特許第6283229号(P6283229)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283229
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】ベルトコンベヤのリターンローラ
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/12 20060101AFI20180208BHJP
   B65G 15/08 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   B65G39/12
   B65G15/08 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-20949(P2014-20949)
(22)【出願日】2014年2月6日
(65)【公開番号】特開2015-147639(P2015-147639A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2017年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】504385982
【氏名又は名称】株式会社JRC
(74)【代理人】
【識別番号】100077470
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 冨二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067116
【弁理士】
【氏名又は名称】立川 登紀雄
(72)【発明者】
【氏名】濱口 稔
(72)【発明者】
【氏名】山崎 富司
(72)【発明者】
【氏名】久次米 功雄
(72)【発明者】
【氏名】尾瀬 康文
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−071215(JP,U)
【文献】 実開平06−080726(JP,U)
【文献】 特開2013−052987(JP,A)
【文献】 特開平09−278150(JP,A)
【文献】 実開昭53−020789(JP,U)
【文献】 実開平05−065926(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 39/12
B65G 15/08
B65G 15/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベヤに於けるリターン側ベルトの下側前後所定間隔位置にガイドレールを配置すると共に、このそれぞれのガイドレールの一端をコンベヤフレームに支承手段を介し前記ガイドレールが上記ベルトの長手方向に揺動するよう支承し、上記ガイドレールの末端から先端に抜き差し自在に嵌装する筒状のスライダの先端及び末端部から上方に突出するスタンドを設けて、このスタンドにリターンローラの支軸の両端を着脱自在に保持し、また上記コンベヤフレームの他側に垂設したアームの下端部で、上記ベルトの長手方向一側から他側に向け上記スライダの末端部を嵌め込んで支持する保持切欠きを設け、さらに上記アームの上記切欠きに上記スライダの嵌入終了にともなう上記スタンドの起立維持のためのストッパ手段を設け、また上記切欠きからスライダの脱出を阻止し、かつ人手により前記阻止を解除することができるようなロック手段を上記アームに設けたことを特徴とするベルトコンベヤのリターンローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ベルトコンベヤにおけるリターンローラに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤは、周知のように、ヘッドプーリとテールプーリとに無端状のベルトをかけ渡し、ベルトのキャリヤ側裏面は、キャリヤローラで支承され、ベルトのリターン側表面は、リターンローラで支承されている。
【0003】
このリターンローラは、スムーズな回転を阻害する故障の発生にともないその都度取り替えを行うことになる。
【0004】
そこで、容易に取り替えができるようにした方式として、特許文献1に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−52987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の方式によると、アングル材を用いたガイドレールの上にアングル材を用いたリターンローラの支持リターンスタンド付スライダを重ねながらスライドさせて抜き差しする(交換に際し)ので、スライダは、ベルトの長手方向に抜き差しのためスライドさせることになる。
【0007】
すると、リターンローラの周面軸線方向の全長がベルトの表面幅方向の全面に常に接触した(ベルトの重量がリターンローラの周面に作用する)状態でスライダをスライドさせるため、摩擦抵抗が大きくて、スムーズなスライドができず、大変な労力を要する問題があった。
【0008】
特にスライダの差し込みに際し、レールに対しスライダの重なりを維持しつつ差し込まなければならない。
【0009】
そこで、この発明は、リターンローラの交換が容易にできるベルトコンベヤのリターンローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明は、ベルトコンベヤに於けるリターン側ベルトの下側前後所定間隔位置にガイドレールを配置すると共に、このそれぞれのガイドレールの一端をコンベヤフレームに支承手段を介し前記ガイドレールが上記ベルトの長手方向に揺動するよう支承し、上記ガイドレールの末端から先端に抜き差し自在に嵌装する筒状のスライダの先端及び末端部から上方に突出するスタンドを設けて、このスタンドにリターンローラの支軸の両端を着脱自在に保持し、また上記コンベヤフレームの他側に垂設したアームの下端部で、上記ベルトの長手方向一側から他側に向け上記スライダの末端部を嵌め込んで支持する保持切欠きを設け、さらに上記アームの上記切欠きに上記スライダの嵌入終了にともなう上記スタンドの起立維持のためのストッパ手段を設け、また上記切欠きからスライダの脱出を阻止し、かつ人手により前記阻止を解除することができるようなロック手段を上記アームに設けた構成を採用する。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、この発明のリターンローラによれば、何らかの影響によりリターンローラのスムーズな回転が阻害されて交換が必要な場合が生じると、まず人手によりロック手段のロックを解除したのち、支承手段を支点としてガイドレールと共にスライダをベルトの長手方向に揺動させることで、切欠きからスライダの末端を脱出することができて、アームに対するスライダの末端衝突を回避することができると共に、ガイドレールの旋回揺動で交換作業がスムーズになる。
【0012】
また、ガイドレールを中心にしてスタンドを倒れ方向に回動させて、下方にリターンローラを降下させることができるので、リターンローラとアームの衝突を回避して、容易にスライダの引き抜きが可能になる。
【0013】
このため、ガイドレールからスライダを引き抜いてリターンローラを回収することができる。
【0014】
回収したリターンローラは、スタンドから取り外して、スタンドに新しい(交換)リターンローラをセットし、又は事前作業としてリターンローラのセット済み予備スライダをガイドレールに嵌装したのち、ガイドレールと共にスライダをベルトの長手方向に揺動させながら、切欠きにスライダの末端を嵌め込み、その後にロック手段によりロックしてスタンドの起立状態を維持することができると共に、作業の迅速化が可能になる。
【0015】
勿論、スタンドの起立時にストッパ手段によりスタンドの起立状態をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の実施形態を示す一部縦断正面図である。
図2】ガイドレールの支承手段を示す縦断拡大正面図である。
図3】同上の縦断側面図である。
図4】ガイドレールとスライダとを示す拡大正面図である。
図5】同上の作用を示す一部切欠平面図である。
図6】ロック手段を示す一部切欠拡大平面図である。
図7】同上の側面図である。
図8】リターンローラの取り外しを示す拡大側面図である。
図9】同拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すベルトコンベヤAは、周知のようにヘッドプーリとテールプーリ(いずれも図示省略)とに無端状のベルトaをかけ渡して形成され、キャリヤ側ベルトaの裏面は、前後に所定の間隔を存して配置したトラフ形のキャリアローラ1で支承してある。
【0018】
また、リターン側ベルトaの下側には、前後に所定の間隔を存して多数列ベルトaを横切るようにガイドレール2が配置されると共に、コンベヤフレーム3の一側にガイドレール2の一端をベルトaの長手方向にガイドレール2が揺動するように支承手段Bを介し支承してある。
【0019】
上記の支承手段Bは、コンベヤフレーム3から下方に突出するアーム17にベルトaの長手方向に両端が向く長孔4を設けて、この長孔4に挿入したガイドレール2の先端と外周面とを固着した筒体5と、この筒体5の上下端を抱き込むようにアーム17から突出する突片6と、上側突片6の透孔7から筒体5に挿入して、下側突片6の透孔7に貫通するピン8とで構成し、長孔4の両端間の範囲でガイドレール2が前後方向に(ベルトaの長手方向に)揺動するように支承したが、限定されず、上記目的を達成するその他の構成を採用してもよい。
なお、ガイドレール2にパイプを用いたが軸材であってもよい。
【0020】
さらに、ガイドレール2に筒状のスライダ9を抜き差し自在に嵌装すると共に、このスライダ9の先端と末端部とに上方に向け起立するスタンド10を設けて、この両スタンド10の上端にリターンローラ11の中心に挿入してある支軸12に両端を着脱自在に支持させてある。
【0021】
上記支軸12の支持は、周知のように(図2で示す)、スタンド10の上端から下方に向くU字状の欠除部13に支軸12の端の外周に設けてある溝14を落とし込みにより嵌め込み係合させて、スタンド10に対しリターンローラ11が交換できるようになっている。
【0022】
なお、図中15は支軸12の上方への脱出を阻止する押さえ片である。16はベルトaの走行方向にスタンド10が倒れるのを阻止するストッパ手段である。
【0023】
また、アーム17に対向するようにコンベヤフレーム3の他側から下方に突出するアーム20を設けて、このアーム20の下部一側縁から他側方向(ベルトaの長手方向に向く)にスライダ9の末端部を嵌入して保持するU字状の切欠き21を設ける(この切欠き21の内端縁は、ベルトaの走行方向側に位置して、コンベヤAの運転にともないベルトaの走行によって切欠き21からスライダ9の脱出を阻止する)。
【0024】
なお、アーム20には、スタンド10がベルトaの走行方向に倒れるのを阻止するストッパ手段16が設けてある。
【0025】
さらに、アーム20には、切欠き21からスライダ9の脱出を阻止するようにロックされ、このロックを人手により解除することができるようなロック手段Cが設けてある。
【0026】
上記のロック手段Cは、図示の場合アーム20側スタンド10の外側に末端をスライダ9に支持させた板状体31と、この板状体31の先端外側面から突出するように設けた把持杆32と、板状体31の中間に常にアーム20の外側面に向け突出力(図示省略のバネによる)を付与し、かつ末端の撮み33により引き戻すことができるように設けたピン34と、板状体31を起立させた際にピン34が嵌入するようにアーム20に設けた透孔35とで構成され、撮み33を把持してピン34を引き戻しながら、透孔35からピン34を脱出させることでアーム20に対する板状体31のロックが解除され、その結果把持杆32により図7から図8に示すように板状体31を倒れ方向に傾倒させることができる。
【0027】
すると、切欠き21からスライダ9を脱出させることができる。
勿論、ロック手段Cは上記の構成に限定されず、目的を達成するその他の構成であってもよい。
【0028】
上記のように構成することで、リターンローラ11の交換に際し、まずロック手段Cによるロックを解除することで、アーム20に対する板状体31のロックが解除される。
【0029】
次に倒れ方向に板状体31を傾動させたのち、切欠き21からスライダ9の端を図8から図9に示すように脱出させることで、ガイドレール2からスライダ9を図4,5に示すように引き抜きながらリターンローラ11を回収する。
【0030】
次いで、スタンド10に新しいリターンローラ11をセットするか、予備(交換用)のリターンローラ11を有するスライダ9をガイドレール2に嵌装しながら、まず切欠き21にスライダ9を嵌め込み、然るのちロック手段Cによりアーム20に板状体31を傾倒しないようにロックする。
【符号の説明】
【0031】
A ベルトコンベヤ
a ベルト
B 支承手段
C ロック手段
1 キャリヤローラ
2 ガイドレール
3 コンベヤフレーム
4 長孔
5 筒体
6 突片
7 透孔
8 ピン
9 スライダ
10 スタンド
11 リターンローラ
12 支軸
13 欠除部
14 溝
15 押さえ片
16 ストッパ手段
17 アーム
20 アーム
21 切欠き
31 板状体
32 把持杆
33 撮み
34 ピン
35 透孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9