特許第6283178号(P6283178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283178
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】シート断裁装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/18 20060101AFI20180208BHJP
   B26D 1/08 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   B26D7/18 E
   B26D1/08
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-152078(P2013-152078)
(22)【出願日】2013年7月22日
(65)【公開番号】特開2015-20259(P2015-20259A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100131196
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 武信
(72)【発明者】
【氏名】山田 博之
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓磨
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−247237(JP,A)
【文献】 特開2008−238394(JP,A)
【文献】 特開2012−101347(JP,A)
【文献】 特開昭57−189797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/18
B26D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断裁対象のシートが載置される略水平な状態で鉛直方向上方に向いている載置面を有する台と、
前記台の一つの端部に設けられた帯状の固定刃と、
鉛直方向上方から鉛直方向下方に移動し前記固定刃と協働して、前記載置面に載置された前記シートを断裁する板状の可動刃と、
前記固定刃及び可動刃を挟んで前記載置面と対向する位置に設けられ前記固定刃及び可動刃によって断裁される屑を一時的に支持する補助部と、
前記可動刃の前記固定刃と接触する面の裏側に固定され、前記補助部に付着した前記屑を掻き落とす掻き落とし部と、
を備えるシート断裁装置。
【請求項2】
前記掻き落とし部の形状は、板状であって、
前記掻き落とし部は、前記台の前記載置面が略水平な状態で鉛直方向上方に向いている場合に略水平となるように設けられている、
請求項に記載のシート断裁装置。
【請求項3】
前記掻き落とし部の形状は、板状であって、
前記掻き落とし部は、前記可動刃に搖動可能に取り付けられている、
請求項に記載のシート断裁装置。
【請求項4】
前記補助部は、画像形成装置によって処理された前記シートを前記台の前記載置面に案内する機能を有し、
前記掻き落とし部は、前記補助部が前記シートを前記台の前記載置面に案内する場合に前記シートに接触しない位置に設けられている、
請求項に記載のシート断裁装置。
【請求項5】
前記補助部は、画像形成装置によって処理された前記シートを前記台の前記載置面に案内する機能を有し、
前記掻き落とし部は、前記補助部が前記シートを前記台の前記載置面に案内する場合に前記シートに接触する位置に設けられている、
請求項に記載のシート断裁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを断裁するシート断裁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製本すること等を目的として、シートを断裁するシート断裁装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。従来のシート断裁装置は、断裁対象のシートが載置される台と、台に設けられた帯状の固定刃と、固定刃と協働してシートを断裁する可動刃とを有する。従来のシート断裁装置では、断裁対象のシートが台に載置され、シートのうちの台からはみ出た部位は補助部によって補助的に支持され、固定刃と可動刃とが協働して台に載置されたシートを断裁する。断裁によって生じた屑は、落下して屑箱に収められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−247237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシート断裁装置による断裁によって生じた屑の多くは、落下して屑箱に収められる。しかしながら、屑は帯電している場合があり、その場合、屑は、台に載置されたシートのうちの台からはみ出た部位を補助的に支持する補助部に付着することがある。屑が補助部に付着すると、次の断裁処理時において不具合を生じさせる場合がある。例えば、屑が補助部からはみ出した状態で補助部に付着すると、断裁対象のある部位がその他の部位より僅かに厚くなり、それにより、次の断裁処理時において可動刃が蛇行したり滑ったりして断裁処理に不具合を生じさせる場合がある。台に載置されたシートのうちの台からはみ出た部位を補助的に支持する補助部にシートを断裁することによって生じた屑が付着した場合に補助部から屑を取り除くシート断裁装置が提供されることが求められている。
【0005】
本発明は、台に載置されたシートのうちの台からはみ出た部位を補助的に支持する補助部にシートを断裁することによって生じた屑が付着した場合に補助部から屑を取り除くシート断裁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るシート断裁装置は、断裁対象のシートが載置される略水平な状態で鉛直方向上方に向いている載置面を有する台と、前記台の一つの端部に設けられた帯状の固定刃と、鉛直方向上方から鉛直方向下方に移動し前記固定刃と協働して、前記載置面に載置された前記シートを断裁する板状の可動刃と、前記固定刃及び可動刃を挟んで前記載置面と対向する位置に設けられ前記固定刃及び可動刃によって断裁される屑を一時的に支持する補助部と、前記可動刃の前記固定刃と接触する面の裏側に固定され、前記補助部に付着した前記屑を掻き落とす掻き落とし部と、を備える。
【0008】
掻き落とし部の形状は板状であって、掻き落とし部は、台の載置面が水平な状態で鉛直方向上方に向いている場合に水平となるように設けられていてもよい。
【0009】
掻き落とし部の形状は板状であって、掻き落とし部は、可動刃に搖動可能に取り付けられていてもよい。
【0010】
掻き落とし部は、導電性を有していてもよい。
【0011】
掻き落とし部は、ブラシであってもよいし、布であってもよい。
【0012】
補助部は、画像形成装置によって処理されたシートを台の載置面に案内する機能を有し、掻き落とし部は、補助部がシートを台の載置面に案内する場合にシートに接触しない位置に設けられていてもよい。
【0013】
補助部は、画像形成装置によって処理されたシートを台の載置面に案内する機能を有し、掻き落とし部は、補助部がシートを台の載置面に案内する場合にシートに接触する位置に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、台に載置されたシートのうちの台からはみ出た部位を補助的に支持する補助部にシートを断裁することによって生じた屑が付着した場合に補助部から屑を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態のシート断裁装置によって断裁されるシートの斜視図である。
図2】本発明の実施の形態のシート断裁装置が断裁対象のシートを断裁している状況を簡単に示す図である。
図3】本発明の実施の形態におけるシート断裁装置の斜視図である。
図4図3に示すシート断裁装置の正面図である。
図5図4に示すV−V線におけるシート断裁装置の断面図である。
図6図3に示すシート断裁装置の支持部の平面図である。
図7】断裁対象のシートが本発明の実施の形態におけるシート断裁装置によって断裁された場合に屑がシート断裁装置のガイドプレートのガイド面に付着している状況を示す図である。
図8】本実施の形態のシート断裁装置の掻き落とし部によってガイドプレートのガイド面に付着した屑が掻き落とされている状況を説明するための図である。
図9A】従来のシート断裁装置がシートを断裁した場合に生じる屑が落下して屑箱に収められる状況を説明するための第1図である。
図9B】従来のシート断裁装置がシートを断裁した場合に生じる屑が落下して屑箱に収められる状況を説明するための第2図である。
図9C】従来のシート断裁装置がシートを断裁した場合に生じる屑が落下して屑箱に収められる状況を説明するための第3図である。
図10A】本発明の実施の形態のシート断裁装置がシートを断裁した場合に生じる屑が落下して屑箱に収められる状況を説明するための第1図である。
図10B】本発明の実施の形態のシート断裁装置がシートを断裁した場合に生じる屑が落下して屑箱に収められる状況を説明するための第2図である。
図10C】本発明の実施の形態のシート断裁装置がシートを断裁した場合に生じる屑が落下して屑箱に収められる状況を説明するための第3図である。
図11】台形状の支持部の平面図である。
図12】一部にL字状の部位を含む支持部を有するシート断裁装置の斜視図である。
図13図12に示すシート断裁装置の一部にL字状の部位を含む支持部の平面図である。
図14】一部にL字状の部位を含む第2の支持部を有するシート断裁装置の斜視図である。
図15A図14に示すシート断裁装置の一部にL字状の部位を含む第2の支持部の平面図である。
図15B図14に示すシート断裁装置の一部にL字状の部位を含む第2の支持部の側面図である。
図15C図14に示すシート断裁装置の一部にL字状の部位を含む第2の支持部の斜視図である。
図16】塊状の支持部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態のシート断裁装置について図面を参照して説明する。本実施の形態のシート断裁装置の構成を説明する前に、本実施の形態のシート断裁装置の動作を簡単に説明する。図1は、本発明の実施の形態のシート断裁装置によって断裁されるシートSの斜視図である。多くの場合、シートSは紙であって、本実施の形態のシート断裁装置は重ねられた複数枚のシートSを断裁する。図1は、複数枚のシートSが重ねられた状況を示している。
【0017】
シートSのうちのシート断裁装置によって断裁される部位は、破線で示されている切断線CLである。切断線CLは直線である。本実施の形態のシート断裁装置は、シートSを、シートSのある一つの端部としての切断線CLの一方の端部CL1から、シートSの別の一つの端部としての切断線CLの他方の端部CL2に向かって順に断裁する。シートSにおいて、切断線CLによって区切られている二つの領域のうちの大きい領域Eは、シート断裁装置による断裁の後に製本等に有効に使用される部位である。切断線CLによって区切られている二つの領域のうちの小さい領域Fは、シート断裁装置による断裁の後に屑となる部位である。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態のシート断裁装置が断裁対象のシートSを断裁している状況を簡単に示す図である。本実施の形態のシート断裁装置は後述の通り可動刃5を有しており、図2では、断裁動作を簡単に説明するために、可動刃5及びシートSのみが示されている。図2には切断線CLの一方の端部CL1は示されていないが、図1を用いて説明した通り、本実施の形態のシート断裁装置は、シートSを、切断線CLの一方の端部CL1から他方の端部CL2に向かって順に断裁する。そのため、図2に示す通り、帯状の屑Wが生成される。屑Wは、落下して後述の屑箱7に収められる。
【0019】
次に、本発明の実施の形態のシート断裁装置の構成を説明する。図3は、本発明の実施の形態におけるシート断裁装置1の斜視図である。図4は、図3に示すシート断裁装置1の正面図である。図5は、図4に示すV−V線におけるシート断裁装置1の断面図である。シート断裁装置1は、画像形成装置の後段に配置される装置であって、製本すること等を目的として、画像形成装置によって処理されたシートSを断裁する。画像形成装置は、図示されていない。
【0020】
図3、4及び5に示す通り、シート断裁装置1は、フレーム2と、台3と、固定刃4と、可動刃5と、ガイドプレート6と、屑箱7と、掻き落とし部8と、支持部9とを有する。フレーム2は、台3及び可動刃5が取り付けられるものである。台3は、断裁対象のシートSが載置されるものである。台3は載置面31を有しており、断裁対象のシートSはガイドプレート6による案内により画像形成装置から台3に搬送され、台3の載置面31に載置される。多くの場合、複数枚のシートSが台3の載置面31に載置される。
【0021】
固定刃4は、台3の一つの端部に設けられた帯状の刃である。上述の通りシート断裁装置1は画像形成装置の後段に配置される装置であって、固定刃4は、台3の端部のうちの画像形成装置に最も近い端部に設けられている。可動刃5は、固定刃4と協働して、台3の載置面31に載置されたシートSを断裁する板状の刃であって、第1回転部材11及び第2回転部材12によってフレーム2に取り付けられている。
【0022】
フレーム2は、背面側において、第1回転部材11及び第2回転部材12を同期して回転させるためのチェーンを有している。フレーム2は、チェーンを回転させるモータも有している。チェーンがモータによって回転し、チェーンが回転することによって第1回転部材11及び第2回転部材12が同期して回転し、それにより、板状の可動刃5はある一つの平面上で回転する。
【0023】
具体的には、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合、図2に示すように板状の可動刃5はある一つの垂直面上で回転する。その際、可動刃5は、固定刃4の一端41の側から他端42の側に順に固定刃4と近接し、固定刃4と協働して、台3の載置面31に載置されたシートSを、シートSのある一つの端部から別の一つの端部に向かって順に断裁する。更に言うと、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合、可動刃5は固定刃4に近づく状況において鉛直上方から鉛直下方に動きながらシートSを断裁する。なお、固定刃4の一端41は図3、4及び5には明確に示されていないが、上述の通り固定刃4は台3の一つの端部に設けられた帯状の刃であって、固定刃4の他端42が図3及び4において明確に示されているので、固定刃4の一端41を容易に理解することができる。板状の可動刃5は、幅が固定刃4の一端41に近いほど広く、固定刃4の他端42に近いほど狭い台形状の刃である。
【0024】
ガイドプレート6は、断裁対象のシートSを台3の載置面31に案内するものである。上述の通り、シート断裁装置1は画像形成装置の後段に配置されている。そのため、ガイドプレート6は、画像形成装置によって処理されたシートSを製本すること等を目的として断裁するために、画像形成装置によって処理されたシートSを台3の載置面31に案内する。ガイドプレート6は、台3の載置面31に載置された断裁対象のシートSのうちの台3からはみ出た部位を補助的に支持する補助部としても機能する。
【0025】
ガイドプレート6のうちの断裁対象のシートSを台3の載置面31に案内する面(以下、「ガイド面」と記載する。)61は、シートSを台3の載置面31に案内する場合、載置面31を含む平面内に位置する。シートSが固定刃4と可動刃5とによって断裁される場合、上述の通り可動刃5は鉛直上方から鉛直下方に動きながらシートSを断裁する。そのため、シートSが断裁される場合、ガイド面61は可動刃5と接触しないように、可動刃5の動きと連動して鉛直下方に倒れる。
【0026】
屑箱7は、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合に固定刃4より鉛直下方となる位置に配置されている。更に言うと、屑箱7は、上述の場合にガイドプレート6の鉛直下方に配置されている。屑箱7は、固定刃4と可動刃5とによる断裁によって生じて落下してくるシートSの帯状の屑Wが収められる直方体状の箱である。屑箱7には、上述の場合において鉛直上方に位置する開口が形成されており、屑Wは開口から屑箱7の内部に収められる。屑箱7において固定刃4と平行な辺の長さは、シートSにおける切断線CLの長さよりわずかに長いだけである。屑箱7の深さは、例えば切断線CLの3分1程度であって浅い。つまり、屑箱7は小さい。
【0027】
掻き落とし部8は、可動刃5の固定刃4と接触しない側の面を含む面から台3の外側の向きに突出するように設けられており、可動刃5の動きと連動して動く。台3の外側の向きとは、台3の内側から外側への向きを意味する。より具体的には、掻き落とし部8の形状は板状であって、掻き落とし部8は、可動刃5と直交した状態が維持するように、可動刃5に固定された状態で設けられている。
【0028】
更に言うと、掻き落とし部8は、導電性を有する材料によって形成されたブラシである。掻き落とし部8は、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合、鉛直上方から鉛直下方に動き、固定刃4と可動刃5とによる断裁によって生じてガイドプレート6のガイド面61に付着したシートSのうちの帯状の屑Wを掻き落とす。なお、掻き落とし部8は、ガイドプレート6が断裁対象のシートSを台3の載置面31に案内する場合にシートSに接触しない位置に設けられている。
【0029】
支持部9は、固定刃4の一端41と他端42との間において、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合に固定刃4より鉛直下方に位置すると共に、固定刃4より鉛直下方に配置される屑箱7の最上部より鉛直上方に位置している。具体的には、支持部9は、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合にフレーム2の底面となる部位に設けられている。フレーム2の底面は、屑箱7の最上部より鉛直上方に位置している。加えて、支持部9は、台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面から台3の外側に突出するように設けられている。台3の外側に突出するとは、台3の内側から外側への向きに突出することを意味する。
【0030】
図6は、図3に示すシート断裁装置1の支持部9の平面図である。支持部9はフィルムである。支持部9は例えばポリエステルによって形成されている。支持部9の形状は櫛状であり、図3、4及び6に示す通り、支持部9は複数の歯91,92,93を有している。複数の歯91,92,93は、台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面から台3の外側に突出するように設けられている。加えて、複数の歯91,92,93のそれぞれは、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合に鉛直方向に重ならないように設けられている。図6は、その場合において支持部9を鉛直上方から鉛直下方の向きに見た状態を示している。すなわち、図6は支持部9の上面図である。
【0031】
さらに、複数の歯91,92,93は、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合に水平な状態から鉛直下方に姿勢を変える機能と復元する機能とを有する。支持部9は固定部94を有しており、複数の歯91,92,93は固定部94から突出するように設けられている。固定部94は、フレーム2の底面に貼り付けられている。固定部94は、例えば接着剤によってフレーム2の底面に貼り付けられている。固定部94がフレーム2の底面に貼り付けられることにより、支持部9はフレーム2に取り付けられている。なお、固定部94は、ネジ等によりフレーム2の底面に取り付けられてもよい。
【0032】
図4及び6に示す通り、支持部9の側部のうちの固定刃4の一端41の側の側部は、すなわち、支持部9の歯91は、台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面と直交している。支持部9の側部のうちの固定刃4の他端42の側の側部も、すなわち、支持部9の歯93も、上述の平面と直交している。図2を用いて説明した通り固定刃4と可動刃5とによる断裁によって帯状の屑Wが生じ、屑Wは落下する。支持部9は、落下してくる帯状の屑Wの一部を一時的に支持する。
【0033】
次に、シートSを断裁した場合に生じる屑Wが落下して屑箱7に収められる状況等を説明する。図1及び2を用いて説明したように、シート断裁装置1は、重ねられた複数のシートSを、切断線CLの一方の端部CL1から他方の端部CL2に向かって順に断裁する。そのため、帯状の屑Wが生成される。屑Wは、ガイドプレート6のガイド面61に静電気等によって付着する場合がある。図7は、断裁対象のシートSが本発明の実施の形態におけるシート断裁装置1によって断裁された場合に屑Wがシート断裁装置1のガイドプレート6のガイド面61に付着している状況を示す図である。
【0034】
更に言うと、図7は、シートSが断裁され、可動刃5が鉛直上方から鉛直下方に動くのに連動してガイドプレート6のガイド面61が鉛直下方に倒れようとしている状況を示している。本実施の形態のシート断裁装置1は、掻き落とし部8を有する。上述の通り、掻き落とし部8は可動刃5に設けられている。そのため、シートSの断裁処理が行われる場合、可動刃5が鉛直上方から鉛直下方に動くので、掻き落とし部8も鉛直上方から鉛直下方に動く。
【0035】
掻き落とし部8は、シートSの断裁処理が行われる場合に鉛直上方から鉛直下方に動くので、図8に示すように、ガイドプレート6のガイド面61に付着した屑Wを掻き落とす。図8は、本実施の形態のシート断裁装置1の掻き落とし部8によってガイドプレート6のガイド面61に付着した屑Wが掻き落とされている状況を説明するための図である。すなわち、図8に示すように、本実施の形態のシート断裁装置1を用いれば、ガイドプレート6に付着した屑Wを取り除くことができる。
【0036】
上述の通り、掻き落とし部8は、導電性を有する材料によって形成されているので、帯電した屑Wに対して除電を行うことができる。そのため、掻き落とし部8は、ガイド面61に付着した屑Wをより容易に掻き落とすことができる。加えて、掻き落とし部8は、ブラシであるのでガイド面61に付着した屑Wをこすることができる。そのため、掻き落とし部8は、ガイド面61に付着した屑Wをより容易に掻き落とすことができる。なお、掻き落とし部8は、ガイドプレート6が断裁対象のシートSを台3の載置面31に案内する場合にシートSに接触しない位置に設けられている。そのため、掻き落とし部8により断裁対象のシートSを損傷する可能性を低くすることができる。
【0037】
次に、シートSを断裁した場合に生じる屑Wが落下して屑箱7に収められる状況を説明する。図1及び2を用いて説明したように、シート断裁装置1による断裁により、帯状の屑Wが生成される。従来のシート断裁装置は、本実施の形態のシート断裁装置1が有する支持部9を有していない点で本実施の形態のシート断裁装置1と異なるが、従来のシート断裁装置も本実施の形態のシート断裁装置1と同様にシートSを断裁し、それにより帯状の屑Wが生成される。
【0038】
図9A、9B及び9Cを用いて、従来のシート断裁装置がシートSを断裁した場合に生じる屑Wが落下して屑箱7に収められる状況を説明する。図9Aは従来のシート断裁装置がシートSを断裁した場合に生じる屑Wが落下して屑箱7に収められる状況を説明するための第1図であり、図9Bは従来のシート断裁装置がシートSを断裁した場合に生じる屑Wが落下して屑箱7に収められる状況を説明するための第2図であり、図9Cは従来のシート断裁装置がシートSを断裁した場合に生じる屑Wが落下して屑箱7に収められる状況を説明するための第3図である。
【0039】
図9AはシートSの断裁処理の最初の方の状況を示しており、図9Bは断裁処理の終了直前の状況を示しており、図9Cは断裁処理が終了した後の状況を示している。図9A、9B及び9Cは従来のシート断裁装置の正面側を示しており、図9A、9B及び9Cでは、説明を簡単にするために、固定刃4、可動刃5、屑箱7及び屑Wのみが示されている。屑箱7は内部を示すために破線により示されている。断裁により生じた屑Wと、シートSのうちの断裁により屑Wとなる部位とは、斜線により示されている。なお、図9A、9B及び9Cでは、断裁処理をよりわかりやすくするために、可動刃5の動きを誇張して示している。
【0040】
図9A及び9Bに示すように、シートSのうちのまさに断裁されようとする部位は、固定刃4と可動刃5とによって挟まれて固定刃4と可動刃5とによって支持される。断裁によって生じた屑Wは、重力により鉛直下方に垂れ下がる。したがって、図9Bに示すように、断裁の終了直前においては、シートSにおける切断線CLの他方の端部CL2が固定刃4と可動刃5とによって支持されるので、断裁によって生じた屑WはシートSから離れることなく固定刃4の他端42の鉛直下方寄りに位置する。
【0041】
そのため、図9Cに示すように、断裁が終了すると、屑Wは固定刃4の他端42の鉛直下方に偏った状態で落下して屑箱7に収められる。上述の通り屑箱7は小さいので、屑Wのうちの最後の方に生じた部位は、固定刃4の他端42の鉛直下方の近傍において屑箱7からあふれる。
【0042】
それに対し、本実施の形態のシート断裁装置1は支持部9を有する。図10A、10B及び10Cを用いて、支持部9を有するシート断裁装置1がシートSを断裁した場合に生じる屑Wが落下して屑箱7に収められる状況を説明する。図10Aは本発明の実施の形態のシート断裁装置1がシートSを断裁した場合に生じる屑Wが落下して屑箱7に収められる状況を説明するための第1図であり、図10Bは本発明の実施の形態のシート断裁装置1がシートSを断裁した場合に生じる屑Wが落下して屑箱7に収められる状況を説明するための第2図であり、図10Cは本発明の実施の形態のシート断裁装置1がシートSを断裁した場合に生じる屑Wが落下して屑箱7に収められる状況を説明するための第3図である。
【0043】
図10AはシートSの断裁処理の最初の方の状況を示しており、図10Bは断裁処理の終了直前の状況を示しており、図10Cは断裁処理が終了した後の状況を示している。図10A、10B及び10Cは本実施の形態のシート断裁装置1の正面側を示しており、図10A、10B及び10Cでは、説明を簡単にするために、固定刃4、可動刃5、屑箱7、支持部9及び屑Wのみが示されている。屑箱7は内部を示すために破線により示されている。断裁により生じた屑Wと、シートSのうちの断裁により屑Wとなる部位とは、斜線により示されている。なお、図10A、10B及び10Cでは、断裁処理をよりわかりやすくするために、可動刃5の動きを誇張して示している。
【0044】
図10A及び10Bに示すように、シートSのうちのまさに断裁されようとする部位は、固定刃4と可動刃5とによって挟まれて固定刃4と可動刃5とによって支持される。断裁によって生じた屑Wは重力により鉛直下方に垂れ下がるが、本実施の形態のシート断裁装置1は支持部9を有しており、支持部9が、より具体的には支持部9の複数の歯91,92,93が、断裁によって生じて垂れ下がってくる屑Wの一部を一時的に支持する。そのため、図10Bに示すように、断裁の終了直前においても、断裁によって生じた屑Wは固定刃4の他端42の鉛直下方寄りに偏らない。その結果、図10Cに示すように、断裁が終了すると、屑Wは固定刃4の他端42の鉛直下方に偏った状態で落下せず、偏在がより小さい状態で屑箱7に収められる。
【0045】
更に言うと、上述の通り、支持部9の側部のうちの固定刃4の一端41の側の側部は、すなわち、支持部9の歯91は、台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面と直交している。その構成により、断裁によって生じて垂れ下がってくる屑Wの一部は、支持部9の複数の歯91,92,93に引っ掛かる可能性が高くなる。そのため、支持部9は、より具体的には複数の歯91,92,93は、断裁によって生じて垂れ下がってくる屑Wの一部を一時的に支持することを容易に行うことができる。
【0046】
また、支持部9の側部のうちの固定刃4の他端42の側の側部も、すなわち、支持部9の歯93も、台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面と直交している。その構成により、支持部9の複数の歯91,92,93は断裁によって生じて垂れ下がって一時的に支持した屑Wを、断裁の終了時に鉛直下方に滑らせて屑箱7に収めることを容易に行うことができる。
【0047】
さらにまた、支持部9の複数の歯91,92,93は、断裁によって生じて垂れ下がってくる屑Wを一時的に支持した場合、屑Wの重さにより、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合に水平な状態から鉛直下方に姿勢を変える。その構成により、支持部9の複数の歯91,92,93は、断裁によって生じて垂れ下がって一時的に支持した屑Wを、断裁の終了時に鉛直下方に滑らせて屑箱7に収めることを容易に行うことができる。なお、支持部9は、フィルムによって形成されているので、屑Wを一時的に支持する場合は屑Wの重さにより水平な状態から鉛直下方に姿勢を変えるが、屑Wが屑箱7に落下した後に復元する。そのため、支持部9が断裁によって生じて垂れ下がってくる屑Wを一時的に支持する機能は維持される。
【0048】
上述の通り、本実施の形態のシート断裁装置1は支持部9を有するので、シート断裁装置1を用いれば、シートSのある一つの端部から別の一つの端部に向かってシートSを順に断裁しても、断裁によって生じた屑Wの偏在をより小さくして屑Wを屑箱7に収めることができる。その結果、屑Wが屑箱からあふれることを抑制でき、ひいては後続の断裁処理等において不具合を生じさせにくくすることができる。加えて、屑箱に収められた屑の回収の回数を抑制することができる。
【0049】
(変形例)
上述した実施の形態のシート断裁装置1における掻き落とし部8は、可動刃5の固定刃4と接触しない側の面に設けられている。しかしながら、掻き落とし部8は、可動刃5の固定刃4と接触しない側の面に設けられていなくてもよい。掻き落とし部8は、可動刃5の固定刃4と接触しない側において、可動刃5の固定刃4と接触しない側の面を含む面から台3の外側の向きに突出するように設けられており、可動刃5が鉛直上方から鉛直下方に動く場合に鉛直上方から鉛直下方に動いてガイドプレート6に付着した屑Wを掻き落とすものであればよい。
【0050】
したがって、掻き落とし部8の形状は板状でなくてもよいし、掻き落とし部8は、可動刃5と直交した状態が維持するように、可動刃5に固定された状態で設けられていなくてもよい。掻き落とし部8は、除電効果を有することが好ましいが、導電性を有する材料によって形成されていなくてもよい。掻き落とし部8は、ブラシではなく布であってもよい。掻き落とし部8は、可動刃5に搖動可能に取り付けられてもよい。掻き落とし部8は、ガイドプレート6が断裁対象のシートSを台3の載置面31に案内する場合にシートSに接触する位置に設けられてもよい。その場合、掻き落とし部8が除電効果を有していれば、台3の載置面31に案内される断裁対象のシートSを除電することができ、ひいては、屑Wがガイドプレート6に付着する可能性を低下させることができる。
【0051】
上述した実施の形態のシート断裁装置1は、櫛状の支持部9を有する。しかしながら、シート断裁装置1は櫛状の支持部9に替えて台形状の支持部9Aを有してもよい。図11は、台形状の支持部9Aの平面図である。台形状の支持部9Aは、フィルムであって、例えばポリエステルによって形成されている。
【0052】
台形状の支持部9Aは、櫛状の支持部9における歯91,92,93と同様に、断裁によって生じて垂れ下がってくる屑Wの一部を一時的に支持する台形部95を有すると共に、櫛状の支持部9と同様に固定部94を有する。固定部94が接着剤又はネジ等によってフレーム2の底面に取り付けられることにより、台形状の支持部9Aはフレーム2に取り付けられる。台形状の支持部9Aは、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合に水平な状態から鉛直下方に姿勢を変える機能と復元する機能とを有する。
【0053】
図11に示す通り、台形状の支持部9Aの側部のうちの固定刃4の一端41の側の側部96は、台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面と直交している。台形状の支持部9Aの側部のうちの固定刃4の他端42の側の側部の一部97は、固定刃4の一端41の側に倒れている。より詳細には、台形状の支持部9Aの側部のうちの固定刃4の他端42の側の側部の一部97は、台3の載置面31と直交すると共に台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面と直交する平面であって固定刃4の一端41を含む平面の側に倒れている。
【0054】
又は、シート断裁装置1は、櫛状の支持部9に替えて、一部にL字状の部位を有する支持部9Bを有してもよい。図12は一部にL字状の部位を含む支持部9Bを有するシート断裁装置1の斜視図であり、図13図12に示すシート断裁装置1の一部にL字状の部位を含む支持部9Bの平面図である。支持部9Bは、板状の部材であって、ABS樹脂等の樹脂によって形成されていて変形しにくい。
【0055】
一部にL字状の部位を含む支持部9Bは、櫛状の支持部9における歯91,92,93と同様に、断裁によって生じて垂れ下がってくる屑Wの一部を一時的に支持するL字状部98を有すると共に、櫛状の支持部9と同様に固定部94を有する。固定部94が接着剤又はネジ等によってフレーム2の底面に取り付けられることにより、支持部9Bはフレーム2に取り付けられる。支持部9Bがフレーム2の底面に取り付けられた場合、支持部9BのL字状部98は、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合に水平な状態から鉛直下方に傾斜している。例えば、支持部9BのL字状部98は45°鉛直下方に傾斜している。
【0056】
図12及び13に示す通り、支持部9BにおけるL字状部98の側部のうちの固定刃4の一端41の側の側部の一部99は、固定刃4の一端41の側に倒れている。より詳細には、L字状部98の側部のうちの固定刃4の一端41の側の側部の一部99は、折れ曲がった状態で、台3の載置面31と直交すると共に台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面と直交する平面であって固定刃4の一端41を含む平面の側に倒れている。L字状部98の側部のうちの固定刃4の他端42の側の側部100も、固定刃4の一端41の側に傾斜することにより倒れている。なお、支持部9Bは、金属によって形成された板状の部材であってもよいし、ポリエステルによって形成されたフィルムであってもよい。また、フレーム2が金属によって形成されたものである場合、支持部9Bはフレーム2と一体に形成されてもよい。
【0057】
又は、シート断裁装置1は、櫛状の支持部9に替えて、一部にL字状の部位を有する第2の支持部9Cを有してもよい。図14は、一部にL字状の部位を含む第2の支持部9Cを有するシート断裁装置1の斜視図である。図15Aは、図14に示すシート断裁装置1の一部にL字状の部位を含む第2の支持部9Cの平面図であり、図15Bは、図14に示すシート断裁装置1の一部にL字状の部位を含む第2の支持部9Cの側面図であり、図15Cは、図14に示すシート断裁装置1の一部にL字状の部位を含む第2の支持部9Cの斜視図である。図15B及び15Cにおいて破線により示されている部位は、後述するL字状部98が実質的に水平に位置している状態を示している。
【0058】
一部にL字状の部位を有する第2の支持部9Cは、支持部9Bと同様にL字状部98及び固定部94を有する。L字状部98は板状の部材であって、L字状部98及び固定部94は、ABS樹脂等の樹脂によって一体に形成されている。支持部9Cは、ヒンジ101とバネ102とを有する取付部103を更に持つ。図14、15A、15B及び15Cに示す通り、ヒンジ101は固定部94に取り付けられており、バネ102はL字状部98及び固定部94の鉛直下方に取り付けられている。
【0059】
支持部9Bと同様に、固定部94が保持部としてのフレーム2の底面に取り付けられることにより、支持部9Cはフレーム2に取り付けられる。その際、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合にL字状部98が水平に位置し、バネ102がL字状部98の鉛直下方に位置するように、支持部9Cはフレーム2に取り付けられる。
【0060】
又は、シート断裁装置1は、櫛状の支持部9に替えて、塊状の支持部9Dを有してもよい。図16は、塊状の支持部9Dの斜視図である。塊状の支持部9Dの上面は、平面であって、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合に鉛直下方に傾斜している。加えて、塊状の支持部9Dの側部のうちの固定刃4の一端41の側の側部の一部104は、固定刃4の一端41の側に倒れている。より詳細には、上記一部104は、折れ曲がった状態で、台3の載置面31と直交すると共に台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面と直交する平面であって固定刃4の一端41を含む平面の側に倒れている。
【0061】
上述の通り、支持部9A、9B、9C及び9Dにおいて、固定刃4の一端41の側の側部は台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面と直交しているか、固定刃4の一端41の側の側部の少なくとも一部は固定刃4の一端41の側に倒れている。その構成により、断裁によって生じて垂れ下がってくる屑Wは支持部9A、9B、9C及び9Dに引っ掛かり易くなる。すなわち、支持部9A、9B、9C及び9Dは、断裁によって生じて垂れ下がってくる屑Wの一部を一時的に支持することを容易に行うことができる。
【0062】
また上述した通り、支持部9A、9B、9C及び9Dにおいて、固定刃4の他端42の側の側部は台3の載置面31とは異なる外面のうちの固定刃4の一端41及び他端42を含む平面と直交しているか、固定刃4の他端42の側の側部の少なくとも一部は固定刃4の一端41の側に倒れている。その構成により、支持部9A、9B、9C及び9Dは、断裁によって生じて垂れ下がって一時的に支持した屑Wを、断裁の終了時に鉛直下方に滑らせて屑箱7に収めることを容易に行うことができる。
【0063】
更にまた上述した通り、支持部9A及び9Cの一部は、断裁によって生じて垂れ下がってくる屑Wを一時的に支持した際、屑Wの重さにより、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合に水平な状態から鉛直下方に姿勢を変える。支持部9B及び9Dの上面は、鉛直下方に傾斜している。その構成により、支持部9A、9B、9C及び9Dは、断裁によって生じて垂れ下がって一時的に支持した屑Wを、断裁の終了時に鉛直下方に滑らせて屑箱7に収めることを容易に行うことができる。
【0064】
なお、支持部9Aはフィルムによって形成されているので、屑Wを一時的に支持する場合は屑Wの重さにより水平な状態から鉛直下方に姿勢を変えるが、屑Wが屑箱7に落下した後に復元する。そのため、支持部9Aが垂れ下がってくる屑Wを一時的に支持する機能は維持される。支持部9Cはバネ102を有しているので、支持部9Cについての屑Wが屑箱7に落下した後に復元する機能は、支持部9及び9Aよりも長期間にわたって維持される。
【0065】
支持部は、上述したものに限定されず、例えば棒状のものであってもよい。
【0066】
上述した実施の形態では、支持部9は、台3の載置面31が水平な状態で鉛直上方に向いている場合に固定刃4より鉛直下方に配置される屑箱7の最上部より鉛直上方に位置している。そのように、支持部は、上述の場合において屑箱7の底面より鉛直上方に位置する。例えば、支持部は屑箱7の内側面に設けられてもよい。
【0067】
支持部は、アルミニウム等の導電性を有する材料により形成されてもよい。その場合、支持部は、断裁によって生じて垂れ下がって一時的に支持した屑Wが帯電していても除電を行うことができ、断裁の終了時に屑Wを屑箱7に収めることを容易に行うことができる。
【0068】
上述した実施の形態では、可動刃5は板状の刃である。しかしながら、可動刃5は板状の刃でなくてもよい。
【0069】
上述した実施の形態では、シート断裁装置1は画像形成装置の後段に配置される。しかしながら、本実施の形態のシート断裁装置1は画像形成装置の後段に配置されると限定されない。シート断裁装置1は画像形成装置の後段に配置される場合、ガイドプレート6は断裁対象のシートSを台3の載置面31に案内するが、シート断裁装置1は画像形成装置の後段に配置されない場合、ガイドプレート6は用いられなくてもよい。ただし、ガイドプレート6は台3の載置面31に載置された断裁対象のシートSのうちの台3からはみ出た部位を補助的に支持する補助部としても機能するので、シート断裁装置1は画像形成装置の後段に配置されない場合、ガイドプレート6の代替として、台3の載置面31に載置された断裁対象のシートSのうちの台3からはみ出た部位を補助的に支持する補助部が用いられる。
【0070】
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態は本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、変形例を本発明の技術的範囲から排除しない。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、製本時にシートを断裁するシート断裁装置に関するので産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0072】
1 シート断裁装置
2 フレーム
3 台
4 固定刃
5 可動刃
6 ガイドプレート
7 屑箱
8 掻き落とし部
9 支持部
91,92,93 歯
31 載置面
41 一端
42 他端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16