(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
円盤状のドラム本体と、前記ドラム本体の円周方向にのびる外周面に配されかつタイヤが走行可能な路面部とを含む走行ドラムを具えた台上試験装置用の前記走行ドラムを製造するための方法であって、
前記ドラム本体に、前記外周面からドラム半径方向に突出して円周方向にのびかつドラム軸方向に距離を隔てて配された一対の周方向枠を含む型枠を設置する工程と、
前記路面部を構成する未硬化の組成物を、前記一対の周方向枠間の前記外周面に前記周方向枠の突出高さを超えて充填する工程と、
前記一対の周方向枠にローラーを跨らせて配しかつ円周方向に移動させることにより、前記組成物の上面を均す工程とを含み、
前記ローラーは、前記組成物と接触する第1部分を有し、前記第1部分は、軸方向の中央部側から端部側に向かって外径が漸増する三次元曲面を有することにより、ドラム軸を含む断面において、前記組成物の外面が、ドラム半径方向外側に凸となる滑らかな円弧状面に均されることを特徴とする走行ドラムの製造方法。
前記ローラーで前記組成物が均された後、前記ローラーよりも大きい圧力で未硬化の前記組成物を押圧する圧縮工程をさらに含む請求項1乃至3のいずれかに記載の走行ドラムの製造方法。
前記圧縮工程は、前記組成物の外面に前記組成物の外面を成形する成形具を載置し、前記成形具を介して前記組成物の外面を転圧機で押圧する請求項4記載の走行ドラムの製造方法。
前記型枠は、ドラム軸方向にのびかつドラム円周方向に距離を隔てて配された複数の仕切り枠を含むことにより、前記路面部は、円周方向に分割されて作られる請求項1乃至10のいずれかに記載の走行ドラムの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、ドラム軸方向において外径が異なる走行ドラムを精度良く作ることができる走行ドラムの製造方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、円盤状のドラム本体と、前記ドラム本体の円周方向にのびる外周面に配されかつタイヤが走行可能な路面部とを含む走行ドラムを具えた台上試験装置用の前記走行ドラムを製造するための方法であって、前記ドラム本体に、前記外周面からドラム半径方向に突出して円周方向にのびかつドラム軸方向に距離を隔てて配された一対の周方向枠を含む型枠を設置する工程と、前記路面部を構成する未硬化の組成物を、前記一対の周方向枠間の前記外周面に前記周方向枠の突出高さを超えて充填する工程と、前記一対の周方向枠にローラーを跨らせて配しかつ円周方向に移動させることにより、前記組成物の上面を均す工程とを含み、前記ローラーは、前記組成物と接触する第1部分を有し、前記第1部分は、軸方向の中央部側から端部側に向かって外径が漸増する三次元曲面を有することにより、ドラム軸を含む断面において、前記組成物の外面が、ドラム半径方向外側に凸となる滑らかな円弧状面に均されることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記各周方向枠が、ドラム軸方向に沿った幅を持って円周方向にのびる外端面を含み、前記ローラーは、前記第1部分の軸方向の両側に、前記一対の周方向枠と接触する第2部分を有し、前記第2部分は、前記周方向枠の前記外端面に接触する円周部を有するのが望ましい。
【0008】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記ローラーの前記第1部分が、樹脂材料で被覆されているのが望ましい。
【0009】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記ローラーで前記組成物が均された後、前記ローラーよりも大きい圧力で未硬化の前記組成物を押圧する圧縮工程をさらに含むのが望ましい。
【0010】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記圧縮工程が、前記組成物の外面に前記組成物の外面を成形する成形具を載置し、前記成形具を介して前記組成物の外面を転圧機で押圧するのが望ましい。
【0011】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記成形具が、前記組成物の外面と接触する接触面が、前記円弧状面の反転模様を有するのが望ましい。
【0012】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記成形具の厚さが、20〜50mmであるのが望ましい。
【0013】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記周方向枠が、前記ドラム半径方向内側の第1枠と、第1枠のドラム半径方向外側に嵌め込まれた第2枠とを含み、前記圧縮工程が、前記第1枠のドラム半径方向の突出高さに基づいて前記組成物を押圧するのが望ましい。
【0014】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記第1枠の前記外周面からのドラム半径方向の突出高さが、5〜20mmであるのが望ましい。
【0015】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記第2枠のドラム半径方向の突出高さが、3〜6mmであるのが望ましい。
【0016】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記型枠が、ドラム軸方向にのびかつドラム円周方向に距離を隔てて配された複数の仕切り枠を含むことにより、前記路面部は、円周方向に分割されて作られるのが望ましい。
【0017】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記仕切り枠の前記距離が、前記ドラム本体の円周方向長さの5%〜15%であるのが望ましい。
【0018】
本発明に係る前記走行ドラムの製造方法は、前記仕切り枠が、前記距離を異ならせて円周方向に配置されているのが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の走行ドラムの製造方法は、円盤状のドラム本体に、その外周面からドラム半径方向に突出して円周方向にのびかつドラム軸方向に距離を隔てて配された一対の周方向枠を含む型枠を設置する工程と、路面部を構成する未硬化の組成物を、一対の周方向枠間の外周面に周方向枠の突出高さを超えて充填する工程と、一対の周方向枠にローラーを跨らせて配しかつ円周方向に移動させることにより、組成物の上面を均す工程とを含んでいる。型枠は、未硬化の組成物の形状を安定的に保持し、適切な充填範囲や充填高さを与える。
【0020】
ローラーは、組成物と接触する第1部分を有する。第1部分は、軸方向の中央部側から端部側に向かって外径が漸増する三次元曲面を有する。これにより、組成物の上面を均す工程において、一対の周方向枠にローラーを跨らせて配しかつ円周方向に移動させることで、ドラム軸を含む断面において、組成物の外面を、ドラム半径方向外側に凸となる滑らかな円弧状面に均すことが可能となる。従って、本発明によれば、外径がドラム軸方向の中央部に向かって漸増するドラムを精度よく仕上げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本発明で製造される走行ドラム2を具えた台上試験装置(以下、単に「装置」ということがある。)1は、例えば、室内でタイヤTの性能を試験するための装置である。本実施形態の装置1では、例えば、騒音性能、ユニフォミティ、耐久性等の種々の試験が可能である。
【0023】
タイヤTは、乗用車用、自動二輪車用及び重荷重用等の種々のものが採用される。本実施形態のタイヤTのトレッド面T1には、例えば、タイヤ周方向にのびる縦溝とタイヤ軸方向にのびる横溝とが設けられている。
【0024】
装置1は、走行ドラム2、走行ドラム2を駆動させる駆動具3、及び、タイヤTを保持する保持具4を含んでいる。
【0025】
駆動具3は、走行ドラム2を回転させるほぼ水平にのびるドラム回転軸3Aと、ドラム回転軸3Aを駆動させる電動機等(図示せず)を具えるケーシング3Bとを含んでいる。本実施形態のドラム回転軸3Aは、ケーシング3B内部で片持ち支持されているが、両端が支持される態様でも良い。
【0026】
保持具4は、片持ちでタイヤTを回転可能に保持するほぼ水平にのびる支持軸4Aと、支持軸4Aを保持する基台4Bとを含んでいる。
【0027】
支持軸4Aは、走行ドラム2よりも上方に配されており、タイヤTのトレッド面T1を走行ドラム2の上に接触させることができる。基台4Bは、例えば、走行ドラム2とタイヤTとを離間及び押圧させる図示しない昇降装置を具えている。基台4Bには、支持軸4Aを上下に移動させるための開口Kが設けられている。
【0028】
図2に示されるように、本実施形態の走行ドラム2は、円盤状のドラム本体5と、タイヤT(
図1に示す)が走行可能な路面部6とを含んでいる。
【0029】
ドラム本体5は、その円周方向にのびる外周面5aと、外周面5aのドラム軸方向の両側に位置する1対の側面5bとを含んでいる。
【0030】
ドラム本体5の外周面5aは、本実施形態では、同一の外径を有してドラム軸方向にのびている。ドラム本体5の一方側の側面5b(
図2では右側)には、ドラム回転軸3Aが取り付けられている。ドラム本体5は、耐久性の観点から、例えば、アルミニウムやスチール等の金属材料のものが望ましい。
【0031】
路面部6は、ドラム本体5の外周面5aに配されている。本実施形態の路面部6は、円周方向に連続して設けられている。
【0032】
路面部6は、タイヤと接する外面6aと、ドラム本体5の外周面5aと接する底面6bとを含んでいる。路面部6の外面6aは、ドラム軸3cを含む断面において、ドラム半径方向外側に凸となる滑らかな円弧状面6Mを有する。本実施形態の円弧状面6Mは、実質的にドラム赤道Cp上にドラム半径方向の最外点Pが設けられている。このように、本実施形態の走行ドラム2の外径は、ドラム軸方向の中央部に向かって漸増している。このような走行ドラム2を用いたタイヤの単体台上試験結果は、実車走行試験の結果と良い相関を示す。上述の作用を効果的に発揮させるため、円弧状面6Mの曲率半径Raは、好ましくは走行ドラム2の最大外径Daの0.75〜1.25倍である。
【0033】
路面部6のドラム軸方向の外端6eでのドラム半径方向の高さHが5mm未満の場合、路面部6の耐久性が悪化するおそれがある。路面部6の前記高さHが20mmを超える場合、路面部6の質量が大きくなり、外周面5aから剥離するおそれがある。また、路面部6の外面6aの成形精度が悪化するおそれがある。このため、路面部6の前記高さHは、好ましくは5〜20mmである。
【0034】
走行ドラム2は、タイヤTと接触する路面部6を除いて吸音材10で覆われても良い。本実施形態では、ドラム回転軸3Aが取り付けられる部分を除き両側の側面5bに吸音材10が貼り付けられている。これにより、駆動具3からの騒音(電動機やドラム回転軸3Aの音)が低減されるため、騒音性能試験が精度良く行われる。吸音材10としては、例えば、フェルト、グラスウール、ロックウール及び発泡ウレタンなどが好適である。
【0035】
走行ドラム2は、タイヤTと接触する路面部6を除いて吸音材10で覆われても良い。本実施形態では、ドラム回転軸3Aが取り付けられる部分を除き両側の側面5bに吸音材10が貼り付けられている。これにより、駆動具3や保持具4(電動機やドラム回転軸3A、支持軸4A)からの反射騒音が低減されるため、騒音性能試験が精度良く行われる。吸音材10としては、例えば、フェルト、グラスウール、ロックウール及び発泡ウレタンなどが好適である。なお、ケーシング3B及び基台4Bに吸音材10を貼り付けても良い。
【0036】
次に、このような走行ドラム2の路面部6の製造方法が説明される。本実施形態の製造方法では、路面部6は、ドラム円周方向に分割された複数の路面ブロック6A(
図9に示す)からなる。路面ブロック6Aは、ドラム本体5の外周面5a上に型枠13(
図3に示す)を配し、型枠13で区分された区画18内に路面部6を構成する未硬化の組成物7(
図5に示す)を充填し、その組成物7を均し、圧縮して製造される。このように、本実施形態の路面部6の製造方法では、型枠設置工程と、組成物充填工程と、レベリング工程と、圧縮工程とを含んでいる。
【0037】
先ず、ドラム本体5が準備される。このドラム本体5は、例えば、ドラム回転軸3A(
図2に示す)を水平とした状態で回転可能に保持されている。
【0038】
次に、型枠設置工程が行われる。
図3には、ドラム本体5の斜視図が、
図4には、ドラム本体5の拡大断面図がそれぞれ示されている。
図3及び
図4に示されるように、型枠13は、ドラム本体5の外周面5aからドラム半径方向の外側に突出する。本実施形態の型枠13は、断面が矩形状である。型枠13は、例えば、木材等の木質材料が望ましい。
【0039】
型枠13は、一対の周方向枠14と、複数本の仕切り枠15とを含んでいる。
【0040】
各周方向枠14は、円周方向に連続してのびており、例えば、環状体である。本実施形態の各周方向枠14は、複数個の分割片を環状に組み立てて成形されている。
【0041】
一対の周方向枠14、14は、ドラム軸方向に距離を隔てて配される。周方向枠14、14間のドラム軸方向の距離Wbは、路面部6のドラム軸方向の幅Wa(
図2に示す)によって決定される。本実施形態の一対の周方向枠14、14は、ドラム本体5の外周面5aのドラム軸方向の端部5eから内側に控えた位置で嵌め込まれている。
【0042】
周方向枠14は、外端面14Aと、外向面14Bと、内向面14Cとを含んでいる。外端面14Aは、ドラム本体5の外周面5aから最も離間した位置にあり、ドラム軸方向に沿った幅を持って円周方向にのびている。本実施形態の外端面14Aは、ドラム本体5の外周面5aと平行に形成されている。
【0043】
外向面14Bは、外端面14Aのドラム軸方向の外端から外周面5aまでドラム半径方向内側にのびる。外向面14Bは、本実施形態では、ドラム本体5の外周面5aと垂直に形成されている。
【0044】
内向面14Cは、外端面14Aのドラム軸方向の内端から外周面5aまでドラム半径方向内側にのびている。内向面14Cは、本実施形態では、ドラム本体5の外周面5aと垂直に形成されている。
【0045】
本実施形態の周方向枠14は、ドラム半径方向内側の第1枠16と、第1枠16のドラム半径方向外側に嵌め込まれた第2枠17とを含んでいる。即ち、第1枠16及び第2枠17のドラム軸方向の外側の面が外向面14Bを形成している。第2枠17のドラム半径方向の外側の面が、外端面14Aを形成している。第1枠16及び第2枠17のドラム軸方向の内側の面が内向面14Cを形成している。
【0046】
第1枠16のドラム半径方向の突出高さHaは、路面部6のドラム軸方向の外端6eでのドラム半径方向の高さH(
図2に示す)によって決定される。第1枠16のドラム半径方向の突出高さHaは、路面部6の高さHと同じく、好ましくは、5〜20mmである。
【0047】
第2枠17のドラム半径方向の突出高さHbは、圧縮工程での未硬化の組成物7の押圧量に基づいて決定される。第2枠17の突出高さHbは、好ましくは、3〜6mmである。
【0048】
第1枠16と第2枠17とは、取り外し可能に固着されるのが望ましい。このため、第1枠16と第2枠17とは、例えば、接着剤や両面テープ等で接着されるのが望ましい。同様の観点より、第1枠16とドラム本体5の外周面5aとは、例えば、接着剤や両面テープ等で接着されるのが望ましい。
【0049】
本実施形態の仕切り枠15は、その長手方向に対しドラム半径方向の外側に凸となる滑らかな円弧状である。仕切り枠15は、1対の周方向枠14、14間を継いで設けられている。本実施形態の仕切り枠15は、それぞれドラム円周方向に距離を隔てて配されている。これにより、
図3に示されるように、ドラム本体5の外周面5aには、1対の周方向枠14、14と、ドラム円周方向に隣り合う仕切り枠15、15とによって区分された複数の区画18が形成される。
【0050】
ドラム円周方向に隣り合う仕切り枠15のドラム円周方向の距離Lは、好ましくはドラム本体5の外周面5aの円周方向長さLAの5%〜15%である。仕切り枠15の前記距離Lがドラム本体5の前記長さLAの5%未満の場合、区画18の数が多くなり、走行ドラム2の生産性が悪化するおそれがある。仕切り枠15の距離Lがドラム本体5の長さLAの15%を超える場合、区画18が大きくなり、組成物7の成形が困難になる等、生産性が悪化するおそれがある。このため、ドラム円周方向に隣り合う仕切り枠15の距離Lは、より好ましくは、ドラム本体5の前記長さLAの7%〜12%である。
【0051】
仕切り枠15は、それぞれ前記距離Lを異ならせて円周方向に配置されるのが望ましい。即ち、各区画18で形成された路面ブロック6Aの円周方向の長さを異ならせるのが望ましい。これにより、タイヤが路面ブロック6A、6A間の継ぎ目を通過するときに生じる同期的な振動等の重畳が軽減される。従って、騒音測定を精度良く行うことができる。
【0052】
仕切り枠15は、本実施形態では、外周面5aと接する内側枠15aと、内側枠15aのドラム半径方向外側に嵌め込まれた外側枠15bとからなる。本実施形態の内側枠15aは、ドラム赤道Cp上においてドラム半径方向の高さが最も高くなる円弧状である。外側枠15bは、ドラム半径方向に一定の高さでのびている。
【0053】
図4に示されるように、内側枠15aのドラム軸方向の外端15eでのドラム半径方向の高さは、第1枠16のドラム半径方向の突出高さHaと同じであるのが望ましい。また、外側枠15bのドラム半径方向の高さは、第2枠17の突出高さHbと同じであるのが望ましい。
【0054】
仕切り枠15と外周面5aとは、両面テープや接着材で取り外し容易に接着されるのが望ましい。同様に、内側枠15aと外側枠15bとは、両面テープや接着材で接着されるのが望ましい。
【0055】
次に、組成物充填工程が行われる。先ず、型枠設置工程の後、少なくとも一つの区画18が上向きに配置され、ドラム本体5が回転しないように固定される。また、路面部6を構成するための未硬化の組成物7が準備される(図示省略)。
【0056】
本実施形態の路面部6は、ISO路面規格の粒度曲線(ISO10844の付属書C設計のガイドラインに記載のアスファルト混合物の粒度曲線許容範囲参照)に合わせた組成物7により構成されるのが望ましい。
図5に示されるように、このような組成物7は、骨材8と結合材(図示省略)とを調合させた未硬化の組成物7を硬化させて形成される。
【0057】
骨材8は、例えば、河川産の玉石を破砕した玉砕、原石山で採取し破砕した山砕などからなり、その粒径が4〜5mmの第1骨材と、第1骨材よりも粒径が小さい川砂、山砂等の砂からなる第2骨材(図示せず)とを含んでいる。結合材は、骨材8との結合強度やドラム本体5の外周面5aとの結合強度を確保する観点からエポキシ系樹脂が使用されている。
【0058】
次に、上向きに配された区画18内に未硬化の組成物7が充填される。前記組成物7は、周方向枠14の突出高さHc(
図4に示す)を超えて充填される。本実施形態では、仕切り枠15によって、ドラム軸方向の中央部側に、より多くの組成物7を充填することができる。次に、例えば、ステンレス製の敷ならしゲージ(図示せず)等を用いて、組成物7が整えられる。未硬化の組成物7は、区画18を仕切っている型枠13を利用して、ドラム軸方向の中央側が最もドラム半径方向に突出した円弧状になるように整えられる。未硬化の組成物7は、型枠13によって安定的に保持される。
【0059】
図6に示されるように、次に、レベリング工程が行われる。レベリング工程では、レベリング装置20を用いて、未硬化の組成物7の外面7aを均す。
【0060】
図7には、レベリング装置20の正面図が示されている。
図7に示されるように、レベリング装置20は、ローラー21と、ローラー21を支持する操作部22とを有する。
【0061】
ローラー21は、第1部分26と、第1部分26の軸方向の両側に配された一対の第2部分27とを有している。ローラー21は、第1部分26の回転軸26cを中心に回転する。
【0062】
第1部分26は、未硬化の組成物7の外面7a(
図6に示す)と接する外周面26aを有する。
【0063】
第1部分26の外周面26aは、軸方向の中央部側から端部側に向かって外径dが漸増する三次元曲面を有している。本実施形態の第1部分26の外周面26aは、ドラム軸方向の中央部から両端部側に向かって左右対称となる双曲面状構造である。
【0064】
外周面26aは、本実施形態では、正面視において、路面部6の外面6aの円弧状面6Mの曲率半径Ra(
図2に示す)と同じ曲率半径Rbを有している。
【0065】
第1部分26は、本実施形態では、樹脂材料で被覆されている。
【0066】
第1部分26のドラム軸方向の長さLbは、路面部6のドラム軸方向の幅Wa(
図2に示す)と同じであるのが望ましい。
【0067】
第2部分27は、円盤状であり、円周部27aを有している。円周部27aは、例えば、軸方向に一定の外径でのびている。
【0068】
操作部22は、ローラー21の両端で回転自在に支持する一対のフランジ部23、23と、フランジ部23、23間を継ぐ板状部24と、板状部24に設けられた一対の把持部25、25とを含む。このような操作部22は、レベリング工程の作業性を向上させる。
【0069】
本実施形態のフランジ部23は、円周部27aよりもローラー21の半径方向の外側に突出している。
【0070】
図6に示されるように、レベリング工程では、ローラー21を一対の周方向枠14、14に跨らせて配しかつドラム円周方向に移動させる。本実施形態では、第2部分27の円周部27aを周方向枠14の外端面14Aに接触回転させることにより、ローラー21の第1部分26が組成物7の外面7a上を回転移動する。これにより、組成物7の外面7aが、路面部6の円弧状面6Mと実質的に同じ曲率半径Raを有する円弧状面7Mに形成される。また、本実施形態では、各路面ブロック6Aのそれぞれにおいて、レベリング工程後の組成物7のドラム軸方向の外端7eにおけるドラム半径方向の高さHdを、周方向枠14のドラム半径方向の突出高さHc(
図4に示す)に容易に揃えることができる。
【0071】
フランジ部23は、周方向枠14の外向面14Bのドラム軸方向の外側に配されている。このため、ローラー21のドラム軸方向の位置決め精度が高く確保される。従って、組成物7の外面7aが精度良く形成される。
【0072】
また、本実施形態の第1部分26は、樹脂材料で被覆されているため、組成物7の外面7aとの剥離が容易になり、外面7aの成形精度が高く維持される。このような樹脂材料としては、例えば、MCナイロン(クオドラントポリペンコジャパン株式会社の登録商標)が望ましい。
【0073】
次に、
図8に示されるように、圧縮工程が行われる。圧縮工程では、ローラー21よりも大きい圧力で未硬化の組成物7が押圧される。
【0074】
本実施形態の圧縮工程では、例えば、未硬化の組成物7の外面7aを成形する成形具30と、成形具30を介して組成物7の外面7aを押圧する転圧機31とが用いられる。
【0075】
本実施形態の成形具30は、例えば、ドラム軸3cを含む断面において、ドラム軸方向の中央部がドラム半径方向の内側に向かって凸となる凸状である。成形具30は、例えば、第1の内側面32と、一対の第2の内側面33、33と、一対の継面34、34と、外側面35とを有している。
【0076】
第1の内側面32は、成形具30のドラム半径方向の最も内側に配される。第1の内側面32は、組成物7の外面7aと接触する接触面32aを有している。本実施形態の接触面32aは、組成物7の外面7aのドラム軸方向の両端7e、7eを含んで接触している。
【0077】
接触面32aは、本実施形態では、組成物7の外面7aである円弧状面7M(
図6に示す)の反転模様である。即ち、接触面32aは、ドラム半径方向の外側に向かって凸となる円弧状に形成されている。
【0078】
第2の内側面33は、第1の内側面32よりもドラム半径方向の外側かつドラム軸方向の外側に設けられている。第2の内側面33は、周方向枠14の外端面14Aのドラム半径方向の外側に配されている。
【0079】
継面34は、第1の内側面32のドラム軸方向の外端と第2の内側面33のドラム半径方向の内端とを継ぎ、ドラム軸3cに対し垂直方向にのびている。本実施形態では、継面34のドラム半径方向の高さHdは、第2枠17の突出高さHbと等しい。
【0080】
外側面35は、ドラム半径方向の最も外側に配されている。外側面35は、平面で形成されている。
【0081】
本実施形態の圧縮工程では、成形具30は、第1の内側面32の接触面32aを組成物7の外面7aに接触させてドラム本体5上に載置される。このため、ローラー21で形成された組成物7の外面7a形状を保持しつつ、組成物7に押圧力を生じさせることができる。
【0082】
次に、成形具30の外側面35から転圧機31で組成物7の外面7aを押圧して、組成物7を締固めする。このとき、継面34が、周方向枠14の内向面14Cに沿ってドラム半径方向の内側に移動する。そして、
図9に示されるように、第2の内側面33と周方向枠14の外端面14Aとが接触するまで押圧することにより、組成物7のドラム軸方向の外端7eの高さが第1枠16のドラム半径方向の突出高さHaに仕上げられる。即ち、組成物7の外端7eの高さが、路面部6の外端6eの高さH(
図2に示す)に成形される。また、圧縮工程における組成物7の押圧量は、第2枠17のドラム半径方向の突出高さHbに相当する。
【0083】
なお、成形具30は、このような凸状に限定されるものではなく、種々の態様を採用しうる。例えば、ドラム軸3cを含む断面において、路面部6のドラム軸方向の幅Wa(
図2に示す)と同じ幅を有する矩形状(図示せず)でもよい。このような成形具30では、圧縮工程において、第1枠16の前記突出高さHaまで、目視によって組成物7が押圧される。
【0084】
このような成形具30は、樹脂材料、木質材料、金属材料など、転圧機31の押圧力に耐えうるものであれば、種々の材料を採用しうる。成形具30は、組成物7の外面7aとの剥離を容易にするため、例えば、MCナイロンからなる樹脂材料で被覆されるのが望ましい。成形具の厚さt(
図8に示す)は、好ましくは、20〜50mmである。
【0085】
転圧機31は、組成物7の締固め機械としてタンパでも良いが、とりわけタンピングランマーが望ましい。
【0086】
組成物7の硬化後、該組成物7が充填された区画18のドラム円周方向両側の仕切り枠15が取り外される。
【0087】
次に、他の区画18において、未硬化の組成物7を充填する組成物充填工程が行われる。そして、レベリング工程、圧縮工程が繰り返されて、路面部6を構成する全ての路面ブロック6Aが製造される。最後に、周方向枠14が外周面5aから取り外されて、路面部6が製造される。
【0088】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
【実施例】
【0089】
レベリング装置を用いた本実施形態の製造方法、他の実施形態の製造方法、及び、比較例の実施形態の製造方法によって走行ドラムの路面部が製造された。そして、その路面部の外面が、凹凸についてテストされた。共通仕様は、以下の通りである。
ドラム本体の円周方向長さLA:10000mm
周方向枠間のドラム軸方向の幅:400mm
第1枠(幅×高さ):10×10mm
第2枠(幅×高さ):10×3mm
仕切り枠(路面ブロック)の数:16枚(16個)
仕切り枠の内側枠(幅×高さ×曲率半径):40×10×1591.5mm
仕切り枠の外側枠(幅×高さ):40×3mm
<本実施形態及び他の実施形態の製造方法>
上記型枠で形成された区画内に未硬化の組成物を充填させ、敷ならしゲージで組成物の外面を整えた後、
図7に示されるレベリング装置を用いて組成物を均し、転圧機(ランマー)によって押圧させた。本実施形態の製造方法では、
図8に示される成形具を介して押圧された。他の実施形態の製造方法では、成形具が使用されることなく、転圧機のみで組成物が押圧された。
<比較例の実施形態の製造方法>
比較例の実施形態の製造方法は、本実施形態の製造方法と、敷ならしゲージで組成物の外面を整えるまでは同じである。この後、レベリング装置及び成形具を使用することなく、上記転圧機のみで組成物が押圧された。
【0090】
<各路面ブロックの外面の最大凹凸量>
本実施形態、他の実施形態及び比較例の実施形態の製造方法によって製造された路面部の最大凹凸量が測定された。先ず、走行ドラムが回転軸を水平にして固定され、パナソニックデバイスSUNX株式会社製のレーザー変位計(HL−C105B−BK)によって、ドラムを順次回転させ、それぞれ路面ブロック毎のドラム赤道上の最大凹凸量が測定された。テストの結果が
図10に示される。
図10に示されるように、比較例の実施形態の製造方法による各路面ブロックの外面の最大凹凸量は、1.3〜3.7mmであるの対し、本実施形態及び他の実施形態の製造方法による各路面ブロックの最大凹凸量は、2.8mm以下の範囲である。このため、本実施形態及び他の実施形態の製造方法は、比較例の実施形態の製造方法に比して、路面ブロックの外面を精度よく製造できることが理解される。とりわけ、成形具を使用した本実施形態の製造方法では、各路面ブロックの最大凹凸量は、1.5mm未満の範囲であり、優れた精度を確保できていることが理解される。最大凹凸量は、各路面ブロックのドラム円周上におけるドラム半径方向の最外点と最内点とのドラム半径方向の距離をいう。
【0091】
<路面部の外面の凹凸量>
本実施形態、他の実施形態及び比較例の実施形態の製造方法によって製造された路面部を有する走行ドラムのドラム円周上の平均凹凸量が、上術のレーザー変位計を用いて、ドラム軸方向に離間した5カ所で測定された。テストの結果が
図11に示される。
図11に示されるA位置及びE位置は、ドラム赤道上からドラム軸方向の一方側及び他方側ヘ10mm離間した位置、B位置及びD位置は、ドラム赤道上からドラム軸方向の一方側及び他方側ヘ5mm離間した位置、C位置は、ドラム赤道上の位置で測定されたことを示す。
図11に示されるように、比較例の実施形態の製造方法による路面部の外面の平均の凹凸量は、2.4〜3.4mmであるの対し、本実施形態及び他の実施形態の製造方法による路面部の平均の凹凸量は、2.5mm以下の範囲である。このため、本実施形態、他の実施形態の製造方法は、比較例の実施形態の製造方法に比して、路面部を精度よく製造できることが理解される。とりわけ、成形具を使用した本実施形態の製造方法では、平均の凹凸量が1.1mm以下であり、優れた精度を確保できることが理解できる。なお、平均の凹凸量は、各路面ブロックのドラム円周上における最大凹凸量の平均値をいう。
【0092】
<路面部の平均凹凸量>
高さの異なる路面部を有する走行ドラムが、本実施形態の製造方法により製造された。そして、各走行ドラムの路面部のドラム赤道上の平均凹凸量が、上術のレーザー変位計を用いて測定された。テストの結果が
図12(a)に示される。
図12(a)に示されるように、路面部の高さが20mmを超える場合、平均凹凸量は2.5mmを超えている。路面部の高さが20mm以下の場合、平均凹凸量は1.5mm以下である。従って、路面部の高さは、20mm以下とすることが望ましいことが理解できる。なお、路面部の高さに応じた型枠の突出高さが採用されている。
【0093】
<路面ブロック間の継ぎ目の凹凸量>
仕切り枠の距離Lの異なる路面ブロックを有する走行ドラムが、本実施形態の製造方法により製造された。そして、ドラム円周方向に隣り合う路面ブロック間の継ぎ目のドラム赤道上の凹凸量が、上術のレーザー変位計を用いて測定された。テストの結果が
図12(b)に示される。
図12(b)に示されるように、仕切り枠の距離Lがドラム本体の長さLAの5%未満の場合、継ぎ目の凹凸量が3mmを超えている。仕切り枠の距離Lがドラム本体の長さLAの5%以上の場合、継ぎ目の凹凸量が2mm以下である。なお、仕切り枠の距離Lがドラム本体の長さLAの15%を超えるものは、路面ブロックを精度よく製造することができなかった。従って、仕切り枠の距離Lは、ドラム本体の長さLAの5%〜15%とすることが望ましいことが理解できる。