(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る収納部付きステッキについて説明する。
【0022】
[収納部付きステッキの構成]
図1及び
図2は、本実施形態に係る収納部付きステッキ10の模式図であり、
図1は収納部付きステッキ10を一方向からみた図、
図2は収納部付きステッキ10を別の方向からみた図である。本明細書中において説明される各図において、X方向、Y方向及びZ方向は相互に直交する3方向である。
【0023】
これらの図に示すように、収納部付きステッキ10は、ステッキ20と収納部30を備える。
【0024】
ステッキ20は、軸部21、グリップ部22及び石突き部23を有する。
【0025】
軸部21は、
図1及び
図2に示すように、一方向を長手方向とする棒状の形状を有する。以下、軸部21の長手方向をZ方向とする。軸部21の長さや太さは特に限定されず、ユーザの用途やユーザが所望するサイズに応じて適宜決定することが可能である。軸部21の材料は特に限定されないが、例えば、木材、アルミ、鉄及び合成樹脂等からなるものとすることができ、少なくとも、ステッキとして機能する強度を有する材料であればよい。
【0026】
グリップ部22は、軸部21の一端に設けられ、X方向を長手方向とする棒状に形成されており、ユーザが持ち手として使用することができる。また、グリップ部22は、
図1及び
図2に示す形状に限られず、ユーザが持ち手として利用できる形状であればよい。
グリップ部22の材料は特に限定されないが、例えば、抗菌樹脂からなるものであってもよい。また、ステッキ20と同じ材料からなるものであってもよく、異なる材料からなるものであってもよい。なお、グリップ部22は必ずしも設けられなくてもよい。
【0027】
石突き部23は、軸部21においてグリップ部22とは反対側の一端に設けられ、地面と接地する。石突き部23の形状は特に限定されず、ユーザの用途やユーザが所望するサイズに応じて適宜決定することが可能である。石突き部23の材料は特に限定されず、例えば、高強度の合成樹脂材料等であってもよく、ゴム等の弾性材料であってもよい。なお、石突き部23は必ずしも設けられなくてもよい。
【0028】
収納部30は、物品を収納する。また、収納部30は、後述するように、ステッキ20に対してZ方向に移動可能に設けられている。収納部30の長さや幅、厚みは特に限定されず、ユーザの用途やユーザが所望するサイズに応じて適宜決定することが可能である。収納部30の材料は特に限定されないが、例えば、合成樹脂、金属、皮革及び木材、繊維等からなるものであってもよい。
【0029】
収納部30は、収納空間31を有する。収納空間31は、物品を収納することが可能に構成されている。収納部30は、例えば、図示しないファスナー等の開閉機構を備え、収納空間31を開閉することが可能である。収納空間31の形状は特に限定されず、物品を収納可能であればよい。
【0030】
また、収納部30は、自立機能部32を有する。
図3は、収納部30を底面側から見た模式図である。同図に示すように、自立機能部32は、収納部30の底面に、ある程度の間隔を空けて2つが設けられるものとすることができる。自立機能部32の個数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は複数とすることが可能である。自立機能部32の形状は特に限定されず、ユーザの用途やユーザが所望するサイズに応じて適宜決定することが可能である。自立機能部32の材料は特に限定されないが、例えば、高強度の合成樹脂材料等であってもよく、ゴム等の弾性材料であってもよい。
【0031】
収納付きステッキ10は以上のような構成を有する。
【0032】
[収納部付きステッキの動作]
収納部30は、上述のようにステッキ20に対してZ方向に移動可能に設けられている。
図4〜
図6は、収納部付きステッキ10の動作を示す図である。
図5は、収納部30が最もグリップ部22側である最上位置にある状態を示す図であり、
図6は収納部30が最も石突き部23側である最下位置にある状態を示す図である。
図4は最上位置と最下位置の間に収納部30が位置する状態を示す図である。
【0033】
収納部30は、
図4に両矢印で示すように、ステッキ20に沿ってZ方向に移動することができる。
【0034】
これにより、ユーザは収納部30に収納される収納物の重さに応じて、収納部付きステッキ10の重心の位置を移動することができる。よって、収納部30に収納される収納物の重さに関係なくステッキのバランスを確保することができ、ステッキの操作性を確保することが容易となる。また、ステッキ20に対して収納部30を収納物の出し入れに適した位置に移動させることができるため、収納操作も容易に行うことが可能となる。例えばユーザは、
図5に示す最上位置において収納部30に収納物を出し入れし、収納部30の重量が大きくなると、
図6に示す最下位置に収納部30を移動させ、収納部付きステッキ10を安定させることが可能である。なお、本実施形態の収納部30は、軸部21を回転軸としてユーザが所望する適宜の位置で回転することもできる。
【0035】
[自立機能部について]
ここで、
図6に示すように、収納部30が有する自立機能部32は、最下位置において地面Gと接地する構成となる。これにより、自立機能部32は、同図に示すように、収納部30を支持することにより、ステッキ20を自立させることができる。
【0036】
したがって、ユーザは収納部付きステッキ10を立て掛けたり、横に倒す必要がなくなるので、周辺環境に依存せずに収納部付きステッキ10の置き場所を確保することが容易となる。
【0037】
また、収納部付きステッキ10は、自立機能部32に替えて、または自立機能部32に加えて、車輪33を有していてもよい。
図7は車輪33を備える収納部付きステッキ10を示す模式図であり、
図8は当該収納部付きステッキ10の使用態様を示す模式図である。本実施形態に係る自立機能部32は、
図7に示すように、キャスター等の車輪33がステッキ20を自立させるための自立機能部32として供された構成とすることもできる。車輪33の位置は、
図3における自立機能部32と同じ配置とすることができる。車輪33の数は、自立機能部32と同様に2つに限定されるものではなく、1つ又は複数とすることが可能である。
【0038】
これらの図に示すようにユーザは、収納部付きステッキ10を傾けることにより、車輪を利用して収納部付きステッキ10を移動させることが可能であり、収納物の重量が大きい場合等に収納部付きステッキ10を容易に移動させることが可能である。これにより、ユーザは収納部付きステッキ10を歩行のサポートをするステッキとしてだけではなく、
図8に示すように、キャリーバックとしても使用することができる。
【0039】
収納部30に具備される車輪33の数は、
図7に示す数に限定されるものではなく、1つ又は複数個の車輪33が収納部30に具備される構成とすることができる。
【0040】
[ステッキと収納部の取り付け構造について]
上記のように、収納部30は、ステッキ20に対してZ方向に移動可能に設けられている。このため、収納物を収容する状態においても重力によって移動しないように構成されている必要がある。
【0041】
図9は、
図2のA−A線における断面図である。本実施形態に係る収納部付きステッキ10は、同図に示すように、ステッキ20にピン受け部24と、収納部30に掛止ピン40を具備する構成とすることもできる。これにより、ユーザが所望する適宜の位置で収納部30がステッキ20に固定されることができる。
【0042】
掛止ピン40は、
図9の矢印で示すように、X方向に沿って移動することができ、図示を省略したばね等の付勢部材によって、常時、ステッキ20を押圧するように付勢されている。
【0043】
具体的には、掛止ピン40は、
図9に示すように、収納部30の内壁に埋没する点線で示した埋没位置と、ステッキ20の方向に突出し、掛止ピン40がピン受け部24と嵌合する実線で示した突出位置との間を移動可能に構成される。
【0044】
これにより、掛止ピン40は、ピン受け部24との嵌合時(掛止ピン40が突出位置にある時)のみ、ステッキ20の方向に最も突出した構成となるので、ステッキ20は掛止ピン40により掛止される。したがって、収納部30は、収納部付きステッキ10の使用中にステッキ20に沿って鉛直下方に移動することなく、ユーザが所望する適宜の位置に固定されることが可能である。
【0045】
なお、本実施形態に係る掛止ピン40の個数は、
図9に示す個数に限定されるものではなく、1つ又は複数個の掛止ピン40が収納部30に具備される構成とすることができる。また、ピン受け部24は、
図9に示すような凹状に限定されず、掛止ピン40が挿通する挿通孔であってもよい。
【0046】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る収納部付きステッキについて説明する。
【0047】
[収納部付きステッキの構成]
図10は、本実施形態に係る収納部付きステッキ50の模式図である。
【0048】
図10に示すように、収納部付きステッキ50は、ステッキ60と収納部70を備える。
【0049】
ステッキ60は、軸部61、グリップ部62及び石突き部63を有する。
【0050】
本実施形態に係る軸部61は、一方向に伸縮可能であり、長さ可変に構成される。以下、軸部61の長手方向をZ方向とする。
図11及び
図12は軸部61の伸縮を示す図であり、
図11は短縮状態、
図12は伸長状態を示す図である。軸部61の伸縮機構は特に限定されず、一般的な伸縮機構であるものとすることができる。なお、グリップ部62及び石突き部63は、第1の実施形態に係るグリップ部22及び石突き部23と同様な構成であるため、説明を省略する。
【0051】
図13は、本実施形態に係る収納部70の模式図であり、
図14は、
図13のB−B線の断面図である。本実施形態の収納部70は、
図13及び
図14に示すように、収容部80、掛け紐81及び自立機能部72を具備する。なお、本実施形態の自立機能部72は、第1の実施形態に係る自立機能部32と同様な構成であるため、説明を省略する。
【0052】
収容部80は、収納空間71とは異なる空間として形成され、軸部収容部82及びグリップ部収容部83を有する。また、収納部80は、
図13及び
図14に示すように、内部に収納空間71を有する。収納空間71は、第1の実施形態に係る収納空間31と同様な構成であるため、説明を省略する。なお、収容部80は、軸部収容部82及びグリップ部収容部83のいずれか一方を有する構成であってもよい。
【0053】
軸部収容部82は、
図14に示すように、Z方向に長手方向をとり、グリップ部収容部83と連通する空間として形成される。また、軸部収容部82はグリップ部収容部83と、収納部70における底面とを連通する貫通孔とすることができる。これにより、軸部収容部82は、短縮された軸部61を収容することができる。なお、軸部収容部82は、収納空間71と連通する構成であってもよい。
【0054】
グリップ部収容部83は、
図14に示すように、X軸方向に長手方向をとる空間として形成され、軸部収容部82と連通する。これにより、グリップ部収容部83は、グリップ部62を部分的に収容することができる。なお、グリップ部収容部83は、収納空間71と連通する構成であってもよい。
【0055】
掛け紐81は、収納部70に設けられた、可撓性の帯とすることができる。掛け紐81は
図13に示すように、一端が収納部70の底面側に接続され、他端がグリップ部収容部83側に接続されるものとすることができる
【0056】
掛け紐81は、
図13の点線で示すように、使用時に掛け紐収納部(図示しない)から引き出され、ユーザの肩等に掛けられる紐として使用される。使用後には、図示しない巻き取り部に巻き取られるように構成されることができる。これにより、収納部付きステッキ50を掛け紐81に邪魔されずにステッキとして用いることができる。
【0057】
掛け紐81の長さや幅、厚みは特に限定されず、ユーザの用途やユーザが所望するサイズに応じて適宜決定することが可能である。掛け紐81の材料は特に限定されないが、例えば、繊維や軟化性合成樹脂材料等の合成樹脂であってもよく、少なくとも可撓性を有する材料であればよい。掛け紐81の数は、
図13及び
図14の構成に限定されるものではなく、1つあるいは複数ある構成であってもよい。
【0058】
図15及び
図16はステッキ60が収納部70に収容された状態を示す模式図である。
図15は収納部付きステッキ50を一方向から見た図であり、
図16は収納部付きステッキ50を別方向から見た図である。これらの図に示すように、ステッキ60は、軸部61が軸部収容部82に収容され、グリップ部62がグリップ部収容部83に収容されることで、収納部70に収容されることができる。
【0059】
これにより、本実施形態に係る収納部付きステッキ50は省スペース化を図ることができるので、未使用時の収納部付きステッキ50の収納場所を確保することが容易となる。また、ステッキ60を収容部80に収容させることで、ステッキとして認識されにくくなるので、外観性能を向上させることも可能である。さらに、収納部70は、
図15及び
図16に示すように、収納物を収納する収納空間71及び掛け紐81を有することで、ユーザは収納部付きステッキ50をステッキとしてだけではなく、鞄として使用することもできる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に収納部70がステッキ60に沿って移動自在に取り付けられた構成とすることもできる。
また、第1の実施形態と同様に収納部付きステッキ50は、自立機能部72に替えて、または自立機能部72に加えて、車輪を有していてもよい。
【0061】
また、第2の実施形態では、収納部付きステッキ50は、鞄として使用することもできると説明したが、収納部付ステッキ50のステッキ以外の用途は、鞄のみに限定されるものではない。
【0062】
(ステッキ機能付き収納体)
次に、本発明の他の観点に係るステッキ機能付き収納体100について説明する。上述の各実施形態では、ステッキに主眼が置かれていたため、その名称が収納部付きステッキとされていたが、本実施形態では、収納体に主眼が置かれているため、その名称がステッキ機能付き収納体100とされている。なお、上述の各実施形態に係る収納部付きステッキと、本実施形態に係るステッキ機能付き収納体100とは、その基本的な構成は同じである。
【0063】
図17は、本実施形態に係るステッキ機能付き収納体100を示す正面図であり、
図18は、ステッキ機能付き収納体100を示す側面図である。また、
図19は、ステッキ機能付き収納体100を示す上面図であり、
図20は、ステッキ機能付き収納体100を示す底面図である。なお、
図17及び
図18では、収納部110が有する収納空間116が一点鎖線で示されており、また、
図17〜
図19では、ステッキ130における隠れていて見えない部分が点線で表示されている。
【0064】
これらの図に示すように、本実施形態に係るステッキ機能付き収納体100は、収納部110と、収納部110に取り付けられたステッキ130とを備えている。
【0065】
ステッキ130は、収納部110の上部側(一方側)に設けられたグリップ部132と、収納部110の下部側(他方側)に設けられ、下部側において下方(一方側とは反対側)に向けて伸長する長さ可変な軸部131とを有している。また、ステッキ130は、軸部131の下部に取り付けられた石突き部133(
図20参照)と、グリップ部132の下面に設けられた操作部134とを有している。
【0066】
グリップ部132は、上方から見て半月状の形状を有しており(
図19参照)、厚さ(Z軸方向)よりも幅(XY軸方向)が大きい部材とされている。このグリップ部132は、ユーザが把持しやすい程度の大きさとされている。操作部134は、ユーザによる操作に応じて、軸部131の長さの変更が許可される許可状態と、軸部131の長さの変更が規制されるロック状態とを切り替え可能とされている。
【0067】
なお、本実施形態では、グリップ部132及び軸部131が一体的に形成されているが、グリップ部132及び軸部131をそれぞれ別体として収納部に取り付けることもできる。また、グリップ部132は、収納部110の上部側(一方側)に一体的に設けられるように構成されていてもよい。なお、ステッキ130における具体的な構成については、
図24を参照して後に詳述する。
【0068】
収納部110は、収納部本体111と、収納部本体111の正面に設けられた開閉蓋112と、収納部本体111の底面に設けられた脚部113(自立機能部)と、収納部本体111の底面に設けられた2つの車輪114とを有している。また、収納部110は、収納部本体111の背面に設けられた掛け紐着脱部115を有している。
【0069】
収納部110は、全体として円筒形状(上側と下側が閉じられた円筒状)に形成されおり、その内部にユーザによる任意の物品を収納する収納空間116を有している。収納部110は、例えば、高さ(Z軸方向)が30cm〜40cm程度に構成されており、幅(直径:XY軸方向)が10cm〜15cm程度に構成されている。また、収納空間116は、例えば、少なくとも500mlのペットボトルが入る程度の大きさとされている。
【0070】
開閉蓋112は、開閉蓋112の下側に設けられたヒンジ部112a(
図18参照)を介して収納部本体111に対して回動可能(開閉可能)に取り付けられている。開閉蓋112は、円筒形状に構成された収納部110の正面側の一部が切り取られるようにして構成されており、開閉蓋112が閉じた状態では、開閉蓋112は収納部本体111と共に一体的な外観形状(円筒形状)となるように構成されている。
【0071】
収納部本体111の背面側には、短縮状態のステッキ130の軸部131を収容可能な収容部(図示せず)が形成されている。この収容部は、収納部本体111を上下方向に貫通する円形状の穴によって構成されており、この穴の直径は、ステッキ130における軸部131よりも若干大きい程度の大きさとされている。
【0072】
本実施形態では、収納部110に設けられた収容部において短縮状態のステッキ130の軸部131を収納することができるため、ステッキ機能付き収納体100がステッキ130としての機能を有しているということを他の人に認識されにくくなるというメリットがある。
【0073】
収納部本体111は、正面側から見て(
図17参照)左側の上面の位置が右側の上面の位置よりも一段低く形成されている。つまり、収納部本体111は、その外形において、上部における左側の一部が窪んでいる形状とされている。本実施形態では、この窪んでいる部分により形成された空間によって、ステッキ130のグリップ部132が収容されるグリップ部収容部117が形成されている。なお、本実施形態の説明では、右側、左側との表現は、ステッキ機能付き収納体100を正面側から見た場合の右側、左側という意味で使用する。
【0074】
グリップ部132がグリップ部収容部117に収容されている状態では、グリップ部132の上面の位置と、収納部本体111における右側の上面(一段高い方)の位置とが一致するように、これらの高さが調整されている。
【0075】
収納部本体111における右側の上面は、上方から見たときに、グリップ部132における半月(下弦の月)とは逆の半月(上弦の月)となる形状を有している(
図19参照)。本実施形態では、グリップ部132がグリップ部収容部117に収容されている状態で、グリップ部132の上面と収納部本体111における右側の上面とで全体として一体的な円となるように、これらの形状が設定されている。
【0076】
本実施形態では、グリップ部132がグリップ部収容部117に収容されている状態では、グリップ部132が収納部110の上部と一体的な外観形状となる。このため、デザイン的に有利であり、また、その部分がステッキ130のグリップ部132であることを他の人に認識されにくくなるといったメリットがある。
【0077】
脚部113は、収納部本体111の底面における正面側の位置に、底面から下側に向けて突出するように形成されている。2つの車輪114は、収納部本体111の底面における背面側の位置に、Y軸方向で所定の間隔を開けて設けられている。本実施形態では、脚部113及び2つの車輪114が3点(あるいは、石突き部133を含めた4点)で地面に接地することによって、ステッキ機能付き収納体100を自立させることができる。
【0078】
本実施形態では、ステッキ機能付き収納体100の前後方向(X軸方向)において、ステッキ130の軸部131と車輪114とが同じ側(背面側)に配置されているが、ステッキ130の軸部131と車輪114とが反対側に配置されていてもよい(
図7参照)。この場合、石突き部133が脚部113の代わりになるので、脚部113は省略することができる。
【0079】
掛け紐着脱部115は、収納部本体111の背面において上部側に設けられた第1の着脱部115aと、下部側に設けられた第2の着脱部115bとを有する。第1の着脱部115aは、掛け紐118の一端部を着脱可能に構成されており、第2の着脱部は、掛け紐118の他端部を着脱可能に構成されている。
【0080】
本実施形態において、ステッキ機能付き収納体100が鞄として使用される場合には、掛け紐118が掛け紐着脱部115に装着された状態で使用される。一方、ステッキ機能付き収納体100がステッキ130として使用される場合には、掛け紐118が邪魔にならないように、掛け紐118が掛け紐着脱部115から取り外された状態で使用される。取り外された掛け紐118は、収納空間116に収納しておくこともできる。なお、上述の実施形態と同様に、掛け紐118は、使用時に掛け紐収容部から引き出され、未使用時に巻き取り部に巻き取られるように構成されていてもよい。
【0081】
図21には、ユーザが掛け紐118を肩に掛けてステッキ機能付き収納体100を鞄として使用しているときの様子が示されている。
【0082】
図22は、ステッキ130が伸びたときの様子を示す正面図であり、
図23は、ステッキ130が伸びたときの様子を示す側面図である。なお、
図22及び
図23では、ステッキ130における隠れていて見えない部分が点線で表示されている。
【0083】
ここで、
図17及び
図18に示すようにステッキ130の軸部131が短縮状態とされているときに、グリップ部132に設けられた操作部134がユーザにより操作されると、軸部131が収納部110から下方に向かって伸長し、
図22及び
図23に示すような状態となる。
【0084】
ステッキ130は、軸部131が最も伸びたときの全体の長さが、例えば、80cm〜100cmとなるように、その長さが設定されている。
【0085】
収納部110は、ステッキ130の軸部131に対して、軸部131の長手方向(Z軸方向)に沿って移動可能に構成されている(
図22及び
図23の矢印参照)。具体的には、収納部110は、伸びた状態のステッキ130に対して、最上位置と、最下位置との間で移動可能に構成されており、かつ、ステッキ130に対して長手方向で所定の位置に固定可能に構成されている。収納部110をステッキ130に対して移動可能かつ固定可能とするための機構として、例えば、上述の
図9に示した掛止ピン40及びピン受け部24による機構が用いられる。
【0086】
図22及び
図23には、収納部110が最上位置に固定されているときの様子が示されている。収納部110が最上位置に位置するとき、収納部110のグリップ部収容部117にグリップ部132が収容される。一方、収納部110が最下位置に位置するとき、収納部110に設けられている脚部113及び2つの車輪114による3点(あるいは、石突き部133を含めた4点)が地面に接触する。これにより、ステッキ130が伸びた状態でも、ステッキ130を安定して自立させておくことができる。
【0087】
ステッキ機能付き収納体100がステッキとして使用される場合には、
図22及び
図23に示すような最上位置に収納部110が位置されるか、あるいは、最上位置及び最下位置の間の中間位置に収納部110が位置される。
【0088】
ステッキ130が使用される場合、ユーザによりグリップ部132が掴まれることになるが、本実施形態では、グリップ部132が半月状に形成されているため、ユーザにより掴みやすい形状とされている。なお、本実施形態では、ユーザがステッキ130を使用するとき、手のひらをグリップ部132の上面に乗せ、グリップ部132の円弧の部分を指で掴むようにしてグリップ部132を持つことが想定されている。
【0089】
本実施形態に係るグリップ部132は、半月状とされておりXY平面における面積が広く形成されているため、ユーザがグリップ部132を持ってステッキ130を突くときにユーザの手のひらに掛かる負担を分散させることができる。従って、ユーザの手が疲れてしまうことを防止することができる。
【0090】
ここで、収納部110が最上位置に位置する場合には、グリップ部132がグリップ部収容部117に収容され、グリップ部132の上面の位置と、収納部本体111における右側の上面の位置とが一致する。また、このとき、グリップ部132の上面における半月と、収納部本体111における右側の上面における半月とで全体として一体的な円となる。
【0091】
この場合、ユーザは、この一体的に形成された円の上に手のひらを乗せてグリップ部132の円弧の部分を指で掴むこともできる。これにより、手のひらを乗せる部分の面積がさらに広くなるので、ユーザの手が疲れてしまうことを防止する効果がさらに高くなる。
【0092】
収納部110が最下位置に位置するとき、ユーザは、ステッキ機能付き収納体100をキャリーバックとてして使用することができる。この場合、ユーザは、伸びた状態のステッキ130におけるグリップ部132を掴んで、ステッキ機能付き収納体100を背面側に傾斜させる。このとき、脚部113が地面から離れ、2つの車輪114が地面に接地した状態となり、ユーザがステッキ機能付き収納体100を背面側に向けて引けば、キャリーバックとして使用することができる。
【0093】
本実施形態では、上述のように、ステッキ130の軸部131と車輪114とが前後方向(X軸方向)で同じ側(背面側)に配置されている。従って、ステッキ130の軸部131と車輪114とが前後方向で反対側に配置されている場合に比べて、ユーザは、安定してキャリーバックのようにステッキ機能付き収納体100を引くことができる。
【0094】
[ステッキ130における具体的な構成]
次に、ステッキ130における具体的な構成について詳細に説明する。
図24は、ステッキ130を示す側方断面図である。なお、
図24では、図面を見やすく表示するために、縦横の比率を本来の比率とは異ならせて表示している(実際よりも横の比率を大きくしている)。なお、これについては、後述の
図25〜
図28においても同様である。
【0095】
図24に示すように、ステッキ130の軸部131は、最も外側に位置する外軸135と、外軸135の内側に位置し、外軸135に対して上下方向に移動可能な内軸136と、内軸136の内側に位置し、内軸136に対して上下方向に移動可能な最内軸137とを有する。外軸135の上端部には、グリップ部132が取り付けられており、一方で、最内軸137の下端部には、石突き部133が取り付けられている。また、内軸136の上端部には、第1の天板136aが取り付けられており、最内軸137の上端部には、第2の天板137aが取り付けられている。
【0096】
また、外軸135の内部において、グリップ部132の下面と第1の天板136aの上面との間には、内軸136を下側に向けて付勢する第1の弾性部材140が設けられている。同様に、第2の内軸136の内部において、第1の天板136aの下面と第2の天板137aの上面との間には、最内軸137を下側に向けて付勢する第2の弾性部材141が設けられている。第1の弾性部材140及び第2の弾性部材141は、例えば、バネやゴムなどの弾性体によって構成されている。
【0097】
外軸135の内壁部には、内壁部から遠心方向の内側に向けて突出する第1の突起部142及び第2の突起部143が設けられている。第1の突起部142は、外軸135の上部側に設けられており、第2の突起部143は、外軸135の下部側に設けられている。
【0098】
第1の突起部142は、内軸136が外軸135に対して最上位置に位置しているときに、内軸136に設けられた第1の天板136aを上方から押さえつけ、内軸136がそれ以上、上側に向けて移動することを規制する。一方、第2の突起部143は、内軸136が外軸135に対して最下位置に位置しているときに、内軸136に設けられた第1の天板136aを下方から支持し、内軸136がそれ以上、下側に向けて移動することを規制する。
【0099】
同様に、内軸136の内壁部には、内壁部から遠心方向の内側に向けて突出する第3の突起部144及び第4の突起部145が設けられている。第3の突起部144は、内軸136の上部側に設けられており、第4の突起部145は、内軸136の下部側に設けられている。
【0100】
第3の突起部144は、最内軸137が内軸136に対して最上位置に位置しているときに、最内軸137に設けられた第2の天板137aを上方から押さえつけ、最内軸137がそれ以上、上側に向けて移動することを規制する。一方、第4の突起部145は、最内軸137が内軸136に対して最下位置に位置しているときに、最内軸137に設けられた第2の天板137aを下方から支持し、最内軸137がそれ以上、下側に向けて移動することを規制する。
【0101】
グリップ部132の下面には、操作部134が設けられている。操作部134は、グリップ部132がユーザにより掴まれたときに、グリップ部132の下側に回り込んだ指の先端の位置に位置するように、その位置が調整されている。これにより、ユーザは、グリップ部132を掴んだ状態で、指先で操作部134を容易に操作することができる。
【0102】
操作部134は、グリップ部132に対して上下方向に移動可能に構成されている。操作部134は、操作部本体134aと、操作部本体134aから上方に突出する突起134bとを有している。本実施形態では、操作部134として押圧タイプの操作部134が採用されているが、操作部134としては、スライドタイプの操作部134が採用されてもよいし、回転タイプの操作部134が採用されてもよい。
【0103】
本実施形態に係るステッキ130は、操作部134の操作に応じて、軸部131の長さの変更を許可する許可状態と、軸部131の長さの変更を規制するロック状態とを切り替えるロック機構150を有している。
【0104】
このロック機構150は、操作部134による操作に応じて、ロック位置及び解除位置の間で移動可能な第1の係止ピン151と、操作部134の操作を第1の係止ピン151に伝達する伝達機構152とを含む。また、ロック機構150は、ロック位置及び解除位置の間で移動可能な第2の係止ピン153と、第1の係止ピン151、第2の係止ピン153に嵌合する係止穴172、173、175、係止溝176とを含む。
【0105】
伝達機構152は、操作部134に設けられた突起134bに一端側で接触する第1の回動部材154と、第1の回動部材154の他端側を上方に向けて付勢する第1の付勢部材155とを有している。また、伝達機構152は、その一端側において、第1の係止ピン151の一端側を回動可能に保持する第2の回動部材156と、第2の回動部材156の他端側を遠心方向の外側に向けて付勢する第2の付勢部材157とを有している。
【0106】
さらに、伝達機構152は、第1の回動部材154の他端側及び第2の回動部材156の他端側を結ぶワイヤー158と、ワイヤー158が掛けられる3つのローラ159、160、161とを有している。
【0107】
第1の回動部材154は、棒状の部材であり、中央部分に設けられたY軸方向の軸を中心軸として回動可能に構成されている。第1の付勢部材155は、例えば、バネ、ゴムなどの弾性体により構成されている。
【0108】
操作部134が操作されていない状態では、第1の付勢部材155により第1の回動部材154の他端側が上方に向けて付勢されるので、操作部134は、第1の付勢部材155の一端側によって下方に向けて付勢される。従って、操作部134が操作されていない状態では、操作部134は下側の位置に位置している。
【0109】
グリップ部132は、内部に中空部162を有しており、この中空部162に第1の回動部材154、第1の付勢部材155及び2つのローラ159、160が配置されている。
【0110】
第2の回動部材156は、第1の回動部材154と同様に、棒状の部材であり、中央部分に設けられたY軸方向の軸を中心軸として回動可能に構成されている。第2の付勢部材157は、第1の付勢部材155と同様に、例えば、バネ、ゴムなどの弾性体により構成されている。
【0111】
操作部134が操作されていない状態では、第2の付勢部材157により第2の回動部材156の他端側が遠心方向の外側に向けて付勢されるので、第1の係止ピン151は、第2の付勢部材157の一端側によって遠心方向の内側に向けて付勢される。従って、操作部134が操作されない状態では、第1の係止ピン151は、遠心方向の内側の位置(ロック位置)に位置している。
【0112】
ワイヤー158は、金属、繊維などの必要な強度を有する材料によって構成されている。外軸135の外側には、軸部131の長手方向(Z軸方向)に沿ってワイヤー158を通すための管部163が設けられており、ワイヤー158は、この管部163の内部を通される。
【0113】
外軸135の外側において管部163の下側の位置には、第1の係止ピン151、第2の回動部材156、第2の付勢部材157、ローラ161を収容するための収容部163が形成されている。
【0114】
第2の係止ピン153は、最内軸137の内壁部に取り付けられた板バネ部153aの先端側に固定されている。板バネ部153aは、中央近傍の位置が折り曲げられるようにして形成されており、第2の係止ピン153を遠心方向の外側に向けて付勢する。
【0115】
なお、本実施形態では、第1の係止ピン151が遠心方向の内側に向けて付勢される力が、第2の係止ピン153が遠心方向の外側に向けて付勢される力よりも強くなるようにこれらの付勢力が設定されている。
【0116】
外軸135の下部には、第1の係止ピン151を挿通させるための第1の挿通穴171が形成されている。また、内軸136の上部には、内軸136が外軸135に対して最下位置に位置している状態(伸長状態)で第1の係止ピン151と嵌合する第1の係止穴172が形成されている。さらに、内軸136の下部には、内軸136が外軸135に対して最上位置に位置している状態(短縮状態)で第1の係止ピン151と嵌合し、かつ、最内軸137が内軸136に対して最下位置に位置している状態(伸長状態)で第2の係止ピン153と嵌合する第2の係止穴173が形成されている。
【0117】
また、最内軸137の上部には、第2の係止ピン153を挿通させるための第2の挿通穴174が形成されている。さらに、最内軸137の下部には、最内軸137が内軸136(及び外軸135)に対して最上位置に位置している状態(短縮状態)で第1の係止ピン151と嵌合する第3の係止穴175が形成されている。
【0118】
また、内軸136の外周面には、第1の係止ピン151と嵌合可能な複数の係止溝176(図に示す例では4つ。貫通していない)が、長手方向(Z軸方向)に沿って所定の間隔で形成されている。これらの係止溝176は、第1の係止穴172と、第2の係止穴173との間に形成されている。
【0119】
[動作説明]
次に、ステッキ130の軸部131が操作部134の操作に応じて伸縮するときの動作について説明する。
図25は、ステッキ130の軸部131が短縮している状態で、操作部134が操作されたときの様子を示す図である。
図26は、ステッキ130の軸部131が最長の長さとされているときの様子を示す図である。
図27は、ステッキ130の軸部131の長さが調整されたときの様子を示す図である。
図28は、ステッキ130の軸部131が短縮されるときの様子を示す図である。
【0120】
図25を参照して、ステッキ130の軸部131が短縮されている状態で、ユーザにより操作部134が操作されて操作部134が上方に移動されたとする。この場合、第1の回動部材154が反時計回りに回動し、この回動に応じてワイヤー158が上方に向けて引っ張られる。ワイヤー158が上方に引っ張られると、第2の回動部材156が時計回りに回動し、これに応じて、第1の係止ピン151が遠心方向の外側に向けて移動する。これにより、第1の係止ピン151がロック位置から解除位置へと移動し、外軸135、内軸136及び最内軸137の間のロック状態が解除される。
【0121】
最内軸137のロック状態が解除されると、第2の弾性部材141による付勢力によって、最内軸137が内軸136に対して下方へ移動する。最内軸137が内軸136に対して最下位置まで移動されると、最内軸137に設けられた第2の天板137aが、内軸136に設けられた第4の突起部145に当接し、最内軸137がそれ以上、下側に移動することが規制される。このとき、最内軸137に設けられた第2の係止ピン153が、内軸136に設けられた第2の係止穴173に嵌合する(
図26参照)。これにより、内軸136と最内軸137とが長手方向でロック状態とされる。
【0122】
また、内軸136のロック状態が解除されると、第1の弾性部材140による付勢力によって、内軸136が外軸135に対して下方へ移動する。内軸136が外軸135に対して最下位置まで移動されると、内軸136に設けられた第1の天板136aが、外軸135に設けられた第2の突起部143に当接し、内軸136がそれ以上、下側に移動することが規制される。このとき、外軸135に設けられた第1の係止ピン151が、内軸136に設けられた第1の係止穴172に嵌合する(
図26参照)。これにより、外軸135と内軸136とが長手方向でロック状態とされる。
【0123】
これにより、
図26に示すように、ステッキ130の軸部131が最も伸びた状態で各軸がロック状態とされる。ステッキ130の長さを調整する必要がある場合、ユーザは、再び操作部134を操作して第1の係止ピン151をロック位置から解除位置へと移動させ、外軸135及び内軸136のロック状態を解除する。そして、ユーザがステッキ130のグリップ部132を手のひらで上方から押すと、内軸136及び最内軸137のロック状態が維持されたまま、内軸136が外軸135に対して上方へ移動する。
【0124】
そして、第1の係止ピン151が一番上の係止溝176の位置まで移動すると、第1の係止ピン151が係止溝176に嵌合し、これにより、外軸135及び内軸136が再びロック状態とされる。この時点でまだステッキ130が長く感じる場合には、ユーザは、再び同じ動作を繰り返す。
【0125】
一方、ステッキ130を短くし過ぎたと感じた場合には、ユーザは、手のひらでグリップ部132を上方から押さずに操作部134を操作すればよい。この場合、第1の弾性部材140の弾性力によって内軸136が外軸135に対して下方へ移動するため、ステッキ130の軸部131を長くすることができる。なお、
図27には、第1の係止ピン151が上から2番目の係止溝176に嵌合しているときの様子が示されている。
【0126】
ユーザがステッキ130を短縮状態として収納部110の収容部へ収容する場合、ユーザは、操作部134を操作して外軸135及び内軸136のロック状態を解除した後、ステッキ130のグリップ部132を手のひらで上方から押す。
【0127】
そして、
図28に示すように、内軸136が外軸135に対して最上位置まで移動されると、内軸136に設けられた第1の天板136aが、外軸135に設けられた第1の突起部142に当接し、内軸136がそれ以上、上側に移動することが規制される。このとき、
図28に示すように、第1の係止ピン151の位置と、第2の係止ピン153の位置とが一致する(この時点ではユーザは操作部134を離している)。
【0128】
上述のように、第1の係止ピン151が遠心方向の内側に向けて付勢される力は、第2の係止ピン153が遠心方向の外側に向けて付勢される力よりも強くなるようにこれらの付勢力が設定されている。従って、第1の係止ピン151の位置と、第2の係止ピン153の位置が一致すると、第1の係止ピン151の付勢力によって、第2の係止ピン153が遠心方向の内側に向かって移動する。
【0129】
これにより、第2の係止ピン153がロック位置から解除位置へと移動し、内軸136及び最内軸137のロック状態が解除される。また、このとき、第1の係止ピン151が内軸136における第2の係止穴173に嵌合するため、外軸135及び内軸136がロック状態とされる。
【0130】
内軸136及び最内軸137のロック状態が解除された後も引き続きユーザは、手のひらでグリップ部132を上方から押す。これに伴い、最内軸137が内軸136に対して上方へ移動する。最内軸137が内軸136に対して最上位置まで移動されると、最内軸137に設けられた第2の天板137aが、内軸136に設けられた第3の突起部144に当接し、最内軸137がそれ以上、上側に移動することが規制される。
【0131】
このとき、第1の係止ピン151が最内軸137に設けられた第3の係止穴175に嵌合し、これにより、最内軸137が、外軸135及び内軸136に対してロック状態とされる(
図24参照)。
【0132】
以上説明したように、本実施形態に係るステッキ機能付き収納体100は、操作部134及びロック機構150を備えているため、ユーザは、操作部134による簡単な操作によってステッキ130を所望の長さに調整することができる。
【0133】
さらに、本実施形態では、操作部134がグリップ部132に設けられているため、ユーザは、グリップ部132を握ったまま操作部134を操作してステッキ130の長さを調整することができる。
【0134】
なお、本実施形態では、操作部134がグリップ部132に設けられているが、操作部134は、グリップ部132自体でははく、グリップ部132の近傍に設けられていてもよい。例えば、操作部134は、軸部131の上部に設けられていてもよいし、収納体100の上部に設けられていてもよい。なお、操作部134が、グリップ部132自体、あるいは、グリップ部132の近傍に設けられていれば、ユーザは、軸部131の伸縮に邪魔されずに操作部134を操作することができる。