(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283062
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】表示装置製造方法
(51)【国際特許分類】
H05B 33/10 20060101AFI20180208BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20180208BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20180208BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20180208BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
H05B33/10
H05B33/14 A
H05B33/02
H01L27/32
G09F9/30 365
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-108486(P2016-108486)
(22)【出願日】2016年5月31日
(65)【公開番号】特開2017-216108(P2017-216108A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2017年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】509154420
【氏名又は名称】株式会社NSC
(72)【発明者】
【氏名】田村 達彦
(72)【発明者】
【氏名】柏原 康宏
【審査官】
野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−245067(JP,A)
【文献】
特開2011−065173(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0263078(US,A1)
【文献】
特開2004−259796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
H05B 33/10
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示素子を用いて画像を表示する表示装置を製造する表示装置製造方法であって、
ガラス基板の第1の主面上に、表示装置の一方の主面を構成するポリイミド膜を形成するステップと、
前記ポリイミド膜上に表示素子を含む層を形成するステップと、
前記ポリイミド膜を含む前記ガラス基板の第1の主面側を耐エッチング性部材で覆いつつ、前記ガラス基板の第2の主面に対してエッチング液を下方から噴射することによって前記ガラス基板を除去するステップと、
を含む表示装置製造方法。
【請求項2】
前記ガラス基板を除去するステップにおいて、前記ガラス基板は溶解するが、前記ポリイミド膜は溶解しないエッチング液を使用することを特徴とする請求項1に記載の表示装置製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ELディスプレイ等の表示装置の製造方法に関し、特に湾曲可能に薄型化された表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディススプレイを使用した表示装置は様々な用途において使用されている。特に、近年ではデザイン性の観点からフレキシブルディスプレイが注目されている。フレキシブルディスプレイを製造する際は、湾曲化に対応しやすい有機ELディスプレイが採用されることが多い。
【0003】
従来の有機ELディスプレイは、キャップガラス等のガラス基板を利用して有機EL素子等の表示素子を封止していた。ガラス基板によって有機EL素子の気密性および水密性を保ち、酸素や水分による素子の劣化を防止していた。しかし、更なる薄型化や上記のような湾曲化の要請により、近年では樹脂基板を利用した有機ELディスプレイが開発されている。樹脂基板は、ガラス基板と比較して可撓性が高く、湾曲しても破損しにくく、無機膜と有機膜の積層構造により表示素子を封止することによりガラス基板と同等程度のガスバリア性を達成することが可能であるとされていた。
【0004】
しかし、湾曲可能な程度まで薄く形成された樹脂基板は、製造工程における取扱いが非常に困難であり、その結果、歩留まりが悪化する原因になることがあった。そこで、従来では、ポリイミド等の有機樹脂膜を支持ガラス上に形成し、製造工程時の取扱いを容易にしていた。支持ガラスによって基板全体の剛性を確保した状態で有機樹脂膜に機能膜等の表示素子を形成し、封止処理を行った後に、支持ガラスから有機樹脂膜を剥離していた(例えば、特許文献1参照。)。支持ガラスから有機樹脂膜を剥離する作業は、あらかじめ支持ガラスと有機樹脂膜の間に形成しておいた剥離層をレーザ装置によって除去することで行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−004112
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の方法では支持ガラスを剥離する際のレーザの照射により、表示素子に悪影響を与えるおそれがあった。また、エキシマレーザ等の高価の製造装置を導入する必要があり、生産コストもかかる。特に、近年では大型基板に複数の表示装置が面取りされた状態で生産されるが、基板が大きくなるほどレーザの照射面積が増加するため、生産効率が低下したり、剥離不良が起きたりすることが多くなっていた。
【0007】
本発明の目的は、有機樹脂膜とガラス基板との剥離処理を行うことなく、簡易な方法で湾曲可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示装置製造方法は、ガラス基板の第1の主面上に有機樹脂膜を形成するステップと、有機樹脂膜上に表示素子を含む層を形成するステップと、有機樹脂膜を含むガラス基板の第1の主面側を耐エッチング性部材で覆いつつ、第2の主面側をエッチングすることによってガラス基板を除去するステップを含む。
【0009】
ガラス基板上に有機樹脂膜を形成する工程においては、例えば、従来の使用していた支持ガラス上に、スリットコータ等の塗布装置を用いて有機樹脂膜を塗布する。有機樹脂膜としては、ポリイミドを使用することが好ましい。表示素子を形成する工程では、有機樹脂膜上に薄膜トランジスタや有機ELの発光層等を含む機能層が形成される。このような表示素子が形成された後に、表示素子が外気に曝されないように封止する。封止工程では、無機膜と有機膜を交互に積層した樹脂膜による封止処理を行う。封止処理後に、耐エッチング性を有するフィルムやレジスト材で樹脂膜を被覆し、ガラス基板をエッチングする。エッチング処理では、第2の主面側からガラス基板にエッチング液を接触させることによって薄型化処理をしていき、原則として、ガラス基板が全て溶解されるまでエッチングすることによってガラス基板を除去する。ただし、ガラス基板が溶解される過程で好適に剥がれ落ちる場合もあり、このような場合には必ずしもガラス基板を全て溶解しなくともガラス基板の除去が可能となる。
【0010】
本発明は、エッチング処理によりガラス基板を全て溶かすことを特徴としている。エッチング処理は、ガラス基板の全面を均一に溶かすため、基板サイズが大型化しても生産効率が落ちることがない。また、表示素子を適切に保護したうえでエッチング処理を行っているため、表示素子が劣化するおそれもなく、フレキシブルディスプレイを製造することが可能になる。
【0011】
また、ガラス基板のエッチングの際は、ガラス基板は溶解するが、有機樹脂膜は溶解しないエッチング液を使用することが好ましい。この構成により、ガラス基板が全て溶解し、有機樹脂膜が露出したとしても、有機樹脂膜がエッチング液により汚損することもない。エッチング液としては、フッ酸を含むものを使用することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、有機樹脂膜とガラス基板との剥離を行うことなく、簡易な方法で湾曲可能な表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
【
図3】表示装置のエッチング処理について示す図である。
【
図5】別の実施形態におけるエッチング処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここから、
図1を用いて本発明の一実施形態に係る表示装置について説明する。
図1は、有機ELパネル10の概略側面図である。有機ELパネル10は、ポリイミド膜12、透明電極層14、発光層16および封止層18を有している。
【0015】
ポリイミド膜12は、有機ELパネル10の第1の主面を構成する基板であり、7〜30μmの厚みを有することが好ましい。ポリイミド膜12は特許請求の範囲の有機樹脂膜に相当する。本実施形態では、有機樹脂膜としてポリイミドを使用しているが、成膜プロセスの処理温度に耐えられる樹脂膜であれば、特に制限はない。
【0016】
ポリイミド膜12上には、透明電極層14および発光層16が順次積層されている。透明電極層14としては、公知の低温ポリシリコン膜を形成することが好ましい。発光層16は、正孔輸送層、有機EL素子、電子輸送層等の機能層が含まれる。透明電極層14および発光層16は、特許請求の範囲の表示素子に相当する。封止層18は発光層16を被覆し、有機EL素子等が外気の水分や酸素に曝されて劣化することを防止するように構成される。通常、封止層18は、組成の異なる樹脂膜が積層されることによって形成される。本実施形態では、5層の封止層によって薄膜封止を行っているが、封止層18の構成は適宜変更することが可能である。この有機ELパネル10は、封止層18が配置されている側から画像を視認するように構成されたトップエミッション方式である。
【0017】
ここから、
図2(A)〜(C)を用いて、有機ELパネル10の製造方法について説明する。まず、
図2(A)に示すように、支持ガラス20上にポリイミド膜12を形成する。支持ガラス20は、300〜700μmの厚みを有するガラス基板である。支持ガラス20としては、無アルカリガラスやソーダガラスを使用することができるが、特に限定されない。ジメチルアセトアミドやメチルピロリドン等の溶媒で溶解されたポリイミド前駆体を支持ガラス20上に塗布する。ポリイミド前駆体はスリットコータやロールコータ等の塗布装置で塗布することができる。この際、ポリイミド膜12の厚さが7〜30μmになるように塗布されることが好ましい。ポリイミド前駆体は、所定温度まで昇温された乾燥炉内に投入されることによって硬化処理が行われる。また、支持ガラス20上にポリイミド膜12を塗布する前に密着力を増加させるためのプライマー層や後述のエッチング処理時に表示素子への影響を防止するためのバリア層を形成しても良い。
【0018】
ポリイミド膜12が形成された後に、ポリイミド膜12上に透明電極層14を形成する。本実施形態では、低温ポリシリコン膜をスパッタリング等の公知の方法でポリイミド膜12上に形成する。透明電極層14の上部には、発光層16を形成する(
図2(B)参照。)。発光層16は、有機材料を蒸着方式やインクジェット方式等の公知の手段を用いて形成することが可能である。なお、発光層16は、有機材料による発光層だけではなく、正孔輸送層や電子輸送層も含まれており、本実施形態では透明電極層14上に正孔輸送層、発光層、電子輸送層が順次積層されている。
【0019】
透明電極層14および発光層16は、複数の封止層18が積層されることによって被覆される(
図2(C)参照。)。封止層18は、ガスバリア性を有する樹脂膜であり、発光層16の気密性および水密性を保つように構成される。封止層18は無機膜および有機膜を交互に積層することによって、より効果的に発光層16を保護することが可能である。本実施形態では、5層の封止層によって薄膜封止を行っているが、積層構造は適宜変更することが可能である。
【0020】
封止層における無機膜としては、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化炭素、窒化炭素、酸化アルミニウム等を使用することができる。有機膜としては、ポリエステル、メタクリル、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、シクロオレフィルンコポリマー、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等を使用することができる。なお、これらの封止層は、表示装置の視認性を確保するために全光透過率が90%以上であることが好ましい。
【0021】
ここから、
図3(A)および
図3(B)を用いて、薄膜封止された有機ELパネル10の支持ガラス20の除去処理について説明する。支持ガラス20の除去は、エッチング液を支持ガラス20と接触させるエッチング処理によって行われる。
【0022】
まず、エッチング処理を行う前に、封止層18を保護フィルム22によって被覆する。保護フィルム22は、エッチング液に対して耐性のある部材で構成されており、少なくともフッ酸に対する耐性を有している。なお、本実施形態では、フィルム部材で保護をしているが、耐エッチング性レジスト材を用いて被覆することも可能である。最表面に配置されている封止層18が耐フッ酸性を有している場合は、保護フィルム22を使用しなくてもよい。また、保護フィルム22の密着性が強すぎると、エッチング後に保護フィルム22を剥離する際に発光層18が同時に剥がれてしまうおそれがある。そのため、剥離時に発光層18に負荷がかからないように、封止層18と保護フィルム22の間に剥離シート(不図示)を配置することが好ましい。剥離シートとしては、密着力のないフィルム状の樹脂を使用することができる。剥離シートを配置する場合は、有機ELパネル10の中央部のみに配置し、周縁部は封止層18と保護フィルム22が密着するようにする。
【0023】
また、
図3(A)に示すように、保護フィルム22によって有機ELパネル10の端面まで被覆することが好ましい。保護フィルム22の密着力が十分でない場合、端面保護は別の保護部材を使用してもよい。端面の保護部材としては、耐エッチングを有する紫外線硬化樹脂や熱硬化型樹脂を使用することができる。このような樹脂材を使用する場合は、有機ELパネル10の主表面に保護フィルム22を形成した後に端面に樹脂を塗布し、適宜硬化処理を行う。有機ELパネル10の主表面は、ポリイミド膜12および封止膜18によって保護されているが、側面からのガスや水分の浸入に対する保護は十分ではないおそれがある。特に、ポリイミド膜12および封止層18の界面は十分な保護が難しいため、上記のような保護部材を用いて保護することが好ましい。
【0024】
支持ガラス20をエッチングするためには、
図4(A)に示すような枚葉式のエッチング装置30を使用することが好ましい。エッチング装置30は、少なくとも搬送ローラ32およびスプレーユニット34を有している。搬送ローラ32は、エッチング装置30の長さ方向に沿って配置されており、有機ELパネル10を搬送するように構成される。この際、支持ガラス20が搬送ローラ32と接触するように載置される(
図4(B)参照。)。
【0025】
スプレーユニット34は、搬送ローラ32の下方向に配置されており、支持ガラス20に向かってエッチング液を噴射するように構成される。スプレーユニット34は、支持ガラス20に対して均一にエッチング液を噴射するように複数の噴射ノズルを有している。エッチング液としては、支持ガラス20は溶解するが、ポリイミド膜12は溶解しないものが好ましい。本実施形態では、少なくともフッ酸を含むエッチング液を使用しているが、フッ酸以外にも必要に応じて塩酸等の無機酸や界面活性剤が添加されていてもよい。
【0026】
なお、エッチング装置の搬入部と搬出部に近い位置に配置されているスプレーユニットからは洗浄液が噴射され、支持ガラス20を洗浄するように構成されることが好ましい。本実施形態の洗浄液は、市水を使用しているが、これには限定されない。
【0027】
エッチング装置30に投入された支持ガラス20は、搬送ローラ32によって水平方向に搬送されながら、スプレーユニット34から噴射されるエッチング液を噴射されることによってエッチングされる。本実施形態では、下向きに配置された支持ガラス20に対して下方からエッチング液を噴射することにより、有機ELパネル10に必要以上にエッチング液が接触することを防止している。エッチング液は支持ガラス20と接触すると、そのまま落下し、不図示の回収槽等に収容される。
【0028】
また、エッチング液の噴射圧力やスプレーユニット34と有機ELパネル10の距離は適宜調整することが可能であり、支持ガラス20以外の領域にエッチング液が飛散しないように構成される。エッチング液が有機ELパネル10と長時間接触すると、エッチング液の水分が徐々に浸透し、発光層16が水分により劣化するおそれがある。このため、封止層18の層数を増やしたりすることによって発光層16をより確実に保護しなければならず、余分なコストがかかったり、有機ELパネル10の板厚が増加するといった不具合が発生する。
【0029】
支持ガラス20は徐々に薄型化されていき、
図3(B)に示すようにポリイミド膜12が全て露出するまでエッチングされる。エッチング処理の際は、支持ガラス20が全てエッチングされるタイミングと有機ELパネル10がエッチング装置から搬出されるタイミングが同程度になるように、エッチング液のフッ酸濃度、噴射圧力や搬送速度を適宜調整する。また、有機ELパネル10は、搬送ローラ32によって下方から支持されながら搬送されているため、支持ガラス20が全て溶解しても安定して取扱うことが可能である。
【0030】
なお、ポリイミド膜12は、フッ酸に対する耐性と高いガスバリア性を有しているため、ポリイミド膜12が露出した状態でエッチング処理がしばらく継続されたとしても、ポリイミド膜12が汚損することはなく、透明電極層14や発光層16は保護される。しかし、それでも表示素子が劣化するおそれがある場合は、支持ガラス20とポリイミド膜12の間にバリア層を形成しておくことが好ましい。バリア層とポリイミド膜12の積層構造により、より確実に発光層16を保護することができる。バリア層は、ポリイミド前駆体の塗布前に支持ガラス20の第1の主面上に形成することができる。
【0031】
保護フィルム22はエッチング処理が行われた後に剥離される。保護フィルム22は、物理的な力を加えることによって剥離することが可能である。レジスト材を使用する場合は、剥離液に浸漬して剥離することが可能であるが、表示素子に影響を及ぼさないように短時間で処理すべきである。なお、有機ELパネル10の周縁部は、後工程において除去される非製品領域であるため、端面を樹脂等で保護した場合であっても、エッチング処理後に端面に塗布された保護材を除去する必要はない。
【0032】
万が一、支持ガラス20を除去したことにより搬送中に有機ELパネル10が撓むといった不具合が発生する場合は、エッチング液の噴射圧力を低下させたり、搬送ローラ32の間隔を狭めたりすれば良い。エッチング装置の調整が困難な場合は、
図5に記載のように保護フィルム22の代わりに耐酸性を有する支持基板24を配置することができる。支持基板24は、支持ガラス20がなくなったとしても、有機ELパネル10の剛性を確保することができるように保護フィルム22よりも厚いものが使用され、搬送中に有機ELパネル10が撓むことを防止する。支持基板としては、厚みが500μm以上のポリ塩化ビニルやテフロン(登録商標)コーティングが施された樹脂基板を使用することができる。なお、支持基板24は、保護フィルム22の上部に配置することも可能である。支持基板24は、エッチング処理後に有機ELパネル10から剥離される。
【0033】
このような表示装置は通常、大型基板に複数の表示装置が面取りされた状態で製造される場合が多い。この場合、エッチング処理後に大型基板から各基板に分断する処理を行う。分断処理は、スクライブ装置やレーザ装置等を使用することが可能である。支持ガラス20はエッチング処理によって除去されているため、従来の樹脂基板の分断に使用していたレーザ装置を使用しても容易に分断することができる。
【0034】
この構成では、従来の製造プロセスをほとんど変更する必要もなく、フレキシブルディスプレイを製造することを可能にしている。また、エッチング処理は基板の大きさが変化しても処理時間はほとんど変わらないため、将来的に更なる大型基板で製造する際にも生産効率を落とさずに処理することができる。
【0035】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0036】
10‐有機ELパネル
12- ポリイミド膜
14‐透明電極層
16- 発光層
18‐封止層
20‐支持ガラス
22-保護フィルム
24-支持基板
30‐エッチング装置
32‐搬送ローラ
34‐スプレーユニット