(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各ブッシュセクション(16a)が更に、前記ブッシュセクション(16a)の長手方向壁の内側表面から突出する長手方向整合ボス(16d1)を含む、請求項1に記載のパイププラグ組立体(1)。
前記拡張可能ブッシュ組立体(16)の長手方向壁セクションを各々が形成する複数の別個のブッシュセクション(16a)から前記拡張可能ブッシュ組立体(16)を形成する段階と、
円形保持リング(16b)を介して前記別個のブッシュセクション(16a)を共に保持する段階と、
前記拡張可能ブッシュ組立体(16)上に配置されたボス(16d1)の上に嵌まる保持リングギャップ(16b1)を介して、前記拡張可能ブッシュ組立体(16)上に前記円形保持リング(16b)を固定位置に固定する段階と、
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉(BWR)の原子炉圧力容器(RPV)は通常、ほぼ円筒形状を有し、両端部において閉鎖される(例えば、底部ヘッド及び取り外し可能な頂部ヘッドによって)。上部案内部材は通常、RPV内で炉心プレートの上方に間隔をおいて配置される。炉心シュラウド又はシュラウドは通常、炉心を取り囲み、シュラウド支持構造体によって支持される。具体的には、シュラウドは、ほぼ円筒形状を有し、炉心プレート及び上部案内部材の両方を取り囲む。円筒形原子炉圧力容器と円筒形状に作られたシュラウドとの間には、スペースつまりアニュラスがある。
【0003】
BWRでは、ジェットポンプ組立体の中空管状ジェットポンプがシュラウドアニュラス内に位置付けられる。ジェットポンプ組立体は、原子炉再循環システムの外部から活性化された水を受け取り、必要な炉心水流をディフューザを介して原子炉に提供する。ライザーパイプ内に小さな亀裂が形成されると、場合によっては補修が必要となる場合があり、これは、ライザーパイプの外側表面へのカラー又はブラケットの構築を必要とする可能性がある。
【0004】
従来、ライザーパイプの丸い表面へのカラー又はブラケットの構築は、特にライザーパイプの内径へのアクセスができない場合には複雑な問題を引き起こす可能性がある。具体的には、ライザーパイプの円周方向面にカラー又はブラケットを固定するのに用いることができるプラグの外側表面は、カラー、ブラケット、又はライザーパイプ自体に穿孔された孔と整合外れを生じ、振動及び漏洩を生じる可能性がある。加えて、従来のプラグは、プラグとカラー及び/又はライザーパイプ孔との間の締まり嵌めを確実にするための半径方向の力(圧力)を提供しない場合がある。
【0005】
以下で説明するような例示的な実施形態に対する代替として、テーパ付きプラグを備えたテーパ孔は、ライザーパイプにカラー又はブラケットを堅固に構築すると考えられてきた。しかしながら、放電加工機(EDM)の燃焼中に制御されないことにより、テーパ角の厳しい公差が保証されず、結果として、カラーとライザーパイプとの間の弱い接続、漏洩、並びに構成要素の変形又は亀裂形成を生じる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】例示的な実施形態による、拡張可能パイププラグ組立体を有する沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプ組立体の斜視図。
【
図2】例示的な実施形態による、拡張可能パイププラグ組立体の正面方向斜視図。
【
図3】例示的な実施形態による、拡張可能パイププラグ組立体の後側方向の図。
【
図4】例示的な実施形態による、拡張可能パイププラグ組立体の正面分解図。
【
図5】例示的な実施形態による、拡張可能パイププラグ組立体の後方分解組立図。
【
図6】例示的な実施形態による、パイププラグ組立体のパイププラグの斜視図。
【
図7】例示的な実施形態による、パイププラグ組立体のブッシュセクションの詳細図。
【
図8】例示的な実施形態による、パイププラグ組立体のブッシュ組立体及び保持リングの詳細図。
【
図9】例示的な実施形態による、保持リングが設置された状態のブッシュ組立体の詳細図。
【
図10】例示的な実施形態による、パイププラグ組立体のEDMプラグ組立体の斜視図。
【
図11】例示的な実施形態による、パイププラグ組立体のキーパの斜視図。
【
図12】例示的な実施形態による、パイププラグ組立体のラチェットナットの側面図。
【
図13】例示的な実施形態による、カラー及びライザーパイプ壁に穿孔された孔の外部にあるパイププラグ組立体(初期設置状態)の断面図。
【
図14】例示的な実施形態による、カラー及びライザーパイプ壁に穿孔された孔の内部のパイププラグ組立体(初期設置状態)の断面図。
【
図15】例示的な実施形態による、カラー及びライザーパイプ壁に穿孔された孔に設置されたパイププラグ組立体(設置済み状態)の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な例示的実施形態が本明細書で開示される。しかしながら、本明細書で開示される特定の構造及び機能の詳細事項は、単に例示的な実施形態を説明する目的で表しているに過ぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、多くの代替の形態で具現化することができ、本明細書で記載される実施形態にのみ限定されるものと解釈すべきではない。
【0010】
従って、例示的な実施形態は、種々の修正及び代替形態が可能であるが、この実施形態は、図面において例証として示されており、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態を開示される特定の形態に限定する意図はなく、逆に、例示的な実施形態の範囲内にある全ての修正形態、均等形態、及び代替形態を保護するものであることを理解されたい。図の説明全体を通じて同じ参照符号は同じ要素を示している。
【0011】
本明細書では、第1の、第2のなどの用語は、様々な要素を説明するのに用いることができるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するためにのみ用いている。例えば、例示的な実施形態の技術的範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、また同様に第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で用いる場合に「及び/又は」という用語は、関連する記載項目の1つ又はそれ以上のいずれか及び全ての組合せを含む。
【0012】
ある要素が別の要素と「接続」又は「結合」されるとし呼ばれるときには、他方の要素に直接接続又は結合することができ、或いは、介在する要素が存在できると理解される。これとは対照的に、要素が別の要素に「直接接続」又は「直接結合」されていると呼ばれる場合には、介在する要素は存在しない。要素間の関係を説明するのに使用される他の用語も同様に解釈すべきである(例えば、「〜間」と「〜間に直接」、「隣接」と「直近」、その他)。
【0013】
本明細書で用いる用語は、特定の実施形態を説明するためのみのものであり、例示的な実施形態の限定を意図するものではない。本明細書で用いる場合に、数詞を付していない表現は、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、複数の形態も含むことを意図している。更に、本明細書で用いる場合の「含む」、「含んでいる」、「備える」及び/又は「備えている」という用語は、記述した特徴、回数、ステップ、操作、要素及び/又は構成部品の存在を特定するが、1つ又はそれ以上のその他の特徴、回数、ステップ、操作、要素、構成部品及び/或いはそれらの群の存在又は付加を排除するものではないことを理解されたい。
【0014】
また、幾つかの代替の実施においては、記載した機能/動作は、図に示した順序以外で実行できる点に留意されたい。例えば、連続して示した2つの図は、含まれる機能/動作に応じてほぼ同時に実施することができ、又は逆の順序で実施することもできる。
【0015】
図1は、円筒形原子炉圧力容器(RPV)とBWRの円筒形シュラウドとの間のアニュラスに位置付けられた沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプ組立体50の斜視図である。ライザーパイプ51に流入する水は、ジェットポンプ組立体への駆動流(エネルギー)を提供する。活性化された水がライザーパイプ51に流入して入口ミキサ52及びディフューザ54に分配された後、原子炉心に排出される。ライザーパイプ51は、小さな亀裂を生じやすく、従って、ライザーパイプ51の補修を実施することが必要となる場合があり、この補修は、カラー又はブラケットをライザーパイプ51に固定することを含むことができる。補修は、
図1に示すように、ライザーパイプ51にパイププラグ組立体1を設置することを含むことができる。
【0016】
図2は、例示的な実施形態による、拡張可能パイププラグ組立体1(
図1には設置された状態で示されている)の正面方向斜視図である。パイププラグ組立体1の特徴要素は、ラチェットナット12を備えた比較的球形の放電加工機(「EDM」)プラグ10を含むことができ、該ラチェットナットは、プラグ10の凹型前面内に位置付けることができる。EDMプラグ10の背面は、拡張可能ブッシュ組立体16の内側に位置付けられるパイププラグ14を含むことができる。パイププラグ組立体は、パイププラグ組立体1を方向Aでライザーパイプに挿入することによって、ジェットポンプ組立体50(
図1に示す)のライザーパイプ51に穿孔することができる孔に挿入/設置されることになる(すなわち、パイププラグ組立体1のパイププラグ14の端部がライザーパイプの孔に挿入される)。
【0017】
図3は、例示的な実施形態による、拡張可能パイププラグ組立体1の後側方向の図である。EDMプラグ10は、EDMプラグ19の外側円周方向表面上に設けられたネジ部18を備えた比較的円筒形状とすることができる。回転防止の目的で、EDMプラグ10の円周方向表面に沿ってラチェット歯20も設けることができる。キーパ(図示せず)を用いて、パイププラグ組立体1が現地設置されたときに反時計回りに確実に回転できないようにすることができる。
【0018】
図4は、例示的な実施形態による、拡張可能パイププラグ組立体1の正面分解図である。主要な特徴要素は、左から右のおおよその順序で以下のものを含む。ラチェットナット12は、歯状部12bを含むことができ、パイププラグ組立体1の設置の後に回転防止の目的でJ形キーパ22のキーパ歯状部22aと接触することができる(すなわち、キーパ22の歯状部22aは、ラチェットナット12を時計回りにだけ回転させることができ、反時計回りには回転できないように構成することができる)。ラチェットナットネジ12aは、プラグボルト14cと噛み合うように設けることができ、ラチェットナットを回転させて、プラグボルト14c及びパイププラグ14の保持を引き締め、パイププラグ14をEDMプラグ10に引き寄せることができるようにする。ワッシャ24は、EDMプラグ凹型中央孔10a内に設けることができる。ワッシャ24は、一方の面が凹面状の球形ワッシャ(
図13により詳細に示されるように、ラチェットナット12と接触するワッシャ24面が凹面状である)とすることができる。ワッシャ24の凹面状の面は、プラグボルト14cがEDMプラグ10全体に対して完全に垂直な角度で設置されていない場合にある程度の許容公差を提供する。具体的には、ラチェットナット12の球状底面(ラチェットナット12の凸面状の球面12cは、例えば、
図12に示されている)は、ラチェットナット12がワッシャ24の球面に沿って載るときに枢動できるようにし、プラグボルト14cが幾らか偏心した角度でEDMプラグ10を貫通する場合にある許容公差を提供することができる。
【0019】
EDMプラグキーパ凹部10bは、ほぼ「J」形のキーパ22を含むほぼ「J」形の凹型区域である。開口10b4は、凹部10b内に設けられ、キーパ歯状部22aが回転防止の目的でラチェットナット歯状部12bと接触できるようにする。第1のアンダーカット10b1が凹部10b内に示されている点に留意されたい。第1のアンダーカット10b1は、3つのアンダーカットのうちの1つであり(その他は
図10に示されている)、キーパ凹部10b内にキーパ22を保持するため3つの接触点を提供している(具体的には、
図5に示すキーパ22のリップ22b1がアンダーカット10b1に嵌まり込む)。
【0020】
EDM中央孔10cは、EDMプラグ10の中央に設けられ、プラグボルト14cがEDMプラグ10を通り抜けることができるようにする。EDMプラグ凹型中央孔10aはまた、EDMプラグ10内に設けられ、プラグボルト14cが実質的に垂直な角度でEDMプラグ10と交差できない場合でもラチェットナット12が中央孔10a内で回転するための許容公差を提供する。拡張可能ブッシュ組立体16は、プラグ14を取り囲む別個のブッシュセクション16aを含むことができる。各ブッシュセクション16aは、全体的にほぼ円筒形のブッシュ組立体16の長手方向壁セクションを形成する長手方向壁を有することができる。ブッシュセクション16aは、保持リング16b(
図8及び9においてより詳細に示されている)によって共に保持することができる。各ブッシュセクション16aは、平坦ブッシュセクションベース16dを含むことができ、該ブッシュセクションベース16dは、プラグ14がパイププラグ組立体1全体の中に引き込まれたときに平坦なEDMプラグ内側面11b(
図5に示す)に接触する平坦接触面を提供する(これによりブッシュセクションベース16dをEDMプラグ内側面11bに接して堅固に押し付ける)点に留意されたい。
【0021】
パイププラグ14は、プラグボルト14c(
図6に最もよく図示されている)を支持する方形ボス14bを備えた円錐楔形状とすることができる。パイププラグ14は、整合チャンネル14aを含むことができ、該整合チャンネルは、ブッシュセクション16aの長手方向整合ボス16e(
図5に示す)と嵌合して、パイププラグ14が拡張可能ブッシュ組立体16と整合できるようにし、パイププラグ14が現地設置中にパイププラグ組立体1全体の中に引き込まれたときに、ブッシュセクション16aが外向きに拡張できるようにする点に留意されたい。
【0022】
図5は、例示的な実施形態による、拡張可能パイププラグ組立体1の後方分解組立図である。図全体にわたり左から右に移動し、本図に示す追加の特徴要素は、キーパ22のリップ22b1を含む。リブ22b1は、3つの接触点のうちの1つを提供し、これによりキーパ22は、EDMプラグキーパ凹部10b内に保持できるようになる(リップ22b1が
図4に示すアンダーカット10b1に嵌まり込む)。
【0023】
EDMプラグ10は、パイププラグ14がEDMプラグ10内に引き込まれたときに方形ボスの挿入を可能にする方形ポケット11aを含む。平坦なEDMプラグ内側面11bは、ブッシュセクションベース16dが接触する平坦面を提供し、これによりブッシュ組立体16がEDMプラグ10に引き寄せられたときにブッシュ組立体に対する停止点をもたらす。
【0024】
ブッシュ組立体16は、保持リング16bが別個のブッシュセクション16aを共に保持して図示されている。個々のセクションのうちの1つだけに配置されたボス16d1は、別個のブッシュセクション16aを共に保持しながら、保持リング16bを1つの固定位置に保持する手段を提供する(これは、本明細書及び図面にて以下でより詳細に図示し且つより詳細に検討する)。本明細書では3つの別個のブッシュセクション16aが図示されている点に留意されたい。ギャップ16cは、別個のブッシュセクション16a間に配置される。保持リング16bがブッシュセクション16aを共に保持している間で且つブッシュ組立体16の内部にパイププラグを挿入する前では、ギャップ16cが最小(ほぼ0.00インチ)であり、これにより各ブッシュセクション16aの壁が保持リング16bの平面に対しほぼ90度の角度で存在するようになる。3つの別個のブッシュセクション16aの代わりに、1つのギャップを備えた1つだけのブッシュセクションを設けることもできる点は理解されたい。また、2つ又は4つ、或いはそれ以上のブッシュを用いることもできる。更に、ブッシュ組立体は、ブッシュセクション16aの中間に直接配置されて延在するギャップ16aをブッシュセクション16aに設けるのではなく、蛇行又は複雑な経路を提供する重なり合ったブッシュセクションから構成することができる。
【0025】
ブッシュセクション16aは、ブッシュセクション16aの内径に沿って延在する整合ボス16eを有することができる。整合チャンネル14aが整合ボス16eと位置合わせされ、パイププラグ14をブッシュ組立体16に挿入できるようになる。また、整合ボス16eによって、パイププラグ14がラチェットナット12を介してEDMプラグ10に引き込まれたときに、該パイププラグ14がブッシュ組立体16を均一に拡張するようにする。パイププラグ14は、テーパが付けられた円錐形状とすることができる(すなわち、パイププラグ14は小さな角度14cを有することができ、角度14cはほぼ10度とすることができ、或いは、現地設置中にパイププラグ14がEDMプラグ10に引き込まれたときに、ブッシュセクション16aが僅かに広がるようになる他の何らかの小さな角度とすることができる)。
【0026】
図6は、例示的な実施形態による、パイププラグ組立体1のパイププラグ14の斜視図である。本図でより明確に示すように、方形ボス14b及びプラグボルト14cは、パイププラグ14に固定接続することができる。プラグボルト14cは、ラチェットナット12のラチェットネジ12aと嵌合する。方形ボス14bは、EDMプラグ10の方形ポケット11a内に適合するようなサイズにされる。これらの構成要素の構成材料は、304SS、315SS、及び/又はXM−19とすることができる。
【0027】
図7は、例示的な実施形態による、パイププラグ組立体1のブッシュセクション16aの詳細図である。側縁部16a1は、ブッシュセクションベース16dに対してほぼ垂直(90度)である。これにより、各ブッシュセクション16aの側縁部16a1を保持リング16b(例えば
図9に示す)の平面からほぼ90度で保持するようになり、また、保持リング16bがハウジング組立体を共に保持しているとき(並びに、ブッシュ組立体16にパイププラグ14を挿入する前に)、ギャップ16c(例えば
図5に示される)が無視できるほど(0.00インチ)になる。ブッシュセクション16aの構成材料は、304SS及び316SSを含むことができる。
【0028】
図8は、例示的な実施形態による、パイププラグ組立体1のブッシュ組立体16及び保持リング16bの詳細図である。ブッシュ組立体16は、別個のブッシュセクション16aを含むことができ、各々が脚部又はブッシュセクションベース16dを含む。ブッシュセクション16aの垂直壁とブッシュセクション16aのベース16dとの間の継ぎ目に保持リング溝16fが存在することができ、これを用いて、保持リング16bがブッシュセクション16aを共に保持するのに使用されるときに該保持リング16bを所定位置に保持することができる。保持リング16bの構成材料はX−750とすることができる。
【0029】
継ぎ目16cにより3つのブッシュセクション16aに離隔される。ブッシュセクション16aの1つだけがボス16d1を有し、該ボスは、保持リング16b1がブッシュセクションベース16dに押し付けられるときに、保持リングギャップ16b1が所定位置に確実に保持されるようにする。ボス16d1は、保持リング16bが回転して、リングギャップ16b1がギャップ16cのうちのいずれかの直ぐ前方にあるように再配置されないことを確実にし、このようにするとパイププラグ組立体1を通る水の流路を提供することができる。
【0030】
図9は、例示的な実施形態による、保持リング16bが設置された状態のブッシュ組立体16の詳細図である。保持リング16bはブッシュセクションベース16dに押し付けられ、リングギャップ16b1は、保持リング16bを1つの固定位置に保持するボス16d1の上に載置される点に留意されたい。保持リング16bは、ブッシュ組立体16状に設置されるが、ギャップ16cは閉じたままである(ほぼ0.00インチ幅)。
【0031】
図10は、例示的な実施形態による、パイププラグ組立体1のEDMプラグ10の斜視図である。キーパ凹部10bは、キーパ22に対する第2の接触点を提供する第2のアンダーカット10b2を含むことができる。具体的には、第2のアンダーカット10b2は、キーパ22(
図11に示すように)のリップ22b2に対する接触点を提供する。リップ22b1(
図11に示す)が第3のアンダーカット10b3と接触して、キーパ凹部10b内にキーパ22が確実に留まるようにするので、第3のアンダーカット10b3は、キーパ22に対する第3の接触点を提供することができる。開口10b4は、キーパ歯状部22aが回転防止の目的でラチェットナット歯状部12bと接触できるようにし、ラチェットナット12が現場で設置された後に回転し緩むことが確実にできないようにする。EDMプラグ10及びそのサブ構成要素用の構成材料は、304SS及び/又は316SSとすることができる。
【0032】
ダイマーキング10dを設けて、現場で設置され及び使用されている間、EDMプラグ組立体10の位置を記録し追跡することができる。これを用いて、例えば、プラグ組立体1が現場で使用されている間にEDMプラグ組立体10が回転しないことを確保することができる。
【0033】
図11は、例示的な実施形態による、パイププラグ組立体1のキーパ22の斜視図である。キーパ22は、弾性材料(例えば、X−750など)から形成することができ、これによりキーパ22は、EDMプラグ10のJ形キーパ凹部10bに嵌まり込むことができるバネとして機能するようになる。3つの接触点(リップ22b1、リップ22b2、及びタブ22b3)を設けて、アンダーカット10b1、10b2、及び10b3(
図4及び10に示す)と嵌合させ、パイププラグ組立体1が使用中である間にキーパ22がキーパ凹部10b内に確実に留まるようにすることができる点は留意されたい。
【0034】
図12は、例示的な実施形態による、パイププラグ組立体1のラチェットナット12の側面図である。歯状部12bは、キーパ歯状部22aが歯状部12bと接触できるようにすることにより、回転防止の目的で設けることができる。球形で、幾分凸面状の底面12cは、ラチェットナット12に設けることができる点に留意されたい。ラチェットナット12の凸面状面12cは、ワッシャ24の球形の凹面状面24と嵌合し、パイププラグ組立体1が現場で設置されたときにプラグボルト14cがEDMプラグ10と厳密には直角(すなわち、90度)ではないように設置される場合に、EDMプラグ10の凹型中央孔10a内のラチェットナット12の位置決め及び嵌合に対する許容公差を提供することができる。ラチェットナット12の球面12cとワッシャ24の球面との間の嵌合は、
図13においてより詳細に理解することができる。ラチェットナット12の構成材料は、304SS又は316SSを含むことができる。
【0035】
図13は、例示的な実施形態による、カラー60及びライザーパイプ壁51に穿孔された孔の外部にあるパイププラグ組立体1の断面図である。パイププラグ1は、ブッシュ組立体16内のギャップ16c(例えば
図9に示す)が閉じている(ギャップ16cがほぼ0.00インチである)ときの「初期設置状態」で図示されている。この「初期設置状態」において、パイププラグ14及びブッシュ組立体16の直径dは、カラー60及びライザーパイプ壁51の直径Dよりも小さく、パイププラグ組立体1を方向Aでカラー60及びライザーパイプ壁51に挿入することができるようになる。ネジ61は、カラー60に機械加工され、EDMプラグ10のネジ18と嵌合することができる点に留意されたい。また、ワッシャ24及びラチェットナット12の表面12cの球形状も本図に詳細に示されている。上述のように、ワッシャ24及び表面12cの球形状により、ラチェットナット12が枢動できるようにして、プラグボルト14cが偏心角度でEDMプラグ10を貫通する場合にある許容公差を提供することができる(すなわち、ラチェットナット12は、角度ずれがある場合に枢動することができる)。球形ワッシャの構成材料は、X−750とすることができる。
【0036】
図14は、例示的な実施形態による、カラー60及びライザーパイプ壁51に穿孔された孔の内部にあるパイププラグ組立体1の断面図である。パイププラグ組立体1は依然として「初期設置状態」にあり、これはギャップ16C(例えば
図9に示す)が依然として閉じられている(ギャップ16cがほぼ0.00インチである)ことを意味する。これによりギャップ62は、ブッシュ組立体16と、カラー60及びライザーパイプ壁51の内径との間に存在するようになる。ブッシュセクションベース16Dは、カラー60内に設けられた凹型孔の外側表面に接して且つ所定位置にブッシュ組立体16を保持するためのリップとして機能することができる。
【0037】
図15は、例示的な実施形態による、カラー60及びライザーパイプ壁51に穿孔された孔に設置されたパイププラグ組立体1の断面図である。パイププラグ組立体1は、ここでは、ギャップ16c(例えば
図9に示す)が拡張されて、ブッシュ組立体16の直径がカラー60及びライザーパイプ51内の孔の直径と整合するようになっているような、「設置済み状態」で示されている。ギャップの拡張は、例えば、約0.1インチとすることができる。ブッシュ組立体16の拡張は、パイププラグ14がブッシュ組立体16に引き込まれたときにプラグボルト14cをEDMプラグ10に通して引き寄せる軸方向張力をもたらすラチェットナット12の締結によって達成される。パイププラグ14の外壁の僅かな角度により、ブッシュ組立体16の直径が拡張するようになると共に、ギャップ16c(例えば
図9に示す)のサイズが増大し拡張可能になる。設置されると、パイププラグ組立体1のブッシュ組立体16の拡張可能な性質は、カラー60及びライザーパイプ壁51の両方における孔の内径に対する半径方向圧力を提供することができる。カラー60及びライザーパイプ壁51の両方を貫通するパイププラグ組立体1が存在することで、カラー60からライザーパイプ51に軸方向力及び捩り力が伝達され、これは、ライザーパイプ51の補修中に好都合とすることができる。
【0038】
上述のプラグ組立体1は、特にカラー/ブラケット及びパイプ壁がEDM整合穿孔される場合に、パイプの球面上にカラー又はブラケットを構築するのに好適である点を理解されたい。整合穿孔は、複数の材料層(カラー又はブラケット、及びパイプ壁)を一度に穿孔できるようにする。1つの例示的な実施形態において、整合穿孔は、ほぼ垂直の角度(すなわち、90度の角度)でカラー/ブラケット及びパイプ壁の両方を貫通する直線状の孔を穿孔することにより達成することができる。整合穿孔中、直線状の孔の穿孔は、テーパ付きの孔(この場合、テーパ付き孔を塞ぐためにテーパ付きウェッジが必要となる)よりも実施が容易である。プラグ組立体1のブッシュ組立体16の能力によって、直線状の孔がテーパを必要とすることなく塞ぐことが可能になり、現地設置を確実により容易に実施することができ、構成要素の振動及びパイプからの流体の漏洩を低減するために締まり嵌めが設けられるときよりも大きな成功が達成される。プラグ組立体1の拡張は、パイプ(BWRジェットポンプ組立体のライザーパイプのような)の外径にだけアクセスでき、パイプの内径にはアクセスできない場合に特に有用である。
【0039】
上述の例示的な実施形態は、BWRジェットポンプ組立体のライザーパイプのようなパイプの円周方向表面にカラー又はブラケットを構築するのに用いることができるパイププラグ組立体に関するものであるが、パイププラグ組立体はまた、単に孔を塞ぐのにも用いることができる点は理解されたい。更に、孔は、平坦な壁又は表面に穿孔された孔であってもよいので、必ずしもパイプの円周方向表面上にある必要はない。更にまた、例示的な実施形態は、放電加工機(EDM)を介して形成された孔を塞ぐことに関して説明されたが、他のあらゆるタイプの機械加工又は穿孔加工を用いて孔を形成し、次いで、例示的な実施形態を用いてこの孔を塞ぐことができる点は理解されたい。
【0040】
以上のように、記載された例示的な実施形態は、多くの方式で変えることができる点は明らかであろう。このような変形形態は、例示的な実施形態の目的とする技術的思想及び範囲からの逸脱とみなすべきではなく、当業者には明らかであろうこのような修正形態は全て、添付の請求項の範囲内にあるものとする。