(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283575
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】デスク
(51)【国際特許分類】
A47B 17/00 20060101AFI20180208BHJP
A47B 17/03 20060101ALI20180208BHJP
A47B 17/04 20060101ALI20180208BHJP
A47B 1/04 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
A47B17/00 A
A47B17/03
A47B17/04
A47B1/04 Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-123705(P2014-123705)
(22)【出願日】2014年6月16日
(65)【公開番号】特開2016-2204(P2016-2204A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2017年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】391029406
【氏名又は名称】カリモク家具株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】709006024
【氏名又は名称】株式会社ベネッセコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100101535
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 好道
(74)【代理人】
【識別番号】100161104
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 浩康
(72)【発明者】
【氏名】東野 豊
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 奈美
【審査官】
大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−101703(JP,A)
【文献】
米国特許第07641294(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00−41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の脚部材と天板と、該天板の後方に取り外し可能に設ける後部材を有し、
該後部材は、第1板状部材と第2板状部材を有し、
前記第1板状部材及び第2板状部材を補助天板として用いることができ、第1板状部材又は第2板状部材を補助天板とした際に、他方の第2板状部材又は第1板状部材が背板となり、
第1板状部材を補助天板とした際の作業スペースの奥行きと、第2板状部材を補助天板とした際の作業スペースの奥行きとが異なることを特徴とするデスク。
【請求項2】
前記第1板状部材の端部を、前記第2板状部材の端部に固設して、前記第1板状部材と第2板状部材でL字状に形成したことを特徴とする請求項1記載のデスク。
【請求項3】
前記脚部材の上部前方に天板を取付け、前記脚部材の上部後方に第1板状部材又は第2板状部材を取り外し可能に設けることを特徴とする請求項1又は2記載のデスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、子供の成長や、部屋の広さに合わせて、デスクの作業スペースの奥行きを変えることができるデスクが知られている。このデスクは、板状のパネル部材を垂直に起立させて背板として用いたり、天板の後方に天板と面一となるように水平に設けて副天板として用いることができるようになっている。パネル部材を副天板とした際には、天板の奥行きを拡張し、デスクの作業スペースの奥行きを拡張することができるものである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−31512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来のデスクでは、パネル部材を背板若しくは副天板の何れかにしか用いることができず、両方の機能を一度に発揮することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、デスクの作業スペースを変更した場合においても、天板の後方に常に背板を設けることができるデスクを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、一対の脚部材と天板と、該天板の後方に取り外し可能に設ける後部材を有し、
該後部材は、第1板状部材と第2板状部材を有し、
前記第1板状部材及び第2板状部材を補助天板として用いることができ、第1板状部材又は第2板状部材を補助天板とした際に、他方の第2板状部材又は第1板状部材が背板となり、
第1板状部材を補助天板とした際の作業スペースの奥行きと、第2板状部材を補助天板とした際の作業スペースの奥行きとが異なることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1板状部材の端部を、前記第2板状部材の端部に固設して、前記第1板状部材と第2板状部材でL字状に形成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記脚部材の上部前方に天板を取付け、前記脚部材の上部後方に第1板状部材又は第2板状部材を取り外し可能に設けることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前記第1板状部材及び第2板状部材を補助天板として用いて、その作業スペースの奥行きを変えることができる。また、第1板状部材又は第2板状部材を補助天板とした際に、他方の第2板状部材又は第1板状部材を背板とすることができるために、作業スペースの奥行きを変更した際にも、背板を保持することができ基本機能は変わらず、例えば、背板をブックエンドとした場合にその機能を常に保持することができる。
【0010】
また、後部材の取り付け方法を変えるだけで、作業スペースの奥行きを変えることができるため、作業スペースの奥行きを変えるために他の部品を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図5】
図2の状態から後部材を付け替えた状態の上面図。
【
図8】
図2の状態から後部材を取り外した状態の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
【0013】
[実施例1]
図1は、実施例1のデスク1の正面図、
図2はデスク1の上面図、
図3はデスク1の右側面図、
図4はデスク1の斜視図である。以下において、デスク1の着席者側を前側、反対側を後側、左右方向を横方向として説明する。
【0014】
デスク1は、天板2と左右一対の脚部材3,3と後部材4を有する。左右夫々の脚部材3は、上方に向かうほど後方へ傾斜する前脚3aと、略垂直に設けた後脚3bを有し、該前脚3aの中間部と後脚3bの中間部間に桟3cを架設し、前脚3aと後脚3bの上端には、両脚3a,3bに渡って前後方向に取付部材5が固設されている。左右の取付部材5,5には、夫々上下方向に貫通する取付穴9が前後方向に5個形成されている。また、左右の後脚3b,3b間には幕板6が設けられている。
【0015】
天板2は、
図2,5,8に示すように、長方形状に形成され、天板2の奥行き(前後方向の長さ)は、取付部材5の前後方向の長さよりも短く設定されている。左右の取付部材5,5の上部の前側には天板2が載置され、前側の3個の取付穴9に下方からボルト8を挿通し、天板の裏面に設けられたナット10に螺合することにより天板2が取付部材5,5の前方に取付けられ、
図8,9に示すように、天板2の後端2aは、取付部材5の後端よりも前方に位置し、後側の2個の取付穴9の上部には天板2が位置しないようになっている。
【0016】
後部材4は、方形状の第1板状部材11と、方形状の第2板状部材12を有し、第1板状部材11の端部が、第2板状部材12の端部に直交するように固設され第1板状部材11と第2板状部材12は、縦断面形状がL字状に形成されている。
【0017】
第1板状部材11と第2板状部材12の横方向の幅は、天板2の横方向の幅と略同じに設定されている。また、第1板状部材11の横方向と直交する方向における最大の長さL1は、第2板状部材12の横方向と直交するに方向における最大の長さL2よりも短く設定され、本実施例では、第1板状部材11の横方向と直交する最大の長さL1は、第2板状部材12の横方向と直交する最大の長さL2よりも10cm短く設定した。
【0018】
第1板状部材11と第2板状部材12の両側端部には、両板状部材11,12間に渡って側部材13,13が固設され、この側部材13,13間には、仕切部材14,14が左右方向に移動可能に設けられている。
【0019】
天板2の下部には抽斗17が前側方向に出し入れ可能に設けられている。抽斗17は、
図1〜3に示すように右側に設けることもできるし、左側に設けることもできるようになっている。
【0020】
左右の取付部材5,5の上部で、かつ、天板2の後部に、第1板状部材11又は第2板状部材12を載置し、取付部材5,5における後側の2個の取付穴9に下方からボルト8を挿通し、第1板状部材11又は第2板状部材12に設けられたナット10に螺合することにより第1板状部材11又は第2板状部材12を取付部材5,5に取付け、第1板状部材11又は第2板状部材12の端面11a,12aを天板2の後端2aに当接若しくは近接させて補助天板として用いることができるようになっている。第1板状部材11又は第2板状部材12を、補助天板として用いた際に、天板2の上面と補助天板である第1板状部材11又は第2板状部材12の上面とが略平行となるように、本実施例では、天板2の上面と補助天板である第1板状部材11又は第2板状部材12の上面が面一になるように設定されている。
【0021】
本発明のデスク1は、上記のような構造を有するために、次のような作用効果を発揮することができる。
【0022】
図3に示すように、第1板状部材11を補助天板として用いた際の作業スペースの奥行きと、
図6に示すように、第2板状部材12を補助天板として用いた際の作業スペースの奥行きは異なり、部屋の大きさや、使用する子供の成長に応じてデスク1の作業スペースの奥行きを、後部材4の取り付け方法を変更するだけで変えることができる。
【0023】
また、第1板状部材11又は第2板状部材12を補助天板として用いた際に、他方の第2板状部材12又は第1板状部材11は、
図3,6に示すように背板としての機能を果たすために基本機能は変わらず、後部材4は常に背板を有し、例えば、背板をブックエンドとした場合にはその機能を常に発揮することができる。
【0024】
また、ボルト8により、第1板状部材11又は第2板状部材12と取付部材5,5との取付け及び取外しを行うため、簡易にデスク1の作業スペースの奥行きを変更することができるととともに、作業スペースの奥行きの変更に伴い、関連する部材や部品を過不足なく使用するために、部品等の保管場所を確保する必要がなく、部品管理が容易である。
【0025】
後部材4は、第1板状部材11と第2板状部材12がL字状に連結されているために、互いが補強する構造となり、撓み等が生じにくくなっている。更に、両板状部材11,12間に渡って側部材13,13を設けたことにより、側部財13が補強材の役割を果たし、より撓み等の変形が生じにくくなっている。
【0026】
なお、取付部材5,5に天板2と後部材4を取付けることができればよく、取付部材5,5に設けた取付穴9の数は任意に設定することができる。また、その取り付け方法も上記の方法に限定されず、任意の取付け方法を用いることができる。
【0027】
前記実施例では、脚部材3の上端に取付部材5を設けたが、取付部材5は脚部材3の上方に設けられていればよく、天板2を、脚部材3の上部前方に取付け、第1板状部材11又は第2板状部材12を、脚部材3の上部後方に取外し可能に取り付け、脚部材3の一部が、天板2より上方に突出してもよい。
【0028】
また、前記実施例1では、天板2と、第1板状部材11と、第2板状部材12の横方向の長さを同一に設定したが、その長さは異なるように設定してもよい。
【0029】
また、前記実施例では、天板2、第1板状部材11、第2板状部材12を方形状に形成したが、天板2の後端2aに、板状部材11(12)の端面11a(12a)を当接若しくは近接するように、天板2と板状部材11(12)を取付部材5に取付けることができれば、夫々の上面形状は任意に設定することができる。例えば、天板2の後端2aを円弧等の曲面に形成し、板状部材11(12)の端面11a(12a)を天板2の後端2aに対応した形状に形成する。この場合においても、第1板状部材11の横方向と直交する方向における最大の長さは、第2板状部材12の横方向と直交するに方向における最大の長さとは異なるように設定されている。
【0030】
また、前記実施例1では、後部材4を1つの部材で構成したが、左右に2個以上の部材に分割して構成してもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 デスク
2 天板
3 脚部材
4 後部材
11 第1板状部材
12 第2板状部材