特許第6283103号(P6283103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6283103接地構造および回転型無線ネットワークカード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283103
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】接地構造および回転型無線ネットワークカード
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/38 20150101AFI20180208BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20180208BHJP
   H04M 1/21 20060101ALI20180208BHJP
   H01R 13/652 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   H04B1/38
   H04M1/02 C
   H04M1/21
   H01R13/652
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-522182(P2016-522182)
(86)(22)【出願日】2013年8月21日
(65)【公表番号】特表2016-529765(P2016-529765A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】CN2013081939
(87)【国際公開番号】WO2014161260
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2016年2月23日
(31)【優先権主張番号】201310272323.1
(32)【優先日】2013年7月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511207729
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シュウ チャオファン
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/113203(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/097561(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0050049(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38
H01R 13/652
H04M 1/02
H04M 1/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地構造であって、
回転型無線アクセス端末に応用され、前記無線アクセス端末が少なくとも構造部品、前記構造部品の内部に設置された前記無線アクセス端末のメインボードおよび金属回転軸を含み、前記金属回転軸が前記無線アクセス端末の外部インターフェイスに接続され、前記接地構造は、弾性金属片と絶縁膜を含み、前記弾性金属片の一端が前記金属回転軸に接続され、他端が前記絶縁膜を介して前記メインボード上のグラウンドに結合されて接続され
前記無線アクセス端末は、前記メインボード上に設置された回路シールドカバーをさらに含み、
これに対応して、前記他端が前記絶縁膜を介して前記メインボード上のグラウンドに結合されて接続されることは、
前記絶縁膜が前記回路シールドカバー上に設置されることを含むことを特徴とする、接地構造。
【請求項2】
前記他端が前記絶縁膜を介して前記メインボード上のグラウンドに結合されて接続されることは、
前記メインボード上に、前記メインボードと前記弾性金属片が結合して接続する領域に対して銅露出処理を行い、
前記絶縁膜を前記メインボード上の銅露出領域に設置することを含むことを特徴とする
請求項1に記載の接地構造。
【請求項3】
前記弾性金属片の他端に弾性ピンが設置され、前記弾性ピンを介して前記絶縁膜に接触されることを特徴とする
請求項1または2に記載の接地構造。
【請求項4】
前記弾性金属片は、熱溶融により前記構造部品に固定されることを特徴とする
請求項1に記載の接地構造。
【請求項5】
回転型無線ネットワークカードであって、
請求項1〜のいずれか1項に記載の接地構造を含む、回転型無線ネットワークカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線端末製品技術に関し、具体的に接地構造および回転型無線ネットワークカードに関する。
【背景技術】
【0002】
無線ブロードバンドアクセス技術と産業の発展に伴い、無線ネットワークカードは、無線ネットワークの重要な構成部分として、ユーザがいつでもどこからでも無線ネットワークにアクセスすることを助けることができるので、そのサービス需要がますます広くなる。現在、ユーザが無線ネットワークカードの性能を要求するだけでなく、その外観に対する要求もますます高くなっている。
【0003】
現在、主流の無線ネットワークカードは、多くの場合でユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial BUS)インターフェイスを使用し、直接プラグイン型無線ネットワークカードと回転型ネットワークカードに分けられることができる。直接プラグイン型無線ネットワークカードは、USBインターフェイスが露出して容易に損傷されることを避けるために、一般的にキャップ型設計を採用するが、キャップが容易に失われる。回転型無線ネットワークカードの内部に回転軸が設置されるので、無線ネットワークカードが使用されない場合、USBインターフェイスを無線ネットワークカード本体内に回転させることができ、保存する時にUSBインターフェイスを容易に損傷しない。しかし、回転型無線ネットワークカード構造部品の内部の熱溶融方式で固定された弾性金属片は、メインボードの金属シールドカバーとの良好な接続を保証するように、一定の反り上がり角度を維持する必要があるので、製造過程において、前記弾性金属片の反り上がり角度が完全に一致することが保証されることができず、その結果、回転型無線ネットワークカードの一致性が高くなく、且つ直接プラグイン型無線ネットワークカードと比較し、その低周波数帯のアンテナ性能が比較的悪い。
【0004】
回転型無線ネットワークカードの低周波数帯のアンテナ性能が比較的悪い問題を解決するために、従来技術において一般的に接地線の直径を太くすること、メインボードとUSBインタフェースの間に1本の接続線を増加すること、無線ネットワークカード構造部品に導電性塗料を噴霧すること、導電性フォームを貼り付けること、弾性金属片の幅を広くすることなどの方式を採用するが、それぞれの方式が無線ネットワークカードのコストを大幅に増加させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これを鑑みて、本発明の実施形態の主な目的は、回転型無線ネットワークカードの一致性が悪い問題を解決することができ、且つ低周波数帯アンテナの感度を効果的に向上させることができる、接地構造および回転型無線ネットワークカードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を実現するために、本発明の実施形態の技術的解決手段は、以下のように実現される。
【0007】
本発明の実施形態による接地構造は、回転型無線アクセス端末に応用され、前記無線アクセス端末が少なくとも構造部品、前記構造部品の内部に設置された前記無線アクセス端末のメインボードおよび金属回転軸を含み、前記金属回転軸が前記無線アクセス端末の外部インターフェイスに接続される。前記接地構造は、弾性金属片と絶縁膜を含み、前記弾性金属片の一端が前記金属回転軸に接続され、他端が前記絶縁膜を介して前記メインボード上のグラウンドに結合されて接続される。
【0008】
好ましくは、前記他端が前記絶縁膜を介して前記メインボード上のグラウンドに結合されて接続されることは、
前記メインボード上に、前記メインボードと前記弾性金属片が結合して接続する領域に対して銅露出処理を行い、
前記絶縁膜を前記メインボード上の銅露出領域に設置することを含む。
【0009】
好ましくは、前記無線アクセス端末は、前記メインボード上に設置された回路シールドカバーをさらに含み、
これに対応して、前記他端が前記絶縁膜を介して前記メインボード上のグラウンドに結合されて接続されることは、
前記絶縁膜が前記回路シールドカバー上に設置されることを含む。
【0010】
好ましくは、前記弾性金属片の他端に弾性ピンが設置され、前記弾性ピンを介して前記絶縁膜に接触される。
【0011】
好ましくは、前記弾性金属片は、熱溶融により前記構造部品に固定される。
【0012】
本発明の実施形態による回転型無線ネットワークカードは、前記接地構造を含む。
【0013】
本発明の実施形態による接地構造および回転型無線ネットワークカードは、従来技術と比較して、無線アクセス端末のメインボードの接地モードを変更することにより、無線アクセス端末のメインボードのグラウンドと弾性金属片が静電容量結合効果を生成し、新しい回路を形成し、それによってメインボードを流れる無線周波数電流によって生成された干渉性回路効果を効果的に排除し、内蔵型アンテナの低周波数帯性能が悪い問題を解決し、低周波数帯アンテナの感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一の実施形態による接地構造を示す図である。
図2】本発明の第二の実施形態による接地構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態の基本的な考え方は、メインボードの接地モードを変更することにより、メインボードのグラウンドと弾性金属片を結合して接続して静電容量結合効果を生成し、新しい回路を形成し、それによってメインボードを流れる無線周波数電流によって生成された干渉性回路効果を効果的に排除し、内蔵型アンテナの低周波数帯性能が悪い問題を効果的に解決するものである。
【0016】
以下で図面および具体的な実施形態を参照して本発明をさらに詳しく説明する。
【0017】
図1は本発明の第一の実施形態による接地構造を示す図である。図1に示すように、前記実施形態は、回転型無線ネットワークカードに応用され、前記無線ネットワークカードが構造部品1、前記構造部品1の内部に設置された前記無線ネットワークカードのメインボード2および金属回転軸3を含み、前記金属回転軸3が前記無線ネットワークカードのUSBインターフェイス4に接続され、前記接地構造が弾性金属片5と絶縁膜6を含み、
前記弾性金属片5は、その一端が前記金属回転軸3に接続され、他端が前記絶縁膜6を介して前記メインボード2上のグラウンドに結合されて接続される。
【0018】
好ましくは、前記メインボード2上に、前記メインボードと前記弾性金属片5が結合して接続する領域に対して銅露出処理を行い、
前記絶縁膜6を前記メインボード2の銅露出領域に設置し、
前記弾性金属片5の他端に弾性ピンが設置され、前記弾性ピンを介して前記絶縁膜6に接触する。
【0019】
具体的に、前記弾性金属片5の一端が前記金属回転軸3に接続され、前記金属回転軸が略円筒状または略方形筒状であり、一つの小さな円形カラム/小さな方形カラムが大きな円形カラム/大きな方形カラムの内部に埋め込まれ、前記小さな円形カラム/小さな方形カラムが固定され、前記大きな円形カラム/大きな方形カラムが回転し、前記弾性金属片5が前記小さな円形カラム/小さな方形カラムの一端に接続され、前記無線ネットワークカードの外部インターフェイス4が金属線を介して前記小さな円形カラム/小さな方形カラムに接続される。
【0020】
前記弾性金属片5の他端が前記絶縁膜6を介して前記メインボード2上の接地層の銅に結合されて接続され、電流が生成された場合、メインボード上の接地銅と弾性金属片5に静電容量結合効果を生成させ、新しい回路を形成し、これにより、メインボードを流れる無線周波数電流によって生成された干渉性回路効果を効果的に排除することができ、内蔵型アンテナの低周波数帯性能が悪い問題を効果的に解決することができる。
【0021】
好ましくは、前記メインボード2の表裏両面に接地層が敷かれるので、前記弾性金属片5と前記メインボード2との結合領域は、前記メインボード2の設計配置需要に応じて前記メインボード2の表面または裏面を選択することができる。
【0022】
好ましくは、前記弾性金属片5は、熱溶融方式により前記構造部品1に設置され、前記弾性金属片5と前記メインボード2の銅露出領域との結合面積がメインボード2の設計配置需要に応じて調整されることができるが、結合面積が大きければ大きいほど、内蔵型アンテナの低周波数帯性能が良い。
【0023】
好ましくは、前記絶縁膜6は、粘着により前記メインボード2の銅露出領域に貼り付けられることができ、前記絶縁膜6の面積、厚さがメインボード2の設計配置需要に応じて調整されることができるが、前記絶縁膜6の面積が前記弾性金属片5と前記メインボード2の結合接続面積より大きい必要があるので、前記弾性金属片5が前記メインボード2の銅露出領域に直接接触することができなく、且つ前記絶縁膜6を貼り付ける接着剤がすべての絶縁性の接着剤を選択することができる。
【0024】
図2は本発明の第二の実施形態による接地構造を示す図である。図2に示すように、前記実施形態は、同様に回転型無線ネットワークカードに応用され、前記無線ネットワークカードが構造部品1、前記構造部品1の内部に設置された前記無線ネットワークカードのメインボード2および金属回転軸3を含み、前記金属回転軸3が前記無線ネットワークカードのUSBインターフェイス4に接続され、前記接地構造は、弾性金属片5と絶縁膜6を含み、
前記弾性金属片5は、その一端が前記金属回転軸3に接続され、他端が前記絶縁膜6を介して前記メインボード2上のグラウンドに結合されて接続される。
【0025】
好ましくは、前記無線ネットワークカードは、前記メインボードに設置された回路シールドカバー7をさらに含み、
これに対応して、前記他端が前記絶縁膜を介して前記メインボード上のグラウンドに結合されて接続されることは、前記絶縁膜6が前記メインボード2の回路シールドカバー7上に設置され、
前記弾性金属片5の他端に弾性ピンが設置され、前記弾性ピンを介して前記絶縁膜6に接触することを含む。
【0026】
具体的に、前記弾性金属片5の一端が前記金属回転軸3に接続され、前記金属回転軸が略円筒状または略方形筒状であり、一つの小さな円形カラム/小さな方形カラムが大きな円形カラム/大きな方形カラムの内部に埋め込まれ、前記小さな円形カラム/小さな方形カラムが固定され、前記大きな円形カラム/大きな方形カラムが回転し、前記弾性金属片5が前記小さな円形カラム/小さな方形カラムの一端に接続され、前記無線ネットワークカードの外部インターフェイス4が金属線を介して前記小さな円形カラム/小さな方形カラムに接続される。
【0027】
前記弾性金属片5の他端が前記絶縁膜6を介して前記メインボード2の回路シールドカバー7に結合されて接続され、電流が生成された場合、金属シールドカバー7と弾性金属片5に静電容量結合効果を生成させ、新しい回路を形成し、これにより、メインボードを流れる無線周波数電流によって生成された干渉性回路効果を効果的に排除することができ、内蔵型アンテナの低周波数帯性能が悪い問題を効果的に解決することができる。
【0028】
好ましくは、前記メインボードの回路シールドカバーは、メインボードの無線周波数回路シールドカバーを含む。
【0029】
好ましくは、前記弾性金属片5は、熱溶融により前記構造部品1に設置され、前記弾性金属片5と前記メインボード2の金属シールドカバー7との結合面積がメインボード2の設計配置需要に応じて調整されることができるが、結合面積が大きければ大きいほど、内蔵型アンテナの低周波数帯性能が良い。
【0030】
好ましくは、前記絶縁膜6は、粘着により前記メインボード2の金属シールドカバー7に貼り付けられることができ、前記絶縁膜6の面積、厚さがメインボード2の設計配置需要に応じて調整されることができるが、前記絶縁膜6の面積が前記弾性金属片5と前記メインボード2の金属シールドカバー7との結合接続面積より大きい必要があるので、前記弾性金属片5が前記メインボード2の金属シールドカバー7に直接接触することができなく、且つ前記絶縁膜6を貼り付ける接着剤がすべての絶縁性の接着剤を選択することができる。
【0031】
以上は、本発明の最適的な実施例に過ぎなく、本発明を制限せず、本分野の当業者に対して、本発明が各種類の変更と変化がある。本発明の主旨精神と原則以内に、いかなる改修、同等入れ替わり、改良等が、本発明の保護範囲以内に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の実施形態において無線アクセス端末のメインボードの接地モードを変更することにより、前記無線アクセス端末のメインボードのグラウンドと弾性金属片が静電容量結合効果を生成し、新しい回路を形成し、それによってメインボードを流れる無線周波数電流によって生成された干渉性回路効果を効果的に排除し、内蔵型アンテナの低周波数帯性能が悪い問題を効果的に解決し、低周波数帯アンテナの感度を向上させることができる。
図1
図2