特許第6283360号(P6283360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6283360熱成形ガラスシート用傾斜ローラ搬送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283360
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】熱成形ガラスシート用傾斜ローラ搬送装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 35/18 20060101AFI20180208BHJP
   C03B 23/03 20060101ALI20180208BHJP
   C03B 23/033 20060101ALI20180208BHJP
   B65G 49/06 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   C03B35/18
   C03B23/03
   C03B23/033
   B65G49/06 Z
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-529814(P2015-529814)
(86)(22)【出願日】2013年7月18日
(65)【公表番号】特表2015-533757(P2015-533757A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】US2013050988
(87)【国際公開番号】WO2014035560
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2016年5月19日
(31)【優先権主張番号】13/598,676
(32)【優先日】2012年8月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500232086
【氏名又は名称】グラステク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー,ラッセル エイ.
【審査官】 増山 淳子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0247367(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0037929(US,A1)
【文献】 実開平06−005830(JP,U)
【文献】 特開平02−149439(JP,A)
【文献】 特開平05−279065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 23/00−35/26、40/00−40/04
B65G 49/00−49/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置において、
熱ガラスシート処理システムに取り付けるための一対の支持部であって、前記支持部の一方が水平支持軸を有し、他方の支持部が、前記一方の支持部の前記水平支持軸と異なる高さの水平の支持および駆動軸を有する一対の支持部と、
前記一対の支持部の間に延在し、角度αだけ水平面から傾斜した回転軸を有する水平に傾斜したローラと、
前記傾斜ローラを、前記一方の支持部に、その水平支持軸において回転可能に取り付けるアイドラベアリングと、
前記傾斜ローラを、前記他方の支持部において、その水平の支持および駆動軸で回転可能に支持し、および回転駆動し、搬送される熱い上向きに凹んだ成形ガラスシートの上側部分の下側面の支持を提供する駆動連結器とを含み、
前記駆動連結器が、前記傾斜ローラか前記他方の支持部のどちらかに取り付けられる雌型ソケットと、前記ソケット内に受け入れられかつ前記傾斜ローラまたは前記他方の支持部のうちの他方に取り付けられる雄型インサートとを含み、
前記雌型ソケットが、その周りを前記ソケットが回転するソケット軸を有し、および前記ソケット軸と平行に延在する駆動面を有する内側を含み、各駆動面が周辺中心位置を有し、そこから前記駆動面が、前記ソケット軸からその周辺中心位置までの半径に対して垂直な線から角度βだけ周辺方向においてわずかに外側に傾けられ、
前記雄型インサートが、その周りを前記インサートが回転するインサート軸を有し、および前記雌型ソケットの駆動面の数と同じ数の駆動面を含み、各駆動面が、周辺方向に直線的な形状を有し、この周辺方向の直線的な形状は、前記インサート軸からその直線的な形状に沿った周辺中心位置までの半径に対して垂直であり、また各駆動面が、前記インサート軸に沿って丸い形状を有し、その直径は、前記雌型ソケットの前記駆動面の前記周辺中心位置を通る円の直径よりほんのわずか小さく、それにより前記ソケットが前記インサートを受け入れ、前記ソケット軸と前記インサート軸の間に鋭角αがある状態で前記ソケットと前記インサートの間に回転駆動をもたらすことが可能になる
ことを特徴とする熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置において、前記雌型ソケットが偶数の前記駆動面を有し、前記雄型インサートが偶数の前記駆動面を有することを特徴とする熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置において、前記雌型ソケットが略六角形を形成する6つの駆動面を有し、前記雄型インサートが略六角形を形成する6つの駆動面を有することを特徴とする熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置。
【請求項4】
請求項1に記載の熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置において、前記雌型ソケットが窪みを有し、前記窪みは、その隣接する駆動面の間に配置され、かつ前記ソケット軸から半径方向に、前記駆動面から外側に延在することを特徴とする熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載の熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置において、前記雌型ソケットの前記窪みが丸みを帯び、前記雄型インサートがその隣接する駆動面の間に丸みを帯びた交差部分を有することを特徴とする熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置。
【請求項6】
請求項1に記載の熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置において、前記角度αおよびβが、以下の式:
によって関連付けられることを特徴とする熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置。
【請求項7】
請求項1に記載の熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置において、前記角度αが0度<α<25度であり、前記角度βが0度<β<2.5度であることを特徴とする熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置。
【請求項8】
請求項1に記載の熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置において、前記角度αおよびβが、以下の式:
によって関連付けられ、
角度αが0度<α<25度であり、角度βが0度<β<2.5度であることを特徴とする熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
その開示全体が参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許第6,543,255号明細書(Bennettら)は、ガラスシートプレス曲げ用のシステムを開示しており、ガラスシートプレス曲げは一実施形態において、プレス曲げ用のプレス曲げステーションへ搬送する前にガラスシートを加熱炉で初期予備成形した後で実行される。システムの下側ホイール床は、下側支持取付ホイール装置を有し、この装置は、予備成形された各ガラスシートを、加熱炉からプレス曲げ用プレス曲げステーションへ搬送する。その開示全体が参照することにより本明細書に組み込まれる、Nitschkeらによって表題“Press Bending Station and Method for Bending Heated Glass Sheets”の下で2010年4月8日に出願された米国特許出願第12/756,521号明細書は、熱成形ガラスシート用のコンベヤを開示しており、この中でコンベヤは、成形ガラスシートを搬送するために、ホイール、水平ローラおよび傾斜ローラを含む。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、熱成形ガラスシート用の改良された傾斜ローラ搬送装置を提供することである。
【0004】
上記目的の実行において、熱成形ガラスシート用の傾斜ローラ搬送装置は、本発明に従い、熱ガラスシート処理システムに取り付けるための一対の支持部を含むように構成され、ここで支持部の一方は水平支持軸を有し、他方の支持部は、前記一方の支持部の水平支持軸と異なる高さの水平の支持および駆動軸を有する。水平に傾斜したローラが、一対の支持部の間に延在し、角度αだけ水平面から傾斜した回転軸を有する。装置のアイドラベアリングが、傾斜ローラを、一方の支持部に、その水平支持軸において回転可能に取り付け、装置の駆動連結器が、傾斜ローラを、他方の支持部において、その水平の支持および駆動軸で回転可能に支持し、および回転駆動し、それにより傾斜ローラが、搬送される熱い上向きに凹んだ成形ガラスシートの上側部分の下側面の支持を提供するようにする。駆動連結器は、傾斜ローラか他方の支持部のどちらかに取り付けられる雌型ソケットを含み、およびまた、ソケット内に受け入れられかつ傾斜ローラまたは他方の支持部の他方に取り付けられる雄型インサートを含む。雌型ソケットは、その周りをソケットが回転するソケット軸を有し、およびソケット軸と平行に延在する駆動面を有する内側を含み、各駆動面は周辺中心位置を有し、そこから駆動面は、ソケット軸からその周辺中心位置までの半径に対して垂直な線から角度βだけ周辺方向においてわずかに外側に傾けられる。雄型インサートは、その周りをインサートが回転するインサート軸を有し、および雌型ソケットの駆動面の数と同じ数の駆動面を含む。各駆動面は、周辺方向に直線的な形状を有し、この周辺方向の直線的な形状は、インサート軸からその直線的な形状に沿った周辺中心位置までの半径に対して垂直である。また各駆動面は、インサート軸に沿って丸い形状を有し、その直径は、雌型ソケットの駆動面の周辺中心位置を通る円の直径よりほんのわずか小さく、それによりソケットがインサートを受け入れ、ソケット軸とインサート軸の間に鋭角αがある状態でソケットとインサートの間に回転駆動をもたらすことが可能になる。
【0005】
開示されるように、雌型ソケットは偶数の駆動面を有し、雄型インサートは偶数面の駆動面を有し、具体的には、雌型ソケットは略六角形を形成する6つの駆動面を有し、雄型インサートは略六角形を形成する6つの駆動面を有する。
【0006】
同じく開示されるように、雌型ソケットは窪みを有し、窪みは、隣接する駆動面の間に配置され、かつソケット軸から半径方向に、駆動面から外側に延在し、および開示されるように雌型ソケットの窪みは丸みを帯び、雄型インサートはその隣接する駆動面の間に丸みを帯びた交差部分を有する。
【0007】
さらに、角度αおよびβは、以下の式:
によって関連付けられ、角度αはゼロ〜25度の間であり、角度βはゼロ〜2.5度の間である。
【0008】
本発明の目的、特徴および利点は、添付の図面に関連して読まれるとき、好ましい実施形態の以下の詳細な記載から容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、熱成形ガラスシートを搬送するために本発明に従い構成された傾斜ローラ搬送装置を含むガラスシート処理システムの側面図である。
図2図2は、システムの炉の出口端部に隣接する図1の線2−2の方向に沿ったシステムの断面図であり、後続のプレス成形の準備として、炉を出る前に、ロール成形のため、各加熱ガラスシートが搬送される水平ロールおよび傾斜ロールを示す。
図3図3は、図1の線3−3の方向に沿って取られた上面図であり、示されるようにシステムのプレス成形ステーションのプレスリング内にある熱成形ガラスシートを搬送するために本発明に従い構成された水平ローラ、ホイールおよび傾斜ローラ搬送装置を示す。
図4図4は、水平ローラの1つおよび本発明の傾斜ローラ搬送装置を示す概略斜視図である。
図5図5は、その構造を示すために傾斜ローラ搬送装置の1つの断面で取られた立面図である。
図6図6は、図5の一部の拡大図であり、傾斜回転軸の周りを回転するように傾斜ローラの一端を支持するアイドラベアリングを示す。
図7図7は同じく図5の一部の拡大図であり、駆動連結器によって支持されかつ回転駆動される傾斜ローラの他端を示す。
図8図8は、駆動連結器の雌型ソケットの斜視図である。
図9図9は、回転駆動を提供するために図5に示されるように雌型ソケット内に受け入れられる駆動連結器の雄型インサートの斜視図である。
図10図10は、組み立てられた状態にある駆動連結器の雌型ソケットおよび雄型インサートの構成を示す概略図である。
図11図11は、図10と同じ方向で取られ、ソケットの隣接する駆動面の間に窪みを有する雌型ソケットの一部を示す。
図12図12は、図10に概略的に示されるように雌型ソケット内に受け入れられる雄型インサートの軸方向端面図である。
図13図12の線13−13の方向に沿って取られた雄型インサートの側面図である。
図14図14は、ねじボルトと協働して雌型ソケットをその隣接する支持部に固定する保持器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
必要に応じて本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示する。しかしながら、開示される実施形態は本発明の単なる例であり、それらはさまざまな代替の形態で具体化してもよいことは理解されよう。図面は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。いくつかの特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化されている場合がある。従って、本明細書に開示される特定の構造上および機能上の詳細は限定としてではなく、本発明をさまざまに利用すべく当業者に教示するための単なる代表的な原理として解釈されるべきである。
【0011】
図面の図1を参照すると、ガラスシートを処理するためのシステム10は、10によって全体的に示され、成形またはプレス曲げステーション12を含む。システム10は炉14を含み、炉14はプレス曲げステーション12から搬送方向Cに沿ってすぐ上流にロール曲げステーション16を有する。搬送方向Cに沿ってプレス曲げステーション12から下流に、システム10は急冷ステーション18を含むように示されている。急冷ステーション18は、ロールステーション16およびプレス曲げステーション12によって曲げられた成形ガラスシートの急速な冷却を実現する。これについては以下でより完全に記載する。急冷ステーションの代わりに、ガラスの焼きなましを提供するために、最初に成形されその後プレス曲げされたガラスシートをゆっくり冷却するための焼きなましステーションをシステムが含むことも可能である。
【0012】
図1を参照し続けることにより示されるように、炉14は入口端部20および出口端部22を含み、およびガラスシートを入口端部から出口端部へ炉を通して搬送方向に沿って搬送するためのコンベヤ26を有する加熱室24(図2)を含む。ガラスシートがその上で加熱されるコンベヤ26は、従来型のガス炉床かロールコンベヤのどちらかであることができ、その上でガラスシートは搬送され、その間、周囲温度から曲げを可能にする十分に高い温度まで加熱される。
【0013】
炉出口端部22はロール曲げステーション16を含み、ロール曲げステーション16は、水平方向に延在するコンベヤロール28を有するように図2に示され、コンベヤロール28は回転駆動され、加熱室内でそれを横切る方向に伸びる搬送方向に沿って水平方向に離間され、加熱されたガラスシートを支持し搬送する。ロール曲げステーション16はまた、曲げロール32の組30の対を含み、曲げロールの組30は、加熱室24内で搬送方向に沿って互いに横方向に離間されている。曲げロールの組30はそれぞれ、駆動機構33によって支持されかつ回転駆動され、曲げロールは、図2の参照番号32、32、32および32によって示されるように搬送方向に沿って徐々に傾斜を強める。加熱された各ガラスシートGを曲げロール32と協働して搬送方向に沿って搬送することにより、図2に示されるように搬送方向を横切る方向に沿って上向きに凹んだ形状を有する加熱されたガラスシートの曲げまたは予備成形が実現される。
【0014】
図1、3および4への参照を組み合わせると、上で言及したようなプレス曲げステーション12は、炉の出口端部22から下流に炉14の外側に配置され、ロール曲げステーション16からロールによって曲げられたガラスシートを受け取る。より詳細には、プレス曲げステーション12は、プレス曲げされるべき加熱されたガラスシートを受け取るためのコンベヤ34を含む。コンベヤ34は水平ローラ36と、ホイール38と、傾斜したローラ搬送装置40とを含み、それらのうち傾斜したローラ搬送装置40は、以下に記載されるように本発明に従い構成される。コンベヤ34は、プレス曲げステーション12の中に、上向きに凹状の下側モールドリング42の上に、および下向きに凸状の成形面45を有する上側モールド44の下に、熱成形されたガラスシートGを搬送する。制御器46が下側アクチュエータ48および上側アクチュエータ50を操作し、下側アクチュエータ48および上側アクチュエータ50はそれぞれ、下側モールドリング42および上側モールド44を上および下に互いに向けて移動させ、コンベヤ34から熱ガラスシートを持ち上げ、水平方向の湾曲を含み得る設計形状に対してガラスシートプレス成形を実現する。
【0015】
プレス成形の後、制御器46は、下側モールドリング42および上側モールド44を、それぞれ互いに離れるように下および上に移動させる。このとき真空源52が上側モールド44の成形面45で真空を引き、プレス成形されたガラスシートを支持する。続いて急冷ステーション18のシャトル54がアクチュエータ56によって移動され、急冷リング58を左側へ、上側モールド44の下へ移動させる。その後、真空源52によって提供された真空の終了が、加圧ガスを上側プレスモールド面45へ供給することによって達成されてもよく、それによりガラスシートを急冷リング58上へ解放し、次にシャトルアクチュエータ56がシャトル54を右側へ、示された位置へ戻すように移動させ、その結果、急冷リング58およびその上のプレス成形されたガラスシートが、下側および上側急冷ヘッド60および62の間に配置されるようにする。下側および上側急冷ヘッド60および62は、それぞれガラスシートを急速に冷却する上および下に向けられた急冷ガスを供給し、ガラスシートの機械的強度を増大するガラスシートの強靭化を実現する。
【0016】
示されるプレスステーションは急冷ステーションを有するが、プレスステーションは、乗り物の層状風防窓を製造する場合のように焼きなましを備えるなど、急冷ステーションのない状態で機能することも可能であることを認識されたい。
【0017】
各水平ローラ36および各ホイール38の一端は、その開示全体が参照することによって組み込まれる米国特許第6,543,255号明細書(Bennettら)によって開示されるタイプのホイール装置によって水平軸の回りで支持され、かつ回転駆動され、水平ローラの他端は、アイドラホイール装置によって支持される。これらホイール装置は、搬送方向に沿って延在する細長いレールによって支持され、および搬送されるガラスシートの異なる湾曲のための垂直調節を可能にするジャッキによって支持される。
【0018】
図5を参照すると、本発明の傾斜したローラコンベヤ装置40は、上に記載したタイプなどの加熱ガラスシート処理システム内に取り付けるための一対の支持部64および66を含み、支持部の一方64は水平支持軸Aを有し、他方の支持部66は、支持部64の水平支持軸Aと異なる高さの水平の支持および駆動軸Bを有する。水平支持軸Aは示されるように水平の支持および駆動軸Bより低い位置に示されているが、これらの各高さを逆にすることも可能である。支持部64および66はハウジング68を含み、ハウジング68は、全体的に前述の米国特許第6,543,255号明細書によって開示されるタイプのものであり、かつ概略的に示されるレール70に取り付け可能であり、レール70は異なる高さを提供するためにジャッキ72によって垂直に調節可能である。水平に傾斜したローラ74が、一対の支持部64および66の間に延在し、水平面と角度αを定める傾斜した回転軸Cを有し、図4に示されるような上向きに凹んだ形状で搬送される熱成形されたガラスシートGの上側部分Gの下面に対する支持を提供する。開示されるようなこのアイドラローラは、内側金属管76と、芳香族ポリアミド繊維などの外側高温織物型コーティングとを含む。
【0019】
図5および6に示されるように、水平支持軸Aを有する支持部64は、水平に傾斜したローラ74の隣接端部を支持するアイドラベアリング80を含む。このアイドラベアリング80は、支持部64の上端に取り付けられた受容体82を含み、受容体82は、水平支持軸Aに沿って延在しかつ円形の円筒状開口部84を有し、円形の円筒状開口部84は、傾斜ローラ74の金属管76の隣接端部において取付部90によって支持された突起88の部分的球形端部86を受け入れる。止めネジ92などが球形端部86を開口部84内に維持する。従ってこのアイドラベアリング80は、水平支持軸Aと、傾斜ローラ74の水平に傾斜した軸Cとの間の角度調節を可能にする。
【0020】
図5および7に示されるように、傾斜したローラ搬送装置40は駆動連結器94も含み、駆動連結器94は、その水平の支持および駆動軸Bで他方の支持部66において傾斜ローラ74を回転可能に支持し、回転駆動し、図4に示されるような熱い上向きに凹んで成形されたガラスシートGの上側部分Gの搬送を実現する。
【0021】
図5、7および8に示されるような駆動連結器94は雌型ソケット96を含み、雌型ソケット96は、傾斜軸Cの周りで回転するために傾斜ローラ74の隣接端部に取り付けられるように示されているが、駆動連結器は、その支持および駆動軸Bに沿って支持部66に取り付けることもできる。駆動連結器94はまた、図5、7および9に示されるように雄型インサート98も含み、雄型インサート98は、雌型ソケット96内に受け入れられ、また示されているように、その支持および駆動軸Bにそって支持部66に取り付けられ、その水平に傾斜した回転軸Cに沿った雌型ソケット96の支持および回転駆動を提供する。雌型ソケットに関して既に考察したように、雄型インサート98は、傾斜ローラ74の隣接端部に取り付けることも可能であり、このとき雌型ソケット96は支持部66に取付けられ、傾斜ローラ74をその水平に傾斜した支持軸Cの周りで同様に回転駆動する。
【0022】
図8に示されるような雌型ソケット96は、ソケット軸と平行に延在する駆動面102を有する内側100を有する。各駆動面102は周辺中心位置104を有し、周辺中心位置104は、図8に示されるような平坦か、図10に示されるような中点のどちらかであってよい。この中心位置104から駆動面102は、ソケット軸Cからその周辺中心位置104までの半径に対し垂直な線106から時計回り方向および反時計回り方向の両方に角度βだけ周辺方向においてわずかに外側に傾斜される。
【0023】
図9、12および13を参照すると、雄型インサート98はインサート軸を有し、インサート軸は、示されるように支持部66に取り付けられるとき支持軸Bである。図5および7に示されるような支持部66は駆動ベルト107を有し、駆動ベルト107はレール70上の下側回転接続部から駆動され、インサート98が回転駆動されるように取り付けられる上側スピンドルを駆動する。インサート98は、雌型ソケット96の駆動面102の数と同じ数である駆動面108を含む。各駆動面108は図12に示されるように直線的な形状であり、直線的な形状はインサート軸Bからその直線的な形状に沿った周辺中心位置までの半径に対して垂直である。図13に示されるように、各駆動面はインサート軸に沿って丸い形状を有し、その直径は、雌型ソケットの駆動面102の周辺中心位置104を通る円の直径よりほんのわずか小さく、それによりソケットがインサートを受け入れ、ソケット軸とインサート軸の間に鋭角αがある状態でソケットとインサートの間に回転駆動をもたらすことが可能になる。先行する文の用語「わずかに小さい」は、回転駆動の間結合することなく雄型インサートを雌型ソケット内に受け入れることができるが過度な遊びをもたらすほど大きくないような十分な隙間があることを意味することを理解されたい。
【0024】
開示されるように、雌型ソケット96は偶数の駆動面102を有し、雄型インサートは偶数の駆動面108を有し、具体的には、ソケットは略六角形を形成する6つの駆動面102を有し、インサートはソケットの駆動面の六角形よりほんのわずか小さい略六角形を形成する6つの駆動面108を有する。
【0025】
図10および11に最もよく示されるように、雌型ソケット96は窪み110を有し、窪み110は、その隣接する駆動面102の間に位置付けられ、かつソケット軸Cからの半径方向において駆動面から外側に延在する。雌型ソケット96のこれら窪み110は丸みを帯び、雄型インサートは丸みを帯びた交差部分112を有する。丸みを帯びた窪み112を有する雌型ソケットおよび丸みを帯びた交差部分112を有する雄型ソケットの構成により、回転駆動の間、ソケット駆動面102とインサート駆動面108の間に干渉がないことが保証される。
図10に示されるような駆動面102のそれら中心位置104からの外側への傾斜は、駆動面が、図7に示されるように見られるとき、一番上および一番下の位置にないとき必要である。一番上および一番下の位置において、ソケットはインサート面108と干渉を持たないだろう。しかしながら、雌型ソケット軸とインサート軸の間の角度αの傾斜により、一番上および一番下の位置にないとき、移動の際に干渉がもたらされる。この干渉は、角度αがより大きくなると、より大きくなる。より詳細には、角度αとβは、以下の式:
によって関連付けられる。
さらに、角度αはゼロ〜25度の間であり、角度βはゼロ〜2.5度の間である。
【0026】
図7に示されるように、駆動連結器94に接続される傾斜ローラ74の端部は、傾斜ローラの金属管76内に適切に固定された環状リング114を有する。保持器116の軸方向内側に位置付けられた保持器116は、ボルト118によって、駆動連結器94の雌型ソケット96に固定され、傾斜ローラ74の回転駆動を可能にする接続を提供する。
【0027】
例示的実施形態を上に記載したが、この実施形態が本発明の可能なすべての形態を記載していることは意図しない。むしろ本明細書中で使用された用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくさまざまな変更がなされてもよいことが理解される。さらに、さまざまな実施形態の特徴を、本発明のさらなる実施形態を形成するために組み合わせてもよい。
図1
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