(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
支持部材に装着される水切り袋であって、前記支持部材はゴミ等を入れる支持側凹部とゴミ等を投入する支持側開口を有し、水切り袋は通水性素材を使用して一端側に開口部を有した袋に成形されており、袋の本体部分を前記支持部材の支持側凹部内に挿入して支持部材に装着される水切り袋において、支持部材に装着された状態の際に、開口端であって使用時に上方に向いて峰状を成す領域であって、開口部が折り返されて峰状を成すか、開口部の周縁をもって峰状を成す領域に、飛翔性の小型昆虫が接触することによって致死または弱体化する殺虫成分が重点的に担持されていることを特徴とする水切り袋。
水切り袋の開口部を支持部材の支持側開口に沿って折り返した状態で支持部材に装着されるものであり、前記峰状を成す領域は、支持部材に装着された状態の際に折り返されて峰状を成す領域であることを特徴とする請求項1に記載の水切り袋。
水切り袋の開口部の近傍が折り返されて使用されるものであり、前記峰状を成す領域は、使用時に折り返されて峰状を成す領域であることを特徴とする請求項3に記載の水切り袋。
【背景技術】
【0002】
三角コーナと称されるザル状の水切り部材が市販されている。三角コーナは、流し台の内側であって、その角部に設置されるものであり、茶殻や残飯を捨てるごみ箱である。即ち茶殻や残飯は、水と混合されていたり、水分を多く含むものであるから、そのまま生ゴミ回収に出すのは適切ではない。そこで、一般家庭では、茶殻等を水と共に三角コーナに入れ、三角コーナの網目で茶殻を捕集する。そして三角コーナで水切りをしてから、生ゴミ回収用のゴミ袋に移す。
【0003】
またさらに三角コーナの中に設置する水切り袋が市販されている。即ち茶殻等は、薄く軽いから、直接三角コーナに入れると、その内面に貼り付いてしまい、取り除くのが面倒である。また長期に使用された三角コーナは、内面が汚れており、ぬめりがあるので、手で直接茶殻を取り除くのは気持ちが悪く、ためらわれる。
そこで、三角コーナに水切り袋を設置し、使用者は、水切り袋の中に茶殻等を捨てる。そして三角コーナから水切り袋を取り外し、水切り袋を絞って脱水し、茶殻等を水切り袋ごと、生ゴミ回収用のゴミ袋に移す。
【0004】
ところで夏期においては、水切り袋の中の残飯等が腐敗し、コバエが集まることがある。そこで、特許文献1には、三角コーナに設置する水切り袋に、ゴキブリ用、ハエ用、犬用、猫用の忌避剤等を付与する考案が提案されている。
特許文献1に開示されたごみ袋は、透水性袋状物であり、忌避剤、抗菌剤、酸化剤から選ばれる少なくとも1種類の薬剤が付与されている。薬剤を付与する方法としては、含浸処理、塗布処理、または薬剤を合成樹脂に練り込んで成形する方法が開示されている。
いずれの付与手段を採用するにせよ、特許文献1に開示されたごみ袋では、袋の全体に均等に忌避剤等が付与されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、特許文献1に開示されたごみ袋を試作し、台所の三角コーナに設置してみた。しかしながら、特許文献1に開示されたごみ袋は、コバエ等の飛翔性の小型昆虫に対する忌避効果が十分とは言えず、三角コーナの回りにコバエが舞う。即ち特許文献1に開示されたごみ袋は、忌避剤が付与されているが、忌避剤が効果を発揮する空間は、忌避剤の気化物が一定濃度で滞留する空間に限られ、ごみ袋に極めて近い領域に限られる。そのため特許文献1に開示されたごみ袋は、コバエをごみ袋の中に入れない効果は期待できるものの、少し離れた位置のコバエを追い払う力は無い。
【0007】
また特許文献1に開示されたごみ袋には、コバエを殺虫する効果は無い。即ち特許文献1に開示されたごみ袋は、袋に忌避剤が付与されており、コバエを殺すことはできない。
【0008】
そこで本発明は、従来技術の上記した欠点に注目し、コバエ等の飛翔性の小型昆虫を積極的に死滅させて、台所のコバエを駆除することができる水切り袋を開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記した課題を解決するために鋭意研究を行った。そしてコバエが、物の角やエッジ部分、或いは峰状の部分に好んでとまる習性に注目した。即ちコバエは、平面状の部位にはとまらず、物の角やエッジ部分、或いは峰の稜線部分に好んでとまる。特に、腐敗物等の目標物に向かって飛来する際、その直前にエッジ状や峰状の部位があれば、当該部位に一旦とまって羽根を休める。
【0010】
この知見に基づいて開発された請求項1に記載の発明は、支持部材に装着される水切り袋であって、前記支持部材はゴミ等を入れる支持側凹部とゴミ等を投入する支持側開口を有し、水切り袋は通水性素材を使用して一端側に開口部を有した袋に成形されており、袋の本体部分を前記支持部材の支持側凹部内に挿入して支持部材に装着される水切り袋において、支持部材に装着された状態の際に、開口端であって使用時に上方に向いて峰状を成す領域
であって、開口部が折り返されて峰状を成すか、開口部の周縁をもって峰状を成す領域に、
飛翔性の小型昆虫が接触することによって致死または弱体化する殺虫成分が重点的に担持されていることを特徴とする水切り袋である。
【0011】
請求項1に記載の水切り袋は、三角コーナ等の支持部材に装着されて使用されるものである。即ち、請求項1に記載の水切り袋は、その本体部分を支持部材の支持側凹部内に挿入して支持部材に装着される。
そして本発明の水切り袋では、支持部材に装着された状態の際に、開口端であって使用時に上方に向いて峰状を成す領域
であって、開口部が折り返されて峰状を成すか、開口部の周縁をもって峰状を成す領域に、殺虫成分が重点的に担持されている。
そのため、コバエ等が水切り袋内の残飯等を目掛けて飛来した際、その習性として残飯等に行き着く前に、前記した峰状を成す領域にとまる。そしてコバエ等は殺虫成分に触れて飛ぶ力を失い、死滅するかあるいは落下する。そのため、本発明の水切り袋によると、台所内のコバエ等の数を減らすことができる。
また三角コーナ等の高さに注目すると、支持部材に残飯等が山盛りになるまで、水切り袋の峰状を成す領域が、最も高さの高い位置となる。そのためコバエ等は水切り袋の峰状を成す領域にとまり易い。
さらに三角コーナ等の支持部材に残飯等が山盛りになるまで、水切り袋の峰状を成す領域は露出している。即ち細い領域が稜線状に延び、その両側が低いという状態が長期間に渡って維持される。そのため本発明によると、三角コーナ等の支持部材に残飯等が山盛りになるまで、殺虫効果が持続する。
また本発明の水切り袋は、前記した峰状を成す領域に、殺虫成分が重点的に担持されているから、少ない殺虫成分で大きな殺虫効果を得ることができる。
即ち殺虫成分は、製造原価が高い。本発明の水切り袋では、殺虫成分が効果的な位置に重点的に担持されているから、殺虫成分の必要量が少ない。
また袋全体の殺虫成分の量が少ないので、安全性が高い。即ち、仮に、袋から殺虫成分が溶出するようなことがあったとしても、殺虫成分の量自体が少量であるため、環境を害することはない。
【0012】
請求項2に記載の発明は、水切り袋の開口部を支持部材の支持側開口に沿って折り返した状態で支持部材に装着されるものであり、前記峰状を成す領域は、支持部材に装着された状態の際に折り返されて峰状を成す領域であることを特徴とする請求項1に記載の水切り袋である。
【0013】
本発明の水切り袋は、その本体部分を支持部材の支持側凹部内に挿入して支持部材に装着される際に、水切り袋の開口部を支持部材の支持側開口に沿って折り返した状態で支持部材に装着される。そして、支持部材に装着された状態の際に折り返されて峰状を成す領域に、殺虫成分が重点的に担持されている。かかる構成により、支持部材への装着が確実となる。
【0014】
同様の知見に基づいて開発された請求項3に記載の発明は、通水性素材を使用して一端側に開口部を有した袋に成形された水切り袋において、開口端であって使用時に上方に向いて峰状を成す領域
であって、開口部が折り返されて峰状を成すか、開口部の周縁をもって峰状を成す領域に、
飛翔性の小型昆虫が接触することによって致死または弱体化する殺虫成分が重点的に担持されていることを特徴とする水切り袋である。
【0015】
本発明の水切り袋についても、開口端であって使用時に上方に向いて峰状を成す領域
であって、開口部が折り返されて峰状を成すか、開口部の周縁をもって峰状を成す領域に、殺虫成分が重点的に担持されている。そのため、本発明の水切り袋によると、台所内のコバエ等の数を減らすことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、水切り袋の開口部の近傍が折り返されて使用されるものであり、前記峰状を成す領域は、使用時に折り返されて峰状を成す領域であることを特徴とする請求項3に記載の水切り袋である。
【0017】
本発明の水切り袋は、開口部の近傍が折り返されて使用されるものであり、使用時に折り返されて峰状を成す領域に殺虫成分が重点的に担持されている。かかる構成により、使用時において、袋状の形状を容易に維持することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、前記殺虫成分は、水切り袋の開口端から一定の長さだけ離れた領域に担持されていることを特徴とする請求項2又は4に記載の水切り袋である。
【0019】
本発明の水切り袋では、殺虫成分が水切り袋の開口端から一定の長さだけ離れた領域に担持されている。そのため、使用者が水切り袋の開口端を折り返す際に殺虫成分に触れることを防止することができる。
【0020】
前記峰状を成す領域にのみ殺虫成分が担持されていることが望ましい(請求項6)。
【0021】
請求項7に記載の発明は、前記殺虫成分が担持された領域を識別する表示がなされていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の水切り袋である。
【0022】
本発明によると、殺虫成分が担持された領域が明確になるので、使用者は、殺虫成分に触れない様に注意することができる。
【0023】
表示は、着色によるものが望ましい(請求項8)。
【発明の効果】
【0024】
本発明の水切り袋は、対象虫の習性を利用して対象虫を死滅させることができる。そのため、対象虫を効率的に駆除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の水切り袋1は、三角コーナ2を支持部材として使用するものである。
本実施形態の水切り袋1は、通水性素材で作られている。即ち水切り袋1は、不織布、織物、ネット等で作られており、水は容易に通過するが、残飯や茶殻等のある程度の大きさを有する固形物は捕捉される素材で作られている。また紙やシート等に孔が設けられたものを素材としてもよい。
本実施形態では、ごく薄い不織布を素材として水切り袋1が作られており、水切り袋1には全体的に多くの孔がある。
【0027】
水切り袋1は、
図2の様に、二枚の長方形のシート状物3a,3bが重ねられ、その3辺5,6,7が接着されたものである。即ち水切り袋1は、3辺の接着部10,11,12があり、残る一辺15が開放されている。水切り袋1は一辺15を開口部16とする長方形の袋である。
【0028】
水切り袋1の、開口部16からAだけ離れた領域が、開口側薬剤無担持領域20であり、その底方向に長さBに渡る薬剤担持領域21がある。また薬剤担持領域21から底側の領域Cは、底側薬剤無担持領域22となっている。
【0029】
薬剤担持領域21は、開口部16を構成する辺に対して平行かつ帯状に存在する領域であり、コバエに対して薬効を有する殺虫成分が担持されている。
本実施形態では、薬剤担持領域21だけに殺虫成分が担持されており、他の領域には殺虫成分は付着していない。
殺虫成分は、対象虫たるコバエが接触することによって致死または弱体化するものである。
また本実施形態では、薬剤担持領域21は、特定の色に着色されており、視覚上、他の領域と明確に区別することができる。薬剤担持領域21の色調は、赤色系、黄色系、又は黒であることが好ましい。これらの色調を採用することにより、コバエ類が薬剤担持領域21に向かって好んで飛来し、より高い殺虫効果が得られる。
殺虫成分は、例えば液状にして刷毛やスプレーで塗布することにより、所定の位置に担持させることができる。その他の例として、殺虫成分とインクとを混合し、これを用いて印刷することにより、殺虫成分を所定の位置に担持させることができる。
本実施形態では、殺虫成分は溶剤に溶かされて、水切り袋1の外側から塗布されている。本実施形態では、シート状物3a,3bが薄く、且つ多くの孔があるため、殺虫成分は水切り袋1の内側にも染み出している。ただし、出荷時には溶剤は揮散しており、殺虫成分がシート状物3a,3bに付着した状態となっている。
【0030】
前記した様に、本実施形態の水切り袋1は、三角コーナ2に装着されて使用される。
即ち
図3、
図4の様に、開口部16の近傍のシート状物3a,3bが、外側に折り返され、袋の本体部分30が、三角コーナ2の凹部(支持側凹部)31内に挿入される。
より具体的には、水切り袋1の薬剤担持領域21が折り目部36として外側に折り返される。
そして折り返し部33は、
図4の様に三角コーナ2の、開口部(支持側開口)35の近傍を取り巻く。
即ち三角コーナ2は、ゴミ等を入れる凹部(支持側凹部)31と、ゴミ等を投入する開口(支持側開口)35を有している。
一方、水切り袋1は、通水性素材を使用して一端側に開口部16が設けられ他の辺5,6,7が接合された袋である。
そして水切り袋1は本体部分30を三角コーナ(支持部材)2の凹部31に挿入し、開口部16を三角コーナ2の開口35に沿って折り返した状態で装着される。
【0031】
また水切り袋1が三角コーナ2に装着された状態においては、
図4の様に、薬剤担持領域21が、折り返されて峰状を成す領域37となる。
【0032】
本実施形態の水切り袋1は、開口部16の近傍部に開口側薬剤無担持領域20があり、開口部16の近傍部には殺虫成分は付着していない。そのため使用者が水切り袋1の開口部16を開いて三角コーナ2に装着する際に、殺虫成分が手に付かない。また殺虫成分が担持された領域が着色されていて、目視により明確に区別できるから、使用者に不安感を与えない。
また薬剤担持領域21が着色されているから、開口部16を折り返す位置の目安があり、作用効果を発揮する姿勢で三角コーナ2に装着することができる。
【0033】
本実施形態の水切り袋1についても、公知のそれと同様に茶殻等が水と共に投入される。その結果、水は排出され、茶殻等の固形物だけが本体部分30に残る。
そして夏期等のコバエ発生時期では、茶殻等が発する腐敗臭につられてコバエが集まることとなる。
そしてコバエは、狭く尖った部位にとまって羽根を休める習性があるから、
図4の様に、峰の稜線38にとまる。そしてコバエは峰状を成す領域37に担持された殺虫成分に触れ、薬効により落下して死ぬ。
そのため屋内のコバエが駆除される。
【0034】
以上説明した水切り袋1は、三角コーナ2等の支持部材に装着して使用されるものであるが、三角コーナ以外のものに装着してもよい。例えば流しの排水口に水切り袋1を装着してもよい。
【0035】
上記した実施形態の水切り袋1では、開口側薬剤無担持領域20が設定され、開口部16から一定距離Aだけ離れた薬剤担持領域21にのみ殺虫成分が担持されているが、開口側薬剤無担持領域20を設定せずに、開口部16の端部(周縁)を含めた帯状に薬剤担持領域を設けてもよい。この場合において、上記した実施形態と同様に、開口部16を折り返して峰状を成す領域37を形成してもよいし、開口部16を折り返さずに開口部16の端部(周縁)をもって峰状を成す領域を構成してもよい。
【0036】
以上説明した水切り袋1は、なんらかの支持部材に装着して使用されるものであり、自立するものでは無い。しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、
図5,6,7に示すような自立型の水切り袋にも応用することができる。
【0037】
図5,6,7に示す水切り袋50は、
図6に示すように、4面の壁面51,52,53,54と、一つの底面55を有している。なお、4壁面51,52,53,54の内の対向する一対の壁面51,53と、底面55は、折り畳み可能であり、水切り袋50は、
図5の様にシート状に折り畳まれた状態で販売され、使用時には、
図6の様な立体形状に変形させることができる。そして
図6の様な立体形状に変形させることによって、自立させることができる。
【0038】
水切り袋50の開口部60近傍は、各壁面51,52,53,54の上部が二重に折り重ねられて補強部61が形成されている。そして開口部60近傍の位置に、殺虫成分が担持された薬剤担持領域65がある。
薬剤担持領域65は、水切り袋50が立体化され、自立した状態において峰状を成す領域67である。即ち水切り袋50は自立可能であり、一端側に開口部60を有する袋であり、開口端であって使用時に上方に向いて峰状を成す領域67に、コバエが接触することによって致死または弱体化する殺虫成分が重点的に担持されている。
【0039】
本実施形態の水切り袋50において、薬剤担持領域65は開口部60の端部(周縁)に至っていてもよい。この場合において、折り重ねられた補強部61を設けずに、開口部60の端部(周縁)をもって、使用時に上方に向いて峰状を成す領域を構成してもよい。
【0040】
また本実施形態の水切り袋50において、折り重ねられた補強部61の部分をさらに外側に折り返して使用してもよい。これにより、自立時の安定性や開口部付近の強度が高まる。この場合には、折り返して峰状となる領域に殺虫成分が担持されるように、薬剤担持領域65の位置を設定する。
【0041】
本発明において、対象虫は、例えば飛翔性の小型昆虫であり、体長は1〜5mm程度である。当該小型昆虫としては、例えば所謂コバエと称される小型のハエ類やイエカ類が挙げられる。具体的には、キイロショウジョウバエ等のショウジョウバエ類、クロバネキノコバエ類、キノコバエ類、オオキモンノミバエ、コアシキノミバエ、オオアカノミバエ等のノミバエ類、オオチョウバエ、ホシチョウバエ等のチョウバエ類、カバエ類、ニセケバエ類等が挙げられる。
【0042】
次に、本実施形態で採用する殺虫成分について説明する。
殺虫成分としては、例えば、ピレスロイド系化合物、有機リン系化合物、カーバメート系化合物、ネオニコチノイド系化合物、等に属する殺虫剤を用いることができる。その他、植物精油類、グリコールエーテル類、等を用いることができる。
【0043】
ピレスロイド系化合物の例としては、アクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、ベータ−シフルトリン(beta−cyfluthrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、エンペントリン(empenthrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルフェンプロックス(flufenoprox)、フルメトリン(flumethrin)、フルバリネート(fluvalinate)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、イミプロトリン(imiprothrin)、ペルメトリン(permethrin)、プラレトリン(prallethrin)、ピレトリン(pyrethrins)、レスメトリン(resmethrin)、シグマ−サイパーメトリン(sigma−cypermethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルトリン(tefluthrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、フェノトリン(phenothrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、アルファシペルメトリン(alpha−cypermethrin)、ゼータシペルメトリン(zeta−cypermethrin)、ラムダシハロトリン(lambda−cyhalothrin)、ガンマシハロトリン(gamma−cyhalothrin)、フラメトリン(furamethrin)、タウフルバリネート(tau−fluvalinate)、メトフルトリン(metofluthrin)、メパフルトリン(meperfluthrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin)、
2, 3, 5, 6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル=2, 2−ジメチル−3−[(1Z)−3, 3, 3−トリフルオロ−1−プロペニル]シクロプロパンカルボキシレート)、
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル=2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(2−プロピニル)ベンジル=2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等が挙げられる。
【0044】
有機リン系化合物の例としては、アセフェート(acephate)、リン化アルミニウム(Aluminium phosphide)、ブタチオホス(butathiofos)、キャドサホス(cadusafos)、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルフェンビンホス(ch1orfenvinphos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos−methyl)、シアノホス(cyanophos:CYAP)、ダイアジノン(diazinon)、DCIP(dichlorodiisopropyl ether)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion:ECP)、ジクロルボス(dichlorvos:DDVP)、ジメトエート(dimethoate)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジスルホトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロホス(ethoprophos)、エトリムホス(etrimfos)、フェンチオン(fenthion:MPP)、フエニトロチオン(fenitrothion:MEP)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ホルモチオン(formothion)、リン化水素(Hydrogen phosphide)、イソフェンホス(isofenphos)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メスルフェンホス(mesulfenfos)、メチダチオン(methidathion:DMTP)、モノクロトホス(monocrotophos)、ナレッド(naled:BRP)、オキシデプロホス(oxydeprofos:ESP)、パラチオン(parathion)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet:PMP)、ピリミホスメチル(pirimiphos−methy1)、ピリダフェンチオン(pyridafenthion)、キナルホス(quinalphos)、フェントエート(phenthoate:PAP)、プロフェノホス(profenofos)、プロパホス(propaphos)、プロチオホス(prothiofos)、ピラクロホス(pyraclorfos)、サリチオン(salithion)、スルプロホス(sulprofos)、テブピリムホス(tebupirimfos)、テメホス(temephos)、テトラクロルビンホス(tetrach1orvinphos)、テルブホス(terbufos)、チオメトン(thiometon)、トリクロルホン(trichlorphon:DEP)、バミドチオン(vamidothion)、フォレート(phorate)、及びカズサホス(cadusafos)などが挙げられる。
【0045】
カーバメート系化合物の例としては、アラニカルブ(alanycarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、BPMC、カルバリル(carbary1)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、クロエトカルブ(cloethocarb)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb:MIPC)、メトルカルブ(metolcarb)、メソミル(methomyl)、メチオカルブ(methiocarb)、NAC、オキサミル(oxamyl)、ピリミカーブ(pirimicarb)、プロポキスル(propoxur:PHC)、XMC、チオジカルブ(thiodicarb)、キシリルカルブ(xylylcarb)、及びアルジカルブ(aldicarb)などが挙げられる。
【0046】
ネオニコチノイド系化合物の例としては、イミダクロプリド(imidac1opr
id)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チアクロプリド(thiacloprid)、ジノテフラン(dinotefuran)、及びクロチアニジン(clothianidin)などが挙げられる。
【0047】
これらの殺虫成分は、一種のみで、又は、二種以上を組み合わせて使用できる。また、上記化合物の中には、光学異性体、立体異性体、又は幾何異性体等が存在するものもあるが、本発明で用いる殺虫成分には、活性な異性体及びその混合物が含まれる。
【0048】
植物精油類の例としては、ミントオイル、オレンジ油、ヒノキ精油、スギ精油、ヒバ精油、シトロネラ油、ユーカリ油、ラベンダー油、等が挙げられる。これらの植物精油類については、一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0049】
グリコールエーテル類の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールのモノエステル類、ジエステル類、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、等が挙げられる。これらのグリコールエーテル類については、一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0050】
以上説明した様に、本実施形態の水切り袋1,50は、コバエ等を駆除することができる効果がある。
【実施例】
【0051】
図1に示す水切り袋1と同様の構成からなる各種の水切り袋を作製し、コバエを対象害虫として、以下の試験を行った。
【0052】
表1に示す配合で各種の殺虫成分配合スプレーを作製した。該殺虫成分配合スプレーを、市販のPET/パルプ製不織布製水切り袋(17cm×15cm×25cm、王子通商製)の所定位置に所定量スプレー塗工し、各種の防虫加工水切り袋を作製した。
実施例1〜5と比較例2の水切り袋では、
図1の薬剤担持領域21の様に帯状に塗工した。開口側薬剤無担持領域20の距離Aは5cmとした。比較例2では、水切り袋の全面に塗工した。
【0053】
【表1】
【0054】
(試験例1)コバエ駆除試験
チャンバー(1.8m×1.8m×1.8m:約5.8m
3)内の床面に紙を敷き、ナイロンゴースケージ(50cm×50cm×50cm)を6台設置した(1ケージに1検体設置)。市販のPP製三角コーナに各水切り袋をセットし、その中にコバエ誘引源をセットした。誘引源として、直径9cmシャーレの寒天培地(エビオス5g、砂糖5g、寒天1.2g、水道水100g、プロピオン酸1g)を用いた。ナイロンゴースケージ中央に水切り袋とコバエ誘引源をセットした三角コーナを設置し、供試虫(キイロショウジョウバエ)約110頭を放飼した。室温を約24℃条件下で管理した。放飼3、6、24時間後に、供試虫の致死数を調査し、下記式によって致死率(%)を算出した。
【0055】
致死率(%)=(各試験区における致死虫数全数)/(供試虫全数)×100
【0056】
試験結果を表2に示す。すなわち、24時間後の比較例1のコバエ致死率は30%程度であったのに対し、実施例1から実施例4では24時間後のコバエ致死率が100%に達し、非常に高いコバエ殺虫効果を示した。
【0057】
【表2】
【0058】
(試験例2)袋内致死の確認試験
試験例1と同様にして試験を実施し、水切り袋内で致死するコバエの割合(袋内致死率)を調査した。下記式にて袋内致死率(%)を算出した。
【0059】
袋内致死率(%)=(各試験区における袋内の致死虫数)/(供試虫全数)×100
【0060】
試験結果を表3に示す。すなわち、比較例1では袋内致死率は1.4%と非常に低いのに対して、実施例1,3,4,5ではいずれも20%以上の高い袋内致死率を示した。特に、実施例1の袋内致死率は65%以上と非常に高かった。
【0061】
【表3】
【0062】
また上記の試験結果から、本発明で用いる殺虫成分は、蒸気圧が1.0×10
-4Pa以上の常温揮散性ピレスロイドが望ましいといえる。