(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図示された実施形態を参照して本発明を説明する。
図1は本発明の一実施形態である物品整列装置の平面図を示し、
図2は物品整列装置の側面図を示す。物品整列装置は、バイアル(物品)Vを搬送するバイアル搬送装置100と、樹脂製カップCを搬送するカップ搬送装置200と、バイアルVをバイアル搬送装置100側から取り上げてカップ搬送装置200に保持された樹脂製カップC内へ挿入するバイアル挿入装置300とを有する。バイアルVは、
図1の左方に設けられた充填処理装置(図示せず)によって内容物を充填されるとともに開口部がゴム栓等によって閉塞され、バイアル供給コンベヤ(物品供給コンベヤ)101によって物品整列装置へ搬送される。樹脂製カップCは、
図1の左方に設けられたカップ収容部(図示せず)からカップ供給コンベヤ201によって物品整列装置へ搬送される。
【0013】
バイアル搬送装置100において、バイアル供給コンベヤ101の搬送方向(矢印A方向)に向かって左側(
図1の上方)にはプッシャ110が設けられ、右側には整列テーブル120とシャッタ130が設けられる。プッシャ110は、バイアル供給コンベヤ101の上面に平行である押圧板部材111を有する。押圧板部材111の側面119は、バイアル供給コンベヤ101の搬送方向(矢印A方向)に沿って直線的に延び、図示例では、一列に整列した20本のバイアルVの列の長さ以上の長さを有する。
【0014】
整列テーブル120はバイアル供給コンベヤ101に沿って延びる細長い板状部材であり、プッシャ110の押圧板部材111と略同じ長さを有する。テーブル120の上面はバイアル供給コンベヤ101の搬送面(上面)と同じ高さ位置にある。テーブル120のバイアル供給コンベヤ101とは反対側には、バイアル供給コンベヤ101に平行に延び、テーブル120の上面に垂直な板状部材であるサイドストッパ121が設けられる。シャッタ130はバイアル供給コンベヤ101とテーブル120の間に設けられ、バイアル供給コンベヤ101に平行に延びる。シャッタ130はシャッタ昇降シリンダ131により駆動され、シャッタ130の上端部は、バイアル供給コンベヤ101とテーブル120の上面よりも高い突出位置と、これらの上面よりも低い下降位置との間において昇降可能である。
【0015】
プッシャ110に設けられ鉛直方向に延びるガイド棒112は、支持枠113に設けられたガイドレール114に案内され、プッシャ昇降シリンダ115によって昇降駆動される。また支持枠113は、基台118の上面に載置されたプッシャガイドレール116によって進退動自在に支持され、プッシャ進退シリンダ117によって進退駆動される。なお
図2では、プッシャガイドレール116は図示されていない。
【0016】
したがってプッシャ110は昇降可能であるとともに、バイアルVの整列方向に交差する方向に沿って進退可能である。すなわち、プッシャ110すなわち押圧板部材111は、シャッタ130が下降位置にある状態において、前進してテーブル120のサイドストッパ121側まで移動し、上昇して元の位置まで後退するとともに、バイアル供給コンベヤ101に接近する高さ位置まで下降することができる。
【0017】
バイアル供給コンベヤ101は無端状のベルトコンベヤであり、図示しない充填処理装置から延びており、バイアル供給コンベヤ101の物品整列装置側の端部は、
図1においてプッシャ110の右端部の近傍である。バイアル供給コンベヤ101の端部の上面側にはエンドストッパ102が設けられる。エンドストッパ102には、バイアル供給コンベヤ101上に整列するバイアルVの列の先頭に位置するバイアルVが係合し、バイアル供給コンベヤ101が常時駆動されることにより、各バイアルVは隣り合うもの同士が当接した状態で停止する。
【0018】
エンドストッパ102は駆動機構103に連結されており、通常静止しているが、後述する端数処理において、バイアル供給コンベヤ101の搬送方向に沿って変位する。エンドストッパ102の上面の高さ位置はプッシャ110の押圧板部材111の下面よりも低く定められ、またエンドストッパ102の下面にはシャッタ130との干渉を避けるための凹部109(
図4参照)が形成されている。エンドストッパ102が押圧板部材111よりも下側に位置するので、押圧板部材111は、エンドストッパ102に干渉することなく、サイドストッパ121側に前進することができる。
【0019】
バイアル供給コンベヤ101の搬送方向に沿って、両側には、コンベヤガイド104、105が相互に平行に設けられる。コンベヤガイド104、105の間隔はバイアルVの外径より僅かに広く、また、一方のコンベヤガイド105は、突出位置にあるシャッタ130に連続する。したがって、バイアル供給コンベヤ101によって搬送されるバイアルVは、一列に整列した状態で搬送され、プッシャ110とシャッタ130の間に供給される。なお、プッシャ110が後退位置かつ下降位置にある状態において、押圧板部材111の下方にコンベヤガイド104が位置するように、押圧板部材111の下面の高さ位置をコンベヤガイド104の上面よりも高く定めている。
【0020】
プッシャ110の充填処理装置側にはロータリストッパ106が設けられる。ロータリストッパ106の外周縁はバイアル供給コンベヤ101上に臨み、ロータリストッパ106の外周縁にはバイアルVに係合可能な突起107が形成されている。ロータリストッパ106は
図1において反時計方向に回転可能であり、その周速がバイアル供給コンベヤ101の搬送速度に同期するように制御される。
【0021】
バイアル供給コンベヤ101に沿ってロータリストッパ106よりも上流側には、バイアル供給コンベヤ101によって搬送されるバイアルVの数をカウントし、またバイアルVが転倒しているか否かを検出するセンサ108が設けられる。センサ108はロータリストッパ106から、少なくともバイアルVの直径の約20倍分の距離だけ離れており、20本のバイアルVが通過したことを検知したときロータリストッパ106に信号を出力する。
【0022】
ロータリストッパ106はセンサ108が20本のバイアルVを検出する前は停止しており、これによりロータリストッパ106の突起107にバイアルVが係止し、このバイアルVよりも上流側のバイアルVはバイアル供給コンベヤ101上に滞留する。これに対し、センサ108が20本のバイアルVを検知すると、ロータリストッパ106が回転し、20本のバイアルVがプッシャ110側へ送られる。すなわちロータリストッパ106とセンサ108の作用により、バイアルVは20本ずつ切り出されてプッシャ110側へ搬送される。プッシャ110側において、20本のバイアルVは先頭のバイアルVがエンドストッパ102に当接した状態で停止する。
【0023】
プッシャ110は、バイアル供給コンベヤ101の搬送方向に交差する方向に移動して、エンドストッパ102に先頭のバイアルVが係合した状態にあるバイアルVの列をバイアル供給コンベヤ101から排出する物品排出手段を構成する。プッシャ110によってバイアル供給コンベヤ101からテーブル120上に移載されたバイアルVは、テーブル120上においてサイドストッパ121に係合して整列する。すなわちバイアル供給コンベヤ101とプッシャ110とテーブル120は、バイアルVを一列に整列した状態でカップ搬送装置200へ供給する物品供給手段を構成する。
【0024】
次に、カップ搬送装置200の構成を説明する。カップ供給コンベヤ201はバイアル供給コンベヤ101に平行に延び、テーブル120に対応した位置には一対の誘導ガイド210、211が設けられる。カップ供給コンベヤ201は
図1において左側から右側へ向かって(矢印B方向)にカップCを連続的に搬送する。カップ供給コンベヤ201の搬送方向に沿って、両側には、コンベヤガイド202、203が相互に平行に設けられる。コンベヤガイド202、203の間隔はカップCの外径に等しい。したがって、カップCは、一列に整列した状態で搬送され、誘導ガイド210、211の間に供給される。
【0025】
誘導ガイド210、211はカップ供給コンベヤ201に沿って延び、テーブル120と略同じ長さを有する。誘導ガイド210、211はカップ供給コンベヤ201上のカップCよりも上方に位置し、カップCに接触しない。また誘導ガイド210、211のカップCに対応した部位には、上方から見て、バイアルVの外形に沿う円錐面の一部を成す案内面212、213が形成される(
図3参照)。対向する一対の案内面212、213によって形成される開口は図示例では20個あり、各開口の直下にはカップCが配置される。これらのカップCは隣り合うもの同士が当接した状態でカップ供給コンベヤ201上に整列しており、各カップCには、バイアル挿入装置300によってバイアルVが供給される。
【0026】
一方の誘導ガイド211の下方であってカップCの搬送方向の最下流側には、ロータリストッパ204が設けられる。ロータリストッパ204の外周縁はカップ供給コンベヤ201上に臨み、ロータリストッパ204の外周縁にはカップCに係合可能な突起205が形成される。ロータリストッパ204が固定された回転軸240にはギア241が設けられ、ギア241は、回転軸240に平行に立設された駆動軸242のギア243に噛合する。駆動軸242は図示しないモータによって回転駆動され、ギア241、243を介してロータリストッパ204が回転する。
【0027】
ロータリストッパ204は
図1において時計方向に回転可能であり、その周速がカップ供給コンベヤ201の搬送速度に同期するように制御される。ロータリストッパ204は通常停止しており、この状態において先頭のカップCが突起205に係止して、これよりも後続のカップCは停止している。カップCにバイアルVが挿入されてカップ供給コンベヤ201によって排出されるとき、ロータリストッパ204は回転し、20本のバイアルVが排出されると再び停止する。
【0028】
誘導ガイド210、211の上流側にはセンサ206が設けられる。センサ206は、カップ供給コンベヤ201上にカップCが存在するか、またカップCが正立しているか否かを検出するために設けられる。
【0029】
図3を参照すると、誘導ガイド210、211はそれぞれアーム214、215の上端に固定され、アーム214、215は基台220に設けられた支持軸221、222に固定される。支持軸221、222はカップ供給コンベヤ201の搬送方向に平行に延び、軸心周りに回動自在である。支持軸221から基台220の下面側に延びる駆動アーム223は、基台220の下面にステー226によって固定された揺動用シリンダ224のピストン225に連結される。なお、誘導ガイド211とアーム215を駆動するための揺動用シリンダは
図3では図示されていない。
【0030】
揺動用シリンダ224のピストン225が突出すると、駆動アーム223と支持軸221を介してアーム214すなわち誘導ガイド210が揺動してカップ供給コンベヤ201の上に臨み、揺動用シリンダ224のピストン225が後退すると、誘導ガイド210が後方へ揺動してカップ供給コンベヤ201の上から退避する。誘導ガイド211は誘導ガイド210に同期して揺動する。すなわち誘導ガイド210、211は開閉可能であり、後述するように、バイアルVが上方から供給される動作において閉鎖しており、バイアルVがカップCの半分の高さ位置くらいまで挿入されると開放し、バイアルVとカップCが誘導ガイド210、211の直下から排出された後、再び閉鎖する。
【0031】
誘導ガイド210とコンベヤガイド202の間にはストッパ230が設けられる。ストッパ230は誘導ガイド210と同様に、カップCの外形に沿う円弧上の窪み(図示せず)を有する板状部材であり、誘導ガイド210、211の直下に位置する20個のカップCに係合する。ストッパ230は図示しない支持軸に揺動自在に支持され、カップ供給コンベヤ201の搬送方向に平行な軸周りに揺動する。すなわちストッパ230は、カップ供給コンベヤ201側に位置するとき、カップ供給コンベヤ201上のカップCに係合し、また後退した状態ではカップCを解放する。
【0032】
図1に示されるように、プッシャ110とシャッタ130に挟まれ、一列に整列したバイアルVの列長さは、誘導ガイド210、211の直下に位置し、一列に整列したカップCの列長さよりも短い。したがって、バイアル挿入装置300 によってバイアルVをカップ供給コンベヤ201上のカップCに挿入する前に、隣接するバイアルV間の間隔を拡大する必要があり、このためサイドストッパ121と誘導ガイド210の間、すなわちテーブル120上に移載されたバイアルVの列を挟んでプッシャ110と対向する位置には、複数の係合部材141〜147が配置される。
【0033】
図1および
図2を参照して、係合部材141〜147の構成を説明する。係合部材141〜147はバイアルVの整列方向に沿って配置され、整列方向に交差する方向に移動してバイアルVに係合する。後述するように係合部材141〜147は、中央に位置するものから順次移動してバイアルVに係合することにより、バイアルVを整列方向に変位させる。
【0034】
最下流側に設けられる第7の係合部材147を除いた第1〜第6の係合部材141〜146は同じ形状を有し、バイアルVに係合可能な4つの突起148を有し、これらの突起148の間に3つの凹部151が形成される。各係合部材141〜146において、隣り合う2つの凹部151の中心間の距離は、バイアル供給コンベヤ101上において一列に整列し、隣接する2つのバイアルVの中心間の距離よりも大きく、カップ供給コンベヤ201上において誘導ガイド210、211の直下に位置し、隣接する2つのカップCの中心間の距離に等しい。
【0035】
最下流に位置する第7の係合部材147は、バイアルVに係合可能な3つの突起149を有し、これらの突起149の間に2つの凹部152が形成される。また第7の係合部材147は、後述するサイドガイド160との干渉を避けるための切欠き153を有する。2つの凹部152の中心間の距離は、6つの係合部材141〜146の2つの凹部151の中心間の距離と同じである。したがって、20本のバイアルVがこれらの係合部材141〜147の凹部151、152に係合した状態において、各バイアルVの中心間の距離は、カップ供給コンベヤ201上の各カップCの中心間の距離に等しくなり、各バイアルVはスムーズに各カップCに挿入可能になる。
【0036】
係合部材141〜147は、
図2に示されるようにサイドストッパ121よりもテーブル120上に突出する係合位置と、
図1に示されるようにサイドストッパ121よりも後退する解放位置との間において変位自在である。各係合部材141〜147はそれぞれ、基台220に設けられた支持軸154から上方に延びる揺動アーム155の揺動端に固定され、支持軸154から下方に延びる駆動アーム156は、基台220の下側に設けられた係合用シリンダ157のピストン158に連結される。各係合用シリンダ157は相互に独立に駆動され、各係合部材141〜147は、後述するように異なるタイミングで進退動する。
【0037】
テーブル120の両端には一対のサイドガイド(ガイド部材)160、161が設けられる。サイドガイド160、161は、プッシャ110によってバイアル供給コンベヤ101上からテーブル120上に移載されたバイアルVの整列方向に沿って配置され、バイアルVの列を挟んで対向し、列の両端に位置するバイアルVに係合する。サイドガイド160、161はそれぞれ、駆動機構162、163に連結されており、後述するように、係合部材141〜147が順次前進してバイアルVの列が長くなるとき、係合部材141〜147の移動に連動して互いに離間する方向に移動する。なお、エンドストッパ102と同様に、サイドガイド160、161の上面高さ位置はプッシャ110の押圧板部材111の下面よりも低く定められ、押圧板部材111が干渉しないようになっている。
【0038】
サイドガイド160、161のバイアル供給コンベヤ101側の側面には、それぞれ突起164、165が設けられる。サイドガイド160の突起164はシャッタ130のテーブル120側の面まで延び、サイドガイド161の突起165はシャッタ130のバイアル供給コンベヤ101側の面まで延びる。これらの突起164、165はバイアルVがバイアル供給コンベヤ101からテーブル120に移載されるとき、列の両端に位置するバイアルVを案内する。特に突起164は、シャッタ130が下降した状態においてエンドストッパ102の凹部109を可能な限り塞ぐので、バイアルVを効果的に案内する。つまり、突起164が設けられていないと、凹部109のバイアルV側の開口が相対的に大きくなり、端部のバイアルVに対する案内が不十分になって、サイドガイド160の角部にあたって転倒する可能性があるが、これは突起164によって防止される。
【0039】
図2を参照してバイアル挿入装置300の構成を説明する。バイアル挿入装置300の支持枠301はバイアル搬送装置100とカップ搬送装置200を跨ぐように設けられ、水平方向に延びるYレール302にはYスライダ303が往復動自在に取付けられる。Yスライダ303には鉛直方向に延びるZレール304が固定され、Zレール304にはZスライダ305が昇降自在に取付けられる。Zスライダ305の下端には移動枠306が固定され、移動枠306にはエアシリンダ310と一対の把持爪311が設けられる。把持爪311の先端部に設けられた係合板312は、テーブル120上に載置され、係合部材141〜147によって所定の間隔を空けられた一列のバイアルVの首部Nに係合する複数(この例では20個)の凹部を有する。
【0040】
一対の把持爪311は、図示しない駆動機構により開閉駆動されて20本のバイアルVを把持可能であり、移動枠306がYレール302およびZレール304に沿って移動することにより、テーブル120上からバイアル挿入装置300の誘導ガイド210、211まで移送する。エアシリンダ310のピストンの先端に設けられたプッシャ313は、把持爪311の先端部に近接しており、把持爪311の先端部に把持されたバイアルVの天面を抑え、バイアルVが把持爪311の係合板312に対してふらつくことを防止する。
【0041】
次に本実施形態の作用を説明する。
バイアル供給コンベヤ101上において、ロータリストッパ106によって滞留しているバイアルVが所定本数(
図1の例では20本)に達したことがセンサ108によって検知されると、ロータリストッパ106が回転し、20本のバイアルVがプッシャ110の所まで搬送される。ここでは、先頭のバイアルVがエンドストッパ102に当接することにより、バイアル供給コンベヤ101によって搬送されてくる後続のバイアルVは先行するバイアルVに当接し、20本のバイアルVは隣り合うもの同士が当接した状態で停止する。このとき、
図4(a)に示されるように、一列に整列した各バイアルVはプッシャ110とシャッタ130に係合しており、係合部材141〜147はサイドストッパ121から後退した位置にあり、テーブル120上に突出していない。
【0042】
次いでシャッタ130が下降して、バイアル供給コンベヤ101とテーブル120の上面よりも下方へ移動する。そしてプッシャ110がバイアルVの側面を押圧しながら前進し、これにより、
図4(b)に示されるように20本のバイアルVは、一列に整列した状態でバイアル供給コンベヤ101からテーブル120上へ移載され、サイドストッパ121に当接する。この間にシャッタ130が上昇してバイアル供給コンベヤ101とテーブル120の上面よりも突出し、またバイアル供給コンベヤ101上では、新たな20本のバイアルVがロータリストッパ106とセンサ108の作用によって切り出される。
【0043】
バイアルVがサイドストッパ121に当接した後、
図4(b)に示されるように、バイアルVの列の中央部に対向する第4の係合部材144が前進し、この係合部材144の突起148が、列の中央に位置する3本のバイアルVに係合する。これにより、この3本のバイアルVの間隔が広げられて、一列のバイアルVの列が長くなるが、この長さの変化量は相対的に少ないので、サイドガイド160、161は変位せず、その位置を維持する。
【0044】
次に、第4の係合部材144の両側にある第3および第5の係合部材143、145が前進し、第4の係合部材144に係合された3本のバイアルVの両側に位置する6本のバイアルVに係合する。この結果、9本のバイアルVの間隔が拡大され、バイアルVの列が長くなるので、これに応じた分だけ、サイドガイド160、161がバイアルVの列の方向に変位し、これらの間隔が広げられる。そして同様に、第2および第6の係合部材142、146、第1および第7の係合部材141、147の順に前進して対応するバイアルVに係合し、このバイアルVの列の延長に応じてサイドガイド160、161が変位する。
【0045】
このときカップ供給コンベヤ201上では、誘導ガイド210、211の案内面212、213によって規定される20個の円形開口の直下にそれぞれカップCが供給されており、ストッパ230はカップCに係合している。一方テーブル120上では、バイアル挿入装置300の移動枠306が下降し、開放状態の一対の把持爪311の係合板312が各バイアルVの首部Nに対向した位置において閉鎖して首部Nを挟むとともに、プッシャ313が下降してバイアルVの天面に当接する。そして移動枠306は上昇し、Yレール302に沿ってカップ搬送装置200の誘導ガイド210、211の上方まで20本のバイアルVを移送する。
【0046】
移動枠306によってバイアルVが誘導ガイド210、211へ移送される間、プッシャ110は上昇し、バイアル供給コンベヤ101側へ後退するとともに下降してシャッタ130に対向する。これと同時に、ロータリストッパ106によって切り出された次の20本のバイアルVがシャッタ130の所まで搬送され、プッシャ110とシャッタ130の間に供給される。
【0047】
移動枠306は誘導ガイド210、211の上方から下降し、これにより各バイアルVが対応するカップC内に挿入される。この挿入動作において、バイアルVの誘導ガイド210、211に対する相対位置が多少ずれていたとしても、バイアルVは案内面212、213によって案内され、スムーズにカップCへ誘導される。
【0048】
バイアルVの下部がカップCに挿入されると、誘導ガイド210、211が開放して(
図3の破線の状態)、把持爪311に干渉しない位置へ退避する。そして、移動枠306がさらに下降してバイアルVはカップCの底部まで挿入されると、把持爪311が開放してバイアルVから離間し、移動枠306は上昇するとともにバイアル供給コンベヤ101側へ復帰する。一方カップ供給コンベヤ201上では、ストッパ230が揺動して後退し、カップCを解放するとともに、ロータリストッパ204が回転し始める。これによりバイアルVが挿入されたカップCがカップ供給コンベヤ201によって次の工程へ搬送される。20本のバイアルVとカップCが排出されると、ロータリストッパ204は停止する。
【0049】
誘導ガイド210、211の直下に次の20個のカップCが供給されると、誘導ガイド210、211が閉鎖するとともに、ストッパ230が揺動してカップCに係合する。
【0050】
以上の動作が繰り返し実行され、バイアルVは20本ずつカップCに挿入されるが、充填処理装置から供給されるバイアルVの数が20本以下になった場合、一列に整列されたバイアルVの間隔は、
図4に示される通常処理ではなく、
図5に示されるような端数処理により調整される。端数処理では、エンドストッパ102とサイドガイド160は、これらの上流側の端部が第7の係合部材147の切欠き153に合致した位置(
図5(a)参照)、すなわち第7の係合部材147の切欠き153側の凹部152がエンドストッパ102に当接したバイアルVに合致した位置を初期位置として定められる。
【0051】
プッシャ110とシャッタ130の間に所定本数(
図5では8本)のバイアルVが供給されると、シャッタ130が下降して、バイアル供給コンベヤ101とテーブル120の上面よりも下方へ移動した後、
図5(b)に示されるように、プッシャ110が前進してバイアルVをバイアル供給コンベヤ101からテーブル120上へ移載し、サイドストッパ121に当接させる。次に、
図5(c)に示されるように第7の係合部材147が前進し、この係合部材147の突起149が、列の端部に位置する2本のバイアルVに係合する。これにより、この2本のバイアルVの間隔が広げられる。
【0052】
次いで、第6の係合部材146、第5の係合部材145の順に前進して、これらの係合部材146、145の突起148がバイアルVに係合する。これにより8本のバイアルVの間隔が、カップ供給コンベヤ201上のカップC間の間隔に一致することになり、通常処理と同様に、バイアル挿入装置300によって8本のバイアルVがカップ供給コンベヤ201へ移送され、カップCに挿入される。
【0053】
以上のように、バイアル供給コンベヤ101からカップ供給コンベヤ201へ移送するバイアルVの数が、例えば20本程度であり、バイアルVの列の長さが相対的に長い場合、
図4に示される通常処理が実行される。すなわち、バイアルVの列の中央部に対向する係合部材144から、バイアルVの列の両端部のバイアルVに対向する係合部材141、147にかけて、順にバイアルVに係合させることにより、バイアル供給コンベヤ101により供給されるバイアルV間の間隔が拡大される。
【0054】
このようにテーブル120上において一列に整列したバイアルVが多数あっても、その中央部のバイアルVの間隔をまず拡大し、次に、その両側に位置するバイアルVの間隔を拡大するように構成されているので、本実施形態によれば、多数のバイアル間の間隔を広げる処理を迅速かつ正確に実行することができる。
【0055】
なお上記実施形態では、整列処理される物品はバイアルVであったが、本発明は、その他の物品に対しても適用できる。また係合部材の数は目的に応じて変更することができ、最初に前進させる係合部材は2つであってもよい。
【0056】
また上記実施形態では、整列テーブル120は静止した部材であったが、これに替えて、バイアル供給コンベヤ101からサイドストッパ121へ向けてバイアルVを搬送するベルトコンベヤを設けてもよい。すなわち、このベルトコンベヤはプッシャ110の移動に同期してバイアルVをサイドストッパ121まで搬送する。