(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283018
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】流れ矯正弁座および流れ矯正弁座を備えた制御弁
(51)【国際特許分類】
F16K 47/02 20060101AFI20180208BHJP
F16K 1/08 20060101ALI20180208BHJP
F16K 1/42 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
F16K47/02 D
F16K1/08
F16K1/42 G
【請求項の数】45
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-503370(P2015-503370)
(86)(22)【出願日】2013年3月20日
(65)【公表番号】特表2015-512498(P2015-512498A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(86)【国際出願番号】US2013033053
(87)【国際公開番号】WO2013148423
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2016年1月18日
(31)【優先権主張番号】13/431,697
(32)【優先日】2012年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェル, ミシェル ケイ.
【審査官】
北村 一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−185163(JP,A)
【文献】
特開昭47−032857(JP,A)
【文献】
特開昭59−140968(JP,A)
【文献】
特開平06−058454(JP,A)
【文献】
特開昭49−120132(JP,A)
【文献】
米国特許第05765814(US,A)
【文献】
実開昭60−152807(JP,U)
【文献】
特開2008−014352(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0326533(US,A1)
【文献】
米国特許第05529093(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 47/02
F16K 1/00− 1/54
F16K 3/00− 3/36
F15D 1/00− 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口、出口、ギャラリー、および前記入口から前記出口へ前記ギャラリーを通って延在する流路を画定する弁体と、弁ケージと、を有する制御弁用の弁座であって、
前記弁体の前記ギャラリー内に配置されるように適合された環状体であって、前記環状体が保持部および内側側壁を含み、前記保持部が前記弁体に固定するためであり、前記保持部が前記弁体の前記ギャラリー内に前記前記環状体を保持することを支援するために前記弁ケージによって直接接触されるように適合されており、前記内側側壁が前記ギャラリーを通って流れる流体を収容するためのポートを画定する、環状体と、
前記環状体の前記ポートの少なくとも一部内に配置された流れ分離器であって、前記流れ分離器が複数の別個の通路を画定する流れ矯正部を含み、前記複数の別個の通路の各々が水力直径および前記水力直径よりも大きい長さを有し、それにより、前記ポート内の乱流を妨げるために、流体の流れを、前記ポートを通って複数の別個の流路に分離する、流れ分離器と
を含む、弁座。
【請求項2】
前記複数の別個の通路が互いに平行である、請求項1に記載の弁座。
【請求項3】
前記別個の通路の各々が真っ直ぐな通路である、先行する請求項1に記載の弁座。
【請求項4】
前記複数の別個の通路が共通の水力直径を共有する、先行する請求項1に記載の弁座。
【請求項5】
前記別個の通路の各々が、矩形断面または円形断面のいずれかを含む、請求項1に記載の弁座。
【請求項6】
各別個の通路の前記長さ対前記水力直径の比率が、約1.16〜約10の範囲内である、請求項1に記載の弁座。
【請求項7】
各別個の通路の前記長さ対前記水力直径の前記比率が、約3〜約6の範囲内である、請求項6に記載の弁座。
【請求項8】
各別個の通路の前記長さ対前記水力直径の前記比率が、約4.75である、請求項7に記載の弁座。
【請求項9】
前記別個の通路の各々の前記水力直径が、約1.27cm〜約5.08cmの範囲内であり、かつ、前記別個の通路の各々の前記長さが、約7.62cm〜約15.24cmの範囲内である、請求項1に記載の弁座。
【請求項10】
前記流れ分離器の前記流れ矯正部が、前記複数の別個の通路を画定するために、第1の複数の平行なスラットおよび、前記第1の複数の平行なスラットを横切って延在し、それと相互に連結された、第2の複数の平行なスラットを含む、請求項1に記載の弁座。
【請求項11】
前記流れ分離器の前記流れ矯正部が、束にして固定された複数の平行管を含む、請求項1に記載の弁座。
【請求項12】
前記複数の別個の通路が、前記流れ矯正部の全体にわたって均一に分布されている、請求項1に記載の弁座。
【請求項13】
前記流れ分離器が、前記流れ矯正部から放射状に外側へ延在する複数の脚部をさらに含み、前記脚部の各々が前記環状体の軸端面に固定されている、請求項1に記載の弁座。
【請求項14】
前記流れ矯正部が、前記ポートの断面形状と一致する断面形状を有する、請求項1に記載の弁座。
【請求項15】
入口開口部、出口開口部、および前記入口開口部と前記出口開口部との間に配置されたギャラリーを画定する弁体であって、前記入口開口部および前記出口開口部が、共通の第1の軸に沿って延在し、前記ギャラリーが、前記第1の軸を横切る第2の軸に沿って延在する、弁体と、
前記弁体の前記ギャラリー内に配置されて、前記弁体を通る流体の流れを制御するために、前記第2の軸に沿って動かすことが可能である、制御部材と、
前記弁体の前記ギャラリー内に固定して配置されて、環状体および流れ分離器を含む、弁座であって、
前記環状体が保持部および内側側壁を含み、前記保持部が、前記弁体に固定して取り付けられ、かつ、前記内側側壁が、前記ギャラリーを通る流体を収容するためのポートを画定し、
前記流れ分離器が前記環状体の前記ポートの少なくとも一部内に配置され、前記流れ分離器が、複数の別個の通路を画定する流れ矯正部を含み、前記複数の別個の通路の各々が、水力直径および前記水力直径よりも長い長さを有し、それにより、前記ポートおよび前記ギャラリー内の乱流を妨げるために、前記ポートを通る流体の流れを複数の別個の流路に分離する、弁座と、
前記弁座を前記ギャラリー内に保持することを支援するために前記環状体の前記保持部に直接接触して配置された弁ケージと、
を備える、流量制御装置。
【請求項16】
前記弁体が、前記入口開口部と前記ギャラリーとの間に延在する入口通路、前記出口開口部と前記ギャラリーとの間に延在する出口通路をさらに含み、前記ギャラリーに隣接して配置された前記入口通路の一部が、前記ギャラリーの前記第2の軸に対してある角度で配置されている移行軸に沿って延在し、前記角度が約30度〜約90度の範囲内である、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項17】
前記角度が約45度〜約90度の範囲内である、請求項16に記載の流量制御装置。
【請求項18】
前記角度が約45度である、請求項17に記載の流量制御装置。
【請求項19】
前記弁体が面間寸法を含み、前記弁座がポート直径を含み、前記弁体の前記面間寸法が、前記入口開口部によって塞がれている入口面と、前記出口開口部によって塞がれている出口面との間の距離として定義され、前記弁座の前記ポート直径が前記弁座内の前記ポートの直径として定義され、前記面間寸法対前記ポート直径の比率が約1.43〜約10の範囲内である、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項20】
前記面間寸法対前記ポート直径の比率が、約2.5〜約3の範囲内である、請求項19に記載の流量制御装置。
【請求項21】
前記流れ分離器内の前記複数の別個の通路が互いに平行である、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項22】
前記流れ分離器内の前記別個の通路の各々が真っ直ぐな通路である、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項23】
前記流れ分離器内の前記複数の別個の通路が、共通の水力直径を共有する、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項24】
前記流れ分離器内の前記別個の通路の各々が、矩形断面または円形断面のいずれかを含む、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項25】
各別個の通路の前記長さ対前記水力直径の比率が、約1.16〜約10の範囲内である、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項26】
各別個の通路の前記長さ対前記水力直径の前記比率が、約3〜約6の範囲内である、請求項25に記載の流量制御装置。
【請求項27】
各別個の通路の前記長さ対前記水力直径の前記比率が、約4.75である、請求項26に記載の流量制御装置。
【請求項28】
前記流れ分離器内の前記別個の通路の各々の前記水力直径が、約1.27cm〜約5.08cmの範囲内であり、かつ、前記流れ分離器内の前記別個の通路の各々の前記長さが、約7.62cm〜約15.24cmの範囲内である、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項29】
前記流れ分離器の前記流れ矯正部が、前記複数の別個の通路を画定するために、第1の複数の平行なスラットおよび、前記第1の複数の平行なスラットを横切って延在し、それと相互に連結された、第2の複数の平行なスラットを含む、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項30】
前記流れ分離器の前記流れ矯正部が、束にして固定された複数の平行管を含む、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項31】
前記流れ分離器内の前記複数の別個の通路が、前記流れ矯正部の全体にわたって均一に分布されている、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項32】
前記流れ分離器が、前記流れ矯正部から放射状に外側へ延在する複数の脚部をさらに含み、前記脚部の各々が前記環状体の軸端面に固定されている、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項33】
前記弁座の前記流れ分離器の前記流れ矯正部が、前記弁座の前記ポートの断面形状と一致する断面形状を有する、請求項15に記載の流量制御装置。
【請求項34】
入口開口部、出口開口部、および前記入口開口部と前記出口開口部との間に配置されたギャラリーを画定する弁体であって、前記入口開口部および前記出口開口部が、共通の第1の軸に沿って延在し、前記ギャラリーが、前記第1の軸を横切る第2の軸に沿って延在する、弁体と、
ステム及び当該ステムに結合された弁プラグを備え、前記弁体の前記ギャラリー内に配置され、前記弁体を通る流体の流れを制御するために、前記第2の軸に沿って動かすことが可能である、制御部材と、
前記弁体の前記ギャラリー内に固定して配置され、環状体および圧力変動を低減するための手段を含む、弁座であって、
前記環状体が、保持部および内側側壁を含み、前記保持部が、前記弁体に固定して取り付けられ、かつ、前記内側側壁が、前記ギャラリーを通る流体を収容するためのポートを画定し、
前記圧力変動を低減するための前記手段が、前記弁体の前記入口開口部での入口圧力、および前記弁体の前記出口開口部での出口圧力における変動を低減するために、前記環状体の前記ポート内に固定されている、
弁座と、
前記弁座を前記ギャラリー内に保時することを支援するために前記環状体の前記保持部に直接接触して配置された弁ケージと、を備え、
前記制御部材が、前記弁プラグが前記内側側壁によって画定された着座面と係合する閉位置と、前記弁プラグが流体の流れを可能にするために前記着座面から間隔を空けられている開位置との間で、前記第2の軸に沿って動かすことが可能である、流量制御装置。
【請求項35】
入口開口部、出口開口部、および前記入口開口部と前記出口開口部との間に配置されたギャラリーを画定する弁体であって、前記入口開口部および前記出口開口部が、共通の第1の軸に沿って延在し、前記ギャラリーが、前記第1の軸を横切る第2の軸に沿って延在する、弁体と、
ステム及び当該ステムに結合された弁プラグを備え、前記弁体の前記ギャラリー内に配置され、前記弁体を通る流体の流れを制御するために、前記第2の軸に沿って動かすことが可能である、制御部材と、
前記弁体の前記ギャラリー内に固定して配置され、環状体および力変動を低減するための手段を含む、弁座であって、
前記環状体が、保持部および内側側壁を含み、前記保持部が、前記弁体に固定して取り付けられ、前記内側側壁が、前記ギャラリーを通る流体を収容するためのポートを画定し、
前記力変動を低減するための前記手段が、前記制御部材に印加された力における変動を低減するために、前記環状体の前記ポート内に固定されている、
弁座と、
前記弁座を前記ギャラリー内に保時することを支援するために前記環状体の前記保持部に直接接触して配置された弁ケージと、を備え、
前記制御部材が、前記弁プラグが前記内側側壁によって画定された着座面と係合する閉位置と、前記弁プラグが流体の流れを可能にするために前記着座面から間隔を空けられている開位置との間で、前記第2の軸に沿って動かすことが可能である、流量制御装置。
【請求項36】
環状体および流れ分離器を含む弁座を製造する方法であって、
材料の第1の複数の平らな部分を、その上縁部から下方に延出する第1の複数のスリットを有する第1の複数の細長いスラットに切り取ることと、
材料の第2の複数の平らな部分を、その下縁部から上方に延出する第2の複数のスリットを有する第2の複数の細長いスラットに切り取ることと、
前記第1の複数の細長いスラットの部分が、前記第2の複数の細長いスラットの前記第2の複数のスリット内に受け入れられ、かつ、前記第2の複数の細長いスラットの部分が、前記第1の複数の細長いスラットの前記第1の複数のスリット内に受け入れられるように、前記第1の複数のスリットの各々を前記第2の複数のスリットの対応する1つと合わせて、前記スラットを一緒に滑動させることにより、前記第1の複数の細長いスラットを、前記第2の複数の細長いスラットと相互に連結することと、
前記第1および第2の複数の細長いスラットを、中間流れ分離器を作成するために、前記第1および第2の複数のスリットの少なくともいくつかに隣接した位置で、一緒に固定することと、
最終流れ分離器を作成するために、前記中間流れ分離器を、弁座の対応する環状体のポートの断面形状に一致する所望の形状にすることと、
前記最終流れ分離器を、前記環状体の前記ポートに挿入することと、
前記最終流れ分離器を前記環状体に固定することと
を含む、方法。
【請求項37】
前記第1および第2の複数の細長いスラットを一緒に固定することが、溶接またはろう付けのうちの少なくとも1つを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記最終流れ分離器を前記環状体に固定することが、溶接またはろう付けのうちの少なくとも1つを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記最終流れ分離器を前記環状体に固定することが、前記最終流れ分離器を前記環状体の内側側壁に固定することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記第1および第2の複数の平らな部分を前記第1および第2の複数の細長いスラットに切り取ることが、その反対端部から延在する脚フランジを含むように、前記平らな部分の少なくともいくつかを切り取ることをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記最終流れ分離器を前記環状体に固定することが、前記第1および第2の複数の細長いスラットの前記脚フランジを前記環状体の軸端面に固定することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1および第2の複数の細長いスラットの前記脚フランジを前記環状体の軸端面に固定することが、溶接またはろう付けのうちの少なくとも1つを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
流れ分離器を備えた流量制御装置を改良する方法であって、前記流量制御装置が弁体、制御要素、および弁座を含み、前記弁体が、入口、出口、および前記入口と前記出口との間に配置されたギャラリーを画定し、前記制御要素が、閉位置と少なくとも1つの開位置との間で前記ギャラリー内に移動可能に配置され、前記弁座が、前記制御要素が閉位置にあるときに前記制御要素によって密封して係合されるように前記ギャラリー内に固定されている、前記方法が、
前記制御要素を前記弁体の前記ギャラリーから取り外し、それにより、前記弁体内のギャラリー開口部を露出させることと、
前記弁座を前記弁体から取り外すことであって、前記弁座が、前記ギャラリーを通る流体を収容するためのポートを画定する内側側壁を含む環状体を有する、前記弁座を前記弁体から取り外すことと、
流れ分離器を前記弁座の前記ポート内に位置付けることであって、前記流れ分離器が、流れ矯正部および少なくとも1つの脚部を含み、前記流れ矯正部が、複数の別個の通路を画定し、前記少なくとも1つの脚部が、前記流れ矯正部から放射状に外側へ延在している、流れ分離器を前記弁座の前記ポート内に位置付けることと、
前記少なくとも1つの脚部を前記環状体の軸端面に固定し、それにより、前記流れ分離器を前記環状体に固定することと、
前記弁座を挿入して固定することであって、前記複数の別個の通路が、前記ポートを通る流体の流れを複数の別個の流路に分離するように適合されるように、前記環状体および前記流れ分離器を、前記弁体の前記ギャラリー内に含む、前記弁座を挿入して固定することと
を含む、方法。
【請求項44】
前記流れ分離器の前記少なくとも1つの脚部を前記弁座の前記環状体に固定することが、前記少なくとも1つの脚部を前記環状体に溶接またはろう付けすることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記弁ケージに結合されたボンネットをさらに備え、前記弁ケージが前記ボンネットと前記弁体との間に配置された上端を有し、且つ前記弁ケージが前記保持部に直接接触して配置された下端を有している、請求項15に記載された流量制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流量制御装置を対象とし、より詳細には、流量制御装置用の弁座を対象とする。
【背景技術】
【0002】
制御弁などの、流量制御装置は、一般に、パイプを通って流れる流体の特性を制御するために使用される。典型的な装置は、入口、出口、および入口と出口との間に延在する流体流路を画定する弁体を含む。弁座が弁体に連結されて、流路が通る開口部を画定する。プラグなどの、絞り要素が、開口部を通る流量を制御するために、弁座に対して移動可能である。
【0003】
特定の工程用に制御弁を選択する際に、制御弁エンジニアは、多数の設計要件および設計制約に直面し得る。例えば、いくつかの配管用途は、他の用途で、配管接続が弁の入口および出口に対して直角であることを許可し得る場合、配管接続が軸方向に一直線にされることを必要とする。さらに他の用途は、面間寸法(すなわち、制御弁の入口と出口との間の距離)に関する制約を有し得る。
【0004】
制御弁の1つの一般的なスタイルは、球形弁である。より詳細には、トップエントリー球形弁が、その保守の容易さおよび多用途性により、一般に使用され得る。これらのタイプの弁は、シビアサービス(severe service)用途などの、重要な用途で使用でき、そこでは、発せられる騒音および乱流が問題であり得る。内部のトリム部品へのかかるトップエントリーアクセスは、プロセスプラントでの費用のかかるダウン時間を削減する、迅速な変更および保守を提供する。トップエントリー球形弁は、非軸方向流路;あるいは、蛇行状として知られている、流路を含む。かかる非軸方向流路は、制御弁の流路内に乱流を生じさせ得、それは、システムの性能に悪影響を及ぼして、運用の非効率性ならびに運用費およびダウン時間の増加につながり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、入口、出口、ギャラリー、および入口から出口にギャラリーを通って延在する流路を画定する弁体を有する制御弁用の弁座を提供する。弁座は、環状体および流れ分離器を含む。環状体は、弁体のギャラリー内に配置されるように適合され、保持部および内側側壁を含む。保持部は、弁体に固定するためである。内側側壁は、弁座を経てギャラリーを通る流量を収容するためのポートを画定する。流れ分離器は、環状体のポートの少なくとも一部内に配置されて、複数の別個の通路を画定する流れ矯正部を含む。複数の別個の通路の各々は、長さおよび水力直径を有し、ギャラリー内の乱流を妨げるために、流体の流れを、ポートを通って複数の別個の流路に分離する別個の通路を形成するように、長さは水力直径よりも長い。
【0006】
本開示の別の態様は、弁体、制御要素、および弁座を含む流量制御装置を提供する。弁体は、入口開口部、出口開口部、および入口開口部と出口開口部との間に配置されたギャラリーを画定する。入口開口部および出口開口部は、共通の第1の軸に沿って延在し、他方、ギャラリーは、第1の軸を横切る第2の軸に沿って延在する。制御部材は、弁体のギャラリー内に配置され、弁体を通る流体の流れを制御するために、第2の軸に沿って動かすことが可能である。弁座は、弁体のギャラリー内に固定して配置され、環状体および流れ分離器を含む。環状体は、保持部および内側側壁を含む。保持部は、弁体に固定して取り付けられ、内側側壁は、ギャラリーを通る流量を収容するためのポートを画定する。流れ分離器は、環状体のポートの少なくとも一部内に配置されて、複数の別個の通路を画定する流れ矯正部を含む。複数の別個の通路の各々は、長さおよび水力直径を有し、ギャラリー内の乱流を妨げるために、流体の流れを、ポートを通って複数の別個の流路に分離する別個の通路を形成するように、長さは水力直径よりも長い。
【0007】
本開示の別の態様は、弁体、制御部材、および弁座を含む流量制御装置を提供する。弁体は、入口開口部、出口開口部、および入口開口部と出口開口部との間に配置されたギャラリーを画定する。入口開口部および出口開口部は、共通の第1の軸に沿って延在し、他方、ギャラリーは、第1の軸を横切る第2の軸に沿って延在する。制御部材は、弁体のギャラリー内に配置され、弁体を通る流体の流れを制御するために、第2の軸に沿って動かすことが可能である。弁座は、弁体のギャラリー内に固定して配置され、環状体および圧力変動を低減するための手段を含む。環状体は、保持部および内側側壁を含む。保持部は、弁体に固定して取り付けられ、内側側壁は、ギャラリーを通る流量を収容するためのポートを画定する。圧力変動を低減するための手段は、弁体の入口開口部での入口圧力および出口開口部での出口圧力における変動を、その後、弁体の差圧すなわちΔpを低減するために、環状体のポート内に固定される。
【0008】
本開示の別の態様は、弁体、制御要素、および弁座を含む流量制御装置を提供する。弁体は、入口開口部、出口開口部、および入口開口部と出口開口部との間に配置されたギャラリーを画定する。入口開口部および出口開口部は、共通の第1の軸に沿って延在し、他方、ギャラリーは、第1の軸を横切る第2の軸に沿って延在する。制御部材は、弁体のギャラリー内に配置され、弁体を通る流体の流れを制御するために、第2の軸に沿って動かすことが可能である。弁座は、弁体のギャラリー内に固定して配置され、環状体および力変動を低減するための手段を含む。環状体は、保持部および内側側壁を含む。保持部は、弁体に固定して取り付けられ、内側側壁は、ギャラリーを通る流量を収容するためのポートを画定する。力変動を低減するための手段は、制御要素に印加された流体力における変動を低減するために、環状体のポート内に固定される。
【0009】
本開示の別の態様は、環状体および流れ分離器を含む弁座を製造する方法を提供する。方法は、材料の第1の複数の平らな部分を、その上縁部から下方に延出する第1の複数のスリットを有する第1の複数の細長いスラットに切り取ることを含む。方法は、追加として、材料の第2の複数の平らな部分を、その下縁部から上方に延出する第2の複数のスリットを有する第2の複数の細長いスラットに切り取ることを含む。方法は、追加として、第1の複数のスラットの部分が、第2の複数の細長いスラットの第2の複数のスリット内に受け入れられ、第2の複数のスラットの部分が、第1の複数の細長いスラットの第1の複数のスリット内に受け入れられるように、第1の複数のスリットの各々を第2の複数のスリットの対応する1つと合わせて、スラットを一緒に滑動させることにより、第1の複数の細長いスラットを、第2の複数の細長いスラットと相互に連結することを含む。さらになお、方法は、第1および第2の複数のスラットを、中間流れ分離器を作成するために、第1および第2の複数のスリットの少なくともいくつかに隣接した位置で、一緒に固定することを含む。さらにその上、方法は、最終流れ分離器を作成するために、中間流れ分離器を、弁座の対応する環状体のポートの断面形状に一致する所望の形状にすることを含む。方法は、最終流れ分離器を、環状体のポート内に挿入して、最終流れ分離器を環状体に固定することをさらに含む。
【0010】
本開示のさらに別の態様は、流れ分離器を備えた流量制御装置を改良する方法を提供し、流量制御装置が弁体、制御要素、および弁座を含み、弁体が、入口、出口、および入口と出口との間に配置されたギャラリーを画定し、制御要素が、閉位置と少なくとも1つの開位置との間でギャラリー内に移動可能に配置されて、弁座が、制御要素が閉位置にあるときに制御要素により密封して係合されるようにギャラリー内に固定されている。方法は、制御要素を弁体のギャラリーから取り外し、それにより、弁体内のギャラリー開口部を露出させることを含む。方法は、弁座を弁体から取り外すことをさらに含み、弁座は、ギャラリーを通る流量を収容するためのポートを画定する内側側壁を含む環状体を有する。方法は、流れ分離器を弁座のポート内に位置付けることをさらに含み、流れ分離器は、流れ矯正部および少なくとも1つの脚部を含み、流れ矯正部は、複数の別個の通路を画定し、少なくとも1つの脚部は、流れ矯正部から放射状に外側へ延在する。なおさらに、方法は、少なくとも1つの脚部を環状体の軸端面に固定し、それにより、流れ分離器を環状体に固定することを含む。さらにその上、方法は、弁座を挿入して固定することを含み、複数の別個の通路が、流体の流れを、ポートを通って複数の別個の流路に分離するように適合されるように、環状体および流れ分離器を弁体のギャラリー内に含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の原理に従って構築された流量制御装置の断面側面図である。
【
図2】
図2は、本開示の原理に従って構築された弁座の一例の上からの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の弁座を作るために組み合わせる複数のスラットの一部の斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の原理に従って構築された弁座の別の例の斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の原理に従って構築された弁座のさらに別の例の上からの斜視図である。
【
図8】
図8は、本開示の原理に従って構築された弁座のさらにまた別の例の底面図である。
【
図9A】
図9Aは、従来型の流量制御装置の、入口圧力における変動を示すグラフである。
【
図9B】
図9Bは、従来型の流量制御装置の、出口圧力における変動を示すグラフである。
【
図10A】
図10Aは、本開示の原理に従って構築された流量制御装置の、入口圧力における変動を示すグラフである。
【
図10B】
図10Bは、本開示の原理に従って構築された流量制御装置の、出口圧力における変動を示すグラフである。
【
図11】
図11は、従来型の流量制御装置の制御要素に印加された力における変動を示すグラフである。
【
図12】
図12は、本開示の原理に従って構築された流量制御装置の制御要素に印加された力における変動を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細に説明するように、本開示は、流れ矯正弁座および流れ矯正弁座を有する制御弁、ならびにかかる弁座を製造して、制御弁に取り付ける方法を対象とする。弁座は、一般に、環状体および環状体の開口部(すなわち、ポート)内に配置された流れ分離器を含む。流れ分離器は、流体の流れを、弁座を通って、別個の流通路の水力直径よりも、一例では、約3〜6倍長いこともある複数の非連絡(non−communicating)流路に分離する(分割する)ための複数の別個の通路を含む。別個の流路は、それにより、弁体内のその位置での乱流を妨げ、等流を促進して、システムの運用効率を向上させるが、それは、特に、「流れ上がり(flow up)」構成の弁体に対して好都合である。
【0013】
図1は、本開示の原理に従って構築された流量制御装置(すなわち、制御弁)10を示す。本例では、制御装置10は、弁体12、ボンネット14、制御部材16、ケージ18、および弁座20を含む球体スタイルの弁を含む。
【0014】
弁体12は、入口開口部24を含む入口22、出口開口部28を含む出口26、および入口開口部と出口開口部24、28との間に配置されたギャラリー30によって形成された流路を含む。ギャラリー30は、弁体12内をギャラリー軸Atに沿って概ね垂直に延在し、弁体12内にギャラリー開口部36を画定する、概ね円筒の穴を含む。入口開口部24に加えて、入口22は、入口開口部24とギャラリー30との間に延在する入口通路32を含む。同様に、出口開口部28に加えて、出口26は、出口開口部28とギャラリー30との間に延在する出口通路34を含む。
【0015】
示された例では、弁体12の入口開口部24および出口開口部28は、共通の流れ軸Afに沿ってセンタリングされている。共通の流れ軸Afは、示された例では、入口通路軸Atrを横切り
、流れ軸Afは、ギャラリー軸Atにほぼ垂直である。さらになお、入口開口部24は、概ね垂直な入口面Piを占め、また、出口開口部は、入口面Piと平行で、面間寸法Dffだけオフセットされている、概ね垂直な出口面Poを占める。前述し、
図1に示した構成では、制御弁10は、「流れ上がり」構成で配置されている。すなわち、流体が入口22に流入すると、それは、入口通路32を通過し、ギャラリー30に向かって「流れ上がる」必要がある。制御部材16が、弁座20から離れて位置付けられている場合、流体は、入口通路32から流れて、鋭く向きを変えて弁座20を通過し、ギャラリー30まで流れる必要がある。示した例では、ギャラリー30にすぐに隣接して位置付けられている入口通路32の少なくとも一部が、ギャラリー軸Atに対して角度αで配置されている移行軸Atrに沿って延在する。いくつかの例では、角度αは、約30度〜約90度の範囲内、約45度〜約90度の範囲内、または何らかの他の範囲内であり得る。
図1に示す例では、角度αは約45度である。そのように構成されると、弁体12の入口通路32からギャラリー30に流れ込む流体は、角度αの補角に等しい角度βすなわち135度で曲がる必要がある。他の例では、流体は、例えば、約90度〜約150度の範囲の角度β、または何らかの他の角度で曲がり得る。
【0016】
依然として
図1を参照すると、制御装置10の本実施形態の弁座20は、弁体12のギャラリー30の内側クモの巣状部40内に固定された輪状部材を含む。いくつかの例では、弁座20は、クモの巣状部40に螺入され、溶接によって保持され得るか、または
図1に示すように、弁座20は、ケージ18とクモの巣状部40との間への位置付けと相まって、1つまたは複数のねじ部品42によって保持できる。弁座20が弁体12内に保持される手段に関わらず、弁座20の開示された例は、環状体44および流れ分離器46を含む。環状体44は、保持部48および取付け部50を含む、一般に中実な輪状部材を含む。保持部48は、取付け部50から放射状に外側へ延在するショルダ52を含み、開示される実施形態では、弁座20をギャラリー30に固定するためのねじ部品42を受け取る。開示された例の取付け部50は、内側側壁54を含む。
図1に示す例では、内側側壁54は、上側取付け面58を画定するために内側に凸状に輪郭を形成されて、円形ポート56を弁座20内に画定する。ポート56は、ポート直径Dpを含む。
【0017】
依然として
図1を参照して、本例の制御装置10のケージ18は、下端部60、上端部62、および複数の窓64を備えた、中空の円筒部材を含む。ケージ18は、弁座20をギャラリー30のクモの巣状部40と接触して保持するのを支援するために、下端部60が、弁座20の保持部48のショルダ52を当接して係合するように、弁体12のギャラリー30内に配置される。上端部62は、ボンネット14と、ギャラリー開口部36に隣接した弁体12との間に挟まれた、放射状に外側へ延在するフランジ66を含む。窓64は、流体が入口22とギャラリー30との間を流れるための経路を提供し、その時、制御部材16は、かかる流れを可能にする位置を占める。
【0018】
制御部材16は、図のように、ステム68およびステム68の端部に固定された弁プラグ70を含む。弁プラグ70は、端壁72をステム68に固定した円筒体を含む。端壁72は、追加として、制御装置10の平衡運転を可能にする、流体の、入口通路32からボンネット室75への連結を可能にするための複数の開口部74を含む。そのように構成されると、制御部材16は、流体がギャラリー30を通って流れるのを防ぐために、弁プラグ70の取付け端部76が、弁座20の内側側壁54の取付け面58を密封して係合する(
図1に示す)、閉位置と、流体がギャラリー30を通って流れるのを可能にするために、弁プラグ70の取付け端部76が、弁座20から持ち上げられている(例えば、間隔を空けられている)、開位置との間で、ギャラリー30内で移動可能である。
【0019】
最後に、記載のように、本例の制御装置10は、ボンネット14を含み、それは、ギャラリー開口部36に隣接して弁体12に固定された帽子状構造であり得る。ケージ18をギャラリー30内に保持するために、ケージ18のフランジ66を締めることに加えて、ボンネット14は、ステム68が、制御部材16の位置および装置10の動作を制御するために、アクチュエータ(図示せず)まで延在できるように、制御部材16のステム68を収容する貫通孔38を含む。
【0020】
前述のように、本開示の弁座20は、環状体44および流れ分離器46を含む。環状体44は、閉位置を占める場合に、弁プラグ70を固定する取付け面58を提供することにより、主として、弁体12内に流れ制御領域を確立する働きをする。流れ分離器46は、高速流体流動中に、弁座20に隣接した再循環領域33内に形成され得る乱流または再循環流を妨げて、弁体12のギャラリー30内での均一な流体流動を促進する働きをする。
【0021】
ここで
図2を参照すると、環状体44および流れ分離器46の一例を含む、
図1の弁座20が、さらに詳細に示されている。環状体44については前述し、したがって、その詳細は繰り返さない。流れ分離器46は、流体の流れを、弁座20を通って複数の平行な流路78に分離するように意図された構造を含み、複数の平行な流路78のうちの1つだけが、明瞭さのために参照番号によって識別される。流体の流れの複数の流路78へのこの分離は、弁座20によって塞がれている弁体12の入口通路32の再循環領域33内での再循環流および他の乱流を妨げる。いくつかの例では、弁座20は、例えば、S31600またはS17400を含む、ステンレス鋼合金などの金属材料で作ることができる。他の例は、例えば、N06625またはN10276などの、もっと耐腐食性の合金を含み得る。言うまでもなく、他の材料も、関与する特定の用途に応じて使用できる。
【0022】
図2では、複数の流路78が流れ分離器46の流れ矯正部80によって画定され、流れ分離器46は、流路78が3次元のマトリックス構成を占めるように、断面的に格子状パターンを形成するために、互いに垂直に伸びて相互に連結された、第1および第2の複数の細長いスラット82、84を含む。第1の複数のスラット82は、互いに平行に、かつ、
図2の方向に関して右から左に延在し、第2の複数のスラット84は、互いに平行に、かつ、
図2の方向に関して上から下に延在する。そのように構成されると、細長いスラット82、84は、複数の平行で真っ直ぐな通路86を画定し、その内部の容積が複数の流体流路78に対応する。この例では、複数の通路86および、そのため、複数の流路78は、共通の断面寸法を有し、流れ矯正部80および環状体44によって画定されたポート56の全体にわたって均一に分布されている。しかし、他の例では、複数の通路86および複数の流路78は、非均一な方法で分布でき、かつ/または様々な断面寸法を持ち得る。追加として、開示された例では、第1および第2の複数のスラット82、84の各々は、11のスラット82、84を含む。しかし、これは、一例にすぎず、以下で説明するように、スラット82、84の数は、通路86および流路78の所望の数の関数として決定でき、通路86および流路78は、流れ分離器46の所望の性能の関数として決定できる。
【0023】
ここで
図3を参照すると、
図2の複数のスラット82、84のうちの選択された数のみが示されており、各スラット82、84は、所望の形状に切り取られた、材料の平らな部分から作り得ることがわかる。本例では、所望の形状は、矩形である。説明のため、第1の複数のスラット82の各スラット82は、「下部スラット(bottom slat)82」と呼ばれ得、スラット82の上縁部88から内側に(下向きに)延在する第1の複数のスリット86(例えば、スロット、切れ目、溝など)を含む。説明のため、第2の複数のスラット84の各スラット84は、「上部スラット(top slat)84」と呼ばれ得、スラット84の下縁部92から内側に(上向きに)延在する第2の複数のスリット90(例えば、スロット、切れ目、溝など)を含む。そのように設計されると、上部スラット84の各々の1つのスリット90が、対応する下部スラット82の1つのスリット86と合わせられ、次いで、2つのスラット82、84が一緒に滑動されて相互に連結される。そのプロセスは、スラット82、84の全てが一緒に相互に連結されるまで繰り返される。その時点で、構造的完全性を達成するために、第1および第2の複数のスラット82、84が、中間流れ分離器46を作成するために、例えば、溶接またはろう付けによって、一緒に固定できる。かかる溶接またはろう付けは、好ましくは、スリット86、90の各々に隣接した接合部を作成し、スラット82、84を加熱できる。冷却すると、中間流れ分離器46は、使用した特定の材料に応じて、わずかに縮み得る。したがって、流れ分離器46を製造する1つの好ましい方法では、前述の製造プロセスから生じる、中間流れ分離器46は、溶接および冷却の後に限り、環状体44のポート56の所望の円形形状にさらに切り取られる。これは、
図2に示すように、最終流れ分離器46という結果になり、それは、弁座20のポート56内にぴったり合う。一旦、ポート56内に位置付けられると、最終流れ分離器46は、スラット82、84の任意の数の端部を、内側側壁54に溶接またはろう付けのいずれかによって、環状体44に固定でき、それにより接合部61を形成する。
【0024】
図1を再度参照すると、本開示の流量制御装置10の一例は、Fisher Design EU弁などの、クラス300、
30.48cm弁を含み得、それは、米国アイオワ州マーシャルタウン所在のFisher Controls International LLCから市販されている。かかる弁の入口開口部および出口開口部24、26は、例えば、
30.48cmパイプラインに連結されるために、
30.48cmの公称直径を有し得る。加えて、
図1の制御装置10は、約
76.20cmの面間寸法Dffおよび約
27.94cmのポート直径Dpを含み得る。これらの寸法は、約2.72の面間寸法Dff対ポート直径Dpの比率(L/D比率)という結果になる。さらに、
図2に示す弁座20および流れ分離器46を含む制御装置10の一例では、流れ分離器46の流通路86の各々は、水力直径Dh(
図2)および水力直径Dhよりも大きい長さL(
図1)を持ち得る。一例では、水力直径Dhは、約
2.54cmであり得、長さLは、約
12.07cmであり得る。したがって、本例の流通路86に対するL/D比率は、約4.75であり得る。
【0025】
制御装置10に対する前述の寸法は例にすぎず、本開示の原理に従って構築された他の制御装置10は、異なる寸法で、かつ、異なる寸法比率内で、構築できる。例えば、一例では、通路86の長さLと通路86の水力直径Dhとの間の比率は、約1.16〜約10の範囲内であり得る。他の例では、流れ分離器46における通路86の長さLと通路86の水力直径Dhとの間の比率は、約3〜約6の範囲内であり得る。さらに、いくつかの例では、流れ分離器46における通路86の水力直径Dhは、約
1.27cm〜約
5.08cmの範囲内であり得、流れ分離器46における別個の通路86の各々の長さLは、約
7.62cm〜約
15.24cmの範囲内であり得る。さらになお、いくつかの例では、弁体12の弁座20の面間寸法Dff対ポート直径Dpの比率は、約1.43〜約10の範囲内であり得る。いくつかの例では、弁体12の弁座20の面間寸法Dff対ポート直径Dpの比率は、約2.5〜約3の範囲内であり得る。したがって、前述から、本明細書で説明するパラメータ(例えば、ポート直径Dp、面間寸法Dff、角度αなど)の任意の組合せは、本開示の原理に従って、流れ分離器46を含む制御装置10内で組み合わされ得ることが理解されるはずである。さらに、本開示は、流れ分離器46を、説明した特定の制御装置10に組み込むことに制限されず、むしろ、かかる流れ分離器の組込みから利益を得ることが可能な任意の制御装置が含まれる。なおその上に、前述の寸法は、
図1および
図2で明確に開示された特徴に関して提供されているが、同じ寸法および寸法関係が、全ての後続の代替例および特徴に等しく適用できる。
【0026】
図2に示す流れ分離器46は、別個の通路86および流路78を画定するために一緒に相互に連結された、第1および第2の複数のスラット82、84を含むとして説明してきたが、これは一例にすぎず、代替の流れ分離器が異なって構築され得る。例えば、
図4は、本開示の原理に従って構築された環状体144および流れ分離器146を含む代替弁座100を示す。
図4の環状体144の詳細は、前述した環状体44と同一であり得、したがって、繰り返さない。
図4の流れ分離器146は、溶接、ろう付け、または何らかの他の手段によって、束にして固定された複数の平行管148を含む流れ矯正部180を含む。複数の管148は、管148aの外輪、管148bの内輪、および中央管148cを含む。溶接またはろう付けは、好ましくは、図のように、管148a、148b、149cの隣接する外側側壁156間に接合部155を形成する。加えて、前述の流れ分離器46と同様に、
図4の流れ分離器146は、流れ分離器146を含む弁座100の全体が構造的に安定していることを確実にするために、溶接、ろう付け、または何らかの他の手段によって形成された複数の接合部161によって、弁座100の環状体144の内側側壁154に固定できる。
【0027】
図4の管148a、148b、148cの各々は、一次流体流路152として機能する内部容積を画定する、複数の別個の通路150a、150b、150cのうちの1つを含む。示した例では、管148a、148b、148cは、円形断面を有する中空の円筒管である。そのため、特定の管148a、148b、148cの形状に起因して、本例の流れ分離器146は、複数の二次流体流路158も画定する。二次流路158a、158bは、隣接した管148a、148b、148cの外側側壁157の間、ならびに管148aの外輪の外側側壁157と環状体144の内側側壁154との間に配置される。この例では、二次流路158は、周辺経路158aおよび内部経路158bを含み、各1つを
図4に太線で示す。周辺経路158aは、管148aの外輪と環状体144との間に配置され、断面において三角形であり、2つの内側に曲がった側面と、環状体44の内側側壁54によって画定された1つの外側に曲がった側面を有する。対照的に、内部経路158bは、断面において三角形であり、3つの内側に曲がった側面を有する。
【0028】
加えて、
図4の例の管148a、148b、148cは、直径において異なる。すなわち、管148aの外輪の各々は、第1の直径d1を有し、管148bの内輪の各々は、第2の直径d2を有し、中央管148cは、第3の直径d3を有する。示した例では、d1は、d2およびd3よりも大きく、d3はd2よりも大きい。そのため、
図4の流れ分離器146は、管148、経路150、および流路152の、環状体144のポート156の全体にわたる不均一な分布を含む。この構成では、流れ分離器146は、管148aの外輪および中央管148cを通してより大きな容量の流れを、管148bの内輪を通してより低い容量の流れを提供する。これは、例えば、管148aの外輪および中央管148cによって占められた領域に比べて、管148bの内輪によって占められた領域で高い、歪みのパターンまたは乱流を有する流路での運用に対して、好都合であり得る。これは、非均一な分布の一例であり、様々な流路および経路の直径は、必要に応じて変わり得る。そのため、この例の通路および流路の非均一な分布は、所望であれば、本出願の主題が、特定の乱流プロファイルに最も適合するようにカスタマイズ(例えば、調整)できることを示していることが理解されるべきである。
【0029】
これまでに開示した弁座20、100の各々は、環状体44、144の内側側壁54、154に固定されている流れ分離器46、146を含むとして説明してきた。これは、工場で起こる製造および組立工程に実用的である。しかし、流れ分離器を、現場で運用している制御弁の弁座に取り付けることが望ましくあり得る。
【0030】
図5および
図6は、かかる現地取付けを容易にするために、流体ポート256および流れ分離器246(
図7に示すように別々でも)を画定する環状体244を含む弁座200の一例を示す。流れ分離器246は、例えば、以下で説明する2〜3の例外を除いて、
図2および
図3に関して前述した流れ分離器46に概ね類似して構築できる。すなわち、流れ分離器246は、流体の流れを弁座200を通して複数の平行な流路278に分離することを目的とした構造を含み得、その複数の平行な流路278のうちの1つだけが、明瞭さのために参照番号によって識別される。流体の流れの複数の流路278へのこの分離は、弁体内での歪みおよび他の乱流を妨げる。
【0031】
図5〜
図7では、複数の流路278が、流れ分離器246の流れ矯正部280によって画定され、流れ分離器246は、
図2および
図3に関して前述したものと概ね同一な方法で、格子状パターンを形成するために、互いに垂直に伸びて相互に連結された、第1および第2の複数の細長いスラット282、284を含む。そのように構成されると、細長いスラット282、284は、複数の別個の通路286を画定し、その内部の容積が、3次元のマトリックス構成で配置された、複数の流体流路278に対応する。この例では、複数の通路286および、そのため、複数の流路278は、共通の断面寸法を有し、流れ分離器246の流れ矯正部280の全体にわたって概ね均一に分布されている。しかし、他の例では、複数の通路286および複数の流路278は、様々な断面寸法を持ち得、かつ/または非均一な方法で分布でき、様々な断面寸法を持ち得る。
【0032】
図2〜
図3で前述した流れ分離器46に対する1つの違いは、
図5〜
図7に示す流れ分離器246の流れ矯正部280が、上から見ると、例えば、
図7で見られるように、概ね正方形の断面を含むことである。
図2〜
図3で前述した流れ分離器46は、上から見ると、概ね円形の断面を有する。正方形の断面は、環状体244の内側側壁254と流れ分離器246の外形寸法との間に与えられた豊富な隙間のために、現地取付けに好ましくあり得る。正方形の断面に起因して、
図5〜
図7における流れ分離器246の複数の通路286および流路278は、弁座200のポート256を完全には満たさない。すなわち、例えば、
図5に示すように、弁座200は、スラットのない4つの部分的円形領域292を含み得る。これらの領域292における弁座200の容量は、ある程度まで、特定の用途の流れ特性に応じて、流れ分離器246の中心におけるよりも高い可能性がある。他の例では、これらの領域292を閉鎖して、流れ矯正部280の全体に加え、ポート256の全体にわたって、通路286および流路278の完全に均一な分布を画定するために、スラット282、284が、環状体244の内側側壁254まで、可能な限り完全に延在するように設計できる。
【0033】
図2および
図3に関して説明した流れ分離器46に対するさらなる違いは、
図5〜
図7に示す流れ分離器246が、
図7で容易に見られるように、流れ矯正部280から放射状に外側へ延在する複数の脚部290を含むことである。この例では、各脚部290は、複数のスラット282、284の各々の対向する端部から延在する複数のフランジ294を含む。すなわち、この例では、スラット282、284の各々の対向する端部は、L字形のプロファイルを有するように切り取られて、Lの下脚が、流れ分離器246の下端部296に近接して配置されたフランジ294を画定し、それは、流れ分離器246の上端部298と向かい合っている。組立時に、脚部290の各々、および任意選択で脚部290のフランジ294の各々は、溶接、ろう付け、または何らかの同様の手段により、弁座200の環状体244の軸端面295(
図6)に固定して取り付けられる。任意選択で、所望であれば、スラット282、294の端部は、追加の構造的完全性を提供するために、
図2および
図3で示した弁座20について前述したのと同様の方法で、溶接、ろう付け、または他の方法により、弁座200の環状体244の内側側壁254にも固定して取り付けられる。
【0034】
図5〜
図7に示す流れ分離器246を、
図1に示す制御装置10などの、現場で運用している流量制御装置に内在する弁座に取り付けるために、ボンネット14および制御要素16が、まず、弁体12のギャラリー30から取り除かれる。これは、弁体12内のギャラリー開口部36を露出させる。次いで、ケージ18および弁座200が、弁体12からギャラリー開口部36を通って取り除かれ得る。任意選択で、弁座200をケージ18から取り除くことができるが、それは必ずしも必要でない。弁座200を取り除くと、
図5〜
図7に示す流れ分離器246の流れ矯正部280が、環状体244によって画定されたポート256内に挿入することにより位置付けられ得る。適切に位置付けられると、脚部290が環状体244の軸端面295と接する。脚部290のフランジ294の少なくとも1つ、および任意選択で、脚部290の各々のフランジ294の各々を、次いで、溶接、ろう付け、または何らかの他の手段によって軸端面295に固定でき、それにより、流れ分離器246を環状体244に固定する。流れ分離器246が取り付けられた環状体244を含む、弁座200は、次いで、ケージ18と一緒に、またはケージ18とは別に、弁体12のギャラリー30を通って挿入されて、元の位置に固定できる。最後に、制御要素18およびボンネット14が、弁体12に再び取り付けられ得、プロセスが完了する。いくつかの例では、流れ分離器246の流れ矯正部280をポート256に挿入する前に、流れ矯正部280の断面形状が、ポート256の内部により望ましく適合する断面形状に作業され(例えば、切られ、研磨され、機械加工され、やすりをかけられ、など)得る。
【0035】
記載のように、
図5〜
図7に示す流れ分離器246は、
図2および
図3の流れ分離器46に関して説明したのと同様の方法で構築でき、すなわち、相互に連結されたスラット282、284を含む。
図8は、
図5〜
図7に示す流れ分離器246と同様に、現地取付け用に適合された流れ分離器346を含む弁座300の別の例を示す。流れ分離器346は、それが、所望であれば、現地取付けを容易にするために、流れ矯正部380および複数の脚部390を含むという点において流れ分離器246に類似しているが、それは、複数の平行な矩形管348で構築されるという点において異なる。脚部390は、
図5〜
図7に示す例の脚部290と同様に、溶接、ろう付け、または何らかの他の手段により、弁座300の環状体344の軸端面395に固定できる。管348は、
図4に関して前述した複数の管148と同様に、溶接、ろう付け、または何らかの他の手段により、束にして一緒に固定される。
【0036】
図8で、管348は、共通の概ね均一な領域を有し、流れ分離器346の全体にわたって概ね均一に分布している、別個の通路386および対応する流路378を画定する。
図5〜
図7に関連して説明した流れ分離器246と同様に、分離器346の流れ矯正部380は、上から見ると、概ね正方形を含む。したがって、
図8に示す弁座300は、管348のない4つの部分的円形領域392を含み得る。これらの領域392における弁座300の容量は、ある程度まで、特定の用途の流れ特性に応じて、流れ分離器346の中心におけるよりも高い可能性がある。しかし、他の例では、管348の断面寸法は、流れ分離器346が、弁座300の環状体344の実際の断面形状にさらに密接に対応する断面形状を占めることを可能にするほど十分に小さい可能性がある。そのように構成されると、いくつかの例では、管348は、流れ矯正部380の全体に加え、ポート356の全体にわたって、通路386および流路378の完全に均一な分布を画定し得る。
【0037】
前述のように、本開示の弁座20、100、200、300および流れ分離器46、146、246、346は、弁体12のギャラリー30内での乱流を妨げ、均一な流体の流れを促進する働きをする。流れ分離器46、146、246、346は、弁体12内の流体プロファイルが歪められた、乱れた、またはそうでなければ均一でない場所に、正確に配置される。これは、弁体12の入口22および出口26での圧力における変動が低減され、より安定したΔpという結果になる。
【0038】
図9Aおよび
図9Bは、流れ分離器46が取り付けられていない、環状体44のみを含む弁座を使用する、
図1に示す制御装置10に対する、それぞれ、入口および出口における典型的な圧力変動プロファイルを示す。図に示すように、運用中、入口での圧力は、10psi以上も変動し得、他方、出口での圧力は、20psiも変動し得る。
図9Aおよび
図9Bとは対照的に、
図10Aおよび
図10Bは、流れ分離器346を含む、
図8に示す弁座300を備えた、
図1に示す制御装置10に対する、それぞれ、入口および出口における圧力変動プロファイルを示す。図に示すように、弁座300を使用した、入口および出口での圧力変動は、
図9Aおよび
図9Bと比べて、
図10Aおよび
図10Bでは大幅に減っている。
図10Aおよび
図10Bでは、圧力変動は、ほんの2〜3psiに近い。
【0039】
入口および出口圧力変動を低減することに加えて、本開示の弁座は、制御要素16に印加される力における変動を効果的に低減する。
図11は、流れ分離器46が取り付けられていない、環状体44のみを含む弁座を使用する、
図1に示す制御装置10に対する、制御要素16上での典型的な力変動プロファイルを示す。図に示すように、制御要素16上の力は、約200lbfも変動し得る。対照的に、
図12は、
図8の弁座300を備えた、
図1に示す制御装置10の制御要素16上の力変動プロファイルを示す。図に示すように、弁座300を使用した、制御要素16上の力変動は、
図11と比べて、
図12では大幅に減っている。
図12では、制御要素16上の力は、約20lbf変動するだけである。
【0040】
前述から、本開示の弁座および流れ分離器が、Δpにおける変動および制御弁10の制御要素16に印加された力における変動を好都合に低減することがわかる。そのため、本明細書で説明する流れ分離器46、146、246、346の任意の1つは、圧力変動を低減するための手段および/または力変動を低減するための手段とも考えられる。圧力変動を低減すると、均一の流体の流れを好都合に促進し、それは、非均一の流体の流れにとってより効率的で望ましくあり得る。制御要素に印加された力変動の振幅を低減すると、より小型のアクチュエータの使用を好都合に可能し、それは、より費用が少なくて、重量が軽い。すなわち、例えば、空気圧式アクチュエータで、制御要素に印加された力における大きな変動に対抗するためには、アクチュエータは、非常に頑強に作られる必要があり、それは、非常に大きなアクチュエータを必要とする。本開示は、力変動を低減することにより、したがって、より小型の空気圧式アクチュエータの使用を可能にし、それは、お金と労力を節約する。
【0041】
前述の開示は、各々がわずかに異なる特徴を有する、流量制御装置、弁座、および/または流れ分離器の様々な例を提供するが、本開示は、開示された特定の例に限定されない。むしろ、例の任意の1つまたは複数の任意の1つまたは複数の特徴が、明確に開示されていない、さらに他の例に達するために、混合され、置き換えられ、または他の方法で組み合わされ得る。一例における1つの特徴の開示は、他の例におけるその特徴の組込みを除外せず、むしろ、かかる特徴が任意の他の例に実装できることを明確に提供する。