エリア(例えば、工場、倉庫やサーバールーム)に配置され、特定エリアに進入することが許可されるすべての携帯装置4のブルートゥース(登録商標)転送ユニットのMAC Addressを記録している。ステップS154の後、知的制御装置1は、取得したMAC Addressに基づいて、特定エリア内に携帯装置4(すなわち、利用者)の存在が許可されるか否かを判断する(ステップS156)。
【0098】
知的制御装置1は、特定エリア内に携帯装置4の存在が許可されないと判断した場合(すなわち、知的制御装置1には、当該MAC Addressが記載されていない)、例えば、クラウドサーバーまたは管理者の携帯装置4などの外部へ警告メッセージを送信する(ステップS158)。
【0099】
一方、知的制御装置1は、特定エリア内に携帯装置4の存在が許可される場合、BLE機能で携帯装置4への接続を確立する(ステップS160)。これにより、利用者は、携帯装置4およびアプリケーション40によって、特定エリア内の知的制御装置1、複数のセンサービーコン2および空調設備3の様々な情報を検査することができる。
【0100】
以上、本発明の好ましい具体的な実施例を説明したが、これによって本発明の特許請求の範囲が限定されるものではない。また、本発明の内容を応用してなされる等価な変更は、すべて本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0101】
1…知的制御装置
2…センサービーコン
3…空調設備
4…携帯装置
40…アプリケーション
5…利用者
6…環境空間
60…ビル
7…カスタマーサービスシステム
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10