(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記流路変更用アダプタ部が、この流路変更用アダプタ部を上記ガス類導入用コネクタ部に支持させるために、上記流路変更用アダプタ部に支持されているほぼ環形状の支持部と、この支持部からほぼ下方に向かって延在している複数本の連結部と、これら複数本の連結部の下端に連結されているバッフル板部とを備え、
複数個の通気用開口が、上記複数本の連結部の間にそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガス類供給用マスク装置。
上記ガス類が上記ガス類供給用チューブ部から上記ガス類導入用コネクタ部の内部空間に導入されるときのガス類導入口の開口面積が、5.2〜10.4mm2の範囲であり、
上記流路変更用アダプタ部の上記支持部の内周囲によって構成される中央開孔の上端側の開口の開口面積が、142〜286mm2の範囲であることを特徴とする請求項3または4に記載のガス類供給用マスク装置。
上記流路変更用アダプタ部が、この流路変更用アダプタ部を上記ガス類導入用コネクタ部に支持させるために、上記ガス類導入用コネクタ部にそれぞれ設けられている複数本の取付け用脚部と、これら複数本の取付け用脚部にそれぞれ連結されているバッフル板部とを備え、
複数個の通気用開口が上記複数本の取付け用脚部の間にそれぞれ配設され、
ほぼ環形状の間隙が、上記バッフル板部と上記ガス類導入用コネクタ部との間に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガス類供給用マスク装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明を酸素マスク装置に適用した第1〜第4の実施例を、「1、第1の実施例」、「2、第2の実施例」、「3、第3の実施例」および「4、第4の実施例」にそれぞれ項分けして、
図1〜
図18を参照しつつ説明する。
【0013】
本発明の第1の実施例における酸素マスク装置を、「(1)酸素マスク本体の説明」、「(2)第1〜第4のコネクタ、流路変更用アダプタおよびガス類供給用チューブの説明」および「(3)ガス類供給用チューブからのマスク本体へのガス類の吹き出し状態の説明」に項分けして、
図1〜
図12を参照しつつ説明する。
【0015】
ガス類供給用マスク装置としての酸素マスク装置1は、
図3、
図6などに示すように、患者などのマスク装着者2の顔面3のほぼ中央の部分(具体的には、鼻部4および口部5ならびにこれらの周辺部)を覆うことができるマスク本体6を備えている。なお、マスク本体6は、軟質塩化ビニールなどのほぼ透明な(換言すれば、透光性の)軟質合成樹脂などから、左右ほぼ対称的な形状を有するように、一体成形されていてよい。そして、マスク本体6の外周部分11のうちの少なくとも左右両側部11a、11bは、そのほぼ全体にわたってほぼ平らな面に(換言すれば、マスク本体6を
図6に示すように水平面84に上向きに載置したときに、ほぼ水平な面になるように)構成されている。なお、外周部分11のうちの上側部11cは、マスク装着者2の鼻部4の形状にほぼ対応するように、外側に向って多少突出している弯曲形状であってよい。そして、外周部分11のうちの下側部11dは、マスク装着者2の顎部12のほぼ上方付近に対応するように、左右両側部11a、11bとほぼ連続しているほぼ平らな面であってもよいが、マスク装着者2の顎部12のほぼ下方付近に対応するように、前方に向って多少突出している弯曲形状であってもよい。
【0016】
マスク本体6の外周部分11の左右一対の側端部11a、11bのうちのほぼ上方の方向における中間部分には、
図4などに示すように、これら左右一対の側端部11a、11bから左右両外側に向かってそれぞれほぼ等脚台形状などのほぼ台形状などに突出している左右両側の突出部13a、13bが形成されている。そして、これら左右両側の突出部13a、13bには、柔軟性および弾性をそれぞれ有する長手状取付け部材としての偏平形状のゴム紐14の左右両端部がそれぞれ挿通されて取付けられる左右一対の挿通孔15が、それぞれ配設されている。また、同様の挿通孔16が、左右一対の側端部11a、11bのほぼ上下方向に沿って、例えば3個ずつ順次配設されている。さらに、ゴム紐14と同様に構成されていてよい第2のゴム紐17の両端部のそれぞれが、ゴム紐14に代えてまたはゴム紐14に加えて、上記3個ずつの挿通孔16のうちのいずれか1個に挿通されて、左右一対の側端部11a、11bに取付けられていてもよい。そして、左右一対の側端部11a、11bのそれぞれには、上下一対の挿通用スリット21が配設されている。また、これら上下一対の挿通用スリット21のうちの上側の挿通用スリットは、ほぼ左右方向において挿通孔15(換言すれば、突出部13a、13b)にそれぞれ隣接している。なお、柔軟性および弾性をそれぞれ有する長手状取付け部材としての伸縮包帯の両端部のそれぞれが、偏平形状のゴム紐14に代えてまたはゴム紐14に加えて、これらの挿通用スリット21のうちの左右一対の挿通用スリットのうちのいずれか1個に挿通されて、左右一対の側端部11a、11bに取付けられることができる。なお、ゴム紐14、17および伸縮包帯のそれぞれは、マスク装着者2の左側の頬部、後頭部および右側の頬部をそれぞれ通るように、マスク装着者2の頭部(換言すれば、人などのマスク装着者2の顔も含めた頭)18に掛け渡される。
【0017】
マスク本体6のうちの左右両側の多少上方の部分には、
図3、
図6などに示すように、マスク本体6の内側と外側との間の通気を行うための左右一対の通気用開孔22a、22bがそれぞれ配設されている。なお、これら左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれは、マスク本体6がマスク装着者2に装着されている状態においては、マスク装着者2の左右両側の鼻孔およびこれら左右両側の鼻孔のほぼ周囲にそれぞれ対応する位置に配置される。そして、右側の通気用開孔22bは、左側の通気用開孔22aと左右ほぼ対称的な形状を有していてよい。また、マスク本体6のうちのほぼ中心の箇所から多少下方の部分には、第1および第2のコネクタ23、24をそれぞれ取付けるためのコネクタ取付け部25が配設されている。また、コネクタ取付け部25には、ほぼ円柱形状などのほぼ柱形状であってよい開孔26が形成されている。また、コネクタ取付け部25は、マスク本体6の水平方向および垂直方向のそれぞれに対して傾斜した状態でもって、マスク本体6に配設されている。そして、コネクタ取付け部25の上記傾斜方向は、下方から上方に向かって外側に突出する方向であってよい。
【0018】
それぞれほぼ三角形状であってよい左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれは、
図3、
図6などに示すように、3箇所の角部がそれぞれ丸められたほぼ二等辺三角形状であってよい。そして、左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれは、マスク本体6がマスク装着者2に装着されている状態においては、側方から見て、鼻部4の上下方向におけるほぼ中間の高さから口部5のやや下方の位置まで延在していてよい。なお、左右一対のほぼ二等辺三角形状などのほぼ三角形状などの通気用開孔22a、22bのそれぞれの
図6における底辺31の側は、
図6に示すように、左側部11aおよび右側部11bにそれぞれ比較的隣接しかつこれらの左側部11aおよび右側部11bのそれぞれに対してほぼ平行に延在している。そして、左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれは、マスク本体6をほぼ上下方向に延在している底辺31のほぼ両端からマスク本体6の左右方向における中心に向って途中まで延在してから互いに繋がっている上側および下側の稜線32、33を、それぞれ備えている。なお、図示の実施例においては、左右両側の通気用開孔22a、22bのそれぞれの底辺31に近似した直線的な長さL1は、ほぼ55mmである。また、左右両側の通気用開孔22a、22bのそれぞれのほぼ二等辺三角形などのほぼ三角形としての高さL2は、ほぼ35mmである。そして、上記長さL1に対する上記高さL2の比は、ほぼ0.65である。また、左右両側の通気用開孔22a、22bのそれぞれの開口面積S6は、ほぼ950mm
2である。さらに、上記長さL1、上記高さL2および上記開口面積S6のそれぞれの数値は、実用性の観点から見て一般的に、つぎの(a)項〜(d)項に記載の範囲であるのが好ましい:
(a)上記長さL1:42〜70mmの範囲(さらに好ましくは、46〜66mmの範囲、最も好ましくは、48〜64mmの範囲)、
(b)上記長さL2:28〜44mmの範囲(さらに好ましくは、29〜42mmの範囲、最も好ましくは、30〜40mmの範囲)、
(c)上記比L2/L1:0.52〜0.82の範囲(さらに好ましくは、0.54〜0.78の範囲、最も好ましくは、0.56〜0.76の範囲)、および
(d)上記開口面積S6:630〜1,260mm
2の範囲(さらに好ましくは、760〜1,180mm
2の範囲、最も好ましくは、790〜1,140mm
2の範囲)。
【0019】
コネクタ取付け部25は、
図1、
図6などに示すように、開孔26の外周部分を構成するように開孔26に向って突出しているほぼリング状の突壁部34と、この突壁部34の外周付近から外側に向って突出しているほぼ円筒形状などのほぼ筒形状であってよい突壁部35とを備えている。また、コネクタ取付け部25(換言すれば、ほぼリング状の突壁部34およびほぼ筒形状の突壁部35)は、マスク本体6の水平方向および垂直方向のそれぞれに対して傾斜した状態でもって、マスク本体6に配設されている。そして、コネクタ取付け部25の上記傾斜方向は、下方から上方に向かって外側に突出する方向であってよい。さらに、コネクタ取付け部25のほぼ下方側には、このコネクタ取付け部25に隣接するように、ガス濃度測定用チューブ(図示せず)などを連結することができる第2のコネクタ取付け部36が配設されている。また、この第2のコネクタ取付け部36は、ほぼ円形状などであってよい開孔37を備えている。さらに、第2のコネクタ取付け部36(換言すれば、開孔37)は、垂直方向に対して多少傾斜している。そして、第2のコネクタ取付け部36の上記傾斜方向は、下方から上方に向かって外側に多少突出する方向であってよい。なお、上記ガス濃度測定用チューブは、マスク本体6の内部における炭酸ガスなどのガスの濃度を測定するのに用いられることができる。
【0020】
(2)第1〜第4のコネクタ、流路変更用アダプタおよびガス類供給用チューブの説明
【0021】
酸素マスク装置1は、
図1、
図6などに示すように、第1のコネクタ23、第2のコネクタ24、流路変更用アダプタ部としての流路変更用アダプタ40、第3のコネクタ41、ガス類供給用チューブ部としてのガス類供給用チューブ42および第4のコネクタ(図示せず)をそれぞれ備えている。なお、上記第1〜第4のコネクタ23、24、41および流路変更用アダプタ40のそれぞれは、硬質塩化ビニールなどのほぼ透明な(換言すれば、透光性の)硬質合成樹脂などから、一体成形されていてよい。また、ガス類供給用チューブ42は、軟質塩化ビニールなどのほぼ透明な(換言すれば、透光性の)軟質合成樹脂などから、一体成形されていてよい。そして、第1のコネクタ23は、
図7〜
図10などに示すように、この第1のコネクタ23の軸心方向C1にほぼ沿って延在するほぼ円筒形状などのほぼ筒形状であってよい第2の筒状部としてのガス類供給用の筒状部43と、この筒状部43の上端に一体的に配設されていてよい上端面部44と、この上端面部44付近から軸心方向C1に沿ってほぼ上方に向ってほぼ一体的に突出しているほぼ逆円錐台形状(換言すれば、軸心方向C1においてほぼ倒立状態のほぼ円錐台形状)、ほぼ逆多角錐台形状(換言すれば、軸心方向C1においてほぼ倒立状態のほぼ多角錐台形状)などのほぼ逆錐台形状(換言すれば、軸心方向C1においてほぼ倒立状態のほぼ錐台形状)などのガス類整流部45とを備えている。また、上端面部44のほぼ中央部分には、ほぼ円形状、ほぼ多角形状などであってよいガス類通過用の開口46が配設されている。さらに、上端面部44の外周囲には、軸心方向C1に対してほぼ直交する方向に突設されかつほぼ環形状であってよい外向きフランジ部51が配設されている。そして、筒状部43のうちの外向きフランジ部51よりも軸心方向C1におけるマスク本体6の外側寄り(換言すれば、
図8における下方寄り)の外周囲には、軸心方向C1に対してほぼ直交する方向に突設されかつほぼ円環形状などのほぼ環形状であってよい第2の外向きフランジ部52が、配設されている。なお、第2の外向きフランジ部52は、外向きフランジ部51の内径とほぼ同一の内径を有していてよく、また、外向きフランジ部51の外径よりも十分小さい外径を有していてよい。
【0022】
筒状部43には、
図7〜
図10に示すように、ほぼ円周方向などのほぼ周方向に沿って好ましくはほぼ等間隔(例えば、ほぼ90°間隔)でもって、4本などの複数本の係合用の腕部53がそれぞれ形成されている。このために、筒状部43には、4本などの複数本の係合用腕部53の両側において、下端から軸心方向に向って途中まで延在しているスリット(換言すれば、切込み)54がそれぞれ配設されている。そして、これらの係合用腕部53の下端部の外側面には、係合用突起部(換言すれば、係合用爪部)55がそれぞれ突設されている。なお、これらの係合用腕部53のそれぞれにおいては、筒状部43のうちの係合用腕部53以外の部分に較べて、係合用突起部55だけが軸心方向C1(
図7参照)における下方側に突出していてよい。そして、第1のコネクタ23をマスク本体6に取付ける際には、第1のコネクタ23の筒状部43がマスク本体6の内側から開孔26に挿通される。なお、この挿通によって、第2の外向きフランジ部52がマスク本体6などの弾性変形によりこのマスク本体6の環状突壁部34を乗り越える。このために、マスク本体6の環状突壁部34が、第1のコネクタ23の外向きフランジ部51とこの第1のコネクタ23の第2の外向きフランジ部52との間に挟み込まれるので、第1のコネクタ23は、マスク本体6に取付けられる。さらに、第1のコネクタ23には、補強用リブ56が、筒状部43の内周面と上端面部44の軸心方向C1における外側面(換言すれば、下方側)とに跨がるように一体成形されて、配設されている。なお、補強用リブ56は、図示の実施例においては、ほぼ等間隔でもって、4個形成されている。
【0023】
逆錐台形状などのガス類整流部45は、
図7〜
図10などに示すように、このガス類整流部45の軸心方向C1における上側面61がほぼ全体にわたって開放されているほぼ中空の形状に構成されている。そして、ガス類整流部45の軸心方向C1における下端側には、ほぼ円環形状、ほぼ多角形の環形状などのほぼ環形状であってよい内向きフランジ部62が、このガス類整流部45に一体的に形成されていてよい。したがって、ガス類整流部45の下端部には、ほぼ円形状、ほぼ多角形状などの下端開口64が第1のガス類導入用開口として形成されている。また、ガス類整流部45は、このガス類整流部45の外側面と上端面部44の上側面とにそれぞれ一体的に連設されている複数本(例えば、4本)の支柱部63によって、上端面部44の上側面に配設されている。なお、支柱部63は、ほぼ等間隔(換言すれば、ほぼ90°間隔)でもって、配設されていてよい。
【0024】
図7〜
図10などに示す第1のコネクタ23のほぼ円筒形状などのほぼ筒形状の筒状部43は、図示の実施例においては、内径L3がほぼ15mmであり、軸心方向C1の長さL4がほぼ9mmであり、軸心方向C1とほぼ直交する方向における内側面積がほぼ176mm
2である。また、第1のコネクタ23のガス類通過用開口46は、図示の実施例においては、直径L5がほぼ10mmであり、開口46の大きさを示す開口面積がほぼ78mm
2である。そして、上端面部44とガス類整流部45との間に形成されている(換言すれば、上端面部44とガス類整流部45との間で最も狭い隙間である)ほぼ環形状のガス類噴き出し口65の間隔(換言すれば、開口幅)L6は、図示の実施例においては、ほぼ0.7mmである。また、第2のガス類導入用開口としてのガス類噴き出し口65と直交する方向C2がガス類整流部45の軸心方向C1と成す角度θ1は、ほぼ50°である。そして、開口64の直径L7は、図示の実施例においては、ほぼ6mmである。また、ガス類整流部45の上側面61の内周直径L8は、図示の実施例においては、ほぼ12mmである。そして、ガス類整流部45の下側面66の直径L9は、ほぼ7.8mmである。さらに、軸心方向C1に対するガス類整流部45の内周面71および外周面72のそれぞれの傾斜角度は、ほぼ30°である。
【0025】
第1のコネクタ23に関する上記内径L3などの上記各部の数値は、実用性の観点から見て一般的に、つぎの(a)項〜(k)項に記載の範囲であるのが好ましい:
(a)ほぼ円筒形状などの筒状部43の内径(換言すれば、内周面の平面的に見た最大長さ)L3:10〜20mmの範囲(さらに好ましくは、11.5〜18.5mmの範囲、最も好ましくは、12.5〜17.5mmの範囲)、
(b)ほぼ円筒形状などのほぼ筒形状の筒状部43の軸心方向C1の長さL4:6〜12mmの範囲(さらに好ましくは、6.5〜11.5mmの範囲、最も好ましくは、7.2〜10.8mmの範囲)、
(c)ほぼ円筒形状などのほぼ筒形状の筒状部43の軸心方向C1とはほぼ直交する方向における内側面積:118〜236mm
2の範囲(さらに好ましくは、140〜220mm
2の範囲、最も好ましくは、146〜210mm
2の範囲)、
(d)ガス類通過用開口46の直径(換言すれば、内周面の平面的に見た最大長さ)L5:8〜12.5mmの範囲(さらに好ましくは、8.3〜12mmの範囲、最も好ましくは、8.6〜11.6mmの範囲)、
(e)ガス類導入用開口46の開口面積:52〜104mm
2の範囲(さらに好ましくは、62.4〜97.5mm
2の範囲、最も好ましくは、65〜93.6mm
2の範囲)、
(f)ほぼ環形状のガス類噴き出し口65の間隔L6:0.56〜0.88mmの範囲(さらに好ましくは、0.58〜0.84mmの範囲、最も好ましくは、0.6〜0.82mm
2の範囲)、
(g)ガス類噴き出し口65が軸心方向C1と成す角度θ1:40°〜62°の範囲(さらに好ましくは、42°〜60°の範囲、最も好ましくは、44°〜58°の範囲)、
(h)ガス類整流部45の下端開口64の直径(換言すれば、内周面の平面的に見た最大長さ)L7:4.8〜7.6mmの範囲(さらに好ましくは、5〜7.2mmの範囲、最も好ましくは、5.2〜7mmの範囲)、
(i)ガス類整流部45の上側面61の内周直径(換言すれば、上側面61の内周を平面的に見た最大長さ)L8:9.6〜15mmの範囲(さらに好ましくは、10〜14.4mmの範囲、最も好ましくは、10.4〜14mmの範囲)、
(j)ガス類整流部45の下側面66の内周直径(換言すれば、下側面66の内周を平面的に見た最大長さ)L9:6.2〜9.8mmの範囲(さらに好ましくは、6.5〜9.4mmの範囲、最も好ましくは、6.7〜9.1mmの範囲)、および
(k)軸心方向C1に対するガス類整流部45の内周面71および外周面72のそれぞれの傾斜角度:24°〜37.5°の範囲(さらに好ましくは、25°〜36°の範囲、最も好ましくは、26°〜35°の範囲)。
【0026】
第2のコネクタ24の下端側の部分は、
図1、
図6などに示すように、第3のコネクタ41が取付けられるほぼ円筒形状などのほぼ筒形状の下側の筒状部73を第1の筒状部として構成している。なお、この下側筒状部73は、
図1に示す状態においては、ほぼ上下方向に延在している。そして、第2のコネクタ24の上端側の部分は、軸心方向C1にほぼ沿って延在するように、この第2のコネクタ24の下端側の部分から上方に向かって斜め方向に屈曲している。また、第2のコネクタ24の上端付近である第2の筒状部としてのほぼ円筒形状などのほぼ筒形状の上側筒状部74は、第1のコネクタ23のガス類供給用筒状部43とマスク本体6の筒形状突壁部35との間に挿入されている。そして、この挿入によって、第2のコネクタ24のほぼ環形状の上壁部75が、マスク本体6の筒形状突壁部35の下端に当接する。また、第1のコネクタ23の係合用腕部53の係合用突起部55が、抜け止めのために、ほぼ環形状の上壁部75の下側面に係合する。この結果、第2のコネクタ24は、第1のコネクタ23に対して比較的回動し易い状態でもって、第1のコネクタ23に取付けられることができる。さらに、第3のコネクタ41は、
図1〜
図3などに示すように、円筒形状などの大径でかつ有底の筒状部76と、この筒状部76の下端部に一体成形などによって連結されている円筒形状などの小径の筒状部77とをそれぞれ備えている。なお、筒状部76の底部のほぼ中心位置には、筒状部77と連通するための貫通孔81が形成されている。そして、小径の筒状部77内には、ガス類供給用チューブ42の一端部が挿入されて連結されている。また、ガス類供給用チューブ42の上端開口は、第3の筒状部としての大径の筒状部76に貫通孔81を介して連通している。さらに、ガス類供給用チューブ42の他端部には、前記第4のコネクタ(図示せず)が連結されている。そして、この第4のコネクタは、酸素ボンベなどのガスボンベ(図示せず)や、病室などに配設されたガス類供給用ノズル(図示せず)に、必要に応じて接続されることができる。
【0027】
流路変更用アダプタ40の軸心方向C3は、
図12などに示すように、ほぼ上下方向(換言すれば、第3のコネクタ41のほぼ軸心方向)とほぼ一致している。そして、流路変更用アダプタ40は、
図1、
図11、
図12などに示すように、ほぼ円環形状などのほぼ環形状の支持部101と、この支持部101からほぼ下方に向って一体的に延在している4本などの複数本の連結部102と、これら複数本の連結部102の下端に一体的に連結されているバッフル板部103とを、互いに一体成形されて、備えている。また、支持部101の外周面には、そのほぼ全体にわたって、その上端側に形成されているほぼ凸状のフランジ部104と、その下端側に形成されている係合用の溝部105とがそれぞれ形成されている。したがって、支持部101の内側面には、ほぼ円形などの中央開口106が形成されている。なお、複数本の連結部102のそれぞれは、軸心方向C3から見て、互いにほぼ等間隔に配設されている。また、複数本の連結部102は、図示の実施例においては、互いにほぼ同形になるように構成されている。このために、4本などの複数本の連結部102の間には、ほぼ同形であってよい4個などの複数個の通気用開口111がそれぞれ形成されている。そして、これら複数個の通気用開口111は、軸心方向C3から見て、互いにほぼ等間隔に配設されている。さらに、複数本の連結部102のそれぞれは、軸心方向C3に対してほぼ平行に延在している垂直部112と、この垂直部112に一体的に連結されかつこの垂直部112の下端から軸心方向C3に向ってほぼ斜め下方に延在している傾斜部113とを備えている。そして、この傾斜部113のそれぞれの下端は、バッフル板部103のほぼ円環形状などのほぼ環形状であってよい外周囲103aに一体的に連結されている。また、バッフル板部103の下側面103bは、ほぼ下方に向ってほぼ円錐形状などのほぼ錐形状に突出している。さらに、バッフル板部103のほぼ円錐形状の凹部であってよい上側面103cも、このバッフル板部103のほぼ円錐形状などのほぼ錐形状などの凸部であってよい下側面(換言すれば、外側面)103bとほぼ同形になるように、ほぼ下方に向ってほぼ円錐形状などのほぼ錐形状などに凹んでいる凹部であってよい。この場合、バッフル板部103のほぼ全体は、ほぼ等厚になるように構成されていてよい。
【0028】
(3)ガス類供給用チューブからのマスク本体へのガス類の吹き出し状態の説明
【0029】
酸素マスク装置1が
図1などに示すようにマスク装着者2の顔面3に装着されているときには、第1のコネクタ23のガス類整流部45からマスク本体6内の空間(換言すれば、顔面3とマスク本体6との間に存在するガス類導入空間)82に送り込まれるガス流83の方向(換言すれば、ガス類整流部45の上側面61が向いている方向)は、上記送り込みの少なくとも最初には、軸心方向C1とほぼ一致している。そして、酸素マスク装置1(換言すれば、マスク本体6)が
図6に示すように水平面84上に表向きに載置されているとき(以下、「
図6に示すマスク載置状態」という。)においては、上記軸心方向C1は、平面的に見て、マスク本体6(換言すれば、酸素マスク装置1)のほぼ上下方向に延在している。したがって、上記軸心方向C1は、平面的に見て、
図6に示すマスク本体6(換言すれば、酸素マスク装置1)を真上から見て左右に二等分している仮想の二等分中心線(換言すれば、マスク本体6の上下方向に延在する中心線)と、ほぼ一致している。このために、両者の成す角度は、平面的に見て、ほぼ0°である。また、
図6に示すマスク載置状態においては、上記軸心方向C1は、マスク本体6(換言すれば、酸素マスク装置1)の上側部11c寄りの箇所からマスク本体6の下側部11d寄りの箇所に向かうとともに上方にも多少向かうように、斜め方向に直線的に延在している。そして、上記軸心方向C1と水平面84との成す角度θ2は、マスク本体6を真横から見て(換言すれば、
図6に示すマスク載置状態において)、ほぼ45°である。さらに、
図1には、平均的な体形および平均的な頭部形状をそれぞれ有する人間(換言すれば、マスク装着者2)が酸素マスク装置1(換言すれば、マスク本体6)を正しく装着して正面を向いたマスク装着状態(以下、「
図1に示すマスク正装着状態」という。)が、示されている。なお、この
図1に示すマスク正装着状態は、
図6に示すように酸素マスク装置1を水平面84上に表向きに載置した状態に較べて、酸素マスク装置1をほぼ90°立ち上がらせた点のみが実質的に相違している。したがって、
図6における水平面84は、
図1においては、仮想の垂直面(換言すれば、仮想の鉛直面)85に置き換えられている。また、
図6における角度θ2は、
図1においては、角度θ3に置き換えられている。なお、2つの角度θ2、θ3のそれぞれは、実用性の観点から見て一般的に、30°〜60°の範囲であるのが好ましく、35°〜55°の範囲であるのがさらに好ましく、40°〜50°の範囲であるのが最も好ましい。そして、上記軸心方向C1がマスク本体6(換言すれば、酸素マスク装置1)を正面から見てこのマスク本体6を左右に二等分している仮想の二等分中心線(換言すれば、マスク本体6の上側部11cの側からこのマスク本体6の下側部11dの側まで延在する二等分中心線)と成す角度θ4(図示せず)は、実用性の観点から見て一般的に、0°〜15°の範囲であるのが好ましく、0°〜10°の範囲であるのがさらに好ましく、0°〜5°の範囲であるのが最も好ましい。
【0030】
マスク装着者2が
図1、
図3などに示すように酸素マスク装置1を装着しているマスク装着状態において、前記第4のコネクタに酸素ガスなどのガス類が供給されると、このガス類は、この第4のコネクタからガス類供給用チューブ42および第3のコネクタ41をそれぞれ介して第2のコネクタ24に送り込まれる。そして、第2のコネクタ24に送り込まれた上記ガス類は、この第2のコネクタ24から第1のコネクタ23のガス類供給用筒状部43に送り込まれる。また、この第1のコネクタ23のガス類供給用筒状部43に送り込まれたガス類の一半部分(以下、「上記第1のガス類」という。)は、ガス類通過用開口46および下端開口64をそれぞれ介してガス類整流部45内に送り込まれ、さらに、このガス類整流部45を介して上側面61からマスク本体6の内側に送り込まれる。そして、上記ガス類の他半部分(以下、「上記第2のガス類」という。)は、ガス類通過用開口46およびガス類噴き出し口65をそれぞれ介してマスク本体6の内側に送り込まれる。
【0031】
上述のようにマスク本体6の内側に送り込まれる上記第1のガス類のガス流83は、
図1、
図9などに示すように、ガス類整流部45からマスク本体6の内側に軸心方向C1にほぼ沿った方向でもって送り出される。また、上記第2のガス類のガス流86は、ガス類通過用開口46から直交方向C2にほぼ沿った方向でもってマスク本体6の内側に送り出される。そして、上記第1のガス類のガス流83は、マスク装着者2が息を吸うときに、
図1に示すように、このマスク装着者2の鼻孔のほぼ下端に向うように偏向する。したがって、マスク装着者2は、上記第1のガス類のガス流83を鼻部4から効果的に吸引することができる。これに対し、上記第2のガス類のガス流86は、ガス類整流部45の外周面72の存在と、ガス類噴き出し口65の噴き出し方向(換言すれば、直交方向C2)との影響を受けるために、マスク装着者2が息を吸うときなどには少なくとも、極端に多い量でもって上記第1のガス類のガス流83と合流することはない。そして、上記第2のガス類のガス流86は、上記第1のガス類のガス流83の外周囲を多少距離を置いた状態でもってほぼリング状に取り囲むようにして、第1のコネクタ23から離間しながら流動し始める。また、上記第1のガス類のガス流83および上記第2のガス類のガス流86のそれぞれが上述のように流動する場合には、マスク装着者2が息を吸い込むときなどに、マスク装着者2は、上記第1のガス類と上記第2のガス類との両方を、このマスク装着者2の鼻孔から効果的に吸引することができる。そして、マスク装着者2が息を吸い込んでいないときなどには、上記第2のガス類のガス流86が上記第1のガス類のガス流83の外周囲をほぼ円環形状などのほぼ環形状に取り囲んでいる。このために、上記第1のガス類が、左右一対の通気用開孔22a、22bなどからマスク本体6の外部に漏出するのを、効果的に防止することができる。
【0032】
上述のように、ガス類供給用チューブ42から第3のコネクタ41の貫通孔81を介してこの第3のコネクタ41に比較的高速度で送り込まれる横断面積の比較的小さいガス類は、流路変更用アダプタ40のバッフル板部103の下側面103bに当接する。そして、上記ガス類は、上記当接によって、ほぼ円環形状などのほぼ環形状の状態になりながら、バッフル板部103の外周囲103aに導かれる。このために、上記ほぼ環形状のガス類は、通気用開口111から流路変更用アダプタ40の内部空間114に導かれる。そして、上記ほぼ環形状のガス類は、横断面積が比較的大きいほぼ円柱形状などのほぼ柱形状の状態となりつつ、流路変更用アダプタ40の中央開口106の上端115からさらにほぼ上方に向かって比較的低速度で上昇する。このために、上記ガス類は、横断面積が比較的大きいほぼ円柱形状などのほぼ柱形状の状態でもって、既述のように、第1のコネクタ23のガス類供給用筒状部43に比較的低速度で送り込まれる。したがって、第1のコネクタ23、第2のコネクタ24および第3のコネクタ41を
図1および
図2に示すように組み合わせることによって構成したガス類導入用コネクタ部121によれば、つぎに記載のような作用効果を奏することができる。すなわち、横断面積の比較的小さいガス類がガス類供給用チューブ42からコネクタ部121に仮に高速度で多量に送り込まれたときでも、このガス類のガス流は、第1のコネクタ23のガス類供給用筒状部43に直接的に当接することはなく、流路変更用アダプタ40のバッフル板部103の下側面103bに直接的に当接する。そして、ほぼ円柱状などのほぼ柱状での比較的低速度のガス類のガス流がガス類供給用筒状部43の下端部付近に当接する。なお、上記ガス流がバッフル板部103の下側面103bに直接的に当接しても、この当接箇所は、第1のコネクタ23のガス類整流部45の下端開口64およびガス類通過用開口46から或る程度離間している。そして、上記ガス流が最初に当接するバッフル板部103の下側面103bは、円錐形状などの錐形状である。また、ガス類のガス流は、横断面積が比較的大きいほぼ円柱形状などのほぼ柱形状の状態でもって、ガス類供給用筒状部43の下端部付近に比較的低速度で当接する。このために、コネクタ部121の内部においてガス類のガス流によって生起される雑音がマスク装着者2や周囲の人達に騒音として認識されにくい。さらに、ガス類のガス流は、上述のように、ガス類供給用筒状部43の下端部付近に比較的低速度で当接する。このために、ガス類がコネクタ部121に短時間に多量に送り込まれたときにも、このガス類のガス流が第1のコネクタ23の筒状部43に激しく当接することによって、上記ガス流の流動方向が必要以上に変更される可能性がほとんどない。上述のとおりであるから、流路変更用アダプタ40は、コネクタ部121内のガス類の流路を変更する機能を有し、この結果として、コネクタ部121内のガス類の流速を低減する機能を有している。なお、流路変更用アダプタ40は、ほぼ環形状の筒状部76の上端部がその係合用溝部105に嵌合されることによって、ほぼ環形状の筒状部76に着脱可能に取付け固定されている。
【0033】
上述のように、コネクタ部121の内部においてガス類のガス流によって生起される雑音がマスク装着者2や周囲の人達に騒音として認識され難くするとともに、ガス類導入用コネクタ部121からの上記ガス流の流動方向が必要以上に変更される可能性がほとんどないようにするためには、酸素マスク装置1は、ガス類のガス流の流路を変更する機能と、ガス類のガス流の流速を低減する機能とをそれぞれ有するように、つぎに記載の構成を備えているのが好ましい。すなわち、その第1の要素は、ガス類がガス類供給用チューブ42からコネクタ部121の内部空間122に導入されるときのガス類導入口(
図1〜
図12に図示する実施例においては、ガス類供給用チューブ42の内周)124の開口面積S1である。そして、その第2の要素は、流路変更用アダプタ40のガス類導出用中央開孔106の開口面積S2である。なお、
図1〜
図12に図示する第1の実施例においては、ほぼ円筒形状などのほぼ筒形状であってよいガス類供給用チューブ42の内周面には、例えば4本などの複数本の潰れ防止用の突条部(図示せず)が、ガス類供給用チューブ42のほぼ長さ方向に延在するように、突設されている。なお、このガス類供給用チューブ42のうちの突条部が存在しないと見なした場合のガス類供給用チューブ42の内径は、ほぼ3.8mmであり、それぞれの上記突条部の幅は、ほぼ0.9mmであり、それぞれの上記突条部の突出高さは、ほぼ1mmである。そして、ガス類導入口124の開口面積(換言すれば、上記突条部の存在のために減少している開口面積)S1は、ほぼ7.8mm
2である。また、流路変更用アダプタ40の支持部101によって形成されているガス類導出用のほぼ円形などの中央開孔106の上端側の開口125の直径は、ほぼ16.5mmである。また、この上端側の開口125の開口面積S2は、ほぼ214mm
2である。さらに、このように構成された酸素マスク装置1においては、ガス類導入口124から第3のコネクタ41の筒状部76の内部に導入されるガス類の流入速度V1に対する、流路変更用アダプタ40の中央開孔106から流出して上昇するガス類の流出速度V2の比は、ほぼ0.03である。したがって、流路変更用アダプタ40の中央開孔106から流出して上昇するガス類の流出速度V2は、第3のコネクタ41の筒状部76内に導入されるガス類の流入速度V1に対して、ほぼ1/32に低減される。そして、上記開口面積S1は、第1の実施例においては、実用性の観点から見て一般的に、5.2〜10.4mm
2の範囲であるのが好ましく、5.8〜9.8mm
2の範囲であるのがさらに好ましく、6.2〜9.4mm
2の範囲であるのが最も好ましい。また、上記開口面積S2は、第1の実施例においては、実用性の観点から見て一般的に、142〜286mm
2の範囲であるのが好ましく、160〜268mm
2の範囲であるのがさらに好ましく、170〜258mm
2の範囲であるのが最も好ましい。
【0034】
ガス類供給用チューブ42が、
図3に示すように、正面から見て左右のいずれにも位置ずれしていない状態においては、第2のコネクタ24は、
図1、
図3などに示すように、第1のコネクタ23の軸心方向C1における下端に対してほぼ真下に位置している。しかし、ガス類供給用チューブ42が何らかの理由でもって
図3に示す状態から
図4に示すようにマスク本体6の右側に往動したときには、第2のコネクタ24が、第1のコネクタ23(換言すれば、マスク本体6)に対して、
図4における右回りに往回動する。したがって、ガス類供給用チューブ42は、このような場合でも、捩れたり折れ曲ったりすることが特になくて、ほぼ正常なガス類供給状態を保持する。そして、ガス類供給用チューブ42が
図4に示す状態から
図3に示す状態に復動するときには、第2のコネクタ24が、第1のコネクタ23(換言すれば、マスク本体6)に対して、
図4における左回りに復回動する。このために、ガス類供給用チューブ42は、このような場合でも、捩れたり折り曲がったりすることが特になくて、ほぼ正常なガス類供給状態を保持する。さらに、ガス類供給用チューブ42が、何らかの理由でもって、
図3に示す状態から
図5に示すようにマスク本体6の左側に往動したときにも、第2のコネクタ24が、第1のコネクタ23(換言すれば、マスク本体6)に対して、
図3における左回りに往回動する。このために、ガス類供給用チューブ42は、このような場合でも、捩れたり折れ曲ったりすることが特になくて、ほぼ正常なガス類供給状態を保持する。そして、ガス類供給用チューブ42が
図5に示す状態から
図3に示す状態に復動したときには、第2のコネクタ24が、第1のコネクタ23(換言すれば、マスク本体6)に対して、
図4における右回りに復回動する。したがって、ガス類供給用チューブ42は、このような場合でも、不必要に捩れたり折れ曲ったりすることが特になくて、ほぼ正常なガス類供給状態を保持する。
【0036】
図13および
図14に示す第2の実施例におけるガス類供給用マスク装置としての酸素マスク装置1は、
図1〜
図12に示す第1の実施例における酸素マスク装置1とは、以下に記述する点のみが実質的に相違している。したがって、この第2の実施例においては、既述の第1の実施例と実質的に同一の構成および作用効果についての説明は、適当に省略する。すなわち、
図13および
図14に示す第3のコネクタ41の底板部131にそれぞれ形成されている4個などの複数個の脚部取付け孔としての貫通孔132には、流路変更用アダプタ部130の4本などの複数本の取付け用脚部133のそれぞれの下端部がそれぞれ嵌合されて取付け固定されている。なお、これら複数本の取付け用脚部133は、ほぼ円板形状などのほぼ平板状の流路変更用のバッフル板部134の下側面に一体成形されていてよい。このために、複数本の取付け用脚部133の間には、ほぼ同形であってよい4個などの複数個の通気用開口138がそれぞれ形成されている。そして、これら複数個の通気用開口138は、軸心方向C3から見て、互いにほぼ等間隔に配設されている。また、マスク装着者2が、
図1、
図3などに示す場合と同様に、酸素マスク装置1を装着しているマスク装着状態において、前記第4のコネクタに酸素ガスなどのガス類が供給されると、このガス類は、この第4のコネクタからガス類供給用チューブ42を介して第3のコネクタ41に送り込まれる。さらに、この第3のコネクタ41に比較的高速度で送り込まれる横断面積の比較的小さいガス類は、流路変更用アダプタ部130のバッフル板部134の下側面134aに当接する。そして、上記ガス類は、バッフル板部134の外周囲134bに向ってほぼ水平に移動する。このために、バッフル板部134の外周囲134bに導かれた上記ガス類は、この外周囲134bと第3のコネクタ41の内周面135との間に形成されているほぼ円環形状などのほぼ環形状の間隙136からほぼ上方に向って上昇する。したがって、上記ガス類は、横断面積が比較的大きいほぼ円柱形状などのほぼ柱形状の状態になりつつ、流路変更用アダプタ部130のバッフル板部134の上側面134cのほぼ上方に向って上昇するので、この場合にも、第1の実施例の場合とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0037】
図14に示すガス類導入口124の開口面積S1は、第1の実施例について記述したように、ほぼ7.8mm
2である。そして、第3コネクタ41の筒状部76の内周面135の直径D1は、ほぼ18mmであるから、この筒状部76の内周面の横断面積S3は、ほぼ254mm
2である。また、流路変更用アダプタ部130のバッフル板部134の外周囲の平面的に見た直径は、ほぼ16.5mmであるから、このバッフル板部134の平面的に見た面積S4は、ほぼ214mm
2である。したがって、バッフル板部134と大径の筒状部76との間に存在するほぼ円環形状などの環形状の間隙136の面積S5は、平面的に見て、ほぼ40mm
2である。また、筒状部76の内周面が平面的に見てほぼ円形などの形状であるとともにバッフル板部134が平面的に見てほぼ円形などの形状であり、間隙136の幅がほぼ全周にわたってほぼ均一であれば、ほぼ0.75mmである。そして、バッフル板部134の外周囲134bと、この外周囲134bとほぼ対向している大径の筒状部76との間に存在する間隙136の幅は、バッフル板部134の外周囲134bのほぼ全体にわたって、一様な大きさである。したがって、バッフル板部134の外周囲134bと筒状部76との間隙136の幅W1は、ほぼ0.75mmである。そして、ガス類導入口124の開口面積S1および大径の筒状部76の内周面の横断面積S3のそれぞれの好ましい数値範囲、さらに好ましい数値範囲および最も好ましい数値範囲は、第2の実施例においても、既述の第1の実施例の場合と実質的同一であってよい。また、バッフル板部134の平面的に見た面積S4は、160〜268mm
2の範囲であるのが好ましく、170〜258mm
2の範囲であるのがさらに好ましく、178〜250mm
2の範囲であるのが最も好ましい。さらに、バッフル板部134と筒状部76との間に存在する間隙136の平面的に見た面積S5は、30〜52mm
2の範囲であるのが好ましく、32〜50mm
2の範囲であるのがさらに好ましく、33〜48mm
2の範囲であるのが最も好ましい。この場合、バッフル板部134の外周囲134bとこの外周囲とほぼ対向している大径の筒状部76との間隙136の幅は、バッフル板部134の外周囲134bのほぼ全体にわたって、一様な大きさであるのが好ましい。
【0039】
図15および
図16に示す第3の実施例におけるガス類供給用マスク装置としての酸素マスク装置1は、
図13および
図14に示す第2の実施例における酸素マスク装置1とは、以下に記述する点のみが実質的に相違していてよい。したがって、既述の第2の実施例と実質的に同一の構成および作用効果についてのこの第3の実施例における説明は、適当に省略する。すなわち、
図15および
図16に示す第3のコネクタ41の底板部131に取付け固定されている流路変更用アダプタ部130のバッフル板部134は、第2の実施例においてはほぼ平板状であるが、第3の実施例においては、ほぼ円錐形状などのほぼ錐形状に構成されている。そして、このバッフル板部134は、ほぼ上方に向ってほぼ円錐形状などの錐形状に突出している。また、バッフル板134の頂部134dは、ほぼ球面状などに丸められている。このために、この第3の実施例においては、ガス類がガス類供給用チューブ42を介して第3のコネクタ41に送り込まれる際に、このガス類がバッフル板部134よりも下方に位置することができる空間が、第2の実施例の場合よりも増大している。したがって、この第3の実施例における第3のコネクタ41の場合にも、コネクタ部121の内部においてガス類のガス流によって生起される雑音がマスク装着者2や周囲の人達に騒音として認識される可能性が、上記第2の実施例における第3のコネクタ41の場合とほぼ同様またはそれ以上に少なくなる。
【0040】
図16に示すガス類導入口124の開口面積S1は、第1および第2の実施例について記述したように、ほぼ7.8mm
2である。そして、第3のコネクタ41の大径の筒状部76の内周面135の直径D1は、ほぼ18mmであるから、この筒状部76の内周面の横断面積S3は、ほぼ254mm
2である。また、流路変更用アダプタ部130のバッフル板部134の外周囲の直径は、ほぼ16.5mmであるから、このバッフル板部134の平面的に見た面積S4は、第2の実施例について記述したように、ほぼ214mm
2である。したがって、バッフル板部134と筒状部76との間に存在するほぼ円環形状などのほぼ環形状の間隙136の面積S5は、第2の実施例について記述したように、平面的に見て、ほぼ40mm
2である。そして、ガス類導入口124の開口面積S1の好ましい数値範囲、さらに好ましい数値範囲および最も好ましい数値範囲のそれぞれは、第3の実施例においても、既述の第1および第2の実施例の場合と実質的同一であってよい。また、バッフル板部134の平面的に見た面積S4と、バッフル板部134と筒状部76との間に存在する間隙136の平面的に見た面積S5とのそれぞれの好ましい数値範囲、さらに好ましい数値範囲および最も好ましい数値範囲のそれぞれは、第3の実施例においても、既述の第2の実施例の場合と実質的同一であってよい。
【0042】
図17および
図18に示す第4の実施例におけるガス類供給用マスク装置としての酸素マスク装置1は、
図13および
図14に示す第2の実施例における酸素マスク装置1とは、以下に既述する点のみが実質的に相違していてよい。したがって、既述の第2の実施例と実質的に同一の構成および作用効果についてのこの第4の実施例における説明は、適当に
省略する。すなわち、
図17および
図18に示す第3のコネクタ41の底板部131に取付け固定されている流路変更用アダプタ部130のバッフル板部134は、第2の実施例においては、ほぼ平板状であるが、第4の実施例においては、ほぼ半円筒状などのほぼ半筒形状に構成されている。そして、このバッフル板部134は、その内周面がほぼ上方(換言すれば、底板部131とはほぼ反対の側)を向いているとともに、その外周面がほぼ下方(換言すれば、底板部131にほぼ向いた側)を向いていてよい。また、このバッフル板部134の長さ方向における両端部137のそれぞれは、
図17に示すように、第3のコネクタ41の有底の筒状部76の内周面からは多少離間している。さらに、バッフル板部134の左右両側部138a、138bは、有底の筒状部76の内周面との間に、十分な空間を有している。そして、バッフル板部134の下側面134aのほぼ四隅などの隅部付近のそれぞれには、取付け用脚部133が配設されている。
【0043】
図18に示すガス類導入口124の開口面積S1は、第1〜第3の実施例について記述したように、ほぼ7.8mm
2である。そして、第3のコネクタ41の大径の筒状部76の内周面135の直径D1は、ほぼ18mmであるから、この筒状部76の内周面の横断面積S3は、ほぼ254mm
2である。また、流路変更用アダプタ部130のバッフル板部134の長さL10は、平面的に見て、ほぼ15mmである。さらに、バッフル板部134の幅(換言すれば、外周面の直径)L11は、平面的に見て、ほぼ5.5mmである。そして、バッフル板部134の内周面の直径D2は、ほぼ3.5mmである。また、バッフル板部134の平面的に見た面積S4は、ほぼ82mm
2である。さらに、バッフル板部134と大径の筒状部76との間に存在する環形状の間隙136の面積S5は、平面的に見て、ほぼ172mm
2である。そして、ガス類導入口124の開口面積S1および大径の筒状部76の内周面の横断面積S3のそれぞれの好ましい数値範囲、さらに好ましい数値範囲および最も好ましい数値範囲は、第4の実施例においても、既述の第2の実施例の場合と実質的に同一であってよい。また、バッフル板部134の平面的に見た面積S4は、60〜104mm
2の範囲であるのが好ましく、66〜100mm
2の範囲であるのがさらに好ましく、68〜96mm
2の範囲であるのが最も好ましい。さらに、バッフル板部134と筒状部76との間に存在する間隙136の平面的に見た面積S5は、128〜216mm
2の範囲であるのが好ましく、138〜208mm
2の範囲であるのがさらに好ましく、142〜200mm
2の範囲であるのが最も好ましい。
【0044】
以上、本発明の第1〜第4の実施例について詳細に説明したが、本発明は、これら第1〜第4の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている発明の趣旨に基づいて各種の変更および修正を施すことが可能である。
【0045】
例えば、上述の第1の実施例においては、流路変更用アダプタ40を第3のコネクタ41に取付け固定するように構成したが、流路変更用アダプタ40が第3のコネクタ41に一体形成されていてもよい。そして、この点は、上述の第2〜第4の実施例においても同様である。
【0046】
また、上述の第3の実施例においては、流路変更用アダプタ部130のバッフル板部134の頂部134dは、ほぼ球面形状などに丸められている。そして、上述の第1の実施例においては、流路変更用アダプタ40のバッフル板部103の下側の先端部は、ほぼ球面形状などの丸みを帯びていなくて、下方に向かって尖った形状で突出している。しかし、上述の第3の実施例におけるバッフル板部134の頂部134dは、ほぼ球面形状などに丸められている必要は必ずしもなく、上方に向かって尖った形状で突出していてもよい。そして、バッフル板部103の下側先端部は、下方に向かって尖った形状で突出している必要は必ずしもなく、ほぼ球面形状などに丸められていてもよい。
【0047】
また、上述の第1〜第4の実施例においては、筒状部73をほぼ円筒形状に図示した。そして、上述の第1の実施例においては、支持部101をほぼ円環形状に図示した。さらに、上述の第1の実施例においては、バッフル板部103をほぼ円錐形状に図示した。また、上述の第2の実施例においては、バッフル板部134をほぼ円板形状に図示した。そして、上述の第3の実施例においては、バッフル板部134をほぼ円錐形状に図示した。さらに、上述の第4の実施例においては、バッフル板部134をほぼ半円筒形状に図示した。しかし、上述の第1〜第4の実施例における筒状部73は、ほぼ六角形のほぼ筒形状、ほぼ八角形のほぼ筒形状などのほぼ多角形のほぼ筒形状に構成されていてもよい。さらに、上述の第1の実施例におけるバッフル板部103は、ほぼ六角錐形状、ほぼ八角錐形状などのほぼ角錐形状に構成されていてもよい。また、上述の第2の実施例におけるバッフル板部134は、ほぼ六角形、ほぼ八角形などのほぼ多角形の板状に構成されていてもよい。そして、上述の第3の実施例におけるバッフル板部134は、ほぼ六角錐形状、ほぼ八角錐形状などのほぼ角錐形状に構成されていてもよい。さらに、上述の第4の実施例におけるバッフル板部134は、ほぼ六角形のほぼ筒状体、ほぼ八角形のほぼ筒状体などのほぼ多角形のほぼ筒状体のうちのほぼ下側半分またはほぼ上側半分に相当する形状に構成されていてもよい。
【0048】
また、上述の第1〜第4の実施例においては、流路変更用アダプタ部40、130のそれぞれが、単一のバッフル板部103、134を備えている。しかし、流路変更用アダプタ部40、130のそれぞれは、単一のバッフル板部103、134を備えている必要は必ずしもなく、流路変更用アダプタ部40、130が例えば互いにほぼ上下に連結されている2枚などの複数枚のバッフル板部103、134を備えていてもよい。また、上述の第1〜第4の実施例においては、コネクタ部121のそれぞれが、単一の流路変更用アダプタ部40、130を備えている。しかし、コネクタ部121のそれぞれは、単一の流路変更用アダプタ部40、130を備えている必要は必ずしもなく、コネクタ部121が例えば互いにほぼ上下に配置されている2個などの複数個の流路変更用アダプタ部40、130を備えていてもよい。
【0049】
また、上述の第1〜第4の実施例においては、第1のコネクタ23を第2のコネクタ24とは別体に構成した。しかし、第1のコネクタ23を第2のコネクタ24と一体に構成することも可能である。
【0050】
また、上述の第1〜第4の実施例においては、第3のコネクタ41を第2のコネクタ24とは別体に構成した。しかし、第3のコネクタ41を第2のコネクタ24と一体に構成することも可能である。
【0051】
また、上述の第1〜第4の実施例においては、左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれを、互いにほぼ左右対称的な形状を有するほぼ三角形状に構成した。しかし、左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれは、ほぼ三角形状である必要は必ずしもなく、ほぼ半円形状、ほぼ長円形状、ほぼ楕円形状、ほぼ多角形状(ほぼ三角形状を除く。)などの別の形状であってもよい。
【0052】
さらに、上述の第1〜第4の実施例においては、ガス類整流部45の下端開口64をほぼ円形状に構成した。しかし、下端開口64は、必ずしもほぼ円形状に構成される必要はなくて、ほぼ六角形状、ほぼ八角形状などのほぼ多角形状であってもよく、また、ほぼ楕円形状、ほぼ長円形状、ほぼ円環形状などのほぼ環形状などであってもよい。