特許第6283500号(P6283500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283500
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】締付装置
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/14 20060101AFI20180208BHJP
【FI】
   B25B23/14 620J
   B25B23/14 610B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-227521(P2013-227521)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2015-85472(P2015-85472A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201467
【氏名又は名称】TONE株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 年彦
(72)【発明者】
【氏名】平井 達夫
(72)【発明者】
【氏名】鳥飼 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】中畑 達雄
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 学
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 政雄
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−149251(JP,A)
【文献】 特開平09−309077(JP,A)
【文献】 特開2011−130139(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第03402501(DE,A1)
【文献】 特開昭58−094939(JP,A)
【文献】 特開2002−283248(JP,A)
【文献】 特開2012−20353(JP,A)
【文献】 特開2001−71222(JP,A)
【文献】 特開2009−172741(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3044821(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 21/00 − 23/18
B23P 19/06
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータを駆動するモータ駆動回路と、
前記モータによって回転し、先端にソケットが装着されて締結部材を締め付けることのできるドライブ軸と、
前記ソケットに作用する締付トルクを検出するトルク検出器と、
予め設定された設定トルクと、前記トルク検出器により測定された測定トルクに基づいて、前記モータ駆動回路を制御する制御部と、
を具える締付装置であって、
前記測定トルクが、前記設定トルクに対して予め設定された公差範囲内にあるか否かの合否判定を行ない、公差範囲外である場合にはエラー信号を発信する合否判定部と、
前記合否判定部のエラー信号に基づいて、前記モータの起動を阻止するモータ遮断部と、
モータ遮断部による前記モータの起動の阻止を解除するエラー解除ボタンと、
を具えることを特徴とする締付装置。
【請求項2】
前記合否判定部のエラー信号に基づいて、エラー表示を行ない、前記エラー解除ボタンの操作によりエラー表示を解除する表示部を具える、
請求項1に記載の締付装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記設定トルクと前記測定トルクを表示するものであり、前記設定トルクと前記測定トルクは、桁を揃えて上下二段に表示される、
請求項2に記載の締付装置。
【請求項4】
前記表示部は、エラー表示を点灯又は点滅により表示する、
請求項2に記載の締付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルトやナットなどの締結部材を複数の締付工程により締め付けることのできる締付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボルトやナットなどの締結部材の締付精度を高めるために、ソケットに作用する締付トルクを測定し、その測定トルクが設定トルクに到達したときに、締付を終了するよう数値制御された締付機が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、測定トルクが設定トルクに達すると、振動発生手段により振動を発生させ、ユーザに伝えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−83039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記構成によれば、締結部材の締付けが設定トルクに達したかどうかは判別することができるが、実際の締付トルクが適正であるか、たとえば、締付トルクが設定トルクよりも所定の公差以上となっているかどうかは判別できない。
このため、実際に所望された設定トルク以上で締付けが行なわれているかどうかを確認し、ユーザに確実に通知することが求められている。
【0006】
本発明の目的は、締結部材を締め付けた後、その締付トルクが、設定トルクに対して所定の公差範囲から外れていることをユーザに確実に通知することのできる締付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の締付装置は、
モータと、
前記モータを駆動するモータ駆動回路と、
前記モータによって回転し、先端にソケットが装着されて締結部材を締め付けることのできるドライブ軸と、
前記ソケットに作用する締付トルクを検出するトルク検出器と、
予め設定された設定トルクと、前記トルク検出器により測定された測定トルクに基づいて、前記モータ駆動回路を制御する制御部と、
を具える締付装置であって、
前記測定トルクが、前記設定トルクに対して予め設定された公差範囲内にあるか否かの合否判定を行ない、公差範囲外である場合にはエラー信号を発信する合否判定部と、
前記合否判定部のエラー信号に基づいて、前記モータの起動を阻止するモータ遮断部と、
モータ遮断部による前記モータの起動の阻止を解除するエラー解除ボタンと、
を具える。
【0008】
前記合否判定部のエラー信号に基づいて、エラー表示を行ない、前記エラー解除ボタンの操作によりエラー表示を解除する表示部を具えることができる。
【0009】
前記表示部は、前記設定トルクと前記測定トルクを表示するものであり、前記設定トルクと前記測定トルクは、桁を揃えて上下二段に表示することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の締付装置によれば、測定トルクが、設定トルクの公差範囲外であれば、表示部にエラー表示されるから、ユーザは、締結部材の締付トルクが適正でないことを目視により確認できる。また、モータの起動も阻止されており、エラー解除ボタンを操作しない限り次の締付工程には移ることができないから、エラー表示を見逃しによるヒューマンエラーをなくすことができる。
【0011】
設定トルクと測定トルクを、桁を揃えて上下二段表示することで、測定トルクがどの程度設定トルクに近づいているかを瞬時に判断することができる。また、設定トルク又は測定トルクのみを表示している場合には、何れのトルクが表示されているか判断しづらいが、二段表示することにより、その判断も容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る締付装置の概略説明図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る締付装置のブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る締付装置の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の締付装置10を、図1及び図2に示すように締付けを行なう本体となる締付機20と、この締付機20を制御する制御装置30、トルクを測定するトルク検出器50から構成した数値制御式の締付装置に適用した実施形態について説明する。なお、制御装置30は、その機能の一部又は全部を締付機20に内蔵する構成とすることもでき、また、制御装置30の一部の機能を外部PC等で実行するように構成してもよい。
【0014】
図1は、本発明の締付装置10の概略を説明する図であり、図2は、締付装置10の概略ブロック図である。図に示すように、締付装置10は、締付機20と制御装置30から構成され、締付機20には、ソケットに作用するトルクを検出するトルク検出器50を具える。
【0015】
<締付機20>
締付機20として、図1に示す実施形態では、ドライブ軸が内軸と外軸22の2軸式の電動レンチを例示している。しかしながら、2軸式のものに限定されず1軸式のものであってもよく、また、締付機20は、インパクトレンチ、インパクトドライバー、振動・ハンマードリルなどであってもよい。
【0016】
2軸式の締付機20は、ドライブ軸21となる内軸と外軸22が、ハウジング23に内蔵されたモータ24によって互いに逆回転可能となっている。内軸と外軸22は、遊星歯車機構などの減速機構28によってモータ24に連繋することができる。
【0017】
締付機20は、内軸の先端には、ボルトやナットなどの締結部材が装着可能なソケットを具える。また、外軸22の先端には、ドライブ軸21の軸芯に対して先端が略垂直方向に突出するアームを具備する反力受け25が取り付けられている。
【0018】
締付機20は、図1に示すトリガスイッチ26の操作によって、図2に示す制御装置30からの指令を受けてモータ24を駆動させ、ドライブ軸21を回転させる。また、図1及び図2に示すように、締付機20には、正逆切替用スイッチ27が配備されており、正逆切替用スイッチ27を操作することで、モータ24の回転を逆転させて、締結部材の締付け及び緩め作業を行なうことができる。正逆切替用スイッチ27は、減速機構28のギア切替えやクラッチ操作などによって、機構的にドライブ軸21の正転と逆転を切り替えるものとすることができる。また、正逆切替用スイッチ27は、モータ24に供給される電圧を反転させるものであってもよい。
【0019】
<トルク検出器50>
締付機20には、ソケットに作用するトルクを検出するトルク検出器50が配備される。トルク検出器50は、制御装置30にトルクに関する信号を送信する。トルク検出器50として、図1に示すように、締付トルクを検出するトルクセンサ51をドライブ軸21とソケットとの間に直接装着するものを採用することができる。ソケットに作用するトルクは、締付機20の電気系統、たとえばモータ電流の変化から検出するものであってもよい。また、ソケットに作用するトルクは、ドライブ軸21やモータ24、減速機構28等の回転角度から換算するようにしてもよい。
【0020】
トルク検出器50を図1のようにドライブ軸21に装着すると、トルク検出器50はドライブ軸21と一体回転するから、制御装置30と有線接続することはできない。従って、図2に示すように、トルクセンサ51にて測定された締付トルクに関する信号は、増幅回路52で増幅し、A/D変換回路53にてA/D変換してCPU54に入力し、RF(Radio Frequency)回路55及びアンテナ56を経由して無線送信することが望まれる。トルク検出器50への電源の供給はトルク検出器50に小型のバッテリを搭載することで行なうことができる。
【0021】
具体的実施形態として、トルクセンサ51は、外軸22に貼着された歪みゲージを例示することができる。外軸22に作用する締付トルクは、歪みゲージの抵抗変化が電圧変化として出力される。
【0022】
<制御装置30>
制御装置30は、図1に示すように、締付機20と接続用ケーブル60によって電気的に接続されており、締付機20との通信及び締付機20に電源供給可能となっている。また、制御装置30は、先端にプラグ61が連繋された電源用ケーブル62に商用電源に接続可能となっている。なお、制御装置30及び/又は締付機20をバッテリ内蔵とし、制御装置30と締付機20の接続用ケーブル60を省略して、これらの間の通信を無線により行なうこともできる。
【0023】
具体的実施形態として、制御装置30は、図1に示すようにボックス型のケーシング31に、図2に示す制御手段32を内蔵している。制御手段32は、CPU34、RAM、ROMなどのメモリ35、D/A変換器等の種々の電子部品を中心に構成された制御部33を具え、メモリ35に記憶された種々のプログラム等によって実現することができる。図2では、これらの連繋によって実現される代表的な機能に関する機能ブロックを描いている。これら機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウエアのみ又はこれらの組合せによって実現可能であることは当然理解されるべきである。
【0024】
ケーシング31の一面には、図1に示すように、ユーザの所望する設定トルクを表示する設定トルク表示部40と、トルク検出器50にて測定された締付トルクを表示する測定トルク表示部41を具える。設定トルク表示部40及び測定トルク表示部41は、エラーの表示部を兼ねている。また、エラー解除ボタンを兼ね、ユーザが設定トルクを増減するトルク設定ボタン47,48、異なる締付モードに切り替えるモード切替スイッチ44が設けられている。さらに、ケーシング31には、締付装置10の設定トルクの設定可能範囲を示すトルク設定範囲表示部46が設けられている。
【0025】
設定トルク表示部40及び測定トルク表示部41は、たとえばLEDを採用したデジタル表示器とすることができる。設定トルク表示部40と測定トルク表示部41は、図1に示すように、桁を揃えて上下二段とすることが望ましい。これにより、測定トルクがどの程度設定トルクに近づいているかを瞬時に判断することができる。また、設定トルクと測定トルクとの見間違いも低減できる。
【0026】
これら又は何れか一方の表示部40,41は、締付装置10に何らかの異常が生じた場合に、後述する合否判定部38からの通知を受けて、その異常を表示するエラーの表示部を兼ねることができる。たとえば、後述するように、締付トルクに異常が生じた場合に、トルク表示に代えて「ERROR」の表示や、表示の色を変えるなどとすることができる。また、エラーの表示部は、別途締付機20や制御装置30にランプ等を配置することで実現することもできる。
【0027】
図1中、符号42は、トルク設定ボタン47,48を操作したときに、その設定トルクを表示する設定トルクサブ表示部であり、設定トルク表示部40よりも小さく形成している。
【0028】
トルク設定ボタン47,48は、設定トルクを小さくするマイナスボタン47と大きくするプラスボタン48である。これらトルク設定ボタン47,48は、締付装置10に何らかの異常が生じたときに、その何れかを操作することで、エラー解除ボタンとしても用いる。もちろん、エラー解除ボタンを締付機20や制御装置30に別途配置しても構わない。
【0029】
モード切替スイッチ44は、異なる2つの締付モードを切り替えるスイッチであり、押しボタン式、ダイヤル式又はスライド式などを採用することができる。モード切替スイッチ44が何れの締付モードに設定されているか視認できるように、モード切替スイッチ44内又はケーシング31の適所に、何れかの締付モードに対応して点灯するLED45が配備されている。図示のモード切替スイッチ44は、一方の締付モードに設定されたときに内蔵されたLED45が点灯するようにしている。
【0030】
トルク設定範囲表示部46は、図1に示すように、締付装置10の設定トルクの上限及び下限を示す。トルク設定範囲表示部46は、図1に示すようにプレートにその設定範囲を刻印したり、シールに印刷し、ケーシング31に取り付けたものを例示できる。また、上記設定トルク表示部40等と同様にデジタル表示器とすることもできる。トルク設定範囲表示部46をケーシング31に設けることで、機器の仕様を容易に判別することができる利点がある。
【0031】
制御手段32を構成する制御部33は、図2に示す如く上記した表示部40,41,42、ボタン47,78、モード切替スイッチ44、LED45、正逆切替用スイッチ27が夫々接続されると共に、トリガスイッチ26を介して締付機20のモータ24を駆動するモータ駆動回路36、トルク検出器50と無線通信するためのRF回路37及びアンテナ37aが接続されている。たとえば、モータ駆動回路36によるモータ24の出力調整は、位相制御やPWM制御によって行なうことができる。
【0032】
また、トルク検出器50の測定トルクが、設定トルクに対して予め設定された公差範囲内であるか否かの合否判定を行なう合否判定部38を具える。より詳細には、合否判定部38は、トルク検出器50からの測定トルクと設定トルクを比較し、これらの差が予め設定された公差範囲外であればエラー信号を発信する。測定トルクとして、一回の締付工程中のピークトルク値を採用することができる。
【0033】
合否判定部38のエラー信号は、制御部33に送信され、制御部33は、表示部40,41にエラー表示を行なう。
【0034】
また、制御部33には、図2に示すようにモータ遮断部39が接続されている。モータ遮断部39は、制御部33が合否判定部38からのエラー信号を受けると、モータ24の起動を阻止するものである。モータ遮断部39は、たとえばエラー信号を受信するとHigh信号を制御部33に送信する。なお、このHigh信号を受けて、制御部33は、モータ駆動回路36からのモータ24への電力の供給を許容しないよう制御すればよい。
【0035】
すなわち、合否判定部38がエラー信号を発信すると、制御部33は、表示部40,41にエラー表示を行なうと共に、モータ遮断部39によってモータ24の起動を阻止する。ユーザは、エラー表示を参照することで、締付トルクが設定トルクの公差範囲外であることを目視により認識することができると共に、万一エラー表示を見落としたとしても、モータ24が起動せず、次の締付工程に移ることができないから、締付トルクの異常を確実に認識することができる。
【0036】
なお、表示部40,41のエラー表示及びモータ遮断部39によるモータ24の起動阻止は、エラー解除ボタンであるボタン47,48の一方又は両方の操作により解除することができる。たとえば、モータ遮断部39は、ボタン47,48の操作を受けて、制御部33にLow信号を送信する。
【0037】
メモリ35には、締付機20を制御するためのすべてのプログラムが記憶される。たとえば、メモリ35には、締付モードに応じてユーザにより設定された設定トルク、各締付モードに応じた締付プログラムや各種パラメータ、滞在中の締付モード、受信された測定トルクと設定トルクに基づいてモータ24の出力を調整するためのモータ駆動回路36の制御量、合否判定に用いられる公差、エラー信号、エラー解除などのプログラムなどが記憶される。
【0038】
上記構成の締付装置10について、以下の要領で締付作業が行なわれる。
図3は、本発明の一実施形態に係る制御フローを示している。
【0039】
締付機20のソケットを締結部材に嵌めた状態で(ステップS101)、トリガスイッチ26をオンにすることで開始される(ステップS102)。図1に示す締付機20では、ユーザが指でトリガスイッチ26を引くことでオンとなる。
【0040】
トリガスイッチ26がオンとなると(ステップS102)、制御部33は、メモリ35を参照し、滞在している締付モードとその設定トルクに応じてモータ駆動回路36からモータ24に供給される電力を制御し、モータ24を起動する(ステップS103)。これにより、反力受け25がソケットの締付方向とは逆向きに回転して他の締結部材などに当接し、ソケットによる締結部材の締付が開始され、ソケットから締結部材に加わるトルク値が上昇する。
【0041】
トルク値(絶対値)が所定値以上まで上昇すると、トルク検出器50によるトルク測定が開始され(ステップS104)、その測定トルク値は、制御部33に送信される。
【0042】
トルク制御による締付けは、トルク検出器50により測定されたトルク値を参照しながら行なわれ、測定されたトルク値が、設定トルクに到達するまで実行される(ステップS105のNo)。この測定されたトルク値は、その最大値がメモリ35に一時的に記憶される。
【0043】
測定されたトルク値が、設定トルクに到達すると(ステップS105のYes)、制御部33は、モータ駆動回路36からのモータ24への電力の供給を遮断し、モータ24を停止させる(ステップS106)。
【0044】
制御部33は、モータ24が停止したときに、メモリ35に記憶されたトルク値の最大値をピークトルク値として取得し(ステップS107)、合否判定部38に送信する。
【0045】
合否判定部38は、ピークトルク値を受信し、予め設定された設定トルクの公差範囲内にあるか否かの合否判定を行ない(ステップS108)、ピークトルク値が公差範囲内にあれば(ステップS108のYes)、表示部40,41にエラー表示をすることなく(ステップS109)、締付準備完了状態に移り、次の締付工程を実行可能となる(ステップS101)。
【0046】
合否判定部38は、ステップS108において、ピークトルク値が公差範囲外であると判定すると(ステップS108のNo)、エラー信号を送信し、表示部40,41にエラー表示を行なうと共に、モータ遮断部39はモータ24の再起動を阻止するHigh信号を発信する。制御部33は、High信号を受信すると、たとえトリガスイッチ26が操作されても、モータ駆動回路36からモータ24への電力供給を阻止する(ステップS110)。
【0047】
締結部材に対する締付トルクが、設定トルクの公差範囲外であることは、ユーザは、エラー表示を目視することで認識できる。万一その表示を見逃したとしても、次の締付工程にてモータ24が起動しないことで、ヒューマンエラーを防止できる。
【0048】
この状態で、ユーザがエラー解除ボタン(トルク設定ボタン47及び/又は48)を操作すると(ステップS111のYes)、表示部40,41へのエラー表示は消えて、設定トルク及び測定トルクが再度表示される(ステップS112)。また、モータ遮断部39は、エラー解除ボタンの操作により、Low信号に切り替わり、制御部33によるモータ駆動回路36からモータ24への電力供給を許容する(ステップS112)。
【0049】
これにより、再度締付準備完了状態に移り(ステップS101)、ユーザは、公差範囲外となった締結部材の再度の締め直しを行なえばよい。
【0050】
上記のように、本発明の締付装置10によれば、締結部材の設定トルクの公差範囲外である場合には、エラー表示されるだけでなく、モータ24の起動も阻止されるから、ヒューマンエラーを防止でき、締め付けられた締結部材の締付トルクを保証することができる。
【0051】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
10 締付装置
20 締付機
30 制御装置
33 制御部
36 モータ駆動回路
38 合否判定部
39 モータ遮断部
40,41 表示部
47,48 エラー解除ボタン
50 トルク検出器
図1
図2
図3