(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283452
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ及びアクスルブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
F16D 65/16 20060101AFI20180208BHJP
F16D 51/20 20060101ALI20180208BHJP
F16D 51/30 20060101ALI20180208BHJP
F16D 55/228 20060101ALI20180208BHJP
B60T 13/16 20060101ALI20180208BHJP
B60T 13/68 20060101ALI20180208BHJP
F16D 121/04 20120101ALN20180208BHJP
F16D 125/04 20120101ALN20180208BHJP
F16D 125/06 20120101ALN20180208BHJP
【FI】
F16D65/16
F16D51/20
F16D51/30
F16D55/228
B60T13/16
B60T13/68
F16D121:04
F16D125:04
F16D125:06 A
F16D125:06 Z
【請求項の数】20
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-513299(P2017-513299)
(86)(22)【出願日】2015年5月20日
(65)【公表番号】特表2017-516047(P2017-516047A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】CN2015079336
(87)【国際公開番号】WO2015176654
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2016年11月18日
(31)【優先権主張番号】201410213110.6
(32)【優先日】2014年5月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516347905
【氏名又は名称】ウー、 マオチン
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ウー、 マオチン
【審査官】
山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60−045944(JP,U)
【文献】
特開昭53−057364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 65/16
F16D 51/20
F16D 51/30
F16D 55/228
B60T 13/16
B60T 13/68
F16D 121/04
F16D 125/04
F16D 125/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダボディと、芯管と、第1のピストンと、第2のピストンと、第1のスプリングと、第2のスプリングと、エンドキャップとが含まれる油圧アンチロックブレーキホイールシリンダであって、
前記シリンダボディに第1の穴が設けられ、かつ、前記シリンダボディ上に第1のオイルチャンバーポートと、第2のオイルチャンバーポートと、オイルドレンポートとが設けられ、前記エンドキャップが前記第1の穴の開口端に設けられ、
前記第1のピストンが前記第1の穴の中に設けられ、かつ、前記第1のピストンと前記エンドキャップの間に前記第1のスプリングが設けられ、前記第1のピストンの底部と前記第1の穴の底部の間に第1のオイルチャンバーが形成され、前記第1のオイルチャンバーポートの一端が前記第1のオイルチャンバーに連通して、他端がフットブレーキ弁に連結され、第1のオイルチャンバーポートから第1のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記フットブレーキ弁によって制御され、
前記第1のピストンに第2の穴が設けられ、前記第2のピストンが前記第2の穴の中に位置し、かつ、前記第2のピストンと前記第2の穴の頂部の間に第2のオイルチャンバーが形成され、前記第2のピストンの底部と前記第2の穴の底部の間にさらに前記第2のスプリングが設けられ、
前記芯管の一端がハンドブレーキ弁に連結されて、他端が前記第2のオイルチャンバーポートを通って第2のオイルチャンバーに連通して、芯管から第2のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記ハンドブレーキ弁によって制御され、
前記第1のオイルチャンバーの圧力が増大して前記第1のピストンを外へ設定位置まで運動するよう押すときに、前記オイルドレンポートと前記第1のオイルチャンバーが連通する
ことを特徴とする油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ。
【請求項2】
前記シリンダボディに1つの第1の穴か、2つの第1の穴か、又は3つ以上の第1の穴が含まれ、かつ、前記の第1のピストン、第2のピストン、第1のスプリング、第2のスプリング、エンドキャップの数が、前記シリンダボディにおける第1の穴の数と等しく、前記第1の穴の数が複数である場合には、前記第1のオイルチャンバーポートも複数であって、各々の第1のオイルチャンバーポートが前記第1のオイルチャンバーに対応して連通するか、又は前記第1のオイルチャンバーポートと前記第1のオイルチャンバーの一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が前記第1のオイルチャンバーに対応して連通し、前記第1の穴の数が複数である場合には、前記第2のオイルチャンバーポートも複数であって、各々の第2のオイルチャンバーポートが前記第2のオイルチャンバーに対応して連通するか、又は前記第2のオイルチャンバーに連通する前記第2のオイルチャンバーポートの一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が前記芯管、前記第2のオイルチャンバーに対応して連通し、前記第1の穴の数が複数である場合には、前記オイルドレンポートも複数であって、各々の前記オイルドレンポートがオイルリターン管路に対応して連通するか、又は前記第1のオイルチャンバーに連通するオイルドレンポートの一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が第1のオイルチャンバーに対応して連通することを特徴とする、請求項1に記載の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ。
【請求項3】
前記シリンダボディにおける第1の穴の配列形態として、同方向配列、逆方向配列、対向配列、二列配列又は単列配列、多方向配列が含まれることを特徴とする、請求項2に記載の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ。
【請求項4】
前記第1のピストン上に、前記芯管が通る第1のスルーホールが設けられ、前記第2のピストン上に、芯管が通る第2のスルーホールと、第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路とが設けられ、前記第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路がそれぞれ前記第2のスルーホール及び前記第2のオイルチャンバーに連通して、前記芯管が前記第2のオイルチャンバーポートから入って第1のピストンの第1のスルーホール、前記第2のピストンの第2のスルーホール及び第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路を通ることで、油圧作動油が前記第2のオイルチャンバーに出入りするようにしていることを特徴とする、請求項1に記載の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ。
【請求項5】
前記第1のピストンに、別体設置される第1のピストン本体及び第1のピストンロッドが含まれ、前記第1のピストン本体の外側壁にシール装置が設けられ、前記第1のピストン本体に、向かい合って設けられる2つの側面があって、前記第1の穴の底部に当接する側面が第1の側面、他の側面が第2の側面とされ、前記第1の側面に前記の芯管が通る第1のスルーホールが設けられて、前記第1のスルーホールの箇所にシール装置が設けられ、前記第1のピストンロッドに、スリーブと、スリーブの縁が延びた固定部とが含まれて、前記固定部が前記第1のピストン本体に固定連結され、前記第1のピストン本体内に前記第2の穴が設けられ、かつ、前記第2の穴が、前記第1のピストン本体内から垂直に第2の側面に延びる収容スペースとスリーブとからなることを特徴とする、請求項4に記載の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ。
【請求項6】
前記第1のピストンに、別体設置される第1のピストングランド、第1のピストンロッド及び第1のピストングランドに固定連結されるシールボルトが含まれ、
第1のピストングランドに第1のカバープレートが含まれ、前記第1のカバープレートの一面から第1のカバープレートに垂直に第1の環状壁が外に延びて形成され、前記第1のカバープレートの中心にさらに、前記第1のカバープレートを貫通する第1のスルーホールが設けられ、前記シールボルトの中心に貫通孔が設けられ、かつ、前記シールボルトの外壁と第1のスルーホールの内壁が固定連結され、かつ、前記シールボルトの内壁に、シール装置を収容するためのシール溝が設けられ、
前記第1のピストンロッドに、第1のスリーブ及び第1のスリーブの一端が延びてなる固定部が含まれ、前記固定部が前記第1の環状壁に被さって固定連結され、前記固定部の先端、第1の環状壁の外壁及びカバープレートに囲まれて、シール装置を収容するためのシール溝が形成され、前記第1のカバープレート、第1の環状壁の内壁、固定部の内壁及びスリーブの内壁に囲まれて、前記第2のピストンを収容するための前記第2の穴が形成される
ことを特徴とする、請求項4に記載の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ。
【請求項7】
前記第2のピストンに第2のピストン本体及び第2のピストンロッドが設けられ、かつ、当該第2のピストン本体が前記第1のピストン本体内に収容されて、第2のピストンロッドが前記第1のピストンロッドのスリーブ内に収容され、前記第2のピストン本体の外側壁にシール装置が設けられ、前記第2のピストン本体上に、芯管が通る前記第2のスルーホールと、前記第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路とが設けられ、前記第2のスルーホールと前記第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路が連通し、かつ、前記第2のスルーホールの箇所にシール装置が設けられることを特徴とする、請求項5に記載の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ。
【請求項8】
前記第2のピストンに、別体設置される第2のピストングランド及び第2のピストン本体が含まれ、
前記第2のピストングランドに第2のカバープレートが含まれて、前記第2のカバープレートの一面から第2のカバープレートに垂直にボスが外に延びて形成され、前記第2のカバープレートの中心にさらに、前記第2のカバープレート及びボスを貫通する第2のスルーホールが設けられ、前記第2のスルーホールの円周上に、シール装置を収容するためのシール溝が設けられ、
前記第2のピストン本体に第3のカバープレートが含まれ、前記第3のカバープレートに、向かい合う2つの面があって、第3のカバープレートの一面において第3のカバープレートに垂直に第2のピストンロッドが外に延びて形成され、第3のカバープレートの他面において第3のカバープレートに垂直に第2の環状壁が外に延びて形成され、前記第2の環状壁が前記ボス上に被さるとともに、前記第2の環状壁と前記ボスが固定連結され、前記第2のカバープレート、第2の環状壁の外壁及び第3のカバープレートに囲まれて、シール装置を収容するためのシール溝が形成され、前記第3のカバープレートの中心に第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路が設けられ、かつ、当該第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路と前記第2のスルーホールが連通する
ことを特徴とする、請求項4に記載の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ。
【請求項9】
前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダにさらにグランドが含まれて、前記グランドが前記エンドキャップの内側に位置し、かつ、前記グランドが前記シリンダボディの内壁に当接し、かつ、前記グランドとシリンダボディの内壁の間にシール装置が設けられ、前記第1のスプリングが第1のピストンとグランドの間に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ。
【請求項10】
前記第1のスプリング及び/又は第2のスプリングが皿ばねであることを特徴とする、請求項1に記載の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ。
【請求項11】
オイルタンクと、オイルポンプと、フット制御弁と、ハンド制御弁と、管路と、ブレーキシューと、ブレーキドラムと、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダとが含まれるアクスルブレーキシステムであって、
前記オイルタンクには油圧作動油があり、前記油圧作動油が前記オイルタンクから前記オイルポンプ、前記管路を介して前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダに流れ込み、前記ブレーキシューが前記ブレーキドラムの内側に位置し、かつ、前記ブレーキシューが前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダに押されて前記ブレーキドラムと当接又は分離し、
前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダに、シリンダボディと、芯管と、第1のピストンと、第2のピストンと、第1のスプリングと、第2のスプリングと、エンドキャップとが含まれ、
前記シリンダボディに第1の穴が設けられ、かつ、前記シリンダボディ上に第1のオイルチャンバーポートと、第2のオイルチャンバーポートと、オイルドレンポートとが設けられ、前記エンドキャップが前記第1の穴の開口端に設けられ、
前記第1のピストンが前記第1の穴の中に設けられ、かつ、前記第1のピストンと前記エンドキャップの間に前記第1のスプリングが設けられ、前記第1のピストンの底部と前記第1の穴の底部の間に第1のオイルチャンバーが形成され、前記第1のオイルチャンバーポートの一端が前記第1のオイルチャンバーに連通して、他端がフットブレーキ弁に連結され、第1のオイルチャンバーポートから第1のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記フットブレーキ弁によって制御され、
前記第1のピストンに第2の穴が設けられ、前記第2のピストンが前記第2の穴の中に位置し、かつ、前記第2のピストンと前記第2の穴の頂部の間に第2のオイルチャンバーが形成され、前記第2のピストンの底部と前記第2の穴の底部の間にさらに前記第2のスプリングが設けられ、
前記芯管の一端がハンドブレーキ弁に連結されて、他端が前記第2のオイルチャンバーポートを通って第2のオイルチャンバーに連通して、芯管から第2のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記ハンドブレーキ弁によって制御され、
前記第1のオイルチャンバーの圧力が増大して前記第1のピストンを外へ設定位置まで運動するよう押すときに、前記オイルドレンポートと前記第1のオイルチャンバーが連通する
ことを特徴とするアクスルブレーキシステム。
【請求項12】
前記シリンダボディに1つの第1の穴か、2つの第1の穴か、又は3つ以上の第1の穴が含まれ、かつ、前記第1のピストン、第2のピストン、第1のスプリング、第2のスプリング、エンドキャップの数が、前記シリンダボディにおける第1の穴の数と等しく、前記第1の穴の数が複数である場合には、前記第1のオイルチャンバーポートも複数であって、各々の第1のオイルチャンバーポートが前記第1のオイルチャンバーに対応して連通するか、又は前記第1のオイルチャンバーポートと前記第1のオイルチャンバーの一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が前記第1のオイルチャンバーに対応して連通し、前記第1の穴の数が複数である場合には、前記第2のオイルチャンバーポートも複数であって、各々の第2のオイルチャンバーポートが前記第2のオイルチャンバーに対応して連通するか、又は前記第2のオイルチャンバーに連通する前記第2のオイルチャンバーポートの一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が前記芯管、前記第2のオイルチャンバーに対応して連通し、前記第1の穴の数が複数である場合には、前記オイルドレンポートも複数であって、各々の前記オイルドレンポートがオイルリターン管路に対応して連通するか、又は前記第1のオイルチャンバーに連通するオイルドレンポートの一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が第1のオイルチャンバーに対応して連通することを特徴とする、請求項11に記載のアクスルブレーキシステム。
【請求項13】
前記シリンダボディにおける第1の穴の配列形態として、同方向配列、逆方向配列、対向配列、二列配列又は単列配列、多方向配列が含まれることを特徴とする、請求項12に記載のアクスルブレーキシステム。
【請求項14】
前記第1のピストン上に、前記芯管が通る第1のスルーホールが設けられ、前記第2のピストン上に、芯管が通る第2のスルーホールと、第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路とが設けられ、前記第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路がそれぞれ前記第2のスルーホール及び前記第2のオイルチャンバーに連通して、前記芯管が前記第2のオイルチャンバーポートから入って第1のピストンの第1のスルーホール、前記第2のピストンの第2のスルーホール及び第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路を通ることで、油圧作動油が前記第2のオイルチャンバーに出入りするようにしていることを特徴とする、請求項11に記載のアクスルブレーキシステム。
【請求項15】
前記第1のピストンに、別体設置される第1のピストン本体及び第1のピストンロッドが含まれ、前記第1のピストン本体の外側壁にシール装置が設けられ、前記第1のピストン本体に、向かい合って設けられる2つの側面があって、前記第1の穴の底部に当接する側面が第1の側面、他の側面が第2の側面とされ、前記第1の側面に前記芯管が通る第1のスルーホールが設けられて、前記第1のスルーホールの箇所にシール装置が設けられ、前記第1のピストンロッドに、スリーブと、スリーブの縁が延びた固定部とが含まれて、前記固定部が前記第1のピストン本体に固定連結され、前記第1のピストン本体内に前記第2の穴が設けられ、かつ、前記第2の穴が、前記第1のピストン本体内から垂直に第2の側面に延びる収容スペースとスリーブとからなることを特徴とする、請求項14に記載のアクスルブレーキシステム。
【請求項16】
前記第1のピストンに、別体設置される第1のピストングランド、第1のピストンロッド及び第1のピストングランドに固定連結されるシールボルトが含まれ、
第1のピストングランドに第1のカバープレートが含まれて、前記第1のカバープレートの一面から第1のカバープレートに垂直に第1の環状壁が外に延びて形成され、前記第1のカバープレートの中心にさらに、前記第1のカバープレートを貫通する第1のスルーホールが設けられ、前記シールボルトの中心に貫通孔が設けられ、かつ、前記シールボルトの外壁と第1のスルーホールの内壁が固定連結され、かつ、前記シールボルトの内壁に、シール装置を収容するためのシール溝が設けられ、
前記第1のピストンロッドに、第1のスリーブ及び第1のスリーブの一端が延びてなる固定部が含まれて、前記固定部が前記第1の環状壁に被さって固定連結され、前記固定部の先端、第1の環状壁の外壁及びカバープレートに囲まれて、シール装置を収容するためのシール溝が形成され、前記第1のカバープレート、第1の環状壁の内壁、固定部の内壁及びスリーブの内壁に囲まれて、前記第2のピストンを収容するための前記第2の穴が形成される
ことを特徴とする、請求項14に記載のアクスルブレーキシステム。
【請求項17】
前記第2のピストンに第2のピストン本体及び第2のピストンロッドが設けられ、かつ、当該第2のピストン本体が前記第1のピストン本体内に収容されて、第2のピストンロッドが前記第1のピストンロッドのスリーブ内に収容され、前記第2のピストン本体の外側壁にシール装置が設けられ、前記第2のピストン本体上に、芯管が通る前記第2のスルーホールと、前記第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路とが設けられ、前記第2のスルーホールと前記第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路が連通し、かつ、前記第2のスルーホールの箇所にシール装置が設けられることを特徴とする、請求項15に記載のアクスルブレーキシステム。
【請求項18】
前記第2のピストンに、別体設置される第2のピストングランド及び第2のピストン本体が含まれ、
前記第2のピストングランドに第2のカバープレートが含まれて、前記第2のカバープレートの一面から第2のカバープレートに垂直にボスが外に延びて形成され、前記第2のカバープレートの中心にさらに、前記第2のカバープレート及びボスを貫通する第2のスルーホールが設けられ、前記第2のスルーホールの円周上に、シール装置を収容するためのシール溝が設けられ、
前記第2のピストン本体に第3のカバープレートが含まれ、前記第3のカバープレートに、向かい合う2つの面があって、第3のカバープレートの一面において第3のカバープレートに垂直に第2のピストンロッドが外に延びて形成され、第3のカバープレートの他面において第3のカバープレートに垂直に第2の環状壁が外に延びて形成され、前記第2の環状壁が前記ボス上に被さるとともに、前記第2の環状壁と前記ボスが固定連結され、前記第2のカバープレート、第2の環状壁の外壁及び第3のカバープレートに囲まれて、シール装置を収容するためのシール溝が形成され、前記第3のカバープレートの中心に第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路が設けられ、かつ、当該第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路と前記第2のスルーホールが連通する
ことを特徴とする、請求項14に記載のアクスルブレーキシステム。
【請求項19】
ディスクブレーキアクスルのブレーキシステムに用いられるアクスルブレーキシステムであって、
前記ブレーキシステムに、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの固定台と、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダと、ブレーキパッドと、ブレーキライニングと、ブレーキディスクとが含まれ、
前記固定台の2つの側壁に、ブレーキパッドとブレーキパッドからなるブレーキブロックのガイドブロックが設けられ、前記固定台に、向かい合って設けられる2つの側壁があって、かつ、2つの側壁の間に収容キャビティが形成され、当該収容キャビティにブレーキディスクが収容され、前記固定台の2つの側壁に、外側から内側に側壁を貫通する、前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを収容するための、段付き孔である1つ以上の収容孔が設けられ、かつ、前記収容孔に、孔径の大きな第1の収容孔と、孔径の小さな第2の収容孔と、第1の収容孔と第2の収容孔を連結する段付き部とが含まれ、
前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダに、シリンダボディと、芯管と、第1のピストンと、第2のピストンと、第1のスプリングと、第2のスプリングとが含まれ、
前記シリンダボディに第1の穴が設けられ、かつ、前記シリンダボディ上に第1のオイルチャンバーポートと、第2のオイルチャンバーポートと、オイルドレンポートとが設けられ、前記第1の穴がシールされるように前記第1の収容孔の内壁と前記シリンダボディの外壁が固定連結され、
前記第1のピストンが前記第1の穴の中に設けられ、かつ、前記第1のピストンと前記段付き部の間に前記第1のスプリングが設けられ、前記第1のピストンの底部と前記第1の穴の底部の間に第1のオイルチャンバーが形成され、前記第1のオイルチャンバーポートの一端が前記第1のオイルチャンバーに連通して、他端がフットブレーキ弁に連結され、第1のオイルチャンバーポートから第1のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記フットブレーキ弁によって制御され、
前記第1のピストンに第2の穴が設けられ、前記第2のピストンの一端が前記第2の穴の中に位置し、かつ、前記第2のピストンの一端と前記第2の穴の頂部の間に第2のオイルチャンバーが形成され、前記第2のピストンの底部と前記第2の穴の底部の間にさらに前記第2のスプリングが設けられ、前記第2のピストンの他端が第1の収容孔を通って前記収容キャビティ内に入ってブレーキパッドに連結され、前記ブレーキパッドが前記ブレーキライニングを固定連結し、
前記芯管の一端がハンドブレーキ弁に連結されて、他端が前記第2のオイルチャンバーポートを通って第2のオイルチャンバーに連通して、芯管から第2のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記ハンドブレーキ弁によって制御され、
前記第1のオイルチャンバーの圧力が増大して前記第1のピストンを外へ設定位置まで運動するよう押すときに、前記オイルドレンポートと前記第1のオイルチャンバーが連通するか、
又は、
前記ブレーキシステムに、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの固定台と、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダと、ブレーキパッドと、ブレーキライニングと、ブレーキディスクとが含まれ、前記固定台の2つの側壁に、ブレーキパッドとブレーキライニングからなるブレーキブロックのガイドブロックが設けられ、前記固定台に、向かい合って設けられる2つの側壁があって、かつ、2つの側壁の間に収容キャビティが形成され、当該収容キャビティにブレーキディスクが収容され、前記固定台の2つの側壁に、内側から外側に延びる1つ以上の第1の穴が設けられ、前記側壁の外側に第1のオイルチャンバーポートと、第2のオイルチャンバーポートと、オイルドレンポートとが設けられ、
前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダに、芯管と、第1のピストンと、第2のピストンと、第1のスプリングと、第2のスプリングと、エンドキャップとが含まれ、
前記エンドキャップが前記第1の穴の開口端に固定連結され、
前記第1のピストンが前記第1の穴の中に設けられ、かつ、前記第1のピストンと前記エンドキャップの間に前記第1のスプリングが設けられ、前記第1のピストンの底部と前記第1の穴の底部の間に第1のオイルチャンバーが形成され、前記第1のオイルチャンバーポートの一端が前記第1のオイルチャンバーに連通して、他端がフットブレーキ弁に連結され、第1のオイルチャンバーポートから第1のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記フットブレーキ弁によって制御され、
前記第1のピストンに第2の穴が設けられ、前記第2のピストンが前記第2の穴の中に位置し、かつ、前記第2のピストンと前記第2の穴の頂部の間に第2のオイルチャンバーが形成され、前記第2のピストンの底部と前記第2の穴の底部の間にさらに前記第2のスプリングが設けられ、
前記芯管の一端がハンドブレーキ弁に連結されて、他端が前記第2のオイルチャンバーポートを通って第2のオイルチャンバーに連通して、芯管から第2のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記ハンドブレーキ弁によって制御され、
前記第1のオイルチャンバーの圧力が増大して前記第1のピストンを外へ設定位置まで運動するよう押すときに、前記オイルドレンポートと前記第1のオイルチャンバーが連通する
ことを特徴とするアクスルブレーキシステム。
【請求項20】
前記固定台の2つの側壁を別体設置し、2つの側壁の底部を固定連結することで2つの側壁の間に収容キャビティを形成していることを特徴とする、請求項19に記載のアクスルブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ制御システムの分野、特に、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ及びブレーキシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車保有量が益々多くなるにつれて、安全運転に対する人々の要求も益々高くなっており、ブレーキ性能の良し悪しが安全運転の重要なよりどころとなっている。特に、自動車のスピードが速く、自重が大きい場合、ブレーキ慣性が安全運転に及ぼす影響は益々大きくなるので、自動車のブレーキに対するブレーキ慣性の影響をどのようにして減少して改善するかは、自動車業界のすべての者がたゆみなく熱心に解決しようとする課題となっている。
【0003】
現在の市場で、既存のアクスルには、空気ブレーキ、油圧ブレーキ、さらには、空気油圧複合ブレーキがあり、これらはいずれもブレーキを実現して、車両を減速させ停止させることができるが、これらは、占用スペースが大きくて、配置が難しく、ブレーキ性能が劣る上、既存の空気ブレーキドラムアクスルでは、ステアリングアクスルのパーキングブレーキを実現することができず、ディスク油圧ブレーキアクスルの運転ブレーキ及びパーキングブレーキが2つのシステムに分かれていて、構造が複雑で、効果が好ましくなく、製造コストが高く、操作が不便であるなどの多くの欠点を有している。
【0004】
現在の市場での既存のABS(Anti‐lock Brake System、アンチロックブレーキシステム)も、自動車のブレーキに対するブレーキ慣性の影響を減少して改善することができるが、既存のABSは、その構造が複雑で、安全係数が低く、製造コストが高いため、大規模に普及させることは不可能である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ及びブレーキシステムを提供して、運転ブレーキを実現でき、且つパーキングブレーキも実現でき、さらにアンチロックも実現できるようにすることを目的とする。この技術上の目的を実現するための、本発明における解決手段は次の通りである。
【0006】
すなわち、本発明で提供するシリンダボディと、芯管と、第1のピストンと、第2のピストンと、第1のスプリングと、第2のスプリングと、エンドキャップとが含まれる油圧アンチロックブレーキホイールシリンダであって、
前記シリンダボディに第1の穴が設けられ、かつ、前記シリンダボディ上に第1のオイルチャンバーポートと、第2のオイルチャンバーポートと、オイルドレンポートとが設けられ、前記エンドキャップが前記第1の穴の開口端に設けられ、
前記第1のピストンが前記第1の穴の中に設けられ、かつ、前記第1のピストンと前記エンドキャップの間に前記第1のスプリングが設けられ、前記第1のピストンの底部と前記第1の穴の底部の間に第1のオイルチャンバーが形成され、前記第1のオイルチャンバーポートの一端が前記第1のオイルチャンバーに連通して、他端がフットブレーキ弁に連結され、第1のオイルチャンバーポートから第1のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記フットブレーキ弁によって制御され、
前記第1のピストンに第2の穴が設けられ、前記第2のピストンが前記第2の穴の中に位置し、かつ、前記第2のピストンと前記第2の穴の頂部の間に第2のオイルチャンバーが形成され、前記第2のピストンの底部と前記第2の穴の底部の間にさらに前記第2のスプリングが設けられ、
前記芯管の一端がハンドブレーキ弁に連結されて、他端が前記第2のオイルチャンバーポートを通って第2のオイルチャンバーに連通して、芯管から第2のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記ハンドブレーキ弁によって制御され、
前記第1のオイルチャンバーの圧力が増大して前記第1のピストンを外へ設定位置まで運動するよう押すときに、前記オイルドレンポートと前記第1のオイルチャンバーが連通するというものである。
【0007】
好ましくは、前記シリンダボディに1つの第1の穴か、2つの第1の穴か、又は3つ以上の第1の穴が含まれ、かつ、前記の第1のピストン、第2のピストン、第1のスプリング、第2のスプリング、エンドキャップの数が、前記シリンダボディにおける第1の穴の数と等しいようにして、前記第1の穴の数が複数である場合には、前記第1のオイルチャンバーポートも複数として、各々の第1のオイルチャンバーポートが前記第1のオイルチャンバーに対応して連通するか、又は前記第1のオイルチャンバーポートと前記第1のオイルチャンバーの一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が前記第1のオイルチャンバーに対応して連通するようにし、前記第1の穴の数が複数である場合には、前記第2のオイルチャンバーポートも複数として、各々の第2のオイルチャンバーポートが前記第2のオイルチャンバーに対応して連通するか、又は前記第2のオイルチャンバーに連通する前記第2のオイルチャンバーポートの一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が前記芯管、前記第2のオイルチャンバーに対応して連通するようにし、前記第1の穴の数が複数である場合には、前記オイルドレンポートも複数として、各々の前記オイルドレンポートがオイルリターン管路に対応して連通するか、又は前記第1のオイルチャンバーに連通するオイルドレンポートの一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が第1のオイルチャンバーに対応して連通するようにする。
【0008】
好ましくは、前記シリンダボディにおける第1の穴の配列形態として、同方向配列、逆方向配列、対向配列、二列配列又は単列配列、多方向配列が含まれる。
【0009】
好ましくは、前記第1のピストン上に、前記芯管が通る第1のスルーホールが設けられ、前記第2のピストン上に、芯管が通る第2のスルーホールと、第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路とが設けられ、前記第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路がそれぞれ前記第2のスルーホール及び前記第2のオイルチャンバーに連通して、前記芯管が前記第2のオイルチャンバーポートから入って第1のピストンの第1のスルーホール、前記第2のピストンの第2のスルーホール及び第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路を通ることで、油圧作動油が前記第2のオイルチャンバーに出入りするようにする。
【0010】
好ましくは、前記第1のピストンに、別体設置される第1のピストン本体及び第1のピストンロッドが含まれ、前記第1のピストン本体の外側壁にシール装置が設けられ、前記第1のピストン本体に、向かい合って設けられる2つの側面があって、前記第1の穴の底部に当接する側面を第1の側面、他の側面を第2の側面として、前記第1の側面に前記の芯管が通る第1のスルーホールが設けられて、前記第1のスルーホールの箇所にシール装置が設けられるようにし、前記第1のピストンロッドに、スリーブと、スリーブの縁が延びた固定部とが含まれて、前記固定部が前記第1のピストン本体に固定連結され、前記第1のピストン本体内に前記第2の穴が設けられ、かつ、前記第2の穴が、前記第1のピストン本体内から垂直に第2の側面に延びる収容スペースとスリーブとからなるようにする。
【0011】
好ましくは、前記第1のピストンに、別体設置される第1のピストングランド、第1のピストンロッド及び第1のピストングランドに固定連結されるシールボルトが含まれ、そのうち、
第1のピストングランドに第1のカバープレートが含まれて、前記第1のカバープレートの一面から第1のカバープレートに垂直に第1の環状壁が外に延びて形成され、前記第1のカバープレートの中心にはさらに、前記第1のカバープレートを貫通する第1のスルーホールが設けられ、前記シールボルトの中心に貫通孔が設けられ、かつ、前記シールボルトの外壁と第1のスルーホールの内壁が固定連結され、かつ、前記シールボルトの内壁に、シール装置を収容するためのシール溝が設けられ、
前記第1のピストンロッドに、第1のスリーブ及び第1のスリーブの一端が延びてなる固定部が含まれ、前記固定部が前記第1の環状壁に被さって固定連結され、前記固定部の先端、第1の環状壁の外壁及びカバープレートに囲まれて、シール装置を収容するためのシール溝が形成され、前記第1のカバープレート、第1の環状壁の内壁、固定部の内壁及びスリーブの内壁に囲まれて、前記第2のピストンを収容するための前記第2の穴が形成される。
【0012】
好ましくは、前記第2のピストンに第2のピストン本体及び第2のピストンロッドが設けられ、かつ、当該第2のピストン本体が前記第1のピストン本体内に収容されて、第2のピストンロッドが前記第1のピストンロッドのスリーブ内に収容され、前記第2のピストン本体の外側壁にシール装置が設けられ、前記第2のピストン本体上に、芯管が通る前記第2のスルーホールと、前記第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路とが設けられ、前記第2のスルーホールと前記第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路が連通し、かつ、前記第2のスルーホールの箇所にシール装置が設けられる。
【0013】
好ましくは、前記第2のピストンに、別体設置される第2のピストングランド及び第2のピストン本体が含まれ、そのうち、
前記第2のピストングランドに第2のカバープレートが含まれて、前記第2のカバープレートの一面から第2のカバープレートに垂直にボスが外に延びて形成され、前記第2のカバープレートの中心にはさらに、前記第2のカバープレート及びボスを貫通する第2のスルーホールが設けられ、前記第2のスルーホールの円周上に、シール装置を収容するためのシール溝が設けられ、
前記第2のピストン本体に第3のカバープレートが含まれ、前記第3のカバープレートに、向かい合う2つの面があって、第3のカバープレートの一面において第3のカバープレートに垂直に第2のピストンロッドが外に延びて形成され、第3のカバープレートの他面において第3のカバープレートに垂直に第2の環状壁が外に延びて形成され、前記第2の環状壁が前記ボス上に被さるとともに、前記第2の環状壁と前記ボスが固定連結され、前記第2のカバープレート、第2の環状壁の外壁及び第3のカバープレートに囲まれて、シール装置を収容するためのシール溝が形成され、前記第3のカバープレートの中心に第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路が設けられ、かつ、当該第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路と前記第2のスルーホールが連通する。
【0014】
好ましくは、前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダにさらにグランドが含まれて、前記グランドが前記エンドキャップの内側に位置し、かつ、前記グランドが前記シリンダボディの内壁に当接し、かつ、前記グランドとシリンダボディの内壁の間にシール装置が設けられ、前記第1のスプリングが第1のピストンとグランドの間に設けられる。
【0015】
好ましくは、前記第1のスプリング及び/又は第2のスプリングが皿ばねである。
【0016】
さらに、本発明は、上記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを含むアクスルブレーキシステムも提供し、当該ブレーキシステムには、さらに、オイルタンクと、オイルポンプと、フット制御弁と、ハンド制御弁と、管路と、ブレーキシューと、ブレーキドラムと、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダとが含まれて、
そのうち、前記オイルタンクには油圧作動油があり、前記油圧作動油が前記オイルタンクから前記オイルポンプ、前記管路を介して前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダに流れ込み、前記ブレーキシューが前記ブレーキドラムの内側に位置し、かつ、前記ブレーキシューが前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダに押されて前記ブレーキドラムと当接又は分離し、
前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダには、シリンダボディと、芯管と、第1のピストンと、第2のピストンと、第1のスプリングと、第2のスプリングと、エンドキャップとが含まれ、そのうち、
前記シリンダボディに第1の穴が設けられ、かつ、前記シリンダボディ上に第1のオイルチャンバーポートと、第2のオイルチャンバーポートと、オイルドレンポートとが設けられ、前記エンドキャップが前記第1の穴の開口端に設けられ、
前記第1のピストンが前記第1の穴の中に設けられ、かつ、前記第1のピストンと前記エンドキャップの間に前記第1のスプリングが設けられ、前記第1のピストンの底部と前記第1の穴の底部の間に第1のオイルチャンバーが形成され、前記第1のオイルチャンバーポートの一端が前記第1のオイルチャンバーに連通して、他端がフットブレーキ弁に連結され、第1のオイルチャンバーポートから第1のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記フットブレーキ弁によって制御され、
前記第1のピストンに第2の穴が設けられ、前記第2のピストンが前記第2の穴の中に位置し、かつ、前記第2のピストンと前記第2の穴の頂部の間に第2のオイルチャンバーが形成され、前記第2のピストンの底部と前記第2の穴の底部の間にさらに前記第2のスプリングが設けられ、
前記芯管の一端がハンドブレーキ弁に連結されて、他端が前記第2のオイルチャンバーポートを通って第2のオイルチャンバーに連通して、芯管から第2のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記ハンドブレーキ弁によって制御され、
前記第1のオイルチャンバーの圧力が増大して前記第1のピストンを外へ設定位置まで運動するよう押すときに、前記オイルドレンポートと前記第1のオイルチャンバーが連通する。
【0017】
さらに、本発明は、ディスクブレーキアクスルのブレーキシステムに用いられるアクスルブレーキシステムも提供し、前記ブレーキシステムには、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの固定台と、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダと、ブレーキパッドと、ブレーキライニングと、ブレーキディスクとが含まれ、前記固定台の2つの側壁には、ブレーキパッドとブレーキパッドからなるブレーキブロックのガイドブロックが設けられ、前記固定台には、向かい合って設けられる2つの側壁があって、かつ、2つの側壁の間に収容キャビティが形成され、当該収容キャビティにブレーキディスクが収容され、前記固定台の2つの側壁に、外側から内側に側壁を貫通する、前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを収容するための、段付き孔である1つ以上の収容孔が設けられ、かつ、前記収容孔には、孔径の大きな第1の収容孔と、孔径の小さな第2の収容孔と、第1の収容孔と第2の収容孔を連結する段付き部とが含まれ、
前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダには、シリンダボディと、芯管と、第1のピストンと、第2のピストンと、第1のスプリングと、第2のスプリングとが含まれ、そのうち、
前記シリンダボディに第1の穴が設けられ、かつ、前記シリンダボディ上に第1のオイルチャンバーポートと、第2のオイルチャンバーポートと、オイルドレンポートとが設けられ、前記第1の穴がシールされるように前記第1の収容孔の内壁と前記シリンダボディの外壁が固定連結され、
前記第1のピストンが前記第1の穴の中に設けられ、かつ、前記第1のピストンと前記段付き部の間に前記第1のスプリングが設けられ、前記第1のピストンの底部と前記第1の穴の底部の間に第1のオイルチャンバーが形成され、前記第1のオイルチャンバーポートの一端が前記第1のオイルチャンバーに連通して、他端がフットブレーキ弁に連結され、第1のオイルチャンバーポートから第1のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記フットブレーキ弁によって制御され、
前記第1のピストンに第2の穴が設けられ、前記第2のピストンの一端が前記第2の穴の中に位置し、かつ、前記第2のピストンの一端と前記第2の穴の頂部の間に第2のオイルチャンバーが形成され、前記第2のピストンの底部と前記第2の穴の底部の間にさらに前記第2のスプリングが設けられ、前記第2のピストンの他端が第1の収容孔を通って前記収容キャビティ内に入ってブレーキパッドに連結され、前記ブレーキパッドが前記ブレーキライニングを固定連結し、
前記芯管の一端がハンドブレーキ弁に連結されて、他端が前記第2のオイルチャンバーポートを通って第2のオイルチャンバーに連通して、芯管から第2のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記ハンドブレーキ弁によって制御され、
前記第1のオイルチャンバーの圧力が増大して前記第1のピストンを外へ設定位置まで運動するよう押すときに、前記オイルドレンポートと前記第1のオイルチャンバーが連通する。
【0018】
或いは、前記ブレーキシステムには、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの固定台と、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダと、ブレーキパッドと、ブレーキライニングと、ブレーキディスクとが含まれ、前記固定台の2つの側壁には、ブレーキパッドとブレーキライニングからなるブレーキブロックのガイドブロックが設けられ、前記固定台には、向かい合って設けられる2つの側壁があって、かつ、2つの側壁の間に収容キャビティが形成され、当該収容キャビティにブレーキディスクが収容され、前記固定台の2つの側壁に、内側から外側に延びる1つ以上の第1の穴が設けられてもよく、前記側壁の外側に第1のオイルチャンバーポートと、第2のオイルチャンバーポートと、オイルドレンポートとが設けられ、
前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダには、芯管と、第1のピストンと、第2のピストンと、第1のスプリングと、第2のスプリングと、エンドキャップとが含まれ、そのうち、
前記エンドキャップが前記第1の穴の開口端に固定連結され、
前記第1のピストンが前記第1の穴の中に設けられ、かつ、前記第1のピストンと前記エンドキャップの間に前記第1のスプリングが設けられ、前記第1のピストンの底部と前記第1の穴の底部の間に第1のオイルチャンバーが形成され、前記第1のオイルチャンバーポートの一端が前記第1のオイルチャンバーに連通して、他端がフットブレーキ弁に連結され、第1のオイルチャンバーポートから第1のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記フットブレーキ弁によって制御され、
前記第1のピストンに第2の穴が設けられ、前記第2のピストンが前記第2の穴の中に位置し、かつ、前記第2のピストンと前記第2の穴の頂部の間に第2のオイルチャンバーが形成され、前記第2のピストンの底部と前記第2の穴の底部の間にさらに前記第2のスプリングが設けられ、
前記芯管の一端がハンドブレーキ弁に連結されて、他端が前記第2のオイルチャンバーポートを通って第2のオイルチャンバーに連通して、芯管から第2のオイルチャンバーに流れ込む油量が前記ハンドブレーキ弁によって制御され、
前記第1のオイルチャンバーの圧力が増大して前記第1のピストンを外へ設定位置まで運動するよう押すときに、前記オイルドレンポートと前記第1のオイルチャンバーが連通する。
【0019】
好ましくは、前記固定台の2つの側壁を別体設置してもよく、別体設置する場合には、2つの側壁の底部を固定連結することで2つの側壁の間に収容キャビティを形成する。
【0020】
本発明による油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを用いると、油圧作動油がオイルタンクからオイルポンプ、管路、シリンダボディの第1のオイルチャンバーポートと第2のオイルチャンバーポートを経由して、取り付けて調整された油圧アンチロック運転ブレーキホイールシリンダに入り込むときに、
(1)ハンドブレーキ弁とフットブレーキ弁がいずれも閉じている場合、第1のピストンが第1のスプリングの圧力でシリンダボディの第1の穴の底部に近づいて、第2のピストンが第2のスプリングの圧力で外に出、ブレーキシュー又はブレーキパッドとブレーキドラム又はブレーキディスクが密結合状態になって、車両がパーキングブレーキ状態となる。
【0021】
(2)パーキングブレーキの解除が必要な場合、油圧作動油が第2のオイルチャンバーポート、芯管を経由して第2のオイルチャンバーに入り込むことがハンドブレーキ弁によって制御され、第2のピストンが第2のスプリングを圧迫して第2の穴の底部に向かって運動して、ブレーキシュー又はブレーキパッドとブレーキドラム又はブレーキディスクが分離するよう動かすことで、車両のパーキングブレーキが解除され、車両が走行できるようになる。
【0022】
(3)車両の走行中にブレーキが必要な場合、フットブレーキ弁を操作することで、油圧作動油が第1のオイルチャンバーポートを経由して第1のオイルチャンバーに入り込むようにし、このとき、第1のオイルチャンバー中の油圧作動油によって第1のピストンが圧迫されて、第1のピストンが第1のスプリングの弾力を圧迫して外に出て、ブレーキシュー又はブレーキパッドがブレーキドラム又はブレーキディスクを押しつけることで、ブレーキをするという目的を果たす。第1のオイルチャンバー内の油圧作動油の圧力が大きいほど第1のピストンが圧迫されて多く外に出るようになり、ブレーキ力も大きくなる。
【0023】
(4)フットブレーキ弁が第1のオイルチャンバー中の油圧作動油の圧力を減らす場合、第1のスプリングの弾力がレリーズされ、その上で、第1のピストンが戻るよう押されて、ブレーキシュー又はブレーキパッドがブレーキドラム又はブレーキディスクから離れるよう動かされることで、ブレーキを緩めたり解除したりするという目的が果たされる。
【0024】
(5)フットブレーキ弁が第1のオイルチャンバーの圧力を増大させ続ける場合、第1のピストンが圧迫され続けて、かつ、当該第1のピストンによって第1のスプリングが圧迫されて第1のピストンと第2のピストンのいずれもが外に出て、第1のピストンが所定位置(すなわち、最大ブレーキ力)まで運動するときに、第1のオイルチャンバーとオイルドレンポートが連通して、高圧作動油がオイルドレンポートを経由してオイルタンクに還流することで、オイルチャンバーの圧力が低下する。第1のオイルチャンバーの圧力が第1のスプリングの弾力より小さい場合、第1のピストンが第1のスプリングにより圧縮され戻り、オイルドレンポートが締め切られて、その後、第1のオイルチャンバーの圧力がまた増大し続けてピストンを再度所定位置まで運動するよう押すときに、第1のオイルチャンバーとオイルドレンポートがまた連通し、このような循環往復によって、ブレーキシュー又はブレーキパッドとブレーキドラム又はブレーキディスクが常に分離・結合するよう動かすことで、ブレーキをしアンチロックもするという目的を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明による油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの平面構造模式図である。
【
図2】
図1における油圧アンチロックブレーキホイールシリンダのA―A線に沿った断面構造模式図である。
【
図3】
図1における油圧アンチロックブレーキホイールシリンダのシリンダボディのA―A線に沿った断面構造模式図である。
【
図4】
図1における油圧アンチロックブレーキホイールシリンダのシリンダボディのB―B線に沿った断面構造模式図である。
【
図5】
図1における油圧アンチロックブレーキホイールシリンダのシリンダボディのC―C線に沿った断面構造模式図である。
【
図6】本発明による油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの第1のピストンの実施例1における構造模式図である。
【
図7】
図1における油圧アンチロックブレーキホイールシリンダのB―B線に沿った断面構造模式図である。
【
図8】本発明による油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの第1のピストンの実施例2における分解構造模式図である。
【
図9】本発明による油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの第1のピストンの実施例2における組合せ構造模式図である。
【
図10】本発明による油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの第2のピストンの実施例1における構造模式図である。
【
図11】本発明による油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの第2のピストンの実施例2における分解構造模式図である。
【
図12】本発明による油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの第2のピストンの実施例2における分解構造模式図である。
【
図13】
図1における油圧アンチロックブレーキホイールシリンダのC―C線に沿った断面構造模式図である。
【
図14a】本発明によるブレーキシステムにおけるブレーキホイールシリンダとブレーキシュー、ブレーキドラムの一つの実施例における構造模式図である。
【
図14b】本発明によるブレーキシステムにおけるブレーキホイールシリンダとブレーキシュー、ブレーキドラムのもう一つの実施例における構造模式図である。
【
図15a】本発明によるディスクブレーキシステムの一つの実施例における構造模式図である。
【
図16】本発明によるディスクブレーキシステムのもう一つの実施例における断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面と関連付けて本発明についてさらに詳細に説明する。
【0027】
図1及び
図2に示すように、
図1は、本発明による油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの平面構造模式図で、
図2は、
図1における油圧アンチロックブレーキホイールシリンダのA―A線に沿った実施例1における断面構造模式図である。この後で構造を説明しやすくするため、ここでは、
図2中のX軸の負方向を頂、X軸の正方向を底と定義する。当該油圧アンチロックブレーキホイールシリンダには、シリンダボディ10と、芯管20と、第1のピストン30と、第2のピストン40と、第1のスプリング50と、第2のスプリング60と、エンドキャップ70とが含まれる。そのうち、第1のピストン30が前記シリンダボディ10内に収容され、かつ、第1のピストン30がシリンダボディ10に対し
図2中のX軸方向に沿って運動する。第2のピストン40が第1のピストン30内に収容され、かつ、第2のピストン40が第1のピストン30に対し
図3中のX軸方向に沿って運動する。前記エンドキャップ70をシリンダボディ10の外端に設けて、前記シリンダボディ10の内壁と固定連結することで、第1のピストン30及び第2のピストン40の運動ストロークを制限することができる。前記グランド80を前記エンドキャップ70の内側に位置させ、かつ、前記グランド80と前記シリンダボディ10の内壁を当接させ、かつ、前記グランド80とシリンダボディ10の内壁の間にシール装置90fを設ける。前記第1のスプリング50を第1のピストン30とグランド80の間に設け、前記第2のスプリング60を第2の穴34の底部と第2のピストン40の底部の間に設ける。理解できることとして、上記の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダにはグランド80がなく、前記第1の穴がシールされるようにエンドキャップ70をシリンダボディ10に固定連結してもよい。
【0028】
図3乃至
図5の図示と関連付けると、前記シリンダボディ10には第1の穴11が設けられ、かつ、前記シリンダボディ10に第1のオイルチャンバーポート12と、第2のオイルチャンバーポート13と、オイルドレンポート14とが設けられる。本実施例では、当該シリンダボディ10に2つの第1の穴11を設け、かつ、これらの2つの第1の穴11を対称に設ける。無論、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダのシリンダボディには、1つの第1の穴を設けてもよく、3つ以上の第1の穴を設けてもよい。これに対応して、前記第1のピストン30、第2のピストン40、第1のスプリング50、第2のスプリング60、エンドキャップ70の数は、前記シリンダボディ10に設ける第1の穴11、前記第1のピストン30に設ける第2の穴の数と等しくする。前記第1の穴11の数が複数である場合には、前記第1のオイルチャンバーポート12も複数であり、各々の第1のオイルチャンバーポート12が前記第1のオイルチャンバーに対応して連通するか、又は前記第1のオイルチャンバーポート12の前記第1のオイルチャンバーの側の一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が前記第1のオイルチャンバーに対応して連通するようにし、前記第1の穴11の数が複数である場合には、前記第2のオイルチャンバーポート13も複数であり、各々の第2のオイルチャンバーポート13が前記第2のオイルチャンバーに対応して連通するか、又は前記第2のオイルチャンバーポート13の前記第2のオイルチャンバーに連通する一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が前記芯管、前記第2のオイルチャンバーに対応して連通するようにし、前記第1の穴の数が複数である場合には、前記オイルドレンポート14も複数であり、各々の前記オイルドレンポート14がオイルリターン管路に対応して連通するか、又はオイルドレンポート14の前記第1のオイルチャンバーに連通する一端が複数の分岐に分かれ、かつ、各々の分岐が第1のオイルチャンバーに対応して連通するようにする。
【0029】
前記シリンダボディ10における第1の穴11は、複数の配列形態があってもよく、同方向配列でもよいし、逆方向配列でもよいし、対向配列でもよいし、二列配列でもよいし、単列配列でもよいし、多方向配列でもよい。
【0030】
図6乃至
図7の図示と関連付けて、本発明による第1のピストン30の実施例1における構造を示す。本実施例では、前記第1のピストン30が、前記シリンダボディ10の第1の穴11の中に設けられ、別体設置される第1のピストン本体31a及び第1のピストンロッド32aを含み、前記第1のピストン本体31aに、向かい合って設けられる2つの側面があって、ただし、第1の穴11の底部に当接する側面が第1の側面、他の側面を第2の側面とされる。第1の側面上に第1の側面を貫通する第1のスルーホール311を設ける。当該第1の穴11の頂部と第1のピストン本体31aの第1の側面の間で形成されるスペースを第1のオイルチャンバー33とする。第1の穴11の内径の大きさが前記第1のピストン本体31aの外径の大きさとほぼ等しい。シリンダボディ10の第1のオイルチャンバーポート11の一端が前記第1のオイルチャンバーに連通して、他端がフットブレーキ弁(不図示)に連結される。第1のピストン本体31aの外側壁上に、シール装置90aを収容するためのシール溝312aを設ける(
図2に示す通り)。当該シール装置90aは、第1のピストン本体31aを第1の穴11の中でスライドさせるとき、第1のオイルチャンバー33内の油圧作動油が漏れないようにする。第1のスルーホール311a内にも、油圧作動油が漏れることを防ぐシール装置90gを設ける。また、第1のピストン本体31aと第1のピストンロッド32aが連結される位置にもシール装置90eを設けることで、第2のオイルチャンバー内の油圧作動油が漏れないようにする。前記第1のピストンロッド32aには、第1のスリーブ321aと、第1のスリーブ321aの縁が延びた固定部322aとが含まれる。前記固定部322aをボルトで前記第1のピストン本体31aの第2の側面に固定連結する。第1のピストン30に、第2のピストン40を収容するための第2の穴34を設け、かつ、当該第2の穴34が、第1のピストン本体31a上の収容スペースと第1のピストンロッド32aの第1のスリーブ321aとでなるようにする。
図5に示すように、オイルタンク中の油圧作動油を第1のオイルチャンバーポート12から第1のオイルチャンバー33内に送り込むことができ、かつ、フットブレーキ弁の制御によって、第1のオイルチャンバー33内に送り込む油圧作動油量の制御を実現することができる。
【0031】
図8及び
図9に示すように、第1のピストンの実施例2における構造を示す。本実施例では、当該第1のピストン30に、別体設置される第1のピストングランド31b及び第1のピストンロッド32bと、第1のピストングランド31bに固定連結されるシールボルト33bが含まれる。そのうち、第1のピストングランド31bに第1のカバープレート311bが含まれ、当該第1のカバープレート311bの一面から第1のカバープレート311bに垂直に第1の環状壁312bが外に延びて形成される。前記第1の環状壁312bの外壁にストッパ部313bを設ける。前記第1のカバープレート311bの中心にさらに、前記第1のカバープレート311bを貫通する第1のスルーホール314bを設ける。シールボルト33bの中心に貫通孔を設け、かつ、当該シールボルト33bの外壁が第1のスルーホール314bの内壁とねじ連結し、かつ、当該シールボルト33bの内壁の円周上に、シール装置を収容するためのシール溝331bを設ける。前記第1のピストンロッド32bに、第1のスリーブ321b及び第1のスリーブ321bの一端から延びて形成される固定部322bが含まれ、かつ、固定部322bの内径が前記第1のスリーブ321bの内径よりも大きく、固定部322bの内径が前記第1の環状壁312bの内径よりもやや大きいようにする。前記固定部322bを前記第1の環状壁312b上に被せて前記第1の環状壁312bに固定連結する。具体的に、第1の環状壁312bに雄ねじ構造を設け、前記固定部322bに雌ねじ構造を設けることで、第1の環状壁312bと前記固定部322bでシールねじ込み連結を形成するようにする。また、前記固定部322bの先端を前記第1の環状壁312bのストッパ部313bに当接することで、前記固定部322bの先端、第1の環状壁312bの外壁及びカバープレート311bで囲んでシール溝315bを形成するようにする。当該シール溝315bは、シール装置90aを収容するために用いられる(
図2に示す通り)。前記第1のカバープレート311b、第1の環状壁312bの内壁、固定部322bの内壁及び第1のスリーブ321bの内壁で囲んで、第2のピストン40を収容するための第2の穴を形成する。
【0032】
さらに、第1のピストングランド31bと第1のピストンロッド32bの間のねじ込み連結をしやすくするため、第1のピストングランド31b上及び第1のピストンロッド32b上にそれぞれ組立補助構造315b、323bを設ける。組み立てる際には、補助手段(例えば、締め付け装置)を第1のピストングランド31b及び第1のピストンロッド32bの組立補助構造に位置決めしてから締め付けることで、第1のピストングランド31b及び第1のピストンロッド32bを固定する。
【0033】
図10及び
図2及び
図4の図示と関連付けて、本発明による第2のピストンの実施例1における構造を示す。本実施例では、前記第2のピストン40を前記第1のピストン30aの第2の穴34の中に設ける。当該第2のピストン40には、一体設置される第2のピストン本体41a及び第2のピストンロッド42aを設け、かつ、当該第2のピストン本体41aを第1のピストン本体31aの収容スペース内に収容し、第2のピストンロッド42aを前記第1のピストンロッド32aのスリーブ321a内に収容する。第2のピストン40の第2のピストン本体41aの頂部と第2の穴34aの頂部で形成されるスペースを第2のオイルチャンバー43aとする。前記第2のピストン本体41上に、芯管が通る第2のスルーホール411aと、第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路412aとを設け、かつ、前記第2のスルーホール411aと第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路412aを連通させて、前記第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路412aと前記第2のオイルチャンバー43aを連通させる。かつ、第2のピストンロッド42a内に、前記ブレーキシュー300に連結される連接装置44aを設ける。また、第2のピストン本体41aの外側壁上に、シール装置90cを収容するためのシール溝413aを設け(
図2に示す通り)、第2のピストンロッド42aの外側壁上にも、シール装置90dを収容するためのシール溝421aを設ける。当該シール装置90cは、第2のピストン40を第1のピストン30の第2の穴34の中でスライドさせるとき、第1のオイルチャンバー33内の油圧作動油が漏れないようにする。シール装置90dは、第2のピストン40を第1のピストン30の第2の穴34の中でスライドさせるとき、第2のオイルチャンバー43内の油圧作動油が漏れないようにする。前記第2のスルーホール411aの円周上にも、シール装置90hを収容するためのシール溝を設ける。
【0034】
前記芯管20を前記シリンダボディ10内に設け、かつ、前記芯管20の一端が第2のオイルチャンバーのオイルインレット13、第1のピストン30の第1のスルーホール311a及び第2のピストン40の第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路412aの1本又は複数本を貫通して第2のオイルチャンバー43に連通し、他端が第2のオイルチャンバーポート13を貫通してハンドブレーキ弁(不図示)に連結する。ハンドブレーキ弁の制御によって油圧作動油を芯管に送り込み、その上で芯管20から第2のオイルチャンバー43に送り込むことを実現することができる。第2のオイルチャンバー43を複数設ける場合には、芯管20のシリンダボディ10に貫入する一端を複数本に分けて、対応的に油圧作動油を第2のオイルチャンバー43内に送り込む。
【0035】
さらに、前記第1のオイルチャンバー内又は前記第1のオイルチャンバーに連通する管路に圧力制限弁又は油圧電磁弁を設けてもよい。前記第1のオイルチャンバーの圧力が設定値に達したとき、圧力制限弁又は油圧電磁弁から第1のオイルチャンバー内の油圧作動油を放出して、放出された油圧作動油が前記オイルドレンポート又はオイルリターン管路を介してオイルタンクに入り込み、第1のオイルチャンバー内の油圧作動油の圧力が低下すると、圧力制限弁又は油圧電磁弁が第1のオイルチャンバーを密閉して、第1のオイルチャンバー内の油圧作動油の圧力をまた操作に応じて上昇させることができ、このような循環往復によってアンチロックをするという目的を果たすこともできる。
【0036】
図11及び
図12に示すように、本発明による第2のピストンの実施例2における構造を示す。本実施例では、当該第2のピストン40に、別体設置される第2のピストングランド41b及び第2のピストン本体42bが含まれる。前記第2のピストングランド41bに第2のカバープレート411bが含まれ、前記第2のカバープレート411bの一面から第2のカバープレート411bに垂直にボス412bが外に延びて形成されるようにする。前記第2のカバープレート411bの中心にさらに、前記第2のカバープレート411b及びボス412bを貫通する第2のスルーホール413bを設ける。前記第2のスルーホール413bの内壁円周上にも、シール装置90hを収容するためのシール溝が設けられる。前記第2のピストン本体42bに第3のカバープレート421bが含まれ、前記第3のカバープレート421bは向かい合う2つの面を有し、第3のカバープレート421bの一面において第3のカバープレート421bに垂直に第2のピストンロッド422bが外に延びて形成され、第3のカバープレート421bの他面において第3のカバープレート421bに垂直に第2の環状壁423bが外に延びて形成されるようにする。前記第2の環状壁423bをボス412bに被せ、かつ、第2の環状壁423bとボス412bを固定連結する。具体的に、第2の環状壁423bに雌ねじ構造を設け、前記ボス412bに雄ねじ構造を設けることで、第2の環状壁423bと前記ボス412bでシールねじ込み連結を形成するようにする。また、前記第2のカバープレート411b、第2の環状壁423bの外壁及び第3のカバープレート421bで囲んで、シール装置90cを収容するためのシール溝414bを形成するようにする。前記第3のカバープレート421bの中心に第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路424bを設け、かつ、当該第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路424bと前記第2のスルーホール413bを連通させる。第2のピストン40の第3のカバープレート421bの、第2のピストンロッド422bが設けられる一面と第2の穴の頂部とで形成されるスペースを第2のオイルチャンバーとする。
【0037】
さらに、第2のピストングランド41bと第2のピストン本体42bの間のねじ込み連結をしやすくするため、第2のピストングランド41b上及び第2のピストン本体42bにそれぞれ組立補助構造414b、426bを設ける。組み立てる際には、補助手段(例えば、締め付け装置)を第2のピストングランド41b及び第2のピストン本体42bの組立補助構造に位置決めしてから締め付けることで、第2のピストングランド41b及び第2のピストン本体42bを固定する。
【0038】
理解できることとして、上記の実施例における第1のピストン30及び第2のピストン40のうち、実施例1における第2のピストン40は、実施例1における第1のピストン30の第2の穴に収容してよく、また、実施例1における第2のピストン40は、実施例2における第1のピストン30の第2の穴に収容してもよく、実施例2における第2のピストン40は、実施例1における第1のピストン30の第2の穴に収容してよく、実施例2における第2のピストン40は、実施例2における第1のピストン30の第2の穴に収容してよい。
【0039】
図13乃至
図5の図示と関連付けると、オイルドレンポート14が第1の穴11内に延びて、前記第1の穴11と連通する位置にオイルドレン孔が形成される。また、前記オイルドレンポート14のオイルドレン孔は、通常の場合、第1の穴11の中に位置する第1のピストン30で前記第1のオイルチャンバーと前記オイルドレンポート14の間の通路、即ち前記オイルドレン孔を塞ぐように第1の穴11の適切な位置に位置させてよい。第1のオイルチャンバーポート12から第1のオイルチャンバー33に入り込む油圧作動油の圧力が増大し続けるときには、当該油圧作動油の圧力で第1のピストン30がX軸の正方向に沿って所定位置まで移動するよう押して、前記オイルドレン孔を露出させることで、前記オイルドレンポート14と第1のオイルチャンバー33が連通して、第1のオイルチャンバー33内の油圧作動油がオイルドレンポート14を介してオイルタンクに戻ることができるようになる。
【0040】
実施例1における第1のピストン30、実施例1における第2のピストンを例とし、かつ、シール装置をシールリングとする。上記の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを取り付ける際には、まず、第1のピストン30の第1のピストン本体31aにシールリング90aを被せて、該第1のピストン本体31aをシリンダボディ10の第1の穴11の中に収容し、第2のピストン40の第2のピストン本体41aにシールリング90cを被せてから該第2のピストン本体41aを第1のピストン本体31aの第2の穴34の中に収容し、また、前記第2のピストン本体41aと第1のピストン30の第2の穴34の底部の間に第2のスプリング60を設けて、第2のピストンロッド42aにシールリング90dを被せる。その後で、また第1のピストン30の第1のピストンロッド32aを前記第2のピストン40の第2のピストンロッド42a上に重ね合わせ、また、第1のピストン30の第1のピストンロッド32の固定部322をボルトで前記第1のピストン本体31の第2の側面に固定連結する。さらに、グランド80を前記第1のピストンロッド32に押さえつけ、かつ、前記グランド80と第1のピストンロッド32の固定部322の間に第1のスプリング50を設ける。その後で、また、第1の穴11がシールされるようにエンドキャップ70をシリンダボディ10の外端に取り付ける。最後に、さらに、芯管20にシールリング90gを被せて、それを第2のオイルチャンバーのオイルインレット13、第1のピストン30の第1のスルーホール311a及び第2のピストン40の第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路412aの1本又は複数本を通って第2のオイルチャンバー43に連通させることで、シリンダボディ10内に取り付ける。
【0041】
実施例2における第1のピストン30、実施例2における第2のピストンを例とし、かつ、シール装置をシールリングとする。上記の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを取り付ける際には、まず、第1のピストン30の第1のピストングランド31bをシリンダボディ10の第1の穴11の中に収容し、その後で、シールボルト33bを第1のピストングランド31b上に固定して、前記シールリング90gを前記シールボルト33bのシール溝331b内に設ける。その後で、第2のピストン40の第2のピストングランド41を前記第1のピストン30の第1の環状壁312bの中に収容して、ただし、前記第2のカバープレート411bと第1のピストン30の第2の穴11の底部の間に第2のスプリング60が設けられる。さらに、第2のピストン40の第2のピストンロッド42bの第2の環状壁423bはシールリング90cが被せられてから、第2のピストングランド41と固定連結し、その後で、また第1のピストン30の第1のピストンロッド32bの固定部322bにシールリング90aを被せてから、それを第1の環状壁312b上に嵌めて、第1のピストングランド41に固定連結する。その後で、またグランド80を前記第1のピストンロッド32に押さえつけ、かつ、前記グランド80と第1のピストンロッド32の固定部322の間に第1のスプリング50が設けられる。その後で、また、第1の穴11がシールされるようにエンドキャップ70をシリンダボディ10の外端に取り付ける。最後に、さらに、芯管20を第2のオイルチャンバーのオイルインレット13、第1のピストン30の第1のスルーホール311a及び第2のピストン40の第2のオイルチャンバーのオイルインレット通路412aの1本又は複数本を通って第2のオイルチャンバー43に連通させることで、シリンダボディ10内に取り付ける。
【0042】
さらに、上記の第1のスプリング50及び/又は第2のスプリング60は皿ばねであることが好ましいが、無論、同等の作用を有する他の弾性部材であってもよく、ここでは限定しない。
【0043】
理解できることとして、上記のシール装置は、シール作用を果たすことのできる一切の物体又は部材であり、ここでは限定しない。本実施例において、このシール装置はシールリングであることが好ましい。
【0044】
さらに、本発明は、ブレーキシステムも提供するが、当該ブレーキシステムは、駆動アクスル、ドリブンアクスルのブレーキシステムに幅広く応用可能で、ドラムブレーキアクスルやディスクブレーキアクスルにも幅広く応用することができ、運転ブレーキ、パーキングブレーキを実現できてアンチロックも実現でき、運転がより安全に、配置がより簡単に、操作がより便利になって、例えば、巻上機のような他の装置のブレーキシステムにも適用される。
【0045】
本発明では、ブレーキシステムの実施例1における構造を示す。当該ブレーキシステムは、ドラムブレーキアクスルのブレーキシステムであり、オイルタンクと、オイルポンプと、フット制御弁と、ハンド制御弁と、管路と、ブレーキシューと、ブレーキドラムと、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダなどを含むことができる。そのうち、前記オイルタンクには油圧作動油があり、オイルタンクからオイルポンプ、管路を介して油圧アンチロックブレーキホイールシリンダに流れ込む。油圧アンチロックブレーキホイールシリンダのブレーキ作用によって、ブレーキシューとブレーキドラムによるブレーキ又はブレーキ解除を実現できることで、ブレーキをするという目的が果たせ、アンチロックをするという目的も果たせる。
図14a及び
図14bに示すように、
図14aに示す油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ100は、シリンダ内に、向かい合って設けられる2つの第1の穴が設けられるものであり、
図14bに示す油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ100は、シリンダ内に1つの第1の穴が設けられ、かつ、2つの油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ100が設けられるものである。ブレーキシュー300がブレーキドラム200の内側に位置し、かつ、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダ100に押されてブレーキシュー300がブレーキドラム200と当接又は分離することで、ブレーキ又はブレーキ解除を実現する。
【0046】
上記の構造を採用する油圧アンチロックブレーキホイールシリンダのブレーキシステムでは、油圧作動油がオイルタンクからオイルポンプ、管路、シリンダボディの第1のオイルチャンバーポートと第2のオイルチャンバーポートを経由して、取り付けて調整された油圧アンチロックブレーキホイールシリンダに入り込むときに、
【0047】
(1)ハンドブレーキ弁とフットブレーキ弁がいずれも閉じている場合、第1のピストン30が第1のスプリング50の圧力でシリンダボディ10の第1の穴11の底部に近づいて、第2のピストン40が第2のスプリング60の圧力で外に出、ブレーキシュー300とブレーキドラム200が密結合状態になって、車両がブレーキされる。
【0048】
(2)
図2に示すように、
図2中のシリンダボディ10の右半分構造における運動過程を例とする。ハンドブレーキ弁の制御下で、油圧作動油が第2のオイルチャンバーポート13を経由してシリンダボディ10内に入り込み、シリンダボディ10内の芯管を介して第2のオイルチャンバー43内に入り込む。第2のオイルチャンバー43中の油圧作動油の圧力が増大するに伴って、第2のピストン40が第2のスプリング60をX軸の負方向に沿って圧迫してブレーキシュー300とブレーキドラム200が分離するよう動かすことで、車両のパーキングブレーキが解除され、車両が走行できるようになる。
【0049】
(3)
図7に示すように、
図7中のシリンダボディ10の左半分構造における運動過程を例とする。車両の走行中、フットブレーキ弁の制御下で、油圧作動油が第1のオイルチャンバーポート12を経由して第1のオイルチャンバー33に入り込み、このとき、第1のオイルチャンバー33中の油圧作動油によって第1のピストン30が圧迫されることで、第1のピストン30が第1のスプリング50の圧力を圧迫して外に出て、ブレーキシュー300がブレーキドラム200を押しつけることで、ブレーキをするという目的を果たす。第1のオイルチャンバー33内の油圧作動油の圧力が大きいほど第1のピストン30が圧迫されて多く外に出るようになり、ブレーキ力も大きくなる。
【0050】
(4)フットブレーキ弁を制御して第1のオイルチャンバー33内の圧力を減らす場合、第1のスプリング50の弾力がレリーズされ、その上で、第1のピストン30が戻るよう動かされて、ブレーキシュー300がブレーキドラム200から離れるよう動かされることで、ブレーキ解除という目的が果たされる。
【0051】
(5)
図13に示すように、フットブレーキ弁を制御して第1のオイルチャンバー33内の圧力を増大させ続ける場合、第1のピストン30が第1のスプリング50を圧迫し続けて外に出て、第1のピストン30が設定位置すなわち最大ブレーキ力まで運動するときに、第1のオイルチャンバー33とオイルドレンポート14が連通して、高圧の作動油がオイルドレンポート14を経由してオイルタンクに還流することで、第1のオイルチャンバー33内の圧力が低下する。第1のオイルチャンバー33内の圧力が第1のスプリング60の弾力より小さい場合、第1のピストン30が第1のスプリング60により圧縮され戻り、ブレーキシュー300とブレーキドラム200を分離させ、第1のピストン30が戻ってオイルドレンポート14が締め切られ、第1のオイルチャンバー33内の圧力がまた増大し始め、また第1のピストン30が外に出るよう動かされる。このような循環往復によって、ブレーキとブレーキ解除が常に繰り返されることを実現しており、ブレーキをするという目的を果たし、アンチロックをするという目的も果たしている。
【0052】
本発明では、さらに、ブレーキシステムの実施例2における構造も示す。当該ブレーキシステムは、本発明によるブレーキホイールシリンダを応用したディスクブレーキアクスルのブレーキシステムである。当該ブレーキシステムには、オイルタンクと、オイルポンプと、フット制御弁と、ハンド制御弁と、管路と、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの固定台と、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダと、ブレーキパッドと、ブレーキライニングなどが含められる。
図15a及び
図15bに示すように、前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの固定台400は、向かい合って設けられる2つの側壁401を備え、かつ、該2つの側壁の間に収容キャビティ402が形成され、当該収容キャビティ402にブレーキディスク600が収容される。このブレーキディスク600は、アクスルによって回転するよう動かされる。前記固定台400の2つの側壁には1つ以上の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを収容可能で、かつ、当該油圧アンチロックブレーキホイールシリンダは、前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの固定台400の側壁401上を貫通して固定される。油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの第2のピストン501とブレーキディスク600は向かい合って設けられ、かつ、第2のピストン501にさらにブレーキパッド602が連結され、ブレーキパッド602にはブレーキライニング603が固定連結される。このブレーキパッド602とブレーキライニング603はブレーキブロックを形成する。前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの固定台400の内側壁にはさらに、ブレーキパッド602とブレーキライニング603とのガイドブロック403が設けられる。自動車の走行中、ブレーキブロックが油圧アンチロックブレーキホイールシリンダに押されてブレーキディスク600を締め付けたり緩めたりすることで、自動車のブレーキ又はブレーキ解除を実現することができる。理解できることとして、この場合、当該油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの構造は、前述の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの構造を参照することができ、当該油圧アンチロックブレーキホイールシリンダにエンドキャップがなく、固定台400の側壁401により代えられている点でのみ相違する。具体的に、固定台400の側壁401上には、側壁401を貫通する、段付き孔である収容孔が設けられる。側壁401の内側近くの段付き孔の孔径は小さくて第1のピストンロッドの外径に概ね等しく、側壁401の外側近くの段付き孔の孔径は大きくて前記シリンダボディの外径に概ね等しいため、小さな孔径と大きな孔径の間に段付き部が形成される。油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを取り付ける際には、まず、第2のピストン501、第2のスプリング502を第1のピストン503の第2の穴の中に収容して、その後で、第1のピストン503、第2のピストン501が収容孔を通るようにし、かつ、第1のピストンロッドと段付き部の間に第1のスプリング504を設けて、第2のピストン501の一端をブレーキパッド602、ブレーキライニング603に順に連結する。最後に、さらに、シリンダボディ505を第1のピストン503上に被せ、かつ、シリンダボディ505の第1の穴の外端が収容孔内に入れて、収容孔の内壁でシリンダボディ505の内壁と固定連結する。好ましくは、ねじ込み連結とする。シリンダボディの第1の穴の外端が前記段付き孔と当接し、かつ、段付き孔の内壁とシリンダボディの外壁が固定連結されることで、当該油圧アンチロックブレーキホイールシリンダでは、エンドキャップで前記シリンダボディをシールする必要がなくなり、側壁401でシリンダボディがシールされるようになる。
【0053】
さらに、本発明では、ブレーキシステムの実施例3における構造も示す。当該ブレーキシステムは、本発明によるブレーキホイールシリンダを応用したディスクブレーキアクスルのブレーキシステムである。当該ブレーキシステムには、オイルタンクと、オイルポンプと、フット制御弁と、ハンド制御弁と、管路と、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダの固定台と、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダと、ブレーキパッドと、ブレーキライニングなどが含められる。
図16に示すように、前記固定台700は、向かい合って設けられる2つの側壁701を備え、かつ、2つの側壁701の間に収容キャビティ702が形成され、当該収容キャビティ702にブレーキディスク800が収容される。前記固定台700の2つの側壁701に、ブレーキパッド801とブレーキライニング802からなるブレーキブロックのガイドブロック703を設けて、前記固定台700の2つの側壁701に、内側から外側に延びる1つ以上の第1の穴を設けてもよく、前記側壁701の外側に第1のオイルチャンバーポートと、第2のオイルチャンバーポートと、オイルドレンポートとを設けてもよい。
【0054】
前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダは、芯管901と、第1のピストン902と、第2のピストン903と、第1のスプリング904と、第2のスプリング905と、エンドキャップ906を含む。そのうち、前記エンドキャップ906と前記第1の穴の開口端を固定連結する。前記第1のピストン902を前記第1の穴の中に設け、かつ、前記第1のピストン903と前記エンドキャップ906の間に前記第1のスプリング904を設けて、前記第1のピストン902の底部と前記第1の穴の底部の間に第1のオイルチャンバーを形成して、前記第1のオイルチャンバーポートの一端を前記第1のオイルチャンバーに連通させて、他端をフットブレーキ弁に連結し、第1のオイルチャンバーポートから第1のオイルチャンバーに流れ込む油量を前記フットブレーキ弁によって制御する。前記第1のピストン902に第2の穴を設けて、前記第2のピストン903を前記第2の穴の中に位置させ、かつ、前記第2のピストン903と前記第2の穴の頂部の間に第2のオイルチャンバーを形成し、前記第2のピストン903の底部と前記第2の穴の底部の間にさらに前記第2のスプリング905を設ける。前記芯管901の一端をハンドブレーキ弁に連結して、他端が前記第2のオイルチャンバーポートを通って第2のオイルチャンバーに連通するようにし、芯管から第2のオイルチャンバーに流れ込む油量を前記ハンドブレーキ弁によって制御する。前記第1のオイルチャンバーの圧力が増大して前記第1のピストンを外へ設定位置まで運動するよう押すとき、前記オイルドレンポートと前記第1のオイルチャンバーが連通するようにする。
【0055】
さらに、油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを取り付けやすくするため、前記固定台700の2つの側壁を別体設置し、かつ、側壁の底部を固定連結することで2つの側壁の間に収容キャビティを形成する。まず、前記油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを側壁上に取り付けてから、側壁を固定連結する。
【0056】
本発明によるブレーキホイールシリンダを応用すると、ディスクブレーキアクスルの運転ブレーキとパーキングブレーキが実現されることで、ブレーキをするという目的を果たし、アンチロックをするという目的も果たすことができる。
【0057】
上記の構造の油圧アンチロックブレーキホイールシリンダを用いると、油圧作動油がオイルタンクからオイルポンプ、管路、シリンダボディの第1のオイルチャンバーポートと第2のオイルチャンバーポートを経由して、取り付けて調整された油圧アンチロック運転ブレーキホイールシリンダに入り込むときに、
【0058】
(1)ハンドブレーキ弁とフットブレーキ弁がいずれも閉じている場合、第1のピストン30が第1のスプリング50の圧力でシリンダボディ10の第1の穴11の底部に近づいて、第2のピストン40が第2のスプリング60の圧力で外に出、ブレーキブロックとブレーキディスクが密結合状態になって、車両がブレーキされる。
【0059】
(2)
図2に示すように、
図2中のシリンダボディ10の右半分構造における運動過程を例とする。ハンドブレーキ弁の制御下で、油圧作動油が第2のオイルチャンバーポート13を経由してシリンダボディ10内に入り込み、シリンダボディ10内の芯管を介して第2のオイルチャンバー43内に入り込む。第2のオイルチャンバー43中の油圧作動油の圧力が増大するに伴って、第2のピストン40が第2のスプリング60を圧迫してX軸の負方向に沿って移動してブレーキブロックとブレーキディスクが分離するよう動かすことで、車両のパーキングブレーキが解除され、車両が走行できるようになる。
【0060】
(3)
図7に示すように、
図7中のシリンダボディ10の左半分構造における運動過程を例とする。車両の走行中、フットブレーキ弁の制御下で、油圧作動油が第1のオイルチャンバーポート12を経由して第1のオイルチャンバー33に入り込み、このとき、第1のオイルチャンバー33中の油圧作動油によって第1のピストン30が圧迫されることで、第1のピストン30が第1のスプリング50の圧力を圧迫して外に出て、ブレーキブロックがブレーキディスクを押しつけることで、ブレーキをするという目的を果たす。第1のオイルチャンバー33内の油圧作動油の圧力が大きいほど第1のピストン30が圧迫されて多く外に出るようになり、ブレーキ力も大きくなる。
【0061】
(4)フットブレーキ弁を制御することで第1のオイルチャンバー33内の圧力を減らす場合、第1のスプリング50の弾力が回復し、その上で、第1のピストン30が戻るよう動かされて、ブレーキブロックがブレーキディスクから離れるよう動かされることで、ブレーキを緩め、解除するという目的が果たされる。
【0062】
(5)
図13に示すように、フットブレーキ弁を制御することで第1のオイルチャンバー33内の圧力を増大させ続ける場合、第1のピストン30が第1のスプリング50を圧迫し続けて外に出て、第1のピストンが設定位置すなわち最大ブレーキ力まで達するときに、第1のオイルチャンバー33とオイルドレンポート14が連通して、高圧作動油がオイルドレンポート14を経由してオイルタンクに還流することで、第1のオイルチャンバー33内の圧力が低下する。第1のオイルチャンバー33内の圧力が第1のスプリング60の弾力より小さい場合、第1のピストン30が第1のスプリング60により圧縮され戻り、第1のピストン30によってブレーキブロックとブレーキディスクが分離するよう動かされて、第1のピストン30が戻ってオイルドレンポート14が締め切られ、第1のオイルチャンバー33内の圧力がまた増大し始めると、また第1のピストン30が外に出るよう押される。このような循環往復によってブレーキとブレーキ解除が常に繰り返されることを実現しており、ブレーキをするという目的を果たし、アンチロックをするという目的も果たしている。
【0063】
以上に述べたところは、本発明の望ましい実施例であるにすぎず、本発明を限定するためのものではないので、およそ本発明の趣旨と原則の中でなされる一切の修正、均等な置換及び改良などは、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきものである。