(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記代表端末装置は、所定周期で前記端末装置に対する応答確認を行い、応答確認できた前記端末装置を端末リストに登録し、応答確認できなかった前記端末装置を前記端末リストから削除する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信システム。
機器間で通信するD2D通信機能を有する複数の端末装置と、前記端末装置と無線通信する基地局装置とを有する通信システムにおける代表端末装置として動作する前記端末装置のコンピュータに、
前記基地局装置から前記複数の端末装置へ向けた信号に対する自己の配下の端末装置からの応答をまとめて前記基地局装置へ送信するステップ、を実行させるためのコンピュータプログラムであり、
前記基地局装置に接続されるサーバ装置と前記端末装置とを接続する通信回線が前記基地局装置とは異なる経路で設けられ、
前記サーバ装置から前記基地局装置を経由して前記端末装置に向けて送信された要求メッセージに対する前記端末装置からの前記サーバ装置への応答方法として、前記基地局装置を経由する応答方法と、前記通信回線を経由する応答方法とのうちから、いずれかを指定する応答方法情報、又は、いずれかを選択するときの優先度を示す応答方法情報、が前記基地局装置から送信される前記信号に含められ、
前記信号に含められた前記応答方法情報に基づいて自端末装置の応答方法を決定するステップをさらに前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
[第1実施形態]
はじめに本発明に係る一実施形態として第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信システム1の概略構成図である。
図1において、通信システム1の利用者の自宅(以下、利用者宅と称する)3の宅内には、機器間で通信するD2D(Device to Device)通信機能を有するD2D端末装置(以下、D2D端末と称する)が複数(D2D端末12,14−1〜3)設けられている。各D2D端末12,14−1〜3は、相互に、D2D通信を行うことができる。D2D端末12,14−1〜3のうち、D2D端末12は代表端末として動作する。以下、D2D端末12のことを「宅内代表D2D端末12」と称する。また、宅内代表D2D端末12以外のD2D端末14−1〜3のことを「宅内D2D端末14−1〜3」と称する。なお、宅内D2D端末14−1〜3のそれぞれを特に区別しないときは「宅内D2D端末14」と称する。
【0014】
宅内代表D2D端末12及び宅内D2D端末14は、基地局装置(以下、基地局と称する)10と無線通信する。基地局10は、宅内代表D2D端末12に対して、ページング信号101を送信する。宅内代表D2D端末12は、基地局10から受信したページング信号101に基づいたページング情報102を、宅内D2D端末14へ送信する。宅内D2D端末14は、宅内代表D2D端末12から受信したページング情報102に関する処理完了応答信号103を、宅内代表D2D端末12へ送信する。ページング情報102及び処理完了応答信号103の伝達は、宅内代表D2D端末12と宅内D2D端末14の間で、端末間の直接通信(Device-to-device Communication;D2D)の通信チャネルを使用して行われる。
【0015】
宅内代表D2D端末12は、宅内D2D端末14から個別に受信した処理完了応答信号103をまとめたものである処理完了応答信号104を、基地局10へ送信する。
【0016】
基地局10には、緊急報知情報サーバ装置(以下、緊急報知情報サーバと称する)2が接続されている。緊急報知情報サーバ2は、緊急時に利用者の端末へ情報を伝達することを目的として設けられている。緊急報知情報サーバ2が緊急時に利用者の端末へ伝達したい緊急情報は、基地局10を介してページング信号101により宅内代表D2D端末12へ伝達され、さらに該宅内代表D2D端末12からページング情報102により宅内D2D端末14へ伝達される。そして、該緊急情報に関する宅内D2D端末14からの応答情報は、処理完了応答信号103により宅内代表D2D端末12へ伝達される。そして、宅内D2D端末14からの個別の応答情報は、宅内代表D2D端末12からまとめて処理完了応答信号104により基地局10を介して緊急報知情報サーバ2へ伝達される。
【0017】
利用者宅3には、光アクセス回線4が接続されている。光アクセス回線4は、利用者宅3と緊急報知情報サーバ2の間でデータを伝送する。宅内代表D2D端末12及び宅内D2D端末14の中には、光アクセス回線4に接続されているものがあってもよい。
【0018】
図2は、本発明の第1実施形態に係る宅内代表D2D端末12の構成例を示すブロック図である。
図2において、宅内代表D2D端末12は、無線通信部21、制御部22、記憶部23、操作部24、表示部25及び通信部26を備える。無線通信部21、制御部22、記憶部23、操作部24、表示部25及び通信部26は相互にデータを送受できるように接続されている。無線通信部21は、基地局10に無線接続し、基地局10を介して他の装置と通信する。また、無線通信部21は、他のD2D端末との間でD2D通信を行う。
【0019】
制御部22は自端末に係る動作の制御を行う。記憶部23はデータを格納する。操作部24は、利用者からの操作を受け付ける。表示部25は表示画面上に情報の表示を行う。通信部26は、自端末に光アクセス回線4が接続されている場合、光アクセス回線4を介して緊急報知情報サーバ2と通信する。
【0020】
記憶部23は、端末リスト231を記憶する。端末リスト231は、自己の宅内代表D2D端末12の配下にある宅内D2D端末14のリストである。
【0021】
図3は、本発明の第1実施形態に係る宅内D2D端末14の構成例を示すブロック図である。
図3において、
図2の各部に対応する部分には同一の符号を付している。
図3に示される宅内D2D端末14の構成は、
図2に示される宅内代表D2D端末12の構成と同様である。但し、宅内D2D端末14の記憶部23は、接続可能代表端末リスト232を記憶する。接続可能代表端末リスト232は、自己の宅内D2D端末14が接続できる宅内代表D2D端末12のリストである。
【0022】
図4は、本発明の第1実施形態に係る基地局10の構成例を示すブロック図である。
図4において、基地局10は、無線通信部51、通信部52、制御部53及び記憶部54を備える。無線通信部51、通信部52、制御部53及び記憶部54は相互にデータを送受できるように接続されている。無線通信部51は宅内代表D2D端末12及び宅内D2D端末14と無線通信する。通信部52は、バックボーンネットワークを介して他の装置と通信する。例えば、通信部52は、緊急報知情報サーバ2と通信する。制御部53は自基地局に係る動作の制御を行う。記憶部54はデータを格納する。
【0023】
次に、
図5、
図6を参照して、第1実施形態に係る通信システム1の動作を説明する。
図5、
図6は、第1実施形態に係る通信方法の手順を示すシーケンスチャートである。
【0024】
[正常応答シーケンス]
はじめに
図5を参照して正常応答シーケンスを説明する。正常応答シーケンスは、宅内代表D2D端末12に対して、宅内代表D2D端末12の配下にある全ての宅内D2D端末14から処理完了応答信号103が返信された場合である。
【0025】
(ステップS1) 緊急報知情報サーバ2が、基地局10を介して、緊急応答要求メッセージを宅内代表D2D端末12へ送信する。そして、緊急報知情報サーバ2が、処理待機タイマT0の動作を開始する。
【0026】
(ステップS2) 宅内代表D2D端末12が、緊急報知情報サーバ2から受信した緊急応答要求メッセージに応じて、基地局10を介して、受信応答メッセージを緊急報知情報サーバ2へ送信する。緊急報知情報サーバ2は、基地局10を介して宅内代表D2D端末12からの受信応答メッセージを受信すると、処理待機タイマT0の動作を停止し、処理待機タイマT1の動作を開始する。
【0027】
(ステップS3) 宅内代表D2D端末12が、緊急報知情報サーバ2から受信した緊急応答要求メッセージを、自己の配下にある全ての宅内D2D端末14(1)、・・・、(N)へ送信する。そして、宅内代表D2D端末12が、処理待機タイマT2の動作を開始する。
【0028】
(ステップS4) 各宅内D2D端末14(1)、・・・、(N)は、宅内代表D2D端末12から受信した緊急応答要求メッセージに関する緊急処理完了応答メッセージを、宅内代表D2D端末12へ送信する。宅内代表D2D端末12は、自己の配下にある全ての宅内D2D端末14(1)、・・・、(N)から緊急処理完了応答メッセージを受信すると、処理待機タイマT2の動作を停止する。
【0029】
(ステップS5) 宅内代表D2D端末12が、自己の配下にある全ての宅内D2D端末14(1)、・・・、(N)からの緊急処理完了応答メッセージ及び自己の緊急処理完了応答メッセージを示す緊急処理完了応答メッセージを、基地局10を介して緊急報知情報サーバ2へ送信する。緊急報知情報サーバ2は、基地局10を介して宅内代表D2D端末12からの緊急処理完了応答メッセージを受信することにより、全ての宅内代表D2D端末12および宅内D2D端末14から緊急応答要求に対する応答を受信したと判断する。そして、緊急報知情報サーバ2は、処理待機タイマT1の動作を停止する。
【0030】
[非正常応答シーケンス]
次に
図6を参照して非正常応答シーケンスを説明する。非正常応答シーケンスは、宅内代表D2D端末12に対して、宅内代表D2D端末12の配下にあるいずれかの宅内D2D端末14から処理完了応答信号103が返信されなかった場合である。
【0031】
ステップS1からS3までは、正常応答シーケンスに係る
図5と同じである。
【0032】
(ステップS4) 各宅内D2D端末14(1)、・・・、(N)は、宅内代表D2D端末12から受信した緊急応答要求メッセージに関する緊急処理完了応答メッセージを、宅内代表D2D端末12へ送信する。但し、このとき、少なくとも1台の宅内D2D端末14が緊急処理完了応答メッセージを宅内代表D2D端末12へ送信しない。宅内代表D2D端末12は、自己の配下にある全ての宅内D2D端末14(1)、・・・、(N)から緊急処理完了応答メッセージを受信するか、又は、処理待機タイマT2が満了するまで、宅内D2D端末14からの緊急処理完了応答メッセージを待つ。
【0033】
(ステップS11) 宅内代表D2D端末12は、自己の配下にある全ての宅内D2D端末14(1)、・・・、(N)から緊急処理完了応答メッセージを受信する前に処理待機タイマT2が満了すると、無応答(緊急処理完了応答メッセージの受信なし)の宅内D2D端末14の識別子(端末ID)を記載した無応答端末IDメッセージを、基地局10を介して緊急報知情報サーバ2へ送信する。緊急報知情報サーバ2は、基地局10を介して宅内代表D2D端末12からの無応答端末IDメッセージを受信すると、処理待機タイマT1の動作を停止する。
【0034】
(ステップS12) 緊急報知情報サーバ2は、基地局10を介して宅内代表D2D端末12から受信した無応答端末IDメッセージに記載される端末IDで示される宅内D2D端末14に対して、個別に、基地局10を介して緊急応答要求メッセージを送信する。なお、緊急報知情報サーバ2は、該無応答端末IDメッセージに記載される端末IDで示される宅内D2D端末14以外の宅内代表D2D端末12及び宅内D2D端末14については緊急応答要求に対する応答を受信したと判断する。
【0035】
(ステップS13) 宅内D2D端末14は、基地局10を介して緊急報知情報サーバ2から受信した緊急応答要求メッセージに関する緊急処理完了応答メッセージを、基地局10を介して緊急報知情報サーバ2へ送信する。
【0036】
次に、
図7を参照して、第1実施形態に係る緊急報知情報サーバ2の動作を説明する。
図7は、第1実施形態に係る情報報知処理の手順を示すフローチャートである。
【0037】
(ステップS101) 緊急報知情報サーバ2が、基地局10を介して、緊急応答要求メッセージを宅内代表D2D端末12へ送信する。
【0038】
(ステップS102) 緊急報知情報サーバ2が、処理待機タイマT0の動作を開始する。
【0039】
(ステップS103) 緊急報知情報サーバ2が、基地局10を介して宅内代表D2D端末12からの受信応答メッセージを受信したかを判断する。この結果、受信した場合にはステップS104へ進み、まだ受信していない場合にはステップS106へ進む。
【0040】
(ステップS104) 緊急報知情報サーバ2が、処理待機タイマT0の動作を停止し、処理待機タイマT1の動作を開始する。
【0041】
(ステップS105) 緊急報知情報サーバ2が、処理待機タイマT1の満了の前に、基地局10を介して宅内代表D2D端末12からの緊急処理完了応答メッセージを受信したかを判断する。この結果、受信した場合には
図7の処理を終了する。一方、宅内代表D2D端末12からの緊急処理完了応答メッセージを受信する前に処理待機タイマT1が満了した場合には、ステップS107へ進む。
【0042】
(ステップS106) 緊急報知情報サーバ2が、処理待機タイマT0の満了を判断する。この結果、処理待機タイマT0が満了した場合にはステップS107へ進み、まだ満了していない場合にはステップS103へ戻る。
【0043】
(ステップS107) 緊急報知情報サーバ2が、基地局10を介して宅内代表D2D端末12から受信した無応答端末IDメッセージに記載される端末IDで示される宅内D2D端末14に対して、個別に、基地局10を介して緊急応答要求メッセージを送信する。
【0044】
(ステップS108) 緊急報知情報サーバ2が、該個別に緊急応答要求メッセージを送信した全ての宅内D2D端末14から、基地局10を介して緊急処理完了応答メッセージを受信したかを判断する。この結果、該全ての宅内D2D端末14から受信した場合には
図7の処理を終了する。一方、そうではない場合にはステップS107へ戻り、基地局10を介して宅内代表D2D端末12から受信した無応答端末IDメッセージに記載される端末IDで示される宅内D2D端末14のうち、まだ緊急処理完了応答メッセージを受信していない宅内D2D端末14に対して、個別に、基地局10を介して緊急応答要求メッセージを送信する。
【0045】
次に、
図8を参照して、第1実施形態に係る宅内代表D2D端末12の動作を説明する。
図8は、第1実施形態に係る情報応答処理の手順を示すフローチャートである。宅内代表D2D端末12は、緊急報知情報サーバ2からの緊急応答要求メッセージを受信すると、
図8の処理を開始する。
【0046】
(ステップS121) 宅内代表D2D端末12が、緊急報知情報サーバ2から受信した緊急応答要求メッセージに応じて、基地局10を介して、受信応答メッセージを緊急報知情報サーバ2へ送信する。
【0047】
(ステップS122) 宅内代表D2D端末12が、緊急報知情報サーバ2から受信した緊急応答要求メッセージを、端末リスト231に記載される全ての宅内D2D端末14(つまり、自己の配下にある全ての宅内D2D端末14)へ送信する。
【0048】
(ステップS123) 宅内代表D2D端末12が、処理待機タイマT2の動作を開始する。
【0049】
(ステップS124) 宅内代表D2D端末12が、自己の配下にある全ての宅内D2D端末14から緊急処理完了応答メッセージを受信したかを判断する。この結果、全て受信した場合には
図8の処理を終了する。一方、まだ受信していないものがある場合にはステップS125へ進む。
【0050】
(ステップS125) 宅内代表D2D端末12が、無応答(緊急処理完了応答メッセージの受信なし)の宅内D2D端末14に対して、緊急応答要求メッセージを再送信する。
【0051】
(ステップS126) 宅内代表D2D端末12が、処理待機タイマT2の満了を判断する。この結果、処理待機タイマT2が満了した場合にはステップS127へ進み、まだ満了していない場合にはステップS124へ戻る。
【0052】
(ステップS127) 宅内代表D2D端末12が、無応答の宅内D2D端末14の端末IDを記載した無応答端末IDメッセージを、基地局10を介して緊急報知情報サーバ2へ送信する。
【0053】
次に、上述した第1実施形態に係る実施例1〜4を説明する。
【実施例1】
【0054】
実施例1は、宅内代表D2D端末12、宅内D2D端末14から緊急報知情報サーバ2への応答方法の実施例である。この応答方法として、(1)宅内代表D2D端末12、宅内D2D端末14から基地局10経由で緊急報知情報サーバ2へ応答する、(2)宅内代表D2D端末12、宅内D2D端末14から光アクセス回線4経由で緊急報知情報サーバ2へ応答する、の二通りの応答方法がある。
【0055】
実施例1では、基地局10から送信されるページング信号101又はブロードキャスト信号に対して、該応答方法の情報を含める。例えば、該応答方法を指定する情報を、基地局10から送信されるページング信号101又はブロードキャスト信号に含める。又は、該応答方法の種類および優先度を示す情報を、基地局10から送信されるページング信号101又はブロードキャスト信号に含める。
【0056】
例えば、以下の応答方法情報(2ビット)を基地局10から送信されるページング信号101又はブロードキャスト信号に含めることが挙げられる。
ビット「00」:(1)基地局10経由でも、(2)光アクセス回線4経由でも、どちらでもよい。
ビット「01」:(1)基地局10経由を優先する。
ビット「10」:(2)光アクセス回線4経由を優先する。
宅内代表D2D端末12は、基地局10から受信した該応答方法情報(2ビット)を配下の宅内D2D端末14へ送信する。宅内代表D2D端末12及び宅内D2D端末14は、該応答方法情報(2ビット)に基づいて、自己の応答方法を決定する。
【0057】
また、基地局10から送信されるページング信号101又はブロードキャスト信号に対して、緊急報知情報サーバ2の処理待機タイマT1のタイマ時間の情報を含めてもよい。処理待機タイマT1のタイマ時間は、緊急報知情報サーバ2における緊急処理完了応答メッセージの受信待ち時間である。宅内代表D2D端末12、宅内D2D端末14は、該受信待ち時間によって、緊急報知情報サーバ2に対する応答の緊急度合いを認識できる。
【実施例2】
【0058】
実施例2は、宅内代表D2D端末12と宅内D2D端末14の間で行われるD2D通信方法の実施例である。実施例2では、D2D通信用の無線リソースを確保しておく。宅内代表D2D端末12は、端末リスト231に登録されている宅内D2D端末14との間で、D2D通信用の無線リソースを使用して通信する。
【0059】
例えば、基地局10との間で使用可能な無線リソースの中からD2D通信用の無線リソースを確保し、D2D通信用の無線リソースの中からブロードキャスト信号用またはページング用の無線リソースを予め決めておく。宅内代表D2D端末12は、基地局10からのページング信号101を受信すると、D2D通信用の無線リソースのうちブロードキャスト信号用またはページング用の無線リソースを使用して、ページング情報102を宅内D2D端末14へ送信する。宅内D2D端末14は、基地局10からのブロードキャスト信号の受信を予め停止しておく。そして、宅内D2D端末14は、D2D通信用の無線リソースにより宅内代表D2D端末12から送信されるページング情報102を受信する。
【0060】
なお、D2D通信用の無線リソースの動的割り当てを行う場合、宅内D2D端末14においてブロードキャスト信号用またはページング用の無線リソースの受信タイミングは、D2D通信用の無線リソースの割り当てタイミングよりも長い周期としてもよい。
【実施例3】
【0061】
実施例3は、端末リスト231の作成方法の実施例である。実施例3では、宅内代表D2D端末12が、所定周期で宅内D2D端末14に対する応答確認を行い、応答確認できた宅内D2D端末14を端末リスト231に登録し、応答確認できなかった宅内D2D端末14を端末リスト231から削除する。
【0062】
また、1台の宅内代表D2D端末12では全ての宅内D2D端末14をサポートできない場合には、複数台の宅内代表D2D端末12を設ける。複数台の宅内代表D2D端末12の各々が、どの宅内D2D端末14を配下にするのか(つまり、どの宅内D2D端末14を自己の端末リスト231に登録するのか)を決定する方法として、例えば、以下の配下端末決定方法1,2,3が挙げられる。
(配下端末決定方法1) 利用者等の人が、各宅内代表D2D端末12の配下の宅内D2D端末14を設定する。
(配下端末決定方法2) 複数台の宅内代表D2D端末12の各々が、宅内D2D端末14から受信した信号の受信品質に基づいて、自己の配下とする宅内D2D端末14を決定する。
(配下端末決定方法3) 複数台の宅内代表D2D端末12の各々が、宅内D2D端末14における受信品質に基づいて、自己の配下とする宅内D2D端末14を決定する。
【0063】
ここで、
図9〜
図13を参照して上述の配下端末決定方法3を説明する。
図9、
図10は、第1実施形態の配下端末決定方法3に係る宅内代表D2D端末12の処理手順を示すフローチャートである。
図11〜
図13は、第1実施形態の配下端末決定方法3に係る宅内D2D端末14の処理手順を示すフローチャートである。
【0064】
事前に、宅内代表D2D端末12及び宅内D2D端末14には、以下に示す「preference index」が定義される。
・preference index「1」:処理対象の宅内D2D端末14は、処理対象の宅内代表D2D端末12へのみ接続可能である。
・preference index「2」:処理対象の宅内D2D端末14は、処理対象の宅内代表D2D端末12以外の宅内代表D2D端末12にも接続可能であるが、処理対象の宅内代表D2D端末12への接続が最良の通信品質である。
・preference index「3」:処理対象の宅内D2D端末14は、処理対象の宅内代表D2D端末12以外の宅内代表D2D端末12への接続が最良の通信品質である。
【0065】
はじめに
図9、
図10を参照して、配下端末決定方法3に係る宅内代表D2D端末12の動作を説明する。宅内代表D2D端末12は、所定周期で、
図9、
図10の処理を実行する。
【0066】
(ステップS141) 宅内代表D2D端末12が、自己の端末リスト231を空にする。
【0067】
(ステップS142) 宅内代表D2D端末12が、参照信号(reference信号)を宅内D2D端末14に向けて送信する。
【0068】
(ステップS143) 宅内代表D2D端末12が、宅内D2D端末14からプリファレンス(preference)情報を受信する。プリファレンス情報はpreference indexを有する。
【0069】
(ステップS144) 宅内代表D2D端末12が、受信したプリファレンス情報(受信プリファレンス情報)がpreference index「1」である宅内D2D端末14を端末リスト231に追加する。
【0070】
(ステップS145) 宅内代表D2D端末12が、端末リスト231に既に登録された宅内D2D端末14の数(登録端末数)が所定の許容値M未満であり、且つ、端末リスト231に登録されていない宅内D2D端末14(未登録端末)があるかを判断する。この判断の結果、登録端末数が許容値M未満であり、且つ、未登録端末がある場合にはステップS146へ進み、そうではない場合には
図10のステップS147へ進む。
【0071】
(ステップS146) 宅内代表D2D端末12が、受信プリファレンス情報がpreference index「2」である未登録端末のうち、CQI(Channel Quality Indication)が最大の未登録端末を端末リスト231へ追加する。この後、ステップS145へ戻る。なお、CQIは、受信プリファレンス情報に含まれている。
【0072】
(ステップS147) 宅内代表D2D端末12が、受信プリファレンス情報がpreference index「2」である未登録端末に対して、プリファレンス情報の変更要求メッセージを送信する。プリファレンス情報の変更要求は、当該要求元の宅内代表D2D端末12を除外してプリファレンス情報を再作成し、再作成したプリファレンス情報を当該要求元の宅内代表D2D端末12以外の宅内代表D2D端末12へ送信するように要求するものである。
【0073】
(ステップS148) 宅内代表D2D端末12が、プリファレンス情報の変更要求メッセージを送信してから規定時間内に、未登録端末から再度、プリファレンス情報を受信したかを判断する。この判断の結果、受信した場合にはステップS149へ進み、そうではない場合にはステップS151へ進む。
【0074】
(ステップS149) 宅内代表D2D端末12が、登録端末数が許容値M未満であるかを判断する。この判断の結果、登録端末数が許容値M未満である場合にはステップS150へ進み、そうではない場合にはステップS151へ進む。
【0075】
(ステップS150) 宅内代表D2D端末12が、プリファレンス情報を再送した未登録端末を端末リスト231へ追加する。この後、ステップS148へ戻る。
【0076】
(ステップS151) 宅内代表D2D端末12が、端末リスト231に登録されている宅内D2D端末14の情報(端末ID等)を上位装置である緊急報知情報サーバ2へ通知する。
【0077】
次に
図11〜
図13を参照して、配下端末決定方法3に係る宅内D2D端末14の動作を説明する。宅内D2D端末14は、所定周期で、
図11〜
図13の処理を実行する。
【0078】
(ステップS171) 宅内D2D端末14が、自己の接続可能代表端末リスト232を空にする。
【0079】
次いで、宅内D2D端末14がステップS172からS177までを宅内代表D2D端末12ごとに実行する。
【0080】
(ステップS172) 宅内D2D端末14が、未選択の宅内代表D2D端末12の中から一つの宅内代表D2D端末12を選択する。選択された宅内代表D2D端末12を対象宅内代表D2D端末12と称する。
【0081】
(ステップS173) 宅内D2D端末14が、対象宅内代表D2D端末12からの参照信号を受信する。
【0082】
(ステップS174) 宅内D2D端末14が、対象宅内代表D2D端末12から受信した参照信号の受信品質に基づいてCQIを算出する。
【0083】
(ステップS175) 宅内D2D端末14が、該算出したCQIが所定の要求値Xよりも大きいかを判断する。この判断の結果、大きい場合にはステップS176へ進み、そうではない場合にはステップS177へ進む。
【0084】
(ステップS176) 宅内D2D端末14が、対象宅内代表D2D端末12を接続可能代表端末リスト232に追加する。
【0085】
(ステップS177) 未選択の宅内代表D2D端末12がある場合にはステップS172へ戻る。一方、未選択の宅内代表D2D端末12がない場合には
図12のステップS178へ進む。
【0086】
次いで、宅内D2D端末14がステップS178からS185までを宅内代表D2D端末12ごとに実行する。
【0087】
(ステップS178) 宅内D2D端末14が、未選択の宅内代表D2D端末12の中から一つの宅内代表D2D端末12を選択する。選択された宅内代表D2D端末12を対象宅内代表D2D端末12と称する。
【0088】
(ステップS179) 宅内D2D端末14が、対象宅内代表D2D端末12から受信した参照信号の受信品質が最良であるかを判断する。この判断の結果、最良である場合にはステップS181へ進み、そうではない場合にはステップS180へ進む。
【0089】
(ステップS180) 宅内D2D端末14が、対象宅内代表D2D端末12のpreference indexを「3」とする。この後、ステップS184へ進む。
【0090】
(ステップS181) 宅内D2D端末14が、対象宅内代表D2D端末12のみが接続可能代表端末リスト232に登録されているかを判断する。この判断の結果、対象宅内代表D2D端末12のみが接続可能代表端末リスト232に登録されている場合にはステップS183へ進み、そうではない場合にはステップS182へ進む。
【0091】
(ステップS182) 宅内D2D端末14が、対象宅内代表D2D端末12のpreference indexを「2」とする。この後、ステップS184へ進む。
【0092】
(ステップS183) 宅内D2D端末14が、対象宅内代表D2D端末12のpreference indexを「1」とする。この後、ステップS184へ進む。
【0093】
(ステップS184) 宅内D2D端末14が、対象宅内代表D2D端末12に対して、プリファレンス情報を送信する。このプリファレンス情報は、対象宅内代表D2D端末12のpreference indexとCQIを有する。
【0094】
(ステップS185) 未選択の宅内代表D2D端末12がある場合にはステップS178へ戻る。一方、未選択の宅内代表D2D端末12がない場合には
図13のステップS186へ進む。
【0095】
(ステップS186) 宅内D2D端末14が、プリファレンス情報を送信してから規定時間内に、宅内代表D2D端末12からプリファレンス情報の変更要求メッセージを受信したかを判断する。この判断の結果、受信した場合にはステップS187へ進み、そうではない場合には
図11〜
図13の処理を終了する。
【0096】
(ステップS187) 宅内D2D端末14が、該プリファレンス情報の変更要求メッセージの送信元の宅内代表D2D端末12を、接続可能代表端末リスト232から削除する。この後、
図12のステップS178へ戻る。
【実施例4】
【0097】
実施例4は、宅内代表D2D端末12の決定方法の実施例である。実施例4では、以下に示す選択基準1〜6のいずれか一つ又は複数を使用して、利用者宅3の宅内に在るD2D端末の中から宅内代表D2D端末12を選択する。各D2D端末は、該選択基準を使用して、自己が宅内代表D2D端末12になるか否かを決定する。
【0098】
(選択基準1) 電源装置(例えば、電源コンセントなど)に接続されている(つまり、D2D端末の外部から電力が供給されている)こと。
【0099】
(選択基準2) 光アクセス回線4に接続されていること。
【0100】
(選択基準3) 基地局10からの下り信号の受信品質(CQI)に基づいて、受信品質がよいと判定されること。
【0101】
(選択基準4) 基地局10からの下り信号の受信品質(CQI)が所定の閾値以上であり、且つ、上記選択基準1又は2を満たすこと。
【0102】
(選択基準5) 自D2D端末(送信元)から他のD2D端末(送信先)へのD2D通信リンクで送信される信号の受信品質が所定の閾値以上となるD2D端末(送信先)の数が所定数以上であること。該受信品質は、他のD2D端末(送信先)から自D2D端末(送信元)へ通知してもらう。
【0103】
(選択基準6) 自D2D端末(送信先)へ他のD2D端末(送信元)からD2D通信リンクで送信される信号の受信品質が所定の閾値以上となるD2D端末(送信元)の数が所定数以上であること。
【0104】
上述した第1実施形態によれば、宅内代表D2D端末12が配下の宅内D2D端末14からの応答をまとめて基地局10へ送信する。これにより、D2D端末から基地局10への応答メッセージ量が削減されるので、基地局10の負荷が軽減される。この結果として、D2D端末に対して緊急報知情報サーバ2から情報を伝達する際の確実性や即時性を実現することに寄与できるという効果が得られる。
【0105】
[第2実施形態]
次に本発明に係る一実施形態として第2実施形態を説明する。第2実施形態は、上述した第1実施形態の変形例である。
図14は、本発明の第2実施形態に係る通信システム1の概略構成図である。
図14において、
図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。第2実施形態では、基地局10からマルチキャスト信号120により宅内代表D2D端末12及び宅内D2D端末14の各々へ情報を送信する点が、第1実施形態と異なる。宅内D2D端末14からの応答は、第1実施形態と同様に、宅内代表D2D端末12がまとめて基地局10へ送信する。
【0106】
図15は、第2実施形態に係る情報報知処理の手順を示すフローチャートである。
図15を参照して、第2実施形態に係る緊急報知情報サーバ2の動作を説明する。
【0107】
(ステップS201) 緊急報知情報サーバ2が、基地局10を介して、マルチキャスト信号120により宅内代表D2D端末12及び宅内D2D端末14へ緊急応答要求メッセージを送信する。
【0108】
(ステップS202) 緊急報知情報サーバ2が、処理待機タイマT0の動作を開始する。
【0109】
(ステップS203) 緊急報知情報サーバ2が、基地局10を介して宅内代表D2D端末12からの受信応答メッセージを受信したかを判断する。この結果、受信した場合にはステップS204へ進み、まだ受信していない場合にはステップS206へ進む。
【0110】
(ステップS204) 緊急報知情報サーバ2が、処理待機タイマT0の動作を停止し、処理待機タイマT1の動作を開始する。
【0111】
(ステップS205) 緊急報知情報サーバ2が、処理待機タイマT1の満了の前に、基地局10を介して宅内代表D2D端末12からの緊急処理完了応答メッセージを受信したかを判断する。この結果、受信した場合には
図15の処理を終了する。一方、宅内代表D2D端末12からの緊急処理完了応答メッセージを受信する前に処理待機タイマT1が満了した場合には、ステップS207へ進む。
【0112】
(ステップS206) 緊急報知情報サーバ2が、処理待機タイマT0の満了を判断する。この結果、処理待機タイマT0が満了した場合にはステップS207へ進み、まだ満了していない場合にはステップS203へ戻る。
【0113】
(ステップS207) 緊急報知情報サーバ2が、基地局10を介して宅内代表D2D端末12から受信した無応答端末IDメッセージに記載される端末IDで示される宅内D2D端末14を無応答端末として記録する。
【0114】
次に、
図16を参照して、第2実施形態に係る宅内代表D2D端末12の動作を説明する。
図16は、第2実施形態に係る情報応答処理の手順を示すフローチャートである。宅内代表D2D端末12は、緊急報知情報サーバ2からの緊急応答要求メッセージをマルチキャスト信号120により受信すると、
図16の処理を開始する。
【0115】
(ステップS221) 宅内代表D2D端末12が、処理待機タイマT2の動作を開始する。
【0116】
(ステップS222) 宅内代表D2D端末12が、自己の配下にある全ての宅内D2D端末14から緊急処理完了応答メッセージを受信したかを判断する。この結果、全て受信した場合には
図16の処理を終了する。一方、まだ受信していないものがある場合にはステップS223へ進む。
【0117】
(ステップS223) 宅内代表D2D端末12が、無応答(緊急処理完了応答メッセージの受信なし)の宅内D2D端末14に対して、緊急報知情報サーバ2からの緊急応答要求メッセージを送信する。
【0118】
(ステップS224) 宅内代表D2D端末12が、処理待機タイマT2の満了を判断する。この結果、処理待機タイマT2が満了した場合にはステップS225へ進み、まだ満了していない場合にはステップS222へ戻る。
【0119】
(ステップS225) 宅内代表D2D端末12が、無応答の宅内D2D端末14の端末IDを記載した無応答端末IDメッセージを、基地局10を介して緊急報知情報サーバ2へ送信する。
【0120】
上述した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、宅内代表D2D端末12が配下の宅内D2D端末14からの応答をまとめて基地局10へ送信する。これにより、D2D端末から基地局10への応答メッセージ量が削減されるので、基地局10の負荷が軽減される。この結果として、D2D端末に対して緊急報知情報サーバ2から情報を伝達する際の確実性や即時性を実現することに寄与できるという効果が得られる。
【0121】
また、第2実施形態によれば、基地局10からマルチキャスト信号120により宅内代表D2D端末12及び宅内D2D端末14の各々へ情報を送信する。これにより、宅内D2D端末14は宅内代表D2D端末12を経由するよりも早く情報を受信できるので、宅内D2D端末14の処理完了までの時間を短縮できる。
【0122】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0123】
例えば、緊急報知情報サーバ2と利用者宅3(宅内のD2D端末)を接続する通信回線としては、基地局10とは異なる経路で設けられていればよく、上述した実施形態のように光通信回線であってもよく、又は、電気通信回線であってもよく、又は、無線通信回線であってもよい。
【0124】
また、宅内代表D2D端末12及び宅内D2D端末14は、基地局10から受信したメッセージ(例えば、緊急報知情報サーバ2からの緊急応答要求メッセージの内容)を表示部25の表示画面上に表示してもよい。
【0125】
また、上述した通信システム1の各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0126】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。