【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム(ESCGVと略称する)を提供することを一つの目的とする。本発明に係る胃腸内視鏡は、胃内視鏡と腸内視鏡の総称であり、当業者にとって、胃腸内視鏡そのものとは、胃内視鏡、腸内視鏡、又は両方を統合する、胃腸を検査するための装置であることを理解できるはずである。
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、洗浄ボトル(1)及び該洗浄ボトル(1)から伸びた液体輸送チューブ(2)を含み、前記液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングし、前記洗浄ボトル(1)が、更に洗浄液に対して攪拌及び加熱可能な攪拌加熱サブシステムを備える、胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムを提供する。
【0009】
本発明において、前記洗浄液は、洗浄剤Aと溶媒とからなり、前記洗浄剤Aはジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖とからなり、その内、ブドウ糖が15〜250部で、ジメチコン又はシメチコンが1〜20部であり、前記溶媒は生理食塩水、無菌水、純水、又は濃度5%のブドウ糖注射液であり、前記洗浄液におけるジメチコン又はシメチコンの質量と溶媒の体積との比がg/mlで0.01〜1%である。
【0010】
本発明において、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱装置と攪拌装置とを含み、前記加熱装置は、加熱ディスク式加熱装置、加熱カップ式加熱装置、又は水浴加熱装置を含み、前記攪拌装置は、磁気攪拌装置、第2蠕動ポンプ攪拌装置、又はパドル攪拌装置を含む。当業者にとって、上記加熱装置及び攪拌装置によっていずれも加熱及び攪拌の理想的な効果が得られるので、本発明の前記攪拌加熱サブシステムは、上記の加熱装置と前記攪拌装置とのいずれの可能な組み合わせとすることができることを理解できるはずである。
【0011】
上記技術案によれば、洗浄ボトルは、洗浄液を収納するものに用いられ、洗浄ボトルは、繰り返し消毒して使用することができると共に、蒸気による滅菌及び消毒に耐えるものであるため、コストを節約し、使用者の安全を確保することができる。攪拌加熱サブシステムは、洗浄液の随時使用可能を確保するように、洗浄ボトル内の洗浄液を攪拌することで、洗浄剤を均一に混合させると共に、洗浄ボトル内の洗浄液の温度を均一化させ、人体の胃腸管の温度に接近させるように、洗浄ボトルを加熱して恒温に維持する。これにより洗浄液を患者の体内に流す時、刺激性をもたらすことがなく、効果的に患者の快適性を向上させる。液体輸送チューブは、入水口端が洗浄ボトルに接続し、中間端が第1蠕動ポンプを通し、出水口端が胃腸内視鏡の給水システム、或いは直接に胃腸内視鏡の観察窓に接続する。
【0012】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムでは、液体輸送チューブの耐えられる圧力の範囲が6〜8kg/cm
2であり、当該圧力によって液体輸送用チューブが閉塞した場合に、破裂を起こさず、交差汚染を避けることができる。第1蠕動ポンプの調節可能な流量範囲は0〜900ml/分であり、最大流量を900ml/分に制御すると、第1蠕動ポンプによる供水の過程において、瞬間の供水量が多すぎることによって、患者に不快感を生じないことを確保することができる。液体輸送チューブの出水口の圧力範囲が0〜3kg/cm
2であり、この圧力では洗浄液をスムーズに流すことを確保できると共に、圧力が大きすぎることによって、患者の診療部位の傷を悪化させてしまう可能性がないこと、又は他の不快感を与えないことを確保できる。
【0013】
本発明は、調整した後に、第1蠕動ポンプのスイッチをオフにして、洗浄液を待機状態にする。必要に応じて、第1蠕動ポンプのスイッチをオンにすると、第1蠕動ポンプで洗浄ボトル内の洗浄液をポンピングし、洗浄液を液体輸送用チューブを介して胃腸内視鏡の診療窓へ流し、患者体内の診療部位を洗浄することにより、胃腸内視鏡診療視野の鮮明度を高めることができる。本発明に係るシステムでは、臨床医一人で胃腸内視鏡による診療の際に使用することができ、他に専門の操作者を加える必要がないので、使用する時の人件コストを節約できる。本発明において、洗浄液の流量及び流速を制御できるので、胃腸内視鏡の診療設備の使用過程での供水の敏速性及び精確性を向上させ、病人の快適性を確保しながら、医者の視野を観察する集中力が分散されることを避け、診療のリスクを除去することができる。
【0014】
本発明の第1の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱ディスク式加熱装置と磁気攪拌装置とから構成される。具体的には、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)及び磁気誘導ブロック(10)を含み、前記加熱ディスク(4)は洗浄ボトル(1)の下方に位置し、断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)が位置決めブロック(6)に固定され、断熱マット(5)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続し、前記永久磁石(7)の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック(10)が設けられ、当該磁気誘導ブロック(10)が洗浄ボトル(1)の底の中間位置に取り付けられる。
【0015】
上記の構成において、外が1層のポリテトラフルオロエチレンに包まれた磁気誘導ブロックは繰り返し消毒して使用することができる。モーターの出力軸によって支持ブラケットと永久磁石を回転させて、永久磁石が磁気誘導ブロックとともに洗浄液を均一に混合させ、洗浄液の随時使用可能を確保するように、ボトル内の洗浄液に対して磁気攪拌を行う。また、攪拌加熱サブシステムの回転部分は洗浄液に接触しないため、洗浄液が汚染されることを効果的に避けることができる。回転部分が加熱部分と有機的に結合して、攪拌加熱サブシステム全体の構造がコンパクトであり、体積が小さくて精巧であり、組み立てが容易であり、コストが低い。
【0016】
本発明に係る攪拌加熱サブシステムにおいては、前記加熱ディスク(4)の隣に第1温度センサ(11)が設けられ、前記洗浄ボトル(1)内に第2温度センサ(12)が設けられ、当該第2温度センサ(12)の頂部が洗浄ボトル(1)のキャップに固定される。第1温度センサは加熱ディスクの温度を監視するためのもので、第2温度センサは洗浄ボトル内の洗浄液の温度を監視するためのものである。第1温度センサは制御回路を介して第2温度センサに接続し、両方の温度センサを合わせて作用させることで、洗浄液の温度が常に診療に必要な目標温度に適するように保持される。目標温度を25℃から38℃までに設定してもよい。こうすると、温度制御の自動性と精確性を確保することができると共に、洗浄液が人体に入る時の患者の快適性を確保することができる。
【0017】
本発明に係る攪拌加熱サブシステムにおいては、前記断熱マット(5)の中間部の収納穴内に二つの永久磁石(7)が対称的に設けられ、これら二つの永久磁石(7)はいずれも支持ブラケット(8)の上部に嵌装される。こうすると、永久磁石の装着及び交換が容易になり、量産にも有利である。
【0018】
本発明に係る攪拌加熱サブシステムにおいては、前記洗浄ボトル(1)、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、及びモーター(9)が同一のハウジング(13)内に設けられ、液体輸送チューブ(2)が当該ハウジング(13)の中から伸びている。上記の構造では、加熱と攪拌とを一体化して、設備のスペースを節約することができる。
【0019】
本発明に係る攪拌加熱サブシステムにおいては、前記加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が同一のベース座(14)内に設けられ、洗浄ボトル(1)が当該ベース座(14)によって支持されている。上記の構成では、洗浄ボトルと永久磁石との接触距離が短いので、洗浄ボトル内の磁気誘導ブロックと永久磁石との相互作用に有利で、磁気攪拌の効果を確保することができる。
【0020】
本発明の第2の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱カップ式加熱装置と磁気攪拌装置とから構成される。具体的には、加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)及び磁気誘導ブロック(10)を含み、前記加熱カップ(28)が洗浄ボトル(1)の下方に位置し、PTCヒーター(29)が加熱カップ(28)の底部と周りに固定され、PTCヒーター(29)の周りは保温層(30)に包まれ、前記加熱カップ(28)が位置決めブロック(6)に固定され、位置決めブロック(6)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続し、前記永久磁石(7)の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック(10)が設けられ、当該磁気誘導ブロック(10)が洗浄ボトル(1)の底の中間位置に取り付けられる。
【0021】
ここで、前記洗浄ボトル(1)内に温度センサ(31)が設けられ、当該温度センサ(31)が洗浄ボトル(1)の底部に固体され、前記位置決めブロック(6)の中間部の収納穴に二つの永久磁石(7)が対称的に設けられ、これら二つの永久磁石(7)はいずれも支持ブラケット(8)の上部に嵌装される。
【0022】
本発明に係るPTCヒーターは、従来の技術により開示された周知の構造であり、特に限定されていない。
【0023】
前記洗浄ボトル(1)、加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、保温層(30)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が同一のハウジング(13)内に位置し、液体輸送チューブ(2)が当該ハウジング(13)の中から伸び、前記加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、保温層(30)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が支持軸(14)を介してハウジング(13)に接続し、洗浄ボトル(1)が加熱カップ(28)内に配置されている。
【0024】
本発明の第3の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱カップ式加熱装置と第2蠕動ポンプ攪拌装置とから構成される。具体的には、加熱カップ(28)、位置決めブロック(6)、第2蠕動ポンプ(23)及び循環用チューブ(22)を含み、前記洗浄ボトル(1)は、加熱カップ(28)内に配置され、且つ位置決めブロック(6)に固定され、前記洗浄ボトル(1)の外に第2蠕動ポンプ(23)が設置され、循環用チューブ(22)が当該第2蠕動ポンプ(23)を通し、循環用チューブ(22)の入液口と出液口はいずれも洗浄ボトル(1)内に位置し、且つ循環用チューブ(22)の入液口が洗浄ボトル(1)の底に近く、循環用チューブ(22)の出液口が洗浄ボトル(1)の口に近い。
【0025】
本発明の第4の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱ディスク式加熱装置と第2蠕動ポンプ攪拌装置とから構成される。具体的には、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、循環用チューブ(22)及び第2蠕動ポンプ(23)を含み、前記加熱ディスク(4)は洗浄ボトル(1)の下方に位置し、断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)が位置決めブロック(6)に固定され、前記洗浄ボトル(1)の外に第2蠕動ポンプ(23)が設置され、循環用チューブ(22)が当該第2蠕動ポンプ(23)を通し、循環用チューブ(22)の入液口と出液口はいずれも洗浄ボトル(1)内に位置し、且つ循環用チューブ(22)の入液口が洗浄ボトル(1)の底に近く、循環用チューブ(22)の出液口が洗浄ボトル(1)の口に近い。
【0026】
上記の構成では、加熱ディスクを加熱に用い、第2蠕動ポンプを攪拌に用い、第2蠕動ポンプによる循環によって洗浄ボトルの中の洗浄液が均一に攪拌して混合された状態になるようにする。この攪拌は、洗浄液自身の流動による動力を利用して旋回流を形成することで、洗浄ボトルの中の洗浄液を均一に混合させる。他の動力源を使用しないので、他の動力による交差感染の可能性を避け、且つ第2蠕動ポンプが洗浄ボトルの外に設置されるので、洗浄ボトルの構成も比較的簡単である。
【0027】
本発明の第5の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、水浴加熱装置と第2蠕動ポンプ攪拌装置とから構成される。具体的には、循環用チューブ(22)、第2蠕動ポンプ(23)及び恒温水浴加熱装置(24)を含み、前記洗浄ボトル(1)の外に第2蠕動ポンプ(23)及び恒温水浴加熱装置(24)が設置され、循環用チューブ(22)は、恒温水浴加熱装置(24)を貫通して、第2蠕動ポンプ(23)を通し、循環用チューブ(22)の入液口と出液口はいずれも洗浄ボトル(1)内に位置し、且つ循環用チューブ(22)の入液口が洗浄ボトル(1)の底に近く、循環用チューブ(22)の出液口が洗浄ボトル(1)の口に近い。
【0028】
上記の構成でも、均一な攪拌混合には第2蠕動ポンプを用いるため、洗浄液の汚染を避けることができる。加熱には水浴加熱を用い、水浴によって循環用チューブを加熱し、循環用チューブから洗浄液に熱を伝えることにより、洗浄ボトルの中の洗浄液の温度を制御する。水浴加熱を用いるため、加熱方法が比較的温和で、温度の変動範囲が狭く、且つ、水浴加熱が洗浄ボトルの外部に行われるので、洗浄ボトルの構成も比較的簡単である。
【0029】
本発明の第6の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、水浴加熱装置と磁気攪拌装置とから構成される。具体的には、水浴加熱容器(25)、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)、磁気誘導ブロック(10)及び磁気誘導器(26)を含み、前記洗浄ボトル(1)が水浴加熱容器(25)内に配置され、洗浄ボトル(1)の底部の中央に磁気誘導ブラック(10)が固定され、前記水浴加熱容器(25)の底部の中央に磁気誘導器(26)が取り付けられ、当該磁気誘導器(26)の下方に加熱ディスク(4)が設置され、加熱ディスク(4)が断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続する。
【0030】
上記の構造では、加熱には水浴加熱方式を用いることで、洗浄液の温度の変動を低減することができる。磁気攪拌を洗浄液の均一な混合に用い、水浴加熱中にも一つの磁気誘導器を配置することで、水浴加熱容器の中の液体を均一に攪拌し混合することもでき、洗浄ボトルの外部全体の水浴温度が上下左右で一致し、伝熱を均一に保持し、且つ、水浴加熱容器の中の磁気誘導器と洗浄ボトルの中の磁気誘導ブロックが同一の永久磁石によって同時に運動するため、構造が簡単である。
【0031】
構成を簡単化させて、加工、製造及び組立を便利にし、生産コストを低減するために、本発明はさらに第7の実施形態を提供し、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱ディスク式加熱装置とパドル攪拌装置とから構成される。具体的には、加熱ディスク(4)、モーター(9)及び攪拌パドル(27)を含み、前記加熱ディスク(4)が洗浄ボトル(1)の底部に取り付けられ、洗浄ボトル(1)内に攪拌パドル(27)が設けられ、当該攪拌パドル(27)がモーター(9)の出力軸に接続し、モーター(9)が洗浄ボトル(1)の外に設置されている。
【0032】
上記の技術案では、本発明に係る第1蠕動ポンプ(3)のスイッチはフットスイッチ(15)であり、当該フットスイッチ(15)が制御回路を介して第1蠕動ポンプ(3)に接続し、前記フットスイッチ(15)にタイムスイッチが接続され、当該タイムスイッチがフットスイッチ(15)の制御回路に直列接続されている。フットスイッチの起動力は45Nより小さく、臨床医が足でフットスイッチを踏むと、フットスイッチが起動して、第1蠕動ポンプの作動が開始し、足を放すと、第1蠕動ポンプの作動が停止する。足をフットスイッチから放すことを忘れた場合、フットスイッチがタイムスイッチによって制御され、最大作動時間は15〜20秒で、好ましくは18秒であり、こうすると、毎回に蠕動ポンプの作動時間がこの最大作動時間を超えないように制御し、当該時間では一回の最大供水量を制御できるので、一回の供水量が多すぎることにより患者の胃が膨満し不快感を感じることはない。
【0033】
本発明は、胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法を提供することをもう一つの目的とする。
【0034】
本発明は、上記目的を達成するために、下記のような技術案を提出した。
胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムを用いた胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法であって、
1)洗浄ボトル(1)内に洗浄液を入れるステップ、
2)攪拌加熱サブシステムを起動して、洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱しながら、洗浄ボトル(1)内の洗浄液を攪拌して、洗浄液を均一に混合させるステップ、
3)洗浄ボトル(1)内の洗浄液の温度を25〜38℃に保持するように制御するステップ、及び
4)第1蠕動ポンプ(3)のスイッチを入れて、第1蠕動ポンプ(3)が洗浄ボトル(1)内の洗浄液をポンピングし、洗浄液が液体輸送チューブ(2)を介して胃腸内視鏡の給水システム、或いは胃腸内視鏡の観察窓へ流れ、患者の体内観察を行う診療部位を洗浄するステップ、
を含む胃腸内視鏡治療用視野内鮮明度を高める方法である。
【0035】
上記の方法では、必要に応じて、体温に適応した洗浄液を患者の体内に送り込み、胃腸内視鏡の観察窓を洗浄することによって、効果的に胃腸内視鏡視野内の鮮明度を向上させることができ、臨床医の診療を便利にする。それと同時に、胃腸内視鏡の観察窓を洗浄する過程において、患者にとって刺激感を生じることなく、患者の快適性を確保することができる。
【0036】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法において、前記洗浄液は450〜2000mlである。
【0037】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法において、前記液体輸送チューブ(2)の耐えられる圧力範囲は6〜8kg/cm
2であり、液体輸送チューブ(2)の出水口の圧力範囲は0〜3kg/cm
2である。
【0038】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法において、前記第1蠕動ポンプ(3)の調整可能な流量範囲は0〜900ml/分であり、最大の流量は900ml/分に制御される。
【0039】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法において、前記洗浄液の流量は900ml/分を超えない。
【0040】
本発明の前記洗浄液は、洗浄剤Aと溶媒とからなり、洗浄剤Aはジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖とからなり、その内、ブドウ糖が15〜250部で、ジメチコン又はシメチコンが1〜20部であり、前記洗浄液におけるジメチコン又はシメチコンの質量と溶媒の体積との比がg/mlで0.01〜1%であり、好ましくは0.15%である。上記配合比の範囲にあると、消泡能力を確保できると共に、洗浄液の均一混合時間を節約することができる。特に、診療の品質を確保することを前提として、洗浄時間を短縮し、洗浄液の使用量を削減し、こうすると、診療の効率を高めると共に、患者の適応性と快適性を向上させることが重要である。それと同時に、上記のように材料を選ぶことによって、洗浄剤Aを調製しやすくなり、この比率で他の補助材料を添加しなくても、流動性の良い、充填に適する洗浄剤Aを調製することができ、生産コストを効果的に低減できる。
【0041】
本発明に係る洗浄液は、前記溶媒が生理食塩水、無菌水、純水、又は濃度5%のブドウ糖注射液である。こうすると、材料は入手しやすく、コストが低くなると共に、洗浄剤Aと溶媒との混合に有利である。
【0042】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法において、胃腸内視鏡による診療の開始15〜30分前に、患者に先に洗浄剤Bを1包内服させ、前記洗浄剤Bはジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖とからなり、その内、ブドウ糖は15〜250部で、ジメチコン又はシメチコンは1〜20部であり、前記洗浄剤Bにおけるジメチコン又はシメチコンの含有量の範囲が1包あたり40mg〜500mgである。先に洗浄剤Bを内服することは、体内の泡沫や気泡の大部分を除去し、胃腸内視鏡による診療の事前準備を整え、できるだけ診療の過程において洗浄の必要な状態を減少させるためである。洗浄剤Bは上記構成を用いることにより、調製しやすくなり、この比率では他の補助材料を添加しなくても、流動性の良い、充填に適する洗浄剤Bを調製することができ、生産コストを効果的に低減できる。
【0043】
なお、本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法では、フットスイッチを用い、或いはフットスイッチとタイムスイッチを併用することにより、第1蠕動ポンプのスイッチに対する制御を実現し、前記タイムスイッチはフットスイッチの作動時間が15〜20秒であり、好ましくは18秒にあるように、補助設定を行う。