特許第6283100号(P6283100)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6283100交通音遮断用高吸音複合材料及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283100
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】交通音遮断用高吸音複合材料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/168 20060101AFI20180208BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20180208BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20180208BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20180208BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20180208BHJP
   E01F 8/00 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   G10K11/168
   G10K11/16 120
   B32B5/18
   B32B27/12
   B32B27/30 D
   E01F8/00
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-516608(P2016-516608)
(86)(22)【出願日】2014年5月9日
(65)【公表番号】特表2016-536624(P2016-536624A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】CN2014077160
(87)【国際公開番号】WO2015043195
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2016年3月23日
(31)【優先権主張番号】201310441132.3
(32)【優先日】2013年9月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516017167
【氏名又は名称】パナシアン マイクロベント テック(ジアンスー)コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】PANASIAN MICROVENT TECH(JIANGSU)CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ユン
(72)【発明者】
【氏名】ディン ロンファ
【審査官】 北原 昂
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−282964(JP,A)
【文献】 特開平09−111912(JP,A)
【文献】 中国実用新案第201125368(CN,Y)
【文献】 特開2011−052180(JP,A)
【文献】 特開2006−225923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/168
B32B 5/18
B32B 27/12
B32B 27/30
E01F 8/00
G10K 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質吸音材料層および前記多孔質吸音材料層の一表面上に配置された複数の被覆層を備え、多孔質吸音材料層の表面に前記複数の被覆層が密着被覆され、且つ被覆及び隣接する前記被覆層同士の継ぎ目のところに密着接続処理を行い、前記被覆層は、延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルム層又は延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルム層であることを特徴とする交通音遮断用高吸音複合材料。
【請求項2】
多孔質吸音材料層の材質は、繊維状集積組織の繊維及びその製品、多孔質構成の発泡プラスチック、膨張真珠岩製品、ミクロ孔ガラスウール、スラグウール又はこれらの材料を主要原料として製造された各種の吸音板材又は吸音部材であることを特徴とする請求項1に記載の交通音遮断用高吸音複合材料。
【請求項3】
密着接続処理は、粘着又は溶接を含むことを特徴とする請求項1に記載の交通音遮断用高吸音複合材料。
【請求項4】
前記高吸音複合材料は、音声バリアープレートの表面または多孔質バリアープレートのサンドイッチ層内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の交通音遮断用高吸音複合材料。
【請求項5】
a)多孔質吸音材料、および、延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルム又は延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムに対する処理前の材料準備ステップと、
b)多孔質吸音材料を剪断するステップと、
c)それぞれが延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルム又は延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムである複数の被覆層で、多孔質吸音材料の表面を被覆するステップと、
d)被覆及び隣接する前記被覆層同士の継ぎ目のところに、密着接続処理を行うステップと、
e)前記ステップが完了した後、複合材料を検査して検査合格のものを包装するステップと、を含む交通音遮断用高吸音複合材料の製造方法。
【請求項6】
ステップb)が完了した後、プロセスリクエストに合わせて多孔質吸音材料に粘着テープを貼り付けることを特徴とする請求項5に記載の交通音遮断用高吸音複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記多孔質吸音材料は、繊維状集積組織の繊維及びその製品、多孔質構成の発泡プラスチック、膨張真珠岩製品、ミクロ孔ガラスウール、スラグウール又はこれらの材料を主要原料として製造された各種の吸音板材又は吸音部材であることを特徴とする請求項5に記載の交通音遮断用高吸音複合材料の製造方法。
【請求項8】
ステップd)に記載の密着接続処理は、粘着又は溶接を含むことを特徴とする請求項5に記載の交通音遮断用高吸音複合材料の製造方法。
【請求項9】
延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムは、延伸ポリテトラフルオロエチレンのミクロ孔フィルムの表面に一層以上の撥油撥水改質処理された塗布層が改質塗布されてなるものであることを特徴とする請求項5に記載の交通音遮断用高吸音複合材料の製造方法。
【請求項10】
延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムは、延伸ポリテトラフルオロエチレンのミクロ孔フィルムのに撥油撥水改質処理された塗布層が改質塗布されてなるものであることを特徴とする請求項5に記載の交通音遮断用高吸音複合材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に延伸ポリテトラフルオロエチレンフィルム及びその改質フィルムが被覆された交通音遮断用高吸音複合材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
防音材の設計においては、高架鉄道、高速道路、市内軽便鉄道及び地下鉄の風力荷重、交通車両の衝撃安全性、並びに、全天候での屋外腐食防止問題が十分に考慮されるべきである。現代都市では、外見が綺麗で寿命も長いことが騒音遮音設備に必要とされる。音波伝送の過程において、防音材にぶつかったとき、反射、透射及び回折の三つの現象が発生する。防音材の高さは、1m〜5m程度であり、有効カバーエリアでの平均消音は、10−15dB(A)(125Hz〜40000Hz,1/3オクターブバンド)に達する。高速列車が250〜350KM/Hのスピードで走行しているとき、又は、高速高架道路で自動車が大量に通行しているとき、高速鉄道や地下鉄や高速道路の騒音源は、100dB程に達し、これらの騒音は、防音材を介して消音された後、騒音源から100mの範囲内にまだ85dBの騒音が残り、60〜75dBという仕事・生活に適する環境騒音の限界値に達してない。
【0003】
繊維状集積組織の各種有機や無機繊維及びその製品、並びに多孔質構成の開孔型の発泡プラスチックおよび膨張真珠岩製品、並びに、相互に貫通する、外へ開口する大量のミクロ孔が内部にあるガラスウールおよびスラグウールまたはこれらの材料を主材料として製造された各種吸音板材や吸音部材などは、屋外環境気候の影響に弱く、特に、屋外の紫外線照射で前記材料が加速的に劣化し、使用寿命が短く、3年後にひび割れ又は粉末状に劣化してしまい、吸音機能が失ったと同時に環境の美しさにも悪い影響を与えるので、前記材料の防音材プロセスへの応用は制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主に解決しようとする技術的課題は、交通音遮断用高吸音複合材料及びその製造方法を提供することであり、交通音バリアーは、音声遮断機能を有すると共にさらに優れた吸音機能を持つようにすることができ、高鉄高架、高速道路、市内軽便鉄道及び地下鉄の騒音を著しく低下させて6075dBというビジネスに適する環境騒音限界値に収める。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的問題を解決すべく、本発明による技術的解決手段は下記通りである。多孔質吸音材料層および前記多孔質吸音材料層の一表面上に配置された複数の被覆層を備え、多孔質吸音材料層の表面に前記被覆層が密着被覆され、且つ被覆及び隣接する前記被覆層同士の継ぎ目のところに密着接続処理を行い、前記被覆層は、延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルム層又は延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルム層であることを特徴とする交通音遮断用高吸音複合材料を提供する。
【0006】
本発明の好適な一実施形態において、多孔質吸音材料層1の材質は、繊維状集積組織の繊維及びその製品、多孔質構成の発泡プラスチック、膨張真珠岩製品、ミクロ孔ガラスウール、スラグウール又はこれらの材料を主要原料として製造された各種の吸音板材又は吸音部材である。
【0007】
本発明の好適な一実施形態において、密着接続処理は、粘着又は溶接を含む。
【0008】
本発明の好適な一実施形態において、前記高吸音複合材料は、音声バリアープレートの表面または多孔質バリアープレートのサンドイッチ層内に設けられている。
【0009】
上記の技術的問題を解決すべく、本発明による他の技術的解決手段は下記通りである。交通音遮断用高吸音複合材料の製造方法を提供する。
【0010】
a)多孔質吸音材料および延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルム又は延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムに対する処理前の材料準備ステップと、
b)多孔質吸音材料を剪断するステップと、
c)それぞれが延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルム又は延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムである複数の被覆層を多孔質吸音材料の表面に被覆するステップと、
d)被覆及び隣接する前記被覆層同士の継ぎ目のところに、密着接続処理を行うステップと、
e)前記ステップが完了した後、複合材料を検査して検査合格のものを包装するステップと、を含む交通音遮断用高吸音複合材料の製造方法。
【0011】
本発明の好適な一実施形態において、ステップb)が完了した後、プロセスリクエストに合わせて多孔質吸音材料に粘着テープを貼り付ける。
【0012】
本発明の好適な一実施形態において、前記多孔質吸音材料は、繊維状集積組織の繊維及びその製品、多孔質構成の発泡プラスチック、膨張真珠岩製品、ミクロ孔ガラスウール、スラグウール又はこれらの材料を主要原料として製造された各種の吸音板材又は吸音部材である。
【0013】
本発明の好適な一実施形態において、ステップd)に記載の密着接続処理は、粘着又は溶接を含む。
【0014】
本発明の好適な一実施形態において、延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムは、延伸ポリテトラフルオロエチレンのミクロ孔フィルムの表面に一層以上の撥油撥水改質処理された塗布層が改質塗布されてなるものである。
【0015】
本発明の好適な一実施形態において、延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムは、延伸ポリテトラフルオロエチレンのミクロ孔フィルムのに撥油撥水改質処理された塗布層が改質塗布されてなるものである。
【発明の効果】
【0016】
1)本発明に係る交通音遮断用高吸音複合材料は、騒音を著しく低下させることができる。従来の交通音遮断技術と組み合わせて応用することによって、交通音バリアーは、音声遮断機能を有すると共にさらに優れた吸音機能を持つようになる。高鉄高架、高速道路、市内軽便鉄道及び地下鉄の騒音を著しく低下させて60〜75dBというビジネスに適する環境騒音限界値に収める。
【0017】
2)交通音遮断用高吸音複合材料は、屋外及び紫外線に強く、寿命も従来の防音材の使用寿命より長い。
【0018】
3)環境保護について交通音遮断用高吸音複合材料によって、被覆された繊維状集積組織の各種有機や無機繊維及びその製品、並びに多孔質構成の開孔型の発泡プラスチックおよび膨張真珠岩製品、並びに、相互に貫通し、外へ開口する大量のミクロ孔(微細孔)が内部にあるガラスウールおよびスラグウールまたはこれらの材料を主要原料として製造された各種の吸音板材や吸音部材などは、環境を汚染しない。
【0019】
4)難燃性について交通音遮断用高吸音複合材料は、難燃性が良い。
【0020】
5)防湿について交通音遮断用高吸音複合材料は、防水性が良く、浸水せず、かびが生え、細菌が増え、腐り掛かって臭いにおいが生ずることなく、長期安定性が確保できる。
【0021】
6)可塑性について交通音遮断用高吸音複合材料は、操作が簡単であり、異なる仕様又は緊密性のある空間に適用し、製品の設計により高い柔軟性を提供可能であり、軽量で取り付けしやすい。
【0022】
本発明の実施形態における技術的解決手段をよりわかりやすく説明するために、実施形態に対する以下の説明に必要な図面について簡単に紹介する。以下の説明における図面は、本発明の一部の実施形態だけであり、当業者にとって、創造的な業務を行わない前提の下で、これらの図面に基づいてほかの図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る交通音遮断用高吸音複合材料の好ましい実施形態の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態における技術的解決手段について、明確且つ完全に説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一部の実施形態だけであり、すべての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創造的な業務を行わない前提の下で得られたすべてのほかの実施形態は、本発明の範囲内に属する。
【0025】
図1を参照する。本発明の実施形態は、交通音遮断用高吸音複合材料を備える。交通音遮断用高吸音複合材料は、多孔質吸音材料層1および多孔質吸音材料層1の一表面上に配置された複数の被覆層2を備え、多孔質吸音材料層1の表面に複数の被覆層2が密着被覆され、且つ被覆及び隣接する被覆層2同士の継ぎ目のところに密着接続処理を行う。被覆層2は、延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルム層又は延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルム層である。
【0026】
延伸ポリテトラフルオロエチレンフィルムについて、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)防水通気性ミクロ孔フィルムは、特別なプロセスによって二方向引張されてなるものであり、厚さは約10〜200μmで、孔隙率は80〜96%で、平均孔径は、0.01〜25μmで、約水滴の1/5000−1/20000で、水蒸気分子の700倍大きい。フィルム表面の平方インチ毎に数十億の外へ開口のミクロ孔があり、各ミクロ孔の直径は、空気分子の何百倍大きい。このようなミクロ孔の構成によれば、優れた防水通気性の機能を実現できる。また、その孔は、極めて微細で縦方向に不規則に屈曲し、ずれて並べられ、材料の内部に、相互に貫通する、外へ開口した大量のミクロ孔があり、騒音を吸収する機能を有している。
【0027】
延伸ポリテトラフルオロエチレンフィルムは、屋外環境気候に耐える性能が良好で、良い熱安定性及び広い使用温度範囲を有し、零下150℃の低温から零上260℃の高温まで引き続き動作することができる。融点は327℃と高く、不燃性を有し、優れた化学的安定性、耐酸性、耐アルカリ性を有しているため、たくさんの高腐食性媒体で利用されることができる。摩擦係数が小さく、疎水性が強く、屋外紫外線の照射でも20数年以上劣化しない。
【0028】
多孔質吸音材料層1の材質は、繊維状集積組織の繊維及びその製品、多孔質構成の発泡プラスチック、膨張真珠岩製品、ミクロ孔ガラスウール、スラグウール又はこれらの材料を主要原料として製造された各種の吸音板材又は吸音部材である。被覆及び隣接する被覆層2同士の継ぎ目のところに密着接続処理の粘着又は溶接を行う目的は、雨水が浸入しないように確保することである。
【0029】
多孔質吸音材料の吸音メカニズムは、音波が多孔質材料に入射された時、孔隙において空気の振動を起こすことである。摩擦および空気の粘性抵抗によって、一部の音声エネルギーが熱エネルギーに変換される。また、孔隙にある空気と孔壁、繊維との間の熱伝導があるため、熱が損失してしまい、音声エネルギーをビルドダウンして騒音のデシベル値を低下させる。
【0030】
この高吸音複合材料は、交通音バリアーが音声遮断の機能を有すると共により優れた吸音機能を持つように、音声バリアープレートの表面または多孔質バリアープレートのサンドイッチ層内に設けられている。高鉄高架、高速道路、市内軽便鉄道及び地下鉄の騒音を著しく低下させて60〜75dBというビジネスに適する環境騒音限界値に収める。
【0031】
実施例1:
a)多孔質吸音材料および延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムに対するプロセス前の材料準備ステップと、
b)多孔質吸音材料を裁断し、裁断完了後にプロセスリクエストに合わせて多孔質吸音材料に粘着テープを貼り付けるステップと、
c)それぞれが延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムである複数の被覆層を多孔質吸音材料の表面に被覆するステップと、
d)被覆及び隣接する被覆層同士の継ぎ目のところに、接続方式が粘着又は溶接のいずれかである密着接続処理を行うステップと、
e)前記ステップが完了した後、複合材料を検査して検査合格のものを包装するステップと、を含む。
【0032】
前記多孔質吸音材料は、繊維状集積組織の各種有機や無機繊維及びその製品、並びに多孔質構成の開孔型の発泡プラスチックおよび膨張真珠岩製品、並びに、相互に貫通する、外へ開口する大量のミクロ孔が内部にあるガラスウールおよびスラグウールまたはこれらの材料を主要原料として製造された各種の吸音板材や吸音部材などである。
【0033】
なお、延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの製造プロセスは、
a)ポリテトラフルオロエチレン分散樹脂と液体押出し補助剤とを所定比で混合させるステップと、
b)混合完了後に、柱体状ブランク材を押し出し、圧延法によって柱体状ブランク材をシート材にし、巻取を行うステップと、
c)巻き出して乾燥通路を通過させることにより、昇温しながらシート材における押出し補助剤を除去するステップと、
d)押出し補助剤が除去された後、シート材を微細繊維孔の構造となるように引っ張り、熱固定後に再び巻取を行うステップと、
e)前記工程が完了した後、検査、包装を行い、最終的に延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムが得られるステップと、を含む。
【0034】
実施例2:
a)多孔質吸音材料および延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムに対するプロセス前の材料準備ステップと、
b)多孔質吸音材料を裁断し、裁断完了後にプロセスリクエストに合わせて多孔質吸音材料に粘着テープを貼り付けるステップと、
c)それぞれが延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムである複数の被覆層を多孔質吸音材料の表面に被覆するステップと、
d)被覆及び隣接する被覆層同士の継ぎ目のところに、接続方式が粘着又は溶接のいずれかである密着接続処理を行うステップと、
e)前記ステップが完了した後、複合材料を検査して検査合格のものを包装するステップと、を含む。
【0035】
前記多孔質吸音材料は、繊維状集積組織の各種有機や無機繊維及びその製品、並びに多孔質構成の開孔型の発泡プラスチックおよび膨張真珠岩製品、並びに内部に、相互に貫通する、外へ開口するミクロ孔が大量にあるガラスウールおよびスラグウールまたはこれらの材料を主要原料として製造された各種の吸音板材や吸音部材などである。
【0036】
延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムの改質フィルムは、延伸ポリテトラフルオロエチレンのミクロ孔フィルムの表面に一層以上の撥油撥水改質処理された塗布層が改質塗布され、或いは前記延伸ポリテトラフルオロエチレンのミクロ孔フィルムの面に前記撥油撥水改質処理された塗布層が塗布されてなるものである。
【0037】
延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムに対する防水撥油表面改質処理の加工プロセスは、先ず延伸ポリテトラフルオロエチレンミクロ孔フィルムを巻き出し、防水処理剤をフィルムの表面にコーティングする。その後、低温乾燥を行ってから、撥油処理剤をフィルムの表面にコーティングして再び低温乾燥を行う。最後に検査合格した後、巻き取って保管する。
【0038】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0039】
1)本発明に係る交通音遮断用高吸音複合材料は、騒音を著しく低下させることができる。従来の交通音遮断技術と組み合わせて応用することによって、交通音バリアーは、音声遮断機能を有すると共にさらに優れた吸音機能を持つようになる。高鉄高架、高速道路、市内軽便鉄道及び地下鉄の騒音を著しく低下させて60〜75dBというビジネスに適する環境騒音限界値に収める。
【0040】
2)交通音遮断用高吸音複合材料は、屋外及び紫外線に強く、寿命も従来の音声バリアーの使用寿命より長い。
【0041】
3)環境保護について交通音遮断用高吸音複合材料によって、被覆された繊維状集積組織の各種有機や無機繊維及びその製品、並びに多孔質構成の開孔型の発泡プラスチックおよび膨張真珠岩製品、並びに内部に、相互に貫通する、外へ開口する大量のミクロ孔があるガラスウールおよびスラグウールまたはこれらの材料を主要原料として製造された各種の吸音板材や吸音部材などは、環境を汚染しない。
【0042】
4)難燃性について交通音遮断用高吸音複合材料は、難燃性が良い。
【0043】
5)防湿について交通音遮断用高吸音複合材料は、防水性が良く、浸水せず、かびが生え、細菌が増え、腐り掛かって臭いにおいが生ずることなく、長期安定性が確保できる。
【0044】
6)可塑性について交通音遮断用高吸音複合材料は、操作が簡単であり、異なる仕様又は緊密性のある空間に適用し、製品の設計により高い柔軟性を提供可能であり、軽量で取り付けしやすい。
【0045】
上述した内容は、本発明における実施形態の説明にすぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。本願明細書の内容を利用して、同様の効果を奏する構造変換、同様の効果を奏する工程変換又は、ほかの関連する技術分野で直接若しくは間接的に運用することは、すべて本発明における特許保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0046】
1:多孔質吸音材料層
2:被覆層
図1