(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ステップ(d)および前記ステップ(e)の少なくとも一方において、前記ケーブル保護管路を施工する際に鞘管やりとり継手およびボディ管やりとり継手を用いてやりとり接続するステップを含む、請求項1記載のケーブル保護管路の施工方法。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明の一実施例であるケーブル保護管路の施工方法によって形成したケーブル保護管路の一例を示す図解図である。
【
図2】
図1のケーブル保護管路を径方向に切断した縦断面を示す断面図の一例である。
【
図3】ケーブル保護管部材の一例を模式的に示す図解図である。
【
図4】
図3のケーブル保護管部材を径方向に切断した縦断面を示す断面図の一例である。
【
図5】ボディ管部材の一例を示す図解図であり、(A)は外観を示し、(B)は軸方向に切断した縦断面を示す。
【
図6】鞘管部材の一例を示す図解図であり、(A)は外観を示し、(B)は軸方向に切断した縦断面を示す。
【
図7】ボディ管やりとり継手の一例を示す図解図であり、(A)は外観を示し、(B)は軸方向に切断した縦断面を示す。
【
図8】
図7に示すボディ管やり継手を備えるボディ管やりとりユニットを示す断面図であり、(A)は受−差構造を有するものを示し、(B)は差−差構造を有するものを示す。
【
図9】鞘管やりとり継手の一例を示す図解図であり、(A)は外観を示し、(B)は軸方向に切断した縦断面を示す。
【
図10】
図9に示す鞘管やりとり継手を備える鞘管やりとりユニットを示す断面図であり、(A)は受−差構造を有するものを示し、(B)は差−差構造を有するものを示す。
【
図11】施工区間の途中からケーブル保護管路を順次施工する様子を模式的に示す図解図である。
【
図12】ハンドホールのダクトスリーブにボルト固定式ロータス管を取り付けた状態を模式的に示す図解図である。
【
図13】ハンドホールを起点としてケーブル保護管路を順次施工する様子を模式的に示す図解図である。
【
図14】施工区間の途中から施工したケーブル保護管路の起点側とハンドホールを起点として施工したケーブル保護管路の終点側とをやりとり接続する前の状態を模式的に示す図解図である。
【
図15】鞘管やりとり継手を用いて鞘管部材をやりとり接続するときの様子を模式的に示す図解図である。
【
図16】ボディやりとり継手を用いてボディ管部材をやりとり接続するときの様子を模式的に示す図解図である。
【
図17】鞘管やりとり継手によって鞘管部材がやりとり接続するときの様子を模式的に示す図解図である。
【
図18】ケーブル保護管路がやりとり接続された状態を模式的に示す図解図である。
【
図19】施工区間の途中から施工したケーブル保護管路の終点側とハンドホールを起点として施工したケーブル保護管路の終点側とをやりとり接続するときの様子を模式的に示す図解図である。
【
図20】鞘管やりとり継手の他の例を示す図解図であり、(A)は外観を示し、(B)は軸方向に切断した縦断面を示す。
【
図21】
図20に示す鞘管やりとり継手を備える鞘管やりとりユニットを示す断面図であり、(A)は受−受構造を有するものを示し、(B)は受−差構造を有するものを示す。
【
図22】ハンドホールの近傍において、施工区間の途中から施工したケーブル保護管路の起点側をやりとり接続するときの様子を模式的に示す図解図である。
【
図24】ハンドホールの近傍において、施工区間の途中から施工したケーブル保護管路の終点側をやりとり接続するときの様子を模式的に示す図解図である。
【
図26】ボディ管やりとり継手の他の例を示す図解図であり、(A)は外観を示し、(B)は軸方向に切断した縦断面を示す。
【
図27】
図26に示すボディ管やりとり継手を備えるボディ管やりとりユニットを示す断面図であり、(A)は受−差構造を有するものを示し、(B)は差−差構造を有するものを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1および
図2を参照して、この発明の一実施例であるケーブル保護管路の施工方法は、通信ケーブルや電力ケーブル等のケーブル(図示せず)を地中に配線するために、内部にケーブルが挿通される小口径の複数の鞘管102とこれら鞘管102を収容して保護する大口径のボディ管104とを備えるケーブル保護管路100を所定の施工区間に対して施工するものである。
【0022】
このケーブル保護管路の施工方法は、ケーブルの接続や点検などのために設けられるハンドホール106a,106b間を1区切りの施工区間としており、
図3−
図10に示すようなケーブル保護管部材10、ボディ管やりとり継手12、および鞘管やりとり継手14などを用いて実施される。
【0023】
詳細は後述するように、この実施例では、ハンドホール106a,106bを設置する場所から離れた場所を起点として、つまり施工区間の任意の中間地点を起点としてケーブル保護管部材10を順次接続し、ハンドホール106a,106bとは独立したケーブル保護管路100を施工区間の一部(中間部分)に施工する。その後、ボディ管やりとり継手12および鞘管やりとり継手14を用いたやりとり接続を適宜利用して、中間部分に形成したケーブル保護管路100の起点側および終点側のそれぞれと、第1ハンドホール106aおよび第2ハンドホール106bのそれぞれとを連結するケーブル保護管路100の施工を行い、一連のケーブル保護管路100を形成する。
【0024】
先ず、ケーブル保護管路100の施工に用いる主要な部材について説明する。
図3および
図4に示すように、ケーブル保護管部材10は、その軸方向の端部同士を接続して連続させることによってケーブル保護管路100を形成するものであり、ボディ管部材20と、ボディ管部材20の内部に所定の配置態様で収容される複数の鞘管部材22と、これら鞘管部材22をスライド可能に所定の配置態様で保持する整列部材24とを含む。
【0025】
図5に示すように、ボディ管部材20は、ボディ管104を構成するための直管状の部材であり、土圧などの外力に耐え得る強度を有する。具体的には、ボディ管部材20は、円筒状に形成される直管部26を含み、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルおよびABS等の合成樹脂によって形成される。直管部26の一方端部には、拡径されたゴム輪受口28が形成され、他端部は差口30として利用される。ゴム輪受口28には、先端付近の内周面にゴム輪溝が形成されており、このゴム輪溝に止水用のゴム輪32が装着される。ボディ管部材20の長さは、たとえば5210mmであり、ボディ管部材20(直管部26)の内径は、たとえば250mmである。このようなボディ管部材20は、ゴム輪受口28に他のボディ管部材20の差口30を差し込んでゴム輪接合することによって、ボディ管104を形成する。
【0026】
図6に示すように、鞘管部材22は、ボディ管104内で複数のケーブル収容スペースを個別に確保する鞘管102を構成するための直管状の部材である。この実施例では、8つの鞘管部材22aおよび6つの鞘管部材22bがボディ管部材20の内部に所定の配置態様で収容されている(
図3および
図4参照)。なお、説明の際に鞘管部材22aと鞘管部材22bとを区別する必要がない場合には、単に鞘管部材22と記載する。
【0027】
具体的には、鞘管部材22は、円筒状に形成される直管部34を含み、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルおよびABS等の合成樹脂によって形成される。直管部34の一方端部には、拡径された接着受口36が形成され、他端部は差口38とされる。鞘管部材22の長さは、たとえば5110mmである。また、鞘管部材22aの内径は、たとえば50mmであり、鞘管部材22bの内径は、たとえば30mmである。なお、鞘管部材22の長さがボディ管部材20の長さよりも小さい理由は、鞘管部材22の接着受口36の受容長さがボディ管部材20のゴム輪受口28の受容長さよりも小さく設定されているためであり、鞘管部材22同士を接合したものとボディ管部材20同士を接合したものとでは、ほぼ同じ長さとなる。このような鞘管部材22は、接着受口36に他の鞘管部材22の差口38を差し込んで接着接合することによって、鞘管102を形成する。
【0028】
また、
図3および
図4に示すように、整列部材24は、ボディ管部材20内において各鞘管部材22を所定の配置態様に整列させた状態で保持するものである。整列部材22は、スポンジ等の軟質材料によって複数の貫通孔40を有する円板状に形成され、軸方向に移動可能かつ軸周りに回転可能な状態でボディ管部材20の直管部26の両端部に配置される。各貫通孔40には、対応する鞘管部材22が軸方向にスライド(摺動)可能に挿通される。
【0029】
図7に示すように、ボディ管やりとり継手(スライド管)12は、ボディ管104(ボディ管部材20)をやりとり接続するために用いられてボディ管104の一部を構成する直管状の部材であり、ボディ管部材20と同様に、土圧などの外力に耐え得る強度を有する。具体的には、ボディ管やりとり継手12は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルおよびABS等の合成樹脂によって、ボディ管部材20の外径よりも若干大きい内径を有する円筒状に形成される。ボディ管やりとり継手12の両端部の内周面には、ゴム輪溝が形成されており、このゴム輪溝には止水用のゴム輪42が装着される。ボディ管やりとり継手12の長さは、たとえば1000mmである。
【0030】
ボディ管やりとり継手12には、
図8に示すように、その一方端部または両端部から長さ調整用のボディ管部材44が差し込まれ、これによってボディ管やりとりユニット46が形成される。ボディ管部材44は、両端部が差口となっており、ボディ管やりとり継手12に対して軸方向にスライド可能とされる。つまり、ボディ管やりとりユニット46は、ボディ管部材44をスライドさせることによって、その軸方向長さを自由に変化させることができる。なお、長さ調整用のボディ管部材44としては、一方端部にゴム輪受口44aを有するものを用いることもできる(
図22参照)。
【0031】
また、
図9に示すように、鞘管やりとり継手14は、鞘管102(鞘管部材22)をやりとり接続するために用いられて鞘管102の一部を構成する直管状の部材であり、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルおよびABS等の合成樹脂によって形成される。鞘管やりとり継手14は、一方端部に形成されるスライド受口48と他端部に形成される差口50とを有し、スライド受口48の奥部にはテーパ状の当たり部52が形成される。スライド受口48の内径は、対応する鞘管部材22の外径よりも若干大きめに設定され、差口50の外径は、対応する鞘管部材22の直管部34の外径と同じまたはほぼ同じ大きさに設定される。この実施例では、径の異なる2種類の鞘管部材22が用いられるので、鞘管やりとり継手14も径の異なる2種類のものが用いられる。また、スライド受口48の軸方向長さ(奥行)は、鞘管部材22の移動、熱伸縮、施工誤差、施工上必要な長さ、および押込み代などを考慮して、最悪条件となった場合でも長さ調整用の鞘管部材54が抜け出ない長さに設定され、たとえば1500mmである。差口50の軸方向長さは、たとえば110mmである。
【0032】
鞘管やりとり継手14のスライド受口48には、
図10に示すように、長さ調整用の鞘管部材54が差し込まれ、これによって鞘管やりとりユニット56が形成される。鞘管部材54は、その一方端部が鞘管やりとり継手14のスライド受口48に対して軸方向にスライド可能に挿通される。つまり、鞘管やりとりユニット56は、鞘管部材54をスライドさせることによって、その軸方向長さを自由に変化させることができる。鞘管部材54としては、他端部に接着受口54aが形成されているもの(
図10(A)参照)と、他端部が差口54bなっているもの(
図10(B)参照)がある。
【0033】
なお、図示は省略するが、複数の鞘管やりとり継手14(鞘管やりとりユニット56)を個別に識別できるように、鞘管やりとり継手14のそれぞれに対して識別情報を付与しておくとよい。識別情報の付与方法は、たとえば、鞘管やりとり継手14をカラー化して色分けすることであってもよいし、色分けしたり個別の番号を記載したりしたテープやキャップ等を鞘管やりとり継手14に取り付けることであってもよい。
【0034】
以下、
図11−
図19を参照して、ケーブル保護管部材10、ボディ管やりとり継手12および鞘管やりとり継手14などを用いて、所定の施工区間に対してケーブル保護管路100を施工する施工方法について説明する。なお、
図11および
図13−
図19、ならびに後述する
図22−
図25では、図面の簡素化のため、代表して1つの鞘管部材22(鞘管102)を示し、他の鞘管部材22の図示を省略している。
【0035】
この実施例のケーブル保護管路の施工方法では、先ず、
図11に示すように、ハンドホール106a,106bを設置する場所(設置予定場所)から離れた場所を起点として、つまりハンドホール106a,106bの有無に関係なく施工区間の途中からケーブル保護管部材10を順次接続し、ハンドホール106a,106bとは独立したケーブル保護管路100を施工区間の中間部分に施工する。この際、中間部分に施工するケーブル保護管路100の前後には、やりとり接続を行うための任意の直線区間108a,108b(たとえば2500−6000mmの間隔)を残せるように施工する。なお、第1ハンドホール106aと施工区間の中間部分に施工するケーブル保護管路100の起点側との距離、および第2ハンドホール106bと施工区間の中間部分に施工するケーブル保護管路100の終点側との距離は任意であり、施工現場に応じて適宜設定される。
【0036】
具体的には、先ず、一方の直線区間108aの直後に、起点となる1番目のケーブル保護管部材10を置き、それに後続するケーブル保護管部材10を順次接続していく。そして、他方の直線区間108b(
図19参照)の手前までケーブル保護管路100を順次施工する。
【0037】
ケーブル保護管部材10同士を接続する際には、先行するケーブル保護管部材10の鞘管部材22の接着受口36に対し、それと配置位置が対応する続くケーブル保護管部材10の鞘管部材22の差口38を挿入して、それらを接着接合する。この際には、後続するケーブル保護管部材10の鞘管部材22をボディ管部材20から外側に引き出して、引き出した鞘管部材22の差口38の外面に塩化ビニル樹脂系やエポキシ樹脂系などの接着剤を塗布し、先行する鞘管部材22の接着受口36に挿入するとよい。この作業を1本ずつ繰り返して、複数の鞘管部材22の全ての接続作業が終了すると、先行するケーブル保護管部材10のボディ管部材20のゴム輪受口28に対し、後続するケーブル保護管部材10のボディ管部材20の差口30を挿入して、それらをゴム輪接合する。なお、上述のような構成のケーブル保護管部材10を用いることにより、ボディ管部材20内で所定の配置位置に整列保持された鞘管部材22を順次引き出して接続作業を行うことができるので、鞘管部材22を他の鞘管部材22と混同することなく、正確かつ簡単に接続することができる。
【0038】
なお、ケーブル保護管部材10を順次接続していくと、最終番目の鞘管部材22がボディ管部材20からはみ出す状態となる場合がある(
図19参照)が、そのはみ出し長さが所定値(たとえば200mm)を超える場合には、所定範囲(たとえば100−200mmの範囲)内となるように鞘管部材22の接着受口36部分を切断するようにするとよい。このことは、後述の第1ハンドホール106aを起点として施工されるケーブル保護管路100の終点側、および第2ハンドホール106bを起点として施工されるケーブル保護管路100の終点側においても同様である。これによって、続くやりとり接続の工程を行い易くなる。
【0039】
一方、中央部分に施工したケーブル保護管路100の1番目(起点側)の鞘管部材22の差口38には、一方端部に接着受口62aを有する短尺の受口付鞘管62を接続して、鞘管102の先端部がボディ管104から100−200mm程度突出するようにするとよい(
図14参照)。これによって、続くやりとり接続の工程を行い易くなる。なお、図示は省略するが、受口付鞘管62を用いる代わりに、両端部に接着受口が形成された鞘管ソケットを用いて、ボディ管104から鞘管102を突出させるようにしてもよい。この場合には、後述する
図15および
図17に示す鞘管102のやりとり接続において、
図10(A)に示す鞘管やりとりユニット56が用いられる代わりに、
図10(B)に示す鞘管やりとりユニット56が用いられる。
【0040】
施工区間の中間部分にケーブル保護管路100を施工すると、続いて、
図12−
図19に示すように、施工区間の両端に第1ハンドホール106aおよび第2ハンドホール106bを設け、中間部分に形成したケーブル保護管路100の起点側および終点側のそれぞれと、第1ハンドホール106aおよび第2ハンドホール106bのそれぞれとを連結するケーブル保護管路100を施工し、一連のケーブル保護管路100を形成する。
【0041】
具体的には、先ず、
図12に示すように、施工区間の一方端に第1ハンドホール106aを設ける。そして、第1ハンドホール106aが備えるダクトスリーブ110に対して、複数の鞘管ダクトスリーブ112を備えるボルト固定式ロータス管114を取り付ける。ダクトスリーブ110およびボルト固定式ロータス管114は、ハンドホール106a,106bに対してボディ管104(ボディ管部材20)および鞘管102(鞘管部材22)を接続するための部材であり、複数の鞘管ダクトスリーブ110は、ケーブル保護管路100が備える鞘管102の本数や配列などに応じて設けられる。なお、ダクトスリーブ110およびボルト固定式ロータス管114については、公知技術であるので、この技術に関する詳しい説明および図示は省略する。
【0042】
続いて、
図13に示すように、鞘管ダクトスリーブ112のそれぞれに端末用の鞘管部材58を差し込んで接続すると共に、ダクトスリーブ110に端末用のボディ管部材60を差し込んで接続する。ここで、端末用の鞘管部材58としては、たとえば2本の鞘管部材22を連結および切断する等して、その先端部が端末用のボディ管部材60から100−200mm程度突出するように長さが調整されたものを用いる。これは、次の鞘管部材22との接合を容易にするためである。
【0043】
なお、ハンドホール106a,106bに対してボディ管104および鞘管102を接続するための部材ないし構造は、上述のものに限定されず、公知技術を適宜採用し得る。たとえば、ボルト固定式ロータス管114を用いる代わりに、ボディ管用のロータス管と鞘管用の鞘管ダクトスリーブとが予めユニット化されたロータス管ユニットを用いるようにしてもよい。
【0044】
図13に戻って、ハンドホール106aに対して端末用の鞘管部材58およびボディ管部材60を接続すると、続いて、ケーブル保護管部材10(つまり鞘管部材22およびボディ管部材20のそれぞれ)を順次接続して、直線区間108aの手前、つまりやりとり接続を行う場所までケーブル保護管路100を施工する。端末用の鞘管部材58およびボディ管部材60に対してケーブル保護管部材10を順次接続する作業は、上述のケーブル保護管部材10同士を接続する作業と同様に行うとよい。
【0045】
上述の施工作業によって、施工区間の中間部分に形成したケーブル保護管路100の起点側において、
図14に示すような、直線区間108aを残してケーブル保護管路100が施工された状態になると、続いて、やりとり接続を行う。すなわち、
図15−
図18に示すように、中央部分に形成したケーブル保護管路100の1番目の鞘管部材22およびボディ管部材20のそれぞれと、第1ハンドホール106aを起点として形成したケーブル保護管路100の最終番目の鞘管部材22およびボディ管部材20のそれぞれとを、鞘管やりとり継手14およびボディ管やりとり継手12を用いてやりとり接続する。
【0046】
具体的には、先ず、残った直線区間108aの長さを測定し、それに応じた長さを有する長さ調整用の鞘管部材54とボディ管部材44とを製作する。そして、長さ調整用の鞘管部材54と鞘管やりとり継手14とを接続した鞘管やりとりユニット56(
図10(a)参照)を鞘管部材22(鞘管102)の本数分用意すると共に、ボディ管やりとり継手12の一方端部に長さ調整用のボディ管部材44を接続したボディ管やりとりユニット46(
図8(a)参照)を用意する。なお、長さ調整用の鞘管部材54およびボディ管部材44は、鞘管部材22およびボディ管部材20を適宜切断する等して製作するとよい。
【0047】
次に、
図15に示すように、鞘管やりとりユニット56の一方端を一方の鞘管部材22に接続する。すなわち、長さ調整用の鞘管部材54を鞘管やりとり継手14のスライド受口48の奥まで差し込んだ状態(つまり鞘管やりとりユニット56を縮めた状態)で、接着剤を塗布した受口付鞘管62の差口を長さ調整用の鞘管部材54の接着受口54aに挿入して接着接合する。この作業を1本ずつ繰り返して、複数の鞘管部材22(受口付鞘管62)の全てに鞘管やりとりユニット56の一方端を接続する。
【0048】
続いて、ボディ管やりとりユニット46の一方端を一方のボディ管部材20に接続する。すなわち、
図16に示すように、長さ調整用のボディ管部材44をボディ管やりとり継手12の奥側まで差し込んだ状態(ボディ管やりとりユニット46を縮めた状態)で、鞘管やりとりユニット56の他端を持ち上げるようにして、ボディ管やりとりユニット46内に複数の鞘管やりとりユニット56全体を挿通していく。そして、ボディ管やりとり継手12の端部(ゴム輪受口)にボディ管部材20の差口30を挿入して、それらをゴム輪接合する。
【0049】
続いて、
図17に示すように、鞘管やりとりユニット56の他端を他方の鞘管部材22に接続する。すなわち、長さ調整用の鞘管部材54を外側にスライドさせて鞘管やりとりユニット56を伸ばし、接着剤を塗布した鞘管やりとり継手14の差口50を鞘管部材22の接着受口36に挿入して接着接合する。なお、鞘管部材22のやりとり接続を行う際には、鞘管やりとり継手14の差口50を先に接続し、その後に長さ調整用の鞘管部材54の接着受口54aを接続するようにしてもよい。
【0050】
そして最後に、
図18に示すように、ボディ管やりとりユニット46の他端を他方のボディ管部材20に接続する。すなわち、長さ調整用のボディ管部材44を外側にスライドさせてボディ管やりとりユニット46を伸ばし、ボディ管部材20のゴム輪受口28に対して長さ調整用のボディ管部材44の差口を挿入して、それらをゴム輪接合する。
【0051】
一方、第2ハンドホール106b側においても、第1ハンドホール106a側と同様にして、第2ハンドホール106bが備えるダクトスリーブ110に対してボルト固定式ロータス管114を装着して、端末用の鞘管部材58およびボディ管部材60を接続する。その後、ケーブル保護管部材10を順次接続して、直線区間108bの手前、つまりやりとり接続を行う場所までケーブル保護管路100を施工する。
【0052】
そして、施工区間の中間部分に形成したケーブル保護管路100の終点側において、直線区間108bを残してケーブル保護管路100が施工された状態になると、続いて、やりとり接続を行う。すなわち、
図19に示すように、中央部分に形成したケーブル保護管路100の最終番目の鞘管部材22およびボディ管部材20のそれぞれと、第2ハンドホール106bを起点として形成したケーブル保護管路100の最終番目の鞘管部材22およびボディ管部材20のそれぞれとを、鞘管やりとり継手14およびボディ管やりとり継手12を用いてやりとり接続する。このやりとり接続の際には、鞘管やりとり継手14のスライド受口48に対して他端部が差口60なっている長さ調整用の鞘管部材54を差し込んだ鞘管やりとりユニット56と、ボディ管やりとり継手12の両端部から長さ調整用のボディ管部材44を差し込んだボディ管やりとりユニット46とを用いるとよい。
【0053】
以上の施工作業によって、
図1および
図2に示すような、2つのハンドホール106a,106bを連結する一連のケーブル保護管路100が形成される。その後、ケーブル保護管路100の各鞘管102の内部(ケーブル収容スペース)には、適宜ケーブルが挿通される。
【0054】
この実施例によれば、施工区間の途中からケーブル保護管路100を施工するので、ハンドホール106a,106bの製作に左右されることなく、つまりハンドホール106a,106bがない状態でもケーブル保護管路100を施工でき、工期短縮を図ることができる。
【0055】
また、鞘管やりとり継手14およびボディ管やりとり継手12を用いてやりとり接続を行うため、施工区間のいずれかに直線区間108a,108bがあればやりとり接続が可能となり、施工の自由度が高まる。つまり、施工区間の中間地点においてもやりとり接続を行うことができるので、ハンドホール106a,106bの近傍が曲管区間となっている場合にも適切に対応できる。
【0056】
なお、上述の実施例では、ボディ管部材20と鞘管部材22とが整列部材24を介して一体化されたケーブル保護管部材10を用いたが、ケーブル保護管部材の態様はこれに限定されず、公知のケーブル保護管部材(鞘管部材およびボディ管部材)を適宜利用できる。たとえば、鞘管部材とボディ管部材とは一体化されていなくてもよい。また、たとえば、複数の鞘管部材を個別に識別できるように、鞘管部材のそれぞれに対して識別情報を付与しておくこともできる。識別情報の付与方法は、たとえば、鞘管部材をカラー化して色分けすることであってもよいし、色分けしたり個別の番号を記載したりしたテープやキャップ等を鞘管部材に取り付けることであってもよい。
【0057】
また、上述の実施例では、鞘管やりとり継手14として他端部に差口50を有するものを用いたが、鞘管やりとり継手14の構成は、これに限定されない。たとえば、
図20に示すような鞘管やりとり継手14を用いることもできる。
図20に示す鞘管やりとり継手14は、
図9に示す鞘管やりとり継手14とほぼ同じであるが、他端部に差口50の代わりに接着受口76を有する点が異なる。すなわち、
図20に示す鞘管やりとり継手14は、一方端部に形成されるスライド受口48と他端部に形成される接着受口76とを有する。また、スライド受口48の奥部にはテーパ状の当たり部52が形成され、接着受口76の奥部にはテーパ状の当たり部78が形成される。なお、接着受口76は、鞘管やりとり継手14に予め一体成形されていてもよいし、両端部に接着受口を有する鞘管ソケット(図示せず)を差口50に対して接着接合することにより形成してもよい。
【0058】
図20に示す鞘管やりとり継手14のスライド受口48には、
図21に示すように、一方端部が接着受口54aとなっている長さ調整用の鞘管部材54、または一方端部が差口54bとなっている鞘管部材54がスライド可能に差し込まれ、これによって鞘管やりとりユニット56が形成される。なお、
図21(A)に示す鞘管やりとりユニット56は、ボディ管部材20からのはみ出し長さを調整するために鞘管部材22の接着受口36部分を切断したこと等によって、鞘管部材22の差口同士をやりとり接続することになった場合に用いられる。
【0059】
さらに、上述の実施例では、施工区間の中間部分にケーブル保護管路100を施工した後に、施工区間の両端にハンドホール106a,106bを設置し、これらを接続するケーブル保護管路100を施工するようにしたが、これらの施工作業の順序または開始するタイミングは適宜変更可能であり、これらの施工作業を同時並行的に行うこともできる。これは、後述する他の実施例においても同様である。
【0060】
たとえば、施工区間の中間部分にケーブル保護管路100を施工している途中で、ハンドホール106a,106bの製作が完了した場合には、中間部分へのケーブル保護管路100の施工と並行して(たとえば、中間部分へのケーブル保護管路100の施工を一旦中断して、或いは継続しながら)、施工区間の一方端に第1ハンドホール106aを設置する工程、および施工区間の中間部分に形成したケーブル保護管路100の起点側と第1ハンドホール106aとを接続するケーブル保護管路100を施工する工程を行うようにしてもよい。また、施工区間の他端側においても、中間部分へのケーブル保護管路100の施工と並行して、施工区間の他端に第2ハンドホール106bを設置する工程、および施工区間の中間部分に形成したケーブル保護管路100の終点側と第2ハンドホール106bとを接続するケーブル保護管路100を施工する工程を行ってもよい(ただし、やりとり接続する工程は中間部分へのケーブル保護管路100の施工が完了した後となる)。
【0061】
また、たとえば、施工開始時に既にハンドホール106a,106bの製作が完了している場合には、施工区間の中間部分へのケーブル保護管路100の施工と、施工区間の両端へのハンドホール106a,106bの設置とを並行して行うこともできる。もちろん、施工区間の中間部分に形成したケーブル保護管路100の起点側と第1ハンドホール106aとを接続するケーブル保護管路100を施工する工程、および施工区間の中間部分に形成したケーブル保護管路100の終点側と第2ハンドホール106bとを接続するケーブル保護管路100の施工する工程も、施工区間の中間部分へのケーブル保護管路100の施工と並行して行うこともできる。
【0062】
このように、複数の工程を同時並行的に行うようにすれば、施工作業をより効率化でき、工期をより短縮をすることができる。なお、ハンドホール106a,106bの設置作業などは、施工区間の中間部分へのケーブル保護管路100の施工を開始する前に行うこともできる。
【0063】
続いて、
図22−
図25を参照して、この発明のケーブル保護管路の施工方法の他の実施例について説明する。この実施例は、ケーブル保護管路100のハンドホール106a,106b近傍の部分が直線区間108a,108bである場合に用いられる施工方法であって、鞘管やりとり継手14を用いるのではなく、ロータス管(実施例ではボルト固定式ロータス管114)のやりとり機構を用いて鞘管102のやりとり接続を行う点が上述の実施例と異なる。以下、
図22−
図25を参照して具体的に説明するが、やりとり接続の工程以外は上述の実施例とほぼ同様であるので、共通する部分についてはその説明を省略或いは簡略化する。
【0064】
この実施例では、先ず、第1ハンドホール106aの設置予定場所から3000mmほど離れた地点を起点として、つまり第1ハンドホール106aの近傍にやりとり接続するための直線区間108aを残した状態で、ケーブル保護管部材10を順次接続していく。そして、その先頭部分が第2ハンドホール106bの設置予定場所から2500−6000mmほど離れた地点に達するまで、つまり第2ハンドホール106bの近傍にやりとり接続するための直線区間108bを残した状態となるまで、ケーブル保護管路100を施工していく。また、施工区間の一方端には第1ハンドホール106aを設置し、施工区間の他端には第2ハンドホール106bを設置する。
【0065】
上述の施工作業によって、施工区間の中間部分に形成したケーブル保護管路100の起点側および終点側において、
図22および
図24に示すような、直線区間108a,108bを残してケーブル保護管路100が施工された状態になると、続いて、やりとり接続を行う。つまり、施工区間の中間部分に形成したケーブル保護管路100の起点側と第1ハンドホール106aとを接続するケーブル保護管路100を施工する工程、および施工区間の中間部分に形成したケーブル保護管路100の終点側と第2ハンドホール106bとを接続するケーブル保護管路100を施工する工程を行う。
【0066】
具体的には、第1ハンドホール106a側では、
図22に示すように、ダクトスリーブ110に取り付けたボルト固定式ロータス管114の各鞘管ダクトスリーブ112に対して、鞘管短管80をスライド可能に挿通すると共に、ダクトスリーブ110のゴム輪受口に長さ調整用のボディ管部材84の差口を挿入してそれらをゴム輪接合する。また、ボディ管やりとり継手12の一方端部から長さ調整用のボディ管部材44を挿入したボディ管やりとりユニット46と、一方端に接着受口82aを有する長さ調整用の鞘管82とを用意する。なお、長さ調整用の鞘管82は、ボディ管やりとりユニット46内に予め挿入しておいてもよい。
【0067】
次に、
図23に示すように、受口付鞘管62の差口を長さ調整用の鞘管部材82の接着受口82aに挿入してそれらを接着接合すると共に、長さ調整用のボディ管部材44のゴム輪受口44aにボディ管部材20の差口30を挿入してそれらをゴム輪接合する。そして、鞘管短管80を外側にスライドさせて、鞘管短管80の接着受口80aに長さ調整用の鞘管部材82の差口82bを挿入してそれらを接着接合した後、ボディ管やりとり継手12を外側にスライドさせて、ボディ管やりとり継手12の端部(ゴム輪受口)に長さ調整用のボディ管部材84の差口を挿入してそれらをゴム輪接合する。
【0068】
一方、第2ハンドホール106b側では、
図24に示すように、ダクトスリーブ110に取り付けたボルト固定式ロータス管114の各鞘管ダクトスリーブ112に対して、鞘管短管80をスライド可能に挿通すると共に、ダクトスリーブ110のゴム輪受口に長さ調整用のボディ管部材84の差口を挿入してそれらをゴム輪接合する。また、ボディ管やりとり継手12の一方端部から長さ調整用のボディ管部材44を挿入したボディ管やりとりユニット46と、両端が差口82bの長さ調整用の鞘管82とを用意する。なお、長さ調整用の鞘管82は、ボディ管やりとりユニット46内に予め挿入しておいてもよい。
【0069】
次に、
図25に示すように、鞘管部材22の接着受口36に長さ調整用の鞘管部材82の差口82bを挿入してそれらを接着接合すると共に、ボディ管部材20のゴム輪受口28に長さ調整用のボディ管部材44の差口を挿入してそれらをゴム輪接合する。そして、鞘管短管80を外側にスライドさせて、鞘管短管80の接着受口80aに長さ調整用の鞘管部材82の差口82bを挿入してそれらを接着接合した後、ボディ管やりとり継手12を外側にスライドさせて、ボディ管やりとり継手12の端部に長さ調整用のボディ管部材84の差口を挿入してそれらをゴム輪接合する。
【0070】
図22−
図25に示す実施例においても、
図11−
図19に示す実施例と同様に、施工区間の途中からケーブル保護管路100を施工するので、ハンドホール106a,106bの製作に左右されることなくケーブル保護管路100を施工でき、工期短縮を図ることができる。
【0071】
なお、第1ハンドホール106a側および第2ハンドホール106b側のどちらか一方において、ロータス管のやりとり機構を用いて鞘管102のやりとり接続を行い、他方において、鞘管やりとり継手14を用いて鞘管102のやりとり接続を行うこともできる。
【0072】
また、上述の実施例では、ボディ管部材20をやりとり接続するためのボディ管やりとり継手12として、その内周面両端部にゴム輪42を装着したゴム輪タイプの継手(
図7参照)を用いたが、これに限定されない。たとえば、
図26に示すようなバンド固定タイプのボディ管やりとり継手(スライド管)12を用いることもできる。
図26に示すように、このボディ管やりとり継手12は、継手本体88、ゴムジョイント90および締めバンド92を備える。
【0073】
具体的に説明すると、継手本体88は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルおよびABS等の合成樹脂によって円筒状に形成される所謂プレーン管である。継手本体88の長さは、たとえば1000mmである。また、継手本体88の内径は、長さ調整用のボディ管部材44(ボディ管部材20)の外径よりも若干大きくなるように設定され、後述のように継手本体88に長さ調整用のボディ管部材44を差し込んだ際には、継手本体88の内周面とボディ管部材44の外周面との間には、若干の隙間が形成される。これにより、継手本体88とボディ管部材44との接続部分で可撓性が生じ、この部分で角度を付けることが可能になる。たとえば、継手本体88とボディ管部材44との接続部分で0−6°程度の角度を付けることができるように、継手本体88の内周面とボディ管部材44の外周面との間の隙間の大きさが設定される。ただし、継手本体88の内周面とボディ管部材44の外周面との間には必ずしも隙間が形成される必要はない。
【0074】
また、継手本体88の両端部には、EPDMなどのゴムによって円筒状に形成されるゴムジョイント90が設けられる。ゴムジョイント90の一方端部90aは、継手本体88の外径と略同じ大きさの内径を有し、継手本体88の端部に外嵌めされる。一方、ゴムジョイント90の他端部90bは、ボディ管部材44の外径と略同じ大きさを有し、継手本体88の管端から軸方向外側に延びる。ゴムジョイント90の長さは、たとえば150mmであり、その厚みは、たとえば7mmである。
【0075】
また、ゴムジョイント90の一方端部90aおよび他端部90bの外周面のそれぞれには、ステンレス製などの締めバンド92が設けられる。締めバンド92は、ボルト締め付け機構またはインシュロック機構(図示せず)などを有し、その内径を任意に調整できるバンドである。ゴムジョイント90の一方端部90aに装着される締めバンド92は、ゴムジョイント90の一方端部90aと継手本体88の端部との接合時に締め込まれる。一方、ゴムジョイント90の他端部90bに装着される締めバンド92は、ボディ管部材44をスライド(挿入)するときには緩めたままの状態とされ、やりとり接続が終わってボディ管部材44の位置を固定するときに締め込まれる。締めバンド92を締め付けることによって、ゴムジョイント90の内周面と継手本体88またはボディ管部材44の外周面とが密着してこの間が止水される。
【0076】
このようなボディ管やりとり継手12には、
図27に示すように、その一方端部または両端部から長さ調整用のボディ管部材44が差し込まれ、これによってボディ管やりとりユニット46が形成される。ボディ管部材44は、両端部が差口となっており、ボディ管やりとり継手12に対して軸方向にスライド可能とされる。つまり、ボディ管やりとりユニット46は、ボディ管部材44をスライドさせることによって、その軸方向長さを自由に変化させることができる。
【0077】
ここで、上述の
図7に示すボディ管やりとり継手12では、その内周面とボディ管部材44の外周面との間でゴム輪42を圧縮する必要があるので、ボディ管やりとり継手12の内周面から内方に突出するようにゴム輪42が装着される。つまり、ゴム輪42の内径はボディ管部材44の外径より小さい。このため、ボディ管やりとり継手12に対してボディ管部材44を接続するときには、ボディ管部材44の管端がゴム輪42を適切に乗り越えることができるように、ディスグラインダ等を用いてボディ管部材44の管端外周面に対して面取り加工を行うが、この面取り加工には大きな手間および時間がかかる。また、ボディ管部材44をスライド(または挿入)するときには、ゴム輪42の抵抗が大きいので、ボディ管部材44を手作業でスライドさせることが難しい。このため、
図7に示すボディ管やりとり継手12では、荷締め機などを用いてボディ管部材44をスライドさせる必要があるが、これには手間および時間がかかる。特に、ボディ管やりとり継手12の管軸とボディ管部材44の管軸とがずれた状態(角度ずれまたは芯ずれの状態)においては、ゴム輪42の抵抗がより大きくなって、施工が困難となる。
【0078】
これに対して、
図26に示すボディ管やりとり継手12では、ゴムジョイント90の内径とボディ管部材44の外径とは略同一であるため、ボディ管やりとり継手12に接続するボディ管部材44の管端に対して面取り加工を行う必要がない。また、ゴムジョイント90の他端部90bに装着される締めバンド92を緩めた状態では、ボディ管部材44に作用するゴムジョイント90の抵抗は小さいので、ボディ管部材44を手作業で簡単にスライドさせることができ、荷締め機などを用いてボディ管部材44をスライドさせる必要がない。さらに、ボディ管やりとり継手12の管軸とボディ管部材44の管軸とがずれた状態においても、ボディ管部材44をスライド(または挿入)することが可能である。
【0079】
したがって、
図26に示すボディ管やりとり継手12を用いてボディ管部材20をやり取り接続することによって、施工が容易となり、施工時間を大幅に短縮することができる。
【0080】
なお、
図26に示すボディ管やりとり継手12において、締めバンド92を締め込んだ施工後の状態では、ボディ管やりとり継手12(継手本体88)に対するボディ管部材44の軸方向位置は固定されるが、地震時などに大きな力が作用したときには、ボディ管部材44はスライドしてその揺れ(伸縮)を吸収することができる。
【0081】
また、上で挙げた寸法などの具体的数値はいずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。