(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6283087
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】多管式熱交換器
(51)【国際特許分類】
F24D 3/00 20060101AFI20180208BHJP
F24D 3/10 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
F24D3/00 A
F24D3/10 A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-220455(P2016-220455)
(22)【出願日】2016年11月11日
【審査請求日】2016年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】516061300
【氏名又は名称】三久股ふん有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 榮郎
【審査官】
藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−156594(JP,A)
【文献】
特開昭59−074437(JP,A)
【文献】
実開昭61−149061(JP,U)
【文献】
特開平09−089232(JP,A)
【文献】
特開2001−254901(JP,A)
【文献】
特開平06−213482(JP,A)
【文献】
特開2004−198022(JP,A)
【文献】
特開2000−249483(JP,A)
【文献】
特開昭63−091459(JP,A)
【文献】
特開2001−323806(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0218683(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/00
F24D 3/10
F22B 1/18
F23B 60/00
F23C 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのボイラユニットを備える、加熱モジュールと、
前記加熱モジュールの一側に配置されると共に、少なくとも1つの補助ボイラを備える、補助モジュールと、
前記加熱モジュール及び補助モジュールに組み合わされ、内部に熱交換液を貯蔵する温度調整部と、第一配管部と、第二配管部を備え、該温度調整部が、ボイラユニット及び補助ボイラと連通するように設置され、該熱交換液によるボイラユニット及び補助ボイラからの熱エネルギーを吸収して温度調整部に送られ、該第一配管部が、温度調整部と加熱モジュールとの間に配管され、該第二配管部が、温度調整部と補助モジュールとの間に配管される、温度調整モジュールと、
前記温度調整モジュールと連接され、第三配管部及び使用端を備え、該第三配管部が、温度調整部と使用端とを連接するように取り付けられる、使用モジュールと、を有し、
また、前記各配管部がそれぞれ連通しない独立の循環ループであり、
前記各配管部における、温度調整部と連接する一端にそれぞれ、2重パイプ型の弁制御ユニットが設置され、該各弁制御ユニットは、2本の分流配管を備え、該分流配管にポンプ及び複数の制御弁が設置されることを特徴とする多管式熱交換器。
【請求項2】
前記加熱モジュールのボイラユニットの一側に予熱器が配置され、該予熱器は、その内部に送られた熱エネルギーの温度を調整し、温度が高過ぎる熱エネルギーのボイラユニットへの進入によりボイラユニットが破損することを防止することを特徴とする請求項1に記載の多管式熱交換器。
【請求項3】
前記温度調整部と予熱器とボイラユニットとの間に第一配管部を設置することにより封閉状態の循環ループを構成し、
前記温度調整部と補助ボイラと第二配管部との間に第二配管部を設置することにより封閉状態の循環ループを構成することを特徴とする請求項2に記載の多管式熱交換器。
【請求項4】
前記加熱モジュールにおけるボイラユニットの他側に煙突ユニットが配置され、該煙突ユニットは、ボイラユニットの上部と連接し、ボイラユニットからの熱エネルギー及び煙を案内して外部に排出し、熱空気を排出しながら冷空気を流入させ、また、該ボイラユニットの内部の圧力を調整して、高圧力による事故の発生を防止することを特徴とする請求項2または3に記載の多管式熱交換器。
【請求項5】
前記温度調整モジュールと連接することにより使用モジュールの温度を調整する冷却モジュールを有し、該冷却モジュールの一端が、弁制御ユニットを介して温度調整モジュールの温度調整部と連接し、他端が第四配管部を介して温度調整部と連接することによって、独立した循環ループを構成することを特徴とする請求項1または4に記載の多管式熱交換器。
【請求項6】
前記ボイラユニット及び補助ボイラがそれぞれ蒸気式ボイラまたは温水式ボイラであることを特徴とする請求項1または5に記載の多管式熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に多段階で熱交換を行うボイラ熱交換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存のボイラ熱交換装置は、日常生活において広く使用されており、冷却や加熱、更に廃熱を再利用することができる。また、既存のボイラ熱交換機は、加熱端末及び使用端を備え、加熱端末と使用端との間に単管式配管システムが設置され、実際の実施例においては、加熱端末がボイラであり、使用端が温室である。すなわち、ボイラを用いて熱エネルギーを発生させて、両方を連接する配管から温室に送り、熱交換を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾登録実用新案第M332800号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、既存のボイラ熱交換装置によれば、加熱端末のボイラが使用端の温室に熱エネルギーを提供することができるが、単一システムだけで熱エネルギーを伝えることから、配管システムが故障すると、代わりのシステムを有してなく、使用上非常に不便であり、コストも増加する。
【0005】
また、単一システムは、単一の熱源しか入力しないため、他の熱源と連接して、複数の異なる加熱端末からの熱エネルギーを利用することができない。そのため、他のタイプの熱源(例えば、蒸気と温水、或いは、バイオマス燃料と石油燃料)を利用することができないことから、代わりの熱源または伝達手段を有してなく、作業を行う時に、システムの予熱時間が無駄となるので、作業時間やコストが増えてしまう。
【0006】
以下の例に示すように、既存のボイラ熱交換装置は、バイオマス燃料を用いて熱エネルギーを発生させる場合、システムを駆動するための時間がより長くなり、所定の予熱時間が必要であるので、急に加熱しなければならない状況の時、短時間で十分な熱エネルギーを供給することができないことから、作業を順調に行うことができない。また、石油燃料を代わりの燃料として加熱してもよいが、環境に悪影響を与えるので、環境に優しくないとの問題を有する。
【0007】
また、既存の熱交換装置では、単一システムを用いて、複数の加熱端末からの熱源に対してそれぞれの稼動条件を設定する必要があり、そうしなければ、それぞれの熱エネルギーを利用することができない。故に、異なる熱源に対して単一のシステムしか使用できないことから、もう1つの温度調整構造を設置する必要があり、その温度調整構造によって、稼動条件を適宜に設定して異なるタイプの熱源を利用することができる。
【0008】
さらに、既存の熱交換装置は、加熱端末が単管式配管システムを介して熱エネルギーを使用端に伝える設計であり、加熱端末と使用端との間に緩和構造を有しない。そのため、加熱端末からの熱エネルギーが使用端の消費量より多ければ、温室などの使用端の温度が設定温度より高くなり、つまり、加熱端末の熱発生量と使用端の熱消費量とを整える効果を有しない。
一方、既存の熱交換装置は、単管式配管システムであることから、所定の使用期間ごとに機械を停止してメンテナンスを行う必要があるので、使用上非常に不便であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る多管式熱交換器は、
少なくとも1つのボイラユニットを備える、加熱モジュールと、
前記加熱モジュールの一側に配置されると共に、少なくとも1つの補助ボイラを備える、補助モジュールと、
前記加熱モジュール及び補助モジュールに組み合わされ、内部に熱交換液を貯蔵する温度調整部と、第一配管部と、第二配管部を備え、該温度調整部が、ボイラユニット及び補助ボイラと連通するように設置され、該熱交換液によるボイラユニット及び補助ボイラからの熱エネルギーを吸収して温度調整部に送られ、該第一配管部が、温度調整部と加熱モジュールとの間に配管され、該第二配管部が、温度調整部と補助モジュールとの間に配管される、温度調整モジュールと、
前記温度調整モジュールと連接され、第三配管部及び使用端を備え、該第三配管部が、温度調整部と使用端とを連接するように取り付けられる、使用モジュールと、を有し、
また、前記各配管部がそれぞれ連通しない独立の循環ループである。
【0010】
かかる多管式熱交換器において、前記各配管部における、温度調整部と連接する一端にそれぞれ、2重パイプ型の弁制御ユニットが設置され、該各弁制御ユニットは、2本の分流配管を備え、該分流配管にポンプ及び複数の制御弁が設置されることが好ましい。
【0011】
かかる多管式熱交換器において、前記加熱モジュールのボイラユニットの一側に予熱器が配置され、該予熱器は、その内部に送られた熱エネルギーの温度を調整し、温度が高過ぎる熱エネルギーのボイラユニットへの進入によりボイラユニットが破損することを防止することが好ましい。
【0012】
かかる多管式熱交換器において、
前記温度調整部と予熱器とボイラユニットとの間に第一配管部を設置することにより封閉状態の循環ループを構成し、
前記温度調整部と補助ボイラと第二配管部との間に第二配管部を設置することにより封閉状態の循環ループを構成することが好ましい。
【0013】
かかる多管式熱交換器において、前記加熱モジュールにおけるボイラユニットの他側に煙突ユニットが配置され、該煙突ユニットは、ボイラユニットの上部と連接し、ボイラユニットからの熱エネルギー及び煙を案内して外部に排出し、熱空気を排出しながら冷空気を流入させ、また、該ボイラユニットの内部の圧力を調整して、高圧力による事故の発生を防止することが好ましい。
【0014】
かかる多管式熱交換器において、前記温度調整モジュールと連接することにより使用モジュールの温度を調整する冷却モジュールを有し、該冷却モジュールの一端が、弁制御ユニットを介して温度調整モジュールの温度調整部と連接し、他端が第四配管部を介して温度調整部と連接することによって、独立した循環ループを構成することが好ましい。
【0015】
かかる多管式熱交換器において、前記ボイラユニット及び補助ボイラがそれぞれ蒸気式ボイラまたは温水式ボイラであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
前記の構造によれば、本発明の多管式熱交換器には、以下のメリットを有する。
1.多数の配管で切り替え可能:使用する時は、加熱モジュール及び使用モジュールが温度調整モジュールによる単一配管タイプの循環ループを用いて熱交換を行うことができるが、実際の需要によって、補助モジュールを同時に稼働して2重配管タイプの循環ループを用いて熱交換を行うこともでき、また、各循環ループが温度調整部と連接するようにそれぞれ独立的に稼働し、互いに干渉することはない。故に、各循環ループが互いに支援したり補助したりすることができ、配管が故障しても、他の配管に切り替えて熱エネルギーを送ることができることから、熱交換装置を停止する必要はないので、使用上の不便を解消でき、尚且つメンテナンスのコストも節約できる。
【0017】
2.予熱時間の短縮:加熱モジュールまたは補助モジュールが異なる熱エネルギーを提供できることから、予熱時間を短縮できると共に、熱エネルギーの消費量によって熱エネルギーの供給または量を切り替え調整できることから、時間またはコストも節約できる。
【0018】
3.温度調整の効果:加熱モジュールと、補助モジュールと、使用モジュールとの間に温度調整モジュールが設置されることから、大量の熱エネルギーを発生すると、温度調整モジュールにより高温の熱エネルギーを吸収して熱交換することができ、温室の温度の高過ぎを防止する。
【0019】
4.メンテナンスがし易い:長時間使用した後にメンテナンスまたは修理をする時、各配管にそれぞれ2重パイプ型の弁制御ユニットが設置されることから、該弁制御ユニットによる一方の分流配管を閉じて、他方の分流配管を開けるように調整し、稼働状態で配管を切り替えれば、熱交換器が正常に稼働しながら、修理やメンテナンス、部材の交換などの作業を同時に行うことができるので、使用上に利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】本発明の多管式熱交換器の位置配置説明図である。
【
図5】本発明の多管式熱交換器において、操作状態を示す説明図である。
【
図6】本発明の多管式熱交換器の他の実施例の位置配置説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の適切な実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
図1乃至
図5に示すように、本発明の多管式熱交換器は、加熱モジュール10と、補助モジュール20と、温度調整モジュール30と、使用モジュール40を有する。
【0023】
前記加熱モジュール10は、少なくとも1つのボイラユニット11を備え、該ボイラユニット11は、蒸気式ボイラまたは温水式ボイラであることが好ましい。また、該加熱モジュール10のボイラユニット11の一側に予熱器12が配置され、該予熱器12は、その内部に送られた熱エネルギーの温度を調整することができ、高温の熱エネルギーがボイラユニット11に送られてボイラユニット11が破損することを防止する。一方、前記熱エネルギーは、燃焼機またはバイオマス燃料を燃焼するための燃焼炉から発生し、前記加熱モジュール10のボイラユニット11における、予熱器12と反対する他側に煙突ユニット13が配置され、該煙突ユニット13は、ボイラユニット11の上部と連接され、ボイラユニット11からの熱エネルギー及び煙を案内して外部に排出する。すなわち、熱気を排出しながら冷気を流入させ、該ボイラユニット11の内部の圧力を調整して、高すぎる圧力による事故の発生を防止する。
【0024】
前記補助モジュール20は、加熱モジュール10の一側に配置され、少なくとも1つの補助ボイラ21を有し、該補助ボイラ21は、蒸気式ボイラまたは温水式ボイラである。
前記温度調整モジュール30は、加熱モジュール10及び補助モジュール20に組み合わされ、温度調整部31と、第一配管部32と、第二配管部33を備え、そのうち、温度調整部31は、ボイラユニット11及び補助ボイラ21と連通するように設置され、その内部に熱交換液が貯蔵され、該熱交換液がボイラユニット11及び補助ボイラ21からの熱エネルギーを吸収して温度調整部31に送る。前記第一配管部32は、温度調整部31と加熱モジュール10との間に配管されると共に、温度調整部31と予熱器12とボイラユニット11との間に第一配管部32が配管されることによって封閉状態の循環ループ(第一循環ループ)を構成し、前記第二配管部33は、温度調整部31と補助モジュール20との間に配管され、温度調整部31と補助ボイラ21と第二配管部33との間に第二配管部33が配管されることによって封閉状態の循環ループ(第二循環ループ)を構成し、さらに、前記温度調整モジュール30は、温度調整部31と連通すると共に、熱交換液を充填する熱交換液充填装置34を備える。
【0025】
前記使用モジュール40は、温度調整モジュール30と連接されると共に、第三配管部41及び使用端42を備え、そのうち、第三配管部41は、温度調整部31及び使用端42を連接するように取り付けられ、温度調整部31と使用端42との配管によって封閉状態の循環ループ(第三循環ループ)を構成する。尚、
図1に示すように、前記第一配管部32、第二配管部33、第三配管部41は、それぞれ連通しない独立の循環ループであり、その使用端42は、温室(Green House)であることが好ましい。
更に、その第一配管部32、第二配管部33、第三配管部41における温度調整部31と連接する一端にそれぞれ、2重パイプ型の弁制御ユニット50が取り付けられ、該各弁制御ユニット50はそれぞれ、2本の分流配管51を備え、該分流配管51にポンプ52及び複数の制御弁53が設置される。
この構造によれば、本発明に係る多管式熱交換器を定期点検またはメンテナンスをする場合、その弁制御ユニット50のうちの1本の分流配管51を閉じて、もう1本の分流配管51を開けることができるため、熱交換装置を正常に稼働させたまま部材を交換したり、メンテナンスをすることができる。
【0026】
図1及び
図5に示すように、本発明に係る多管式熱交換器の使用において、使用者が使用端42の温室に熱エネルギーを送る場合は、加熱モジュール10で発生させた熱エネルギーを、予熱器12により温度調節してからボイラユニット11に送り、続いて第一配管部32を介して温度調整部31へ送り、温度調整部31の内部の熱交換液と熱交換を行う。この時、加熱モジュール10から発生した熱エネルギーが予熱器12と、ボイラユニット11と、第一配管部32と、温度調整部31との第一循環ループで熱交換を行い、温度調整部31の熱交換液が加熱モジュール10からの熱エネルギーを吸収すると、熱エネルギーが第三配管部41を通って使用端42へ供給し、ボイラユニット11の熱発生量が使用端42の熱消費量よりも多いと、余った熱エネルギーを温度調整部31の熱交換液により吸収して熱交換することから、大量の熱エネルギーを使用端42に送る必要はないと共に、第三配管部41の温度が高温になりすぎることもない。すなわち、その温度調整部31と第三配管部41と使用端42によって、第三循環ループを構成し、熱交換を行うことができる。また、その第一循環ループと第三循環ループとは、温度調整部31を介して熱エネルギーを伝えるが、それぞれが独立した循環ループで互いに影響を及ぼすことはない。
【0027】
また、使用者が、使用端42が温度不足または熱エネルギーの供給不足であると判断した場合には、補助モジュール20の補助ボイラ21を駆動させて、第二配管部33による補助ボイラ21から発生した熱エネルギーを温度調整部31に送り、温度調整部31の内部の熱交換液が多くの熱エネルギーを吸収すると共に、補助ボイラ21と第二配管部33と温度調整部31との第二循環ループにおいて熱交換を行う。これにより、熱エネルギーを、第三配管部41を介して使用端42に送ることができることから、熱エネルギーの供給が不足となる問題を解決できる。このように、使用者が場合に応じて所望の温度によって熱エネルギーを適当な供給量に調整できることから、熱エネルギーが多く必要な時は、大量の熱エネルギーを供給するように調整すればよく、また、その第二循環ループと第三循環ループとは、それぞれ独立的に稼動するので、温度調整部31による熱エネルギーが互いに干渉することはない。
【0028】
故に、本発明の多管式熱交換器は、使用端42の需要に応じて、加熱モジュール10から発生した熱エネルギーを、温度調整モジュール30から使用モジュール40へ送り、単一配管タイプで熱交換を行うが、実際の状況により、補助モジュール20を駆動させて2重配管タイプで熱交換を行ってもよい。また、それらの循環ループはそれぞれ独立的に稼動することから、互いに干渉することはないと共に、それぞれが温度調整部31により連接されることから、互いに支援したり補助したりして、循環ループを効率的に使用することができる。
【0029】
さらに、加熱モジュール10と、補助モジュール20と、使用モジュール40との間に、温度調整モジュール30が設置されることから、熱エネルギーを大量に発生させる場合、余った熱エネルギーを温度調整モジュール30によって吸収して緩和させるので、温室の温度が高くなり過ぎることを防止できる。
本発明の多管式熱交換器では、それらの配管32、33、41がそれぞれ温度調整部31と連接する一端に弁制御ユニット50が設置されることから、長時間使用した後に温度調整部修理またはメンテナンスを行う場合、弁制御ユニット50による一方の分流配管51を閉じて、他方の分流配管51を開放するように調整し、稼働状態で配管を切り替えることにより、熱交換器を正常に稼働させた状態で、修理やメンテナンス、部材の交換などの作業を同時に行うことができる。
故に、本発明の多管式熱交換器によれば、多配管式の設計により、修理またはメンテナンスが不便であった従来の問題を改善できると共に、配管の切り替えが簡単で、且つ短時間で予熱可能であり、有効的な緩和効果も発揮できる。
【0030】
さらに、
図6に示すように、本発明の多管式熱交換器は、使用者の需要に応じて、温度調整モジュール30と連接することにより使用モジュール40(例えば、温度)を調整する冷却モジュール60が設置されるので、使用モジュール40における使用端42の温度を調整することができる。即ち、その冷却モジュール60の一端が、弁制御ユニット50を介して温度調整モジュール30の温度調整部31に連接され、該冷却モジュール60の他端が第四配管部を介して温度調整部31と連接されることから、独立した循環ループ(第四循環ループ)を構成している。故に、前記冷却モジュール60は、地下水または冷水を冷熱源として使用し、使用端42側の使用者が上述した循環ループ(第一、二、三、四循環ループ)を用いて温度を簡単且つスムーズに調整することができる。
【符号の説明】
【0031】
10 加熱モジュール
11 ボイラユニット
12 予熱器
13 煙突ユニット
20 補助モジュール
21 補助ボイラ
30 温度調整モジュール
31 温度調整部
32 第一配管部
33 第二配管部
34 熱交換液充填装置
40 使用モジュール
41 第三配管部
42 使用端
31 温度調整部
50 弁制御ユニット
51 分流配管
52 ポンプ
53 制御弁
60 冷却モジュール
【要約】
【課題】 特に多段階で熱交換を行えるボイラ熱交換装置を提供する。
【解決手段】 本発明の多管式熱交換器は、加熱モジュールと、補助モジュールと、温度調整モジュールと、使用モジュールを有し、該加熱モジュールは、ボイラユニットを備え、該補助モジュールは、補助ボイラを備え、該温度調整モジュールは、加熱モジュール及び補助モジュールに組み合わされ、ボイラユニット及び補助と連通する温度調整部を備え、該温度調整部の内部に熱交換液を貯蔵し、該熱交換液がボイラユニット及び補助ボイラからの熱エネルギーを吸収して温度調整部に送られ、該温度調整部と加熱モジュールとの間に第一配管部が配管され、該温度調整部と補助モジュールとの間に第二配管部が配管され、該使用モジュールは、温度調整モジュールと連接され、温度調整部と使用端とを連接する第三配管部を備え、そのうち、前記各配管部がそれぞれ連通しない独立の循環ループである。
【選択図】
図1