(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ドレープは、所定の間隔で基点を定め、当該基点の周辺の生地を寄せ集めて固定することによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のイージードレス。
前記ドレープは、前記端部辺の任意の固定点から前記端部辺に沿って筒状の挿通孔を形成し、この挿通孔に挿通させ、一部が当該固定点に固定される第2の紐状体を備え、当該挿通孔を前記固定点側に寄せることによって形成されることを特徴とする請求項1、又は2に記載のイージードレス。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本願の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、生地2の説明において、便宜的に
図1に示す左右方向を生地幅Xの左右方向、上下方向を生地丈Yの上下方向として説明する。また、以下の説明で用いられる段折りとは、山折りと谷折りを交互に行うことによって、折り返す手法をいう。
【0014】
(第1実施形態)
本実施形態の婦人用のイージードレス(以下、「ドレスD」という。)は、1枚の生地2から製造されるドレスである。また、本実施形態では、ドレスDの一例として、ウェディングドレスについて説明を行うが、この形態に限定されるものではなく、ファッション性の高いドレス等にも適用可能である。
【0015】
まず、ドレスDを製作するための生地2について、
図1及び
図2を用いて説明する。
【0016】
この生地2は、その用途や趣向に応じて、一般的なドレスDの製作に使用されるものであって、その材質は、サテンが好適に用いられ、例えば、タフタ、チュール、オーガンジー、レース、シフォン、コットン等を単独又は適宜組み合わせて用いられる。
【0017】
また、生地2の形状は、例えば、縦長に略帯状に形成され、その寸法は、少なくとも生地幅Xが装着者のバスト寸法を有している。また、生地丈Yは、装着者の身長やドレスDの形状によって適宜設定される。
【0018】
なお、生地2の形状は、ドレスDのデザインにより(例えば、生地2の上部端部辺2cの一部がV字状にカットされる等)、必ずしも矩形状である必要はなく、適宜設計されるものである。
【0019】
また、生地丈Yの寸法は、ドレスDのスカート(以下、「下衣部30」という。)のボリューム感の有無等によって適宜変更され、ボリューム感を出したい場合には、長く設定され、例えば、10m程度に設定される。
【0020】
このような生地2において、生地丈Yの右側の端部辺2bの中央付近から下側には、生地幅X方向にひだ5aが延びるように成形されるドレープ5が、端部辺2bに沿って複数形成されている。隣接するドレープ5の間隔は、光沢感を出す上で重要であり、その間隔により光沢感が異なるものの、その間隔は、例えば、50cm程度に設定されることが好ましい。
【0021】
そして、生地2は、生地幅Xを横にして用いられ、
図2に示すように、上側の端部辺2cが装着者のバスト上部の位置に合わせられて装着者のバストに巻き付けられる。
【0022】
この生地2は、バスト下方の生地(「下部生地2B」という。)が、例えば、
図1中の点線に沿って段折りされてバストを覆う生地(「上部生地2A」という。)との間に空間部10が形成され、この空間部10内には、各ドレープ5が装着者のアンダーバストの回り(胴回り)に順次配列される(
図4参照)。また、この各ドレープ5は、その位置や形状が調整され、装着者の腰回りにはひだ5a、5a・・・、5aが下方に延びるように調整され、他の余った生地が内側に折り込まれることによってドレスの外観が形成される。
【0023】
次に、この生地2を用いたドレスDについて、
図1〜
図6を用いて説明する。
【0024】
本実施形態のドレスDは、
図2に示すように、装着者の身体のバストからウエストの上位部分を覆う上衣部20と、ウエストの上位部分から下方を覆う下衣部30と、を有し、1枚の生地2を変形することによって形成される。
【0025】
まず、
図1及び
図3に示すように、生地2の上側の端部辺2cが、バスト上部の位置に合わせて巻き付けられ、生地2の幅方向の両側端部辺2a、2bの上部が背中側で繋ぎ合わされて固定され、生地2が略筒状に形成される。生地2同士の固定方法としては、粘着テープ50やステープラー等が好適に用いられるが、フックやファスナー等を用いても構わない。
【0026】
上衣部20は、
図2及び
図4に示すように、下部生地2Bが上部生地2Aの内側に段折りされて、一部の生地が重ね合されるようにして帯状に形成されている。なお、生地の上部生地2Aの形状を適宜設計して切断することでこの上衣部20のデザインは適宜変更可能である。
【0027】
下部生地2Bは、
図3及び
図4に示すように、アンダーバストの位置に合わせて紐状体40(例えば、弾性体)が配置されて装着者に固定され、上部生地2Aと下部生地2Bの間には下方から連絡可能な空間部10が形成される。そして、この紐状体40によって下部生地2Bは、上部生地2Aの一部と重ね合されて保持される。
【0028】
この紐状体40の一例としては、環状又は帯状のゴム等が好適に用いられるが、一般的に物を縛るヒモ等であっても構わない。なお、紐状体40の両端部が開放されている場合には、背中側で縛り固定されることが好ましい。
【0029】
下衣部30は、
図3に示すように、複数のドレープ5が形成された端部辺2bを持ち上げて、装着者の背後から正面側へと回すようにして、
図4に示すように、当該端部辺2bを装着者のアンダーバストの位置に合わせて配置して、各ドレープ5が、前記空間部10内に収容され、且つアンダーバストの回りに順次配列された後、下部生地2が適宜調整されてその表面が形成される。その際、各ドレープ5の位置や形状が調整され、装着者の腰回りから下方にひだ5a、5a、・・・、5aが延びるように調整される。
【0030】
また、生地2の他の部位は、この表面の内側に適宜配置されるように折り込まれる等調整されてボリューム感が表現され、生地丈Yの左側の端部辺2aや下側の端部辺2dが紐状体40と下部生地2Bとの間に挟まれる等によって保持される。
【0031】
なお、生地2の他の部位を表面の下層に何層にも重ね合わせることにより、下衣部30を膨らませ、ボリューム感を有するように成形される。すなわち、下衣部30を膨らませたい場合には、生地丈Yを長くすればよい。一方で、ドレスDの下衣部30をシンプルなスタイルとする場合には、生地丈Yを短くすればよい。すなわち、生地丈Yの長さは、所望する下衣部30の形状によって適宜設定されるものである。
【0032】
次に、生地2に形成されるドレープの製作手法について説明する。
【0033】
本実施形態のドレープ5は、
図1及び
図5示すように、任意に規定される基点Zの周辺の生地2を寄せ集めて紐状体55(例えば、弾性体(例えば、輪ゴム等))によって固定することによって形成されるものであって、複数のひだ5a、5aが、紐状体55によってまとめられた部分から幅方向に延びて形成されている。このドレープ5は、生地丈Yの右側の端部辺2bに沿って所定の間隔で複数形成される。
【0034】
そして、端部辺2bが持ち上げられてアンダーバストに設けられた紐状体40によって固定され、ドレープ5のひだ5aが下方に延びるようにして、各ドレープ5が順次、装着者のウエストに沿ってほぼ均等に配置され、下衣部30が成形される。
【0035】
なお、各ドレープ5は、紐状体40から抜け落ちることを防止するために、ドレープを紐状体40によって保持させる際に、その先端部を紐状体40の上方へと引き出し、当該先端部を折り返して、テープ等で固定することによって強固に固定されることが好ましい。
【0036】
また、本実施形態では、背中側において生地2の幅方向の両側端部辺2a、2bが固定される固定部分が露出しているため、見栄えが悪い。このような場合には、例えば、
図6(a)に示すように、上部右側隅の生地2Cを予め引き出しておき、
図6(b)に示すように、この引き出した生地2Cで所定の形を形成し、固定部分を覆えばよい。この引き出された生地2Cの一部は、空間部10内の紐状体40等によって固定され、背中側に形作られた形状が保持される。これにより、固定部分を覆いつつ、背中部分に飾りつけを行うことができ、見栄えの良いドレスDを製造することができる。
【0037】
また、
図2に示すように、下衣部30において、生地2の一部を正面側に引き出して輪ゴム等の固定部材(図示しない)で固定し、引き出された生地にひだ等を形成して形作ることで、表面に花のような飾り60を簡単に製造することが可能である。
【0038】
また、本実施形態のドレスDは、生地を固定する固定部材として、帯状に形成された両面テープやゴム等の弾性体を用いており、縫製などの作業を要していない。すなわち、単なる一枚の矩形状の生地2からドレスDを製造することが可能であるとともに、これらの固定部材を取り除くことにより、元の単なる1枚の生地2に戻すことが可能である。
【0039】
また、一枚の生地を巻き付けるようにして、体型に合わせて着付けることが可能であるため、高齢者や障害者も着用可能であって、装着者に負担をかけることなく、着付けを行うことができる。
【0040】
また、ドレープ5の配置やひだ5aの寄せ方等を工夫するだけで、デザインの異なる複数のスタイルのドレスを簡易且つ安価に製作することが可能である。
【0041】
(第2実施形態)
第1実施形態のドレスDの生地は、ドレープ5を生地丈Y側に設けているのに対して、本実施形態のドレスは、生地幅X側にドレープ5を設けている点で異なる。なお、
図7において、
図1〜
図6と共通する部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0042】
図7に示すように、本実施形態の生地2は、横長に略帯状に形成され、生地幅Xの右側の端部辺2cの中央付近から右側には、生地丈Y方向にひだ5aが延びるドレープ5が、端部辺2cに沿って複数形成されている。
【0043】
そして、生地2は、生地幅Xが横になるようにして用いられ、
図8に示すように、左上側の端部辺2cの一部が装着者のバスト上部の位置に合わせられて装着者のバストに巻き付けられる。
【0044】
この生地2は、バスト下方の生地(「下部生地2B」という。)が、例えば、
図7中の一点鎖線に沿って段折りされてバストを覆う生地(「上部生地2A」という。)との間に空間部10が形成され、この空間部10内には、各ドレープ5が装着者のアンダーバストの回りに順次巻き付けられるようにして配列される(
図8、
図4参照)。また、この各ドレープ5の位置や形状が調整され、装着者の腰回りから下方にひだ5a、5a、・・・、5aが延びるように調整されることによってドレスの外観が形成される。
【0045】
なお、本実施形態の生地を用いたドレスの着付け方法は、上記第1実施形態において説明した着付け方法と同様であるため説明を省略するものとする。
【0046】
次に、生地2に形成されるドレープ5の製作手法の変形例について
図9を用いて説明する。なお、
図9に示す生地80は、
図1に示す生地2と異なる部分にのみ符号を付するものとし、同じ機能を有する部分には同一の符号を付してその説明は省略するものとする。
【0047】
上記第1実施形態において説明したドレープ5は、所定の間隔で基点Zを定めて、その基点Zの周囲の生地を寄せ集めた後、紐状体55で固定して形成されているのに対して、本実施形態のドレープ5Aは、生地丈Yの右側の端部辺2bを寄せ集めることで形成する点で異なる。
【0048】
本変形例に示すドレープ5Aが形成される生地2は、
図9に示すように、右側の端部辺2bの略中央部近傍に任意の固定点Z1を定めて、この固定点Z1から端部辺2bに沿って筒状の挿通孔70が形成されている。この挿通孔70は、例えば、生地80を折り返して縫製することによって形成される。
【0049】
この挿通孔70には、一部が当該固定点Z1に固定される紐状体71が挿通され、挿通孔70の両側から紐状体71の端部が露出するようにして配置される。そして、ドレープ5Aは、
図9(b)に示すように、この挿通孔70を片側(固定点側)に寄せることによってることによって形成される。
【0050】
このように構成された本実施形態のドレスDは、簡易な縫製を生地に施工するのみで、簡単且つ安価にドレスDを製造することが可能である。
【0051】
また、例えば、ソフトワイヤーと称される細長い弾力性のある針金状の部材をドレスDの裾に沿って配置することで、ドレスDの裾を所定の形状に形作って保持することが可能となり、見栄えをよくすることが可能となる。なお、当該ソフトワイヤーを裾以外の場所に用いることにより、ドレスDの一部分を所定の形状に形作ることが可能となる。
【0052】
なお、本願は本実施形態に限定されるものではなく、種々の形態にて実施することが可能である。