(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御手段は、前記撮像画像に前記仮想空間の画像を重畳した合成画像を前記表示装置に表示させることで、ユーザーが、前記仮想空間の画像が現実空間に重畳されて視
認可能とする、
請求項11に記載の情報処理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された技術では、剥離除去可能な層が除去され、暗証コードが用いられた後のプリペイドカードは、ユーザーの手許に残るが、特段の用途の無いものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記した問題に鑑み、所定の価値またはコンテンツをユーザーに取得させるための情報を保持する情報保持媒体を、該所定の価値またはコンテンツをユーザーが取得した後にも、ユーザーが活用可能なものとすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。即ち、本発明は、所定の価値またはコンテンツをユーザーに取得させるための情報を保持する情報保持媒体であって、撮像装置によって撮像されることで、該撮像装置に対する位置および姿勢を特定可能な特徴を備え、前記情報は、該情報保持媒体を引き渡すことなく前記所定の価値またはコンテンツを取得可能な情報である、情報保持媒体である。
【0007】
本発明において情報保持媒体に保持される情報は、所定の価値またはコンテンツをユーザーに取得させるための情報であり、例えば、プリペイドコードやダウンロードコード、商品の引き換えコード、等が挙げられる。
【0008】
情報保持媒体は、例えばカード状の形状を有することができるが、情報保持媒体の形状はカード状に限定されない。ディスク状、ブロック状等、情報保持媒体には様々な形状の媒体を用いることが出来る。また、情報保持媒体が情報を保持する方法としては、印刷等の方法で、情報をユーザーが視認可能または光学認識可能な態様で記録するする方法を採用してよい。但し、これらのコードは、プリペイドカード等の媒体に固定された状態でユーザーによって視認可能なものに限定されない。例えば、これらのコードは、情報処理装置と通信可能な読取装置によって読取可能な媒体に電子的に記録されて読み取られるものであってよい。
【0009】
また、撮像装置に対する位置および姿勢を特定可能な特徴とは、例えば、現実空間に各種情報を重畳する技術である拡張現実(AR:Augmented Reality)処理用のマーカー、または二次元バーコード等のコードである。なお、このような特徴は、専用のマーカーやコード等に限られない。他用途に用いられる記号、文字、図形、絵、お
よびそれらの組み合わせ等であっても、仮想オブジェクトの表示基準を取得可能なものであれば、前記特徴として用いることが出来る。
【0010】
また、前記情報は、予め設定された価値またはコンテンツの取得完了後、更なる価値またはコンテンツの取得が制限される情報であってもよい。
【0011】
また、前記情報は、所定の情報処理装置に入力されることで、該情報処理装置に前記所定の価値またはコンテンツを取得させる情報であり、前記特徴は、前記所定の情報処理装置に接続された撮像装置によって撮像されることで、位置および姿勢を特定可能な特徴であってもよい。
【0012】
即ち、本発明に係る情報および特徴は、同一の情報処理装置で利用されるものであってよい。なお、情報処理装置への情報の入力方法には、ユーザーの手入力による方法、撮像による方法、電子的な通信による方法など、様々なものが採用されてよい。
【0013】
また、前記情報は、情報処理装置によって実行されて仮想オブジェクトを表示させるコンテンツを取得させるための情報であり、前記特徴は、前記コンテンツを実行する情報処理装置によって、前記仮想オブジェクトの位置および姿勢を決定するための基準として認識されてもよい。
【0014】
これによって、ユーザーは、情報を用いて取得したコンテンツを実行する際に、仮想オブジェクト表示のための特徴(マーカー等)を別途準備することなく、情報保持装置に備えられた特徴を用いて仮想オブジェクトを表示させることが出来る。
【0015】
また、前記特徴は、情報処理装置によって実行される所定のコンテンツ中に登場する仮想オブジェクトの位置および姿勢を決定するための基準として認識され、前記情報は、前記所定のコンテンツ中で用いられる所定の価値または追加コンテンツを取得可能な情報であってもよい。
【0016】
これによって、ユーザーは、情報保持装置に備えられた特徴を用いて所定のコンテンツを実行する場合に、当該所定のコンテンツ中で用いられる所定の価値または追加コンテンツを、プリペイドカード等を別途準備することなく、当該情報保持装置に備えられた情報を用いて取得することが出来る。なお、追加コンテンツとは、基礎となる前記所定のコンテンツに追加されて用いられるコンテンツである。
【0017】
また、前記情報保持媒体は、カード状の形状を有しており、一方の面に前記情報を、他方の面に前記特徴を備えてもよい。例えば、前記情報保持媒体は、プリペイドカードであり、前記情報は、プリペイド情報であってもよい。
【0018】
また、前記情報保持媒体は、前記ユーザーによって取り外し可能に前記情報保持媒体が設置される媒体保持装置を更に備え、前記媒体保持装置は、情報処理装置によって実行されて仮想オブジェクトを表示させるコンテンツを取得させるためのコードを有し、前記特徴は、前記コンテンツを実行する情報処理装置によって、前記仮想オブジェクトの位置および姿勢を決定するための基準として認識されてもよい。
【0019】
また、前記情報保持媒体は、前記ユーザーによって取り外し可能に前記情報保持媒体が設置される媒体保持装置を更に備え、前記媒体保持装置は、前記情報保持媒体に備えられた前記特徴とは異なる種類の特徴を有してもよい。
【0020】
これによって、ユーザーは、取得したコンテンツを実行する際に、仮想オブジェクト表
示のための特徴(マーカー等)を別途準備することなく、情報保持装置に備えられた特徴を用いて仮想オブジェクトを表示させることが出来る。
【0021】
また、前記情報保持媒体は、前記情報を隠し、前記ユーザーによって所定の方法で除去される被覆層を更に備えてもよい。これによって、販売時等において、所定の価値またはコンテンツをユーザーに取得させるための情報を隠し、販売等した後に情報を利用させることが出来る。
【0022】
また、本発明は、情報処理システムの発明としても把握することが出来る。例えば、本発明は、上記の情報保持媒体と、情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記情報保持媒体に保持されている前記情報を取得する情報取得手段と、取得された前記情報に応じた所定の価値またはコンテンツをユーザーに取得させる価値/コンテンツ取得手段と、現実空間に配置された特徴を検出する特徴検出手段と、前記特徴に基づいて配置された仮想オブジェクトを含む仮想空間の画像を生成する画像生成手段と、前記仮想空間の画像が現実空間に重畳されてユーザーから視認されるように、表示装置に画像を表示させる表示制御手段と、を有する、情報処理システムであってもよい。
【0023】
ここで、表示装置は、本発明に係る情報処理装置に周辺機器として接続されたものであってもよいし、通信網等を介して接続されたものであってもよい。また、本発明に係る情報処理装置は、所謂クラウド等の仮想的な環境に構築されたものであってもよい。
【0024】
なお、本発明が適用される拡張現実技術の種類は限定されない。本発明は、例えば、撮像画像に仮想空間画像を合成した合成画像を表示することで仮想空間の画像が現実空間に重畳されてユーザーから視認されるタイプの拡張現実技術にも適用可能であるし、ユーザーの視界に仮想空間画像を映写することで仮想空間の画像が現実空間に重畳されてユーザーから視認されるタイプの拡張現実技術(例えば、HUD:Head−Up Display等)にも適用可能である。
【0025】
また、前記情報処理装置は、撮像装置によって撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得手段を更に備え、前記特徴検出手段は、前記撮像画像に撮像された前記現実空間における特徴を、該撮像画像から検出してもよい。
【0026】
また、前記表示制御手段は、前記撮像画像に前記仮想空間の画像を重畳した合成画像を前記表示装置に表示させることで、ユーザーが、前記仮想空間の画像が現実空間に重畳されて視認可能としてもよい。
【0027】
また、本発明は、情報処理装置、1または複数の情報処理装置を有する情報処理システム、コンピュータによって実行される方法、またはコンピュータに実行させるプログラムとしても把握することが可能である。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、所定の価値またはコンテンツをユーザーに取得させるための情報を保持する情報保持媒体を、該所定の価値またはコンテンツをユーザーが取得した後にも、ユーザーが活用可能なものとすることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態毎に具体的構成が適宜採用されてよい。例えば、本発明は、1または複数の情報処理装置を有する情報処理システムおよび情報処理方法等に適用することが出来る。
【0031】
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係るシステム100の構成を示す図である。システム100には、情報処理装置1、プリペイドカード2および台紙4が含まれる。
【0032】
情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、補助記憶装置14、撮像装置15、ディスプレイ(表示装置)16、各種ボタンやタッチパネル等の入力装置17、およびネットワークインターフェース18が電気的に接続された情報処理装置である。なお、情報処理装置1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の形態毎に適宜構成要素の省略や置換、追加が行われてよい。
【0033】
CPU11は、中央処理装置であり、RAM12およびROM13等に展開された命令及びデータを処理することで、RAM12、補助記憶装置14等の、情報処理装置1に備えられた各構成を制御する。また、RAM12は、主記憶装置であり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。即ち、CPU11、RAM12、およびROM13は、情報処理装置1の制御部を構成する。
【0034】
補助記憶装置14は、不揮発性の記憶装置であり、主に情報処理装置1の電源を落としても保持したい情報、例えば、RAM12にロードされる情報処理装置1のOS(Operating System)や、後述する処理を実行するための各種プログラム、情報処理装置1によって使用される各種データ、等が書き込まれ、読み出される。補助記憶装置14としては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable
Programmable ROM)やHDD(Hard Disk Drive)等を用いることが出来る。また、補助記憶装置14として、情報処理装置1に対して着脱可能に装着される可搬媒体が用いられてもよい。可搬媒体の例としては、EEPROM等によるメモリーカード、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)およびBD(Blu−ray Disc)等が挙げられる
。可搬媒体による補助記憶装置14と、可搬型ではない補助記憶装置14とは、組み合わせて用いることも可能である。
【0035】
ネットワークインターフェース18は、LAN(Local Area Network)や携帯電話網、インターネット等のネットワークを介して、サーバー(図示は省略する)とデータを送受信する。
【0036】
図2は、本実施形態に係るプリペイドカード2のコード面(カードの表面)を示す図である。
図3は、本実施形態に係るプリペイドカード2のマーカー面(カードの裏面)を示す図である。プリペイドカード2は、所定の価値またはコンテンツをユーザーに取得させるための情報を保持する情報保持媒体であり、本実施形態では、所定の価値またはコンテンツをユーザーに取得させるための情報として、プリペイドコード31が用いられる。なお、本実施形態では、情報保持媒体としてカード状の媒体を用いることとしているが、情報保持媒体の形状はカード状に限定されない。ディスク状、ブロック状等、情報保持媒体には様々な形状の媒体を用いることが出来る。
【0037】
プリペイドカード2は、コード面に印刷された、情報処理装置1を用いて所定の価値またはコンテンツをユーザーが取得する場合にユーザーによって入力されるプリペイドコード31と、店頭販売時にPOS端末のバーコードリーダー等で読み取られるためのバーコード32と、を備える。更に、プリペイドカード2は、マーカー面に印刷されたARマーカー3aを備える。但し、プリペイドコード31、バーコード32およびマーカー3aは、印刷以外の方法でプリペイドカード2に備えられてもよい。また、本実施形態では、プリペイドコード31はユーザーが視認して情報処理装置1に入力可能な文字で記録され、バーコード32はユーザーが視認可能であり且つ光学認識可能なパターンで記録されているが、これらのコードは、プリペイドカード等の媒体に固定された状態でユーザーによって視認可能なものに限定されない。例えば、これらのコードは、情報処理装置1と通信可能な読取装置によって読取可能な媒体(例えば、EEPROM等)に電子的に記録されて読み取られるものであってよい。また、読取装置によるコード読み取りの方式にも、有線または無線(RFID等)何れの方式が採用されてもよい。
【0038】
本実施形態において用いられるプリペイドコード31は、情報処理装置1にコードを入力することによって、プリペイドカード2を引き渡すことなく所定の価値またはコンテンツを取得可能な情報である。また、予め設定された価値またはコンテンツの取得完了後、更なる価値またはコンテンツの取得が制限される情報である。即ち、本実施形態に係るプリペイドコード31は、所定額(例えば、2000円)分のシステム内通貨の加算、または所定のコンテンツ(例えば、所定のゲームプログラム)のダウンロードが完了すると、システム上で無効化され、プリペイドコード31の再利用が制限される。
【0039】
なお、本実施形態では、プリペイドコード31は、店頭販売時点においてユーザーから読むことができないように、被覆層で隠蔽される。被覆層の図示は省略する。
図2に示す破線枠33は、被覆層によって覆われる領域33を示す。この被覆層は、プリペイドカード2の購入後にユーザーが剥離・除去可能なものである。被覆層としては、例えば、硬貨や爪等を用いて削ることで除去可能なものや、粘着テープ等を用いて除去可能なもの、剥がして除去可能なシール状のもの、等が採用されてよい。
【0040】
図4は、本実施形態に係るプリペイドカード2が貼付される台紙4の内側面を示す図である。本実施形態に係る台紙4は、ユーザーによって取り外し可能にプリペイドカード2を保持する媒体保持装置であり、プリペイドカード2の店頭陳列用に用いられる。なお、台紙4の外側面については、図示を省略する。台紙4は、折線41、孔42a、42b、開口43、保持部44、ダウンロードコード45、およびマーカー3bを備える。店頭販
売の際には、台紙4の保持部44にプリペイドカード2が貼り付けられ(設置され)、折線41で内側面が内側となるように谷折りされて陳列される。孔42a、42bは、台紙4が折線41で折られた状態で互いに重なる位置に備えられており、台紙4が折られた状態で重なって1つの挿通孔を形成する。店頭陳列時には、この挿通孔に、什器に設けられた陳列用レールを挿通させることが出来る。また、プリペイドカード2のコード面は、台紙4のプリペイドカード保持部44に、プリペイドカード2がユーザーによって容易に取り外し可能なように圧着等の方法で固定されている。
【0041】
開口43は、プリペイドカード2が台紙4の保持部44に固定された状態で、プリペイドカード2のバーコード32がこの開口43を介して台紙4の外側から視認可能な位置に設けられる。このようにすることで、店頭販売時に、台紙4からプリペイドカード2を外すことなくPOS端末にバーコード32を読み込ませ、ユーザーにプリペイドカード2を販売することが出来る。即ち、ユーザーは、プリペイドカード2を台紙4から外すことなくプリペイドカード2を購入し、台紙4ごとプリペイドカード2を持ち帰ることが出来る。また、本実施形態に係るプリペイドカード2のプリペイドコード31は、対応するバーコード32がPOS端末に読み取られてPOSシステムで処理されることでアクティベートされ、所定の価値またはコンテンツの取得に用いることが可能となる。このような機能を備えるために、プリペイドカードとして、例えばPOSA(Point of Sales Activation)カードを採用してもよい。
【0042】
また、本実施形態において、台紙4には、所定のコンテンツ(例えば、ゲームプログラム)をダウンロードするためのダウンロードコード45が印刷されている。このコンテンツは、プリペイドコード31によって取得可能な所定のコンテンツとは異なるコンテンツである。また、ダウンロードコード45を用いてダウンロードされるコンテンツは、情報処理装置1によって実行されて後述するAR処理を行い、台紙4に固定されるプリペイドカード2に付されたマーカー3a、および台紙4に付されたマーカー3bに基づいた仮想オブジェクトを表示させるコンテンツであってもよい。
【0043】
プリペイドカード2および台紙4には、印刷等の方法で互いに異なる種類のマーカー3a、3b(但し、マーカーの種類を区別しない場合には、単に「マーカー3」と称する)が付されている。このマーカー3は、情報処理装置1によって表示される仮想オブジェクトと対応付けられており、該マーカー3に対応付けられた仮想オブジェクトが表示される際の位置姿勢の基準を示す指標である。
図1においてプリペイドカード2および台紙4は1枚ずつ示されているが、用いられるプリペイドカード2または台紙4は1枚であってもよいし、2枚以上のその他の枚数であってもよい。また、プリペイドカード2および台紙4には、異なる仮想オブジェクトを表示するために夫々異なるマーカー3が付されているが、同一のマーカーが付されたプリペイドカード2および台紙4が用いられてもよい。本実施形態では、マーカー3は、異なるキャラクター等の図柄が描かれることでその種類が区別され、情報処理装置1は、マーカー3に描かれたキャラクター等に応じた仮想オブジェクトを表示する。
【0044】
本実施形態において、仮想オブジェクトは、情報処理装置1のディスプレイ16において、対応付けられたマーカー3に対して所定位置に合成表示される。また、仮想オブジェクトは、上下、前後、および左右の方向を有する。そのため、マーカー3は、仮想オブジェクトの表示姿勢を特定することが可能なものであることが好ましい。即ち、マーカー3は、撮像装置15を用いて撮像されることで、撮像装置15に対する位置および姿勢を特定可能な記号、文字、図形、絵、およびそれらの組み合わせ等であることが好ましい。
【0045】
次に、本実施形態に係る情報処理装置1が備える機能について説明する。本実施形態に係る情報処理装置1は、所謂AR機能を備えた情報処理装置である。情報処理装置1は、
撮像装置15を用いて撮像された実空間の撮像画像に、仮想カメラを用いて描画(レンダリング)された仮想空間内の仮想オブジェクトを合成して、ディスプレイ16に表示する機能を有する。本実施形態において、仮想オブジェクトは、3次元の画像データである。但し、仮想オブジェクトは、2次元の画像データであってもよい。
【0046】
図5は、本実施形態に係る情報処理装置1の機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係る情報処理装置1は、CPU11が、RAM12に展開された各種プログラムを解釈および実行することで、撮像画像取得部21、特徴検出部22、表示基準情報更新部23、表示基準情報記憶部24、画像生成部25、表示制御部26、情報取得部27および価値/コンテンツ取得部28を備える情報処理装置として機能する。本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPU11によって実行される例について説明しているが、これらの機能は、その一部または全部が、1または複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。
【0047】
撮像画像取得部21は、撮像装置15によって撮像された撮像画像を取得する。そして、特徴検出部22は、撮像装置15によって撮像された画像に対して、例えばパターンマッチング等の画像処理を行うことによって、当該画像に含まれるマーカー3を検出することができる。マーカー3の検出は、例えば、画像認識エンジンを用いて行われる。
【0048】
表示基準情報更新部23は、検出されたマーカー3に基づいて、撮像画像に撮像された空間における位置および姿勢を示す基準となる情報を取得し、表示基準情報を更新する。本実施形態では、カメラが動いたり、マーカー3が移動されたりした場合であっても、カメラに対する最新のマーカー位置および姿勢に従って、表示基準情報記憶部24によって記憶されている表示基準情報が更新される。
【0049】
表示基準情報記憶部24は、仮想空間に配置される仮想オブジェクトの位置および姿勢を決定するための表示基準情報を記憶する。本実施形態において、表示基準情報とは、仮想空間内における仮想オブジェクトの位置および姿勢を示すために用いられる基準である。但し、表示基準情報は、仮想空間内における仮想オブジェクトの位置および姿勢の何れか一方のみを示すために用いられる基準であってもよい。本実施形態の基準取得処理では、表示基準情報として、マーカー3の中心点を原点とし、互いに直交する3軸を用いたマーカー座標系が、マーカー3毎に取得される。ただし、表示基準情報として、撮像画像そのもの等、マーカー座標系以外のものが用いられてもよい。また、複数のマーカー3間で、1つのマーカー座標系を共有して用いることも可能である。実空間に配置されたマーカー3を基準として仮想空間の座標系が定義されることにより、実空間と仮想空間とを対応付けることができる。なお、実空間と仮想空間との対応付けには、マーカー座標系を用いる方法以外の方法が採用されてもよい。
【0050】
本実施形態において、仮想空間に配置される仮想オブジェクトは、当該仮想オブジェクトが対応づけられたマーカー3のマーカー座標系に配置される。マーカー座標系は、撮像画像に含まれるマーカー3の見え方から、撮像装置15に対するマーカー3の位置および姿勢を算出することで、取得することができる。マーカー座標系における仮想カメラの位置および姿勢は、実空間の撮像装置15の位置および姿勢と一致される。このため、マーカー3に基づいて仮想空間が定義され、当該仮想空間において、撮像装置15の位置や撮像方向を変化させると、ディスプレイ16に表示される仮想空間の画像も変化する。
【0051】
画像生成部25は、仮想空間に、表示基準情報記憶部24によって記憶されている表示基準情報に従って位置および姿勢が決定される仮想オブジェクトを配置し、仮想カメラから見た仮想空間の画像を生成することで、仮想空間画像を描画(レンダリング)する。そして、本実施形態に係る情報処理装置1は、上記説明したAR機能のために、撮像画像取
得部21によって取得された撮像画像と、画像生成部25によって生成された仮想オブジェクトを含む仮想空間画像と、を重畳した合成画像を生成する。
【0052】
表示制御部26は、生成された合成画像を、表示装置であるディスプレイ16によって表示させる。このようにすることで、ユーザーは、現実空間に、実際に仮想オブジェクトが存在するかのような感覚を得ることが出来る。
【0053】
情報取得部27は、情報保持媒体であるプリペイドカード2に保持されているプリペイドコード31を取得する。本実施形態では、情報取得部27は、プリペイドコード31を読んだユーザーに、入力装置17を介してプリペイドコード31を入力させることで、プリペイドコード31を取得する。但し、プリペイドコード31の取得方法には、その他の方法が採用されてもよい。例えば、印刷されたプリペイドコード31が撮像装置15によって撮像されて文字認識等されることで、プリペイドコード31が光学的に取得されてもよいし、プリペイドコード31が電子的に保持されている場合には、プリペイドコード31は、その他の受信装置(図示しないUSB端子やRFID受信装置等)を介して入力されてもよい。
【0054】
価値/コンテンツ取得部28は、情報取得部27によって取得されたプリペイドコード31をサーバーに送信することで、プリペイドコード31に応じた所定の価値またはコンテンツをユーザーに取得させる。本実施形態では、プリペイドコード31に応じた所定の価値として、所定の量のシステム内通貨が取得され、プリペイドコード31に応じた所定のコンテンツとして、所定のコンテンツが取得される。
【0055】
次に、本実施形態に係る情報処理装置1が保持する情報について説明する。情報処理装置1は、上記説明した表示基準情報記憶部24によって記憶される表示基準情報の他に、マーカー情報、仮想オブジェクト情報およびユーザーIDを保持する。
【0056】
マーカー情報は、マーカー3に関する情報である。マーカー情報には、例えば、マーカー3を識別するためのマーカーID、マーカー画像、マーカーサイズ、対応仮想オブジェクトID、仮想オブジェクトの位置姿勢、仮想オブジェクトの表示サイズ等が含まれる。マーカー画像は、マーカー3の外観を示す画像である。また、マーカーサイズは、マーカー3の縦横の長さ等、マーカー3の大きさを示す情報である。情報処理装置1の表示基準情報更新部23は、マーカー画像とマーカーサイズに基づいて、撮像画像に含まれるマーカー3の見え方から、撮像装置15とマーカー3との距離、マーカー3の姿勢等、即ち、マーカー3の位置姿勢情報およびマーカー座標系を取得することができる。対応仮想オブジェクトIDは、マーカー3に対応する位置に表示される仮想オブジェクトの識別番号である。なお、1つのマーカー3に対して2以上の仮想オブジェクトが対応付けられていてもよい。本実施形態では、マーカー情報には、該当マーカー座標系によって管理される仮想オブジェクトの仮想オブジェクトIDが含まれる。仮想オブジェクトの位置姿勢は、マーカー座標系における位置(座標値)および姿勢(ベクトル)で示される。仮想オブジェクトの表示サイズは、マーカー座標系に配置される仮想オブジェクトのサイズを示す情報である。マーカー情報は、システム100において使用される各マーカー3に対して存在する。
【0057】
仮想オブジェクト情報は、マーカー3に対応する位置に表示される仮想オブジェクトに関する情報である。仮想オブジェクト情報には、例えば、仮想オブジェクトを識別するための仮想オブジェクトIDおよび仮想オブジェクトのデータが含まれる。仮想オブジェクト情報は、システム100において使用される各仮想オブジェクトについて存在する。
【0058】
ユーザーIDは、サーバーが情報処理装置1のユーザーを識別するために用いる識別情
報である。情報処理装置1は、必要に応じて補助記憶装置14からユーザーIDを読み出し、サーバーに送信する。但し、ユーザーIDは、必要に応じて入力させることとしてもよい。
【0059】
<処理の流れ>
次に、本実施形態において実行される処理の流れを説明する。なお、本実施形態に係るフローチャートに示された処理の具体的な内容および処理順序は、本発明を実施するための一例である。具体的な処理内容および処理順序は、本発明の実施の形態毎に適宜選択されてよい。
【0060】
図6は、本実施形態に係る価値/コンテンツ取得処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された価値/コンテンツ取得処理は、情報処理装置1において、プリペイドコード31の入力を指示するユーザー操作が受け付けられたことを契機として開始される。
【0061】
情報取得部27は、ユーザーが入力装置17を用いて情報処理装置1に入力したプリペイドコード31を取得する(ステップS001)。そして、価値/コンテンツ取得部28は、情報処理装置1のユーザーIDと共に、ステップS001で取得されたプリペイドコード31を、サーバーに送信する。ここで、ユーザーIDは、サーバーにおいて情報処理装置1のユーザーを識別するための情報であり、プリペイドコード31の入力時にユーザーに入力させることで取得してもよいし、補助記憶装置14等に予め記録したものを読み出すことで取得してもよい。
【0062】
ここで、プリペイドコード31が、ユーザーがコンテンツ等の購入に用いることが出来る所定のシステム内通貨をユーザーに取得させるためのプリペイドコード31である場合には、価値/コンテンツ取得部28によるプリペイドコード31の送信は、サーバーに対するシステム内通貨の加算要求である。システム内通貨の加算要求を受信したサーバーは、受信したユーザーIDに関連付けられたサーバー上のユーザーアカウントに、プリペイドコード31に応じた量のシステム内通貨を加算する。このシステム内通貨は、アカウントのユーザー(ユーザーIDを用いて識別可能)が、その量に応じてオンラインコンテンツ等の購入に用いることが可能である。
【0063】
一方、プリペイドコード31が、ユーザーに所定のコンテンツを取得させるためのプリペイドコード31である場合には、価値/コンテンツ取得部28によるプリペイドコード31の送信は、サーバーに対する所定のコンテンツのダウンロード要求である。コンテンツのダウンロード要求を受信したサーバーは、プリペイドコード31に応じたゲームプログラム等のコンテンツを情報処理装置1に送信し、コンテンツを情報処理装置1にダウンロードさせる。
【0064】
価値/コンテンツ取得部28は、上記のような要求をサーバーに対して送信することで、ユーザーに所定の価値またはコンテンツを取得させる(ステップS002)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0065】
図7は、本実施形態に係るAR処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示されたAR処理は、情報処理装置1において、AR機能を起動するユーザー操作が受け付けられたことを契機として開始される。表示基準情報記憶部24によって記憶される情報はAR機能の起動時に初期化され、表示基準情報記憶部24はAR機能の起動時において表示基準情報を記憶しない。なお、本実施形態に係る処理は、60フレーム/秒で分割されたフレーム毎に繰り返し実行される。
【0066】
ステップS101およびステップS102では、撮像画像が取得され、撮像画像からマーカー3が検出される。撮像画像取得部21は、撮像装置15によって撮像された撮像画像を取得する(ステップS101)。撮像画像が取得されると、特徴検出部22は、撮像画像から、撮像された空間における特徴として、マーカー情報に含まれるマーカー画像に該当するマーカー3を全て検出する。マーカー3の検出は、一般的な画像認識エンジンを用いて行うことが可能である。その後、処理はステップS103へ進む。
【0067】
ステップS103では、マーカー3毎に基準取得処理が実行される。表示基準情報更新部23は、検出されたマーカー3の全てについて、マーカー3毎に、実空間におけるマーカー3の位置姿勢情報を取得し、マーカー3毎の表示基準情報を更新する。より具体的には、表示基準情報更新部23は、マーカー3の撮像画像中の位置、マーカー情報に含まれるマーカーサイズと撮像画像に含まれる該マーカー3のサイズとの比較結果、および、マーカー情報に含まれるマーカー画像に対する撮像画像中のマーカー3の歪み、に基づいて、実空間におけるマーカー3の位置および姿勢を取得する。表示基準情報更新部23は、このようにして取得された、実空間におけるマーカー3の位置姿勢情報をもって、表示基準情報記憶部24によって記憶されている表示基準情報を更新する。その後、処理はステップS104へ進む。
【0068】
ステップS104では、仮想空間の画像が生成される。画像生成部25は、表示基準情報に従って位置および姿勢の少なくとも何れかが決定されてマーカー座標系に配置された1または複数の仮想オブジェクトを含む仮想空間の画像を、マーカー座標系において撮像装置15と同一の位置に配置された仮想カメラの視点から描画する。仮想オブジェクトを描画するための仮想オブジェクトのデータは、仮想オブジェクト情報から取得される。なお、仮想オブジェクトは、1または数フレーム毎に変化することでアニメーションしてもよい。アニメーションは、例えば、仮想オブジェクトのキャラクターが表情を変えたり、動いたりするものとすることが出来る。その後、処理はステップS105へ進む。
【0069】
ステップS105では、表示処理が実行される。表示制御部26は、撮像画像に仮想空間の画像を重畳した合成画像を生成し、この合成画像をディスプレイ16に出力し、表示させる。
【0070】
先述の通り、本フローチャートのステップS101からステップS105に示された処理は、フレーム毎に実行されるものである。このため、本フローチャートに示された処理は、ユーザー操作等に基づいてAR機能が終了されるまで(ステップS106)、定期的にステップS101から繰り返し実行される。
【0071】
図8は、本実施形態に係るAR処理によってAR機能が提供される場合の、ディスプレイ16の表示画面の一例を示す図である。表示領域には撮像画像に仮想空間の画像が重畳されることで生成された合成画像が表示される。
【0072】
先述の通り、表示基準情報記憶部24によって記憶される情報はAR機能の起動時に初期化され、表示基準情報記憶部24はAR機能の起動時において表示基準情報を記憶しない。このため、ユーザー操作に応じて情報処理装置1のAR機能が起動された直後、撮像画像にマーカー3が含まれていない場合、仮想空間に仮想オブジェクトは配置されず、ディスプレイ16には、撮像装置15によって得られた撮像画像のみが表示される。
【0073】
撮像装置15の撮像範囲にマーカー3が入り、撮像画像にマーカー3が含まれると、特徴検出部22によって検出されたマーカー3に基づいて表示基準情報更新部23が表示基準情報を更新し、画像生成部25によって、マーカー3に対応する位置および姿勢で仮想オブジェクトが描画される。このため、ディスプレイ16にはマーカー3の上に仮想オブ
ジェクトが重畳された合成画像が表示される。
【0074】
ここで、情報処理装置1は、マーカー3の数、種類、組合せ、位置姿勢等の状態、等に基づいて、仮想オブジェクトを含む表示内容を変化させたり、その他の処理を変化させたりしてもよい。例えば、情報処理装置1は、検出されたマーカー3のマーカーIDに基づいて各マーカー3の種類や複数のマーカー3の組み合わせを特定することが出来る。また、例えば、情報処理装置1は、取得された複数のマーカー3の位置姿勢情報の関係から、マーカー3の位置関係を特定することが出来る。ここで特定される位置関係には、マーカー3の並びや、マーカーの向きの関係(角度等)、が含まれてよい。
【0075】
また、本実施形態において、プリペイドコード31は、マーカー3を用いたAR処理を含むコンテンツを取得するためのプリペイドコード31であってもよい。即ち、プリペイドコード31を、情報処理装置1によって実行されて仮想オブジェクトを表示させるコンテンツを取得させるためのプリペイドコード31とし、マーカー3を、このようにして取得されたコンテンツを実行する情報処理装置1によって、仮想オブジェクトの位置および姿勢を決定するための基準として認識させるマーカー3としてもよい。
【0076】
また、本実施形態において、プリペイドコード31は、マーカー3を用いたAR処理を含むコンテンツ(例えば、ゲーム)内の課金支払に用いることが出来るコンテンツ内通貨(ゲーム内通貨)のプリペイドコード31であってもよい。即ち、マーカー3を、情報処理装置1によって実行されるコンテンツ中に登場する仮想オブジェクトの位置および姿勢を決定するための基準として認識させ、プリペイドコード31を、このコンテンツ中で用いられる所定の価値または追加コンテンツを取得可能なプリペイドコード31としてもよい。ここで、追加コンテンツとは、基礎となるコンテンツの中で実行等されるコンテンツである。
【0077】
<実施形態のバリエーション>
上記説明した実施形態において、表示制御部26は、撮像画像に仮想空間の画像を重畳した合成画像を表示装置に表示させることで、ユーザーが、仮想空間の画像が現実空間に重畳されて視認可能とする。但し、表示制御部26は、仮想空間の画像が現実空間に重畳されてユーザーから視認されるように、表示装置に画像を表示させればよく、合成画像を表示する方式に限定されない。例えば、本発明は、HUD(Head−Up Display)や、ユーザーが装着しているメガネに仮想空間画像を映写する方式等、ユーザーの視界に仮想空間画像を映写することで仮想空間の画像が現実空間に重畳されてユーザーから視認されるタイプの拡張現実技術に適用されてもよい。
【0078】
また、上記説明した実施形態では、表示基準情報としてマーカー座標系を用いる例を説明したが、表示基準情報は、現実空間から得られた情報であって、仮想空間における仮想オブジェクトの位置および姿勢の少なくとも何れかの基準として用いることが可能なものであればよい。例えば、表示基準情報は、撮像画像自体であってもよい。撮像画像を表示基準情報として用いる場合、画像生成部25は、フレーム毎に、表示基準情報として記憶されている撮像画像から、仮想オブジェクトの表示基準を抽出する。