【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の実施例1に係る間仕切りパネル取着構造を天井パネルの上側(天井裏)から視た斜視図である。
図2は、
図1の間仕切りパネル取着構造の要部の分解斜視図である。
図3は、
図1の間仕切りパネル取着構造の(a)要部側面図、(b)正面図及び(c)鴨居レール1端部の拡大斜視図である。尚、
図2においては、説明のため、鴨居レール1及び通気管3の一部を破断面として表示している。尚、実際には間仕切りパネル取着構造は、天井裏の梁などの構造材に固定金具等によって固定されるが、見易くするために、図では構造材や固定金具等は図示を省略している。また、
図1,
図2においては、説明の便宜のために、鴨居レール1及び通気管3の端部が開放された状態を示しているが、実際に使用する際には、鴨居レール1及び通気管3の端部はキャップ(図示せず)によって閉塞される。
【0028】
実施例1の間仕切りパネル取着構造Sは、鴨居レール1、鴨居レール1の溝内に複数個開口形成された吸込口2、鴨居レール1の上面に固定された通気管3、通気管3の左右両側から通気管3の下面側端付近にかけて被着された断面L字状の固定金具4,4、通気管3と連通して通気管3上部に取り付けられた2つのチャンバ5,5、各調圧チャンバ5,5と排気ダクト24(
図4参照)との間を接続するチャンバ接続管6,6、及び各チャンバ接続管6,6に設けられた吸引ファン7,7を備えている。
【0029】
本実施例の間仕切りパネル取着構造Sは、鴨居レール1の長手向きの中央点Oを対称中心として2回対称に形成されている。
図1において、点Oが鴨居レール1の長手向きの中央点、中央点Oを通り鴨居レール1に垂直な軸Aが対称軸を表している。間仕切りパネル取着構造Sは、対称軸Aの回りに180度回転させると、元の構造に丁度重なるため、2回対称の対称性を有している。
【0030】
鴨居レール1は、溝口が下向きに開口するように天井パネルCLに設置されている。鴨居レール1の溝形状は、間仕切り用パネルの上辺に付設される鴨居ライナが摺動自在に嵌合可能な形状に形成されている。本発明では、溝形状に関しては特に限定するものではなく、それぞれの鴨居ライナの形状に適宜対応して作成することができる。本実施例においては、鴨居レール1は、リップ溝形鋼状に形成され、リップが、両側壁の下端から内向して延びるリップ基部1a,1aと、リップ基部1a,1aの端縁を溝外側に向かって直角に反曲したリップ垂直部1b,1bと、リップ垂直部1b,1bの下端を外向して直角に反曲したリップ鍔部1c,1cとからなる。また、鴨居レール1の上端面は左右に張り出したフランジ1d,1dが形成され、当該上端面の中央部には全長に亘って通気凹溝1eが形成されている。また、鴨居レール1の左右の溝内側面の一方には、ガイドレール1fが突出形成されている。
【0031】
吸込口2は、円形孔であり、鴨居レール1の上端面の中央(すなわち通気凹溝1eの中央)に、鴨居レール1の長手方向に並列して貫通形成されている。各吸込口2は、鴨居レール1の長手方向中央を境として前後2群に区分され、各群内においては、各吸込口2は等間隔に配列されている。また、両群の各吸込口2は、鴨居レール1の長手方向中央を対称中心として前後対称に配置されている。
【0032】
尚、吸込口2の間隔については、鴨居レール1の溝内に十分な速度の気流が生じるように、鴨居レール1の長さ、幅、吸引ファン7の吸引圧等に応じて、適宜設計し、変更することができる。
【0033】
通気管3は、断面が矩形状の直管である。通気管3の幅(短手方向の長さ)はフランジ1d,1dを含めた鴨居レール1の上面の幅と同幅である。また、通気管3の長さ(長手方向の長さ)は、鴨居レール1の長さと同一である。通気管3は、鴨居レール1と前後左右の端部位置を合致させ、空気漏れが生じないように鴨居レール1の上面に気密に密着して設けられている。また、通気管3の底面には、鴨居レール1の各吸込口2に対応する位置に、通気口3aが貫通形成されている(
図2参照)。また、通気管3の上面には、複数のチャンバ接続継手3bが突出形成されている(
図2参照)。各チャンバ接続継手3bは円筒状の短管であり、通気管3の上面に垂直に連結され、下端側は通気管3の管内と連通している。各チャンバ接続継手3bは、通気管3の長手方向中央を境として前後2群に区分され、各群内においては、各チャンバ接続継手3bは等間隔に配列されている。また、両群の各チャンバ接続継手3bは、通気管3の長手方向中央を対称中心として前後対称に配置されている。
【0034】
通気管3の左右にある固定金具4,4は、通気管3を鴨居レール1の上面に圧着するための金具である。各固定金具4は、山形鋼(アングル)であり、垂直板部の内側面を通気管3の側面に密着してボルト固定され、水平板部の内側面を鴨居レール1のフランジ1d下面に密着してボルト固定されている(尚、各図ではボルトは省略)。これにより、通気管3は鴨居レール1の上面に圧着され、鴨居レール1上面の通気凹溝1eと通気管3底面とで囲繞された空間領域(通気凹溝1eの溝内空間)(
図3(b)参照)は、外部に対して漏気のない状態となる。
【0035】
2つのチャンバ5,5は、各通気口3aに加わる吸引圧力を均一化するために設けられたバッファ(気圧緩衝室)である。各チャンバ5は、両端が盲端の円筒形状の罐体であり、中心軸が鴨居レール1及び通気管3と平行となるように横倒して設置されている。また、両チャンバ5,5は同型であり、通気管3の長手方向中央を対称中心として前後対称に配置されている。各チャンバ5の下面には、通気管3の各チャンバ接続継手3bに対向する位置に、吸引管5aが突設されており、この吸引管5aをチャンバ接続継手3bに接続することによって、通気管3とチャンバ5とは連通されている。
【0036】
尚、
図4では、吸引管5a及びチャンバ接続継手3bの本数は、各チャンバ5につき5本とした例を示しているが、この本数は、チャンバ5や通気管3の長さ、断面積等に応じて、通気管内の吸引圧が均等となるように、適宜設計し、変更することができる。
【0037】
2つのチャンバ接続管6,6は、それぞれ、各チャンバ5,5内の空気を外部に吸引排出するための配管である。両チャンバ接続管6,6は同型に形成されており、通気管3の長手方向中央を対称中心として2回対称となるように配置されている。各チャンバ接続管6のチャンバ5に接続される側(以下「先端側」という。)の先端部は2つに分岐しており、各分岐管がチャンバ5の両端付近の側面に接続されている。また、各チャンバ接続管6の基端側は、後述するように、室内空気の循環空調を行うための空調機ダクトの、除塵フィルタ上流側に接続されている(
図4参照)。
【0038】
吸引ファン7,7は、それぞれ各チャンバ接続管6,6の途中に設けられたファンであり、チャンバ接続管6内の空気を、チャンバ接続管6の先端側から基端側の方向(排出方向)へ圧送する。
【0039】
尚、本実施例に於いては、各吸込口2から室内空気を吸引排出する「吸引排気路」は、通気管3、チャンバ5及びチャンバ接続管6によって構成されている。
【0040】
図4は、実施例1に係る間仕切りパネル取着構造を部屋に設置した状態を表す平面配管図である。
図4において、灰色に着色した部分が、
図1の間仕切りパネル取着構造Sである。
図4の間仕切りパネル取着構造Sは、部屋Rの中央を2つに区画する間仕切り用パネルを室内に設置するために、部屋Rの室内の天井に設置されている。
【0041】
部屋Rを間仕切り用パネルによって2つに区画した際の小部屋R1,R2の中央部の天井には、空調用の天井吹出口21,21が設置されている。各天井吹出口21には、空調用の給気ダクト22が接続されており、給気ダクト22及び天井吹出口21を通して空調用の空気が室内に供給される。
【0042】
各小部屋R1,R2の4隅の天井には、排気口23,23,23,23が設けられており、各排気口23には排気ダクト24が接続されている。排気ダクト24の下流側は除塵フィルタ(図示せず)と空調機(図示せず)が接続されている。循環式空調機は、排気ダクト24を介して各排気口23から室内空気を吸引し、除塵フィルタで除塵し温湿度の調整を行った後に、給気ダクト22を介して天井吹出口21から空調空気を室内へ送風する。
【0043】
本実施例の間仕切りパネル取着構造Sのチャンバ接続管6,6の下流端は、上記の排気ダクト24に接続されている。従って、吸引ファン7,7によって鴨居レール1の各吸込口2からチャンバ接続管6へ吸引された室内空気は、排気ダクト24から除塵フィルタ及び空調機へと送られる。
【0044】
以上のように構成された本実施例の間仕切りパネル取着構造Sについて、以下その作用効果を説明する。
【0045】
図5は、本実施例の間仕切りパネル取着構造Sに(a)間仕切りパネルPを取り付けた状態と、(b)間仕切りパネルPを取り外した状態を表す図である。
【0046】
図5(a)に示すように、間仕切りパネルPは、上縁端面に、鴨居レール1の溝内に摺動自在に嵌合することが可能な構造の鴨居ライナ30を備えている。鴨居ライナ30は、回転軸31、上側ローラ32、及び下側ローラ33を備えている。回転軸31は、先端部が間仕切りパネルPの上縁端面に垂直に突出して設けられている。回転軸31の先端部には、上側ローラ32及び下側ローラ33が軸設されており、上側ローラ32は鴨居レール1の溝内のガイドレール1f上部に、下側ローラ33は鴨居レール1の溝内のガイドレール1f下部に遊嵌されている。回転軸31は自由に回転することが可能であり、間仕切りパネルPを鴨居レール1に沿って移動させると、回転軸31に軸支された上側ローラ32及び下側ローラ33が回転して鴨居レール1の溝内を転動する。
【0047】
回転軸31の下端には、回転軸31を軸承する軸受け部34が接続され、さらに軸受け部34の下側は、間仕切りパネルP内に内設されたダンパ35のダンパ軸35aに接続されている。ダンパ35は垂直向きに伸縮するバネ材を備え、そのバネ弾性によってダンパ軸35aを上下方向に付勢する。また、間仕切りパネルPの上縁端面の左右両側には、ゴムなどの弾性体(エラストマー)により構成されたシーリング材36,36が突設されている。間仕切りパネルPを鴨居レール1に取り付けた状態では、シーリング材36,36の上端面が鴨居レール1のリップ鍔部1cの下面に密着した状態となる。これによって、鴨居レール1の溝内に室内空気が流入するのが妨げられる。
【0048】
従って、間仕切りパネルPを鴨居レール1全体に取り付けた状態では、鴨居レール1の溝内には室内空気は殆ど流入せず、また、室内から鴨居レール1の溝内に塵埃が侵入することもない。
【0049】
一方、間仕切りパネルPを鴨居レール1から外した状態に於いては、
図5(b)に示したように、鴨居レール1の溝口は、室内に向かって開放された状態となり、鴨居レール1の溝内に塵埃が侵入可能となる。しかし、この状態に於いては、吸引ファン7によって、鴨居レール1の溝内の空気は溝奥部に設けられた吸込口2から吸引排気され、
図5(b)に矢印で示したように、鴨居レール1の溝内には空気の流れが生じる。そのため、仮に鴨居レール1の溝内に塵埃が侵入したとしても、気流によって塵埃は溝内に付着又は堆積することなく、吸込口2からチャンバ接続管6へ吸い出される。これにより、鴨居レール1溝内への塵埃の付着又は堆積を防止することができ、その結果、再び間仕切りパネルPを鴨居レール1に装着又は展開する際に、鴨居レール1溝内に堆積又は付着した塵埃が室内に落下するというようなことが防止され、室内の清浄度を高く保つことができる。
【0050】
さらに、前述したように、本実施例の間仕切りパネル取着構造Sは、鴨居レール1の長手向きの中央点Oを通る垂直軸A(
図1参照)を回転対称軸として2回対称に形成されている。従って、吸引ファン7の作動により鴨居レール1内に生じる気流は、鴨居レール1の中央点Oを中心としてほぼ対称な気流となる。そのため室内に作られる気流の対称性も高くなり、室内に発生する乱流を極力抑制することができる。これによって、室内における塵埃の舞い上がりを抑制することができ、室内の清浄度を極力高く保つことができる。尚、本実施例では、間仕切りパネル取着構造Sを2回対称とした例を示したが、鴨居レール1内に生じる気流はほぼ対称な気流とするという観点からは、間仕切りパネル取着構造Sを、鴨居レール1の長手向きの中央点Oを含み鴨居レール1の長手向き中心軸に対し垂直な面(
図1の軸Aを含み鴨居レール1に垂直な面)に対して面対称な構造に構成してもよい。
【実施例2】
【0051】
実施例2では、実施例1の間仕切りパネル取着構造に、さらに吸引ファンの作動及び停止の切り換えを行う作動切換スイッチ装置を備えた構成の例を示す。
図6は、(a)実施例2に係る間仕切りパネル取着構造の鴨居レール1の一端部周辺の拡大透視側面図、及び(b)作動切換スイッチ装置40の分解斜視図である。尚、
図6において、実施例1と同様の構成部分については、同符号を付し、説明は省略する。
【0052】
本実施例2の間仕切りパネル取着構造における鴨居レール1では、
図6(a)に示すように、一端部のレール溝内に作動切換スイッチ装置40を備えている。作動切換スイッチ装置40は、通常のリミットスイッチを使用しており、その構造は
図6(b)に示した通りである。作動切換スイッチ装置40は、スイッチ本体40aの側面にブランジャー40bが突設されており、このブランジャー40bは、スイッチ本体40a内部のバネにより軸方向に往復動自在に取り付けられている。ブランジャー40bを押圧して、ブランジャー40bがスイッチ本体40aに押し込まれるとスイッチはオフ状態となり、ブランジャー40bにかかる押圧力が開放されるとスイッチはオン状態となる。スイッチ本体40aは、
図6(a)に示すように、取り付け金具40cによって、鴨居レール1の一端部のレール溝内にネジ止めされている。このとき、ブランジャー40bは、間仕切りパネルPの鴨居ライナ30の上側ローラ32の軌道上に位置し、ブランジャー40bの中心軸が当該軌道と平行となるように配置されている。従って、間仕切りパネルPの一端が部屋の壁に当接するまで移動すると、上側ローラ32が作動切換スイッチ装置40のブランジャー40bに当たり、ブランジャー40bをスイッチ本体40a内部に押し込んで、作動切換スイッチ装置40はオフ状態となる。間仕切りパネルPの一端が部屋の壁から離れると、作動切換スイッチ装置40はオン状態となる。これにより、作動切換スイッチ装置40は、鴨居レール全体に間仕切り用パネルPが取着又は展開された状態を検知するとオン状態となり、鴨居レール1の一部又は全体に間仕切り用パネルPが取着又は展開されていない状態を検知するとオフ状態となる。
【0053】
尚、間仕切りパネルPが勢いよく当たった際に作動切換スイッチ装置40が破損することを防止するために、鴨居レール1の端部の溝口には、作動切換スイッチ装置40のスイッチ本体40aを覆うように、エンドキャップ1gが設けられている(
図6(a),
図7参照)。
【0054】
図7は、(a)
図6の作動切換スイッチ装置40が設けられた鴨居レール1の一端部周辺を室内から視た斜視図、及び(b)吸引ファン7のスイッチ回路を示した回路図である。作動切換スイッチ装置40が設けられた鴨居レール1の一端部Eには、当該端部Eに連設して、壁パネルWLに沿って垂直に戸当り部材41が設けられている。間仕切りパネルPを鴨居レール1全体に取着又は展開したときに、間仕切りパネルPの側端縁はこの戸当り部材41に嵌合し密閉状態となる。戸当り部材41は、間仕切りパネルPが当接する部分が、ゴムなどの弾性体(エラストマー)で構成されており、間仕切りパネルPが当接した状態で気密性が保たれた状態となる。
【0055】
また、端部Eの近傍の天井パネルCLには、
図7(a)に示すように、レール排気ランプ42,42が設けられている。各レール排気ランプ42,42は、鴨居レール1の両側にそれぞれ設けられており、部屋Rを間仕切りパネルPにより小部屋R1,R2に区画した際に、それぞれの小部屋R1,R2から何れか一方のレール排気ランプ42,42を視認することができるようにされている。
【0056】
吸引ファン7、作動切換スイッチ装置40、レール排気ランプ42,42、及び吸引ファン7の電源43は、
図7(b)に示したようにそれぞれ接続されている。
鴨居レール全体に間仕切り用パネルPが取着又は展開された状態では、作動切換スイッチ装置40がオフ状態となり、吸引ファン7は停止し、レール排気ランプ42,42は消灯する。この状態では、鴨居レール1全体が間仕切り用パネルPの上端縁により閉塞されており、塵埃が鴨居レール1の溝内に侵入しないため、吸引ファン7を作動する必要は無い。従って、このような状態では吸引ファン7を停止させることで、無駄なエネルギー消費を抑えることができる。一方、鴨居レール1の一部又は全体に間仕切り用パネルPが取着又は展開されていない状態となると、作動切換スイッチ装置40がオン状態となり、吸引ファン7は作動し、レール排気ランプ42,42は点灯する。これにより、鴨居レール1の溝内に塵埃が付着又は堆積することが防止される。また、使用者は、レール排気ランプ42,42を視て、吸引ファン7が正常に運転されているか否かを確認することができる。
【実施例3】
【0057】
実施例3では、作動切換スイッチ装置の他の実施例を示す。本実施例3では、実施例2のリミットスイッチの代わりに、作動切換スイッチ装置40として、吸引ファン7のモータを流れる電流を検出することによって吸引ファン7の作動及び停止の切り換えを行う切り換え回路を用いる。
【0058】
図8は、実施例3に係る間仕切りパネル取着構造における吸引ファン7のスイッチ回路を示した回路図である。尚、本実施例に於いて、スイッチ回路以外の構成に関しては実施例1と同様であり、説明は省略する。
【0059】
本実施例の吸引ファン7の作動切換スイッチ装置40は、切換制御回路44、電流センサ45,46、スイッチ回路47、及び抵抗48を備えている。尚、
図8において、レール排気ランプ42及び電源43は、
図7のものと同様である。
【0060】
電流センサ45は吸引ファン7のモータ電流を検出するセンサである。スイッチ回路47及び抵抗48は、電源43に対し、吸引ファン7と並列に接続されている。電流センサ46はスイッチ回路47及び抵抗48を流れる電流を検出するセンサである。切換制御回路44は、電流センサ45,46の検出した電流値に基づいて、吸引ファン7のモータへの通電のオン/オフ切り換えを行う回路である。
【0061】
まず、吸引ファン7がオフ状態にある場合に於ける切り換え動作を説明する。吸引ファン7のファンモータが停止した状態、すなわち、切換制御回路44がファンモータへの通電をオフとしている状態においては、切換制御回路44はスイッチ回路47をオン状態としている。この状態に於いて、間仕切りパネルPが鴨居レール1から取り外されて、鴨居レール1の溝内に室内の空気が流入可能となったとする。このとき、排気ダクト24からは室内空気が吸引排出されており、排気ダクト24内は室内に対して負圧状態にある。従って、吸込口2から通気管3、チャンバ5、チャンバ接続管6を通って排気ダクト24へ室内空気が緩やかに吸引される(
図4参照)。この際、チャンバ接続管6内に気流が生じることにより、停止状態の吸引ファン7のプロペラが回転し、ファンモータに起電力が生じる。この起電力によって、スイッチ回路47及び抵抗48に微弱な電流が流れ、この電流が電流センサ46によって検出される。そこで、切換制御回路44は、吸引ファン7のオフ状態に於いて、電流センサ46により検出される電流が所定時間T1以上所定の閾値I1を超えた状態が継続した場合、間仕切りパネルPが鴨居レール1から取り外されたものと判定し、スイッチ回路47をオフするとともに、吸引ファン7のファンモータへの通電をオン状態に切り替える。これにより、吸引ファン7が起動し、レール排気ランプ42,42が点灯する。尚、「電流が所定時間T1以上所定の閾値I1を超えた状態が継続した場合」としたのは、ノイズや突発的な気流の乱れによる吸引ファン7のプロペラの一時的な回転の影響等による誤動作を排除するためである。
【0062】
次に、吸引ファン7がオン状態にある場合に於ける切り換え動作を説明する。吸引ファン7のファンモータが作動している状態、すなわち、切換制御回路44がファンモータへの通電をオンとしている状態においては、切換制御回路44はスイッチ回路47をオフ状態とし、抵抗48には電流が流れない状態としている。ファンモータには、定常運転時の電流が流れており、電流センサ45はこの電流の電流値を検出している状態にある。この状態に於いて、間仕切りパネルPが鴨居レール1全体に取着又は展開され、鴨居レール1の溝内に室内空気が流入しなくなったとする。鴨居レール1への空気流入が停止されると、吸引ファン7の排気によって、チャンバ接続管6の吸引ファン7より上流側の気圧が低下し、吸引ファン7の負荷が増大する。この負荷の増大に伴って、吸引ファン7のファンモータの通電電流も増大する。このファンモータの通電電流も増大が電流センサ45によって検出される。そこで、切換制御回路44は、吸引ファン7のオン状態に於いて、電流センサ45により検出される電流が所定時間T2以上所定の閾値I2を超えた状態が継続した場合、間仕切りパネルPが鴨居レール1全体に取着又は展開されたものと判定し、吸引ファン7のファンモータへの通電をオフ状態に切り替えるとともに、スイッチ回路47をオンする。これにより、吸引ファン7が停止し、レール排気ランプ42,42が消灯する。尚、ファンモータの通電電流も増大は、吸引ファン7の負荷が増大したとき以外にも、ファンモータの起動時の高トルク状態においても生じる。従って、ファンモータの起動時における通電電流の増大と判別するために、判定のための所定時間T2は、ファンモータの起動から定常状態に至るまでの時間よりも長い時間に設定しておくか、又はファンモータの起動から定常状態に至るまでの一定の時間帯は、ファンモータの停止を禁止するようにしておく必要がある。
【0063】
尚、本実施例に於いては、切換制御回路44は電流センサ45,46の検出する電流値を閾値判定することによって、吸引ファン7がオン/オフ切り換えを行う構成としたが、電流センサ46の代わりに、抵抗48の両端の電圧を検出して閾値判定する構成とすることもでき、また、電流センサ45の代わりに、
図8の電流センサ45の位置に抵抗器を挿入してその抵抗の両端の電圧を検出して閾値判定する構成とすることもできる。