特許第6283214号(P6283214)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6283214-遮熱用セメント組成物及び遮熱用積層体 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283214
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】遮熱用セメント組成物及び遮熱用積層体
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/04 20060101AFI20180208BHJP
   C04B 14/30 20060101ALI20180208BHJP
   C04B 14/02 20060101ALI20180208BHJP
   E01C 7/14 20060101ALI20180208BHJP
   E01C 11/24 20060101ALI20180208BHJP
   E01C 15/00 20060101ALI20180208BHJP
   E01C 5/06 20060101ALN20180208BHJP
【FI】
   C04B28/04
   C04B14/30
   C04B14/02 A
   E01C7/14
   E01C11/24
   E01C15/00
   !E01C5/06
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-262357(P2013-262357)
(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公開番号】特開2015-117164(P2015-117164A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2016年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】300082335
【氏名又は名称】太平洋プレコン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103539
【弁理士】
【氏名又は名称】衡田 直行
(72)【発明者】
【氏名】横山 滋
(72)【発明者】
【氏名】吉浦 利和
(72)【発明者】
【氏名】帆足 友秀
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 清孝
【審査官】 手島 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−159202(JP,A)
【文献】 特開2012−144432(JP,A)
【文献】 特開2012−201579(JP,A)
【文献】 特開2012−206866(JP,A)
【文献】 特開平08−002953(JP,A)
【文献】 特開2005−281075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00−32/02
C04B 40/00−40/06
E01C 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色セメント、白色系骨材を着色してなる黒色のカラーサンド、耐摩耗性骨材、複合酸化物系顔料、及び水を含む遮熱用セメント組成物であって、
上記耐摩耗性骨材は、α−アルミナの含有率が90質量%以上で、かつ、Fe、Ca、Kの各元素の酸化物換算の含有率が3質量%未満の骨材であり、
硬化後における「JIS Z 8729:2004」に規定されているL表色系における明度(L)が、65以上であることを特徴とする遮熱用セメント組成物。
【請求項2】
骨材の全量中の上記耐摩耗性骨材の配合量の割合が20質量%以上である請求項1に記載の遮熱用セメント組成物。
【請求項3】
上記白色系骨材が、珪砂、石灰石からなる砕砂、または、貝殻を粉砕してなる骨材である請求項1又は2に記載の遮熱用セメント組成物。
【請求項4】
上記白色セメント100質量部当たり、上記カラーサンドの配合量が30〜250質量部であり、上記耐摩耗性骨材の配合量が100〜350質量部であり、上記複合酸化物系顔料の配合量が0.1〜3質量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮熱用セメント組成物。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載の遮熱用セメント組成物からなる表層部と、上記耐摩耗性骨材を含まないセメント組成物からなる基層部とが積層されてなり、かつ、透水性を有することを特徴とする遮熱用積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日光に当たっても蓄熱しにくい遮熱用セメント組成物、及び、該遮熱用セメント組成物を用いて形成される道路の舗装等の遮熱用積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の舗装やコンクリート建造物等の表面の温度が、夏季の直射日光によって上昇し、ヒートアイランド現象等が生じることが知られている。
従来、ヒートアイランド現象等の抑制のために、舗装体に種々の材料を配合することが提案されている。
例えば、舗装体の表層部に、可視波長域が吸収を示し赤外線波長域では反射を示す顔料を存在させることによって、太陽熱による路面温度の上昇を効果的に抑制することが提案されている(特許文献1)。
また、舗装体の表層部に、中空微粒子を存在させることによって、太陽熱による路面温度の上昇を効果的に抑制することが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−69632号公報
【特許文献2】特開2007−327328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、都市部における真夏日や熱帯夜の日数が増える傾向にあり、ヒートアイランド現象等の抑制のために、温度の低減の効果が大きい技術が求められている。
一方、道路の舗装等の用途に用いるモルタル等のセメント組成物は、耐摩耗性に優れることが求められている。
本発明は、道路の舗装やコンクリート建造物等の材料として用いることのできる、日光に当たっても蓄熱しにくく、かつ、優れた耐摩耗性を有する遮熱用セメント組成物、及び、該遮熱用セメント組成物を用いて形成される道路の舗装等の遮熱用積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、白色セメント、耐摩耗性骨材、複合酸化物系顔料、及び水を含み、かつ、上記耐摩耗性骨材中のα−アルミナ等の含有率が特定の数値範囲内である遮熱用セメント組成物によれば、例えば、白色セメント、複合酸化物系顔料(遮熱用顔料)、白色系骨材及び水を含みかつ耐摩耗性骨材を含まない遮熱用セメント組成物に比べて、日光に当たっても、より蓄熱しにくく、ヒートアイランド現象等をより効果的に抑制しうるとともに、より優れた耐摩耗性を有し、車道の舗装等の用途にも適用可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1] 白色セメント、耐摩耗性骨材、複合酸化物系顔料、及び水を含む遮熱用セメント組成物であって、上記耐摩耗性骨材は、α−アルミナの含有率が90質量%以上で、かつ、Fe、Ca、Kの各元素の酸化物換算の含有率が3質量%未満の骨材であることを特徴とする遮熱用セメント組成物。
[2] 白色系骨材を含み、かつ、骨材の全量中の上記耐摩耗性骨材の配合量の割合が20質量%以上である、上記[1]に記載の遮熱用セメント組成物。
[3] 白色系骨材を着色してなるカラーサンドを含み、硬化後における「JIS Z 8729:2004」に規定されているL表色系における明度(L)が、65以上である、上記[1]又は[2]に記載の遮熱用セメント組成物。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の遮熱用セメント組成物からなる表層部と、上記耐摩耗性骨材を含まないセメント組成物からなる基層部とが積層されてなり、かつ、透水性を有することを特徴とする遮熱用積層体。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遮熱用セメント組成物を用いて、道路の舗装等の成形体を作製した場合、日光に当たっても蓄熱しにくく、ヒートアイランド現象等を効果的に抑制することができる。
また、本発明の遮熱用セメント組成物は、優れた耐摩耗性を有するため、車道の舗装等の用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の遮熱用セメント組成物からなる表層部と、基層部との積層体の一例を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の遮熱用セメント組成物(以下、「組成物」と略すことがある。)は、白色セメント、耐摩耗性骨材(ただし、α−アルミナ等の含有率が後述の特定の数値範囲内であるもの)、複合酸化物系顔料、及び水を必須の材料として含み、また、任意で配合される材料として、白色系骨材、カラーサンド等を含むことができるものである。
本発明で用いる白色セメントは、鉄等の含有率が小さいため、普通ポルトランドセメント等を用いる場合に比べて、遮熱の効果が大きいものである。
なお、白色セメントは、白色ポルトランドセメントとも称される。
本発明において、白色セメント以外の他のセメントは、用いないことが望ましい。他のセメントを用いる場合、白色セメント及び他のセメントの合計量中の他のセメントの割合は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
【0010】
本発明で用いられる耐摩耗性骨材は、α−アルミナの含有率が90質量%以上で、かつ、Fe、Ca、Kの各元素の酸化物換算の含有率が3質量%未満の骨材である。
耐摩耗性骨材中のα−アルミナの含有率は、耐摩耗性を高める観点から、90質量%以上である。
耐摩耗性骨材中のFe、Ca、Kの各元素の酸化物換算の含有率は、遮熱効果を高める観点から、3質量%未満、好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満である。
耐摩耗性骨材としては、例えば、焼結アルミナや、衛生陶器の破砕物からなる骨材等が挙げられる。
【0011】
耐摩耗性骨材の粒度は、遮熱効果を高める観点から、好ましくは0.15〜5mm、より好ましくは0.3〜4mm、特に好ましくは0.5〜3mmである。本明細書中、粒度とは、骨材を篩分けする場合における篩の目開き寸法に対応する値である。
本発明の組成物に含まれる骨材の全量中の耐摩耗性骨材の割合は、耐摩耗の十分な効果を得る観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。
該割合の上限値は、本発明の好ましい実施形態である白色系骨材を用いた場合における白色系骨材の十分な配合量を確保する観点から、好ましくは90質量%、より好ましくは80質量%、特に好ましくは70質量%である。
【0012】
耐摩耗性骨材の配合量は、耐摩耗の十分な効果を得るとともに、組成物の調製時の作業性や硬化後の強度発現性を良好にする観点から、白色セメント100質量部に対して、好ましくは100〜350質量部、より好ましくは140〜320質量部、特に好ましくは180〜280質量部である。
【0013】
本発明で用いる複合酸化物系顔料は、遮熱の効果を得るためのものであり、例えば、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、酸化亜鉛等が挙げられる。
複合酸化物系顔料の配合量は、遮熱の十分な効果を得るとともに、配合量の増大によるコストの増大を避ける観点から、白色セメント100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜5質量部、さらに好ましくは0.3〜4質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部である。
【0014】
本発明で用いる水としては、工業用水、水道水等が挙げられる。
水セメント比は、組成物の調製時の作業性や、強度発現性等の観点から、好ましくは25〜35%である。
【0015】
本発明において、上述の各材料に加えて、白色系骨材(ただし、着色したものを除く。)を用いることが好ましい。なお、本明細書中、着色していない白色系骨材を「白色系骨材」と称し、着色した白色系骨材を「カラーサンド」と称している。
白色系骨材としては、珪砂や、石灰石からなる砕砂や、貝殻を粉砕してなる骨材等が挙げられる。
白色系骨材の粒度は、遮熱効果を高める等の観点から、好ましくは0.1〜8mm、より好ましくは0.3〜5mm、特に好ましくは0.5〜3mmである。
【0016】
本発明において、白色系骨材を着色してなるカラーサンドを用いることも好ましい。
カラーサンドの色の好ましい例としては、黒色(ブラック)、黄色(イエロー)、青色(ブルー)、緑色(グリーン)、ばら色(ローズ)等が挙げられる。
本発明の組成物に含まれる骨材の全量中の白色系骨材またはカラーサンドの量(白色系骨材とカラーサンドを併用する場合は、これらの合計量)の割合は、特に限定されないが、組成物について所望の明度を得る観点から、通常、10質量%以上である。該割合の上限値は、耐摩耗性骨材等の十分な配合量を確保する観点から、好ましくは70質量%、より好ましくは60質量%、特に好ましくは50質量%である。
白色系骨材またはカラーサンド(白色系骨材とカラーサンドを併用する場合は、これらの合計量)の配合量は、遮熱性の効果を高める観点から、白色セメント100質量部に対して、好ましくは30〜350質量部、より好ましくは60〜300質量部、特に好ましくは80〜250質量部である。
【0017】
本発明において、上述の耐摩耗性骨材、白色系骨材、及びカラーサンド以外の他の骨材は、用いないことが望ましい。ここで、他の骨材としては、鉄等の含有率が大きい山砂、川砂、海砂、砕砂等が挙げられる。
他の骨材を用いる場合、本発明の組成物に含まれる骨材の全量中の他の骨材の割合は、十分な遮熱効果を得る観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
本発明において、骨材の配合量(必須の骨材と任意の骨材の合計量)は、遮熱性の効果を高める等の観点から、白色セメント100質量部に対して、好ましくは30〜350質量部、より好ましくは60〜300質量部、特に好ましくは80〜250質量部である。
本発明においては、上述の材料に加えて、減水剤等を使用することができる。
【0018】
本発明の組成物の明度は、「JIS Z 8729:2004」に規定されているL表色系における明度(L)の値として、好ましくは55以上、より好ましくは58以上、さらに好ましくは63以上、特に好ましくは68以上である。該明度の値が55以上であると、遮熱性の効果をより高めることができる。
該明度の値の上限は、特に限定されないが、通常、80である。
なお、該明度の値は、セメント組成物の硬化後の値である。
【0019】
次に、本発明の遮熱用材料を用いて製造される積層体(以下、本発明の積層体という。)について説明する。
本発明の積層体の一例は、本発明のセメント組成物からなる表層部と、本発明のセメント組成物に該当しないセメント組成物(例えば、上述の耐摩耗性骨材及び複合酸化物系顔料を含まないセメント組成物)からなる基層部とが積層されてなるものである。この場合、積層体は、現場打ちの成形体(例えば、道路の舗装等)とプレキャスト品(例えば、歩道の路面形成用のブロック)のいずれの形態も採ることができる。
本発明の積層体の表層部は、例えば、白色セメント、耐摩耗性骨材、複合酸化物系顔料、水、及び、必要に応じて配合される他の材料(例えば、減水剤等)の混練物によって形成することができる。
本発明の積層体の基層部は、例えば、白色セメント、汎用の1種の細骨材(例えば、山砂等)、水、及び、必要に応じて配合される他の材料(例えば、減水剤等)の混練物によって形成することができる。
本発明の積層体の表層部の厚さは、特に限定されないが、例えば、5〜80mmである。
本発明の積層体の基層部の厚さは、特に限定されないが、例えば、20〜80mmである。
【0020】
本発明の積層体がブロックである場合、ブロック製造方法の一例としては、型枠の中に、基層部の形成用の混練物を投入した後、表層部の形成用の混練物を投入して、基層部と表層部とからなる積層物を形成させ、次いで、上方から押圧して締め固め、養生後に、脱型して、ブロックを得る方法が挙げられる。
本発明の積層体は、セメント、骨材及び水の配合割合を調整することによって、透水性を有するものとして得ることができる。
本発明の積層体の用途としては、道路(特に、車道)、建造物の外壁、建造物の屋上、建造物の舗装、駐車場等が挙げられる。
【実施例】
【0021】
[A.実施例1〜5、比較例1〜6、参考例1]
耐摩耗性骨材として、焼結アルミナからなる骨材を用いた場合について、実験した。
各種の遮熱透水性ブロック(実施例1〜5、比較例1〜6)及びアスファルトからなるブロック(参考例1)を作製し、これらのブロックの各々について、ランプの照射時におけるブロックの表面の温度を測定した。そして、遮熱透水性ブロックの各々について、アスファルトからなるブロックとの表面付近の温度の差を求めた。
なお、各ブロックの表面温度の測定は、室温(20℃)下でアスファルトブロックをランプの真下に置き、点灯後4時間でアスファルトブロックの表面温度が20℃から60℃になるランプの高さを定めて、この高さにランプを配置した場合における、ランプを4時間照射した後の温度を測定することによって行った。
【0022】
また、遮熱透水性ブロックの各々について、「JIS Z 8729:2004」に規定されているL表色系における明度(L)を測定した。
各ブロック(実施例1〜5、比較例1〜6、参考例1)の寸法は、長さが20cm、幅が10cm、厚さが6cmであった。各ブロックは、本発明の遮熱用材料からなる表層部(厚さ:10mm)と、基層部(厚さ:50mm)を積層させてなるものであった。
各ブロック(実施例1〜5、比較例1〜6)の材料及び製造方法は、以下のとおりである。
【0023】
[実施例1]
白色ポルトランドセメント100質量部、耐摩耗性骨材(粒度:1〜3mm、材質:焼結アルミナ、製造元:大村セラテック社)210質量部、複合酸化物系顔料(製品名:ブラック6350、製造元:アサヒ化成工業社)3.0質量部、白色系骨材(粒度:0.5〜2.5mm、材質:珪砂、製造元:篠沢社)105質量部、カラーサンド(粒度:0.5〜2mm、色:ブラック、材質:珪砂、製造元:ケイミュービューセラ社)105質量部、水28質量部、高性能減水剤(製品名:レオビルド800E、製造元:BASFポゾリス社)0.8質量部を混合して、混練物を得た後、この混練物を振動成形機で打設し、即時脱型後に直ちに表面を洗い出し加工することで、骨材の表面に付着したセメントノロを取り除き、骨材本来の色を出した。その後直ちにベーパー1次養生を室内で8時間行なった後に、屋外にて2次養生し、遮熱透水性ブロックを得た。なお、耐摩耗性骨材は、α−アルミナの含有率が90質量%以上で、かつ、Fe、Ca及びKの各元素の酸化物換算の含有率の合計が1質量%未満のものであった。また、この遮熱透水性ブロックの上面は、平坦な面であった。
ただし、この平坦な面は、平滑な面ではなく、透水性を与えるための多数の孔による微細な凹凸(深さ:1mm以下)を有するものである。この点は、以下の実施例及び比較例においても同様である。
【0024】
[実施例2]
白色ポルトランドセメント100質量部、耐摩耗性骨材(粒度:1〜3mm、材質:焼結アルミナ、製造元:大村セラテック社)245質量部、複合酸化物系顔料(製品名:ブラック6350、製造元:アサヒ化成工業社)0.5質量部、カラーサンド(粒度:0.5〜2mm、色:ブラック、材質:珪砂、製造元:ケイミュービューセラ社)105質量部、水28質量部、高性能減水剤(製品名:レオビルド8000E、製造元:BASFポゾリス社)0.8質量部を混合して、混練物を得た後、この混練物を振動成型機で打設し、即時脱型後に直ちに表面を洗出し加工することで、骨材の表面に付着したセメントノロを取り除き、骨材本来の色を出した。その後直ちにベーパー1次養生を室内で8時間行なった後に、屋外にて2次養生し、遮熱透水性ブロックを得た。
なお、耐摩耗性骨材は、α−アルミナの含有率が90質量%以上で、かつ、Fe、Ca及びKの各元素の酸化物換算の含有率の合計が1質量%未満のものであった。
また、この遮熱透水性ブロックの上面は、平坦な面であった。
【0025】
[実施例3]
色がブラックであるカラーサンドに代えて、色がローズであるカラーサンド(粒度:0.5〜2mm、材質:珪砂、製造元:ケイミュービューセラ社)を用いた以外は、実施例1と同様にして、遮熱透水性ブロックを得た。
[実施例4]
色がブラックであるカラーサンドに代えて、色がイエローであるカラーサンド(粒度:0.5〜2mm、材質:珪砂、製造元:ケイミュービューセラ社)を用いた以外は、実施例1と同様にして、遮熱透水性ブロックを得た。
[実施例5]
色がブラックであるカラーサンドに代えて、色がブルーであるカラーサンド(粒度:0.5〜2mm、材質:珪砂、製造元:ケイミュービューセラ社)を用いた以外は、実施例1と同様にして、遮熱透水性ブロックを得た。
[実施例6]
色がブラックであるカラーサンドに代えて、色がモスグリーンであるカラーサンド(粒度:0.5〜2mm、材質:珪砂、製造元:ケイミュービューセラ社)を用いた以外は、実施例1と同様にして、遮熱透水性ブロックを得た。
【0026】
[比較例1]
白色ポルトランドセメント100質量部、3号珪砂(耐摩耗性骨材に該当せず)80質量部、寒水石(耐摩耗性骨材に該当せず、粒度:2.5mm)175質量部、カラーサンド(色:ローズ、材質:珪砂、製造元:ケイミュービューセラ社)105質量部、水28質量部、高性能減水剤(製品名:レオビルド8000E、製造元:BASFポゾリス社)0.8質量部を混合して、混練物を得た後、この混練物を振動成型機で打設し、即時脱型後に直ちに表面を洗出し加工することで、骨材の表面に付着したセメントノロを取り除き、骨材本来の色を出した。その後ベーパー1次養生を室内で8時間行なった後に、屋外にて2次養生し、遮熱透水性ブロックを得た。
この遮熱透水性ブロックの上面は、平坦な面であった。
【0027】
[比較例2]
白色ポルトランドセメント100質量部、3号珪砂255質量部、寒水石(比較例1と同じもの)185質量部、複合酸化物系顔料(色:ベージュ、製品名:S920、G960、製造元:イーピン社)0.4質量部、水28質量部、高性能減水剤(製品名:レオブルド8000E、製造元:BASFポゾリス社)0.8質量部を混合して、混練物を得た後、この混練物を振動成型機で打設し、即時脱型後、ベーパー1次を室内で8時間行なった後に、屋外にて2次養生した。さらに、得られた成形体の上面を、鉄球を用いてショット加工することによって、遮熱透水性ブロックを得た。
この遮熱透水性ブロックの上面は、ショット加工によって平坦な面に凹凸(深さ:2
mm)を形成させたものであった。
【0028】
[比較例3]
白色ポルトランドセメント100質量部、3号珪砂480質量部、複合酸化物系顔料(色:ベージュ、製品名:S920、S960、製造元:イーピン社)0.4質量部、水28質量部、高性能減水剤(製品名:レオビルド8000E、製造元:BASFポゾリス社)0.8質量部を混合して、混練物を得た後、この混練物を振動成型機で打設した。その後、即時脱型し、次いで、ベーパー1次養生を室内で8時間行なった後に、屋外にて2次養生し、遮熱透水性ブロックを得た。
この遮熱透水性ブロックの上面は、型枠の底面がスリット状の凹凸を有することに対応して、スリット状の凹凸を有するものであった。このスリット形状は、幅5mmの帯状の平面からなる頂部と、幅3mmの帯状の平面からなる底部が、幅方向に交互に、高さ1.2mmの鉛直壁を介して形成されてなるものであった。
【0029】
[比較例4]
白色ポルトランドセメント100質量部、3号珪砂480質量部、水28質量部、高性能減水剤(製品名:レオビルド8000E、製造元:BASFポゾリス社)0.8質量部を混合して、混練物を得た後、この混練物を振動成型機で打設した。その後、即時脱型し、次いで、ベーパー1次養生を室内で8時間行なった後に、屋外にて2次養生した。十分に乾燥した後に得られた成形体の上面に、太陽熱高反射塗料(色:ベージュ、製品名:ATTSU9ロード、製造元:日本ペイント社)を塗布して、遮熱透水性ブロックを得た。
この遮熱透水性ブロックの上面は、平坦な面であった。
【0030】
[比較例5]
白色ポルトランドセメント100質量部、3号珪砂360質量部、デミシルバー(粒度:2〜5mm、色:グレー、材質:石灰石、製造元:ソーセキ社)125質量部、水28質量部、高性能減水剤(製品名:レオビルド8000E、製造元:BASFポゾリス社)0.05質量部を混合して、混練物を得た後、この混練物を振動成型機で打設した。その後、即時脱型し、次いで、ベーパー1次養生を室内で8時間行なった後に、屋外にて2次養生し、遮熱透水性ブロックを得た。
この遮熱透水性ブロックの上面は、平坦な面であった。
【0031】
[参考例1]
密粒度アスファルトは、道路会社で作製した。
以上の結果(明度、温度)を表1に示す。表1中、実施例及び比較例における参考例(アスファルト)との温度差も示す。
【0032】
【表1】
【符号の説明】
【0033】
1 積層体(ブロック)
2 表層部
3 基層部
図1