(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記装置(1)が、前記測定装置(27)の測定結果に応じて、前記送出されたレーザー光線の波長がほぼ一定となるように、前記レーザーエミッタ(2、2a、2b)を調節する調節装置(29)を備えることにより特徴付けられる請求項2に記載の装置。
前記第1のレーザーエミッタ(2a)と前記第2のレーザーエミッタ(2b)が、共通のエミッタチップ(3)に間隔を置いて配置されることにより特徴付けられる請求項1〜4の何れか一項に記載の装置。
前記光学素子(4、9、10、13、54)の少なくとも1つが、前記参照光(5)を前記各々のレーザーエミッタ(2)の前記参照光(5)が異なる基準入射角(α)で前記検出器(12)に入光するように反射する構成になっていることにより特徴付けられる請求項1〜5の何れか一項に記載の装置。
マイクロ光学アレイ(38)が、前記レーザーエミッタ(2、2a、2b)の前記レーザー光線を前記参照光(5)と前記照射光(6)に分割し、両方の光(5、6)の群に異なる照射プロファイルを提供する前記ビームスプリッタ(48、50)を備えることにより特徴付けられる請求項1〜7の何れか一項に記載の装置。
前記マイクロ光学アレイ(38)が、前記レーザーエミッタ(2、2a、2b)の前記照射光(6)および/または前記参照光(5)を偏光させるために、少なくとも1つの偏光子(47、51)を備えることにより特徴付けられる請求項8に記載の装置。
前記光学素子の少なくとも1つが、色分散レンズ(14、53、56)として、または色分散鏡(10)として構成されることにより特徴付けられる請求項1〜10の何れか一項に記載の装置。
前記装置(1)が、2つのエミッタチップ(3)と2つの検出器(12、58)を備えており、前記1つのエミッタチップ(3)に配置される前記レーザーエミッタ(2、2a、2b)の前記レーザー光線が、前記1つの検出器(12)に入射し、前記別のエミッタチップ(3)に配置される前記レーザーエミッタ(2、2a、2b)の前記レーザー光線が、前記別の検出器(58)に入射することにより特徴付けられる請求項1〜11の何れか一項に記載の装置。
前記装置(1)が、前記物体(15)に配置される層(75)の前記厚さを測定するための測定器(31)を備えることにより特徴付けられる請求項1〜12の何れか一項に記載の装置。
前記測定器(31)が、偏光解析法の原理に基づいて、前記物体(15)に配置された前記層(75)の厚さを測定するように構成されていることにより特徴付けられる請求項13に記載の装置。
前記装置(1)が、複数の光学素子(50、53、56、57、63)を有する光学系(52)を備え、前記光学系(52)が、患者の口腔内領域または孔(62)に挿入可能に構成されていることにより特徴付けられる請求項1〜15の何れか一項に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
いずれの特許明細書でも、2種類以上の波長を有する光が同一の角度で物体に入射する。これにより、表面が若干粗い物体の後方散乱光における波動性の結果として、いわゆる建設的(光)かつ破壊的(暗部)な干渉が生じるため、いわゆるスペックルノイズが発生する。物体は、そのため観察者の眼には、スペックルまたはスペックルノイズを示す「粒状物」として映る。
【0008】
上述の理由より、物体は、物体の3次元構造の検出ならびにスペックルノイズを低減するための小型の装置を提供することで得られる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の前文に係る装置は、この物体解析の出発点としてとらえられる。物体は、請求項1の特徴部分に付与されている建設的特徴によって解析される。
【0010】
装置は、レーザーエミッタのレーザー光線の2本の波長を測定する測定装置を備えている。測定装置は、検出器による干渉縞の記録に影響を及ぼす。例えば、温度変化等の不安定要素により、レーザーエミッタが波長変動を呈する光線を発生させる場合がある。測定装置を用いることで、干渉縞を評価する際、レーザーエミッタから生じるレーザー光線の波長と、波長の時間的効率性を確実に知ることができる。
【0011】
任意選択的に、測定装置によってレーザーエミッタのレーザー光線の波長の時間効率性を測定し、制御装置は波長がほぼ一定の場合に検出器を作動させ、干渉縞の記録を開始させる。
【0012】
これは、装置が、任意選択的に、レーザーエミッタのレーザー光線の波長の時間効率性の測定を可能にする測定装置を備え、測定装置が、任意選択的に波長がほぼ一定の場合に検出器を作動させ干渉縞の記録を開始させるのに適切な制御装置に接続されていることを意味している。
【0013】
検出器を用いて干渉縞の記録を行う間、波長の時間効率性がほぼ一定であれば、好都合である。本発明の背景において、ほぼ一定の波長という用語は、波長変動が送出波長の10
−6〜10
−7倍、すなわち約0.1〜1pmであるものと理解される。干渉縞は、10〜100μ/秒の露光時間で記録されることが好ましい。露光時間を短くすることにより、物体が多少動いても、位相感受性の記録が不明確なものとなることはない。
【0014】
装置は、送出されるレーザー光線の波長をほぼ一定にして、測定装置の測定結果に応じてレーザーエミッタを調節する調節装置を有することも可能である。
【0015】
レーザーエミッタは、第1のレーザーエミッタの照射光と第2のレーザーエミッタの照射光が異なる入射角で物体に入射するように配置される。個々のレーザーエミッタの照射光は、比較的小さい入射角で物体に入射するのが好ましい。例えば、2基のレーザーエミッタを用いる場合、典型的な入射角は約0.11°である。発明の背景において、好都合にも2基以上のレーザーエミッタを使用する場合、例えば、照射光が8本の場合は、最大1°、約0.8°の入射角で物体に入射することが好ましいと判っている。照射光の入射角をより大きくすることも可能能である。
【0016】
レーザーエミッタは、少なくとも総出力100mWのレーザー光線を送出し、総出力は露光時間に強く依存していることが、好ましい。
【0017】
照射光という用語は、発明の背景において、測定対象物に入射する送出レーザー光線の一部と理解される。物体光という用語は、物体から反射する照射光を示す。参照光は、参照波として不変の物体光に干渉し検出器に入射する送出レーザー光線の一部分である。
【0018】
本発明の背景において、発明に係る装置はまたヒトの口腔領域内でも使用可能であることが判っている。特に、口腔内領域において、例えば、デンタルスキャナとして、表面部分や物体を検出する装置を使用することが可能である。これらの要件を満たすために、装置は、少なくとも装置の一部分を口腔内領域に挿入可能な対応した寸法を有していることが好ましい。
【0019】
測定装置をファブリペロー干渉計として構成することが好都合である。ファブリペロー干渉計は、一般的に先行技術より既知である。本例では、ファブリペロー干渉計の共振器は2枚のガラス板を備えており、それぞれに鏡面が蒸着されている。共振器の共振条件により、特定の波長を有するレーザー光線が蒸着された鏡を透過し、本例では、検出器アレイによって検出される。ファブリペロー干渉計を用いることで、個々のレーザーエミッタが特定の波長帯でレーザー光線を送出する場合、波長を正確に測定することができる。ファブリペロー干渉計は、レーザーエミッタによって送出されるレーザー光線の波長が基本的に一定の安定性を有していることが必要である。本発明のレーザーエミッタは、斯様な基本的な安定性を提供することが可能である。
【0020】
第1のレーザーエミッタと第2のレーザーエミッタは、間隔を置いて共通のエミッタチップ上に配置することが好ましい。例えば、レーザーエミッタは、マルチレーザーダイオードとして構成される。個々のレーザーエミッタは、好ましくは相互に最大0.5mm離して、特に好ましくは最大0.2mm離して、とりわけ好ましくは最大0.1mm離して配置される。
【0021】
このように距離を小さくすることで、極狭小な空間に複数のエミッタを配置することが可能になる。複数のエミッタが波長群を形成し、その波長群を用いることによって、物体の3次元表面情報および物体の個々の物点(物体の表面点)の深さに関する情報を検出することができる。2つ以上の波長群を同じチップ上に配置して、スペックルを減少させることも可能である。
【0022】
装置は、好都合には最大32基のレーザーエミッタを備え、好ましくは最大16基のレーザーエミッタが各々1つのエミッタチップ上に配置される。例えば、1つのエミッタチップ上に配置される16基のレーザーエミッタすべてが異なる波長のレーザー光線を送出する。16基のレーザーエミッタはすべて、中心波長の割り当てが可能な波長群を形成する。本発明の背景において、中心波長は、1つの波長群のレーザーエミッタより送出されるすべての波長の平均と理解される。
【0023】
ただし、4基のレーザーエミッタを1つのエミッタ上に隣接させて4列に並べ、16基のレーザーエミッタを配置することも可能である。4基のレーザーエミッタを有する各列が波長群を形成し、そこに中心波長を割り当てることが可能である。1つの波長群のレーザーエミッタが、それぞれ異なる波長を有するレーザー光線を送出する。好ましくは個々の列、すなわち異なる波長群は、その中心波長が一致している。
【0024】
中心波長は、好ましくは750〜850nm、特に約800nmとすることができる。950nm前後または1300nmの中心波長も可能である。可視スペクトル域の中心波長も可能であるが、この達成は技術的な課題である。
【0025】
他の構成も可能であり、1つ、2つまたは4つの波長群を1つのエミッタチップ上に配置することが好ましい。1つの波長群のレーザーエミッタ数は変更可能であり、4、16または、32基に確定されるものではない。また、個々の波長に関するエミッタの配置は、必ずしも単調に上昇または下降させるものではなく、「ランダム」な場合もある。同様に、エミッタチップ上の波長群の数は、上述の数と異なる場合がある。
【0026】
1つのエミッタチップ上に複数の波長群を隣接させて配置する方法が好都合であり、それによってスペックルの減少が達成可能となる。スペックルパターンは、物体の一様でない面からのレーザー光線の反射によって形成され、その構成は物体に対する照射光の入射角に強く依存するため、物体の識別を困難にする。複数の波長群をエミッタチップ上で隣接して配置する場合、照射光の入射角より大きい角度のスペクトルが生じる。個々の波長群において、照射された同じ物点の深さ情報が、次いで異なる平均入射角で検出される。平均入射角は、1つの波長群の入射角を平均化した入射角と解釈される。波長群の深さ情報を平均化することにより、スペックルパターンの影響が低減する。
【0027】
スペックルを低減させることができた場合、異なる波長群と中心波長が一致すれば、好都合である。干渉縞のその後の評価における支出は、これにより低く抑えられる。但し、個々の波長群が異なる中心波長を有するレーザー光線を送出する場合にも、スペックルの減少は可能である。波長群の中心波長が相互に異なる場合も、中心波長は相互に近接しており、中心波長の変動は約50〜100nmとなる。
【0028】
1つ以上の波長群を各々有する2つ以上のエミッタチップを使用することが可能であり、中心波長が一致または異なる場合があることが理解される。
【0029】
本発明は、レーザーエミッタ数が32基に限定されるものではないことが、明確に指摘されている。2つのエミッタチップに分けられる計32基のレーザーエミッタによる構成は、好ましい一実施形態にすぎない。好ましくは、複数のエミッタチップ/波長群に分割して、計32基よりはるかに多くのレーザーエミッタを使用することが可能である。波長群の数が多いほど、干渉縞の評価時のシグナルノイズを低減することができる。使用されるレーザーエミッタと波長群の数は、検出器の大きさ/画素密度、物体上の照射野の選択、並びに干渉縞の評価で利用可能な計算能力によってのみ制限される。
【0030】
光学素子の1つは、参照光を反射して、個々のレーザーエミッタの参照光が異なる入射角で検出器に入射するように構成されている。同一の波長の参照光と物体光が異なる入射角で検出器に入射することが好ましい。例えば、調査対象の物体の物点から反射する物体光は、波長にかかわらず、同じ入射角で検出器に入射する。この状態で、物体の表層構造の最小限の粗度が予想される。理想的に平滑な物体の場合、物体光に関して異なる関係が得られる。
【0031】
参照光と照射光のビーム経路は、部分的に重複しており、波長が1つの、すなわち同じレーザーエミッタから送出された参照光と物体光が相互に干渉する。送出される波長ごとに干渉縞が形成されるため、例えば、処理装置では、すべての波長依存的な干渉縞から、物体表面上の物点の位置と物点の深さ位置が、フーリエ変換やフレネル変換によって求められる。
【0032】
任意選択の実施形態において、光学素子の少なくとも1つは、ホログラムである。ホログラムは、照射光を偏光させて、照射帯として物体に入射させる。例えば、ホログラムはマイクロホログラムとして用いられる。物体が検出されると、物体は、装置と物体が相対運動する間に走査方向に沿って走査される。好ましくは、照射帯は矩形に構成され、矩形の短辺は走査方向と平行しており、長辺は走査方向と直角になっている。マイクロホログラムは、矩形の照射帯の長辺に沿った開口数が矩形の照射帯の短辺に沿った開口数より大きくなるように、照射光の開口数を変化させる。
【0033】
例えば、溶接線を検出する場合、溶接線の輪郭を走査方向と定義する。矩形の照射帯の長辺が走査方向と交差するため、溶接線の全幅は、照射帯を用いて検出することが可能である。
【0034】
干渉縞の記録での露光時間は短いため、検出器で記録される溶接線の領域は一部重複する。これにより、例えば、検出器に対する物体の動き、または検出時の装置の補償される機械的誤差によって、高低差が生じる。
【0035】
但し、ホログラムが照射光を分割し、2本の照射帯が物体に入射するように照射光を偏光させることも可能である。両方の照射帯は、走査方向(短辺)に沿って配置されていることが好都合である。これにより、本発明に係る装置をハンドスキャナとして動作させることができる。2本の照射帯が使用されるため、考えられる相対運動、特に物体に対する装置の相対回旋運動が検出可能であり、評価に加味することができる。ホログラムは、2本以上の照射帯が物体に入射するように、照射光を分割し偏光させることが可能であると理解される。
【0036】
光学素子の少なくとも1つはマイクロ光学アレイであることが、好都合である。マイクロ光学アレイは、例えば、レンズ、ビームスプリッタ、サーキュレータおよび/またはホログラム等の極めて緻密に配置された異なる光学部品の組合せである。マイクロ光学アレイは、好ましくは、ビーム経路のレーザーエミッタの直後に設置される。
【0037】
マイクロ光学アレイは、レーザーエミッタのレーザー光線を参照光と照射光に分割するビームスプリッタを備えていることが好都合である。好ましくは、参照光と照射光は少なくとも部分的に重複している。従って、装置の光学系の構造は、特に小型化が可能である。
【0038】
好ましくは、マイクロ光学アレイは、照射光および/または参照光を偏光させるために、偏光子および/またはサーキュレータを備えている。好ましくは、参照光は照射光に対して偏光され、偏光面は、偏光子および/またはサーキュレータにより90°回転する。一方、照射光の偏光は、影響を受けない。これは、偏光ビームスプリッタがビーム経路において、例えば、1度偏光されたレーザー光線、特に参照光を透過させ、2度偏光されたレーザー光線特に照射光を反射するマイクロ光学アレイの後に配置されている場合に有利である。また、照射光を偏光子および/またはサーキュレータを用いて90°回転させ、参照光には影響を与えないようにしておくことも可能である。
【0039】
マイクロ光学アレイは、ホログラムを備えることも可能である。ビーム経路に配置されるレンズの精度要件は、それにより低減される。これにより、装置の製造に要するコストが削減される。
【0040】
マイクロ光学アレイのホログラムはまた、好ましくは、参照光および照射光がそれぞれ異なる開口数でマイクロ光学アレイから出るようにする効果を有している。例えば、参照光の開口数は多くなるが、照射光は、少なくとも矩形の照射帯の短辺に沿って、極めて少ない開口数で、マイクロ光学アレイから出てくる。さらに、ホログラムを用いることで、複数の照射帯、例えば、2本の照射帯を容易に発生させることができる。
【0041】
任意選択的に、光学素子の1つは、色分散レンズとして構成される。好ましくは、色分散レンズは物体光のビーム経路、すなわち、物体の照射光が反射した後のビーム方向に配置される。これにより干渉縞の評価を行うためのフーリエ変換またはフレネル変換に要する費用を削減することが可能となる。
【0042】
発明の更なる実施形態は、装置が2つのエミッタチップと2つの検出器を備え、送出されるレーザーの第1の中心波長を有し1つのエミッタチップ上に配置されたレーザー光線が1つの検出器に入射し、送出されるレーザーの第2の中心波長を有し別のエミッタチップ上に配置されたレーザー光線が別の検出器に入射する点で特徴付けられている。例えば、異なる中心波長を有する2つのエミッタチップを使用する場合、個々のレーザー光線は、例えば、レーザー光線をその中心波長に応じて透過または反射させるビームスプリッタによって分割可能となり、第1の中心波長を有するレーザー光線は、第1の検出器に入光し、第2の中心波長を有するレーザー光線は、第2の検出器に入光する。
【0043】
好都合にも、この装置は、物体上の層の厚さを測定するための測定器を備えている。従って、物体の表面に加えて、物体上に存在すると考えられる層の厚さを検出することも可能である。装置をデンタルスキャナとして使用する場合、歯肉厚さを測定することが可能である。例えば、斯様な層厚さの測定は、追加のコンポーネントを用いることなく本発明に係る装置によって、可能である。好ましくは、測定器は、処理装置の一部分として構成される。1つのみならず複数の表面、例えば、2つまたは3つの表面に対して、複数の波長の干渉縞からの位相情報を用いることで、検出を行うことが可能である。基本的に、波長群において波長が多くなるほど、1つ以上のさらなる表面に対する検出が確実に行われる。好ましくは、この装置を用いて2つの面を検出し、相互の関係を設定しておく。物体上の層の外面は第1の表面として検出され、測定対象となる層が配置されている物体の表面は第2の層として検出される。
【0044】
屈折率が判っていれば、2つの表面の距離の差から、層の厚さ、例えば、歯肉厚さが求められる。
【0045】
同様の好ましい実施形態は、測定器が周波数走査干渉分光法の原理に従って作動する白色光ポイントセンサーを備える点で特徴付けられる。周波数走査干渉分光法の原理は、先行技術より既知である。代替的に、この測定器に代わる他の方法を用いることも可能である。好ましくは、白色光ポイントセンサーは、中心波長が1300nm前後でスペクトル幅が10nm〜100nmの広域スペクトルを有する光を発生する光源を備えている。特に散乱層、例えば、歯肉は、1300nmの中心波長を有する白色光ポイントセンサーを用いて直接測定することができる。歯肉厚さを測定した後、歯肉厚さは、次いで、測定器を用いない発明に係る装置のみで検出される歯肉の表面と関連付けられる。これにより、歯肉下の歯の表面を3D測定することが可能になる。
【0046】
測定器は、偏光解析法の原理に基づいて構成し、物体上の層の厚さを測定することも可能である。偏光解析法の原理は、先行技術より既知である。極めて薄い層、すなわち約0.01μm〜1μmの極めて薄い層は、偏光解析手法を用いて測定可能である。このため、本発明は、別のエミッタがマルチエミッタチップ上の別の側方位置に装着されていることで、物体に異なる角度で光を送出することが可能な場合に使用される。照射光の個々のエミッタの固定調整された偏光子および/または物体光上の異なる場所で固定調整された解析器(偏光子)を用いることで、すべての情報を総合し薄い皮膜の厚さを測定することができる。同時に、物体の完全な3次元表面情報は、上記の手順により入手可能である。
【0047】
本発明によれば、追加の光学系は、偏光解析手法において薄い被覆に対する感度が顕著に上昇することが知られている極平坦な角度で、光が物体に入光するように構成することができる。
【0048】
本発明は、以下、図に示される好ましい実施形態を参照して説明する。図中に示される特定の特徴は、本発明の好ましい構成を展開するために、個別または組合せで用いることができる。記載される実施形態は、請求項で定義される主題の一般性を何ら限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1aは、複数のレーザーエミッタ2、とりわけ第1のレーザーエミッタ2aと第2のレーザーエミッタ2bを備えるマッハツェンダー型の(マッハツェンダー型に係る)装置1の第一の実施形態を示している。レーザーエミッタ2は、エミッタチップ3上に配置される。レーザーエミッタ2同士は、好ましくは、互いに1mm以下から0.1mm未満の距離をおいて配置され、マルチレーザーダイオードとして構成される。
【0051】
図1aにおいて、エミッタチップ3上に配置される5基のレーザーエミッタ2を、例示することができる。しかしながら、エミッタチップ3上には32基以上のレーザーエミッタ2を配置することも可能である。
【0052】
レーザーエミッタ2は各々、単一の波長を有するレーザー光線を送出する。レーザーエミッタ2の波長はそれぞれ異なるため、レーザーエミッタ2は各々異なる波長を有するレーザー光線を送出する。好ましくは、隣接する2基のレーザーエミッタ2からのレーザー光線の波長は、例えば、1nmと僅かに異なるのみである。エミッタチップ3上に8基または16基のレーザーエミッタ2が構成される場合、これはスペクトル幅が8nmまたは16nmであることを意味する。
【0053】
装置1は、レーザーエミッタ2のレーザー光線をそれぞれ参照光5と照射光6に分割する第1のビームスプリッタ4として構成される光学素子を備える。第1のビームスプリッタ4は、参照光5を反射して、照射光6を透過する半透過鏡であり得る。
【0054】
図1aにおいて、参照光5は、エミッタチップ3上に配置される第1のレーザーエミッタ2aの参照波7の形態で例示されている。照射光6は、エミッタチップ3の第1のレーザーエミッタ2aでは照射波8aの形で示され、第2のレーザーエミッタ2bでは照射波8bの形で示されている。
【0055】
参照波7は第1のビームスプリッタ4で反射した後、その経路の先で、鏡9として構成される光学素子と、放物面鏡10として設計されたさらなる光学素子に入射する。鏡9と放物面鏡10は、一方では、集束された状態で鏡10から発し、一方では、0ではない基準入射角αで平面波11として検出器12に入射するよう、参照光5を反射する。検出器12は、好ましくは高解像度の2D表面センサとして構成される。
【0056】
鏡9と放物面鏡10は、異なる波長を有する、すなわち、異なるレーザーエミッタ2から来た参照光5が、異なる基準入射角αで検出器12に入射するよう個々のレーザーエミッタ2の参照光5を反射する構成になっている。
図1において、放物面鏡10は、ある時には破線で、またある時には実線で、2つの異なる位置に示されている。参照光5の基準入射角は、放物面鏡10の配置によって影響される場合がある。
【0057】
第2のビームスプリッタ13として構成される光学素子は、放物面鏡10と検出器12の間に配置され、それにより通過する参照波7を若干減衰させることができる。
【0058】
第1のビームスプリッタ4を通った後、照射波8a、8bは、第2のメインビームスプリッタ13によって僅かに減衰した状態で透過し、レンズ14として構成される光学素子に入射する。レンズ14は照射波8a、8bを、例に示すように、物体15上の物点16に導く。物点16は理想的には、レンズ14の焦点f
0に、あるいは焦点f
0付近の集束帯に位置している。物体15はまた、物点16が集束帯の外側に位置する場合には、依然として3次元的に検出可能である。
【0059】
レンズ14の焦点付近の光軸に沿ったレンズ14の集束帯(
図1aにおける物点16)は、レンズ14を透過するレーザー光線の波長とレンズ14の開口数に依存して延長する。本事例において、レンズ14の開口数を約0.2とする場合、レンズ14の焦点から始まる集束帯の延長部分の長さは光軸に沿って物体方向に約+/−15μmである。
【0060】
レーザーエミッタ2から送出される照射波8aは、僅かに球面を呈するため、レンズ14を用いることで平面波に変換される。
図1において、これは、レンズ14を通った後互いに平行に走る照射波8aのビーム端17において確認することができる。照射波8aは、ほぼ平面波として、略直角に、すなわち約0°の入射角で物体15に入射する。
【0061】
照射波8bは、レンズ14を通過すると、照射波8aとは対照的に、平面波に変形するだけにとどまらない。照射波8bは、レンズ14により更に偏光し、照射波8aの入射角とは異なる入射角βで物体15に入射する。レンズ14に対するレーザーエミッタ2の異なる配置により、個々のレーザーエミッタ2の照射光5は、異なる入射角βで物体15に入光する。好ましくは、個々のレーザーエミッタ2の照射波8a、8bはすべて、矩形の照射帯19内で物体15に入射する。
【0062】
物体15は、いずれもレーザー光線を反射する限定数の物点16を有すると理解される。以降、照射波8a、8bの反射については、選択された物点、特に物点16に関し、そして検出器12の方向の更なるビーム経路に関する例として説明する。物体15で反射する照射波8a、8bや物体15で反射する照射光6は、以降、物体波20または物体光21と称する。
【0063】
照射波8a、8bは、入射角βに関係なく、エッジビーム22を有する物体波20として物点16から球面波の形で反射する。物体波20はレンズl4に入射し、レンズl4によって略平面波23に変換される。これは、物点16が上記の集束帯内または、
図1に示すように、レンズ14の焦点f
0に存在する場合にみられる。物点24が集束帯の外にある場合、物点24から送出される物体波20は、レンズ14によって僅かに湾曲した波に変換される。
【0064】
物体波20は、第2のビームスプリッタ13に入光し、第2のビームスプリッタ13は、次いで、約0°の入射角γ、すなわち90°の角度で検出器12の検出器表面25に入射するよう、物体波20を反射させる。平面波23としての物体波20は、
図1aにおいて検出器表面25と平行に走る水平線として示されている。
【0065】
物体波20の入射角γは、物点16、24の位置に依存する。
図1における物点16と同じように、物体波20がレンズ14の光軸上に存在する場合、既に記載しているように、物体波20は、次いで、検出器表面25に0°の入射角γで入射する。もう1つの物点、例えば、物点26で反射する場合、検出器表面25に入射する際の入射角γは、ゼロではない。
【0066】
物体波20が検出器表面25に入射角γで入射するのに対して、参照波7は、基準入射角αで検出器表面25に入光する。基準入射角αと入射角γは、ゼロとは異なる差角度δだけ相違する。
【0067】
参照波7と同じ波長の物体波20とは、検出器表面25の方向の経路上において、第2のビームスプリッタ13より後方で遭遇するため、相互に干渉する。この干渉の結果、特定の空間周波数の干渉縞が、差角度δの関数として形成され、その差角度δは検出器12を用いて記録される。空間周波数は、1つの波長の参照光5と物体光21との建設的(信号強調)かつ破壊的(信号減衰)な干渉によって形成される信号振幅の(擬似)正弦波振動によって得られる。
【0068】
基準入射角αがレーザーエミッタ2の位置の関数として変化するため、物点16、24、26の各々において、波長ごとに異なる差角度δが形成される。物体15上の照射領域、レーザーエミッタ2の数、それらの間隔(したがって、基準入射角α)および2次元面検出器12の画素条件の整合が可能であるため、空間周波数は不明確なものとはならない。
【0069】
検出器12で干渉縞を記録するための要件は、干渉縞が記録されるレーザー光線が、個別のレーザーエミッタ2によって、ほぼ一定の波長で送出されることである。この目的において、装置1は、ファブリペロー干渉計27として構成される測定装置を有していることが好ましい。ファブリペロー干渉計27は、一般的に先行技術より既知であり、レーザーエミッタ2より送出されるレーザー光線の波長の連続的な測定を可能にする。ファブリペロー干渉計27は、波長がほぼ一定の場合に検出器12を作動させ、検出器12によるレーザー光線の記録を開始させる制御装置28に接続されている。
【0070】
従ってこのことは、装置1が、レーザーエミッタ2、2a、2bからのレーザー光線の波長の時間効率性の測定を可能にする測定装置27を備え、波長がほぼ一定の場合、検出器12を作動させ干渉縞の記録を開始させるのに適した制御装置28に、測定装置27が接続されていることを意味している。
【0071】
任意選択的に、装置1は、ファブリペロー干渉計27による測定結果の関数として、送出されるレーザー光線の波長がほぼ一定となるようレーザーエミッタ2を調節する調節装置29を有することが可能である。
【0072】
干渉縞は、レーザーエミッタ2ごとに、したがって検出器12を用いて波長ごとに記録され、処理装置30によって分析および評価される。処理装置30は、種々の空間周波数から成る干渉縞を、3D画像情報を含む周波数領域に変換させる。
【0073】
レーザーエミッタ2の照射光6の物点16、24、26での反射と従属する参照光5に対する干渉によって形成される干渉縞の評価については、以下で詳細に説明する。
【0074】
物点16、26が焦点f
0またはレンズ14の焦点領域に位置する場合、すなわち、レンズ14通過後の物体波21が準平面波23として構成される場合、フーリエ変換を用いて周波数領域(周波数範囲)に変換することが好ましい。物点24が集束帯の外側に位置する場合、すなわち、物体波20がレンズ14の通過後に僅かに湾曲した波として構成される場合、周波数領域への変換は、フレネル変換を用いて行うことが好ましい。
【0075】
周波数領域では、干渉縞を2つの態様に関して評価する。1つの態様では、物体15上の物点16、24、26の位置が、参照光5を用いて測定されるため、レーザーエミッタ2の配置によって、レーザー光線が現在の干渉縞を構成する結果となる。
別の態様においては、深さ情報が、物点16、24、26ごとに測定される。深さ情報という用語は、本発明の背景において、物点16、24、26の深さにおける位置、即ち
図1aにおけるレンズ14の光軸に沿った位置と解釈される。深さ情報は、物体15上の隆起部や陥凹部を識別する場合に用いられる。
【0076】
物点16、24、26の位置と個々のレーザーエミッタ2の位置は、差角度δを用いることにより測定される。物体波の入射角γと、したがって差角度δもが、物点16、24、26の位置に依存するため、物点16、24、26の位置の特定の空間周波数特性を有する異なる干渉縞が、物点16、24、26の位置の関数として得られる。同時に、物点16、24、26の位置の関数として空間周波数が変動する周波数帯の幅は、個々のレーザーエミッタ2ごとに狭められて制限されている。
【0077】
差角度δはさらに、エミッタチップ3上における個々のレーザーエミッタ2の位置に依存している。更に上記において既に述べているように、個々のレーザーエミッタ2の参照光5は、個々のレーザーエミッタ2の位置に応じて、異なる基準入射角αで検出器12に入射する。結果的に、個々のレーザーエミッタ2は、例えば、隣接するレーザーエミッタ2から有意に異なる空間周波数を発生させる。異なるレーザーエミッタ2の位置に基づいて空間周波数にこれらの有意な差が生じ、結果、空間周波数の差は、異なる物点16、24、26に基づく変動と混同されることはない。個々のレーザーエミッタの位置で、特にエミッタ2ごとの物点の数をカバーし得る空間周波数帯が可能になる。隣接するエミッタ2には、空間周波数の別の帯域等が存在することになる。従って、相数変換(例えば、フーリエ変換、フレネル変換)の後、深さ情報は、特定の水平方向の物点16、24、26ごとに、局所的な干渉縞の位相値より求めることができる。
【0078】
物点16、24、26の位置に関する情報と、個々のレーザーエミッタ2に関する情報並びに個々の物点16、24、26の深さ情報とを組み合わせることにより、物体15の3次元構造が測定可能である。
【0079】
実際の測定において、すべてのレーザーエミッタ2は、レーザー光線を同時に送出し、それにより複数の干渉縞が検出器表面25に形成される。すべての干渉縞は、検出器12によって同時に記録され、処理装置30によって評価される。物体15の3次元構造は、次いで、すべての干渉縞のこれらの評価に基づいて形成される。
【0080】
装置1は、好ましくは、物体15上に配置される層(図示せず)の層厚さをさらに測定することが可能である。物体15上に層が配置される場合、レーザーエミッタ2によって送出されるレーザー光線の波長が異なり、結果、照射波8a、8bは、一部が層の表面で反射し、照射波8a、8bの他の部分は層を通過して、物体15の表面で反射する。周波数領域における干渉縞の評価では、物点16、24、26ごとに僅かに異なる2組の深さ情報が入手可能である。層の厚さは、異なる深さ情報によって測定することができる。装置1は、従って、層の厚さを測定するために、処理装置30の一部として構成することが可能な固有の測定器を備えている。装置1で測定可能な最も小さい層の厚さは、波長群の送出波長のスペクトル幅によって求められる。
【0081】
図1bは、装置1の第二の実施形態を示す。装置1は、測定対象となる層75で反射するレーザーエミッタ2の物体光21を測定可能な測定器31を備えている。
図1aの装置1とは対照的に、測定器31は偏光解析法の原理に基づいて作動するため、物体上に配置される層75の厚さを測定することが可能である。層の厚さを測定するための偏光解析法は、先行技術より既知である。
【0082】
測定器31は、レーザーエミッタ2を備えている。
図1aとは対照的に、
図1bのレーザーエミッタは異なった偏光を示す。例えば、
図1bでエミッタチップ3上に示される3基の上側のレーザーエミッタ2、2aは、P偏光等の第1の形態で偏光される。
図1bの下側の3つのレーザーエミッタ2、2bは、S偏光等の第2の偏光であり、第1の偏光とは異なる。
【0083】
例えば、
図1bの最上部のレーザーエミッタ2aの第1の照射波32と、
図1bの最下部のレーザーエミッタ2bの第2の照射波33は、エミッタチップ3上に示されている。2つの照射波32および33のビーム経路は、以下で詳細に説明する。
【0084】
照射波32は、レンズ14によって平面波に変換され、物体15の層75の表面76に入射角φで入射する。照射波32の一部は、層75の表面76で物体光21として反射する。照射波33の一部は、層75を通過し、層75が配置されている物体15の表面34で、同じく物体光21として反射する。物体光21として反射する照射波33は、
図1bで第1の物体波35として示されている。
【0085】
第1の物体波35は、表面34および表面76の平面波として反射し、反射後、再度レンズ14に入射する。レンズ14は、以降の経路において、第2のビームスプリッタ13で反射し、点光として検出器12の検出器表面25に入射する第1の物体波35を焦束させる。検出器12は、点光として検出器表面25に入射する物体波35を検出する。
【0086】
第1の照射波32が反射する層75の極平滑表面76と物体15の極平滑表面34は、記載のビーム経路と想定される。僅かに湾曲した表面76または34によって点光は検出器12に導かれ、湾曲に応じて広がる。
【0087】
第2の照射波33は、鏡像として第1の照射波32に進む。第2の照射波33と第1の物体波35は、このため少なくとも一部重なり合っている。第2の照射波33は、表面76、34で第2の物体波36として反射し、レンズ14によって焦束され、第2のビームスプリッタ13で反射して、点光として検出器12の検出器表面25に入射することになる。検出器12は、その検出器表面25に点光として入射する物体波36を検出する。
【0088】
物体波35、36を基にして、物体15上に配置される層75の厚さは、次いで、既知の方法にて、処理装置30を用いて測定可能である。
【0089】
層75および物体15は、
図1aに示すように、物体光21を球面波として反射する粗面76、34を有することも基本的に可能である。斯様な方法も、先行技術より既知である。この場合、層75の表面76上の個々の表面点(図示せず)および物体15の個々の物点16は、散乱点と解釈される(
図1aを参照)。個々の表面点および物点16のすべての情報は、これにより、平滑面とは対照的に、全検出器表面25にマッピングされる。
【0090】
任意選択的に、装置1は、第2のビームスプリッタ13と検出器表面25の間に配置された1基以上の解析器を備えることが可能である。解析器37は、それを用いることによりレーザー光線の偏光状態を測定することが可能な偏光子として構成される。解析器37を使用する場合、レーザーエミッタ2は、好ましくは45°の偏光角を有するレーザー光線を送出し、照射波32、33は線形に送出され、層75または物体15上に偏光される。照射波32、33が、層75または物体15で反射した後、物体波35、36は、エミッタ2aおよび2bの位置に対応するように配置された、物体波35、36の偏光を測定するための解析器37に入射する。例えば、レーザーエミッタ2aのレーザー光線とレーザーエミッタ2bのレーザー光線は、層75の層厚さによって、異なる偏光を示す。物体波35、36は、次いで、これらを検出する検出器12に入光する。この状況において、エミッタ2aおよび2bの位置に対応するように配置されるとは、解析器37がレーザーエミッタ2a、2bより送出されるレーザー光線のビーム経路に従って配置されることを意味している。
【0091】
レンズ14を2枚の部分レンズとして用いることも更に可能であり、その場合、2つの照射波32、33の各々は、それぞれ2枚の部分レンズの1つを透過する。追加の鏡(図示せず)を用いることで、照射波32、33は、2枚の部分レンズを透過した後、層75または物体15に導かれる。このため、30°以上の入射角φを達成することが可能となる。尚、入射角は、57°に近いことが好ましい。層厚さが100nm未満でも、これにより測定可能である。
【0092】
図2は、マイケルソン型の第三の実施形態に係る装置1を示す。本装置1は、光学素子がマイクロ光学アレイ38として構成される点で、
図1aに示される装置1と異なる。マイクロ光学アレイ38は、
図1aに示される第1のビームスプリッタ4の関数を含んでいる。さらに、マイクロ光学アレイ38を用いることにより、参照光5と照射光6とで異なった偏光を生じさせることができる。マイクロ光学アレイ38は、レーザーエミッタ2のレーザー光線を参照光5と照射光6に分割し、参照光5は、照射光6に比して顕著に高い開口数を有する。
【0093】
さらに、
図2に係る装置では、
図1aの装置1と比較して、鏡9が省かれている。レーザーエミッタ2の参照波7は、ビームスプリッタ鏡として構成されるビームスプリッタ13で反射し、放物面鏡10に導かれる。放物面鏡10は、参照波7が検出器12の検出器表面25に基準入射角αで入射するように参照波7を反射させる。
【0094】
ビームスプリッタ鏡13を、レーザー光線をその偏光状態に応じて反射または透過させる偏光ビームスプリッタとして構成することも可能である。例えば、偏光状態が異なる結果、参照波5は反射し、照射光6は透過する。
【0095】
入射角αに対する放物面鏡10の反射特性は、
図2で示すように、検出器表面25に対して僅かに傾斜した放物面鏡10によっても達成可能である。しかしながら、検出器表面25に対して放物面鏡10を傾斜させず、エミッタチップ3とレーザーエミッタ2を水平に配置して、参照光5が常時、0ではない基準入射角αで検出器12に入射するようにすることも可能である。この状況において、レーザーエミッタ2を平行に配置するということは、
図2においてレーザーエミッタ2を垂直方向に置き換える、および/または
図2において像平面に横方向に置き換えることを意味している。
【0096】
放物面鏡10は、円偏光層を2度通過した後偏光状態をビームスプリッタ13の方向に再度90°回転させる円偏光層(図示せず)を任意選択的に有することができる。これは、可能な限り多くの光が検出器12に達するという利点を有する。
【0097】
記載の差とは関係なく、レーザーエミッタ2のレーザー光線は、
図1aの装置1を参照して既に記載されているように進む。検出器2での干渉縞の評価も、
図1aの装置1と同様に行われる。
【0098】
ビームスプリッタ13は、
図2において4本の光学アームを定義する。これらの光学アームについては、マイケルソン構成の理解を深めるべく以下で説明する。第1の光学アームは、レーザーエミッタ2とマイクロ光学アレイ38を有するエミッタチップ3が配置された照射アーム39と定義される。照射アーム39において、照射光6は、ビームスプリッタ13の方向に進む。
【0099】
ビームスプリッタ13は、参照アーム40を第2の光学アームと定義する。参照アーム40では、ビームスプリッタ13によって反射した参照光5は、放物面鏡10の方向に偏光され、放物面鏡10から再びビームスプリッタ13の方向に戻ってくる。放物面鏡10は、好ましくは、参照アーム40に配置されている。
【0100】
3つ目の光学アームは、物体アーム41と称される。レンズ14と物体15は、物体アームに配置されている。任意選択的に、更なるレンズまたは光学素子を物体アーム41に配置することが可能である。物体アーム41では、照射光6は物体15上に偏光し、物体15で反射する物体光は、ビームスプリッタ13の方向に導かれる。
【0101】
4つ目の光学アームは、検出アーム42である。検出アームは、ビームスプリッタ13から検出器12までのセクションと定義される。検出アーム42は、検出器12と、任意選択的に、例えば、複数の検出器12を使用する場合などには、更なるビームスプリッタを含む。
【0102】
可視偏光回転素子は、物体アーム41および参照アーム40において使用可能であることが好ましい。いずれの場合も、照射波および参照波が偏光されることにより、解析器(図に示されていない偏光子)が、光線を検出器12より手前で干渉可能な共通の平面上に戻すようになっていなければならない。偏光素子(マイクロ光学アレイ38を含む)が用いられない場合、物体光21と参照光5の間において「クロストーク」(摂動作用)の増加が予想され、いくらかの費用を投じて修正を行うことが必要となる。
【0103】
図3は、第一の実施形態における
図2のマイクロ光学アレイ38の側方向からの詳細な図を示す。マイクロ光学アレイ38は、原則的に、
図2に係るマイケルソン構成に配置されるだけではなく、任意選択的に、
図1aに係るマッハチェンダー構成においても、装置1のレーザーエミッタ2と更なる光学素子との間に配置されている(
図1a)。
【0104】
個々のレーザーエミッタ2のレーザー光線は、それぞれマイクロ光学アレイ38を透過する。例として、マイクロ光学アレイ38の構造を、以下でレーザーエミッタ2に関して説明する。他のレーザーエミッタ2の場合のマイクロ光学アレイ38の構造は、同じである。
【0105】
マイクロ光学アレイ38は、入力43、第1の出力44、および第2の出力45を有し、レーザー光線はそれらを介して再度マイクロ光学アレイ38から発する。
【0106】
レーザーエミッタ2から送出されたレーザー光線は、入力43を経てマイクロ光学アレイ38に送出された後、好ましくは開口数約0.1の略円形のレーザー光線が形成されるように、レーザー光線を焦束させる棒状の円筒レンズ46を通過する。
【0107】
偏光子47は、円筒レンズ46の後にビーム方向に配置され、
図3のレーザー光線をシート面と直角に偏光させる。ビームスプリッタ48は、次いで、レーザー光線を参照光5と照射光6に分割する。こうして形成された参照光5は、次いで、サーキュレータ49を通過し、サーキュレータ49は偏光面を90°回転させて、即ち参照光5を偏光させて
図3の紙面と平行にさせる。一方、照射光6は、偏光による影響を受けることはない。結果的に、参照光5と照射光6は、異なる方向に偏光される。当然のことながら、偏光状態を逆転させることも可能であり、例えば、
図3のレーザー光線は、偏光子47によって偏光されてシート面と平行になり、参照光5は、サーキュレータ49によって紙面と直角に偏光される。
【0108】
参照光5と照射光6の双方は、次いで、参照光5には多くの開口数をもたらし、照射光6には参照光5より少ない開口数をもたらすホログラム50をそれぞれ通過する。照射帯(1以上)の形状は、これにより事前に定義しておくことが可能である。
【0109】
ホログラム50を通過した後、参照光5および照射光6は、出力44または45を通してマイクロ光学アレイ38から現れる。ただし、個々の光学素子の順序を入れ替えることも、原則可能である。複数のホログラム面を提供することも可能である。
【0110】
図4は、第二の実施形態に係るマイクロ光学アレイ38を示す。マイクロ光学アレイ38は、
図3のマイクロ光学アレイ38に比べて簡略化された構成である。この簡略化されたマイクロアレイ38は、ビームスプリッタ48(
図3)がホログラム50として形成され、マイクロ光学アレイ38がさらにサーキュレータ49と二重偏光子51のみを備えている点が異なっている。
【0111】
レーザーエミッタ2のレーザー光線は、入力43を経てマイクロ光学アレイ38に入る。ホログラム50において、レーザー光線は最初に参照光5と照射光6に分割される。参照光5は、ホログラム50において開口数が多く、照射光6は、参照光5に比べて開口数が少なくなる。同じようにして、照射帯(1以上)の形状は、事前に定義しておくことができる。
【0112】
以下のサーキュレータ49では、参照光5は90°回転させると偏光する。一方、照射光6は、偏光による影響を受けることはない。当然、この逆の場合もあり得る。以下の二重偏光子51では、参照光5と照射光6の両方が偏光される。照射光6の偏光の方向は、先述の通り、参照光5の偏光とは90°異なる。参照光5と照射光6の両方において不要な回転によって生じる偏光片は、二重偏光子51においてともに抑制される。
【0113】
参照光5と照射光6は、次いで、マイクロ光学アレイ38からそれぞれ出力44、45を通じて現れる。また、原則的に、光学素子の順番は入替が可能であり、またホログラム50は、それぞれ少しの作業で2つの単一のホログラムに分割することが可能である。
【0114】
図5は、第四の実施形態に従う本発明に係る装置1を示す。その構造は、
図2のマイケルソン構成に対応したものであり、ビームスプリッタ13に対するレーザーエミッタ2と検出器12の位置は入れ替わっている。さらにまた、ビームスプリッタ13は、偏光ビームスプリッタとして設計され、偏光に応じて光を透過または反射する。
【0115】
前述の装置1に加えて、
図5に係る装置1は、複数の光学素子を含む光学系52を有する。光学系52は、レンズ14から装置1の物体側の端部まで広がる。光学素子の1つは、後方反射器54を備えた第2のレンズ53として構成される。後方反射器54に入射するレーザー光線のうち90%が透過し、10%が反射するのが好ましい。後方反射器54は、レンズ53の前面曲率とともに、
図2の放物面鏡10の関数を引き継いでいる。
【0116】
第2のレンズ53の前面55には、円偏波器(図示せず)が配置されており、それを用いることにより、レンズ53に入射する参照光5と物体光21は、偏光によって90°回転する。これにより、レンズ14を透過した後、完全な後方放射レーザー光線が、偏光ビームスプリッタ13を透過することになる。
【0117】
光学系52の別の光学素子は、レーザーエミッタ2の照射光6が照射帯19として物体15に入射するように偏光させるホログラム50として構成される。特に、個々のレーザーエミッタ2の照射光6の開口数は、ホログラム50を用いることで、一方で2つの相殺し合う照射帯19が形成され、他方でこれらの照射帯19の各々が略矩形の形状を有するように、変更される。光学系52の光学素子でもある第3のレンズ56を用いることで、ホログラム50によって偏光される照射光6は鏡57に導かれ、鏡57は照射光6を物体15に偏光させる。
【0118】
図2と比較してレーザーエミッタ2と検出器12の位置が異なっているため、照射アーム39と検出アーム42の位置は
図2と入れ替わっていた。
図2の装置1とは対照的に、
図5に係る装置では、基準アーム40と物体アーム41は、少なくとも部分的に重なり合っている。
【0119】
照射光6(実線で表示)と参照光5(破線で表示)の経路は、下記において、例として詳細に説明する。
【0120】
レーザーエミッタ2によって送出されるレーザー光線77は、マイクロ光学アレイ38を通過し、偏光状態で、即ち偏光されて再び現れる。レーザー光線77の参照光5および照射光6への分割は、マイクロ光学アレイ38では起こらない(
図3を参照)。
【0121】
マイクロ光学アレイ38から現れるレーザー光線77は、偏光ビームスプリッタ13が、レンズ14を通じてレーザー光線77を物体15の方向に反射させるように、線形に偏光される。レンズ14は、レーザー光線77を平面波に変換する。レーザー光線77は、次いで第2のレンズ53に入光し、レンズ53の前面55で、円偏波器によってその偏光面にて円形に偏光される。レーザー光線77は、更に後方反射器54に入光し、小さな光線片、例えば、レーザー光線77の10%が反射して、第2のビームスプリッタ13の方向に戻る。この反射した光線片は、サーキュレータの新たな経路を通るため、再びレンズ53の前面55で円形に偏光し、その偏光状態が効率的に90°回転することになる。これは、その光線片が円偏波器を2度通過することによって、レーザー光線77の偏光状態が90°回転することを意味している。
【0122】
後方反射器53で反射する光線片は、参照光5を形成し、第2のレンズ14に再び入射する。参照光5は、次いで、偏光状態が変えられた結果、第2のビームスプリッタ13を透過する。第2のビームスプリッタ13を透過した後、参照光5は、検出器12に入射し、それにより記録される。
【0123】
後方反射器54を透過したレーザー光線77の光線片は、照射光6を形成する。透過した光線片は、レーザー光線7の約90%にあたる。後方反射器54は、従って、レーザー光線77を参照光5と照射光6に分割するビームスプリッタとして構成される。
【0124】
照射光6は、第2のレンズ53を用いることでホログラム50に焦束される。ホログラム50は、照射光6を2本の光波束64に分割し、分割された光波束は、第3のレンズ56と鏡57によって、2本の照射帯19として、物体15へ偏光される。
【0125】
物体光21として反射する照射光6の経路については、以降、物点24を参照して説明する。物点24から反射し、先述のサーキュレータを通過することによって円偏光される物体光21(点線で表示)は、鏡57に入射する。鏡57は、物体光21を第3のレンズ56に偏光させ、第3のレンズ56は物体光21を平面波に変換する。物体光21は、次いで第2のレンズ53に入射することで、前面に配置されたサーキュレータに入射し、サーキュレータは、物体光21を、参照光の場合と同様に、偏光ビームスプリッタ13を通過する方向に従って偏光させる。第2のレンズ53は、物体光21を第2のビームスプリッタ13に投射するレンズ14にマッピングする。ビームスプリッタ13は、対応する偏光の結果として、物体光21を透過することで、物体光21は検出器12に入射する。検出器12は、物体光21を記録する。
【0126】
検出器12では、
図1aに関して記載するように、参照光5と物体光21で干渉が生じる。ここで形成される干渉縞の評価は、
図1aの装置1と同じ方法で行われる。物体15で反射する物体光6が発生する照射帯19は、検出器12の検出器表面25上の物体光21の評価において、入射角γと差角度δ(
図1a)を用いることで測定可能である。
【0127】
図6に示される第五の実施形態に係る装置1は、
図5に示される装置1とは、第2の検出器58と、レーザー光線を第2の検出器58に偏光させる追加のビームスプリッタ59が異なっている。
図6に係る装置1は、2つのエミッタチップ3を有し、
図6の前部エミッタチップ3が後部エミッタチップを覆っている。
図6の前部エミッタチップ3に配置されているレーザーエミッタ2からのレーザー光線は、検出器12に入射する。
図6の後部エミッタチップに配置されるレーザーエミッタのレーザー光線は、第2の検出器58に入射する。
【0128】
個々のエミッタチップ3のレーザーエミッタ2は、それぞれ中心波長を割り当てることが可能な波長群を形成する。中心波長は、エミッタチップ3のレーザーエミッタ2より送出されるレーザー光線の種々の波長を平均化することによって決定される。
【0129】
追加のビームスプリッタ59は、レーザーエミッタ2から入光するレーザー光線を、中心波長に応じて分割する。追加のビームスプリッタ59のこの波長依存性は、その追加のビームスプリッタ59が、
図6の前側エミッタチップ3のレーザーエミッタ2より送出される第1の中心波長を有するレーザー光線を透過させるかたちで選択される。一方、図示されない後部エミッタチップのレーザーエミッタからのレーザー光線は、第2の中心波長で、追加のビームスプリッタ59において検出器58の方に反射する。
【0130】
2つのエミッタチップ3を使用することにより、レーザー光線77は、ビームスプリッタ13および
図6のシート面に対して僅かに傾斜した装置1の更なる光学素子に入射する。
【0131】
ただし、
図6のシート面に投影される場合には、照射アーム39、参照アーム40と物体アーム41の領域におけるレーザー光線77の経路は、
図5に示される経路と一致している。ビーム経路の差は、先述のように、検出アーム42において、追加のビームスプリッタ59によってのみ求められる。
【0132】
図7は、孔内スキャナとして構成される第六の実施形態に従う本発明に係る装置1を示す。これは、内部、特に孔62の内部または孔62の内壁61を調査するために用いることができる。そのため、装置1は、2つのビームスプリッタ63を有している。
【0133】
図5の装置1と同様に、ホログラム50は2つの光波束64を形成し、それら光波束は、
図5の装置1とは異なり、ビームスプリッタ63を用いることで、孔62の内壁61で対抗する2つの方向に偏光される。
【0134】
孔62を全周に亘って調査するために、装置1の光学系52の少なくとも一部が孔62内に導入される。光学系52は、孔62の中心に配置する必要はない。考えられるセンタリングエラーは、孔62の内壁61の反対の領域に入射する2つの照射帯19によって補償可能である。光学系52または装置1が、孔62の内部で回転することで、孔62を全周に亘って調査することが可能になる。
【0135】
図7によれば、装置1の光学系52は、
図5に係るコンポーネントに加えて、2基のビームスプリッタ63を備える。
図7に係る光学系52は、例えば、直径11mm〜300mmの孔62に挿入できるように構成されている。
【0136】
図8は、第七の実施形態に従う本発明に係る、マイケルソン構成の原理に基づいた装置1を示す(
図2)。
図5に係る装置1と比較すると、ホログラムがマイクロ光学アレイ38に組み込まれており、それによって物体に入光する2つの光波束64が照射帯19として形成される。光束64は、レンズ14、53、56および鏡57によって物体15に偏光される。
【0137】
また、
図5に示す装置とは対照的に、装置1のマイクロ光学アレイ38は、レーザーエミッタ2のレーザー光線を参照光5と照射光6に分割する。
【0138】
さらに、後方反射器54(参照
図5)はレンズ53に組み込まれていないが、放物面鏡10が参照光5をレーザーエミッタ2から検出器12に偏光させるために使用されている。マイクロ光学アレイ38から発生する参照光5は、放物面鏡10で反射し、次いで第2のビームスプリッタ13で反射し、解析器(偏光子)65に入射した後、検出器12に入射することになる。放物面鏡10は、エミッタチップ3上のレーザーエミッタ2の位置に係る参照光5が、一定の基準入射角αで検出器12に入射するように構成される(
図1aを参照)。
【0139】
参照光5および照射光6は、異なる偏光状態でマイクロ光学アレイ38から出る。第2のビームスプリッタ13は、偏光感受性ビームスプリッタとして構成されることで、1度偏光された参照光5を透過させ、2度偏光された照射光6を反射する。当然、この逆も可能である。
【0140】
第2のレンズ53は、サーキュレータ(図示せず)をその前面55上に有しており、サーキュレータは照射光6と、次いで物体15で反射した物体光21(
図5を参照)を合計90°回転させることで、第2のビームスプリッタ13によって検出器12の方向に透過し、検出器12に入光する。
【0141】
解析器(偏光子)65を用いることで、干渉縞は、物体波21と参照波5から同一の偏光面によって確実に形成することができる。
【0142】
図9は、第八の実施形態に従う本発明に係る装置1を示しており、物体15上に配置された層75の厚さを測定するための測定器31を有する点が、
図8に係る実施形態とは異なっている。測定器31は、干渉分光法の既知の原理に従って動作する白色光ポイントセンサー66を備えている。
【0143】
白色光ポイントセンサー66は、光源67として、好ましくはスペクトル幅10nm〜100nmの広域スペクトル点光源を備える。光源67は、好ましくは、散乱する媒体(例えば組織)を十分に透過する好ましくは1300nmの中心波長を送出する。光源67の光線は、例えば、光線68によって示されている。
【0144】
白色光ポイントセンサー66の一部は、また、光源67の光線を検出する第2の検出器58でもある。この第2の検出器58に光線を偏光させるために、装置1は、波長に応じて光を反射または透過させる追加のビームスプリッタ59を有する。
【0145】
干渉分光法に基づいて層の厚さを測定するために、装置1は、更に第2の参照アーム69と第2の物体アーム70を有する。第2の参照アーム69は、装置1の光学系52に配置される参照鏡71から第3のレンズ56の半透過鏡72までの距離の2倍と定義される。第2の物体アーム70は、半透過鏡72から物体15の物点24までの距離と定義される。例えば、0.1mmから最大3mmの光路差を除いて、参照アーム69と物体アーム70は、装置1が物体15からの相応する距離に配置されている限り、必ずしも完全に同じものとはならない。
【0146】
白色光ポイントセンサー66の光路については、以下で説明する。先行技術によって知られているように、層の厚さ情報は、その関数として、可変同調型波長を用いて、検出器58で周波数を測定することにより求めることができる。この目的において、物体アーム70と参照アーム69の光路差は、ゼロであってはならない。
【0147】
白色光ポイントセンサー66の光源67は光線68を送出し、光線68はビームスプリッタ13によって偏光され、レンズ14および第2のレンズ53を通り、参照鏡71を通過して、半透過鏡72に至る。半透過鏡72は、光線68を反射による参照波73と透過による照射波74に分割する。
【0148】
半透過鏡72で反射した参照波73は、参照鏡71に入射し、参照鏡71から半透過鏡72に反射し、第2のビームスプリッタ13の方向に再度反射する。参照鏡71を、参照波73を白色光ポイントセンサー66の波長に感受性を示す半透過鏡72に反射させるホログラムとして、構成することも可能である。
【0149】
半透過鏡72を透過した照射波74は、鏡57によって物体15に偏光される。照射波74は、物体15上に配置される層75を通過し、例えば、物体15の物点24に入射する。物点24で物体波(図示せず)として反射する照射波74の経路は、
図8の物体15で反射する物体光21と同様の方法で完成する。ただし、装置1の第八の実施形態に係る物体波は、その波長のために追加のビームスプリッタ59で反射し、検出器58へ偏光される。
【0150】
レーザーエミッタ2によって送出される参照光5と照射光6を用いることで(
図8を参照)、装置1は、
図8の装置1と同様に、層75の表面76を検出することができる。測定器31は、さらに、層75の下の物体15の走査を可能にする。表面76と、さらに層75の下の物体15の測定が可能であるため、層75の層厚さは、処理装置30を用いることで算出可能である。
【0151】
図5から
図9に示される装置1の実施形態は、デンタルスキャナとして例えば、歯または顎全体の3次元検出に使用することができる。この目的において、光学系52は、最大20mm、好ましくは最大10mmの直径を有していることが望ましい。光学系52は、最大150mm、好ましくは最大100mmの長さを有する。光学系52の長さは、レンズ14から装置1の物体側の端部までの距離と定義される。