【実施例】
【0012】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20(
図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠(基体)12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、演出(表示演出)を実行可能な演出手段としての図柄表示装置17が着脱可能に配設されている。この図柄表示装置17は、所定条件の成立(後述する始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行うものであり、該図柄表示装置17に表示される飾図の表示結果や演出の内容によって、当り遊技を生起するか否かの当り判定の結果が示唆または報知されるようになっている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠(扉体)13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられている。更に、前枠13の下部位置には、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14が一体的に開閉するよう構成されている。なお、上球受け皿14は、前枠13と別体に形成して、中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。また、実施例では、図柄表示装置17として、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
【0013】
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するよう枠ランプ(発光手段)19が配設されると共に、前枠13の上隅部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)18が配設されている。すなわち、枠ランプ19に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、スピーカ18から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前枠13に配設された枠ランプ19は、発光演出を実行可能な演出手段として機能すると共に、前枠13に配設されたスピーカ18は、音演出を実行可能な演出手段として機能している。なお、上球受け皿14や下球受け皿15に対して枠ランプ19またはスピーカ18を配設するよう構成してもよい。
【0014】
前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された図示しない球発射装置を作動する操作ハンドル16が設けられている。操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、操作レバー16aの回動量に応じて前記球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されている。
【0015】
前記中枠12の後面には、遊技店内の図示しない球補給機構から補給されたパチンコ球を貯留する球貯留機構120(
図3および
図7参照)が配設されている。球貯留機構120は、中枠12の後面の上部に設けられて球補給機構からのパチンコ球の補給を受ける球タンク121と、この球タンク121の側端部(
図3における右側の側端部)の下方で上下に延在するケース部材122と、このケース部材122の下側に設けられる球払出装置123とで構成されている。また、球貯留機構120には、パチンコ球が通過可能な球通路124が球タンク121およびケース部材122の内側を連通するよう形成されており、球払出装置123の上流側でパチンコ球を貯留し得るようになっている。すなわち、各種の入賞口27,30,32へのパチンコ球の入賞を契機として球払出装置123を駆動することで、球通路124に貯留されているパチンコ球が前記上球受け皿14や前記下球受け皿15に払い出される。ここで、ケース部材122は、中枠12の後面側において左上部から左下部へ向けて(
図3における右上部から右下部へ向けて)延在して、遊技盤20の側縁部の後方を通過するように位置している。
【0016】
前記パチンコ機10には、パチンコ機10に関する統括的な制御を行う主制御基板(図示せず)が遊技盤20の後面側(後述する設置部材50の後側)に配設されると共に、主制御基板からの制御信号に基づいて演出に関する制御を行う演出制御基板34(
図5(a)参照)が遊技盤20の後面側(後述する設置部材50の後側)に配設されている。演出制御基板34は、主制御基板からの制御信号を受けて前記図柄表示装置17の表示内容を表示制御基板35(
図5(a)参照)に指示する(制御信号を出力する)ことで、該表示制御基板35を介して図柄表示装置17による表示を制御する。また、演出制御基板34は、主制御基板33からの制御信号を受けて、前記枠ランプ19や後述する発光装飾部54(
図2参照)等の発光態様を図柄変動演出に合わせて制御したり、図柄変動演出に合わせて前記スピーカ18の音出力態様を制御したり、図柄変動演出に合わせて後述する表示装置55の表示態様を制御したりするようになっている。なお、主制御基板33、演出制御基板34および表示制御基板35とは別に備えた制御基板が、枠ランプ19、スピーカ18、発光装飾部54および表示装置55の少なくとも何れかを制御するようにしてもよい。
【0017】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材から所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)であって、該遊技盤20の裏側(後述する設置部材50の後面)に前記図柄表示装置17が着脱自在に組み付けられている。遊技盤20の前側には、
図2に示すように、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21によって、パチンコ球が流下可能(移動可能)な略円形の遊技領域20aが画成されている。この遊技盤20には、遊技領域20aから遊技盤20の後方に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口には、パチンコ球が入賞可能な入賞口を有する入賞装置(例えば、パチンコ球が入賞可能な始動入賞口30が設けられた始動入賞装置29、パチンコ球が入賞可能な特別入賞口32が設けられた特別入賞装置31、パチンコ球が入賞可能な一般入賞口27aが設けられた入賞部材27)や、画像表示面17aの前方位置に表示窓口25aが前後に開口するよう形成された枠状装飾体25といった各種の遊技部品が前側から取り付けられる。実施例のパチンコ機10は、パチンコ球が遊技領域20aを流下して始動入賞口30に入賞した場合に、当該入賞を契機として(当り判定条件の成立に応じて)特図当り判定(当り判定)が実行され、この当り判定の結果が当りの判定結果となることで、パチンコ球を特別入賞口32へ入賞させて賞球を得ることが可能な(遊技者に有利な)特別遊技(当り遊技)が生起されるようになっている。また、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aを流下したパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
【0018】
(設置部材50について)
図3に示すように、前記遊技盤20の後面には、部材を配設可能な設置部材(空間画成部材)50が取り付けられている。設置部材50は、前側(遊技盤20側)が開口する箱状に設けられており、部品を収容可能な収容空間53を内側に画成するよう構成されている。具体的に、設置部材50は、遊技盤20の後方に離間して該遊技盤20の後面と対向する略矩形状の背面板51と、この背面板51における上下および左右の外縁から前方(背面板51に対する交差方向)へ延出して、遊技盤20と背面板51との間を囲うように延在する上下および左右の外周板52と、により構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、背面板51の内面(前面)と、上下左右の外周板52の内面とによって遊技盤20の後側に収容空間53が画成されるよう構成されている。
【0019】
図2に示すように、前記収容空間53には、前記図柄表示装置17で行われる図柄変動演出に合わせた発光演出を実行する演出手段としての発光装飾部54と、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出に合わせた表示演出を実行する演出手段としての表示装置55とが配設されている。なお、発光装飾部54として、収容空間53の右側部に収容された右側の発光装飾部54aと、収容空間53の上部に収容された上側の発光装飾部54bと、収容空間53の左側部に収容された左側の発光装飾部54cとが配設されており、表示窓口25aを通じて遊技盤20の前側から各発光装飾部54a,54b,54cを視認し得るよう構成されている。これらの発光装飾部54a,54b,54cには、発光体(LED)が配設された電気部品としての発光基板38,39,40が設けられており、各発光基板38,39,40に接続された配線部材H4,H5,H6(後述)が背面板51の後側に引き出されて、当該背面板51の後面(具体的には、後述する敷設面RLa,R1a,R2a)に敷設されている。
【0020】
図3に示すように、前記背面板51には、前記表示窓口25aの後方位置に表示用開口51aが形成されており、該背面板51の後側に配設された前記図柄表示装置17の表示面(画像表示面)17aが表示用開口51aに臨んで、遊技盤20の前側から視認可能となっている。なお、背面板51に関する以下の説明では、表示用開口51aの開口上縁を形成して上側の外周板52に連なる背面板51の上部を「上枠部51T」と指称し、表示用開口51aの開口下縁を形成して下側の外周板52に連なる背面板51の下部を「下枠部51U」と指称し、表示用開口51aにおける左側(
図3において右側)の開口側縁を形成して左側の外周板52に連なる背面板51の左側部を「第1側枠部51L」と指称し、表示用開口51aにおける右側(
図3において左側)の開口側縁を形成して右側の外周板52に連なる背面板51の右側部を「第2側枠部51R」と指称することがある。
【0021】
なお、前記図柄表示装置17の後面には、
図5(b)に示すように、前記演出制御基板34が基板ケースに収容された状態で取り付けられると共に、前記表示制御基板35が基板ケースに収容された状態で取り付けられている。すなわち、図柄表示装置17と、演出制御基板34と、表示制御基板35とは、1つのユニット(以下、「制御ユニットUN」と指称する)として、設置部材50の後面(背面板51の後面)に着脱自在に取り付けられている。
【0022】
(制御ユニットUNの支持構造について)
図3に示すように、前記背面板51には、前記制御ユニットUNの前面(図柄表示装置17の前面)を支持する枠面部511が設けられている。枠面部511は、背面板51における上枠部51Tの一部と、下枠部51Uの一部と、第1側枠部51Lの一部と、第2側枠部51Rの一部とにより、表示用開口51aを囲う枠状に設けられている。枠面部511の外形は、図柄表示装置17の前面の外形と概ね対応しており、制御ユニットUNが背面板51の後面に取り付けられると、該制御ユニットUNによって枠面部511の略全体が後側から被覆されるようになる。
【0023】
なお、詳しくは後述するが、前記背面板51における枠面部511の周囲には、制御ユニットUNの周囲に取り回される配線部材H1〜H6(後述)の敷設面RLa,R1a,R2a(後述)が形成されている。すなわち、背面板51の後側には、配線部材H1〜H6の配線経路(後述する連通経路RL、第1経路R1および第2経路R2)が敷設面RLa,R1a,R2aに沿って設けられている。
【0024】
図3および
図6に示すように、前記背面板51の第1側枠部51Lには、枠面部511の一方の側縁部(
図3において右側の側縁部)に沿って上下に延在する係合支持部70が設けられ、該係合支持部70が制御ユニットUNの一方の側部を支持するよう構成されている。また、背面板51の第2側枠部51Rには、枠面部511に固定支持部78が設けられ、該固定支持部78によって制御ユニットUNの他方の側部を支持するよう構成されている。そして、制御ユニットUNは、係合支持部70および固定支持部78に左右の側部が支持されると共に、枠面部511によって前側から当接支持されるようになっている。
【0025】
前記係合支持部70は、
図7に示すように、枠面部511の側縁から後方へ延在する第1壁部101と、この第1壁部101から左右方向における枠面部511と反対側へ延在する第2壁部102と、この第2壁部102から前方(遊技盤20側)へ延在する第3壁部103とにより構成されており、これら第1〜第3壁部101,102,103のうち、制御ユニットUN(具体的には図柄表示装置17)の設置領域に臨む第1壁部101には、該制御ユニットUN側へ向けて開口する複数(実施例では2つ)の係合口101aが上下に離間するよう形成されている(
図6参照)。そして、制御ユニットUNの側面(図柄表示装置17の側面)から側方(
図3における右方)へ向けて突出する複数(実施例では2つ)の係合突部41(
図5(b)参照)を各係合口101aに挿入して係合させることで、制御ユニットUNの一方の側縁部(
図3における右側の側縁部)が位置決めされるようになっている。すなわち、係合支持部70における係合口101aが形成された第1壁部101は、制御ユニットUNを支持する支持面を形成している。
【0026】
また、前記固定支持部78は、
図3に示すように、前後に開口する係止孔78aが形成されており、制御ユニットUNにおける係合突部41と反対側の側部(
図3における左側部)に設けた係止具42(
図5(b)参照)を、後方から係止孔78aに挿入して係止することにより、制御ユニットUNが背面板51の後側に固定される。このように、制御ユニットUNの一方の側部を前記係合支持部70に位置決めしつつ、該制御ユニットUNの他方の側部を固定支持部78で固定することで、当該制御ユニットUNが枠面部511の後方位置(設置領域)に配設されるようになっている。
【0027】
(設置面部512について)
前記背面板51における前記枠面部511より下側に位置する部位(以下、「設置面部512」と指称する)は、
図3および
図4に示すように、前記枠面部511の延在位置を基準として前側(遊技盤20側)に偏倚するよう設けられている。そして、枠面部511との前後位置の差によって設置面部512の後面側に生じるスペースに、配線部材H1〜H6を介して前記制御ユニットUNや他の電気部品と電気的に接続される基板36,37が設置されている。具体的に、設置面部512の後側には、左右方向の中央よりも第1側枠部51L側(
図3における右側)に偏倚した位置に、前記演出制御基板34と他の電気部品との間の電気的な接続を中継する統括中継基板36が配設されている。また、設置面部512の後側には、統括中継基板36に対して左右方向に離間する位置(
図3における左側の端部)に、前記前枠13に設けられた電気部品(具体的には、スピーカ18や枠ランプ19等)と前記演出制御基板34との間の電気的な接続を中継する枠用中継基板37が配設されている。なお、統括中継基板36は、前記表示制御基板35と他の電気部品(具体的には、表示装置55)との間の電気的な接続を中継する機能も有している。
【0028】
ここで、前記設置面部512の後面側には、前記統括中継基板36や前記枠用中継基板37に接続する配線部材H1〜H6の配線経路としての連通経路(配線経路)RLが設けられている。連通経路RLは、前記枠面部511の下端に沿って左右方向に延在するよう形成されており、該連通経路RLの敷設面RLaに敷設された第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6は、枠面部511の下端から下方に延在する押え片68によって該連通経路RLに保持される。また、連通経路RLは、統括中継基板36の配設領域の上側を通過して、右端部(
図3における左端部)が枠用中継基板37に臨むと共に、左端部(
図3における右端部)が、前記第1側枠部51Lに設けられた後述する第1経路(第1の配線経路)R1および第2経路(第2の配線経路)R2の下端側に連通している。これにより、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6は、連通経路RLを通過して第1経路R1および第2経路R2に分岐するように取り回される(
図6参照)。この連通経路RLは、
図3に拡大して示すように、幅寸法(上下寸法)W1が大きく確保されている。すなわち、連通経路RLの通路幅方向の幅寸法W1は、後述する第1経路R1の幅寸法(左右寸法)W2や第2経路R2の幅寸法(左右寸法)よりも大きく、かつ、これら第1経路R1および第2経路R2の各幅寸法を合わせた幅寸法よりも大きく設けられている。なお、統括中継基板36の配設領域および連通経路RLは、前記主制御基板が設置面部512の左右両端部に支持されて設置部材50に取り付けられると、該主制御基板によって後方から覆われる。
【0029】
(配線構造について)
図5(a)に示すように、前記演出制御基板34は、第1配線部材H1によって前記枠用中継基板37と接続されている。すなわち、演出制御基板34は、前記スピーカ18や前記枠ランプ19を制御するための制御信号を、第1配線部材H1を介して枠用中継基板37に出力するよう構成されている。また、演出制御基板34は、第2配線部材H2によって前記統括中継基板36と接続されている。統括中継基板36には、前記収容空間53に配設された複数の発光基板38,39,40に繋がる第4〜第6配線部材H4,H5,H6が接続されており、演出制御基板34から第2配線部材H2、統括中継基板36および第4配線部材H4を介して右発光基板38に制御信号を出力することで、該演出制御基板34が右発光基板38の発光制御を行うようになっている。同様に、演出制御基板34は、第2配線部材H2、統括中継基板36および第5配線部材H5を介して上発光基板39に制御信号を出力することで該上発光基板39の発光制御を行うと共に、第2配線部材H2、統括中継基板36および第6配線部材H6を介して左発光基板40に制御信号を出力することで該左発光基板40の発光制御を行うよう構成されている。また、統括中継基板36は、第3配線部材H3によって前記表示制御基板35と接続されると共に、図示しない配線部材によって前記表示装置55と接続されている。そして、表示制御基板35は、表示装置55を制御するための制御信号を、第3配線部材H3、統括中継基板36および図示しない配線部材を介して表示装置55に出力することで該表示装置55を表示制御するよう構成されている。
【0030】
なお、実施例の第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6は、銅合金等からなる素線を塩化ビニル等の絶縁体で被覆して形成される電線(配線)を複数本束ねた、所謂ワイヤハーネスが用いられており、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6を一定程度の力で捻じったり、曲げたりして変形した際には、絶縁体の弾性等により、変形部位近傍において形状を復元する力が作用するように構成されている。但し、強い捻じり力や曲げ力が加わると、素線自体が屈折して復元し得なくなり、断線等が生じ易くなる。ここで、実施例では、第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5が、左右に延在する幅広の連通経路RLを通過して、上下に延在すると共に連通経路RLより通路幅方向の幅寸法が小さい第1経路R1へと延在するよう取り回される。すなわち、連通経路RLから第1経路R1へと第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を屈曲状に敷設する必要があり、連通経路RLおよび第1経路R1の連通部分において配線部材H1,H2,H3,H4,H5に対して強い曲げ力がかかり得る。また、第1経路R1で通路幅方向(左右方向)のスペースが充分に確保できないことで配線部材H1,H2,H3,H4,H5の動きが制限されると、配線部材H1,H2,H3,H4,H5に余計な負荷がかかり得る。これに対し、実施例では、第1経路R1の下端側に対応して設けられる配線保持部71(後述)を他の配線保持部72,73,74(後述)より後方へ大きく設けることで、第1経路R1の下端側における前後方向の幅寸法を大きく確保して、第1経路R1の下端側において多数の配線部材H1,H2,H3,H4,H5を余裕をもって挿通させ得るよう構成されている。また、第1経路R1の下端側に対応して設けられる配線保持部71(後述)が他の配線保持部72,73,74(後述)より後方で配線部材H1に当接するように構成することで、第1経路R1から後方へ向けて引き出される第1配線部材H1が過度に曲るのを防止しつつ、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6を複数の配線保持部71,72,73,74で確実に保持し得るようになっている。
【0031】
図6に示すように、実施例では、前記設置面部512(前記下枠部51U)に設置された枠用中継基板37や統括中継基板36に設けたコネクタ接続部CNに接続する第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5が、該設置面部512の前記連通経路RLを通過して、前記第1側枠部51Lに設けられた第1経路R1に延在するよう取り回されると共に、統括中継基板36に設けたコネクタ接続部CNに接続する第6配線部材H6が、前記連通経路RLを通過して、第1側枠部51Lに設けられた第2経路R2に延在するよう取り回される。そこで、以下、第1経路R1と第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5との関係について説明し、次に、第2経路R2と第6配線部材H6との関係について説明する。
【0032】
(第1経路R1と、第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5との関係について)
図3、
図6および
図7に示すように、前記第1経路R1は、前記係合支持部70を構成する壁部(具体的には、前記第3壁部)103と、第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5が敷設される敷設面R1aを形成する壁部(第4壁部)104と、該壁部104を挟んで係合支持部70と対向する壁部(第1突壁)90と、配線部材H1,H2,H3,H4,H5を敷設面R1a側(第1経路R1)に保持する複数の配線保持部71,72,73,74とにより、前記第1側枠部51Lの後面側に画成されている。
【0033】
具体的に、前記第1側枠部51Lは、前記枠面部511に連なる前記第1〜第3壁部101,102,103によって係合支持部70が後方(遊技盤20から離間する側)へ突出するよう設けられ、第3壁部103の前端から左右方向における枠面部511と反対側(
図7における右側)へ延在するよう第4壁部104が設けられている。また、第4壁部104の第3壁部103と反対側の側端には、当該側端から後方(遊技盤20から離間する側)へ延在する第1突壁(側壁)90が設けられている。すなわち、第3壁部103、第4壁部104および第1突壁90は、上下方向に延在すると共に上下および後方へ開口する断面視コ字状の壁を構成している。そして、第3壁部103および第1突壁90によって左右から挟まれた第4壁部104の後面(敷設面R1a)に、第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5が敷設されるようになっている。
【0034】
また、前記複数の配線保持部71,72,73,74は、第2壁部102における上下方向(第1経路R1の延在方向)に相互に離間する位置から夫々延出して、敷設面R1aと対向するよう設けられている。なお実施例では、4つの配線保持部71,72,73,74(以下、下側に位置する配線保持部から順に、「第1配線保持部71」「第2配線保持部72」「第3配線保持部」「第4配線保持部」と指称することがある)が、第1経路R1に対応して設けられている。
【0035】
このように、実施例の前記第1経路R1は、第1側枠部51Lに設けられる前記係合支持部70を挟んで前記制御ユニットUN(設置領域)と反対側に、上下方向に延在するよう設けられている。そして、係合支持部70の壁面を利用して第1経路R1を画成することで、該第1経路R1と係合支持部70との間に無駄なスペースが生じないように構成されている。また、第1〜第4配線保持部71,72,73,74を係合支持部70に設けることで、当該配線保持部71,72,73,74をコンパクトに形成し得るようになっている。更に、係合支持部70において制御ユニットUNを支持する支持面(第1壁部101の壁面)とは異なる壁面(具体的には、第2壁部102の後面)に第1〜第4配線保持部71,72,73,74を設けることで、制御ユニットUNの取り付けの際に該制御ユニットUNが配線保持部71,72,73,74と干渉するのを防いでいる。
【0036】
図7および
図8に示すように、前記第1〜第4配線保持部71,72,73,74は、前記第2壁部102における第1経路R1側の側縁から後方(敷設面R1aから離間する側)へ延出する基部75と、この基部75の後端から第1経路R1側へ延出すると共に敷設面R1aと前後に離間して対向する対向部76と、この対向部76の延出端(基部75と反対側の側端)から前方(敷設面R1a側)へ延出する規制部77とにより構成されている。対向部76は、
図7から明らかなように、基部75の後端から次第に敷設面R1aに近づくよう傾斜方向に延在している。規制部77の前端は、敷設面R1aから離間しており、該規制部77の前端と敷設面R1aとの隙間を通じて第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を第1経路R1内に挿入し得るようになっている。第1〜第4配線保持部71,72,73,74は、規制部77を左右方向に弾性変形させることで、該規制部77の先端(前端)と敷設面R1aとの隙間を拡大し得るように形成されている。すなわち、配線部材H1,H2,H3,H4,H5は、規制部77の先端と敷設面R1aとの隙間を介して第1経路R1へと挿入される。規制部77の先端の角部は面取りがされており、該規制部77の先端と敷設面R1aとの隙間に第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を挿入する際に、規制部77の先端に配線部材H1,H2,H3,H4,H5が引っ掛かるのを防止し得るようになっている。なお、各規制部77の先端(前端)と、敷設面R1aとの間隔は一定となっており、第1経路R1からの配線部材H1,H2,H3,H4,H5の離脱を防止し得るよう構成されている。
【0037】
また、前記第1経路R1の敷設面R1aには、
図8に示すように、敷設面R1aの左右の両側縁に亘って左右に延在すると共に、後方へ突出する複数の離間突部104bが設けられている。すなわち、離間突部104bは、第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を当該敷設面R1aから離間させて、敷設面R1aと、規制部77の先端との間から第1経路R1の外側へ配線部材H1,H2,H3,H4,H5が離脱しないよう規制している。なお、実施例では、離間突部104bの敷設面R1aから後方へ向けた突出寸法が規制部77の先端の敷設面R1aに対する離間寸法よりも小さく設定されているが、規制部77の先端の敷設面R1aに対する離間寸法よりも大きく設定してもよい。
【0038】
ここで、
図7および
図8に示すように、前記敷設面R1a(第4壁部104)には、第1〜第4配線保持部71,72,73,74の前方位置に、第1経路R1に連通する逃げ孔104aが夫々形成されている。すなわち、各配線保持部71,72,73,74の対向部76および規制部77は、前後方向において当該敷設面R1aの逃げ孔104aと対向するようになっている。ここで、第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5は、第1経路R1において後方への移動が第1〜第4配線保持部71,72,73,74に規制されるものの、前記逃げ孔104aの内側への変位は許容される(
図8における第2配線保持部72に対向する逃げ孔104aと、第4配線部材H4との関係を参照)。すなわち、第1経路R1に多数の配線部材H1,H2,H3,H4,H5が収容されたとしても、第1〜第4配線保持部71,72,73,74にかかる負荷を軽減することができるようになっている。
【0039】
前記第1経路R1は、
図6および
図8に示すように、各配線保持部71,72,73,74の間が後方へ向けて開口しており、当該開口(以下、「引出口R1b」と指称することがある)を介して第1経路R1内の配線部材H1,H2,H3,H4,H5を引き出し得るよう構成されている。実施例では、隣接する配線保持部71,72,73,74の相互間に引出口R1bが夫々形成されている。
【0040】
そして、
図6および
図8に示すように、第1配線部材H1は、前記連通経路RLを通過して第1経路R1に延在すると共に、該第1経路R1において第1配線保持部71により保持されて、該第1配線保持部71と第2配線保持部72との間の引出口R1bから引き出されている。また、第2配線部材H2は、前記連通経路RLを通過して第1経路R1に延在すると共に、該第1経路R1において第1および第2配線保持部71,72により保持されて、該第2配線保持部72と第3配線保持部73との間の引出口R1bから引き出されている。更に、第3配線部材H3は、前記連通経路RLを通過して第1経路R1に延在すると共に、該第1経路R1において第1〜第3配線保持部71,72,73により保持されて、該第3配線保持部73と第4配線保持部74との間の引出口R1bから引き出されている。なお、第4および第5配線部材H4,H5は、前記連通経路RLを通過して第1経路R1に延在すると共に第1〜第4配線保持部71,72,73,74の内側を通過して該第1経路R1の上端側へ引き出されている。すなわち、第1配線保持部71は、第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5の全ての配線部材を保持するよう構成され、第2配線保持部72は、第1配線部材H1を除く他の配線部材H2,H3,H4,H5を保持するよう構成され、第3配線保持部73は、第1および第2配線部材H1,H2を除く他の配線部材H3,H4,H5を保持するよう構成されている。また、第4配線保持部74は、第4および第5配線部材H4,H5のみを保持するよう構成されている。
【0041】
ここで、前記第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6は、
図6に示すように、前記連通経路RLにおいて左右方向に延在すると共に、第1経路R1および第2経路R2において上下方向に延在する。すなわち、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6は、幅寸法W1が大きく確保された連通経路RLを通過したところで上方へ向けて曲げられて、幅寸法W2,W3の小さい第1経路R1および第2経路R2へと取り回される。しかも、第1経路R1には、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6のうち大部分の配線部材H1,H2,H3,H4,H5が配設される。これに対し、第1経路R1に対応して設けられた第1配線保持部71は、第1経路R1における下端側(一方端側)に偏倚した位置(より具体的には、コネクタ接続部CNよりも下方)に設けられ、最も下側の前記引出口R1bと、連通経路RLとの間に位置している。すなわち、第1経路R1における下端側(一方端側)に第1配線保持部71を設けることで、連通経路RLおよび第1経路R1の間で曲げられる第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を第1経路R1において直線状に延在させた状態で保持することができるようになっている。
【0042】
また、前記第1配線保持部71は、前記第2〜第4配線保持部72,73,74と比べて、前記敷設面R1aに対して後方へ大きく突出するよう設けられている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、
図7に示すように、前記引出口R1bを挟んで位置する一方の配線保持部(第1配線保持部71)に設けられた対向部76と敷設面R1aとの間隔L1が、当該引出口R1bを挟んで位置する他方の配線保持部(第2配線保持部72)に設けられた対向部76と敷設面R1aとの間隔L2よりも大きく形成されている。そして、一方の配線保持部(第1配線保持部71)に保持された第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5のうち一部の配線部材(第1配線部材H1)を、両配線保持部71,72の間の引出口R1bから第1経路R1の外へ引き出すと共に、残りの配線部材(第2〜第5配線部材H2,H3,H4,H5)を他方の配線保持部(第2配線保持部72)で保持するよう構成されている。すなわち、第1配線保持部71は、他の配線保持部72,73,74よりも対向部76が敷設面R1aから大きく離間することで、第1経路R1を前後方向に大きく形成している。すなわち、第1経路R1の幅寸法W2が連通経路RLの幅寸法W1よりも小さく形成されていても、連通経路RLを通過した配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6の大部分(配線部材H1,H2,H3,H4,H5)を、敷設面R1aおよび対向部76の間で前後方向に重ねるようにして保持し得るようになっている。また、配線部材H2,H3,H4,H5の保持数が第1配線保持部71よりも少ない他の配線保持部72,73,74は、第1配線保持部71と比べて第1経路R1を前後方向に小さく形成することで、第1経路R1の前後寸法が無駄に広くなって配線部材H2,H3,H4,H5を確実に保持し得なくなるのを防いでいる。
【0043】
更に言えば、前記第1配線保持部71の対向部76が前述したように前記第2配線保持部72の対向部76よりも敷設面R1aに対して後方へ離間することで、
図7(a)および
図8に示すように、第1配線保持部71および第2配線保持部72の間の引出口R1bから第1配線部材H1を引き出すのに際して、該第1配線部材H1を第1経路R1に沿って上方へ引き出すことができ、引出口R1bから演出制御基板34のコネクタ接続部CNへ向けた第1配線部材H1の曲げ角度を緩やかにすることができるようになっている。
【0044】
なお、実施例では、第2配線保持部72の対向部76と、敷設面R1aとの間隔L2を、第3配線保持部73の対向部76と、敷設面R1aとの間隔と同じにしたが、第2配線保持部72の対向部76を、第3配線保持部73の対向部76よりも敷設面R1aから後方へ離間させてもよい。すなわち、第2配線保持部72および第3配線保持部73は、引出口R1bを挟んで下側に位置する第2配線保持部72に保持された第2〜第5配線部材H2,H3,H4,H5のうち一部の配線部材(第2配線部材H2)を、両配線保持部72,73の間の引出口R1bから第1経路R1の外へ引き出すと共に、残りの配線部材(第3〜第5配線部材H3,H4,H5)を第3配線保持部73で保持する関係にあることから、第3配線保持部73よりも多くの配線部材H2,H3,H4,H5を保持する第2配線保持部72が第3配線保持部73よりも第1経路R1を前後方向に大きく形成するよう設けられることで、第2配線保持部72が配線部材H1,H2,H3,H4,H5を保持するのに必要な第1経路R1の左右方向への幅寸法を縮小することができる。このことは、第3配線保持部73の対向部76と、第4配線保持部74の対向部76との関係においても同様である。
【0045】
図7に示すように、前記敷設面R1a(第4壁部104)における前記第3壁部103と反対側の側縁部には、第3壁部103と対向して第1経路R1を画成する第1突壁90が第4壁部104から後方へ突出するよう設けられている。第1突壁90は、前記第1側枠部51Lにおいて上下方向に離間して複数設けられている。実施例では、合計5つの第1突壁90が、第1〜第4配線保持部71,72,73,74と上下方向に交互に位置するよう設けられている。具体的には、第1配線保持部71より下側に位置する最も下側の第1突壁90が、前記連通経路RLに臨む第1経路R1の下端部を第3壁部103との間に画成している。また、下から2つ目の第1突壁90が、上下方向において第1および第2配線保持部71,72の間に位置して、第3壁部103との間に第1経路R1の一部を画成すると共に、引出口R1bを画成している。下から3つ目の第1突壁90は、上下方向において第2および第3配線保持部72,73の間に位置して、第3壁部103との間に第1経路R1の一部を画成すると共に、引出口R1bを画成している。下から4つ目(上から2つ目)の第1突壁90は、上下方向において第3および第4配線保持部73,74の間に位置して、第3壁部103との間に第1経路R1の一部を画成すると共に、引出口R1bを画成している。そして、第4配線保持部74より上側に位置する最も上側の第1突壁90は、第1経路R1の上端部を第3壁部103との間に画成している。各第1突壁90は、各配線保持部71,72,73,74における対向部76の位置よりも敷設面R1a側に設けられると共に、前記規制部77の先端の位置(敷設面R1aに対する離間寸法)よりも大きく後方へ突出するよう設けられている。なお、各第1突壁90は、敷設面R1aから同一の突出寸法で後方へ突出するよう形成されている。また、各第1突壁90における突出端側の角部には面取りがされており、該第1突壁90の面取り部分が、各規制部77の先端部の面取り部分と上下に対向することで、該第1突壁90および規制部77の間から、該規制部77の先端および敷設面R1aの間の隙間へ向けて第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を容易に挿入し得るようになっている。
【0046】
ここで、上下に隣接する各第1突壁90の間は、前記第1経路R1の内部を第1経路R1の側方(
図7における右方)から視認するための第1視認部91として機能している。すなわち、第1〜第4配線保持部71,72,73,74の夫々に対して左右に並ぶ領域には、第1経路R1の内外に連通する開口状の第1視認部91が形成されている。そして、
図4に示すように第1視認部91を側方から視認した場合には、上下に隣接する各第1突壁90の間から、配線保持部71,72,73,74に保持された状態の第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5が目視により確認できるようになっている。なお、詳しくは後述するが、前記第1側枠部51Lには、第1経路R1と隣接して同方向(上下方向)へ延在する第2経路R2aが設けられており、該第2経路R2aが第1経路R1に対して前方(遊技盤20側)へずらして設けられることで、第1経路R1の内部を横幅方向における第2経路R2a側から第1視認部91を介して確認し得るようになっている。
【0047】
また、実施例では、第1突壁90が透明(有色透明)な合成樹脂により形成されている。従って、第1視認部91と比べて視認性は低いものの、該第1突壁90を通じて第1経路R1の内部を第1経路R1の側方(
図7における右方)から視認し得る。すなわち、第1突壁90は、第1経路R1の内部を第1経路R1の側方(
図7における右方)から視認するための視認部として機能している。
【0048】
ところで、前記第1経路R1には、
図6、
図7および
図8に示すように第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5が前後方向に重ねて収容されており、最も敷設面R1a側に位置する配線部材(
図7における第4および第5配線部材H4,H5)は、後側に重ねられる配線部材(
図7における第1〜第3配線部材H1,H2,H3)によって覆われ、第1経路R1の側方(
図7における右方)から第1視認部91を通じて確認しようとしても視認し得ないケースが生じ得る。そこで、実施例では、第1経路R1の敷設面R1aに複数の前記離間突部104b(
図8参照)を設けることで、配線部材H1,H2,H3,H4,H5を敷設面R1aから後方へ離間させるようにしている。すなわち、離間突部104bによって敷設面R1aと配線部材H1,H2,H3,H4,H5との間に隙間を生じさせることができるから、第1経路R1において最も敷設面R1a側に位置する配線部材(
図7における第4および第5配線部材H4,H5)を第1視認部91や透明な第1突壁90を通じて第1経路R1の側方(
図7における右方)から確認しようとする場合に、該配線部材H4,H5を確認することができる可能性が高められる。
【0049】
(第2経路R2について)
図7に示すように、前記第2経路R2は、前記第1経路R1の敷設面R1aを形成する前記第4壁部の延出端(第3壁部103と反対側の側端)から前記第1突壁90と反対方向(前方、遊技盤20側)へ延出する第5壁部105と、この第5壁部105の延出端(前端)から枠面部511と反対側(
図7における右側)へ延出する第6壁部106と、該第6壁部106を挟んで第5壁部105と対向する第2突壁(側壁)95と、第6配線部材H6を敷設面R2a側(第2経路R2)に保持する複数の押え片(配線保持部)105aとにより、前記第1側枠部51Lの後面側に画成されている。すなわち、第5壁部105、第6壁部106および第2突壁95は、上下方向に延在すると共に上下および後方へ開口する断面視コ字状の壁を構成している。そして、第5壁部105および第2突壁95によって左右から挟まれた第6壁部106の後面(敷設面R2a)に、第6配線部材H6が敷設されるようになっている。
【0050】
ここで、
図6に示すように、前記敷設面R2a(第6壁部106)には、前記押え片105aの前方位置に、第2経路R2に連通する逃げ孔106aが夫々形成されている。すなわち、各押え片105aは、前後方向において当該敷設面R2aの逃げ孔106aと対向するようになっている。これにより、第2経路R2に多数の配線部材(第6配線部材H6や他の配線部材)が収容されたとしても、押え片105aにかかる負荷を軽減することができるようになっている。また、敷設面R2aには、第6配線部材H6を当該敷設面R2aから後方へ離間させる複数の離間突部106bが設けられている。
【0051】
また、
図7に示すように、前記第1経路R1の敷設面R1aと、前記第2経路R2の敷設面R2aとは、前記第1側枠部51Lにおいて左右に隣接して設けられると共に、これら敷設面R1a,R2aに対する交差方向となる前後方向に離間して、前後方向に延在する第5壁部105の壁面(段差面)によって段差状に連なるよう設けられている。すなわち、第1経路R1の敷設面R1aと、第2経路R2の敷設面R2aとは、これら敷設面R1a,R2aに対する交差方向(前後方向)に高低差のある段差状に設けられている。なお、以下の説明では、前後方向における遊技盤20に隣接する前側(
図7における下側)を「低位置側」とし、前後方向における遊技盤から離間する後側(
図7における上側)を「高位置側」として説明することがある。
【0052】
ここで、前記第2経路R2は、前記第1経路R1の敷設面R1aよりも低位置側に位置するよう設けられている。より具体的には、第2経路R2の後端側を画成する前記押え片105aが、第1経路R1の敷設面R1aの延長位置または該延長位置よりも低位置側(第2経路R2の敷設面R2a側)に位置して、第2経路R2の敷設面R2aと前後に対向するよう設けられている。すなわち、第1経路R1および第2経路R2は、隣接する左右方向(各経路R1,R2が延在する上下方向に対して交差する方向であって、かつ敷設面R1a,R2aに交差する前後方向に対しても交差する方向)において重ならない程度に前後方向(敷設面R1a,R2aに交差する方向)にずらして設けられている。このように構成することで、前記第1視認部91を通じて第1経路R1を側方(
図7における右側であって、第2経路R2が位置する側)から視認する際に、第2経路R2を画成する壁(具体的には、第5壁部105、第6壁部106および第2突壁95)が妨げにならないよう構成されている。なお、実施例では、押え片105aが第1経路R1の敷設面R1aの延長位置よりも低位置側(第2経路R2の敷設面R2a側)に位置するよう設けられており、第6配線部材H6が複数の押え片105aの間から後方へ部分的に僅かにはみ出したとしても当該第6配線部材H6が第1経路R1と左右に重ならないようになっている。なお、第2経路R2の敷設面R2aは、前記連通経路RLの敷設面RLaと同一平面上で連なるよう設けられている。一方、第1経路R1の敷設面R1aは、連通経路RLの敷設面RLaよりも後側に位置するよう設けられている。
【0053】
また、前記第1経路R1の敷設面R1aと、前記第2経路R2の敷設面R2aとを段差状に繋ぐ段差面を形成する前記第5壁部105は、その延長方向(前後方向)において、第1経路R1を画成する前記第1突壁90と重なるよう設けられている。すなわち、第5壁部105の延長上に、第1経路R1を画成する第1突壁90が設けられている。このように構成することで、第1経路R1および第2経路R2の形成位置を左右に隣接させることができ、該第1経路R1および第2経路R2の間に無駄なスペースが生じないように構成されている。
【0054】
前記第2突壁95の延出端部は、
図4に示すように、側面視において前記押え片105aと重なる複数箇所がU字状に切り欠かれており、これによって第2突壁95には、第1側枠部51Lからの延出寸法が小さい部分と、延出寸法が大きい部分とが設けられている。そして、この切欠き部分(以下、「第2視認部96」と指称する)を通じて第2経路R2を側方(
図3における右側)から視認し得るようになっている。すなわち、第1経路R1および第2経路R2は、第1視認部91および第2視認部96を通じて同じ方向から視認し得るようになっている。なお、第2経路R2は、複数の前記押え片105aの間が開口状に形成されており、当該開口部分によって第2経路R2が後方へ開放されている。このため、第2経路R2は、複数の押え片105aの間の開口部分を通じて後方から視認し得るようになっている。そして、第2経路R2と隣接する第1経路R1もまた、前記引出口R1bを通じて後方から視認し得るよう構成されている。このように、第1経路R1および第2経路R2は、敷設面R1a,R2aに対する交差方向(前後方向)から同時に視認し得ると共に、敷設面R1a,R2aの隣接方向(左右方向)から同時に視認し得るよう構成されている。このように構成することで、第1経路R1および第2経路R2に夫々配設された第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6の状態を目視により確認する作業が極めて容易に行い得るようになっている。
【0055】
ところで、前記第1経路R1(敷設面R1a)および前記第2経路R2(敷設面R2a)が設けられた前記設置部材50は、遊技盤20の後面に取り付けられた状態で、前記中枠(基体)12に対して着脱自在に配設される。ここで、設置部材50(背面板51の後側)に形成される第1経路R1および第2経路R2は、前述したように段差状に前後にずらして設けられており、前記球貯留機構120(具体的には、前記ケース部材122)の周囲に生じるスペースを利用して第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6を配設し得るようになっている。
【0056】
図3に示すように、前記球貯留機構120のケース部材122は、前記第1経路R1および前記第2経路R2に沿って上下に延在している。このケース部材122は、
図7に示すように、第1経路R1に対して側方に位置することで、前記第1突壁90(前記第1視認部91)を側方から覆う状態で位置する。なお、ケース部材122は、光透過性を有する合成樹脂材により縦長の箱状に形成されており、該ケース部材122の内側に、上下に延在して前後に蛇行するよう前記球通路124が形成されている(
図4の拡大図を参照)。球通路124は、複数の第1突壁90の間に設けられた第1視認部91の全体を側方から覆わないように設けられており、球通路124にパチンコ球が貯留された状態となっても、第1視認部91を通じて中枠12の側方から第1経路R1を確認できるようになっている。また、ケース部材122は、第1経路R1に対して後方に重ならず、中枠12を後方(敷設面R1a,R2aに対する交差方向)から見た状態で、前記引出口R1bを通じて第1経路R1を視認できるようになっている。一方で、第2経路R2は、球通路124よりも前側に位置しており、ケース部材122から前方へ延出する壁125(
図7参照)によって側方から覆われることで、第1経路R1および第2経路R2に配設された第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6を保護している。また、ケース部材122から前方へ延出する壁125が光透過性を有することによって、前記壁125および第2視認部96を通じて中枠12の側方から第2経路R2を確認することができる。
【0057】
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0058】
実施例のパチンコ機10は、設置部材50の前面側に画成された収容空間53に、右発光装飾部54a(右発光基板38)、上発光装飾部54b(上発光基板39)および左発光装飾部54c(左発光基板40)が配設され、設置部材50の背面板51には、表示用開口51aの周囲に枠面部511が形成された枠面部511の後面側に、演出制御基板34および表示制御基板35を備えた制御ユニットUNが着脱自在に配設される。また、背面板51の下枠部51Uの後側(設置面部512)には、制御ユニットUNと第1〜第3配線部材H1,H2,H3で接続される統括中継基板36および枠用中継基板37がネジ等の固定手段により取り付けられる。なお、統括中継基板36は、第4〜第6配線部材H4,H5,H6によって収容空間53内の各発光基板38,39,40と接続される。
【0059】
収容空間53に複数の発光装飾部54a,54b、54cを収容し、背面板51の後側に制御ユニットUN、統括中継基板36および枠用中継基板37を配設した後には、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6を各種電気部品34,35,36,37,38,39,40に接続して敷設面RLa,R1a,R2aに敷設する。第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6の敷設面RLa,R1a,R2aは、背面板51における制御ユニットUNと前後に重なる枠面部511の外周側に形成されていることで、制御ユニットUNが設置部材50に配設された状態での第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6の取り回しが容易となっている。ここで先ず、収容空間53の内側へと繋がる第4〜第6配線部材H4,H5,H6を連通経路RL、第1経路R1および第2経路R2に配設した後に、第1配線部材H1、第2配線部材H2、第3配線部材H3の順に連通経路RLおよび第1経路Raに配設する。このように、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6を一定の順序で配線経路(連通経路RL、第1経路R1および第2経路R2)に配設することで、各配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6の位置が把握し易くなり、容易に点検作業を行えるようになる。
【0060】
第4および第5配線部材H4,H5は、一端側のコネクタを統括中継基板36に設けたコネクタ接続部CNに接続した後、連通経路RLを通過するよう敷設面RLaに敷設すると共に、第1経路R1に延在するよう取り回す。そして、第1〜第4配線保持部71,72,73,74の内側を通過して該第1経路R1の上端側へ引き出した他端側のコネクタを収容空間53側へ誘導して、該コネクタを右発光基板38および上発光基板39のコネクタ接続部CNに接続するようにする。第6配線部材H6は、一端側のコネクタを統括中継基板36に設けたコネクタ接続部CNに接続した後、連通経路RLを通過するよう敷設面RLaに敷設すると共に、第2経路R2に延在するよう取り回す。そして、敷設面R2aおよび複数の押え片105aの前後間を通過して該第2経路R2の上端側へ引き出した他端側のコネクタを収容空間53側へ誘導して、該コネクタを左発光基板40のコネクタ接続部CNに接続するようにする。
【0061】
ここで、第1経路R1および第2経路R2は、第1側枠部51Lの後面側において左右に隣接するよう設けられると共に、上下に延在して、下端側の開口が下枠部51Uの後面側に臨み、かつ上端側の開口が前記上枠部51Tの後面側に臨むよう設けられている。そして、第1経路R1には、収容空間53に配設された右発光基板38および上発光基板39へと繋がる第4および第5配線部材H4,H5が、当該第1経路R1を上下に通過するよう配設される。一方で、第2経路R2には、収容空間53に配設された左発光基板40へと繋がる第6配線部材H6が、当該第2経路R2を上下に通過するよう配設される。このように、下枠部51Uから上枠部51Tに亘って延在する同種の配線部材H4,H5,H6を複数の配線経路(第1経路R1、第2経路R2)に分けて配設することで、同種の配線部材H4,H5,H6の状態を点検する際(例えば、配線部材の接続先が相互に逆になっていないか等の点検を行う際)に、該配線部材H4,H5,H6と接続先との関係を把握し易くなり、当該点検作業を円滑に行うことができる。
【0062】
第1配線部材H1は、一端側のコネクタを枠用中継基板37に設けたコネクタ接続部CNに接続した後、連通経路RLを通過するよう敷設面RLaに敷設すると共に、第1経路R1に延在するよう取り回す。そして、第1配線保持部71の内側に当該第1配線部材H1を挿通させて該第1配線保持部71と第2配線保持部72との間の引出口R1bから後方へ向けて他端側のコネクタを引き出し、演出制御基板34に設けたコネクタ接続部CNに接続するようにする。この場合には、第1経路R1(第1配線保持部71の内側領域)のうちで最も後側に当該第1配線部材H1を挿入し、敷設面R1aに沿って敷設された第4および第5配線部材H4,H5に対して後方に離間させる。なお、第1配線部材H1と第4および第5配線部材H4,H5の間には、第2および第3配線部材H2,H3が後から挿入される。ここで、第1配線部材H1を引出口R1bから引き出すにあたり、該引出口R1bを挟んで下側(一方)に位置する第1配線保持部71に設けられた対向部76と、敷設面R1aとの間隔L1は、引出口R1bを挟んで上側(他方)に位置する第2配線保持部72に設けられた対向部76と、敷設面R1aとの間隔L2より大きく形成されているから、第1配線保持部71の内側を上方へ向けて挿通した第1配線部材H1の他端側のコネクタを、後側上方へ向けて容易に引き出すことができる。なお、第2配線保持部72の対向部76は、
図7(a)に示すように、規制部77から基部75へ向かうにつれ敷設面R1aから離間する傾斜状に形成されている。従って、第2配線保持部72の対向部76の外面(後面)が第1配線部材H1を引き出す際の案内面として利用することができる。
【0063】
また、第2配線部材H2は、一端側のコネクタを統括中継基板36に設けたコネクタ接続部CNに接続した後、連通経路RLを通過するよう敷設面RLaに敷設すると共に、第1経路R1に延在するよう取り回す。そして、第1および第2配線保持部71,72の内側に当該第2配線部材H2を挿通させて該第2配線保持部72と第3配線保持部73との間の引出口R1bから他端側のコネクタを後方へ向けて引き出し、演出制御基板34に設けたコネクタ接続部CNに接続するようにする。この場合には、第1経路R1(第1および第2配線保持部71,72の内側領域)において第1配線部材H1に対して前側に重なるように、かつ、第4および第5配線部材H4,H5に対して後側に重なるように、第2配線部材H2を挿入する。更に、第3配線部材H3は、一端側のコネクタを統括中継基板36に設けたコネクタ接続部CNに接続した後、連通経路RLを通過するよう敷設面RLaに敷設すると共に、第1経路R1に延在するよう取り回す。そして、第1〜第3配線保持部71,72,73の内側に当該第3配線部材H3を挿通して該第3配線保持部73と第4配線保持部74との間の引出口R1bから後方へ向けて他端側のコネクタを引き出し、表示制御基板35に設けたコネクタ接続部CNに接続するようにする。この場合には、第1経路R1(第1〜第3配線保持部71,72,73の内側領域)において第1および第2配線部材H1,H2の前側に重なるように、かつ、第4および第5配線部材H4,H5の後側に重なるように、第3配線部材H3を挿入する。
【0064】
すなわち、実施例のパチンコ機10は、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6が敷設される敷設面RLa,R1a,R2aが設置部材50に設けられており、第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を第1経路R1に保持する第1〜第4配線保持部71,72,73,74が該第1経路R1の延在方向(上下方向)に離間して複数設けられて、第1および第2配線保持部71,72の間に、第1経路R1を外側へ開放する引出口R1bが設けられている。また、第1および第2配線保持部71,72は、敷設面R1aと離間して対向する対向部76を夫々備えており、該対向部76および敷設面R1aの間に第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を保持するよう構成されている。そして、引出口R1bを挟む下側に位置する第1配線保持部71に設けられた対向部76と敷設面R1aとの間隔が、引出口R1bを挟む上側に位置する第2配線保持部72に設けられた対向部76と敷設面R1aとの間隔より大きく形成されており、第1配線保持部71に保持された第1配線部材H1を、第1および第2配線保持部71,72の間の引出口R1bから第1経路R1の外側へ引き出すと共に、残りの第2〜第5配線部材H2,H3,H4,H5を、第2配線保持部72で保持するよう構成されている。これにより、第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を保持することで配線部材の保持数が多い第1配線保持部71に設けられる対向部76を、配線部材の保持数が少ない第2配線保持部72に設けられる対向部76よりも敷設面R1aに対して大きく離間させることで、第1〜第4配線保持部71,72,73,74によって第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を第1経路R1に確実に保持可能な構成とすることができる。また、第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を敷設面R1aから対向部76へ向けて前後方向に重ねることができるから、第1経路R1の横幅寸法を縮小しつつ、多くの配線部材H1,H2,H3,H4,H5を第1経路R1に配設することができる。
【0065】
しかも、第1経路R1の下端部(一方端部)に連通して該第1経路R1と交差する左右方向に延在する連通経路RLが形成されており、第1配線部材H1を第1経路R1から引き出すための引出口R1bが、第1経路R1における下端側に偏倚した位置に対応して設けられると共に、該引出口R1bと連通経路RLとの間に第1配線保持部71が設けられている。そして、第1配線部材H1は、連通経路RLから第1経路R1に延在して第1配線保持部71に保持されると共に、該第1配線部材H1が引出口R1bから第1経路R1の外側へ引き出されて、第1配線保持部71の対向部76よりも後方(敷設面R1aから離間する側)で、演出制御基板34(所定の電気部品)のコネクタ接続部CNに接続するよう構成されている。すなわち、連通経路RLから第1経路R1へ向けて曲げられる第1〜第5配線部材H1,H2,H3,H4,H5を第1配線保持部71によって確実に保持し、第1経路R1に沿って延在させることができる。また、引出口R1bから第2配線保持部72の後方へ向けて、第1経路R1に沿って第1配線部材H1を引き出すことができる。
【0066】
また、実施例のパチンコ機10は、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6が敷設される敷設面RLa,R1a,R2aが設置部材50に設けられると共に、該設置部材50には、第1経路R1および第2経路R2が上下方向(所定方向)に並列に延在するよう設けられ、該第1経路R1および第2経路R2の各敷設面R1a,R2aが該敷設面R1a,R2aに対する交差方向としての前後方向において前後差(高低差)のある段差状に形成されて、前後方向において後側(高位置側)に第1経路R1が位置すると共に、該第1経路R2よりも前側(低位置側)にずれた位置に第2経路R2が位置するよう構成されている。そして、第1経路R1を横幅方向における第2経路R2側から視認可能とするための第1視認部91と、第2経路R2を横幅方向における第1経路R1と反対側から視認可能とするための第2視認部96とを備えている。すなわち、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6を第1経路R1および第2経路R2に分けて配設することができるから、例えばメンテナンス等において特定の配線部材だけを容易に取り出すことができる。また、第1経路R1に配設された各配線部材H1,H2,H3,H4,H5および第2経路R2に配設された配線部材H6を、該第1および第2経路R1,R2の横幅方向から同時に確認できるから、第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6の点検を容易に行うことができる。
【0067】
また、第1経路R1および第2経路R2の各敷設面R1a,R2aを繋ぐ段差面が設けられると共に、段差面を形成する第5壁部105の延長上に、第1経路R1を画成する第1突壁(側壁)90が設けられ、第2経路R2に第6配線部材H6を保持する押え片105aが、第1経路R1の敷設面R1aの延長位置または該延長位置よりも第2経路R2の敷設面R2a側で当該第2経路R2の敷設面R2aと対向するよう設けられている。すなわち、第1経路R1および第2経路R2を、横幅方向に近接させて設けることができる。また、第1経路R1と第2経路R2とを横幅方向に重ならないよう前後方向(敷設面R1a,R2aに対する交差方向)にずらして設けることで、第1経路R1および第2経路R2を横幅方向から視認し易くすることができる。
【0068】
更に、球貯留機構(所定の遊技機構成部品)120が設けられる中枠(基体)12に対して設置部材50が着脱自在に配設されており、球貯留機構120は、第2経路R2に対して前後方向(敷設面R1a,R2aに対する交差方向)の後側(高位置側)に位置すると共に、第1経路R1に対して横幅方向における第2経路R2側に位置するよう設けられている。そして、中枠12に設置部材50(遊技盤20)および球貯留機構120が設けられた状態で、前後方向(敷設面R1a,R2aに対する交差方向)の後側(高位置側)から第1経路R1を視認し得ると共に、第2視認部96を通じて第2経路R2を視認し得るよう構成されている。すなわち、球貯留機構120を中枠12に配設するにあたり、第1経路R1および第2経路R2を前後にずらして段差状に設けることにより生じるスペースを利用することができる。また、設置部材50および球貯留機構120が中枠12に配設された状態でも、第1経路R1および第2経路R2に配設された第1〜第6配線部材H1,H2,H3,H4,H5,H6を目視で確認することができる。
【0069】
〔変更例〕
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、配線部材の敷設面を備えた設置部材を遊技盤の後面に設けるよう構成したが、遊技盤に敷設面を設けて、当該遊技盤が設置部材として機能するようにしてもよいし、他の遊技機構成部材に敷設面を設けて、当該他の部材が設置部材として機能するようにしてもよい。
(2) 実施例では、設置部材を背面板および外周板により箱状に構成したが、設置部材の形状は箱状に限られるものではなく、例えば設置部材を平板状に設けてもよい。
(3) 実施例では、設置部材の背面板の後面に配線部材の敷設面(および配線経路)を設けたが、背面板の前面に敷設面(および配線経路)を設けるようにしてもよいし、外周板に敷設面(および配線経路)を設けるようにしてもよい。
(4) 実施例では、複数の配線部材を同方向に延在する複数の配線経路(第1経路および第2経路)に分岐するよう配設したが、これらの配線部材を1つの配線経路に配設するよう構成してもよい。
(5) 実施例では、複数の配線経路(第1経路および第2経路)を同方向に直線状に延在するよう設けたが、各配線経路の形状は直線状に限られるものではなく、例えば曲線状に形成してもよい。
(6) 実施例では、敷設面に対する交差方向(前後方向)において高位置側(後側)に位置する配線経路(第1経路)に対応する第1視認部と、低位置側(前側)に位置する配線経路(第2経路)に対応する第2視認部とを設け、第1視認部および第2視認部を通じて各配線経路を横幅方向から視認し得るよう構成したが、第1視認部および第2視認部の少なくとも何れかを設けず、一方の配線経路のみを横幅方向から視認し得るようにしてもよい。
(7) 実施例では、第1視認部を、配線経路(第1経路)の側壁を構成する複数の突壁(第1突壁)の間に開口状に設けるよう構成すると共に、第2視認部を、配線経路(第2経路)の側壁を構成する1つの突壁(第2突壁)に切欠き状に設けるよう構成したが、第1視認部を切欠き状に設けてもよいし、第2視認部を開口状に設けてもよい。また、第1視認部および第2視認部は、突壁(第1突壁や第2突壁)を光透過性を有するよう形成することで配線経路を視認可能とするものであってもよい。
(8) 実施例では、複数の配線経路(第1経路および第2経路)の高低差によって生じるスペースを利用して、遊技機構成部品としての球貯留機構を設けたが、当該スペースを利用して他の遊技機構成部品を設けるようにしてもよい。
(9) 実施例では、演出制御基板、表示制御基板、統括中継基板および枠用中継基板の少なくとも何れかに接続する配線部材を例示したが、例えば主制御基板等の他の電気部品に接続する配線部材であってもよい。
(10) 実施例では、配線経路(第1経路)に配線部材を保持する配線保持部を、制御ユニットを支持する係合支持部を構成する壁部(第2壁部)に設けたが、該係合支持部とは異なる部位に配線保持部を設けるようにしてもよいし、制御ユニットとは異なる遊技機構成部材を支持するための係合支持部に配線保持部を設けるようにしてもよい。
(11) 実施例では、複数の配線保持部のうちで配線経路(第1経路)の一方端側(下端側)に偏倚した位置に対応して設けられる最も下側の引出口を挟んで位置する第1配線保持部および第2配線保持部の関係において、第1配線保持部の対向部と、敷設面との間隔を、第2配線保持部の対向部と、敷設面との間隔より大きくする一方、第2〜第4配線保持部については対向部および敷設面の間隔を一定としたが、第2配線保持部の対向部と、敷設面との間隔を、第3配線保持部の対向部と、敷設面との間隔より大きくしてもよい。
(12) 実施例では、複数の配線保持部のうちで最も下側の第1配線保持部に対応する位置に第1視認部を設けると共に、該第1視認部を挟んで位置する下側および上側の第1突壁の後方への突出寸法を同じとしたが、該第1視認部を挟んで位置する下側(第1配線保持部より下側)の第1突壁の後方への突出寸法を、該第1視認部を挟んで位置する上側(第1配線保持部より上側)の第1突壁の後方への突出寸法よりも大きく形成してもよい。
(13) 実施例では、配線経路(第1経路)の敷設面に逃げ孔を形成することで、該配線経路への配線部材の挿入作業を容易としたが、逃げ孔を形成しないようにしてもよい。
(14) 実施例では、配線経路(第1経路)の敷設面に離間突部を形成することで、配線経路内に位置する配線部材を敷設面から離間させるようにしたが、離間突部を形成しないようにしてもよい。
(15) 実施例では、配線経路(第1経路)の敷設面において第1視認部との対応位置に逃げ孔を形成すると共に、逃げ孔を挟む両側に離間突部を夫々形成することで、離間突部によって敷設面から離間させた配線経路内に位置する配線部材を第1視認部から視認し得るようにしたが、敷設面において逃げ孔の形成位置に関係なく他の位置に離間突部を形成するようにしてもよい。
(16) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。