特許第6283564号(P6283564)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283564
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】チェーン伝動装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 7/06 20060101AFI20180208BHJP
   F16G 13/04 20060101ALI20180208BHJP
   F16G 13/06 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   F16H7/06
   F16G13/04
   F16G13/06 F
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-97369(P2014-97369)
(22)【出願日】2014年5月9日
(65)【公開番号】特開2015-215013(P2015-215013A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2016年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003355
【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100092200
【弁理士】
【氏名又は名称】大城 重信
(74)【代理人】
【識別番号】100110515
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 益男
(74)【代理人】
【識別番号】100189083
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 圭介
(72)【発明者】
【氏名】糸井 祥子
(72)【発明者】
【氏名】横山 正則
【審査官】 塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−184339(JP,A)
【文献】 米国特許第04240303(US,A)
【文献】 特開2011−017354(JP,A)
【文献】 特開2004−205002(JP,A)
【文献】 特表2013−526687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 7/06
F16G 13/04
F16G 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイレントチェーンとスプロケットとから構成されるチェーン伝動装置であって、
前記サイレントチェーンは、チェーン幅方向に並列配置された複数のリンクプレートを含む第1プレート列および第2プレート列を、チェーン長手方向に半ピッチずらして交互に配置して連結ピンによって屈曲可能に連結して構成され、
前記連結ピンは、チェーン幅方向の両外側に配置されたリンクプレートの外側面から突出する一対のピン端部を有し、
前記スプロケットは、複数のスプロケット歯を有したスプロケット本体と、前記スプロケット本体の両外側に配置され、前記ピン端部をチェーン幅方向にガイドするリング状のピンガイド部とを有し
前記第1プレート列は、チェーン幅方向の両外側に配置され、そのピン孔に前記連結ピンが固定状態で挿入される、前記スプロケット歯に接触しない形状を有した一対の最外プレートと、チェーン幅方向の内側に配置され、そのピン孔に前記連結ピンが遊嵌状態で挿入される、前記スプロケット歯に噛み合うリンク歯を有したミドルプレートとを含み、
前記スプロケット歯の幅寸法は、前記連結ピンに固定され前記スプロケット歯に接触しない形状を有した前記一対の最外プレートの内側面間の間隔よりも大きく設定されていることを特徴とするチェーン伝動装置。
【請求項2】
前記スプロケットは、前記スプロケット本体と、前記スプロケット本体の両外側に配置され、前記ピンガイド部が形成された一対のフランジ部とを有し、
前記ピンガイド部は、前記各フランジ部の内側面から内側に向けて突出していることを特徴とする請求項1に記載のチェーン伝動装置。
【請求項3】
前記ピンガイド部は、その外周側先端部の内側面側に、前記ピン端部を誘導する誘導部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチェーン伝動装置。
【請求項4】
前記スプロケットは、前記スプロケット本体と、前記スプロケット本体の両外側に配置され、前記ピンガイド部が形成されたフランジ部と、前記スプロケット本体と前記フランジ部との間に配置されるスペーサとを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のチェーン伝動装置。
【請求項5】
前記スプロケットは、前記スプロケット本体と、前記スプロケット本体の両外側に配置され、前記ピンガイド部が形成されたフランジ部とを有し、
前記フランジ部は、前記リング状のピンガイド部の内周側に肉抜き部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のチェーン伝動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンとスプロケットとから構成されるチェーン伝動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チェーンとスプロケットとから構成されるチェーン伝動装置として、左右一対のガイドプレートおよび左右一対のガイドプレート間に配置されたミドルプレートから成るガイド列と複数のインナープレートから成る非ガイド列とを、連結ピンによってチェーン長手方向に交互に連結したチェーンと、ミドルプレートおよびインナープレートのリンク歯に噛み合うスプロケット歯を有したスプロケットと、から構成されるチェーン伝動装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のチェーン伝動装置では、スプロケットを挟むように一対のガイドプレートを配置することで、スプロケットからのチェーンの脱落を防止している。
【0004】
一方、他のチェーン伝動装置として、複数の外リンクプレートから構成された外リンク列と複数の内リンクプレートから構成された内リンク列とを、連結ピンによってチェーン長手方向に交互に連結したチェーンと、外リンクプレートおよび内リンクプレートのリンク歯に噛み合うスプロケット歯を有したスプロケット本体とスプロケット本体の両外側に配置されたフランジとを有したスプロケットと、から構成されるチェーン伝動装置が知られている(特許文献2を参照)。
【0005】
この特許文献2に記載のチェーン伝動装置では、スプロケットの一対のフランジを外リンクプレートを挟むように配置することで、スプロケットからのチェーンの脱落を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−238597号公報
【特許文献2】特開2011−17354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載のチェーン伝動装置では、チェーン走行時において、チェーン幅方向にチェーンが振れを生じると、スプロケット歯の側面とガイドプレートの内側面とが干渉し、ガイドプレートやスプロケットに損傷が生じたり、干渉に起因したフリクションロスが発生するという問題があった。また、ガイドプレートの内側面とスプロケットの側面との間に一定の隙間が生じるように、一対のガイドプレートの内側面間の間隔がスプロケットの幅寸法よりも大きく設定されているため、ガイドプレートに隣接配置されたインナープレートの一部がスプロケット歯に噛み合わず、すなわち、インナープレートが部分的にしかスプロケット歯に噛み合わないため、噛合時における歯部応力が高くなり、インナープレートのリンク歯およびスプロケット歯の摩耗が進行するという問題もあった。
【0008】
一方、特許文献2に記載のチェーン伝動装置では、チェーン走行時において、チェーン幅方向にチェーンが振れを生じると、フランジの内側面と外リンクプレートの外側面とが干渉し、フリクションロスが発生するという問題があった。また、最も大きな荷重が発生する噛合開始時に、フランジとの干渉およびスプロケット歯との噛み合いに係る荷重が外リンクプレートにかかるため、通常よりも大きなフリクションロスが発生するという問題があった。また、スプロケット歯に噛み合うリンク歯を有した外リンクプレートが連結ピンに固定されているため、外リンクプレートの屈曲自由度が損なわれ、チェーンとスプロケットとの円滑な噛み合いが阻害されるという問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、チェーンとスプロケットとの間のフリクションロスを低減するとともに、チェーンおよびスプロケットの摩耗を抑制するチェーン伝動装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、サイレントチェーンとスプロケットとから構成されるチェーン伝動装置であって、前記サイレントチェーンは、チェーン幅方向に並列配置された複数のリンクプレートを含む第1プレート列および第2プレート列を、チェーン長手方向に半ピッチずらして交互に配置して連結ピンによって屈曲可能に連結して構成され、前記連結ピンは、チェーン幅方向の両外側に配置されたリンクプレートの外側面から突出する一対のピン端部を有し、前記スプロケットは、複数のスプロケット歯を有したスプロケット本体と、前記スプロケット本体の両外側に配置され、前記ピン端部をチェーン幅方向にガイドするリング状のピンガイド部とを有し、前記第1プレート列は、チェーン幅方向の両外側に配置され、そのピン孔に前記連結ピンが固定状態で挿入される、前記スプロケット歯に接触しない形状を有した一対の最外プレートと、チェーン幅方向の内側に配置され、そのピン孔に前記連結ピンが遊嵌状態で挿入される、前記スプロケット歯に噛み合うリンク歯を有したミドルプレートとを含み、前記スプロケット歯の幅寸法は、前記連結ピンに固定され前記スプロケット歯に接触しない形状を有した前記一対の最外プレートの内側面間の間隔よりも大きく設定されていることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0011】
本請求項1に係る発明によれば、スプロケット本体の両外側にリング状のピンガイド部を設け、ピンガイド部によってチェーンのピン端部をガイドすることにより、チェーン幅方向の両外側に配置された最外プレートとスプロケットとの接触を回避し、チェーンとスプロケットとの間の接触面積を低減できるため、チェーンとスプロケットとの間のフリクションロスを低減するとともに、チェーンおよびスプロケットの摩耗を抑制することができる。
また、チェーン幅方向においてチェーンの最も外側に位置するピン端部をガイドすることにより、特許文献1のように、一部のリンクプレートが部分的にしかスプロケット歯に噛み合わない事態を回避することができるため、チェーンおよびスプロケットの摩耗を抑制することができる。
【0012】
本請求項に係る発明によれば、スプロケット歯に接触しない形状の最外プレートを連結ピンに固定し、リンク歯を有するミドルプレートを連結ピンに遊嵌することにより、最外プレートにリンク歯を形成しない分だけチェーン軽量化を図ることができるとともに、チェーン幅方向において最外プレートに隣接するリンクプレートと最外プレートとの間の接触面積を低減することができ、また、スプロケット歯に噛み合うリンクプレートの枚数を低減してチェーンとスプロケットとの間のフリクションロスを低減することができ、更には、スプロケット歯に噛み合う全てのリンクプレートの屈曲自由度を確保することが可能であるため、チェーンとスプロケットとの円滑な噛み合いを実現することができる。
本請求項に係る発明によれば、ピンガイド部がフランジ部の内側面から突出していることにより、ピンガイド部がピン端部のみを的確にガイドし、ピンガイド部がピン端部以外でチェーンに接触することを回避することが可能であるため、フリクションロスの増加を防止することができる。
本請求項に係る発明によれば、ピンガイド部の外周側先端部の内側面側に、ピン端部を誘導する誘導部を形成することにより、チェーン幅方向にチェーンが振れを生じた場合であっても、スプロケットに対するチェーンの噛合開始時に、チェーンをスプロケット本体上に円滑に誘導することができる。
本請求項に係る発明によれば、スプロケット本体とフランジ部との間にスペーサが配置されていることにより、スプロケット本体の幅を低減することが可能であるため、スプロケットのコストや重量を低減することができる。
本請求項に係る発明によれば、リング状のピンガイド部の内周側に肉抜き部を形成することにより、フランジ部のコストや重量を低減することができるばかりでなく、フランジ部の弾性を向上することができるため、スプロケットのピンガイド部とチェーンのピン端部との過度な干渉を回避することができる。

【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係るチェーンを示す斜視図。
図2】第1実施形態に係るチェーン伝動装置を示す斜視図。
図3】第1実施形態に係るチェーン伝動装置を示す平面図。
図4】第2実施形態に係るチェーン伝動装置を示す斜視図。
図5】第2実施形態に係るチェーン伝動装置を示す平面図。
図6】第3実施形態に係るチェーン伝動装置を示す斜視図。
図7】第4実施形態に係るチェーン伝動装置を示す斜視図。
図8】第4実施形態に係るチェーン伝動装置を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の第1実施形態に係るチェーン伝動装置100について、図面に基づいて説明する。
【0015】
チェーン伝動装置100は、自動車エンジン用のタイミングシステムに組み込まれるものであり、図2に示すように、タイミングチェーンとして構成されたチェーン110と、チェーン110に噛み合うスプロケット150とから構成されている。
【0016】
まず、チェーン110の構成について、以下に説明する。
【0017】
チェーン110は、図1に示すように、複数の第1プレート列120と複数の第2プレート列130とを、チェーン長手方向に半ピッチずらして交互に配置して連結ピン140によって屈曲可能に連結したものである。
【0018】
第1プレート列120は、図1に示すように、チェーン幅方向の両外側に配置された一対の最外プレート121と、一対の最外プレート121の間に配置された複数のミドルプレート122とから構成されている。第2プレート列130は、チェーン幅方向に並列配置された複数のインナープレート131から構成されている。
【0019】
最外プレート121とミドルプレート122とインナープレート131とは、チェーン長手方向に並べて形成された一対のピン孔をそれぞれ有している。複数の第1プレート列120と複数の第2プレート列130とは、連結ピン140をミドルプレート122およびインナープレート131のピン孔に遊嵌状態で挿入するとともに、連結ピン140の両端側を最外プレート121のピン孔に圧入嵌合によって固定することで、屈曲可能に連結されている。連結ピン140の両端であるピン端部141は、最外プレート121の外側面から突出している。
【0020】
最外プレート121は、スプロケット歯161に接触しない形状に形成されている。ミドルプレート122およびインナープレート131は、チェーン屈曲内周側にスプロケット歯161と噛み合うための一対のV字状のリンク歯をそれぞれ有している。
【0021】
次に、スプロケット150の構成について、以下に説明する。
【0022】
スプロケット150は、図2に示すように、その外周に複数のスプロケット歯161を有した金属製のスプロケット本体160と、スプロケット本体160と別体に形成された一対のフランジ部170とから構成されている。
【0023】
スプロケット歯161の幅寸法は、最外プレート121以外のリンクプレート122、131がチェーン幅方向の全域に亘ってスプロケット歯161に噛み合うのに充分な寸法で設定されている。すなわち、スプロケット歯161の幅寸法は、左右の最外プレート121の内側面間の間隔よりも大きく、かつ、連結ピン140の丈寸法よりも大きく設定されている。
【0024】
各フランジ部170は、合成樹脂から形成され、図2に示すように、中心部に軸孔が形成された円板形状を有している。フランジ部170は、スプロケット本体160の両外側にそれぞれ取り付けられている。
【0025】
本実施形態では、図2図3に示すように、円板形状のフランジ部170の外周側が、チェーン幅方向にピン端部141をガイドするリング状のピンガイド部171として機能する。
【0026】
次に、第2実施形態のチェーン伝動装置200について、図4および図5に基づいて説明する。ここで、第2実施形態では、一部構成以外は、前述した第1実施形態と全く同じである。そのため、第1実施形態に関する明細書および図面に示す100番台の符号を200番台の符号に読み替えることによって、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0027】
まず、第2実施形態においては、フランジ部270の構成のみが第1実施形態の場合と異なる。すなわち、第2実施形態においては、図4図5に示すように、ピンガイド部271が、フランジ部270の外周部において、フランジ部270の内側面から内側に向けて突出している。
【0028】
また、本実施形態においては、図5に示すように、ピンガイド部271の外周側先端部の内側面側に、チェーン幅方向の内側に向けて傾斜し、チェーン220とスプロケット250との噛合開始時に、ピン端部241をチェーン幅方向の内側に向けて誘導する誘導部271aを有している。なお、図5に示す例では、誘導部271aが、湾曲凸面状に形成されているが、誘導部271aを平坦面状に形成してもよい。
【0029】
次に、第3実施形態のチェーン伝動装置300について、図6に基づいて説明する。ここで、第3実施形態では、一部構成以外は、前述した第2実施形態と全く同じである。そのため、第2実施形態に関する明細書および図面に示す200番台の符号を300番台の符号に読み替えることによって、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0030】
まず、第3実施形態においては、フランジ部370の構成のみが第2実施形態の場合と異なる。すなわち、第3実施形態においては、図6に示すように、リング状のピンガイド部371の内周側において、フランジ部370の厚み方向に貫通する複数の肉抜き部372が形成されている。なお、本実施形態では、一対のフランジ部370の両方に肉抜き部372が形成されているが、一方のフランジ部370のみに肉抜き部372を形成してもよい。
【0031】
次に、第4実施形態のチェーン伝動装置400について、図7および図8に基づいて説明する。ここで、第4実施形態では、一部構成以外は、前述した第3実施形態と全く同じである。そのため、第3実施形態に関する明細書および図面に示す300番台の符号を400番台の符号に読み替えることによって、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0032】
まず、第4実施形態においては、スプロケット450の構成のみが第3実施形態の場合と異なる。すなわち、第4実施形態においては、図7図8に示すように、スプロケット450が、スプロケット本体460およびフランジ部470の他に、スプロケット本体460とフランジ部470との間に介在して配置されるスペーサ480を備えている。スペーサ480には、合成樹脂から形成され、その中心部に軸孔を有している。
【0033】
第4実施形態においては、スプロケット本体460の幅寸法が、連結ピン440の丈寸法よりも小さいとともに、左右の最外プレート421の内側面間の間隔よりも大きく設定されている。
【0034】
なお、上述した実施形態では、チェーンが自動車エンジン用のタイミングチェーンであるものとして説明したが、本発明のチェーンの用途はこれに限定されず、伝動用チェーンや搬送用チェーン等の如何なるものでもよい。
また、上述した実施形態では、チェーンがサイレントチェーンであるものとして説明した。しかしながら、チェーンの具体的態様は、チェーン幅方向に並列配置された複数のリンクプレートを含む第1プレート列および第2プレート列を、チェーン長手方向に半ピッチずらして交互に配置して連結ピンによって屈曲可能に連結して成り、連結ピンのピン端部がチェーン幅方向の両外側に配置されたリンクプレートの外側面から突出したものであれば如何なるものでもよく、例えば、ローラチェーンやブシュチェーンであってもよい。
また、上述した実施形態では、チェーン幅方向の最も外側に配置される最外プレートにリンク歯を設けないものとして説明したが、最外プレートにリンク歯を設け、最外プレートについてもスプロケット歯に噛み合うように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、スプロケット本体に取り付けられたフランジ部の外周部をリング状のピンガイド部として利用しているが、ピンガイド部の具体的態様はこれに限定されず、スプロケット本体に掛け回されたチェーンのピン端部をガイドするものであれば如何なるものでもよい。
また、チェーンやスプロケットの各構成部品の材料については、金属や合成樹脂等の如何なるものでもよい。
また、スプロケット本体に対するフランジ部の取り付け方法については如何なるものでもよく、また、スプロケット本体とフランジ部とを一体に形成してもよい。
また、上述した各実施形態の構成を、任意に組み合わせてチェーン伝動装置を構成しても何ら構わない。
【符号の説明】
【0035】
100、200、300、400 ・・・ チェーン伝動装置
110、210、310、410 ・・・ チェーン
120 ・・・ 第1プレート列
121 ・・・ 最外プレート
122 ・・・ ミドルプレート
130 ・・・ 第2プレート列
131 ・・・ インナープレート
140 ・・・ 連結ピン
141、241、341、441 ・・・ ピン端部
150、250、350、450 ・・・ スプロケット
160、260、360、460 ・・・ スプロケット本体
161、261、361、461 ・・・ スプロケット歯
170、270、370、470 ・・・ フランジ部
171、271、371、471 ・・・ ピンガイド部
271a、471a ・・・ 誘導部
372、472 ・・・ 肉抜き部
480 ・・・スペーサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8