(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
熱硬化性樹脂と、前記熱硬化性樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーとを含有する半硬化状態の熱伝導性シート、及び、該熱伝導性シートに積層された剥離シートを備えた剥離シート付熱伝導性シートから前記剥離シートを取り除いて前記熱伝導性シートを使用する熱伝導性シートの使用方法であって、
前記剥離シートが、外周縁の一点と他点とを結ぶ分割線を有し、該分割線により複数のシート片に分割可能に形成されており、前記一点から前記他点までのいずれかの箇所を剥離起点とし、該剥離起点から前記シート片を剥離して前記剥離シート付熱伝導性シートから前記剥離シートを取り除き、
且つ、前記一点から前記他点までの中間領域に設けた前記剥離起点から前記分割線の長さ方向に交差する方向に前記シート片を剥離することを特徴とした熱伝導性シートの使用方法。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂中に無機フィラー(無機化合物粒子)を分散させることにより、樹脂単体に比べて熱伝導性を向上させた熱伝導性シートが用いられている。
なかでも、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含有し前記熱硬化性樹脂を半硬化状態にさせたタイプの熱伝導性シートは、被着体に接着させて熱硬化させることで優れた接着性を発揮させ得るとともに接着後には熱が加わっても接着性が低下し難いことから広く用いられている。
このような熱伝導性シートの製造方法は、例えば下記特許文献1に開示されている。
具体的には、従来の熱伝導性シートは、
図10に示されているように、無機フィラー103とポリマー成分104とを含むポリマーシート102a、102a’を、支持層101が形成された面と反対側の面が向い合うように重ね合わせ、熱プレスによって2層のポリマー層102b、102b’を積層して積層体102cを形成させる方法により作製されたりしている。
【0003】
この特許文献1に記載の熱伝導性シートは、ポリマー層を被着体に接着させて用いられることから使用時においては前記支持層の少なくとも一方を剥離させて用いられる。
即ち、このような熱伝導性シートにおいては、一般的な接着シートにおいて接着面を保護すべく用いられている剥離シートとしての機能を前記支持層に発揮させている。
なお、剥離シート付の熱伝導性シートは、この特許文献1に記載の方法以外にも各種の方法で作製されている。
【0004】
ところで、熱伝導性シートは、優れた熱伝導性を有することが求められており、従来、無機フィラーをいかにして高充填させるかといった検討がなされている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0015】
本発明の一実施の形態における剥離シート付熱伝導性シート10は、
図1(A)及び(B)に示すように、熱伝導性シート11と、この熱伝導性シート11を覆う剥離シート12とを備えている。
熱伝導性シート11の外周縁と剥離シート12の外周縁とは、略同じ形状であり、熱伝導性シート11の外周縁と剥離シート12の外周縁とが一致するように積層されている。
【0016】
熱伝導性シート11は、熱硬化性樹脂と、この熱硬化性樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーとを含有し、前記熱硬化性樹脂が半硬化状態で含有されている。
【0017】
前記熱伝導性シート11を形成する熱硬化性樹脂は特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが用いられる。
【0018】
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等の各種のエポキシ樹脂を単独または2種以上併用して採用することができる。
【0019】
フェノール樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂等が用いられる。
なかでも、トリフェニルメタン型フェノール樹脂は、耐熱性において有利であり、フェノールアラルキル樹脂は、被着体との間に良好なる接着性を示す点において好ましく用いられる。
【0020】
なお、前記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を採用する場合には、熱伝導性シート11に当該エポキシ樹脂の硬化剤や硬化促進剤をさらに加えて熱硬化性を調整してもよい。
硬化剤としては、例えば、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、トリエチレンテトラミンなどのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤などを用いることができる。
また、前記ノボラック型フェノール樹脂などもエポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤として熱伝導性シート11に含有させることができる。
硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール類や、トリフェニルフォスフェイト(TPP)、三フッ化ホウ素モノエチルアミンなどのアミン系硬化促進剤などが用いられる。
【0021】
一方で熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を採用する場合には、ヘキサメチレンテトラミン、各種の2官能以上のエポキシ化合物、イソシアネート類、トリオキサン及び環状ホルマール等を前記フェノール樹脂の硬化剤として含有させても良い。
【0022】
無機フィラーは、熱硬化性樹脂よりも熱伝導率が高ければ特に限定されないが、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ガリウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、二酸化珪素、酸化マグネシウム、ダイヤモンドなどの粒子が用いられる。
【0023】
なお、本実施形態の熱伝導性シート11が半硬化状態であるかどうかは、示差走査熱量測定(DSC)を行った際に硬化反応に伴う発熱ピークが観測されることで確認可能であり、例えば、十分に熱を加えて熱硬化させた熱伝導性シートのDSCチャートと熱を加える前の熱伝導性シートのDSCチャートとを比較して明確な発熱ピークが観察されるかどうかで判断することができる。
【0024】
図1(A)に示すように、剥離シート12は、外周縁12aの一点12bと他点12cとを結ぶ分割線12dを有し、該分割線により複数のシート片に分割可能に形成されている。
該分割線12dは、当該分割線によって分割される領域間を完全に切り離した状態となるように形成される必要はなく、例えば、破線状の切込みを設けた所謂ミシン目や、剥離シート12の厚み方向途中まで切り込まれた所謂ハーフカットなどとすることもできる。
本実施の形態においては、剥離シート12の外周縁12aは、平面視における形状が長方形であり、一点12b及び他点12cは対向する長辺側の中心点であり、分割線12dは一点12bと他点12cとを結ぶ直線である。
【0025】
該剥離シート12は、その材質等が特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂フィルム、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔などの金属箔などとすることができる。
なかでも、本実施形態の剥離シート12には、外形加工性がよく、安価であるという点において、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いることが好ましい。
該剥離シート12は、熱伝導性シート11と接触する面に粗化処理、離型処理などの処理がされていてもよく、未処理の状態であってもよい。
【0026】
続いて、本実施の形態の剥離シート付熱伝導性シート10の製造方法について説明する。
【0027】
まず、剥離シート付熱伝導性シート10に用いる剥離シート12、13を準備する。
この前記剥離シート12、13としては、剥離シート付熱伝導性シート10を連続的に効率良く製造する上において長尺帯状のものを準備することが好ましい。
【0028】
次いで、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を溶解可能な有機溶媒に溶解させるとともに、この樹脂溶液に窒化ホウ素粒子、金属酸化物粒子などの熱硬化性樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーを分散させてコーティング液を作製する。
この工程では、例えば、ボールミル、プラネタリーミキサー、ホモジナイザー、三本ロールミル等の攪拌装置を用いることができる。
【0029】
次に、剥離シート上に、上記コーティング液をコーティングする。
この工程は、長尺帯状の剥離シートを巻き取った剥離シートロールを、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ナイフコーター、コンマコーター、ダイレクトコーター等のコーティング装置に装着して連続的に実施させることができる。
【0030】
次に、コーティング液がコーティングされた剥離シートを乾燥炉に導入して、有機溶媒を除去し、コーティング液の乾燥被膜を剥離シート上に形成する。
この工程は、例えば、コーティング液がコーティングされた帯状の剥離シートを一般的な加熱乾燥炉中を所定の時間を掛けて通過させることで実施することができる。
【0031】
次に、この片面に乾燥被膜の形成された剥離シートを2枚用意し、この乾燥被膜の形成された剥離シートを乾燥被膜が対向するように重ね合わせて熱プレスして2層の乾燥被膜を積層一体化させる。
これにより、熱伝導性シートと、熱伝導性シートの表面及び裏面に積層された剥離シートとを有する積層体が得られる。
この工程は、例えば、乾燥被膜の形成された帯状の剥離シートを熱板一面分の長さずつ熱プレスに供給して順次熱プレスさせるような方法により実施することができる。
【0032】
そして、当該積層体の一面側を構成している剥離シートと他面側を構成している剥離シートとの内の一方、又は、必要に応じて両方に分割線を形成し、該分割線が外周縁の一点と他点とを結ぶ形になるように積層体から切り出した所定形状(本実施形態においては長方形)の切出片を本実施形態の剥離シート付熱伝導性シートとすることができる。
【0033】
前記分割線の形成方法は特に限定されないが、例えば、ロータリーカッターなどを用いて剥離シートの厚み方向に切れ込みを入れる方法などを採用することができる。
また、積層体からの剥離シート付熱伝導性シートの切り出し方法は、特に限定されないが、例えば、トムソン刃型などによる打ち抜き方法を採用することができる。
【0034】
なお、積層体の形成後、且つ分割線の形成前に一方、又は、両方の剥離シートを一旦除去し、その後、改めて別の剥離シートを熱伝導性シートに貼り合せ、この後から貼り合せた剥離シートに対して分割線を形成させるようにしてもよい。
例えば、熱伝導性シートを作製する際には、前記コーティング液のハジキを抑制させる上において、塗工面が粗化面となっている金属箔や樹脂フィルムを用いることが好ましいが、その一方で熱伝導性シートとの接着面が粗化面となっている剥離シートは、アンカー効果により表面平滑な樹脂フィルムなどに比べると一般的に熱伝導性シートとの接着が強固で剥離し難いものとなる。
【0035】
そして、前記のような帯状の積層体であれば、長さ方向に向けて連続的に剥離シートを除去することが比較的容易である。
その一方で、積層体から複数の剥離シート付熱伝導性シートを切り出した後で、個々の剥離シート付熱伝導性シートから剥離シートを除去するのは、積層体から剥離シートを剥離するのに比べると手間の掛かる作業となる。
特に粗化面を熱伝導性シートに密着させている剥離シートを個々の剥離シート付熱伝導性シートから剥離するのには手間が掛かることになる。
このことから、塗工面が粗化面となっている剥離シートを用いて前記積層体を形成させた場合には、この積層体から剥離シートを除去し、別の剥離シートを貼り合せたあとで剥離シート付熱伝導性シートを切り出すことで小サイズな剥離シート付熱伝導性シートであっても前記剥離シートを剥離容易なものとすることができる。
【0036】
以上の工程を実施することにより、
図1に示すように、熱硬化性樹脂と、この熱硬化性樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーとを含有し、半硬化状態の熱伝導性シート11と、この熱伝導性シート11の一方表面を覆う剥離シート12とを備えた剥離シート付熱伝導性シート10を製造することができる。
【0037】
続いて、本実施の形態における剥離シート付熱伝導性シートの使用方法について説明する。
【0038】
まず、
図1に示す本実施の形態の剥離シート付熱伝導性シート10を準備する。
次に、剥離シート付熱伝導性シート10から剥離シート12を剥離する。
具体的には、剥離シートは外周縁の一点と他点とを結ぶ分割線を有しているため、例えば
図1(A)に示すように、剥離シートにおける分割線12dにより分割される一方のシート片R1を厚み方向に押圧し、矢印A1に示すように一方のシート片R1と他方のシート片R2との境界である分割線12dの中間領域を剥離起点とし、当該剥離起点から分割線12dの長さ方向と交差する方向に向けて、他方のシート片R2を剥離する。
次に、他方のシート片R2が剥離された部分を厚み方向に押圧し、矢印A2に示すように分割線12dから熱伝導性シート11の長手方向端部へ向けて一方のシート片R1を剥離する。
これにより、一方の表面に形成された剥離シートが剥離される。
なお、ここでは熱伝導性シートに曲げが加わることを特に抑制させ易く、熱伝導性シートが割れてしまう事をより一層抑制させ得ることから分割線12dの中間領域に剥離起点を設ける態様を例示しているが、要すれば、前記一点12bや前記他点12cを剥離起点とするようにしてもよい。
【0039】
このシート片R1の剥離に際しては、例えば、狭ピッチで複数の小孔が天面に穿設されており、該小孔が空気を吸引するように構成された真空吸引テーブルを使って剥離シート付熱伝導性シート10を当該真空吸引テーブル上に固定し、シート片を剥離する箇所以外の部分に対する上側からの押圧を省略させるようにしてもよい。
また、前記シート片の剥離は、例えば
図2(A)に示すように、先端が鉤爪のようになった部材B(例えば、カンナ刃やカッターナイフ刃)を剥離シートの表面に押し当てつつ一方のシート片R1の側から他方のシート片R2に向けて前記分割線12dと交差する方向に移動させ、前記分割線12dにおいてこの鉤爪状部材Bをシート片R2のエッジに引っ掛けさせる方法などにより実施することができる。
また、このような方法に代えて
図2(B)に示すように、他方のシート片R2の表面で且つ分割線12dに近い箇所に粘着テープTを貼り付けて該粘着テープを引き上げることにより当該シート片R2を剥離するようにしてもよい。
【0040】
なお、剥離シートの剥離は、被着体への接着前に実施する必要はなく被着体への接着後に実施してもよい。
即ち、熱伝導性シートの片面側にのみ剥離シートを有する剥離シート付熱伝導性シートであれば、熱伝導性シートが露出している面を被着体に接着させた後に、前記のようにして剥離シートを除去するようにしてもよい。
このように一旦被着体に接着させた後でも、例えば、熱伝導性シートの外周縁から剥離シートを剥離しようとした場合には、剥離シートと熱伝導性シートとの接着力により熱伝導性シートに曲げ変形が生じ易く、クラック等が発生し易くなる。
その一方で、本実施形態の熱伝導性シートの使用方法においては、熱伝導性シートの長手方向中央部から外向きに剥離シートが剥離されることになるため、熱伝導性シートに曲げ変形が生じ難くクラック等の発生が抑制されうる。
【0041】
(変形例1〜6)
図3〜
図8に示すように、変形例1〜6の剥離シート付熱伝導性シートは、基本的に
図1に示す剥離シート付熱伝導性シート10と同様であるが、剥離シート12の分割線12dが異なる。
【0042】
図3に示すように、変形例1の分割線12dは、対向する長辺における中心点から対角線上に位置する頂点側にずれた一点12bと他点12cとを結ぶ直線である。
【0043】
図4に示すように、変形例2の分割線12dは、対向する短辺側の中心に位置する一点12bと他点12cとを結ぶ直線である。
【0044】
図5に示すように、変形例3の分割線12dは、対向する長辺側の中心に位置する一点12bと他点12cとを結ぶ曲線である。
【0045】
図6に示すように、変形例4の分割線12dは、対向する長辺側の中心点から頂点側にそれぞれ位置する2つの一点12bと2つの他点12cとをそれぞれ結ぶ直線である。
【0046】
図7に示すように、変形例5の分割線12dは、対向する長辺側の中心点から頂点側にそれぞれ位置する2つの一点12bと2つの他点12cとをそれぞれ結ぶ曲線である。
【0047】
図8に示すように、変形例6の分割線12dは、一方の辺に位置する頂点としての2つの一点12bと、他方の辺に位置する頂点として2つの他点12cとをそれぞれ対角線に沿って直線で結ぶ。
【0048】
なお、
図5に示す変形例3では、分割線12dが曲線となっているためにこの分割線12dのいずれかを剥離起点とし、分割線12dの延在方向に直交する方向を剥離方向とすることで剥離シート12を容易に剥離させることができる。
この点について
図9を参照しつつ説明すると、正弦波状の分割線12dを有する変形例3の剥離シート付熱伝導性シートは、変曲点たる符号Xで示した箇所を剥離起点とすると、該剥離起点Xにおける分割線12dの延在方向が図中の仮想線Yとなる。
ここで、この仮想線Yで仕切られる2つの領域の内、分割線12dが存在する
図9正面視右側に向けて剥離を開始し、例えば、前記仮想線Yに直交する向き(ブロック矢印Z方向)に剥離を開始すると剥離シートを容易に剥離させ得る。
即ち、剥離起点Xにおいては、点領域の剥離を実施すればよく、剥離地点が剥離起点Xからブロック矢印Z方向に移動した状況においても剥離地点の両側に分割線12dが存在するため、例えば、剥離地点が点X’まで移動した場合を考えると、剥離が必要なのは分割線12dの間の幅Aだけとなり、剥離シートを容易に剥離することができる。
このように剥離シートを容易に剥離することができるのは、分割線が曲線である場合のみならず分割線が折れ線となっている場合も同じである。
即ち、1本の分割線、或いは、2本以上の分割線により曲折形状が形成されている変形例5、6においても同じである。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態及びその変形例1〜6における剥離シート付熱伝導性シート10は、熱硬化性樹脂と、この熱硬化性樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーとを含有し、半硬化状態の熱伝導性シート11と、この熱伝導性シート11を覆う剥離シート12とを備え、剥離シート12は、外周縁12aの一点12bと他点12cとを結ぶ分割線12dを有している。
【0050】
本実施の形態及びその変形例1〜6の剥離シート付熱伝導性シート10から剥離シートを除去して熱伝導性シートを使用する使用方法は、前記において説明した方法と同様に実施することができる。
【0051】
本実施の形態における剥離シート付熱伝導性シート10は、剥離シート12を剥離する際に破損を抑制できるので、回路基板、半導体モジュールなどの熱伝導性とともに絶縁信頼性が求められるような用途において好適に用いられる。
例えば、上面に半導体素子と、該半導体素子が発する熱を拡散させるためのヒートスプレッダとを備え、前記ヒートスプレッダの上面側に前記半導体素子が搭載されている半導体モジュールにおいて前記ヒートスプレッダの下面側を覆うようにして用いられることが好ましい。
即ち、本実施形態の熱伝導性シートは、前記ヒートスプレッダを被着体とすることが好ましい。
【0052】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、実施の形態及び変形例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。