特許第6283350号(P6283350)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6283350胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムおよびこのシステムの作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283350
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムおよびこのシステムの作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20180208BHJP
【FI】
   A61B1/12 523
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-507353(P2015-507353)
(86)(22)【出願日】2013年4月24日
(65)【公表番号】特表2015-514522(P2015-514522A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】CN2013074621
(87)【国際公開番号】WO2013159699
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2014年12月24日
【審判番号】不服2016-16861(P2016-16861/J1)
【審判請求日】2016年11月10日
(31)【優先権主張番号】201210125193.4
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515000052
【氏名又は名称】重慶天如生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】王 国華
(72)【発明者】
【氏名】劉 阿玲
(72)【発明者】
【氏名】王 哲西
【合議体】
【審判長】 伊藤 昌哉
【審判官】 ▲高▼見 重雄
【審判官】 ▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/051432(WO,A1)
【文献】 特開平7−31584(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101596181(CN,A)
【文献】 特開平10−99265(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0121532(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄ボトル(1)及び該洗浄ボトル(1)から伸びた液体輸送チューブ(2)を含み、前記液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングするシステムであって、
前記洗浄ボトル(1)が、洗浄液を撹拌及び加熱可能な撹拌加熱サブシステムを備え、
前記撹拌加熱サブシステムが、加熱ディスク式加熱装置と磁気撹拌装置と温度センサとを含み
具体的には、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)及び磁気誘導ブロック(10)を含み、前記加熱ディスク(4)は洗浄ボトル(1)の下方に位置し、断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)が位置決めブロック(6)に固定され、断熱マット(5)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続し、前記永久磁石(7)の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック(10)が設けられ、当該磁気誘導ブロック(10)が洗浄ボトル(1)の底の中間位置に取り付けられており、
記撹拌加熱サブシステムが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱しながら、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を撹拌して、該洗浄液を均一に混合させるものであって、
前記温度センサが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液の温度を監視するものであり、これにより該洗浄液の温度が常に目標温度に適するように保持されることを特徴とする胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。
【請求項2】
前記加熱ディスク(4)の隣に第1温度センサ(11)が設けられ、前記洗浄ボトル(1)内に第2温度センサ(12)が設けられ、当該第2温度センサ(12)の頂部が洗浄ボトル(1)のキャップに固定され、前記断熱マット(5)の中間部の収納穴内に二つの永久磁石(7)が対称的に設けられ、これら二つの永久磁石(7)はいずれも支持ブラケット(8)の上部に嵌装され、前記洗浄ボトル(1)、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が同一のハウジング(13)内に設けられ、液体輸送チューブ(2)が当該ハウジング(13)の中から伸び、前記加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が同一のベース座(14)内に設けられ、洗浄ボトル(1)が当該ベース座(14)によって支持されていることを特徴とする請求項に記載の胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。
【請求項3】
洗浄ボトル(1)及び該洗浄ボトル(1)から伸びた液体輸送チューブ(2)を含み、前記液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングするシステムであって、
前記洗浄ボトル(1)が、洗浄液を撹拌及び加熱可能な撹拌加熱サブシステムを備え、
前記撹拌加熱サブシステムが、加熱カップ式加熱装置と磁気撹拌装置と温度センサとを含み
具体的には、加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)及び磁気誘導ブロック(10)を含み、前記加熱カップ(28)が洗浄ボトル(1)の下方に位置し、PTCヒーター(29)が加熱カップ(28)の底部と周りに固定され、PTCヒーター(29)の周りは保温層(30)に包まれ、前記加熱カップ(28)が位置決めブロック(6)に固定され、位置決めブロック(6)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続し、前記永久磁石(7)の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック(10)が設けられ、当該磁気誘導ブロック(10)が洗浄ボトル(1)の底の中間位置に取り付けられており、
記撹拌加熱サブシステムが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱しながら、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を撹拌して、該洗浄液を均一に混合させるものであって、
前記温度センサが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液の温度を監視するものであり、これにより該洗浄液の温度が常に目標温度に適するように保持されることを特徴とする胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。
【請求項4】
前記洗浄ボトル(1)内に温度センサ(31)が設けられ、当該温度センサ(31)が洗浄ボトル(1)の底部に固体され、前記位置決めブロック(6)の中間部の収納穴に二つの永久磁石(7)が対称的に設けられ、これら二つの永久磁石(7)はいずれも支持ブラケット(8)の上部に嵌装され、前記洗浄ボトル(1)、加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、保温層(30)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が同一のハウジング(13)内に位置し、液体輸送チューブ(2)が当該ハウジング(13)の中から伸び、前記加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、保温層(30)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が支持軸(14)を介してハウジング(13)に接続し、洗浄ボトル(1)が加熱カップ(28)内に配置されていることを特徴とする請求項に記載の胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。
【請求項5】
洗浄ボトル(1)及び該洗浄ボトル(1)から伸びた液体輸送チューブ(2)を含み、前記液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングするシステムであって、
前記洗浄ボトル(1)が、洗浄液を撹拌及び加熱可能な撹拌加熱サブシステムを備え、
前記撹拌加熱サブシステムが、水浴加熱装置と磁気撹拌装置と温度センサとを含み
具体的には、水浴加熱容器(25)、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)、磁気誘導ブロック(10)及び磁気誘導器(26)を含み、前記洗浄ボトル(1)が水浴加熱容器(25)内に配置され、洗浄ボトル(1)の底部の中央に磁気誘導ブラック(10)が固定され、前記水浴加熱容器(25)の底部の中央に磁気誘導器(26)が取り付けられ、当該磁気誘導器(26)の下方に加熱ディスク(4)が設置され、加熱ディスク(4)が断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続しており、
記撹拌加熱サブシステムが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱しながら、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液を撹拌して、該洗浄液を均一に混合させるものであって、
前記温度センサが、前記洗浄ボトル(1)内の洗浄液の温度を監視するものであり、これにより該洗浄液の温度が常に目標温度に適するように保持されることを特徴とする胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療・衛生の分野に属し、具体的に、胃及び腸の内視鏡による検査診断、及び治療の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療・衛生分野において、胃腸内視鏡の診療設備が多く利用されており、医者がこれらの胃腸内視鏡を用いて診療を行う際、患者の状況によっては、一部の患者の胃腸管内に泡沫、粘液、血液又は排泄物が多く存在する場合がある。この場合、胃腸内視鏡の視野が不鮮明になり、胃腸内視鏡の視野内の観察に影響を与えるため、医者の診療を難しくさせ、病気を迅速に効果的に検査することや的確に治療することに不利となり、且つ、繰り返し観察することが必要となるため、患者の苦しみ及び医者の作業強度を増やしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
胃腸内視鏡による診療を行う際、胃腸内視鏡の視野の鮮明度を高めるべく、実際に臨床の必要に応じて生理食塩水を用意し、用意された生理食塩水で胃腸管内の局所を洗浄することができる洗浄装置がよく使用されているが、その効果はあまりよくない。上記の洗浄装置は、使用する時に、専任者により手で操作することが必要であり、更に流量及び洗浄時間の制御が難しいので、流量が多すぎたり洗浄時間が長すぎたりすると、大量の液体を病人の体内に溜まらせることにより、病人が気持ち悪くなって吐き気を感じることになってしまう。また、過剰な液体が逆流して気道に入ることもあるため、病人のリスクが高まる。
【0004】
中国特許CN201020567721.8(2011年5月4日に公開)には、滅菌処理をされた使い捨てブロアーと、調節弁付の注水チューブとを含み、注水チューブが使い捨てブロアーに連通する、密閉式注水装置が開示されている。当該密閉式注水装置は、無菌レベルが高く、ブロアーと注水チューブにより密閉システムを形成し、手術中に生理食塩水は、密閉システムを介して術野に入り、空気に曝されないため、汚染の機会を減らし、術後感染の確率を下げ、手術の品質を向上させることができる。しかしながら、当該注水装置は、使用する時に専任者により手で操作する必要もあるため、使用時の人件費が増加し、且つ流量を人の感覚でしか調整できなく、流速が一定にならないため、病人には不快感及びリスクがある。液体が使い切られた後に、液体を入るように調節弁を繰り返し開ける必要があるため、医者の視野を観察する時の集中力が分散されて、診療過程にリスクを与える。且つ、随時に液体を補充する必要があり、液体を補充する際に操作を中断する必要があるため、病人に不快感を与える。
【0005】
臨床上において、一部の胃腸内視鏡による検査では、医者は、洗浄装置を使用することが必要な場合、通常病院でよくある大容量注射器をよく用いて一つのカテーテルに接続して直接使用し、洗浄液として生理食塩水を採用することもある。当該装置も、流量の調節を感覚だけで行うもので、流速が一定にならなく、専任者による操作が必要であり、洗浄する際に待ち時間が長く、洗浄液の用量が多く、胃腸内視鏡による検査の操作時間が長く、冬に洗浄液の温度が低く、刺激性が強いという欠陥がある。当該装置は、臨床使用において、胃腸内視鏡による検査の操作時間が15分程度になる。
【0006】
本発明は、上記の技術的課題に鑑みて開発されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム(ESCGVと略称する)を提供することを一つの目的とする。本発明に係る胃腸内視鏡は、胃内視鏡と腸内視鏡の総称であり、当業者にとって、胃腸内視鏡そのものとは、胃内視鏡、腸内視鏡、又は両方を統合する、胃腸を検査するための装置であることを理解できるはずである。
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、洗浄ボトル(1)及び該洗浄ボトル(1)から伸びた液体輸送チューブ(2)を含み、前記液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングし、前記洗浄ボトル(1)が、更に洗浄液に対して攪拌及び加熱可能な攪拌加熱サブシステムを備える、胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムを提供する。
【0009】
本発明において、前記洗浄液は、洗浄剤Aと溶媒とからなり、前記洗浄剤Aはジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖とからなり、その内、ブドウ糖が15〜250部で、ジメチコン又はシメチコンが1〜20部であり、前記溶媒は生理食塩水、無菌水、純水、又は濃度5%のブドウ糖注射液であり、前記洗浄液におけるジメチコン又はシメチコンの質量と溶媒の体積との比がg/mlで0.01〜1%である。
【0010】
本発明において、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱装置と攪拌装置とを含み、前記加熱装置は、加熱ディスク式加熱装置、加熱カップ式加熱装置、又は水浴加熱装置を含み、前記攪拌装置は、磁気攪拌装置、第2蠕動ポンプ攪拌装置、又はパドル攪拌装置を含む。当業者にとって、上記加熱装置及び攪拌装置によっていずれも加熱及び攪拌の理想的な効果が得られるので、本発明の前記攪拌加熱サブシステムは、上記の加熱装置と前記攪拌装置とのいずれの可能な組み合わせとすることができることを理解できるはずである。
【0011】
上記技術案によれば、洗浄ボトルは、洗浄液を収納するものに用いられ、洗浄ボトルは、繰り返し消毒して使用することができると共に、蒸気による滅菌及び消毒に耐えるものであるため、コストを節約し、使用者の安全を確保することができる。攪拌加熱サブシステムは、洗浄液の随時使用可能を確保するように、洗浄ボトル内の洗浄液を攪拌することで、洗浄剤を均一に混合させると共に、洗浄ボトル内の洗浄液の温度を均一化させ、人体の胃腸管の温度に接近させるように、洗浄ボトルを加熱して恒温に維持する。これにより洗浄液を患者の体内に流す時、刺激性をもたらすことがなく、効果的に患者の快適性を向上させる。液体輸送チューブは、入水口端が洗浄ボトルに接続し、中間端が第1蠕動ポンプを通し、出水口端が胃腸内視鏡の給水システム、或いは直接に胃腸内視鏡の観察窓に接続する。
【0012】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムでは、液体輸送チューブの耐えられる圧力の範囲が6〜8kg/cmであり、当該圧力によって液体輸送用チューブが閉塞した場合に、破裂を起こさず、交差汚染を避けることができる。第1蠕動ポンプの調節可能な流量範囲は0〜900ml/分であり、最大流量を900ml/分に制御すると、第1蠕動ポンプによる供水の過程において、瞬間の供水量が多すぎることによって、患者に不快感を生じないことを確保することができる。液体輸送チューブの出水口の圧力範囲が0〜3kg/cmであり、この圧力では洗浄液をスムーズに流すことを確保できると共に、圧力が大きすぎることによって、患者の診療部位の傷を悪化させてしまう可能性がないこと、又は他の不快感を与えないことを確保できる。
【0013】
本発明は、調整した後に、第1蠕動ポンプのスイッチをオフにして、洗浄液を待機状態にする。必要に応じて、第1蠕動ポンプのスイッチをオンにすると、第1蠕動ポンプで洗浄ボトル内の洗浄液をポンピングし、洗浄液を液体輸送用チューブを介して胃腸内視鏡の診療窓へ流し、患者体内の診療部位を洗浄することにより、胃腸内視鏡診療視野の鮮明度を高めることができる。本発明に係るシステムでは、臨床医一人で胃腸内視鏡による診療の際に使用することができ、他に専門の操作者を加える必要がないので、使用する時の人件コストを節約できる。本発明において、洗浄液の流量及び流速を制御できるので、胃腸内視鏡の診療設備の使用過程での供水の敏速性及び精確性を向上させ、病人の快適性を確保しながら、医者の視野を観察する集中力が分散されることを避け、診療のリスクを除去することができる。
【0014】
本発明の第1の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱ディスク式加熱装置と磁気攪拌装置とから構成される。具体的には、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)及び磁気誘導ブロック(10)を含み、前記加熱ディスク(4)は洗浄ボトル(1)の下方に位置し、断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)が位置決めブロック(6)に固定され、断熱マット(5)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続し、前記永久磁石(7)の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック(10)が設けられ、当該磁気誘導ブロック(10)が洗浄ボトル(1)の底の中間位置に取り付けられる。
【0015】
上記の構成において、外が1層のポリテトラフルオロエチレンに包まれた磁気誘導ブロックは繰り返し消毒して使用することができる。モーターの出力軸によって支持ブラケットと永久磁石を回転させて、永久磁石が磁気誘導ブロックとともに洗浄液を均一に混合させ、洗浄液の随時使用可能を確保するように、ボトル内の洗浄液に対して磁気攪拌を行う。また、攪拌加熱サブシステムの回転部分は洗浄液に接触しないため、洗浄液が汚染されることを効果的に避けることができる。回転部分が加熱部分と有機的に結合して、攪拌加熱サブシステム全体の構造がコンパクトであり、体積が小さくて精巧であり、組み立てが容易であり、コストが低い。
【0016】
本発明に係る攪拌加熱サブシステムにおいては、前記加熱ディスク(4)の隣に第1温度センサ(11)が設けられ、前記洗浄ボトル(1)内に第2温度センサ(12)が設けられ、当該第2温度センサ(12)の頂部が洗浄ボトル(1)のキャップに固定される。第1温度センサは加熱ディスクの温度を監視するためのもので、第2温度センサは洗浄ボトル内の洗浄液の温度を監視するためのものである。第1温度センサは制御回路を介して第2温度センサに接続し、両方の温度センサを合わせて作用させることで、洗浄液の温度が常に診療に必要な目標温度に適するように保持される。目標温度を25℃から38℃までに設定してもよい。こうすると、温度制御の自動性と精確性を確保することができると共に、洗浄液が人体に入る時の患者の快適性を確保することができる。
【0017】
本発明に係る攪拌加熱サブシステムにおいては、前記断熱マット(5)の中間部の収納穴内に二つの永久磁石(7)が対称的に設けられ、これら二つの永久磁石(7)はいずれも支持ブラケット(8)の上部に嵌装される。こうすると、永久磁石の装着及び交換が容易になり、量産にも有利である。
【0018】
本発明に係る攪拌加熱サブシステムにおいては、前記洗浄ボトル(1)、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、及びモーター(9)が同一のハウジング(13)内に設けられ、液体輸送チューブ(2)が当該ハウジング(13)の中から伸びている。上記の構造では、加熱と攪拌とを一体化して、設備のスペースを節約することができる。
【0019】
本発明に係る攪拌加熱サブシステムにおいては、前記加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が同一のベース座(14)内に設けられ、洗浄ボトル(1)が当該ベース座(14)によって支持されている。上記の構成では、洗浄ボトルと永久磁石との接触距離が短いので、洗浄ボトル内の磁気誘導ブロックと永久磁石との相互作用に有利で、磁気攪拌の効果を確保することができる。
【0020】
本発明の第2の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱カップ式加熱装置と磁気攪拌装置とから構成される。具体的には、加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)及び磁気誘導ブロック(10)を含み、前記加熱カップ(28)が洗浄ボトル(1)の下方に位置し、PTCヒーター(29)が加熱カップ(28)の底部と周りに固定され、PTCヒーター(29)の周りは保温層(30)に包まれ、前記加熱カップ(28)が位置決めブロック(6)に固定され、位置決めブロック(6)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続し、前記永久磁石(7)の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック(10)が設けられ、当該磁気誘導ブロック(10)が洗浄ボトル(1)の底の中間位置に取り付けられる。
【0021】
ここで、前記洗浄ボトル(1)内に温度センサ(31)が設けられ、当該温度センサ(31)が洗浄ボトル(1)の底部に固体され、前記位置決めブロック(6)の中間部の収納穴に二つの永久磁石(7)が対称的に設けられ、これら二つの永久磁石(7)はいずれも支持ブラケット(8)の上部に嵌装される。
【0022】
本発明に係るPTCヒーターは、従来の技術により開示された周知の構造であり、特に限定されていない。
【0023】
前記洗浄ボトル(1)、加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、保温層(30)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が同一のハウジング(13)内に位置し、液体輸送チューブ(2)が当該ハウジング(13)の中から伸び、前記加熱カップ(28)、PTCヒーター(29)、保温層(30)、位置決めブロック(6)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)及びモーター(9)が支持軸(14)を介してハウジング(13)に接続し、洗浄ボトル(1)が加熱カップ(28)内に配置されている。
【0024】
本発明の第3の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱カップ式加熱装置と第2蠕動ポンプ攪拌装置とから構成される。具体的には、加熱カップ(28)、位置決めブロック(6)、第2蠕動ポンプ(23)及び循環用チューブ(22)を含み、前記洗浄ボトル(1)は、加熱カップ(28)内に配置され、且つ位置決めブロック(6)に固定され、前記洗浄ボトル(1)の外に第2蠕動ポンプ(23)が設置され、循環用チューブ(22)が当該第2蠕動ポンプ(23)を通し、循環用チューブ(22)の入液口と出液口はいずれも洗浄ボトル(1)内に位置し、且つ循環用チューブ(22)の入液口が洗浄ボトル(1)の底に近く、循環用チューブ(22)の出液口が洗浄ボトル(1)の口に近い。
【0025】
本発明の第4の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱ディスク式加熱装置と第2蠕動ポンプ攪拌装置とから構成される。具体的には、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、位置決めブロック(6)、循環用チューブ(22)及び第2蠕動ポンプ(23)を含み、前記加熱ディスク(4)は洗浄ボトル(1)の下方に位置し、断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)が位置決めブロック(6)に固定され、前記洗浄ボトル(1)の外に第2蠕動ポンプ(23)が設置され、循環用チューブ(22)が当該第2蠕動ポンプ(23)を通し、循環用チューブ(22)の入液口と出液口はいずれも洗浄ボトル(1)内に位置し、且つ循環用チューブ(22)の入液口が洗浄ボトル(1)の底に近く、循環用チューブ(22)の出液口が洗浄ボトル(1)の口に近い。
【0026】
上記の構成では、加熱ディスクを加熱に用い、第2蠕動ポンプを攪拌に用い、第2蠕動ポンプによる循環によって洗浄ボトルの中の洗浄液が均一に攪拌して混合された状態になるようにする。この攪拌は、洗浄液自身の流動による動力を利用して旋回流を形成することで、洗浄ボトルの中の洗浄液を均一に混合させる。他の動力源を使用しないので、他の動力による交差感染の可能性を避け、且つ第2蠕動ポンプが洗浄ボトルの外に設置されるので、洗浄ボトルの構成も比較的簡単である。
【0027】
本発明の第5の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、水浴加熱装置と第2蠕動ポンプ攪拌装置とから構成される。具体的には、循環用チューブ(22)、第2蠕動ポンプ(23)及び恒温水浴加熱装置(24)を含み、前記洗浄ボトル(1)の外に第2蠕動ポンプ(23)及び恒温水浴加熱装置(24)が設置され、循環用チューブ(22)は、恒温水浴加熱装置(24)を貫通して、第2蠕動ポンプ(23)を通し、循環用チューブ(22)の入液口と出液口はいずれも洗浄ボトル(1)内に位置し、且つ循環用チューブ(22)の入液口が洗浄ボトル(1)の底に近く、循環用チューブ(22)の出液口が洗浄ボトル(1)の口に近い。
【0028】
上記の構成でも、均一な攪拌混合には第2蠕動ポンプを用いるため、洗浄液の汚染を避けることができる。加熱には水浴加熱を用い、水浴によって循環用チューブを加熱し、循環用チューブから洗浄液に熱を伝えることにより、洗浄ボトルの中の洗浄液の温度を制御する。水浴加熱を用いるため、加熱方法が比較的温和で、温度の変動範囲が狭く、且つ、水浴加熱が洗浄ボトルの外部に行われるので、洗浄ボトルの構成も比較的簡単である。
【0029】
本発明の第6の実施形態では、前記攪拌加熱サブシステムは、水浴加熱装置と磁気攪拌装置とから構成される。具体的には、水浴加熱容器(25)、加熱ディスク(4)、断熱マット(5)、永久磁石(7)、支持ブラケット(8)、モーター(9)、磁気誘導ブロック(10)及び磁気誘導器(26)を含み、前記洗浄ボトル(1)が水浴加熱容器(25)内に配置され、洗浄ボトル(1)の底部の中央に磁気誘導ブラック(10)が固定され、前記水浴加熱容器(25)の底部の中央に磁気誘導器(26)が取り付けられ、当該磁気誘導器(26)の下方に加熱ディスク(4)が設置され、加熱ディスク(4)が断熱マット(5)によって支持され、前記断熱マット(5)の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石(7)が設けられ、前記永久磁石(7)が支持ブラケット(8)に取り付けられ、当該支持ブラケット(8)の下端がモーター(9)の出力軸に接続する。
【0030】
上記の構造では、加熱には水浴加熱方式を用いることで、洗浄液の温度の変動を低減することができる。磁気攪拌を洗浄液の均一な混合に用い、水浴加熱中にも一つの磁気誘導器を配置することで、水浴加熱容器の中の液体を均一に攪拌し混合することもでき、洗浄ボトルの外部全体の水浴温度が上下左右で一致し、伝熱を均一に保持し、且つ、水浴加熱容器の中の磁気誘導器と洗浄ボトルの中の磁気誘導ブロックが同一の永久磁石によって同時に運動するため、構造が簡単である。
【0031】
構成を簡単化させて、加工、製造及び組立を便利にし、生産コストを低減するために、本発明はさらに第7の実施形態を提供し、前記攪拌加熱サブシステムは、加熱ディスク式加熱装置とパドル攪拌装置とから構成される。具体的には、加熱ディスク(4)、モーター(9)及び攪拌パドル(27)を含み、前記加熱ディスク(4)が洗浄ボトル(1)の底部に取り付けられ、洗浄ボトル(1)内に攪拌パドル(27)が設けられ、当該攪拌パドル(27)がモーター(9)の出力軸に接続し、モーター(9)が洗浄ボトル(1)の外に設置されている。
【0032】
上記の技術案では、本発明に係る第1蠕動ポンプ(3)のスイッチはフットスイッチ(15)であり、当該フットスイッチ(15)が制御回路を介して第1蠕動ポンプ(3)に接続し、前記フットスイッチ(15)にタイムスイッチが接続され、当該タイムスイッチがフットスイッチ(15)の制御回路に直列接続されている。フットスイッチの起動力は45Nより小さく、臨床医が足でフットスイッチを踏むと、フットスイッチが起動して、第1蠕動ポンプの作動が開始し、足を放すと、第1蠕動ポンプの作動が停止する。足をフットスイッチから放すことを忘れた場合、フットスイッチがタイムスイッチによって制御され、最大作動時間は15〜20秒で、好ましくは18秒であり、こうすると、毎回に蠕動ポンプの作動時間がこの最大作動時間を超えないように制御し、当該時間では一回の最大供水量を制御できるので、一回の供水量が多すぎることにより患者の胃が膨満し不快感を感じることはない。
【0033】
本発明は、胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法を提供することをもう一つの目的とする。
【0034】
本発明は、上記目的を達成するために、下記のような技術案を提出した。
胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムを用いた胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法であって、
1)洗浄ボトル(1)内に洗浄液を入れるステップ、
2)攪拌加熱サブシステムを起動して、洗浄ボトル(1)内の洗浄液を加熱しながら、洗浄ボトル(1)内の洗浄液を攪拌して、洗浄液を均一に混合させるステップ、
3)洗浄ボトル(1)内の洗浄液の温度を25〜38℃に保持するように制御するステップ、及び
4)第1蠕動ポンプ(3)のスイッチを入れて、第1蠕動ポンプ(3)が洗浄ボトル(1)内の洗浄液をポンピングし、洗浄液が液体輸送チューブ(2)を介して胃腸内視鏡の給水システム、或いは胃腸内視鏡の観察窓へ流れ、患者の体内観察を行う診療部位を洗浄するステップ、
を含む胃腸内視鏡治療用視野内鮮明度を高める方法である。
【0035】
上記の方法では、必要に応じて、体温に適応した洗浄液を患者の体内に送り込み、胃腸内視鏡の観察窓を洗浄することによって、効果的に胃腸内視鏡視野内の鮮明度を向上させることができ、臨床医の診療を便利にする。それと同時に、胃腸内視鏡の観察窓を洗浄する過程において、患者にとって刺激感を生じることなく、患者の快適性を確保することができる。
【0036】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法において、前記洗浄液は450〜2000mlである。
【0037】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法において、前記液体輸送チューブ(2)の耐えられる圧力範囲は6〜8kg/cmであり、液体輸送チューブ(2)の出水口の圧力範囲は0〜3kg/cmである。
【0038】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法において、前記第1蠕動ポンプ(3)の調整可能な流量範囲は0〜900ml/分であり、最大の流量は900ml/分に制御される。
【0039】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法において、前記洗浄液の流量は900ml/分を超えない。
【0040】
本発明の前記洗浄液は、洗浄剤Aと溶媒とからなり、洗浄剤Aはジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖とからなり、その内、ブドウ糖が15〜250部で、ジメチコン又はシメチコンが1〜20部であり、前記洗浄液におけるジメチコン又はシメチコンの質量と溶媒の体積との比がg/mlで0.01〜1%であり、好ましくは0.15%である。上記配合比の範囲にあると、消泡能力を確保できると共に、洗浄液の均一混合時間を節約することができる。特に、診療の品質を確保することを前提として、洗浄時間を短縮し、洗浄液の使用量を削減し、こうすると、診療の効率を高めると共に、患者の適応性と快適性を向上させることが重要である。それと同時に、上記のように材料を選ぶことによって、洗浄剤Aを調製しやすくなり、この比率で他の補助材料を添加しなくても、流動性の良い、充填に適する洗浄剤Aを調製することができ、生産コストを効果的に低減できる。
【0041】
本発明に係る洗浄液は、前記溶媒が生理食塩水、無菌水、純水、又は濃度5%のブドウ糖注射液である。こうすると、材料は入手しやすく、コストが低くなると共に、洗浄剤Aと溶媒との混合に有利である。
【0042】
本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法において、胃腸内視鏡による診療の開始15〜30分前に、患者に先に洗浄剤Bを1包内服させ、前記洗浄剤Bはジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖とからなり、その内、ブドウ糖は15〜250部で、ジメチコン又はシメチコンは1〜20部であり、前記洗浄剤Bにおけるジメチコン又はシメチコンの含有量の範囲が1包あたり40mg〜500mgである。先に洗浄剤Bを内服することは、体内の泡沫や気泡の大部分を除去し、胃腸内視鏡による診療の事前準備を整え、できるだけ診療の過程において洗浄の必要な状態を減少させるためである。洗浄剤Bは上記構成を用いることにより、調製しやすくなり、この比率では他の補助材料を添加しなくても、流動性の良い、充填に適する洗浄剤Bを調製することができ、生産コストを効果的に低減できる。
【0043】
なお、本発明に係る胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法では、フットスイッチを用い、或いはフットスイッチとタイムスイッチを併用することにより、第1蠕動ポンプのスイッチに対する制御を実現し、前記タイムスイッチはフットスイッチの作動時間が15〜20秒であり、好ましくは18秒にあるように、補助設定を行う。
【発明の効果】
【0044】
本発明による効果は以下のとおりである。
(1)胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムでは、臨床医一人で胃腸内視鏡による診療の際に使用することができ、他に専門の操作者を加える必要がないので、使用する時の人件コストを節約できる。
(2)フットスイッチによる制御を用いることにより、操作が簡単で、便利であり、医者一人で操作でき、使用過程での洗浄の敏速性と精確性を向上させる。
(3)必要に応じて、随時液体を供給したり、液体の供給を停止したりすることができ、異なる液体の種類によって、加熱機能又は/及び磁気攪拌機能を使用し、システムのサンプルへの適用性が高まる。
(4)診療時間は著しく減少し、患者の適応性と快適性を極めて向上させ、さらにそれぞれの患者に対して胃腸内視鏡による診療を行う際に、その胃腸内視鏡の視野内の鮮明度が著しく高まり、診断漏れと誤診の発生を極めて低減させ、胃腸内視鏡による診療の品質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムの構成の模式図であり、攪拌加熱サブシステムの第1の実施形態の構成の模式図である。
図2】第1の実施形態において、洗浄ボトルの下方にある各部品が同一のベース座内に位置する模式図である。
図3】第1の実施形態において、洗浄ボトル及び洗浄ボトルの下方にある各部品が同一のハウジング内に位置する模式図である。
図4】攪拌加熱サブシステムの第2の実施形態の構成の模式図である。
図5】攪拌加熱サブシステムの第3の実施形態の構成の模式図である。
図6】攪拌加熱サブシステムの第4の実施形態の構成の模式図である。
図7】攪拌加熱サブシステムの第5の実施形態の構成の模式図である。
図8】攪拌加熱サブシステムの第6の実施形態の構造の模式図である。
図9】攪拌加熱サブシステムの第7の実施形態の構造の模式図である。
【符号の説明】
【0046】
1:洗浄ボトル
2:液体輸送チューブ
3:第1蠕動ポンプ
4:加熱ディスク
5:断熱マット
6:位置決めブロック
7:永久磁石
8:支持ブラケット
9:モーター
10:磁気誘導ブロック
11:第1温度センサ
12:第2温度センサ
13:ハウジング
14:ベース座
15:フットスイッチ
16:電気制御キャビネット
17:電源スイッチ
18:流量調整スイッチ
19:磁気攪拌スイッチ
20:攪拌用速調スイッチ
21:加熱恒温スイッチ
22:循環用チューブ
23:第2蠕動ポンプ
24:恒温水浴加熱装置
25:水浴加熱容器
26:磁気誘導器
27:攪拌パドル
28:加熱カップ
29:PTCヒーター
30:保温層
31:温度センサ
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明を以下の実施形態によって説明するが、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0048】
実施形態1
図1図2及び図3に示すように、本実施形態は、胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステムを提供する。当該システムは、洗浄ボトル1、液体輸送チューブ2、第1蠕動ポンプ3、加熱ディスク4、断熱マット5、位置決めブロック6、永久磁石7、支持ブラケット8、モーター9、磁気誘導ブロック10、第1温度センサ11、第2温度センサ12、フットスイッチ15及び電気制御キャビネット16などの部品から構成されている。
【0049】
上記のシステムにおいて、図1並びに図2に示すように、加熱ディスク4、断熱マット5、位置決めブロック6、永久磁石7、支持ブラケット8及びモーター9は同一のベース座14内に位置し、当該ベース座14は、直方体構造であることが好ましいが、他の適当な構造でもよい。前記ベース座14内の下部の中央にモーター9が取り付けられ、当該モーター9の出力軸は垂直に上に向き、モーター9の出力軸は支持ブラケット8の下端の中に伸び、両者が固定的に接続される。支持ブラケット8の上部に二つの永久磁石7が嵌装され、これら二つの永久磁石7が同一の高さに対称的に配置されている。支持ブラケット8の上部及び二つの永久磁石7は、断熱マット5の中間部の収納穴に位置し、当該断熱マット5の底部は、位置決めブロック6によって固定して支持され、位置決めブロック6とベース座14が一体構造であり、又は両者が固定的に接続されている。断熱マット5に加熱ディスク4が設けられ、当該加熱ディスク4はディスク本体と支持脚とからなり、加熱ディスク4のディスク本体が断熱マット5によって支持されると共に、当該ディスク本体がベース14の内頂壁に近く、加熱ディスク4の支持脚が下に向き、断熱マット5及び位置決めブロック6に嵌め込まれる。
【0050】
図1並びに図2に示すように、洗浄ボトル1は洗浄液を収納するためのもので、洗浄ボトル1の底部はベース14の頂面によって支持されて位置が決められ、当該洗浄ボトル1は、好ましくはビーカーである。洗浄ボトル1の上端口はキャップによって密閉され、洗浄ボトル1内に第2温度センサ12が設けられ、当該第2温度センサ12の頂部が洗浄ボトル1のキャップに固定されている。加熱ディスク4の隣に第1温度センサ11が配置され、第1温度センサ11は加熱ディスク4の温度を監視するためのもので、第2温度センサ12は洗浄ボトル1内の洗浄液の温度を監視するためのものである。第1温度センサ11と第2温度センサ12は制御回路を介して接続され、二つの温度センサを合わせて作用させることで、洗浄液の温度を常に人体の体温に適した25〜38℃に保持することができる。洗浄ボトル1に永久磁石7に合わせた磁気誘導ブロック10が設置され、当該磁気誘導ブロック10が洗浄ボトル1の底の中間位置に嵌装され、且つおおよそ永久磁石7の真上に位置している。モーター9の出力軸によって永久磁石7を回転させると、永久磁石7が磁気誘導ブロック10と合わせて、磁界を発生させることにより、洗浄ボトル1内の洗浄液を磁気攪拌し、洗浄液が汚染されることを避ける。
【0051】
図1に示すように、洗浄ボトル1に液体輸送チューブ2が接続され、当該液体輸送チューブ2は洗浄ボトル1から伸びる。液体輸送チューブ2は、好ましくはゴムチューブである。液体輸送チューブ2は、第1蠕動ポンプ3を通し、液体輸送チューブ2の出口は、使用する前に胃腸内視鏡の給水システム、或いは直接に胃腸内視鏡の観察窓に接続されている。第1蠕動ポンプ3のスイッチはフットスイッチであり、当該フットスイッチ15が制御回路を介して第1蠕動ポンプ3に接続される。フットスイッチ15にはタイムスイッチが接続され、当該タイムスイッチがフットスイッチ15の制御回路に直列接続されている。臨床医が足でフットスイッチ15を踏むと、フットスイッチ15が起動して、第1蠕動ポンプ3の作動を開始し、足を放すと、第1蠕動ポンプ3の作動を停止する。タイムスイッチは、フットスイッチ15の一回の作動時間が18秒になるように、フットスイッチ15を制御する。当然ながら、フットスイッチ15の一回の動作時間は、必要に応じて調整できる。臨床医は足をフットスイッチ15から放すことを忘れた場合、フットスイッチ15が起動してから18秒後に自動的にオフになる。こうすると、第1蠕動ポンプ3の毎回の動作時間が18秒を超えないように制御され、当該時間では、一回の最大供水量を制御できるので、一回の供水量が多すぎることにより患者の胃が膨満し不快感を感じることはない。
【0052】
図1に示すように、第1蠕動ポンプ3は、電気制御キャビネット16内又は電気制御キャビネット16の隣に位置し、当該電気制御キャビネット16は洗浄ボトル1に近接している。第1蠕動ポンプ3、加熱ディスク4、モーター9、第1温度センサ11、第2温度センサ12及びフットスイッチ15の制御回路はいずれも電気制御キャビネット16の内部に設置されている。臨床医の操作を便利にするために、電気制御キャビネット16の外に、システム全体の電源を制御する電源スイッチ17、第1蠕動ポンプ3の作動を制御する流量調整スイッチ18、モーター9の作動を制御する磁気攪拌スイッチ19、モーター9の回転数を制御する攪拌用速調スイッチ20及び加熱ディスク4の作動を制御する加熱恒温スイッチ21が設けられている。
【0053】
図1並びに図3に示すように、洗浄ボトル1、加熱ディスク4、断熱マット5、位置決めブロック6、永久磁石7、支持ブラケット8及びモーター9などの部品は、同一のハウジング13に位置してもよい。洗浄ボトル1の底部は、加熱ディスク4のディスク本体によって直接に支持され、液体チューブ2が当該ハウジング13から伸びている。加熱ディスク4、断熱マット5、位置決めブロック6、永久磁石7、支持ブラケット8及びモーター9の配置の形態は、上記のベース座に設置する場合と同様であるので、ここでは贅言しない。第1温度センサ11、第2温度センサ12及び磁気誘導ブロック10の装着の形態も変わらない。
【0054】
実施形態2
図4に示すように、洗浄ボトル1に液体輸送チューブ2が接続され、当該液体輸送チューブ2は洗浄ボトル1から伸び、液体輸送チューブ2は第1蠕動ポンプ3を通し、液体輸送チューブ2の出口は、使用する前に胃腸内視鏡の給水システム、或いは直接に胃腸内視鏡の観察窓に接続されている。第1蠕動ポンプ3の設置形態及び制御方法は、実施形態1と同様であるので、ここでは贅言しない。洗浄ボトル1の下方に、又は洗浄ボトル1の底部に一つの収納スペースが設置され、当該収納スペース内に加熱ディスク4が設置され、加熱ディスク4が断熱マット5によって支持され、前記断熱マット5は収納スペース内の位置決めブロック6に固定されている。加熱ディスク4が通電して作動すれば、洗浄ボトル1内の洗浄液を加熱することができ、サーモスタット及び制御回路によって洗浄液の温度を人体に適する温度範囲内に保つようにすることができる。
【0055】
図4に示すように、洗浄ボトル1の外に第2蠕動ポンプ23が設置され、循環用チューブ22が当該第2蠕動ポンプ23を通し、循環用チューブ22の入液口と出液口はいずれも洗浄ボトル1内に位置し、且つ循環用チューブ22の入液口が洗浄ボトル1の底に近く、循環用チューブ22の出液口が洗浄ボトル1の口に近くなっている。第2蠕動ポンプ23が作動すれば、洗浄ボトル1内の洗浄液をポンピングすることができる。洗浄液自身の流動による動力を利用して旋回流を形成することで、洗浄ボトルの中の洗浄液を均一に混合させるので、交差汚染を避けると共に、洗浄液の受熱を均一にすることができる。
【0056】
実施形態3
図5に示すように、洗浄ボトル1に液体輸送チューブ2が接続され、当該液体輸送チューブ2は洗浄ボトル1から伸び、液体輸送チューブ2は第1蠕動ポンプ3を通され、液体輸送チューブ2の出口は、使用する前に胃腸内視鏡の給水システム、或いは直接に胃腸内視鏡の観察窓に接続されている。第1蠕動ポンプ3の設置形態と制御方法は、実施形態1と同様であるので、ここでは贅言しない。
【0057】
図5に示すように、洗浄ボトル1の外に、第2蠕動ポンプ23及び恒温水浴加熱装置24が設置され、循環用チューブ22は、恒温水浴加熱装置24を貫通して、第2蠕動ポンプ23を通され、循環用チューブ22の入液口と出液口はいずれも洗浄ボトル1内に位置し、且つ循環用チューブ22の入液口が洗浄ボトル1の底に近く、循環用チューブ22の出液口が洗浄ボトル1の口に近くなっている。
【0058】
実施形態3の均一な攪拌混合にも第2蠕動ポンプ23を用いるため、洗浄液の汚染を避けることができる。加熱には恒温水浴加熱を用い、恒温水浴によって循環用チューブ22を加熱し、循環用チューブ22から洗浄液に熱を伝えることにより、洗浄ボトル1の中の洗浄液の温度を制御する。水浴加熱を用いるため、加熱方式が比較的温和で、温度の変動範囲が狭く、且つ、水浴加熱が洗浄ボトル1の外部に行われるので、洗浄ボトルの構成も比較的簡単である。
【0059】
実施形態4
図6に示すように、洗浄ボトル1に液体輸送チューブ2が接続され、当該液体輸送チューブ2は洗浄ボトル1から伸び、液体輸送チューブ2は第1蠕動ポンプ3を通し、液体輸送チューブ2の出口は、使用する前に胃腸内視鏡の給水システム、或いは直接に胃腸内視鏡の観察窓に接続されている。第1蠕動ポンプ3の設置形態と制御方法は、実施形態1と同様であるので、ここでは贅言しない。洗浄ボトル1が水浴加熱容器25内に配置され、洗浄ボトル1の底部の中央に磁気誘導ブラック10が固定され、水浴加熱容器25の底部の中央に磁気誘導器26が取り付けられ、当該磁気誘導器26の下方に加熱ディスク4が設置され、加熱ディスク4が断熱マット5によって支持される。断熱マット5の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に永久磁石7が設けられ、永久磁石7が支持ブラケット8に取り付けられ、当該支持ブラケット8の下端がモーター9の出力軸に接続している。
【0060】
実施形態4は、水浴加熱方式を用いることで、洗浄液の温度の変動を低減することができる。磁気攪拌を洗浄液の均一な混合に用い、水浴加熱容器中にも一つの磁気誘導器を配置することで、水浴加熱容器の中の液体を均一に攪拌し混合することもでき、洗浄ボトルの外部全体の水浴温度が上下左右で一致し、伝熱を均一に保持し、且つ、水浴加熱容器の中の磁気誘導器と洗浄ボトルの中の磁気誘導ブロックが同一の永久磁石によって同時に運動するため、構造が簡単である。
【0061】
実施形態5
図7に示すように、洗浄ボトル1に液体輸送チューブ2が接続され、当該液体輸送チューブ2は洗浄ボトル1から伸び、液体輸送チューブ2は第1蠕動ポンプ3を通され、液体輸送チューブ2の出口は、使用する前に胃腸内視鏡の給水システム、或いは直接に胃腸内視鏡の観察窓に接続されている。第1蠕動ポンプ3の設置形態と制御方法は、実施形態1と同様であるので、ここでは贅言しない。洗浄ボトル1の底部に加熱ディスク4が取り付けられ、当該加熱ディスク4は、洗浄ボトル1内の洗浄液から離されており、加熱ディスクは通電して動作することによって洗浄液を加熱する。洗浄ボトル1内に攪拌パドル27が設置され、当該攪拌パドル27がモーター9の出力軸に接続している。モーター9が洗浄ボトル1の上方に設置され、且つモーター9の出力軸は垂直に下に向いている。モーター9は作業している時、モーター9によって攪拌パドル27を回転させ、洗浄液に対して攪拌を行う。
【0062】
実施形態6
図8に示すように、本実施形態に係る攪拌加熱サブシステムは、加熱カップ28、PTCヒーター29、位置決めブロック6、永久磁石7、支持ブラケット8、モーター9及び磁気誘導ブロック10を含む。加熱カップ28が洗浄ボトル1の下方に位置し、PTCヒーター29が加熱カップ28の底部と周りに固定され、PTCヒーター29の周りは保温層30に包まれ、加熱カップ28が位置決めブロック6に固定され、位置決めブロック6の中間部に収納穴が開口され、当該収納穴の中に二つの永久磁石7が対称的に設けられ、これら二つの永久磁石7はいずれも支持ブラケット8の上方に嵌装され、当該支持ブラケット8の下端がモーター9の出力軸に接続し、永久磁石7の上方にこれと合わせた磁気誘導ブロック10が設けられ、当該磁気誘導ブロック10が洗浄ボトル1の底の中間位置に取り付けられ、洗浄ボトル1が加熱カップ28内に配置されている。
【0063】
ここで、前記洗浄ボトル1内に温度センサ31が設けられ、当該温度センサ31が洗浄ボトル1の底部に固定されている。
【0064】
本実施形態において、前記洗浄ボトル1、加熱カップ28、PTCヒーター29、保温層30、位置決めブロック6、永久磁石7、支持ブラケット8及びモーター9が同一のハウジング13内に位置し、液体輸送チューブ2が当該ハウジング13の中から伸び、加熱カップ28、PTCヒーター29、保温層30、位置決めブロック6、永久磁石7、支持ブラケット8及びモーター9が支持軸14を介してハウジング13に接続され、洗浄ボトル1が加熱カップ28内に配置されている。
【0065】
本実施形態と実施形態1との区別は加熱装置が異なることだけにある。実施形態1は加熱ディスク式加熱装置を用い、本実施形態は加熱カップ式加熱装置を用いた以外は、位置関係の設置形態及び制御方法は実施形態1と同様であるので、ここでは贅言しない。
【0066】
実施形態7
図9に示すように、本実施形態に係る攪拌加熱サブシステムは、加熱カップ28、PTCヒーター29、位置決めブロック6、第2蠕動ポンプ23及び循環用チューブ22を含み、洗浄ボトル1が加熱カップ28内に位置し、加熱カップ28の底部と周りにPTCヒーター29が固定され、PTCヒーター29の周りは保温層30に包まれ、加熱カップ28が位置決めブロック6に固定されている。
【0067】
洗浄ボトル1の外に第2蠕動ポンプ23が設置され、循環用チューブ22は、洗浄ボトル1から伸びて、第2蠕動ポンプ23を通され、循環用チューブ22の入液口と出液口はいずれも洗浄ボトル1内に位置し、且つ循環用チューブ22の入液口が洗浄ボトル1の底に近く、循環用チューブ22の出液口が洗浄ボトル1の口に近くなっている。
【0068】
実施形態8
実施形態1〜7の何れか一つの上記のシステムを利用して、胃腸内視鏡診療用視野内の鮮明度を高める方法であって、この方法は、以下のステップで行われる。
1)胃腸内視鏡による診療の際に、洗浄ボトル1内に1000〜2000mlの洗浄液を入れ、当該洗浄液は洗浄剤Aと溶媒とからなるものであり、洗浄剤Aがジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖とからなり、その内、ブドウ糖が15〜250部で、ジメチコン又はシメチコンが1〜20部である。洗浄剤Aにおけるジメチコン又はシメチコンの質量(g)と溶媒の体積(ml)との比が0.01〜1%である。溶媒は生理食塩水、無菌水、純水、又は濃度5%のブドウ糖注射液である。本実施形態では、洗浄剤Aにおけるジメチコン又はシメチコンの質量(g)と溶媒の体積(ml)との比は、好ましくは0.15%であり、洗浄液は、好ましくは1000mlである。本実施形態に係る溶媒は濃度0.9%の生理食塩水を用いる。この洗浄剤Aと溶媒との配合比の範囲にあると、該当洗浄液の消泡能力及び速度を確保できると共に、洗浄剤Aの均一混合時間を節約することができ、洗浄剤Aの平均の均一混合時間は30秒である。洗浄剤Aは以下の配合比で構成されてもよい。
【0069】
【表1】
【0070】
ジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖との比率は、一連の試験によって選定されたものであり、補助材料の種類を増やさないことを前提としている。ジメチコン又はシメチコンが油性の液体であるので、ジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖との混合物を調製する際、試験による選定によって得られた上記の比率で、90℃程度までに加熱したジメチコン又はシメチコンを、接着剤としてブドウ糖にゆっくり入れ、高速に攪拌して造粒を行って、80メッシュのふるいを通し、均一に混合して、それらの混合物が得られる。
【0071】
2)実施形態1〜7の何れか一つの前記攪拌加熱サブシステムを起動し、攪拌加熱サブシステムで、洗浄ボトル1内の洗浄液を加熱しながら、洗浄ボトル1内の洗浄液を撹拌して、洗浄液を均一に混合する。
【0072】
3)洗浄ボトル1内の洗浄液の温度を38℃に保持するように制御する。このステップは、サーモスタットと制御回路によって実現することができる。
【0073】
4)第1蠕動ポンプ3のスイッチを入れて、第1蠕動ポンプ3で洗浄ボトル1内の洗浄剤をポンピングし、洗浄液が液体輸送チューブ2を介して胃腸内視鏡の観察窓へ流し、患者の体内観察を行う診療部位を洗浄する。洗浄液の流量は900ml/分を超えない。診療部位が洗浄液に接触すると、1〜3秒以内にすぐに消泡し、非常に鮮明になって、視野の盲点のないことが観察窓から観察された。胃腸内視鏡による検査を行う操作時間は、内視鏡を入れてから取り出すまでの時間を含めて、通常の12〜15分から5〜9分までに減少し、診療時間が著しく減少し、患者の適応性と快適性を極めて向上させた。
【0074】
実施形態9
実施形態1〜7の何れか一つの上記のシステムを利用して、胃腸内視鏡診療用視野内の鮮明度を高める方法であって、この方法は、以下のステップで行われる。
1)胃腸内視鏡による診療の開始30分前に、患者が先に洗浄剤Bを水で1包内服する。洗浄剤Bはジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖とからなり、その内、ブドウ糖は15〜250部で、ジメチコン又はシメチコンは1〜20部であり、洗浄剤B1包にはジメチコン又はシメチコンの含有量の範囲が40mg〜500mgである。具体的に洗浄剤Bは以下の配合比で構成されてよい。
【0075】
【表2】
【0076】
2)胃腸内視鏡による診療の際に、洗浄ボトル1内に2000mlの洗浄液を入れる。当該洗浄液は洗浄剤Aと溶媒とからなり、洗浄剤Aがジメチコン又はシメチコンと、ブドウ糖とからなり、その内、ブドウ糖が15〜250部で、ジメチコン又はシメチコンは1〜20部である。洗浄剤Aにおおけるジメチコン又はシメチコンの質量(g)と溶媒の体積(ml)との比が0.01〜1%であり、溶媒は生理食塩水、無菌水または純水である。本実施形態では、洗浄剤Aにおけるジメチコン又はシメチコンの質量(g)と溶媒の体積(ml)との比は0.15%であることが好ましく、本実施形態の溶媒は無菌水を採用している。洗浄剤Aは以下の配合比で構成されてよい。
【0077】
【表3】
【0078】
3)洗浄ボトル1内の洗浄液の温度を25℃に保持するように制御する。このステップは、サーモスタットと制御回路によって実現することができる。
【0079】
4)第1蠕動ポンプ3のスイッチを入れて、第1蠕動ポンプ3で洗浄ボトル1内の洗浄剤をポンピングし、洗浄液が液体輸送チューブ2を介して胃腸内視鏡の観察窓へ流し、患者の体内観察を行う診療部位を洗浄する。洗浄液の流量は140ml/分である。診療部位が洗浄液に接触すると、1〜3秒以内にすぐに消泡し、非常に鮮明になって、視野の盲点のないことが観察窓から観察された。胃腸内視鏡による診療の開始30分前に、患者が先に洗浄剤Bを水で内服し、診療部位における気泡と泡沫が著しく減少し、胃腸内視鏡による診療の際に必要な洗浄回数も減少し、本技術案で胃腸内視鏡による検査操作時間は、内視鏡を入れてから取り出すまでの時間を含めて、3〜5分までに減少し、診療時間が著しく減少し、患者の適応性と快適性を極めて向上させた。
【0080】
実施形態10
実施形態9と比べて、区別は、本実施形態においては、患者が胃腸内視鏡による診療の開始15分前に、洗浄剤Bを水で1包内服し、洗浄剤Aにおけるジメチコン又はシメチコンの質量(g)と溶媒の体積(ml)との比が0.01%であり、溶媒が純水であり、洗浄液の温度を30℃に保持することだけである。
【0081】
実施形態11
実施形態9と比べて、区別は、本実施形態においては、患者が胃腸内視鏡による診療開始20分前に、洗浄剤Bを水で1包内服し、洗浄剤Aにおけるジメチコン又はシメチコンの質量(g)と溶媒の体積(ml)との比が1%であり、溶媒が無菌水であり、洗浄液の温度を35℃に保持し、洗浄液の流量が150ml/分であることだけである。
【0082】
以上、図面に基づいて本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の具体的な実施形態は単なる模式的なもので、限定的なものではない。当業者にとって、本発明の示唆で、本発明の目的及び特許請求の範囲を離脱しない前提で、多種の類似のものを作り出すことができ、例えば、攪拌加熱サブシステムの構成を変更したり、洗浄ボトル、洗浄剤A、洗浄剤Bの構成を変更したり、第1蠕動ポンプ、洗浄ボトル及び攪拌加熱サブシステムを同一のハウジング内に配置したりすることなど、このような変更はいずれも本発明の保護の範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、洗浄ボトル(1)及び洗浄ボトル(1)から伸びた液体輸送チューブ(2)を含み、液体輸送チューブ(2)が、第1蠕動ポンプ(3)を介して洗浄液を胃腸内視鏡の給水システム又は胃腸内視鏡の観察窓へポンピングし、洗浄ボトル(1)が、更に洗浄液に対して攪拌及び加熱可能な攪拌加熱サブシステムを備える、胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高めるシステム(ESCGV)を開示している。また、本発明は、胃腸内視鏡診療用視野の鮮明度を高める方法を開示している。本発明は、上記の技術案を用いることにより、胃腸内視鏡による診療の品質を著しく向上させることができる。診療時間は著しく減少し、患者の適応性と快適性を極めて向上させ、さらにそれぞれの患者に対して胃腸内視鏡による診療を行う際に、その胃腸内視鏡の視野内の鮮明度が著しく高まり、診断漏れと誤診の発生を極めて低減させ、胃腸内視鏡による診療の品質を向上させ、実用性は高い。
図1
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図9