特許第6283080号(P6283080)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283080
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】スライドレール装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/57 20170101AFI20180208BHJP
   A47B 88/423 20170101ALI20180208BHJP
【FI】
   A47B88/16 A
   A47B88/04 A
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-186639(P2016-186639)
(22)【出願日】2016年9月26日
(65)【公開番号】特開2017-131622(P2017-131622A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2017年1月12日
(31)【優先権主張番号】105102998
(32)【優先日】2016年1月29日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 建立
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】 大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3183957(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3173758(JP,U)
【文献】 特開2003−334122(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0096340(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部ブラケット、第一レール、緩衝部材、第二レール、及び嵌着部材を備えるスライドレール装置であって、
前記前部ブラケットは穴を有し、
前記第一レールは、前記前部ブラケットに可動状態で取り付けられ、前記第一レールはストッパーを備え、
前記緩衝部材は、前記第一レールに固定状態で取り付けられ、前記緩衝部材は開口内に配置され、
前記第二レールは、前記第一レールに相対してスライドし、
前記嵌着部材は前記第二レールに配置され、前記嵌着部材は第一レールの前記ストッパー方向に対応し、
前記第二レールが前記第一レールに相対して閉じ位置から第一延伸位置へ移動する時、前記第二レールの一部分は前記第一レールの前端から突き出し、
前記第二レールが前記第一レールに相対して前記第一延伸位置から第二延伸位置へ移動する時、前記嵌着部材が前記第一レールの前記ストッパーを圧することで、前記第一レールは前記前部ブラケットに相対して第一位置から第二位置へと移動し、前記緩衝部材が前記前部ブラケットの前記穴の内壁に接触することを特徴とするスライドレール装置。
【請求項2】
前記前部ブラケット或いは前記第一レールのいずれか一つにガイド部が設けられ、前記ガイド部は設定した長さを有し、
前記前部ブラケットと前記第一レールとは連結部材を用いて前記ガイド部と連結させられることで、前記第一レールを前記前部ブラケットに相対して前記第一位置から前記第二位置へと移動させることを特徴とする請求項1記載のスライドレール装置。
【請求項3】
前記第一レールには前記ガイド部を設置するためのへこみ溝が設けられ、前記ガイド部は設定した長さを有し、前記前部ブラケットと前記第一レールとは連結部材を用いて前記ガイド部と連結させられることで、前記第一レールを前記前部ブラケットに相対して前記第一位置から前記第二位置へとスライドさせることができ、前記へこみ溝は深さを有し、前記連結部材は前記へこみ溝に配置される端部を有し、前記端部の厚みは前記深さ以下とすることを特徴とする請求項1記載のスライドレール装置。
【請求項4】
前記第一レールは結合部を有し、前記結合部は少なくとも一部分が前記前部ブラケットの前記穴に挿入され、前記緩衝部材は前記結合部に固定した状態で取り付けられることを特徴とする請求項1記載のスライドレール装置。
【請求項5】
前記緩衝部材は、前記結合部に固定した状態で被嵌させる挿入孔を有することを特徴とする請求項4記載のスライドレール装置。
【請求項6】
前記嵌着部材は前記第二レールに軸着し、前記嵌着部材に対して弾力作用を起こす弾性部材を備えることで、前記嵌着部材を前記第一レールの前記ストッパー方向に対応させることを特徴とする請求項1記載のスライドレール装置。
【請求項7】
前記スライドレール装置は、前記第二レールを可動状態で連結させる解除部材をさらに備え、前記解除部材、前記嵌着部材の少なくとも一つに傾斜ガイド面を有し、前記傾斜ガイド面は、前記嵌着部材が前記第二レールに相対して一角度に傾くようガイドし、前記第一レールの前記ストッパーから離脱させるのに用いられることを特徴とする請求項6記載のスライドレール装置。
【請求項8】
第一支柱、第二支柱間に取り付けられるスライドレール装置は、前部ブラケット、後部ブラケット、第一レール、緩衝部材、第二レール、及び嵌着部材を備えるスライドレール装置であって、
前記前部ブラケットは前記第一支柱に取り外し可能状態で取り付けられ、前記前部ブラケットは穴を有し、
前記後部ブラケットは前記第二支柱に取り外し可能状態で取り付けられ、
前記第一レールは、前記前部ブラケットに可動状態で連結し、前記第一レールはストッパーを備え、
前記緩衝部材は、前記第一レールに固定状態で取り付けられ、前記緩衝部材は開口内に配置され、
前記第二レールは、前記第一レールに相対してスライドし、
前記嵌着部材は前記第二レールに設置されており、前記嵌着部材は前記第一レールの前記ストッパー方向に対応し、
前記第二レールが前記第一レールに相対して閉じ位置から第一延伸位置へと移動する時、前記第二レールの一部分は前記第一レールの前端から突き出し、
前記第二レールが前記第一レールに相対して第一延伸位置から第二延伸位置へと移動する時、前記嵌着部材が前記第一レールの前記ストッパーを圧することで、前記第一レールは前記前部ブラケットに相対して第一位置から第二位置へと移動し、前記緩衝部材が前記前部ブラケットの穴の内壁に接触することを特徴とするスライドレール装置。
【請求項9】
前記前部ブラケット或いは前記第一レールのいずれか一つにガイド部が設けられ、前記ガイド部は設定した長さを有し、前記前部ブラケットと前記第一レールとは連結部材を用いて前記ガイド部と連結させられることで、前記第一レールを前記前部ブラケットに相対して前記第一位置から前記第二位置へと移動させることを特徴とする請求項8記載のスライドレール装置。
【請求項10】
前記第一レールには前記ガイド部を設置するためのへこみ溝が設けられ、前記ガイド部は設定した長さを有し、前記前部ブラケットと前記第一レールとは連結部材を用いて前記ガイド部と連結させられることで、前記第一レールを前記前部ブラケットに相対して前記第一位置から前記第二位置へとスライドさせることができ、前記へこみ溝は深さを有し、前記連結部材は前記へこみ溝に配置される端部を有し、前記端部の厚みは前記深さ以下とすることを特徴とする請求項8記載のスライドレール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嵌着部材の受ける衝撃力を緩和させることのできるスライドレール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の引き出しシステム、ラックシステム、それらに類似するシステムに使用されるスライドレールは主に、可動レール部材及び固定レール部材を備え、可動レール部材は引き出し、サーバー、それに類似する物に連結させ、固定レール部材は筐体、ラック、それに類似する物に連結させる。可動レール部材を完全に引き出した時に離脱させないようにするため、或いは一時的にロックを解除し可動レール部材を取り外す時のために、通常、可動レール部材には軸回転する嵌着部材を設け、固定レール部材にはストッパーを設けて、可動レール部材を引き出した時に嵌着部材とストッパーが互いに圧するように設計されている。Lammensによる特許文献1、Parvinによる特許文献2及びKen−Ching Chenらによる特許文献3では、嵌着部材とストッパーの関連技術が開示されており、本発明の参考文献とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許US6、817、685B2号明細書
【特許文献2】米国特許US5、255、983A号明細書
【特許文献3】米国特許US8、919、897B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Parvinによって開示された特許文献2では、嵌着部材を圧縮変形可能な形態に設計しており、可動レール部材を完全に引き出した時に嵌着部材がストッパーとぶつかって生じる衝撃力を吸収し、衝撃力及び音を低減させている。しかし、衝撃力の吸収が嵌着部材だけによるため、嵌着部材の損傷が容易に引き起こされるという欠点が残る。
【0005】
本発明は、ストッパー機能の緩衝設計に関し、スライドレールを引き出した後に位置固定のために用いられる嵌着部材の受ける衝撃力を軽減できるスライドレール装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一のスライドレール装置は、前部ブラケット、第一レール、緩衝部材、第二レール、及び嵌着部材を備える。前部ブラケットは穴を有する。第一レールは、前部ブラケットに可動状態で取り付けられ、第一レールはストッパーを備える。緩衝部材は、第一レールに固定状態で取り付けられ、緩衝部材は開口内に配置する。第二レールは、第一レールに相対してスライドする。嵌着部材は第二レールに設置され、嵌着部材は第一レールのストッパー方向に対応する。第二レールが第一レールに相対して閉じ位置から第一延伸位置へ移動する時、第二レールの一部分が第一レールの前端から突き出す。第二レールが第一レールに相対して第一延伸位置から第二延伸位置へ移動する時、嵌着部材が第一レールのストッパーを圧することで、第一レールは前部ブラケットに相対して第一位置から第二位置へと移動する。緩衝部材が前部ブラケットの穴の内壁に接触する。
【0007】
本発明の第二のスライドレール装置は、第一支柱、第二支柱間に取り付けられる。スライドレール装置は、前部ブラケット、後部ブラケット、第一レール、緩衝部材、第二レール、及び嵌着部材を備える。前部ブラケットは第一支柱に取り外し可能状態で取り付けられ、前部ブラケットは穴を有する。第一レールは、前部ブラケットに可動状態で連結され、第一レールはストッパーを備える。緩衝部材は、第一レールに固定状態で取り付けられ、緩衝部材は開口内に配置される。第二レールは、第一レールに相対してスライドする。嵌着部材は、第二レールに配置され、嵌着部材は第一レールのストッパー方向に対応する。第二レールが第一レールに相対して閉じ位置から第一延伸位置へと移動する時、第二レールの一部分は第一レールの前端から突き出す。第二レールが第一レールに相対して第一延伸位置から第二延伸位置へと移動する時、嵌着部材が第一レールのストッパーを圧することで、第一レールは前部ブラケットに相対して第一位置から第二位置へと移動する。緩衝部材が前部ブラケットの穴の内壁に接触する。
【0008】
前部ブラケット或いは第一レールの30のいずれか一つにガイド部が設けられる。ガイド部は設定した長さを有する。前部ブラケットと第一レールとは連結部材を用いてガイド部と連結させられることで、第一レールを前部ブラケットに相対して第一位置から第二位置へとスライドさせることができる。
【0009】
第一レールにはガイド部を設置するためのへこみ溝が設けられ、ガイド部は設定した長さを有する。前部ブラケットと第一レールとは連結部材を用いてガイド部と連結させられることで、第一レールを前部ブラケットに相対して第一位置から第二位置へとスライドさせることができる。へこみ溝は深さを有する。連結部材はへこみ溝に配置される端部を有し、端部の厚みは深さ以下とする。
【0010】
第一レールは結合部を有する。結合部は少なくとも一部分が前部ブラケットの穴に挿入され、緩衝部材は結合部に固定した状態で取り付けられる。
【0011】
緩衝部材は、結合部に固定した状態で被嵌させられる挿入孔を有する。
【0012】
嵌着部材は、第二レールに軸着し、嵌着部材に対して弾力作用を起こす弾性部材を用いて、第一レールのストッパーに向かって対応させられる。
【0013】
スライドレール装置は、第二レールに可動状態で連結させる解除部材をさらに備える。解除部材、嵌着部材の少なくとも一つに傾斜ガイド面を備え、傾斜ガイド面は、嵌着部材が第二レールに相対して一角度に傾くようガイドし、第一レールのストッパーから離脱させるのに用いられる。
【0014】
本発明の一実施形態の特徴の一つを説明する。第二レールを引き出した後、嵌着部材が第一レールのストッパーを圧して衝撃力を生じさせる時、第二レールが第一レールを連動し、前部ブラケットに相対して移動することで、緩衝部材が前部ブラケットの穴の内壁にぶつかって嵌着部材が受ける衝撃力を吸収する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態によるスライドレール装置を第一支柱、第二支柱間に取り付けた状態を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるスライドレール装置の分解図である。
図3】本発明の一実施形態による第一レールと前部ブラケットを組み合わせた外観図である。
図3A】本発明の一実施形態による第一レールと前部ブラケットの要部断面図である。
図4】本発明の一実施形態による第二レール、嵌着部材、解除部材の分解図である。
図5】本発明の一実施形態による第一レールに相対する第二レールが閉じ位置にあることを示す図である。
図6】本発明の一実施形態による第一レールに相対する第二レールが第一延伸位置まで移動したことを示す図である。
図7】本発明の一実施形態による第一レールに相対する第二レールが第二延伸位置まで移動したことを示す図である。
図8図7の要部拡大図であり、嵌着部材の第一端が第一レールのストッパーを圧した状態を示した図である。
図9】本発明の一実施形態による前部ブラケットに相対する第一レールが第一位置にあることを示す図である。
図10】本発明の一実施形態による前部ブラケットに相対する第一レールが第二位置まで移動したことを示す図である。
図10A図10の要部拡大図であり、緩衝部材が前部ブラケットの穴の内壁にぶつかった状態を示す図である。
図11】本発明の一実施形態による解除部材に外力が加えられ、解除部材が軸方向に移動することを示す図である。
図12】本発明の一実施形態による嵌着部材の第一端が第二レールに相対して一角度に偏った状態を示す図である。
図13】本発明の一実施形態による第二レールを取り外したことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(一実施形態)
図1は、本発明の一実施形態によるスライドレール装置20を第一支柱22、第二支柱24間に取り付けた状態を示した図であり、図2は、スライドレール装置の分解図である。スライドレール装置20は、前部ブラケット26、後部ブラケット28、第一レール30、緩衝部材32、第二レール34、及び嵌着部材36を備える。前部ブラケット26は第一支柱22に取り外し可能状態で取り付けて位置を固定し、後部ブラケット28は前部ブラケット26に可動状態で取り付けられ、しかも後部ブラケット28は第二支柱24に取り外し可能状態で取り付けられる。取り付けて使用する上で、後部ブラケット28は取り付け要求に応じ、前部ブラケット26に相対して伸縮長さを調整することができる。前述のようにして、スライドレール装置20は第一支柱22、第二支柱24間に取り付られける。
【0017】
図2を参照する。本発明の一実施形態における第一レール30は、軸方向の長さを有する。また、第一レール30は、一対の辺壁38、及び辺壁38間に連結される側壁40を備え、辺壁38及び側壁40の内側によって軸方向通路42を形成する。第一レール30はストッパー44、複数のガイド部46、及び結合部48をさらに備え、ストッパー44は軸方向通路42に対応する。本実施形態での第一レール30は、ベース50を備え、ベース50は第一レール30の前端に固定状態で連結される。本実施形態でのストッパー44はベース50上に備えられ、第一レール30の一部分であるが、この実施形態に制限されないものとする。ここでは図示されていない別の実施形態では、ストッパー44は側壁40から延伸されるものとするが、第一レール30にストッパー44を備えさせることを主な目的とするならば、いかなる形態でもよいものとする。
【0018】
図2及び図3を参照する。各ガイド部46は、本実施形態では長孔である。長孔は設定した長さを有し、その長孔に貫通される連結部材52は、前部ブラケット26に固定状態で連結されることで、第一レール30は前部ブラケット26に相対して長孔の有限空間内を軸方向にスライドする。だが、実施形態はこれに制限されないものとする。ここでは図示されていない別の実施形態では、前部ブラケット26に長孔を備えさせるが、第一レール30が前部ブラケット26に相対してスライドすることを主な目的とするならば、いかなる形態でもよいものとする。
【0019】
図3及び図3Aを参照する。最も好ましくは、第一レール30は複数のへこみ溝54を更に有し、各へこみ溝54にはガイド部46が設置される。へこみ溝54は深さDを有し、連結部材52にはへこみ溝54に位置する端部56を備えさせ、端部56の厚みdは深さDより薄いか等しくする。
【0020】
図2及び図3を参照する。結合部48は緩衝部材32を結合するのに用いられる。具体的には、結合部48は、例えば、第一レール30よりプレス方式で形成され、前部ブラケット26に向かって延伸される片体である。片体は、少なくとも一部分を前部ブラケット26の穴58に挿入させる。緩衝部材32は結合部48に固定状態で被嵌する挿入孔60を有する。固定方式は、例えば挿入孔60の孔径を片体の厚みより若干小さくする、粘着剤を用いる、嵌着固定させる等のいかなる方式でもよく、実施形態には制限を設けない。
【0021】
図2を参照する。第二レール34は第一レール30の軸方向通路42に対応させる。第二レール34は第一壁62、第二壁64、及び第一壁62と第二壁64間に延伸される軸方向本体66を備える。第一壁62及び第二壁64はそれぞれ第一レール30の辺壁38に対応し、第一壁62、第二壁64、軸方向本体66の三者によって通路68が形成される。最も好ましくは、第一レール30と第二レール34間にスライドヘルパー69を備える形態である。これによって、第一レール30とそれに相対する第二レール34間のスライドを容易にすることができる。
【0022】
図2及び図4を参照する。嵌着部材36は第二レール34に設置され、通路68に位置させる。嵌着部材36は第一レール30のストッパー44に対応している。詳細すると、嵌着部材36は、例えば結合部材70等を第二レール34に軸着させる。嵌着部材36は対応する第一端72及び第二端74を有し、第一端72は第一レール30のストッパー44に対応させ、第一端72は弾性部材76の弾力作用を受け、設定する初期位置に位置させる。最も好ましくは、第二レール34に可動状態で連結される解除部材78をさらに備える。解除部材78及び嵌着部材36の第二端74の少なくとも一つには傾斜ガイド面80が設けられる。傾斜ガイド面80は、嵌着部材36の第一端72を第二レール34に対して一角度に偏るよう案内するのに用いられる。本実施形態において、第二レール34は、例えば複数の固定部材83を座体84に固定するよう結合させる。座体84と弾性部材76とは一体に結合させ、通路68に配置される。座体84は、例えばリベット接合、螺着、嵌着等の結合方式によって第二レール34に固定状態で連結させられる。これにより、座体84は第二レール34の一部分とみなされる。解除部材78は座体84と第二レール34の軸方向本体66間に位置させ、座体84の拘束を受け、第二レール34に相対してスライドするが、実施形態はこれの限りではない。図示されていない別の実施形態は、第二レール34にスライド溝を成形し、解除部材78を第二レール34に可動状態で連結するものである。
【0023】
図5及び図6は、第二レール34を第一レール30に相対して閉じ位置P0から第一延伸位置P1に移動させた状態を示す。この時、第二レール34の一部分は第一レール30の前端を超えている。
【0024】
図7及び図8は、第一レール30に相対する第二レール34を第一延伸位置P1から第二延伸位置P2に移動させた状態を示す。この時、嵌着部材36の第一端72が第一レール30のストッパー44に圧力をかけて衝撃力が生み出される。次に、図9図10図10Aを参照する。第二レール34によって前部ブラケット26に相対する第一レール30は第一位置S1から第二位置S2へと移動し、さらに、緩衝部材32が前部ブラケット26の穴58の内壁にぶつかることで、衝撃力が吸収される。
【0025】
図11及び図12は、操作者が第二レール34を第一レール30から取り外す時、解除部材78に外力Fを加えると、解除部材78は軸方向に移動し、解除部材78の傾斜ガイド面80によって嵌着部材36の第二端74が案内され、嵌着部材36の第一端72は第二レール34に相対して一角度に偏り、第一レール30のストッパー44から離脱する。これにより、第一レール30と第二レール34とが圧力をかけて定位した状態が解除され、第二レール34を取り外すことができる(図13参照)。
【0026】
前述において本発明の実施形態を開示したが、これらは本発明を限定するものではなく、本発明によって保護される範囲は特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0027】
20 スライドレール装置、
22 第一支柱、
24 第二支柱、
26 前部ブラケット、
28 後部ブラケット、
30 第一レール、
32 緩衝部材、
34 第二レール、
36 嵌着部材、
38 辺壁、
40 側壁、
42 軸方向通路、
44 ストッパー、
46 ガイド部、
48 結合部、
50 ベース、
52 連結部材、
54 へこみ溝、
56 端部、
58 穴、
60 挿入孔、
62 第一壁、
64 第二壁、
66 軸方向本体、
68 通路、
69 スライドヘルパー、
70 結合部材、
72 第一端、
74 第二端、
76 弾性部材、
78 解除部材、
80 傾斜ガイド面、
83 固定部材、
84 座体、
d 厚み、
D 深さ、
P0 閉じ位置、
P1 第一延伸位置、
P2 第二延伸位置、
S1 第一位置、
S2 第二位置、
F 外力。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図10A
図11
図12
図13