特許第6283341号(P6283341)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283341
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】間仕切りパネル取着構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20180208BHJP
   E04H 5/02 20060101ALI20180208BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   E04B2/74 541H
   E04H5/02 B
   F24F7/06 C
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-220108(P2015-220108)
(22)【出願日】2015年11月10日
(65)【公開番号】特開2017-89213(P2017-89213A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2017年8月9日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年5月31日に国立大学法人金沢大学附属病院第13、第14手術室内にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(73)【特許権者】
【識別番号】000132666
【氏名又は名称】株式会社セントラルユニ
(74)【代理人】
【識別番号】100121371
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 和人
(72)【発明者】
【氏名】郡 明宏
(72)【発明者】
【氏名】浜野 拓微
(72)【発明者】
【氏名】竹田 次郎
(72)【発明者】
【氏名】神保 直人
(72)【発明者】
【氏名】河村 将之
(72)【発明者】
【氏名】河越 健一
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−028482(JP,A)
【文献】 特開平10−245919(JP,A)
【文献】 特開昭63−173733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74
E04H 5/02
F24F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の天井に設置され、室内を仕切る間仕切り用パネルの上辺に付設される鴨居ライナが摺動自在に嵌合する鴨居レールと、
前記鴨居レールの溝内に、前記鴨居レール全体に亘って所定の間隔で複数個設けられた吸込口と、
上流側の端が前記各吸込口に接続された吸引排気路と、
前記吸引排気路に設けられ、前記吸引排気路を通して前記各吸込口から室内空気を排出する方向に圧送する吸引ファンと、
前記吸引ファンの作動及び停止の切り換えを行う作動切換スイッチ装置と、を備え、
前記作動切換スイッチ装置は、前記鴨居レール全体に前記間仕切り用パネルが取着又は展開された状態を検知するとオンとし、前記鴨居レールの一部又は全体に前記間仕切り用パネルが取着又は展開されていない状態を検知するとオフとなるスイッチ動作を行うものであることを特徴とする、間仕切りパネル取着構造。
【請求項2】
前記部屋には、室内の空気を排出するための排気ダクトが接続されており、
前記吸引排気路は、その下流側の端が、前記排気ダクトの管路の途中に接続されていることを特徴とする、請求項1記載の間仕切りパネル取着構造。
【請求項3】
前記吸引排気路は、前記鴨居レールの前記各吸込口に連通接続された吸引管と、
複数の前記吸引管が接続された、一乃至複数のチャンバと、
前記各チャンバの其々に一対一対応して一乃至複数設けられ、前記各チャンバと前記排気ダクトとの間を接続するチャンバ接続管と、を備え、
前記吸引ファンは前記チャンバ接続管の途中に配設されていることを特徴とする、請求項2記載の間仕切りパネル取着構造。
【請求項4】
複数の前記吸込口を備えた前記鴨居レールは、当該鴨居レールの長手向きの中央を対称中心として対称に形成されていることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一記載の間仕切りパネル取着構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋の室内を仕切る間仕切り用パネルを部屋に取り付けるための間仕切りパネル取着構造に関し、特に、手術室やクリーンルームのような高い空気清浄度を必要とされる部屋に用いるのに適した間仕切りパネル取着構造に関する。
【背景技術】
【0002】
1つの大部屋を複数の小部屋に区画して使用するのに、間仕切りパネルが使用される。例えば、会議室、手術室、クリーンルームなどの部屋を、使用目的によって大部屋として使用したい場合と、複数の小部屋として使用したい場合などに、このような間仕切りパネルが使用される。斯かる間仕切りパネル取り付け構造としては、特許文献1−4に記載のものが公知である。
【0003】
特許文献1に記載の間仕切りパネル取り付け構造は、通常の会議室などの部屋の間仕切りの取り付け構造である。一般に、間仕切りパネル取り付け構造は、天井に鴨居レールを備えるとともに、間仕切りパネルの上縁辺に取り付けられた鴨居ライナを鴨居レールに嵌合させた構造を採る。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の間仕切りパネル取り付け構造では(同文献の図1図2参照)、間仕切りパネル(パネル本体10)には、上縁辺に、垂直軸(22)により軸支された2つのローラ(側壁ローラ24,25)を備えた鴨居ライナ(上ガイド部20)が設けられており、部屋の天井には、下向きに開口する断面角C字型の鴨居レール(上レール40)が設けられている。そして、ローラ(側壁ローラ24,25)が鴨居レール(上レール40)の溝内を転動することによって、間仕切りパネル(パネル本体10)を移動自在に天井に取り付ける構造を採る。
【0005】
また、クリーンルームや手術室のような高い気密性が要求される部屋における間仕切りパネル取り付け構造としては、特許文献2−4に記載のものが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−2221号公報
【特許文献2】特開平10−245919号公報
【特許文献3】特開平11−241442号公報
【特許文献4】実開平6−56383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
クリーンルームや手術室などのように高い空気清浄度を必要とされる部屋においては、塵埃の堆積や拡散を防止する必要がある。塵埃は、室内の凹陥部に堆積しやすく、特にレール構造の溝内は、空気の流れが極めて生じにくいために塵埃が堆積しやすい。上記従来の間仕切りパネル取り付け構造では、間仕切りパネルを装着又は展開した状態に於いては、鴨居レールは間仕切りパネルの上端縁によって閉塞されるため、塵埃は鴨居レールの溝内には侵入せず、塵埃の堆積は生じない。然し乍ら、間仕切りパネルを除去又は畳んだ状態に於いては、鴨居レールの溝口は室内に開放されており、室内の気流によって塵埃が鴨居レールの溝内に侵入する。このとき、鴨居レールの溝内には凹凸構造があれば、その凹凸構造の上向き面に塵埃が堆積する。また、鴨居レールの溝内は空気の流れが殆どないため、塵埃は鴨居レールの溝内面に付着する。その結果、次に間仕切りパネルを装着又は展開する際に、鴨居レールの溝内に堆積又は付着した塵埃が室内に落下して、結果的に室内の清浄度を下げることになる。
【0008】
上記従来技術に於いては、このような間仕切りパネルを除去又は畳んだ際の鴨居レールの溝内への塵埃の堆積又は付着に対する配慮をした設計がされていないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、間仕切りパネルを除去又は畳んだ際にも鴨居レール溝内への塵埃の堆積又は付着を防止し、室内の清浄度を高く保つことが可能な間仕切りパネル取着構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る間仕切りパネル取着構造の第1の構成は、部屋の天井に設置され、室内を仕切る間仕切り用パネルの上辺に付設される鴨居ライナが摺動自在に嵌合する鴨居レールと、
前記鴨居レールの溝内に、前記鴨居レール全体に亘って所定の間隔で複数個設けられた吸込口と、
上流側の端が前記各吸込口に接続された吸引排気路と、
前記吸引排気路に設けられ、前記吸引排気路を通して前記各吸込口から室内空気を排出する方向に圧送する吸引ファンと、を備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、鴨居レールから間仕切り用パネルが取り外されている状態に於いて、吸引ファンを作動させておくことにより、鴨居レールの溝内の吸込口から吸引排気路を通して室内空気が排出される。これにより、鴨居レールの溝内は常時気流が生じた状態にあるため、鴨居レールの溝内に塵埃が付着又は堆積することが防止される。
【0012】
ここで、各吸込口間の「所定の間隔」は、鴨居レールの溝内に侵入した塵埃が、吸引ファンの吸引力によってそれぞれの吸込口に吸引排出されるに十分な程度の間隔に設定される。具体的な距離は、吸引ファンの吸引力、鴨居レールの溝内構造、吸込口の大きさ等の設計条件に応じて適宜設定される。
【0013】
本発明に係る間仕切りパネル取着構造の第2の構成は、前記第1の構成に於いて、前記部屋には、室内の空気を排出するための排気ダクトが接続されており、
前記吸引排気路は、その下流側の端が、前記排気ダクトの管路の途中に接続されていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、吸引排気路を排気ダクトに接続することで、吸引排気路を野外まで延設する必要が無くなり、施工が容易となる。また、吸引排気路下流側の排気流路として部屋に備えられる排気ダクトを利用することで、施工コストも削減することができる。
【0015】
本発明に係る間仕切りパネル取着構造の第3の構成は、前記第2の構成に於いて、前記吸引排気路は、前記鴨居レールの前記各吸込口に連通接続された吸引管と、
複数の前記吸引管が接続された、一乃至複数のチャンバと、
前記各チャンバの其々に一対一対応して一乃至複数設けられ、前記各チャンバと前記排気ダクトとの間を接続するチャンバ接続管と、を備え、
前記吸引ファンは前記チャンバ接続管の途中に配設されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、鴨居レールの各吸込口の下流側にチャンバをバッファ(気圧緩衝室)として設けた事により、各吸込口に加わる吸引圧が均一化される。吸引圧が均一化されることで、鴨居レールの溝内の気流のムラが無くなり、溝内において局所的に空気が滞留することが防止される。そのため、溝内での空気が滞留による塵埃の堆積又は付着が効果的に防止される。
【0017】
ここで、吸引管は鴨居レールの各吸込口に「連通接続され」るが、これは、吸引管が吸込口に直接接続し連通され、又は吸引管が他の管路を介して間接的に接続し連通されていていることを意味する。間接的に接続し連通されていている場合には、吸込口の数と吸引管の数とは必ずしも一致する必要はない。
【0018】
本発明に係る間仕切りパネル取着構造の第4の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成に於いて、複数の前記吸込口を備えた前記鴨居レールは、当該鴨居レールの長手向きの中央を対称中心として対称に形成されていることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、鴨居レールを左右対称に形成することで、吸引ファンにより吸込口から室内空気を吸引した際に、鴨居レールの溝内に生じる気流は左右対称となる。従って、室内の気流の偏りが生じにくくなり、溝内において局所的に空気が滞留することが防止される。そのため、溝内での空気が滞留による塵埃の堆積又は付着が効果的に防止される。
【0020】
ここで、「鴨居レールの長手向きの中央を対称中心として対称に形成」とは、鴨居レールの長手向きの中央点を通る回転対称軸に対して2回対称、又は当該中央点を含み鴨居レールの長手向きに対し垂直な鏡映対称面に対して面対称であることを意味する。
【0021】
本発明に係る間仕切りパネル取着構造の第5の構成は、前記第1乃至4の何れか一の構成に於いて、前記吸引ファンの作動及び停止の切り換えを行う作動切換スイッチ装置を備え、
前記作動切換スイッチ装置は、前記鴨居レール全体に前記間仕切り用パネルが取着又は展開された状態を検知するとオンとし、前記鴨居レールの一部又は全体に前記間仕切り用パネルが取着又は展開されていない状態を検知するとオフとなるスイッチ動作を行うものであることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、間仕切り用パネルにより部屋が仕切られた際には、間仕切り用パネルは鴨居レール全体に展開されるため、間仕切り用パネルが作動切換スイッチ装置に当接して当該作動切換スイッチ装置がオフ状態となり、吸引ファンは停止する。この状態では、鴨居レール全体が間仕切り用パネルの上端縁により閉塞されており、塵埃が鴨居レールの溝内に侵入しないため、吸引ファンを作動する必要が無く、無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
【0023】
ここで、「作動切換スイッチ装置」としては、鴨居レールの一端に取り付けられ間仕切りパネルが当たることによってオン/オフ切替されるリミットスイッチや、吸引ファンの電流を検出して間仕切り用パネルの脱着を感知してオン/オフ切替されるスイッチ回路や、吸引排気路の気流(空気流速又は流量)を検出することで間仕切り用パネルの脱着を感知してオン/オフ切替されるスイッチ回路等を使用することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明の間仕切りパネル取着構造によれば、鴨居レール溝内の吸込口から吸引排気路を介して吸引ファンによって排気を行う構造としたことによって、鴨居レールから間仕切り用パネルが取り外されている状態に於いて、鴨居レールの溝内は常時気流が生じた状態とし、鴨居レール溝内への塵埃の付着又は堆積を防止することができ、その結果、間仕切りパネルを装着又は展開する際に鴨居レール溝内に堆積又は付着した塵埃が室内に落下するようなことを防止し、室内の清浄度を高く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施例1に係る間仕切りパネル取着構造を天井パネルの上側から視た斜視図である。
図2図1の間仕切りパネル取着構造の要部の分解斜視図である。
図3図1の間仕切りパネル取着構造の(a)要部側面図、(b)正面図及び(c)鴨居レール1端部の拡大斜視図である。
図4】実施例1に係る間仕切りパネル取着構造を部屋に設置した状態を表す平面配管図である。
図5】本実施例の間仕切りパネル取着構造Sに(a)間仕切りパネルPを取り付けた状態と、(b)間仕切りパネルPを取り外した状態を表す図である。
図6】(a)実施例2に係る間仕切りパネル取着構造の鴨居レール1の一端部周辺の拡大透視側面図、及び(b)作動切換スイッチ装置40の分解斜視図である。
図7】(a)図6の作動切換スイッチ装置40が設けられた鴨居レール1の一端部周辺を室内から視た斜視図、及び(b)吸引ファン7のスイッチ回路を示した回路図である。
図8】実施例3に係る間仕切りパネル取着構造における吸引ファン7のスイッチ回路を示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の実施例1に係る間仕切りパネル取着構造を天井パネルの上側(天井裏)から視た斜視図である。図2は、図1の間仕切りパネル取着構造の要部の分解斜視図である。図3は、図1の間仕切りパネル取着構造の(a)要部側面図、(b)正面図及び(c)鴨居レール1端部の拡大斜視図である。尚、図2においては、説明のため、鴨居レール1及び通気管3の一部を破断面として表示している。尚、実際には間仕切りパネル取着構造は、天井裏の梁などの構造材に固定金具等によって固定されるが、見易くするために、図では構造材や固定金具等は図示を省略している。また、図1図2においては、説明の便宜のために、鴨居レール1及び通気管3の端部が開放された状態を示しているが、実際に使用する際には、鴨居レール1及び通気管3の端部はキャップ(図示せず)によって閉塞される。
【0028】
実施例1の間仕切りパネル取着構造Sは、鴨居レール1、鴨居レール1の溝内に複数個開口形成された吸込口2、鴨居レール1の上面に固定された通気管3、通気管3の左右両側から通気管3の下面側端付近にかけて被着された断面L字状の固定金具4,4、通気管3と連通して通気管3上部に取り付けられた2つのチャンバ5,5、各調圧チャンバ5,5と排気ダクト24(図4参照)との間を接続するチャンバ接続管6,6、及び各チャンバ接続管6,6に設けられた吸引ファン7,7を備えている。
【0029】
本実施例の間仕切りパネル取着構造Sは、鴨居レール1の長手向きの中央点Oを対称中心として2回対称に形成されている。図1において、点Oが鴨居レール1の長手向きの中央点、中央点Oを通り鴨居レール1に垂直な軸Aが対称軸を表している。間仕切りパネル取着構造Sは、対称軸Aの回りに180度回転させると、元の構造に丁度重なるため、2回対称の対称性を有している。
【0030】
鴨居レール1は、溝口が下向きに開口するように天井パネルCLに設置されている。鴨居レール1の溝形状は、間仕切り用パネルの上辺に付設される鴨居ライナが摺動自在に嵌合可能な形状に形成されている。本発明では、溝形状に関しては特に限定するものではなく、それぞれの鴨居ライナの形状に適宜対応して作成することができる。本実施例においては、鴨居レール1は、リップ溝形鋼状に形成され、リップが、両側壁の下端から内向して延びるリップ基部1a,1aと、リップ基部1a,1aの端縁を溝外側に向かって直角に反曲したリップ垂直部1b,1bと、リップ垂直部1b,1bの下端を外向して直角に反曲したリップ鍔部1c,1cとからなる。また、鴨居レール1の上端面は左右に張り出したフランジ1d,1dが形成され、当該上端面の中央部には全長に亘って通気凹溝1eが形成されている。また、鴨居レール1の左右の溝内側面の一方には、ガイドレール1fが突出形成されている。
【0031】
吸込口2は、円形孔であり、鴨居レール1の上端面の中央(すなわち通気凹溝1eの中央)に、鴨居レール1の長手方向に並列して貫通形成されている。各吸込口2は、鴨居レール1の長手方向中央を境として前後2群に区分され、各群内においては、各吸込口2は等間隔に配列されている。また、両群の各吸込口2は、鴨居レール1の長手方向中央を対称中心として前後対称に配置されている。
【0032】
尚、吸込口2の間隔については、鴨居レール1の溝内に十分な速度の気流が生じるように、鴨居レール1の長さ、幅、吸引ファン7の吸引圧等に応じて、適宜設計し、変更することができる。
【0033】
通気管3は、断面が矩形状の直管である。通気管3の幅(短手方向の長さ)はフランジ1d,1dを含めた鴨居レール1の上面の幅と同幅である。また、通気管3の長さ(長手方向の長さ)は、鴨居レール1の長さと同一である。通気管3は、鴨居レール1と前後左右の端部位置を合致させ、空気漏れが生じないように鴨居レール1の上面に気密に密着して設けられている。また、通気管3の底面には、鴨居レール1の各吸込口2に対応する位置に、通気口3aが貫通形成されている(図2参照)。また、通気管3の上面には、複数のチャンバ接続継手3bが突出形成されている(図2参照)。各チャンバ接続継手3bは円筒状の短管であり、通気管3の上面に垂直に連結され、下端側は通気管3の管内と連通している。各チャンバ接続継手3bは、通気管3の長手方向中央を境として前後2群に区分され、各群内においては、各チャンバ接続継手3bは等間隔に配列されている。また、両群の各チャンバ接続継手3bは、通気管3の長手方向中央を対称中心として前後対称に配置されている。
【0034】
通気管3の左右にある固定金具4,4は、通気管3を鴨居レール1の上面に圧着するための金具である。各固定金具4は、山形鋼(アングル)であり、垂直板部の内側面を通気管3の側面に密着してボルト固定され、水平板部の内側面を鴨居レール1のフランジ1d下面に密着してボルト固定されている(尚、各図ではボルトは省略)。これにより、通気管3は鴨居レール1の上面に圧着され、鴨居レール1上面の通気凹溝1eと通気管3底面とで囲繞された空間領域(通気凹溝1eの溝内空間)(図3(b)参照)は、外部に対して漏気のない状態となる。
【0035】
2つのチャンバ5,5は、各通気口3aに加わる吸引圧力を均一化するために設けられたバッファ(気圧緩衝室)である。各チャンバ5は、両端が盲端の円筒形状の罐体であり、中心軸が鴨居レール1及び通気管3と平行となるように横倒して設置されている。また、両チャンバ5,5は同型であり、通気管3の長手方向中央を対称中心として前後対称に配置されている。各チャンバ5の下面には、通気管3の各チャンバ接続継手3bに対向する位置に、吸引管5aが突設されており、この吸引管5aをチャンバ接続継手3bに接続することによって、通気管3とチャンバ5とは連通されている。
【0036】
尚、図4では、吸引管5a及びチャンバ接続継手3bの本数は、各チャンバ5につき5本とした例を示しているが、この本数は、チャンバ5や通気管3の長さ、断面積等に応じて、通気管内の吸引圧が均等となるように、適宜設計し、変更することができる。
【0037】
2つのチャンバ接続管6,6は、それぞれ、各チャンバ5,5内の空気を外部に吸引排出するための配管である。両チャンバ接続管6,6は同型に形成されており、通気管3の長手方向中央を対称中心として2回対称となるように配置されている。各チャンバ接続管6のチャンバ5に接続される側(以下「先端側」という。)の先端部は2つに分岐しており、各分岐管がチャンバ5の両端付近の側面に接続されている。また、各チャンバ接続管6の基端側は、後述するように、室内空気の循環空調を行うための空調機ダクトの、除塵フィルタ上流側に接続されている(図4参照)。
【0038】
吸引ファン7,7は、それぞれ各チャンバ接続管6,6の途中に設けられたファンであり、チャンバ接続管6内の空気を、チャンバ接続管6の先端側から基端側の方向(排出方向)へ圧送する。
【0039】
尚、本実施例に於いては、各吸込口2から室内空気を吸引排出する「吸引排気路」は、通気管3、チャンバ5及びチャンバ接続管6によって構成されている。
【0040】
図4は、実施例1に係る間仕切りパネル取着構造を部屋に設置した状態を表す平面配管図である。図4において、灰色に着色した部分が、図1の間仕切りパネル取着構造Sである。図4の間仕切りパネル取着構造Sは、部屋Rの中央を2つに区画する間仕切り用パネルを室内に設置するために、部屋Rの室内の天井に設置されている。
【0041】
部屋Rを間仕切り用パネルによって2つに区画した際の小部屋R1,R2の中央部の天井には、空調用の天井吹出口21,21が設置されている。各天井吹出口21には、空調用の給気ダクト22が接続されており、給気ダクト22及び天井吹出口21を通して空調用の空気が室内に供給される。
【0042】
各小部屋R1,R2の4隅の天井には、排気口23,23,23,23が設けられており、各排気口23には排気ダクト24が接続されている。排気ダクト24の下流側は除塵フィルタ(図示せず)と空調機(図示せず)が接続されている。循環式空調機は、排気ダクト24を介して各排気口23から室内空気を吸引し、除塵フィルタで除塵し温湿度の調整を行った後に、給気ダクト22を介して天井吹出口21から空調空気を室内へ送風する。
【0043】
本実施例の間仕切りパネル取着構造Sのチャンバ接続管6,6の下流端は、上記の排気ダクト24に接続されている。従って、吸引ファン7,7によって鴨居レール1の各吸込口2からチャンバ接続管6へ吸引された室内空気は、排気ダクト24から除塵フィルタ及び空調機へと送られる。
【0044】
以上のように構成された本実施例の間仕切りパネル取着構造Sについて、以下その作用効果を説明する。
【0045】
図5は、本実施例の間仕切りパネル取着構造Sに(a)間仕切りパネルPを取り付けた状態と、(b)間仕切りパネルPを取り外した状態を表す図である。
【0046】
図5(a)に示すように、間仕切りパネルPは、上縁端面に、鴨居レール1の溝内に摺動自在に嵌合することが可能な構造の鴨居ライナ30を備えている。鴨居ライナ30は、回転軸31、上側ローラ32、及び下側ローラ33を備えている。回転軸31は、先端部が間仕切りパネルPの上縁端面に垂直に突出して設けられている。回転軸31の先端部には、上側ローラ32及び下側ローラ33が軸設されており、上側ローラ32は鴨居レール1の溝内のガイドレール1f上部に、下側ローラ33は鴨居レール1の溝内のガイドレール1f下部に遊嵌されている。回転軸31は自由に回転することが可能であり、間仕切りパネルPを鴨居レール1に沿って移動させると、回転軸31に軸支された上側ローラ32及び下側ローラ33が回転して鴨居レール1の溝内を転動する。
【0047】
回転軸31の下端には、回転軸31を軸承する軸受け部34が接続され、さらに軸受け部34の下側は、間仕切りパネルP内に内設されたダンパ35のダンパ軸35aに接続されている。ダンパ35は垂直向きに伸縮するバネ材を備え、そのバネ弾性によってダンパ軸35aを上下方向に付勢する。また、間仕切りパネルPの上縁端面の左右両側には、ゴムなどの弾性体(エラストマー)により構成されたシーリング材36,36が突設されている。間仕切りパネルPを鴨居レール1に取り付けた状態では、シーリング材36,36の上端面が鴨居レール1のリップ鍔部1cの下面に密着した状態となる。これによって、鴨居レール1の溝内に室内空気が流入するのが妨げられる。
【0048】
従って、間仕切りパネルPを鴨居レール1全体に取り付けた状態では、鴨居レール1の溝内には室内空気は殆ど流入せず、また、室内から鴨居レール1の溝内に塵埃が侵入することもない。
【0049】
一方、間仕切りパネルPを鴨居レール1から外した状態に於いては、図5(b)に示したように、鴨居レール1の溝口は、室内に向かって開放された状態となり、鴨居レール1の溝内に塵埃が侵入可能となる。しかし、この状態に於いては、吸引ファン7によって、鴨居レール1の溝内の空気は溝奥部に設けられた吸込口2から吸引排気され、図5(b)に矢印で示したように、鴨居レール1の溝内には空気の流れが生じる。そのため、仮に鴨居レール1の溝内に塵埃が侵入したとしても、気流によって塵埃は溝内に付着又は堆積することなく、吸込口2からチャンバ接続管6へ吸い出される。これにより、鴨居レール1溝内への塵埃の付着又は堆積を防止することができ、その結果、再び間仕切りパネルPを鴨居レール1に装着又は展開する際に、鴨居レール1溝内に堆積又は付着した塵埃が室内に落下するというようなことが防止され、室内の清浄度を高く保つことができる。
【0050】
さらに、前述したように、本実施例の間仕切りパネル取着構造Sは、鴨居レール1の長手向きの中央点Oを通る垂直軸A(図1参照)を回転対称軸として2回対称に形成されている。従って、吸引ファン7の作動により鴨居レール1内に生じる気流は、鴨居レール1の中央点Oを中心としてほぼ対称な気流となる。そのため室内に作られる気流の対称性も高くなり、室内に発生する乱流を極力抑制することができる。これによって、室内における塵埃の舞い上がりを抑制することができ、室内の清浄度を極力高く保つことができる。尚、本実施例では、間仕切りパネル取着構造Sを2回対称とした例を示したが、鴨居レール1内に生じる気流はほぼ対称な気流とするという観点からは、間仕切りパネル取着構造Sを、鴨居レール1の長手向きの中央点Oを含み鴨居レール1の長手向き中心軸に対し垂直な面(図1の軸Aを含み鴨居レール1に垂直な面)に対して面対称な構造に構成してもよい。
【実施例2】
【0051】
実施例2では、実施例1の間仕切りパネル取着構造に、さらに吸引ファンの作動及び停止の切り換えを行う作動切換スイッチ装置を備えた構成の例を示す。図6は、(a)実施例2に係る間仕切りパネル取着構造の鴨居レール1の一端部周辺の拡大透視側面図、及び(b)作動切換スイッチ装置40の分解斜視図である。尚、図6において、実施例1と同様の構成部分については、同符号を付し、説明は省略する。
【0052】
本実施例2の間仕切りパネル取着構造における鴨居レール1では、図6(a)に示すように、一端部のレール溝内に作動切換スイッチ装置40を備えている。作動切換スイッチ装置40は、通常のリミットスイッチを使用しており、その構造は図6(b)に示した通りである。作動切換スイッチ装置40は、スイッチ本体40aの側面にブランジャー40bが突設されており、このブランジャー40bは、スイッチ本体40a内部のバネにより軸方向に往復動自在に取り付けられている。ブランジャー40bを押圧して、ブランジャー40bがスイッチ本体40aに押し込まれるとスイッチはオフ状態となり、ブランジャー40bにかかる押圧力が開放されるとスイッチはオン状態となる。スイッチ本体40aは、図6(a)に示すように、取り付け金具40cによって、鴨居レール1の一端部のレール溝内にネジ止めされている。このとき、ブランジャー40bは、間仕切りパネルPの鴨居ライナ30の上側ローラ32の軌道上に位置し、ブランジャー40bの中心軸が当該軌道と平行となるように配置されている。従って、間仕切りパネルPの一端が部屋の壁に当接するまで移動すると、上側ローラ32が作動切換スイッチ装置40のブランジャー40bに当たり、ブランジャー40bをスイッチ本体40a内部に押し込んで、作動切換スイッチ装置40はオフ状態となる。間仕切りパネルPの一端が部屋の壁から離れると、作動切換スイッチ装置40はオン状態となる。これにより、作動切換スイッチ装置40は、鴨居レール全体に間仕切り用パネルPが取着又は展開された状態を検知するとオン状態となり、鴨居レール1の一部又は全体に間仕切り用パネルPが取着又は展開されていない状態を検知するとオフ状態となる。
【0053】
尚、間仕切りパネルPが勢いよく当たった際に作動切換スイッチ装置40が破損することを防止するために、鴨居レール1の端部の溝口には、作動切換スイッチ装置40のスイッチ本体40aを覆うように、エンドキャップ1gが設けられている(図6(a),図7参照)。
【0054】
図7は、(a)図6の作動切換スイッチ装置40が設けられた鴨居レール1の一端部周辺を室内から視た斜視図、及び(b)吸引ファン7のスイッチ回路を示した回路図である。作動切換スイッチ装置40が設けられた鴨居レール1の一端部Eには、当該端部Eに連設して、壁パネルWLに沿って垂直に戸当り部材41が設けられている。間仕切りパネルPを鴨居レール1全体に取着又は展開したときに、間仕切りパネルPの側端縁はこの戸当り部材41に嵌合し密閉状態となる。戸当り部材41は、間仕切りパネルPが当接する部分が、ゴムなどの弾性体(エラストマー)で構成されており、間仕切りパネルPが当接した状態で気密性が保たれた状態となる。
【0055】
また、端部Eの近傍の天井パネルCLには、図7(a)に示すように、レール排気ランプ42,42が設けられている。各レール排気ランプ42,42は、鴨居レール1の両側にそれぞれ設けられており、部屋Rを間仕切りパネルPにより小部屋R1,R2に区画した際に、それぞれの小部屋R1,R2から何れか一方のレール排気ランプ42,42を視認することができるようにされている。
【0056】
吸引ファン7、作動切換スイッチ装置40、レール排気ランプ42,42、及び吸引ファン7の電源43は、図7(b)に示したようにそれぞれ接続されている。
鴨居レール全体に間仕切り用パネルPが取着又は展開された状態では、作動切換スイッチ装置40がオフ状態となり、吸引ファン7は停止し、レール排気ランプ42,42は消灯する。この状態では、鴨居レール1全体が間仕切り用パネルPの上端縁により閉塞されており、塵埃が鴨居レール1の溝内に侵入しないため、吸引ファン7を作動する必要は無い。従って、このような状態では吸引ファン7を停止させることで、無駄なエネルギー消費を抑えることができる。一方、鴨居レール1の一部又は全体に間仕切り用パネルPが取着又は展開されていない状態となると、作動切換スイッチ装置40がオン状態となり、吸引ファン7は作動し、レール排気ランプ42,42は点灯する。これにより、鴨居レール1の溝内に塵埃が付着又は堆積することが防止される。また、使用者は、レール排気ランプ42,42を視て、吸引ファン7が正常に運転されているか否かを確認することができる。
【実施例3】
【0057】
実施例3では、作動切換スイッチ装置の他の実施例を示す。本実施例3では、実施例2のリミットスイッチの代わりに、作動切換スイッチ装置40として、吸引ファン7のモータを流れる電流を検出することによって吸引ファン7の作動及び停止の切り換えを行う切り換え回路を用いる。
【0058】
図8は、実施例3に係る間仕切りパネル取着構造における吸引ファン7のスイッチ回路を示した回路図である。尚、本実施例に於いて、スイッチ回路以外の構成に関しては実施例1と同様であり、説明は省略する。
【0059】
本実施例の吸引ファン7の作動切換スイッチ装置40は、切換制御回路44、電流センサ45,46、スイッチ回路47、及び抵抗48を備えている。尚、図8において、レール排気ランプ42及び電源43は、図7のものと同様である。
【0060】
電流センサ45は吸引ファン7のモータ電流を検出するセンサである。スイッチ回路47及び抵抗48は、電源43に対し、吸引ファン7と並列に接続されている。電流センサ46はスイッチ回路47及び抵抗48を流れる電流を検出するセンサである。切換制御回路44は、電流センサ45,46の検出した電流値に基づいて、吸引ファン7のモータへの通電のオン/オフ切り換えを行う回路である。
【0061】
まず、吸引ファン7がオフ状態にある場合に於ける切り換え動作を説明する。吸引ファン7のファンモータが停止した状態、すなわち、切換制御回路44がファンモータへの通電をオフとしている状態においては、切換制御回路44はスイッチ回路47をオン状態としている。この状態に於いて、間仕切りパネルPが鴨居レール1から取り外されて、鴨居レール1の溝内に室内の空気が流入可能となったとする。このとき、排気ダクト24からは室内空気が吸引排出されており、排気ダクト24内は室内に対して負圧状態にある。従って、吸込口2から通気管3、チャンバ5、チャンバ接続管6を通って排気ダクト24へ室内空気が緩やかに吸引される(図4参照)。この際、チャンバ接続管6内に気流が生じることにより、停止状態の吸引ファン7のプロペラが回転し、ファンモータに起電力が生じる。この起電力によって、スイッチ回路47及び抵抗48に微弱な電流が流れ、この電流が電流センサ46によって検出される。そこで、切換制御回路44は、吸引ファン7のオフ状態に於いて、電流センサ46により検出される電流が所定時間T1以上所定の閾値I1を超えた状態が継続した場合、間仕切りパネルPが鴨居レール1から取り外されたものと判定し、スイッチ回路47をオフするとともに、吸引ファン7のファンモータへの通電をオン状態に切り替える。これにより、吸引ファン7が起動し、レール排気ランプ42,42が点灯する。尚、「電流が所定時間T1以上所定の閾値I1を超えた状態が継続した場合」としたのは、ノイズや突発的な気流の乱れによる吸引ファン7のプロペラの一時的な回転の影響等による誤動作を排除するためである。
【0062】
次に、吸引ファン7がオン状態にある場合に於ける切り換え動作を説明する。吸引ファン7のファンモータが作動している状態、すなわち、切換制御回路44がファンモータへの通電をオンとしている状態においては、切換制御回路44はスイッチ回路47をオフ状態とし、抵抗48には電流が流れない状態としている。ファンモータには、定常運転時の電流が流れており、電流センサ45はこの電流の電流値を検出している状態にある。この状態に於いて、間仕切りパネルPが鴨居レール1全体に取着又は展開され、鴨居レール1の溝内に室内空気が流入しなくなったとする。鴨居レール1への空気流入が停止されると、吸引ファン7の排気によって、チャンバ接続管6の吸引ファン7より上流側の気圧が低下し、吸引ファン7の負荷が増大する。この負荷の増大に伴って、吸引ファン7のファンモータの通電電流も増大する。このファンモータの通電電流も増大が電流センサ45によって検出される。そこで、切換制御回路44は、吸引ファン7のオン状態に於いて、電流センサ45により検出される電流が所定時間T2以上所定の閾値I2を超えた状態が継続した場合、間仕切りパネルPが鴨居レール1全体に取着又は展開されたものと判定し、吸引ファン7のファンモータへの通電をオフ状態に切り替えるとともに、スイッチ回路47をオンする。これにより、吸引ファン7が停止し、レール排気ランプ42,42が消灯する。尚、ファンモータの通電電流も増大は、吸引ファン7の負荷が増大したとき以外にも、ファンモータの起動時の高トルク状態においても生じる。従って、ファンモータの起動時における通電電流の増大と判別するために、判定のための所定時間T2は、ファンモータの起動から定常状態に至るまでの時間よりも長い時間に設定しておくか、又はファンモータの起動から定常状態に至るまでの一定の時間帯は、ファンモータの停止を禁止するようにしておく必要がある。
【0063】
尚、本実施例に於いては、切換制御回路44は電流センサ45,46の検出する電流値を閾値判定することによって、吸引ファン7がオン/オフ切り換えを行う構成としたが、電流センサ46の代わりに、抵抗48の両端の電圧を検出して閾値判定する構成とすることもでき、また、電流センサ45の代わりに、図8の電流センサ45の位置に抵抗器を挿入してその抵抗の両端の電圧を検出して閾値判定する構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0064】
R 部屋
R1,R2 小部屋
S 間仕切りパネル取着構造
CL 天井パネル
WL 壁パネル
1 鴨居レール
1a リップ基部
1b リップ垂直部
1c リップ鍔部
1d フランジ
1e 通気凹溝
1f ガイドレール
1g エンドキャップ
2 吸込口
3 通気管
3a 通気口
3b チャンバ接続継手
4 固定金具
5 チャンバ
5a 吸引管
6 チャンバ接続管
7 吸引ファン
21 天井吹出口
22 給気ダクト
23 排気口
24 排気ダクト
P 間仕切りパネル
30 鴨居ライナ
31 回転軸
32 上側ローラ
33 下側ローラ
34 軸受け部
35 ダンパ
35a ダンパ軸
36 シーリング材
40 作動切換スイッチ装置
40a スイッチ本体
40b ブランジャー
40c 取り付け金具
41 戸当り部材
42 レール排気ランプ
43 電源
44 切換制御回路
45 電流センサ
46 電流センサ
47 スイッチ回路
48 抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8