特許第6283555号(P6283555)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283555
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】光センサ装置及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20180208BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   G09F9/00 350Z
   G09F9/00 366G
   H04N5/64 551Z
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-83570(P2014-83570)
(22)【出願日】2014年4月15日
(65)【公開番号】特開2015-203794(P2015-203794A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2016年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】391010116
【氏名又は名称】EIZO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
(74)【代理人】
【識別番号】100151356
【弁理士】
【氏名又は名称】浅香 小百合
(72)【発明者】
【氏名】保古 秀一
【審査官】 村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−150136(JP,A)
【文献】 特開2013−003273(JP,A)
【文献】 特開2011−022226(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0190136(US,A1)
【文献】 特開2005−208548(JP,A)
【文献】 特開2012−150213(JP,A)
【文献】 特開2009−014699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00
G01M11/00−11/08
G02F1/13
1/137−1/141
H01L51/50
H04N5/64−5/655
H05B33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示パネル周囲の額縁領域に配される本体フレームと、前記画像表示パネルの輝度や色度等の測定に用いられる光センサと、前記光センサに受光させるためのセンサユニットと、前記センサユニットを移動させる駆動手段とを備え、前記センサユニットが第1の回転動作をすることで前記画像表示パネルの表示画面上の測定領域に移動し、前記第1の回転動作によって、前記第1の回転動作の方向と垂直な方向に第2の回転動作をすることで前記画像表示パネルの表示画面に近接することを特徴とする光センサ装置。
【請求項2】
画像表示パネル周囲の額縁領域に配される本体フレームと、前記画像表示パネルの輝度や色度等の測定に用いられる光センサと、前記光センサに受光させるためのセンサユニットと、前記センサユニットを移動させる駆動手段と、前記センサユニットをガイドするガイド部材とを備え、前記センサユニットと前記駆動手段とがシャフトを介して連結され、前記センサユニットとガイド部材とには所定の隙間が設けられ、前記隙間の大きさによって、第1の回転動作から第2の回転動作の動作切り替えのタイミングが設定されており、前記シャフトが前記画像表示パネルの表示画面と平行に第1の回転動作をしてから、前記第1の回転動作によって、前記表示画面と垂直に第2の回転動作をすることを特徴とする光センサ装置。
【請求項3】
前記シャフトと前記駆動手段とが複数のアームを介して連結されていることを特徴とする請求項2記載の光センサ装置。
【請求項4】
前記センサユニットに形成された第1の斜面と前記本体フレームに形成された第2の斜面が向き合って摺動することで第2の回転動作をする構成となっている請求項1から3のいずれか一項記載の光センサ装置。
【請求項5】
前記光センサが前記センサユニットに内蔵されており、前記センサユニットが前記表示画面と向き合う側には前記光センサに受光させるための採光窓が形成されているとともに、当該採光窓を囲みつつ前記表示画面からの光が前記光センサに受光するように遮光部材がその中央をくり抜いて形成されたクッション部材として配されており、測定時には前記遮光部材が前記画像表示パネルの表示画面に当接しており、測定後は前記遮光部材が前記表示画面から離れていくことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の光センサ装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の光センサ装置が画像表示パネル周囲のベゼルに内蔵されている画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示パネルの輝度や色度等の測定を行う光センサ装置と、当該光センサ装置を備えた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示用の液晶モニターは、オフィスや家庭で使用されるのみならず、グラフィックデザインや医療等の様々な専門的業務の現場でも使用されている。とりわけ、グラフィックデザイン画像や医用診断画像の表示においては再現性の高い高精度の画像品位が要求されることから、ハイエンドクラスの液晶モニターが使用されており、近年、このような液晶モニターでは、液晶画面の輝度、色度、光量等の光学特性の測定を光センサで行い、得られた測定データに基づいてキャリブレーション(校正)を行うことで、表示画像の再現性を高める機種が市販されている。
【0003】
液晶モニターは、液晶表示パネル(Liquid Crystal Display Panel)と、その周囲を囲うベゼルと、バックライトや各種電子回路などから構成される。光センサを用いて前記キャリブレーション(校正)を行うセンサユニットを備えた液晶モニターが商品化されている。
【0004】
特許文献1には、画像表示パネル周囲の額縁領域に配される本体フレーム102と、前記画像表示パネルの輝度や色度等の測定に用いられる光センサと、前記光センサが内蔵されたセンサユニット113と、センサユニット113をガイドするガイド部材と、センサユニット113を測定位置まで移動させる駆動手段とを備え、前記センサユニット113が、前記駆動手段によって押し出されて前記ガイド部材にガイドされながら前記画像表示パネルの表示画面101に近接し、測定後、前記駆動手段によって引き戻されて前記フレーム102に格納されることを特徴とする光センサ装置、が記載されている(図10)。
【0005】
特許文献2には、被測定対象物周囲の額縁領域に配されるフレームと、被測定対象物からの物理量を測定するセンサが取り付けられたセンサユニットと、このセンサユニットを直進移動させるためX方向に配されるガイド部材と、前記センサユニットを前記フレーム内に戻すためにY方向に伸縮するばね部材と、前記センサユニットを前記フレーム内から測定位置までX方向に直進移動させるためにY方向に伸縮するアクチュエータを備え、前記フレームを正面側から見てX方向を左右方向としたとき、Y方向が上下方向となる関係であり、前記アクチュエータへの通電によって前記アクチュエータを前記ばね部材の復元力に抗して縮ませることによって、前記センサユニットを前記フレーム内から測定位置までX方向に直進移動させることを特徴とするセンサユニット作動機構、が記載されている。
【0006】
特許文献3には、グラフィックスプロセッサを備えたフラットディスプレイ装置において、校正モードの際に、アナログ画像信号からの最高ビデオレベルに対応する画像信号によりパネル上に表示された白色画像の輝度がフラットディスプレイの観察者から見えない領域内に配置されたセンサによって検知され、前記センサを休止位置から輝度を検知する検知位置へとパネルにほぼ平行に回転させうる回転手段が設けられ、前記グラフィックスプロセッサによる前記ゲインのステップ状変化によってもたらされる、検知された輝度の変化に応じて、前記グラフィックスプロセッサによって前記ゲインが調節されることを特徴とするフラットディスプレイ装置、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4951711号公報
【特許文献2】特許第4846051号公報
【特許文献3】特許第4805832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のとおり、グラフィックデザイン画像や医用診断画像等を表示するモニターにおいては、再現性の高い高精度の画像品位の要求に応えるために、キャリブレーション(校正)の際に表示画面の輝度や色度等の光学特性を周囲の外光の影響を受け難い状態で光センサで正確に測定することが求められている。その一方で、モニターに対しては、表示される画像のサイズや見易さ等の機能性やデザイン性の要求も高く、ベゼルの幅や厚み等のサイズが、光センサユニットの形状によって制約を受けないようにしたいという要望がある。そして、画像表示パネルの周辺よりも中央に近い位置のほうが表示画面の輝度や色度等の光学特性を測定する測定領域としては好ましい。
【0009】
しかしながら、画像表示パネルの周辺よりも中央に近い位置を測定領域として表示画面の輝度や色度等の光学特性を測定しようとすると、従来の光センサ装置では、その構造上、装置が大きくなってしまい、液晶表示装置のデザイン性にも影響を及ぼす。つまり、特許文献1と特許文献2記載の光センサ装置は、センサユニットを斜めに押し出す方式であるから、センサユニットのストロークを大きくしようとすると、当該センサユニットを格納するベゼルの幅が大きくなってしまい、ベゼルの幅を小さくすることには限界がある。特許文献3記載の光センサ装置は、センサユニットをパネルに対して平行に回転させる方式であるから、当該センサユニットがパネルに接触しないようにするための隙間を確保しなければならず、当該センサユニットを格納するベゼルの厚みが大きくなってしまう。そして、前記センサユニットとパネルとの間には常に隙間があり、この隙間から外光が入り込む可能性がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ベゼルの幅と厚みを小さくしてもセンサユニットをスムーズに出し入れできる光センサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光センサ装置は、画像表示パネル周囲の額縁領域に配される本体フレームと、前記画像表示パネルの輝度や色度等の測定に用いられる光センサと、前記光センサに受光させるためのセンサユニットと、前記センサユニットを移動させる駆動手段とを備え、前記センサユニットが複数の回転動作をすることで前記画像表示パネルの表示画面に近接することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、従前の方式と比較してベゼルの幅と厚みを小さくしても前記センサユニットをスムーズに出し入れできるようになる。
【0013】
本発明は、前記センサユニットが第1の回転動作をすることで測定領域に移動し前記第1の回転動作の方向と垂直な方向に第2の回転動作をすることで前記表示画面に近接することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、一種類の駆動手段によって前記センサユニットが複数の回転動作をすることが容易な構成となり、前記表示画面にスムーズに近接することとなる。
【0015】
本発明は、前記センサユニットと前記駆動手段とがシャフトを介して連結されており、前記シャフトが前記表示画面と平行に第1の回転動作をしてから前記表示画面と垂直に第2の回転動作をすることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、前記シャフトが前記第1の回転動作をすることによって前記センサユニットが画像表示装置のベゼルからスムーズに出て、前記シャフトが前記第2の回転動作をすることによって前記センサユニットが前記表示画面にスムーズに近接することとなる。
【0017】
本発明は、前記シャフトと前記駆動手段とが複数のアームを介して連結されていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、前記駆動手段によって前記センサユニットが前記複数の回転動作をすることが容易な構成となる。
【0019】
本発明は、前記センサユニットに形成された第1の斜面と前記本体フレームに形成された第2の斜面が向き合って摺動することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、前記センサユニットが前記画像表示パネルの表示画面に近接する動作をスムーズに行うことができる。
【0021】
前記第1の斜面と前記第2の斜面が向き合って摺動し始めるタイミングは、前記第1の回転動作をし始めた時点からでもよいし、前記第1の回転動作をしている途中のタイミングでもよいし、前記第1の回転動作をし終わった時点としてもよい。
【0022】
本発明は、前記センサユニットが前記シャフトと共に前記画像表示パネルの表示画面と略平行に前記第1の回転動作をして測定領域に近づいてから次に前記シャフトの軸周りに前記第2の回転動作をして前記画像表示パネルの表示画面に近接する構成が好ましい。本発明によれば、ベゼルの厚みを小さくした場合においても、前記センサユニットが前記画像表示パネルの表示画面に近接する際に、前記画像表示パネル周囲のベゼルに前記センサユニットが接触する虞がない。
【0023】
前記シャフトは、所定の保持部材によって回動自在に保持されることが好ましい。本発明によれば、1種類の駆動手段によって前記センサユニットに前記複数方向の回転動作をさせることが容易な構成となる。本発明は、前記センサユニットに配された保持部材によって前記シャフトが回動自在に保持されている構成が好ましい。本発明によれば、ベゼルの幅と厚みを小さくした場合においても、前記センサユニットに前記複数方向の回転動作をさせることが容易な構成となる。例えば、前記アームを樹脂成形品として前記シャフトを圧入することで、前記本体フレームの構造を単純化できる。例えば、前記光センサのシールドのための金属板をプレス成形して前記センサユニットに配して、その金属板の一部に前記保持部材としての機能を持たせれば、前記センサユニットの構造を単純化できる。
上記以外の構成としては、例えば、前記センサユニットが前記シャフト機能を有する構造としてもよい。例えば、前記センサユニットのフレームと前記シャフトをインサート成形することで、前記センサユニットと前記シャフトが一体に成形される構造となる。このような構造とすることで、部品点数の削減が図れる。
【0024】
前記回転動作をさせるための複数のアームは、互いに連結していることが好ましい。これにより、前記センサユニットに前記複数方向の回転動作をさせることが容易な構成となる。本発明は、第1のアームと第2のアームが連結して前記複数のアームを構成し、前記駆動手段によって前記第1のアームが動作することで前記第2のアームが動作して当該第2のアームに固定された前記シャフトが動作することが好ましい。本発明によれば、1種類の駆動手段によって前記センサユニットに前記複数方向の回転動作をさせることが容易な構成となる。
【0025】
前記画像表示パネルとしては、液晶表示ディスプレイパネル、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル等が挙げられる。
【0026】
本発明は、前記光センサが前記センサユニットに内蔵されており、前記センサユニットが前記表示画面と向き合う側には前記光センサに受光させるための採光窓が形成されているとともに当該採光窓を囲みつつ前記表示画面からの光が前記光センサに受光するように遮光部材が配されており、測定時には前記遮光部材が前記画像表示パネルの表示画面に当接しており、測定後は前記遮光部材が前記表示画面から離れていくことを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、測定するときには、周囲の外光の影響を受け難い状態で前記光センサが前記表示画面からの光を正確に測定することが容易となり、測定後には、前記画像表示パネルに余計な外力を加えることなく前記センサユニットが前記表示画面から離れていくこととなる。
【0028】
前記駆動手段としては、電気エネルギーを機械的な動力に変換して負荷を駆動するアクチュエータが挙げられる。より具体的には、モータやソレノイドや、圧電素子や電歪素子を利用したものや、形状記憶合金を利用したものが挙げられる。
【0029】
本発明は、前記センサユニットと前記ガイド部材がX方向に配されており、Y方向に伸縮する伸縮ばねと、Y方向に伸縮するアクチュエータを備え、通電によって前記アクチュエータを前記伸縮ばねの復元力に抗して縮ませるか、又は、通電によって前記アクチュエータが縮むことで前記伸縮ばねを作用させることによって、前記センサユニットをフレーム内から測定位置までX方向に移動させる構成とすることができる。本発明によれば、前記アクチュエータがY方向に縮む力を利用して前記センサユニットがX方向に直進移動することとなり、ストローク変位のロスが小さくセンサユニットがスムーズに出し入れされる構成となる。本明細書では、X方向とY方向との関係は、フレームを正面側から見てX方向を上下方向としたとき、Y方向が左右方向となる関係であるか、または、フレームを正面側から見てX方向を左右方向としたとき、Y方向が上下方向となる関係である。ここでX方向とは、例えばY方向が水平方向で角度が0度とした場合に、X方向の角度が45度から135度の範囲内となるか、又はX方向の角度が−45度から−135度の範囲内となる方向をX方向と定義している。また、例えばY方向が垂直方向で角度が90度とした場合に、X方向の角度が−45度から45度の範囲内となるか、又はX方向の角度が−135度から−225度の範囲内となる方向をX方向と定義している。
【0030】
前記伸縮ばねとしては、引っ張りばね、押圧ばね等が挙げられ、コイル状、渦巻状、紐状等がある。前記伸縮ばねとしては、コイル状の引っ張りばねが好ましい。コイル状の引っ張りばねとすることで復元力のストロークを長く設定できるので、前記センサユニットが移動するストロークを長くすることが容易である。
【0031】
前記アクチュエータは、通電によって前記ばね部材の復元力に抗して縮むアクチュエータであり、形状記憶合金製アクチュエータ、電歪アクチュエータ等が挙げられ、ワイヤ状、板状、コイル状、渦巻状、円柱状、角柱状等がある。板状やワイヤ状のアクチュエータは、厚みが薄くて狭い場所でも配置の自由度が高い。前記通電は、通電対象となる前記アクチュエータの特性に応じて、直流電流を通電するか、交流電流を通電するかを適宜設定する。
本発明に係る駆動手段として前記アクチュエータを用いる場合は、通電による発熱で縮む形状記憶合金製ワイヤであることが好ましい。
【0032】
前記形状記憶合金製ワイヤの材質としては、チタン−ニッケル合金や、鉄-マンガン-ケイ素合金等が挙げられる。前記形状記憶合金製ワイヤの形状としては、単線ワイヤ、撚り線ワイヤ、コイル又はスプリング状に加工したワイヤ等が挙げられる。前記形状記憶合金製ワイヤの線径が太くなるほど大きな縮み力を出せるが、通電電流も大きく、冷却時の反応が鈍くなる。これとは反対に、前記形状記憶合金製ワイヤの線径が細くなるほど縮み力が小さくなるが、通電電流が少なくて済み、応答速度も速くなる。前記形状記憶合金製ワイヤの線径は、例えば0.05mmから0.5mmの範囲で設定される。動作中の画像表示装置のモニター画面付近は、その温度が室温から50℃付近まで上昇することがある。したがって、前記形状記憶合金製ワイヤが温度による誤動作をしないようにするためには、通電により発生させるジュール熱が前記モニター画面付近の温度よりも十分高い温度となる仕様の形状記憶合金製ワイヤを選定しなければならない。より具体的には、通電による作動温度が60℃以上の形状記憶合金製ワイヤを選定する必要があり、約70℃の温度で収縮し約60℃の温度で伸張する形状記憶合金製ワイヤが実用的である。そして、その動作原理に基づけば、前記形状記憶合金製ワイヤが伸張収縮する作動温度をより高い温度とすることで、より高い再現性で安定した動作をさせることができることとなる。
【0033】
本発明に係る駆動手段としては、前記形状記憶合金製ワイヤを用いることに限られず、直流モータやソレノイド等を用いても良い。例えば、ワイヤとプーリと直流モータ(又はソレノイド)を組み合わせることで、ワイヤをプーリで巻き付けてワイヤを見掛け上縮ませたり、ワイヤをプーリから引き出してワイヤを見掛け上伸ばしたりすれば、前記形状記憶合金製ワイヤと同様の動きをさせることができる。
【0034】
本発明としては、例えば前記バランス部材として回動部材が前記フレームにその軸部が連結されて配されるとともに、前記アクチュエータ(形状記憶合金製ワイヤ)の一端が前記回動部材の端部に固定されており、引っ張ることで回動させる構成とすることができる。この構成の場合は、前記センサによる測定の際には、通電によって前記回動部材を回動させ、これにより前記センサユニットを測定位置まで移動させることになり、前記センサによる測定の間は通電を停止することとなる。
【0035】
本発明は、前記アクチュエータを第1のアクチュエータとし、前記バランス部材(回動部材)にその一端が固定されて、通電によって縮むことで前記バランス部材を逆方向に回動開始させる第2のアクチュエータがY方向に配されており、前記第2のアクチュエータに通電せずに前記第1のアクチュエータへの通電によって前記センサユニットを前記フレーム内から測定位置までX方向に直進移動させ、前記センサによる測定後、前記第1のアクチュエータに通電せずに前記第2のアクチュエータへの通電によって前記センサユニットを前記測定位置から元の位置まで復帰させる構成とすることができる。本構成によれば、第1のアクチュエータに通電することでセンサユニットを測定位置まで移動させることができ、これとは逆に、第2のアクチュエータに通電することでセンサユニットを元の位置まで戻すことができる構成となる。また、これらの前記アクチュエータは、前記センサユニットを移動させるときのみ通電状態となり、それ以外のとき、すなわち、前記センサユニットを測定位置で保持する間や前記センサユニットがフレーム内に格納されている間は、これらの前記アクチュエータは無通電状態であるから、省エネルギーで作動信頼性の高い光センサ装置となる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の光センサ装置によれば、前記センサユニットを前記複数方向の回転動作で前記画像表示パネルの表示画面に近接させる方式であるから、従前の方式と比較してベゼルの幅と厚みを小さくしても前記センサユニットをスムーズに出し入れできるようになる。本発明によれば、前記第1の回転動作によって前記画像表示パネルの周辺よりも中央に近い位置を前記センサの測定領域とすることが容易となり、かつ、前記第2の回転動作によって前記センサが前記表示画面の輝度や色度等の光学特性を周囲の外光の影響を受け難い状態で正確に測定することが容易な構成となる。本発明によれば、1種類の駆動手段によって前記センサユニットに前記第1の回転動作及び前記第2の回転動作をさせることが容易な構成となる。
【0037】
本発明によれば、画像表示装置に付設されたベゼルの幅と厚みを小さくしても、センサユニットを容易に内蔵できるうえ、測定するときは、センサユニットがベゼルから測定領域に出て、表示画面に近接して周囲の外光の影響を受け難い状態で光センサで正確に測定し、測定後は、画像表示パネルに余計な外力を加えることなく表示画面から離れてベゼルに格納される新規な画像表示装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明を適用した第1の実施形態の光センサ装置を備えている画像表示装置を例示する斜視図であり、図1(a)はセンサユニットがベゼルから画面上に出た状態の図であり、図1(b)はセンサユニットがベゼルに格納された状態の図である。
図2】本発明を適用した実施形態の光センサ装置を示す構造図において、センサユニットがベゼルに格納された状態の図であり、図2(a)は画面側(内部側)から見た背面図であり、図2(b)は側面図であり、図2(c)はベゼル側(外部側)から見た正面図である。
図3】本発明を適用した実施形態の光センサ装置を示す構造図において、センサユニットがベゼルから測定領域に出た状態の図であり、図3(a)は画面側(内部側)から見た背面図であり、図3(b)は側面図であり、図3(c)はベゼル側(外部側)から見た正面図である。
図4】上記実施形態に係るセンサユニットにおいて、保持部材とシャフトとの関係を示す図であり、図4(a)はシャフトを横から見たときの図であり、図4(b)はシャフトを上から見たときの図である。
図5】上記実施形態に係るセンサユニットと画像表示パネルの表示画面との関係を模式的に示す断面図であり、図5(a)はセンサユニットが第1の回転動作をしてベゼルから出たときの状態図であり、図5(b)はセンサユニットが第2の回転動作をして表示画面に近接したときの状態図であり、図5(c)はセンサユニットが第2の回転動作をして表示画面から離れたときの状態図であり、図5(d)はセンサユニットが第1の回転動作をしてベゼルに戻ったときの状態図である。
図6】上記実施形態に係るセンサユニットがベゼルに内蔵されているときのアームの動作を示す図であり、図6(a)は画面側(内部側)から見たときの図であり、図6(b)はベゼル側(外部側)から見たときの図である。
図7】上記実施形態に係るセンサユニットが第1の回転動作をしてベゼルから出たときのアームの動作を示す図であり、図7(a)は画面側(内部側)から見たときの図であり、図7(b)はベゼル側(外部側)から見たときの図である。
図8】本発明を適用した第1の実施形態の光センサ装置の他の例を示す構造図であって、センサユニットがベゼルに格納された状態の図であり、画面側(内部側)から見た背面図である。
図9】本発明を適用した第2の実施形態に係るセンサユニットと画像表示パネルの表示画面との関係を模式的に示す断面図であり、図9(a)はセンサユニットが第1の回転動作をしてベゼルから出たときの状態図であり、図9(b)はセンサユニットが第2の回転動作をして表示画面に近接したときの状態図であり、図9(c)はセンサユニットが第2の回転動作をして表示画面から離れたときの状態図であり、図9(d)はセンサユニットが第1の回転動作をしてベゼルに戻ったときの状態図である。
図10】画像表示装置における既知の光センサユニットの配置構成を例示する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明を実施するための具体的な形態について図面を用いて説明する。
【0040】
本発明を適用した実施形態の光センサ装置1を備えた液晶表示装置100を例示する斜視図を図1に示す。本実施形態の光センサ装置1は、液晶表示装置(液晶モニター)100のモニター画面(液晶表示パネル)101周囲に配されたベゼル20に一体的に組み込まれている。センサユニット3は、液晶表示パネルの表示画面101a上の輝度や色度等の測定をする小型の板状(スティック状)のものである。本実施形態の光センサ装置1は、所定時間毎に液晶表示パネル101のキャリブレーション(校正)を行うために、測定の際にはセンサユニット3に対してベゼル20内から符号4a方向に第1の回転動作をさせてベゼル20から出させ、符号4b方向に第2の回転動作をさせて液晶表示パネル101上の測定位置に近接させて(図1(a))、センサユニット3の光センサで測定し、測定後にはセンサユニット3を符号4c方向に第2の回転動作をさせて液晶表示パネル101上の測定位置から離れ、符合4d方向に第1の回転動作をさせてベゼル20内に格納する仕組みとなっている(図1(b))。ここで、符号4a方向は、センサユニット3が第1の回転動作をしながら液晶表示パネルと略平行に測定領域まで移動する方向であり、符号4b方向は、センサユニット3が第2の回転動作をしながら液晶表示パネルの表示画面101aに近接する方向であり、符号4c方向は、センサユニット3が第2の回転動作をしながら液晶表示パネルの表示画面101aから離れる方向であり、符号4d方向は、センサユニット3が第1の回転動作をしながら液晶表示パネルと略平行にベゼルまで移動する方向である。
【0041】
図1に示す例では、液晶表示パネル101が横長であり、ベゼル20の中央上付近にセンサユニット3が配されているが、これは一例であって、センサユニット3の取り付け位置は、液晶表示パネル101の額縁領域であれば、液晶表示パネル101の周囲のいずれの位置でも構わない。また、本発明の光センサ装置1は、既存の画像表示装置に後付けすることも可能である。
【0042】
(第1の実施形態)
本発明を適用した第1の実施形態の光センサ装置1を例示する構造図を図2図3に示す。図2はセンサユニット3がベゼルに格納された状態の図であり、図2(a)は画面側(内部側)から見た背面図であり、図2(b)は側面図であり、図2(c)はベゼル側(外部側)から見た正面図である。図3はセンサユニット3がベゼルから測定領域に出た状態の図であり、図3(a)は画面側(内部側)から見た背面図であり、図3(b)は側面図であり、図3(c)はベゼル側(外部側)から見た正面図である。ここで、内部側から見た背面図とは、液晶表示パネルの表示画面101a側から利用者を見たときの図であり、外部側から見た正面図とは利用者側から液晶表示パネルの表示画面101aを見たときの図である。
【0043】
本実施形態の光センサ装置1は、画像表示パネル周囲の額縁領域に配される本体フレーム2と、前記画像表示パネルの輝度や色度等の測定に用いられる光センサ108と、光センサ108が内蔵されたセンサユニット3と、センサユニット3をガイドするガイド部材28と、センサユニット3を測定位置まで移動させる駆動手段とを備えている(図2図3)。本実施形態の光センサ装置1は、ベゼル20に内蔵させるため、センサユニット3は長四角形で板状となっており、本体フレーム2は長四角形状で板状となっている(図1図3)。そして、センサユニット3と本体フレーム2が、シャフト4を介して連結されている構成となっている(図2図3)。なお、上記センサユニット3の形状は一例であり、デザイン性を考慮して任意の形状にデザイン変更可能である。上記の形状以外には、例えば、センサユニット3の形状を、星形、多角形状、ハート形、円形とすることが可能である。
【0044】
本実施形態では、本体フレーム2のセンサユニット側には、センサユニット3をガイドするガイド部材28が一体的に配されており、また、センサユニット3の本体フレーム側には、ガイド部材28に沿って摺動する摺動部材38が一体的に配されている(図2図3)。センサユニット3の本体フレーム側は、摺動部材38以外がガイド部材28に接触することがないように円弧状に切り欠いたような形状となっている。ガイド部材28には第1の斜面281が形成されており、摺動部材38には第2の斜面381が形成されており、これら第1の斜面281と第2の斜面381とが向き合って摺動する構成となっている(図2図3図5)。なお、上記センサユニット3の本体フレーム側の形状は一例であり、デザイン性を考慮して任意の形状にデザイン変更可能である。上記の形状以外には、例えば、センサユニット3の本体フレーム側の形状を、三角形状、四角形状、多角形状に切り欠いたような形状とすることが可能である。
【0045】
本実施形態では、摺動部材38の第2の斜面381の反対側の面には板ばね17が取り付けられ、本体フレーム2と向かい合わせに配されている(図2図3図5)。板ばね17は、金属板をプレス加工して一体成形され、ネジ等の固定手段で固定されている。フレキシブルフラットケーブル109に板ばね17が接触しないように配慮して、本実施形態では、板ばね17がセンサユニット3と一緒に動く構成となっている。本実施形態によれば、センサユニット3をベゼル20に格納する動作のときに、板ばね17が、センサユニット3がベゼル20に格納される状態まで回転を戻す働きをする。よって、センサユニット3が安定に回転動作することとなる。なお、板ばね17の配置構成は任意であり、例えば、本体フレーム2に板ばね17を取り付けて、摺動部材38がガイド部材28に接するように配する場合もある。上記の構成以外の構成としては、例えば、板ばね17の代わりに皿ばね、捻りばね、コイルばねを用いることが可能であり、ゴム等の弾性部材を用いることも可能である。
【0046】
光センサ108は、液晶表示パネル101の輝度や色度等の測定に用いられ、図示しない基板に実装されて、センサユニット3に内蔵される(図2図3図5を参照)。そして、センサユニット3の後面から引き出されたフレキシブルフラットケーブル109を経由して、液晶表示装置100本体の制御基板(図示せず)とケーブル接続されている。パーソナルコンピュータまたは液晶表示装置に内蔵のソフトウエアを起動すると、液晶表示パネル101の輝度、色度、光量等の光学特性の測定を光センサユニット3に備わった光センサ108で行い、得られた測定データに基づいてキャリブレーション(校正)が行なわれる仕組みとなっている。
【0047】
本実施形態では、光センサ108への外光の侵入を防ぐため、光センサ108の受光部には、赤外線(Infrared Rays: IR)フィルタが予め備わっている。そして、センサユニット3の表示画面101a側の面には、受光用の長方形状の窓穴が形成されている。本実施形態では、センサユニット3の表示画面101a側の面には、板形状の遮光部材(クッション部材)9が両面テープや接着剤等の接着手段で貼り付け固定されている(図2図3図5)。ここでは、遮光部材9は長方形状であり、光センサ108を囲みつつ前記表示画面101aからの光が光センサ108に受光するようにその中央がくり抜かれた四角形状の採光窓98が形成されている。なお、採光窓98は、丸窓としたり六角形や八角形などの多角形状の窓としたりする場合もあり得る。
【0048】
本実施形態としては、センサユニット3における採光窓98の配置は、第2の回転動作が完了したときに、採光窓98の窓面と画像表示パネルの表示画面101が平行な状態となるような位置に配置設計することがさらに好ましい。採光窓98の窓面と画像表示パネルの表示画面101とが平行かつ近接している状態が最も採光に適している状態であるからである。
【0049】
前記遮光部材9としては、紙、樹脂シート、植毛紙、植毛シート、フェルト、スポンジ、ゴム、エラストマー等が挙げられる。本実施形態にかかる遮光部材9としては、特に、植毛紙や植毛シートが好ましい。植毛紙や植毛シートは吸光能力に優れ、クッション性があり、摺動性もあるため、画像表示パネル101にかかる負荷を抑えつつ効果的に遮光することができるからである。
【0050】
図4は、センサユニット3において、板金31とシャフト4との関係を示す図である。図4(a)はシャフト4を横から見たときの図であり、図4(b)はシャフト4を上から見たときの図である。シャフト4の先端側には外周溝41が形成されている(図4(a)(b))。板金31は、光センサ108のシールドのための金属板をプレス成形したものであり、部分的に折り曲げ加工した保持部材32の切り欠きがシャフト4の外周溝41に摺動容易に嵌合することで、保持部材32によってシャフト41が回動自在に保持されている(図4(a)(b))。本実施形態によれば、シールド用の板金31の一部に保持部材32としての機能を持たせることで、部品点数を削減し、センサユニット3の構造を単純化できる。
【0051】
本実施形態では、初期状態ではセンサユニット3とガイド部材28とには所定の隙間S1が設けられている(図2(a)(c))。当該隙間S1の大きさによって、第1の回転動作から第2の回転動作の動作切り替えのタイミングが設定される。つまり、センサユニット3がベゼル20から出てから第2の回転動作をさせることで、第1の回転動作中のセンサユニット3がベゼル20に当接しないように配慮している。ここでは、センサユニット3が第1の回転動作を終えるタイミングで第2の回転動作をさせる設定としている。
【0052】
図2図3等に示すように、本体フレーム2にはシャフト4を動作させるためのアーム7が配されている。アーム7は、第1のアーム71と第2のアーム72が連結して構成されている(図2図3図6図7)。本実施形態では、第1の形状記憶合金製ワイヤ551と、第2の形状記憶合金製ワイヤ561とが駆動手段となっており、前記駆動手段によって第1のアーム71が回動することで第2のアーム72が回動して、当該第2のアーム72に固定されたシャフト4が第1の回転動作をする構成となっている(図2図3図6図7)。アーム7の構造の詳細については後述する。
【0053】
図5は、センサユニット3と画像表示パネルの表示画面101との関係を模式的に示す断面図である。図5(a)はセンサユニット3が符号4a方向に第1の回転動作をしてベゼル20から出たときの状態図であり、図5(b)はセンサユニット3が符号4b方向に第2の回転動作をして表示画面101に近接したときの状態図であり、図5(c)はセンサユニット3が符号4c方向に第2の回転動作をして表示画面101から離れたときの状態図であり、図5(d)はセンサユニット3が符号4d方向に第1の回転動作をしてベゼル20に戻ったときの状態図である。ここでは、説明の都合上、ベゼル3の表示画面101a側(図5では右側)を前として、ベゼル3の表示画面101aの反対側(図5では左側)を後ろとして以下に説明する。
【0054】
本実施形態では、ガイド部材28の前面には第1の斜面281が形成されており、摺動部材38の後面には第2の斜面381が形成されている(図5)。センサユニット3がベゼル20に格納されている初期状態では摺動部材38とガイド部材28とには所定の隙間S1が設けられており(図2(a)と図5(d)を参照)、アーム7によってシャフト4が表示画面101aと平行に第1の回転動作をし、シャフト4を介してセンサユニット3が符号4a方向に第1の回転動作をしてベゼル20から出る。ガイド部材28にガイドされるまでの間は、センサユニット3は表示画面101aと略平行に第1の回転動作をする(図5(a))。次に、摺動部材38に形成された第1の斜面381とガイド部材28に形成された第2の斜面281とが向き合って摺動することでシャフト4が第1の回転動作から表示画面101aと垂直の第2の回転動作へ切り替わると同時に、センサユニット3も第1の回転動作から第2の回転動作へ切り替わり、センサユニット3が符号4b方向に第2の回転動作をして表示画面101に近接する(図5(b))。本実施形態では、前記摺動動作の際、板ばね17が第1の斜面281と第2の斜面381とを接しさせる働きをする。そして、遮光部材9が表示画面101aに所定の押圧力で当接し、ほぼ密接した状態となり(図5(b))、優れた遮光効果を得ながら、前記画像表示パネル101の駆動発熱による位置変動にも追従して、光センサ108によって各種光学特性を測定する。そして、光センサ108による測定後は、第1の斜面381と第2の斜面281とが向き合って摺動することで符号4c方向に第2の回転動作をして表示画面101aから離れる(図5(c))。次に、センサユニット3が符号4d方向に第1の回転動作をしてベゼル20に格納される(図5(d))。このとき、板ばね17がセンサユニット3がベゼル20に格納される状態まで回転を戻す働きをする。よって、センサユニット3が安定に回転動作することとなる。
【0055】
図6は、本実施形態に係るセンサユニット3がベゼル20に内蔵されているときのアーム7の動作を示す図である。図6(a)は画面側(内部側)から見たときの図であり、図6(b)はベゼル側(外部側)から見たときの図である。図7は、本実施形態に係るセンサユニット3が第1の回転動作をしてベゼル20から出たときのアーム7の動作を示す図である。図7(a)は画面側(内部側)から見たときの図であり、図7(b)はベゼル側(外部側)から見たときの図である。
【0056】
本実施形態では、第1の形状記憶合金製ワイヤ551と第2の形状記憶合金製ワイヤ561が駆動手段となっており、1種類の前記駆動手段によって第1のアーム71が回動することで第2のアーム72が回動して当該第2のアーム72に固定されたシャフト4が第1の回転動作をする構成となっている(図2図3図6図7)。ここでは、第1の形状記憶合金製ワイヤ551と第2の形状記憶合金製ワイヤ561とは同じ材質で同じ径のワイヤであり、固定ネジ569にて固定され、電極ワイヤ571と電気接続されている(図6(b)、図7(b))。第1の形状記憶合金製ワイヤ551と第2の形状記憶合金製ワイヤ561を1本のワイヤとして、固定ネジ569にて折り返して固定する構造としてもよい。図2(a)と図3(a)に示す符号55,56,57は直流電圧を印加するための電極端子である。
【0057】
本実施形態では、本体ユニット2の側面(図2(b)、図3(b)を参照)には、四角形状の溝22(窪みでもよい)が形成されている。この溝22は可動ストロークを幅いっぱいに使うための逃げ穴の役割をしている。第2のアーム72は、平座金728とねじ729によって本体フレーム2に取り付けられており(図2(c)、図3(c))、ねじ729を回転軸(回動中心)として回動自在に支持されている(図6(a)と図7(a)を参照)。また、第1のアーム71は、平座金718とねじ719によって本体フレーム2に取り付けられており、ねじ719は平座金718を固定し、第1のアーム71が抜けないようにしている(図2(c)、図3(c)を参照)。そして、第1のアーム71は、その本体に一体成形された回転軸(回動中心)によって回動自在に支持されている(図6(a)と図7(a)を参照)。
【0058】
本実施形態では、第1のアーム71と第2のアーム72とは、スライダ73によって互いに連結されており、互いの動作が連動するように連結されている(図6(a)(b)、図7(a)(b))。第1のアーム71の後端側には第1の形状記憶合金製ワイヤ551、第2の形状記憶合金製ワイヤ561及びフレキシブルワイヤ571が配されており、第1のアーム71の先端側にはスライダ73の後端側が取り付けられている。スライダ73のスライド部材75と第1のアーム71の先端側とは引張りばね74を介して連結されている。第2のアーム72の先端側にはシャフト4が固定されており、第2のアーム72の後端側には円弧状のスライド溝721が形成されている。そして、スライド部材75のスライドピン751が、第2のアーム72のスライド溝721に摺動容易に取り付けられている(図6(a)(b)、図7(a)(b))。スライド溝721は、その真ん中を頂点としており、当該頂点をスライドピン751が超えた時点で第2のアーム72が作動する。本実施形態によれば、第1のアーム71が動作するとスライドピン751が動作し、スライドピン751が動作すると第2のアーム72が遅れて動作する関係で互いに連結されており、この一組の形状記憶合金製ワイヤ551,561と第1のアーム71とスライダ73と第2のアーム72とシャフト4とセンサユニット3との組み合わせによって、第2の形状記憶合金製ワイヤ561が縮むことで、センサユニット3が符号4a方向に第1の回転動作をして(図5(a))、符号4b方向に第2の回転動作をすることで斜めに前進して表示画面101aに向かい、遮光部材9が表示画面101aに当接する(図5(b))。ここで、第2の形状記憶合金製ワイヤ561は、図6(a)に対して図7(a)では左右方向に縮んでいる。測定後は、第1の形状記憶合金製ワイヤ551が縮むことで、センサユニット3が符号4c方向に第2の回転動作をすることで斜めに後退して表示画面101aから離れ(図5(c))、符号4d方向に第1の回転動作をしてベゼル20に格納される(図5(d))。ここで、第1の形状記憶合金製ワイヤ551は、図6(a)に対して図7(a)では左右方向に縮んでいる。なお、上記円弧状のスライド溝721は一例であって、例えば、前記スライド溝形状を、真ん中を頂点とした左右対称の直線で結ばれている形状としてもよい。
【0059】
ここでは、スライダ73の本体フレームは、金属製の板状部材をプレス成形したものである。スライダ73の本体フレームにプラスチック製のスライド部材75が挿通され、所定範囲内で左右に動く構成となっている(図6(a)(b)、図7(a)(b))。また、スライダ73の本体フレームにプラスチック製の第1のアーム71が挿通され、所定範囲内で左右に動く構成となっている。そして、プラスチック製の第2のアーム72の長溝721にリンクピン751が挿通されて所定範囲内でシャフト4が第1の回転動作をする構成となっている(図6(a)(b)、図7(a)(b))。
【0060】
図6(b)と図7(b)は、第1のアーム71と第1の形状記憶合金製ワイヤ551と第2の形状記憶合金製ワイヤ561との配置構成を例示している。第1と第2の形状記憶合金製ワイヤ551,561の一端がいずれもネジ569にてネジ固定され電気接続されている。実際上は、一本の形状記憶合金製ワイヤをその中間地点でネジ569にてネジ固定し電気接続して機能的に第1と第2の形状記憶合金製ワイヤ551,561とすれば、組み付け作業が簡易で合理的である。そして、ネジ569の下側付近にフレキシブルワイヤ571を電気接続して通電する構成としている。形状記憶合金製ワイヤ551,561及びフレキシブルワイヤ571の固定に関しては、しっかり固定でき、かつ、確実な電気接続ができる方法であればその接続方法は問わず、半田付け、ロウ付け、ネジ固定、カシメ、押圧接触固定等の方法が適用される。
【0061】
本実施形態の形状記憶合金製ワイヤ551,561には極性がないことから、形状記憶合金製ワイヤ551とフレキシブルワイヤ571とで印加する直流電圧の向きは形状記憶合金製ワイヤ551側がプラスでも、フレキシブルワイヤ571側がプラスでも動作する。同様に、形状記憶合金製ワイヤ561とフレキシブルワイヤ571とで印加する直流電圧の向きは形状記憶合金製ワイヤ561側がプラスでも、フレキシブルワイヤ571側がプラスでも動作する。
【0062】
所定のスイッチ(スイッチAとする)をオンにして第2の形状記憶合金製ワイヤ561を通電すると、形状記憶合金製ワイヤ561が伸縮ばね74の引っ張り力に抗して縮んで、上述のようにセンサユニット3が符号4a方向に第1の回転動作をし符号4b方向に第2の回転動作をして、モニター画面101の輝度や色度等を光センサ41が測定可能な状態となる(図5(b))。センサユニット3が測定位置に到達した時点で前記スイッチAはオフになり、第2の形状記憶合金製ワイヤ561は、放熱によって冷却され元の長さに戻る。
【0063】
モニター画面101の輝度や色度等が光センサ41によって測定された後、所定のスイッチ(スイッチBとする)をオンにして第1の形状記憶合金製ワイヤ551を通電すると、形状記憶合金製ワイヤ551が伸縮ばね74の引っ張り力に抗して縮んで、上述のようにセンサユニット3が符号4c方向に第2の回転動作をし符号4d方向に第1の回転動作をして、ベゼル20に格納される(図5(d))。センサユニット3が格納された時点で、前記スイッチBはオフになっており、第1の形状記憶合金製ワイヤ551は、放熱によって冷却され元の長さに戻る。
【0064】
本実施形態によれば、形状記憶合金製ワイヤ(第1の形状記憶合金製ワイヤ551や第2の形状記憶合金製ワイヤ561)がセンサユニット3を直接駆動しない方式であるから、これら前記形状記憶合金製ワイヤはモニター画面101からの放熱の影響を受けたとしても、前記形状記憶合金製ワイヤ551、561がある程度縮むまでは、上述のようにスライド部材75のリンクピン751が第2のアーム72の円弧状の長溝721の中央を境に、一方の側から他方の側まで移動せず、それまでは、センサユニット3が移動を開始しない構成であるため、熱によって引き起こされるセンサユニット3の誤作動が生じ難いように配慮した機構となっている。つまり、実際の液晶モニター1においては、モニター画面101付近は、その温度が室温から50℃付近まで上昇することがあり、前記形状記憶合金製ワイヤ(第1の形状記憶合金製ワイヤ551や第2の形状記憶合金製ワイヤ561)が熱の影響を受け易くなってしまうことから、通電停止後も短時間ではすんなりと伸びない場合が想定されるが、本実施形態では、高温時には通電する側の形状記憶合金製ワイヤの収縮力で、反対側の伸び切っていない形状記憶合金製ワイヤごと強引に引っ張って、第1のアーム71を回動させることとなり、安定した動作となる。そして、本実施形態では、通電により発生させるジュール熱が前記モニター画面101付近の温度よりも十分高い温度となる形状記憶合金製ワイヤ551,561を選定しており、具体的には、約70℃の温度で収縮し約60℃の温度で伸張する形状記憶合金製ワイヤが用いられる。また、伸縮ばね74はひとつのばねであるからその引っ張り力に抗して余裕を持って縮む径の形状記憶合金製ワイヤを選定することは比較的容易である。例えば、線径が0.25mm程度の形状記憶合金製ワイヤ551,561が用いられる。さらに付け加えるならば、センサユニット3を測定位置で保持する間や、センサユニット3を元の位置に戻したときは、これら形状記憶合金製ワイヤ551,561は無通電状態となることから、省エネルギーで作動信頼性の高い光センサ装置1といえる。
【0065】
図8は、本発明を適用した第1の実施形態の光センサ装置の他の例を示す構造図であって、センサユニット3がベゼルに格納された状態の図であり、画面側(内部側)から見た背面図である。図8に示す例では、ガイド部材28と摺動部材38との隙間S1をその間隔を広げることで、第1の回転動作のスイング領域をより大きくしている。また、図8に示す例では、第1の形状記憶合金製ワイヤ551の長さを第2の形状記憶合金製ワイヤ561よりも長くしている。本実施形態では、形状記憶合金製ワイヤ551,561のネジによる固定位置同士を近づけることで、経験上、断線し難い配置構成としている。
【0066】
(第2の実施形態)
図9は、本発明を適用した第2の実施形態に係るセンサユニットと画像表示パネルの表示画面との関係を模式的に示す断面図であり、図9(a)はセンサユニットが第1の回転動作をしてベゼルから出たときの状態図であり、図9(b)はセンサユニットが第2の回転動作をして表示画面に近接したときの状態図であり、図9(c)はセンサユニットが第2の回転動作をして表示画面から離れたときの状態図であり、図9(d)はセンサユニットが第1の回転動作をしてベゼルに戻ったときの状態図である。ここで、同一の符号は同じ機能を示しており、その説明を適宜省略する。
【0067】
本実施形態では、センサユニット3の採光窓98に光ファイバー401の一端が嵌め合わさっており、センサユニット3に内蔵されている光センサ108に光ファイバー401の他端が接している(図9(a)(b)(c)(d))。光センサ108は採光窓98とは対向しておらず、例えば、センサユニット3の本体ユニット2に近い側に内蔵される。本実施形態によれば、光ファイバー401のフレキシブル性を利用して光センサ108と採光窓98との位置をずらしているので、採光窓98からの漏れ光が光センサ108に入り難い構成となる。
そして本実施形態では、センサユニット3における採光窓98の配置は、第2の回転動作が完了したときに、採光窓98の窓面と画像表示パネルの表示画面101が平行な状態となるような位置に配置設計している(図9(b)を参照)。
【0068】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、前記アクチュエータ551,561は、通電によって前記ばね部材の復元力に抗して縮むアクチュエータであれば、ワイヤ状に限られず、板状、コイル状、渦巻状、円柱状、角柱状等でも適用可能である。さらに、本発明に係る駆動手段としては、前記形状記憶合金製ワイヤ551,561を用いることに限られず、小型モータやソレノイド等を用いても良い。例えば、ワイヤとプーリとモータ(又はソレノイド)を組み合わせることで、ワイヤをプーリで巻き付けてワイヤを見掛け上縮ませたり、ワイヤをプーリから引き出してワイヤを見掛け上伸ばしたりすれば、前記形状記憶合金製ワイヤ551,561と同様の動きをさせることができる。アーム7の代わりにスクリューネジ機構を付けて当該スクリューネジをワイヤで引っ張ることで複数方向の回転動作をさせることも可能である。
【0069】
また、上述した実施の形態では、光センサ108がセンサユニット3に内蔵されている場合で説明したが、これに限定されるものではなく、前記光センサが前記本体フレームに内蔵されている場合もあり得る。この場合は、例えば、透明樹脂製やガラス製の光ファイバー又はライトガイドの一端を前記採光窓に差し込むなどし、かつ、前記光ファイバー又はライトガイドの他端を前記光センサに接しさせて前記採光窓からの光を間接的に検出する構成となる。
【0070】
センサユニット3の配置等は任意に設計変更可能であり、複数のセンサユニット3を配置することも可能である。前記アクチュエータとして形状記憶合金製ワイヤ551,561を用いる場合には、直流電流を通電しても良いし、交流電流を通電しても良い。本発明の光センサ装置1は、モニターを組み立てる際に組み込んでもよく、モニターを組み立てた後に組み付けても良い。本発明によれば、モニター画面が大きくなった場合にも、シャフト4の長さを長くするだけで、センサユニット3がモニター画面中央を容易に測定できるという大きな特徴がある。本発明は、液晶、有機EL、プラズマ等の各種画像表示モニターに適用可能であり、これ以外にも、被測定対象物周囲の額縁領域に配されるベゼル20と、被測定対象物からの物理量を測定する光センサ108を有するセンサユニット3とから構成されていれば、各種物理量の測定に応用可能である。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0071】
1 光センサ装置、
2 本体フレーム、
3 センサユニット、
4 制御軸(シャフト)、
4a,4b 第1の回転動作方向、
4b、4c 第2の回転動作方向、
7 アーム、
71 第1のアーム、
72 第2のアーム、
73 スライダ、
74 伸縮ばね、
9 遮光部材、
17 板ばね、
20 ベゼル、
28 ガイド部材、
38 摺動部材、
98 採光窓、
100 画像表示装置(液晶表示装置)、
101 画像表示パネル(液晶画面)、
108 光センサ、
281,381 斜面、
551、561 アクチュエータ(形状記憶合金製ワイヤ)、
729 制御軸4と直交する回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10