特許第6283295号(P6283295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6283295商品情報登録端末、販売処理システム、及び、プログラム。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283295
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】商品情報登録端末、販売処理システム、及び、プログラム。
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20180208BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20180208BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20180208BHJP
【FI】
   G07G1/12 321Z
   G07G1/06 B
   G06Q30/06
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-200101(P2014-200101)
(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2016-71611(P2016-71611A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2016年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】唐 暁霓
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−055474(JP,A)
【文献】 特開2003−109118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00−1/14
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入対象商品の商品情報を登録し、会計処理を行う商品情報登録端末であって、
この商品情報登録端末の責任者を特定する責任者情報を記憶する記憶手段と、
この商品情報登録端末、又は、他の商品情報登録端末で実施され途中で保留された会計処理の取引コードが記録された保留レシートから取引コードを読み取る取引コード読取手段と、
前記取引コード読取手段が読み取った取引コードに基づき、保留された会計処理で登録された商品情報と、保留された会計処理を行った商品情報登録端末の責任者情報とを読み込む読込手段と、
購入対象商品の商品情報入力を受付ける入力手段と、
前記読込手段読み込んだ商品情報と、前記入力手段が入力を受付けた商品情報と、を合わせて、会計処理を行う会計手段と、
前記会計手段が行った会計処理の代金が支払われたことに応じて、前記読込手段読み込んだ責任者情報と、この商品情報登録端末の前記記憶手段に記憶されている責任者情報と、を含む会計用レシートを発行するレシート発行手段と、
を備える商品情報登録端末。
【請求項2】
会計処理の取引コードを設定する設定手段と、
前記入力手段が受付けた商品情報の入力に応答して、購入対象商品の商品情報を順次登録する登録手段と、
会計処理の保留を指示する保留指示手段と、
前記保留指示手段により会計処理の保留が指示されたことに応じて、前記設定手段により設定されたこの会計処理の取引コードと、この商品情報登録端末の責任者情報と、前記登録手段によりこの会計処理で登録された商品情報と、を、管理用コンピュータに送信する送信手段と、
保留された会計の取引コードが記録された保留レシートを発行する発行手段と、をさらに備え、
前記読込手段は
前記取引コード読取手段が読み取った取引コードに関する情報の送信を要求する要求情報を前記管理用コンピュータに送信する要求情報送信手段と、
前記要求情報送信手段が送信した要求情報に応答して、前記管理用コンピュータが送信してきた、保留された会計処理を行った商品情報登録端末の責任者情報と、保留された会計処理で登録された商品情報とを、受信する受信手段と、
を備え、
前記レシート発行手段は、前記受信手段が前記管理用コンピュータから受信した責任者情報と商品情報と、この商品情報登録端末の前記記憶手段に記憶されている責任者情報と、前記登録手段により登録された商品情報と、を含む会計用レシートを発行する、
請求項1に記載の商品情報登録端末。
【請求項3】
複数台の、請求項2に記載の商品情報登録端末と、前記複数台の商品情報登録端末にネットワークを介して接続された前記管理用コンピュータと、を備える販売処理システム。
【請求項4】
コードを読み取る読取装置を制御するコンピュータに、購入対象商品の商品情報を登録し、会計処理させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
会計処理の責任者を特定する責任者情報を記憶させる手順、
前記読取装置を用いて、このコンピュータ、又は、会計処理を行う他のコンピュータで実施され途中で保留された会計処理の取引コードが記録された保留レシートから取引コードを読み取らせる手順、
読み取った取引コードに基づき、保留された会計処理で登録された商品情報と、保留された会計処理を行ったコンピュータの責任者情報とを読み込ませる手順、
購入対象商品の商品情報入力を受付けさせる手順、
読み込んだ商品情報と、入力を受付けた商品情報と、を合わせて、会計処理を実行させる手順、
前記会計処理を実行させる手順で実行した会計処理の代金が支払われたことに応じて、読み込んだ責任者情報と、前記記憶させる手順で記憶した責任者情報と、を含む会計用レシートを発行させる手順、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品情報登録端末、販売処理システム、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
セルフレジ方式を採用する小売店において、顧客がセルフレジの操作中に、買い忘れた商品を取りに戻る等の理由でレジの操作を保留する場合がある。このような場合に、それまでに登録した商品の情報を保存し、会計処理を保留することが可能な販売処理システムが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
従来の販売処理システムは、会計処理を保留する際には、会計処理が保留される前に登録された商品の情報を呼び戻すためのコードが印字された保留用レシートを発行する。会計処理を再開する際には、保留用レシートに印字されたコードに基づいて、登録されている商品の情報を呼び戻し、残りの商品を登録する。
【0004】
すべての商品の登録が完了し、代金を支払うと、購入した商品の商品名とその金額、代金支払時に操作したレジ(POS端末)の責任者の識別番号等が印字された会計用レシートが発行される。
【0005】
セルフレジで、商品を売上登録した後、登録方法やレシートの記載事項等について、確認したい事項が発生することがある。しかし、従来の販売処理システムでは、会計完了時のレジ責任者しかレシートに記載されない。このため、会計処理が保留される前の商品登録に関する事項をレジ責任者に確認したい場合に、その責任者を特定することが困難であった。同様の問題は、セルフレジ以外の通常のレジ(店員がPOS端末を操作するタイプのレジ)を利用する場合にも発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−113309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、会計処理が保留される前の責任者の特定を可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を達成するために、本発明の実施形態に係る商品情報登録端末は、この商品情報登録端末の責任者を特定する責任者情報を記憶する記憶手段と、この商品情報登録端末又は他の商品情報登録端末で実施され途中で保留された会計処理の取引コードが記録された保留レシートから取引コードを読み取る取引コード読取手段と、取引コード読取手段が読み取った取引コードに基づき、保留された会計処理で登録された商品情報と、保留された会計処理を行った商品情報登録端末の責任者情報とを読み込む読込手段と、購入対象商品の商品情報入力を受付ける入力手段と、読込手段読み込んだ商品情報と、入力手段が入力を受付けた商品情報と、を合わせて、会計処理を行う会計手段と、会計手段が行った会計処理の代金が支払われたことに応じて、読込手段読み込んだ商品情報及び責任者情報と、入力手段が受付けた商品情報と、この商品情報登録端末の記憶手段に記憶されている責任者情報と、を含む会計用レシートを発行するレシート発行手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発行された会計用レシートをチェックするだけで、保留された会計処理を行った商品情報登録端末の責任者を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る販売処理システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る商品情報登録端末の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る取引情報管理サーバの構成を示すブロック図である。
図4】会計処理の保留が指示される前の端末記憶部の構成例を示す図である。
図5】会計処理の再開が指示された後の端末記憶部の構成例を示す図である。
図6A】会計処理の保留が指示される前のサーバ記憶部の構成例を示す図である。
図6B】会計処理の再開が指示された後のサーバ記憶部の構成例を示す図である。
図7A】代金支払い時に発行部が発行する会計用レシートの例を示す図である。
図7B】会計処理の保留時に発行部が発行する保留用レシートの例を示す図である。
図8】会計処理を示すフローチャートである。
図9】保留処理を示すフローチャートである。
図10】呼戻し処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
本発明の実施形態に係る販売処理システム1について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態1に係る販売処理システム1は、いわゆるセルフレジ方式を採用する小売店等で会計処理のために使用されるいわゆるPOS(Point of sales)システムである。図1に示すように、販売処理システム1は、互いにネットワークNで接続された商品情報登録端末100(100a〜100c)と、取引情報管理サーバ200と、を備えている。図1の例では、理解を容易にするために、商品情報登録端末100を3台示しているが、商品情報登録端末100は、店舗内に1或いは2台だけ設置されてもよいし、4台以上設置されてもよい。
【0012】
商品情報登録端末100は、小売店等の店舗内に設置されたセルフレジであり、顧客自身が操作して購入を所望する商品の情報を登録する端末である。登録された商品の情報は、取引情報管理サーバ200に送信される。
【0013】
取引情報管理サーバ200は、複数の商品情報登録端末100が登録した商品の情報を集約して記憶する。
【0014】
販売処理システム1は、顧客の都合等で会計処理が保留されると、それまでに登録された商品の情報を呼び戻すためのコードが印字された保留用レシートを発行する。顧客はその保留用レシートを持ってレジを離れ、所用を済ます。その後顧客は、会計処理を再開させたいときに、その保留用レシートをいずれかの商品情報登録端末100に登録し、会計処理を再開する。
【0015】
会計処理が再開された後、顧客が代金を支払うと、代金の支払い後に出力される会計用レシートには、保留前に操作した商品情報登録端末100に設定されていた責任者と、代金支払時に操作した商品情報登録端末100に設定されていた責任者の双方を特定するための情報が印字される。
【0016】
以下、販売処理システム1を構成する商品情報登録端末100、取引情報管理サーバ200のそれぞれの構成を説明する。
【0017】
(商品情報登録端末100)
商品情報登録端末100は、顧客が購入を所望する商品を自ら登録し、登録された商品の合計金額を算出する。代金が支払われると、商品情報登録端末100は、商品名や責任者に関する情報を含む取引情報が印字されたレシートを発行する。
【0018】
商品情報登録端末100は、図2に示すように、読取部110と、端末制御部120と、端末記憶部130と、入力部140と、端末通信部150と、入出金処理装置160と、発行部170と、から構成されている。上記各部はバス180により接続されている。
【0019】
読取部110は、商品に付された商品コードやレシートに印字されたコード(例えば、バーコード、二次元コード)を読み取るためのコードリーダ等で構成される。読取部110は、商品等に付された商品コードを読み取る機能があれば、形式や読取原理は問わない。市場で入手可能な公知のコードリーダを適宜選択して使用することができる。
【0020】
端末制御部120は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成される。CPUは、RAMを作業領域として使用して、端末記憶部130を構成するフラッシュメモリに格納された制御プログラムを実行することにより、商品情報登録端末100の全体動作を制御する。
【0021】
端末記憶部130は、書き換え可能なフラッシュメモリ等から構成される内部メモリであり、プログラム領域と、データ領域と、を有する。プログラム領域には、商品情報登録端末100を制御する制御プログラムが格納されている。データ領域には、商品登録の際に、図4に例示するような取引情報が格納される。この取引情報には、責任者情報と、取引コードと、商品情報と、が含まれる。
【0022】
責任者情報は、商品情報登録端末100の責任者を識別するための情報であり、適宜切り替えることができる。責任者情報は、例えば、商品情報登録端末100の責任者を示す責任者番号(責任者No)と、その責任者の氏名を組み合わせたものである。
【0023】
取引コードは、会計処理のトランザクションを識別するためのコードである。商品情報は、読取部110によって読み取られた商品コードを有する商品に関する情報である。
【0024】
図2に戻り、入力部140は、表示装置を兼ね備え、タッチパネルやキーボード等の入力装置から構成される。入力部140が備える入力装置は、会計処理の保留を指示する保留ボタン、小計の計算を指示する小計ボタン、商品の個数の入力を受け付けるテンキー等を備える。
【0025】
端末通信部150は、ネットワークNを介して取引情報管理サーバ200と接続するための通信装置から構成され、取引情報を送受信する。
【0026】
入出金処理装置160は、顧客からの支払いを受け付ける装置であり、コインメカニズムやビルバリデータといった貨幣処理装置、クレジット支払いを処理するクレジット支払処理装置、電子マネーでの支払いを処理する電子マネー処理装置等から構成される。
【0027】
発行部170は、レシートを発行するプリンタから構成され、端末制御部120の制御により、図7Aに例示する会計用レシートと、図7Bに例示する保留用レシートと、を発行する。
【0028】
なお、発行部170は、レシートを発行する機能があれば、形式や印刷原理は問わない。市場で入手可能な公知のプリンタ等を適宜選択して使用することができる。
【0029】
(取引情報管理サーバ200)
図1に示す取引情報管理サーバ200は、商品情報登録端末100から送信された取引情報を集約し、商品情報登録端末100からの問い合わせに応じて、取引情報を商品情報登録端末100に送信するサーバである。取引情報管理サーバ200は、図3に示すように、サーバ制御部210と、サーバ記憶部220と、サーバ通信部230と、から構成され、これら各部はバス240により接続されている。
【0030】
サーバ制御部210は、CPUやRAM等から構成される。CPUは、RAMを作業領域として使用して、端末記憶部130を構成するROMやHDD(Hard Disk Drive)に格納された制御プログラムを実行することにより、取引情報管理サーバ200の全体動作を制御する。
【0031】
サーバ記憶部220は、ROM等から構成される内部メモリやHDD等から構成され、プログラム領域と、データ領域と、を有する。プログラム領域には、取引情報管理サーバ200を制御する制御プログラムが格納されている。データ領域には、図6A図6Bに例示する取引情報管理テーブル231が格納されている。取引情報管理テーブル231には、商品情報登録端末100のそれぞれから送信された責任者情報、取引コード、商品情報を含む取引情報のログが経時的に登録されていく。
【0032】
また、取引情報の各レコードには、それぞれに精算フラグが付加されており、それぞれの商品について、精算が済んでいるか否かを識別することができる。図6A及び図6Bの例では、精算が済んでいる商品には「1」、済んでいない商品には「0」が付加されている。
【0033】
サーバ通信部230は、ネットワークNを介して商品情報登録端末100と接続するための通信装置から構成され、取引情報を送受信する。
【0034】
次に、この実施形態に係る販売処理システム1の動作を、図8図10に示すフローチャートを参照して説明する。なお、各商品情報登録端末100の端末記憶部130には、商品情報登録端末100の責任者を識別するための責任者情報が予め設定されている。図4に示す例では、責任者である田中の責任者情報(責任者No:0000000002)が設定されている。
【0035】
顧客は、購入したい商品の登録を開始する場合、例えば、画面に表示されている「登録開始」などのボタンを操作する。この操作に応答して、商品情報登録端末100は、図8に示す会計処理をスタートする。
【0036】
端末制御部120は、会計処理をスタートすると、会計処理のトランザクションを識別するための取引コードを設定し、図4に例示するように、端末記憶部130に記録する(ステップS101)。図4に示す例では、取引コード「0312」が登録されている。
【0037】
取引コードが設定されると、端末制御部120は、読取部110から、商品コードが入力されたか否かを判別する(ステップS102)。読取部110が商品コードを読み取るまでは、会計処理は待機状態となる(ステップS102;No)。
【0038】
商品登録を行う場合、顧客は、登録したい商品の商品コードを読取部110にかざす。すると、読取部110はこの商品コードを読み取り、端末制御部120は、商品コードの入力があったと判別する(ステップS102;Yes)。
【0039】
端末制御部120は、入力された商品コードをキーにPLU(Price Look UP)テーブルを参照する等して、商品名、商品価格(単価)等を取得し、その商品コードに対応する商品情報を端末記憶部130に記憶する(ステップS103)。
【0040】
例えば、顧客が商品「まいたけ」の商品コード「00000023」を読取部110にかざしたときは、図4に示すように、取引コード「0312」に対応して、「まいたけ」の商品情報が記憶される。商品情報には、商品コード、商品名、商品価格、個数等が含まれる。
【0041】
読み取られた商品コードに対応する商品情報が端末記憶部130に記憶されると、端末制御部120は、入力部140の保留ボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS104)。保留ボタンが押下されていない場合(ステップS104;No)、端末制御部120は、小計ボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS105)。
【0042】
小計ボタンが押下されていない場合(ステップS105;No)、端末制御部120は、再び、商品コードが入力されたか否かを判別する(ステップS102)。例えば、顧客が商品「にんじん」、「なめこ」の商品コード「00000035」、「00000092」を続けてかざしたときは、会計処理はステップS102〜S105を2回繰り返し、図4に示すように、端末記憶部130に「にんじん」、「なめこ」の商品情報が順次記憶される。
【0043】
顧客は、商品登録が終了すると、小計ボタンを押下する。端末制御部120は、この操作を検出し(ステップS105;Yes)、端末記憶部130に記憶された商品情報から商品の合計金額を算出して、入力部140が備える表示装置に表示し、入出金処理装置160がその金額の支払いを受け付けたか否かを判別する(ステップS106)。
【0044】
入出金処理装置160が支払いを受け付けるまで、会計処理は待機状態となる(ステップS106;No)。入出金処理装置160が支払いを受け付けると(ステップS106;Yes)、端末通信部150は、取引情報管理サーバ200に、図4に例示するように端末記憶部130に記憶されていた責任者情報、取引コード及び商品情報を含む取引情報を送信する(ステップS107)。
【0045】
端末通信部150が取引情報を送信すると、発行部170は、会計用レシートを発行する(ステップS108)。この会計用レシートには、顧客が購入した商品に関する商品情報、顧客が操作した商品情報登録端末100の責任者情報、その会計処理の取引コード等が印字されている。顧客はその会計用レシートを受け取る。
【0046】
発行部170が会計用レシートを発行すると、端末制御部120は、端末記憶部130に記憶されている取引情報のうち、取引コードと、商品情報と、を削除する(ステップS109)。続いて、会計処理はステップS101に戻り、商品情報登録端末100は、次の顧客の操作を受け付ける。
【0047】
一方、ステップS107で端末通信部150が取引情報管理サーバ200に取引情報を送信すると、取引情報管理サーバ200のサーバ通信部230は、その取引情報を受信する(ステップS110)。サーバ制御部210は、図6Bに示すように、受信した取引情報をログとしてサーバ記憶部220に記憶させる(ステップS111)。ステップS107で送信された取引情報に含まれる商品情報が示す商品は、精算済のものであるので、精算フラグには、「1」が設定される。
【0048】
サーバ記憶部220が取引情報を記憶すると、取引情報管理サーバ200は、取引情報管理サーバ200の今回受信した取引情報に関する処理を終了する。
【0049】
ステップS102〜S105で、顧客が読取部110に商品コードをかざして商品情報を登録している最中に、買い忘れた商品を取りに戻る等の理由でレジを離れる必要がある場合がある。このような場合には、顧客は入力部140の保留ボタンを押下する。端末制御部120は、保留ボタンが押下されたと判別すると(ステップS104;Yes)、会計処理は図9に示す保留処理に移る。
【0050】
保留処理がスタートすると、まず、端末通信部150は、図4に示すようなそれまでの会計処理に係る取引情報を取引情報管理サーバ200に送信する(ステップS201)。図4の例では、端末通信部150は、端末記憶部130に記憶されている、今回のトランザクションに関する、責任者情報「0000000002田中」、取引コード「0312」、登録済の「まいたけ」、「にんじん」、「なめこ」に関する商品情報を含む取引情報を取引情報管理サーバ200に送信する。
【0051】
取引情報管理サーバ200に取引情報を送信すると、端末制御部120は、発行部170に図7Bに示すような保留前の取引情報が記載された保留用レシートを発行させる(ステップS202)。図7Bの例では、保留用レシートには、保留前に登録された「まいたけ」、「にんじん」、「なめこ」に関する商品情報、責任者の「田中」を示す責任者情報「0000000002田中」、今回の会計処理を示す取引コード「0312」、取引コードを示すバーコード等が印字されている。
【0052】
また、保留用レシートには、「この取引は一旦保留されました。この取引を再開して頂く際は、このレシートをお近くのレジまでお持ちください。」というメッセージが記載されているので、保留用レシートであることが視覚的に分かるようになっている。顧客はその保留用レシートを受け取り、所要を済ませに行く。
【0053】
発行部170が保留用レシートを発行すると、端末制御部120は、端末記憶部130に記憶されている取引情報のうち、取引コードと、商品情報と、を削除し(ステップS203)、今回の処理を終了し、顧客の操作を待ち受ける状態となる。
【0054】
一方、ステップS201で端末通信部150が保留前の取引情報を送信すると、取引情報管理サーバ200のサーバ通信部230は、その取引情報を受信する(ステップS204)。サーバ通信部230が取引情報を受信すると、サーバ制御部210は、図6Aに示すように、サーバ記憶部220に受信した取引情報をログに追記する(ステップS205)。ステップS201で送信された取引情報に含まれる商品情報が示す商品は、未精算のものであるので、精算フラグには「0」が設定される。
【0055】
サーバ記憶部220が取引情報を記憶すると、取引情報管理サーバ200は、取引情報管理サーバ200の今回受信した取引情報に関する処理を終了する。
【0056】
会計処理を保留した顧客は、会計処理を再開させたいときに、いずれかのレジで、商品情報登録端末100の画面に表示されている「レジ再開」などのボタンを操作する。この操作に応答して、端末制御部120は、図10に示す呼び戻し処理を開始する。
【0057】
続いて、顧客は、商品情報登録端末100の読取部110に保留用レシートに印字された取引コードをかざす。すると、読取部110は、保留用レシートに印字された取引コードを読み取る(ステップS301)。
【0058】
端末制御部120は、端末通信部150に、読取部110から読み取られた取引コードに紐付けられた取引情報を要求する要求情報を、取引情報管理サーバ200に送信させる(ステップS302)。図7Bに示す保留用レシートに印字された取引コードが読み取られた場合であれば、取引コード「0312」に紐付けられた取引情報を要求する要求情報を送信させる。
【0059】
取引情報管理サーバ200のサーバ通信部230が商品情報登録端末100から取引コードを受信すると(ステップS303)、サーバ制御部210は、サーバ記憶部220を参照し、受信した取引コードに紐付けられていて、精算フラグが「0」の取引情報を取得する(ステップS304)。サーバ通信部230は、取得した取引情報を商品情報登録端末100に送信する(ステップS305)。上述の例では、取引コード「0312」に紐付けられた取引情報を取得する。
【0060】
商品情報登録端末100の端末通信部150が、取引情報管理サーバ200から取引情報を受信すると(ステップS306)、端末制御部120は、その取引情報を端末記憶部130に記憶する(ステップS307)。このとき、取引情報管理サーバ200から受信した取引情報は、図5に示すように、この商品情報登録端末100に元々設定されている店長の責任者情報を含む取引情報(取引情報(1))とは別に、取引情報(2)として記憶される。また、この際、この商品情報登録端末100で行われる会計処理の取引コードが採番される。図5の例では、取引コード「0320」が採番され、取引情報(1)に設定される。
【0061】
続いて、端末制御部120は、読取部110からの商品コードの入力を待機する(ステップS308)。
【0062】
読取部110から商品コードの入力があると(ステップS308;Yes)、端末制御部120は、端末記憶部130にその商品コードに対応する商品情報を記憶する(ステップS309)。例えば、顧客が商品「カットメロン」の商品コード「00000109」を読取部110にかざしたときは、図5の取引情報(1)に示すように、端末記憶部130に「カットメロン」の商品情報が記憶される。
【0063】
続いて、端末制御部120は、入力部140の保留ボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS310)。保留ボタンが押下されていない場合(ステップS310;No)、端末制御部120は、小計ボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS311)。
【0064】
小計ボタンが押下されていない場合(ステップS311;No)、端末制御部120は、再び、商品コードが入力されるか否かを判別する(ステップS308)。例えば、顧客が商品「唐揚げ」の商品コード「00000068」を続けてかざしたときは、会計処理はステップS308〜S311を繰り返し、図5の取引情報(1)に示すように、端末記憶部130に「唐揚げ」の商品情報が記憶される。
【0065】
顧客が追加で持ってきた商品をすべて登録し、小計ボタンが押下されると(ステップS311;Yes)、端末制御部120は、端末記憶部130に記憶された商品情報から商品の合計金額を算出して、入力部140が備える表示装置に表示し、入出金処理装置160がその金額の支払いを受け付けたか否かを判別する(ステップS312)。
【0066】
入出金処理装置160が支払いを受け付けるまで、会計処理は待機状態となる(ステップS312;No)。入出金処理装置160が支払いを受け付けると(ステップS312;Yes)、端末通信部150は、取引情報管理サーバ200に取引情報を送信させる(ステップS313)。発行部170は、会計処理が保留される前に操作されていた商品情報登録端末100の責任者と会計処理の再開後に操作した商品情報登録端末100の責任者の責任者情報を印字して会計用レシートを発行する(ステップS314)。顧客はこの会計用レシートを受け取る。
【0067】
図5の例に示す取引情報であれば、会計用レシートには、図7Aに示すように、会計処理が保留される前に操作されていた商品情報登録端末100の責任者である「田中」を示す責任者情報「0000000002田中」と、会計処理の再開後に操作された商品情報登録端末100の責任者である「店長」を示す責任者情報「0000000001店長」と、を含む情報が印字されている。
【0068】
発行部170から会計用レシートが発行されると、端末制御部120は、端末記憶部130に記憶されている取引情報のうち、保留前の取引情報(2)と、再開後の取引コードと、商品情報と、を削除し(ステップS315)、今回の会計処理を終了し、次の顧客の操作を待機する。
【0069】
一方、取引情報管理サーバ200のサーバ通信部230は、ステップS312で端末通信部150が送信した取引情報を受信すると(ステップS316)、サーバ制御部210は、図6Bに示すように、サーバ記憶部220に受信した取引情報をログとして記憶させる(ステップS317)。ステップS312で送信された取引情報に含まれる商品情報のそれぞれが示す商品は、精算済みのものであるので、精算フラグには、「1」が設定される。
【0070】
サーバ記憶部220が取引情報を記憶すると、取引情報管理サーバ200は、取引情報管理サーバ200の今回受信した取引情報に関する処理を終了する。
【0071】
一方、ステップS310で、保留ボタンが押下されたと判別した場合は(ステップS310;Yes)、会計処理は、上述した図9の保留処理に進む。ここで、端末制御部120は、今回の追加登録に関する取引情報(取引コード、責任者情報、商品情報)を取引情報管理サーバ200に送信する(ステップS201)。取引情報管理サーバ200は、送信された取引情報を受信しログに追加登録する(ステップS204,S205)。このとき、精算フラグを未精算を示す「0」とする。
【0072】
端末制御部120は、今回の会計処理の取引コードと過去に保留された会計処理の取引コードとを保留用レシートに記録し、発行する(ステップS202)。
【0073】
次回の、呼び戻し処理では、端末制御部120は、保留用レシートに記録されている保留されている全ての取引コードに係る取引情報の送信を要求し(ステップS302)、取引情報管理サーバ200は、要求された複数の取引コードに係る取引情報を商品情報登録端末100に送信する。
【0074】
例えば、図5の状態で、保留ボタンが操作されたとすれば、端末制御部120は、今回の追加登録に関する取引情報(1)を取引情報管理サーバ200に送信し(ステップS201)、取引情報管理サーバ200は、受信した取引情報をログに追加登録する(ステップS204,S205)。
【0075】
端末制御部120は、今回の会計処理の取引コード「0320」と過去に保留された会計処理の取引コード「0312」とを示すバーコードを保留用レシートに記録し、発行する(ステップS203)。
【0076】
次回の、呼び戻し処理では、端末制御部120は、保留用レシートに記録されている保留されている全ての取引コード「0320」、「0312」に係る取引情報の送信を要求し(ステップS302)、取引情報管理サーバ200は、要求された取引情報を商品情報登録端末100に送信する。
【0077】
会計レシートには、呼び戻し処理後に実行された会計処理を実行した商品情報登録端末100の責任者と、過去の保留時の商品情報登録端末100の責任者「000000002:田中」と「000000001:店長」が記録され、発行される(ステップS314)。
【0078】
本実施の形態に係る販売処理システム1によれば、会計用レシートに、会計処理が保留される前に操作されていた商品情報登録端末100の責任者情報が印字されているため、会計処理を保留した商品情報登録端末100の責任者情報を簡単に確認することができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0080】
上記の実施形態では、商品情報登録端末100はセルフレジであると説明したが、販売対象商品がセルフレジ対象商品と店員レジ対象商品に区分されている場合にも同様に適用可能である。この場合、顧客は、セルフレジ対象商品については、セルフレジ用の商品情報登録端末100等で売上登録を行い、登録が完了すると、保留処理を行い、店員レジ対象商品の売上登録を、店員が操作する商品情報登録端末100にて行う。
【0081】
セルフレジ用の商品情報登録端末100は、保留操作に応答して、取引情報管理サーバ200に売上情報を送信すると共に取引コード及び登録した商品情報を印刷したレシートを発行する。店員は、店員レジ対象商品の売上登録を開始するにあたり、保留レシートに印刷されている取引コードを読み取って、登録済みの売上情報を取引情報管理サーバ200から呼び戻して、店員レジ対象商品の売上登録を店員が操作する商品情報登録端末100にて行う。精算処理完了後に商品情報登録端末100が発行するレシートには、登録処理を行ったセルフレジ用の商品情報登録端末100の責任者(担当者)の従業員コード、氏名などが、精算処理を行った店員の従業員コード、氏名などと共に印刷される。
【0082】
また、この発明は、全ての登録処理を店員が行う方式のレジシステムにも適用可能である。この場合、例えば、売上登録の途中で、顧客が追加購入商品を取りに戻る、といったことが発生した場合に、保留処理を行い、登録再開時に、保留されていた呼び戻し、追加で登録処理を行う。精算処理完了後に商品情報登録端末100が発行するレシートには、保留処理前に登録処理を行った店員の従業員コード、氏名などが、精算処理を行った店員の従業員コード、氏名などと共に印刷される。
【0083】
なお、上記実施の形態では、レシートに保留前に操作された商品情報登録端末100の責任者を「印刷」する例を示したが、情報を出力する形態は、任意である。即ち、その出力の形態は、レシートの形態に合わせて、紙に印刷する形態でも、磁気シートに磁気記録する形態でも、磁気シートに磁気記録すると共にインクで印刷する形態でも、ICタグのメモリに記憶する形態でも、電子メール等に記録して特定のアドレスに送信する形態でもよい。
【0084】
なお、商品情報登録端末100の「責任者」は、「担当者」、「管理者」、「操作者」等、顧客が、売上登録を実施した端末に関連した事項を問い合わせる人物を広く含む項目であり、商品情報登録端末100毎に異なっても、共通でもよい。また、商品情報登録端末100で実施される各会計処理の責任者(担当者等を含む)でもよい。
【0085】
売上登録を行う装置は、商品情報登録端末100、即ち、POS端末に限らない。いわゆる金銭登録機などでもよい。また、取引情報管理サーバ200も必須の構成ではなく、任意の管理用のコンピュータを使用できる。例えば、何れか1台の商品情報登録端末100が取引情報管理サーバ200と同等の管理用コンピュータの機能を備えてもよい。また、取引情報管理サーバ200を配置せず、保留された売上登録を商品情報登録端末100内に記憶しておき、追加登録をする商品情報登録端末100が保留前の売上登録を行った商品情報登録端末100にアクセスして、保留された売上登録を呼び戻すようにしてもよい。
【0086】
取引情報管理サーバ200は、保留された売上登録を、保留データとして、ログデータとは別に記憶してもよい。
【0087】
上記実施の形態では、商品情報には、商品コード、商品名、商品価格、個数が含まれると記載したが、商品情報は、商品コード、商品名、商品価格、個数のいずれか1つの情報のみから構成されてもよいし、これらの任意の組み合わせから構成されてもよい。
【0088】
また、上記実施の形態では、責任者情報は、商品情報登録端末100の責任者を示す責任者番号(責任者No)と、その責任者の氏名を組み合わせたものであると記載したが、責任者情報は、責任者番号と、責任者の氏名のうち、いずれか1つの情報のみから構成されてもよい。
【0089】
上記実施の形態では、商品情報登録端末100は、商品の情報を登録する端末であると説明したが、商品情報登録端末100が登録する情報は、商品の情報に限られず、サービスの情報であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 販売処理システム
100 商品情報登録端末
110 読取部
120 端末制御部
130 端末記憶部
140 入力部
150 端末通信部
160 入出金処理装置
170 発行部
180 バス
200 取引情報管理サーバ
210 サーバ制御部
220 サーバ記憶部
230 サーバ通信部
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10